JP2022548399A - 肝細胞核因子4-アルファ(HNF4α)遺伝子発現をモジュレートするための組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)遺伝子の発現を、HNF4α発現制御領域を標的とすることによってモジュレートする(例えば、発現を増強または低減する)ための作用剤および組成物、ならびに、HNF4αに関連する障害、例えば硬変症を処置するためのその使用方法を提供する。HNF4α遺伝子は、細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば哺乳動物体細胞、例えばヒト体細胞などに存在するものであり得る。本発明は、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするため、またはHNF4α遺伝子の発現をモジュレートすることが有益であろう対象、例えば、HNF4α関連疾患に罹患しているもしくは罹患しやすい対象を処置するために、本発明の作用剤および組成物を使用する方法も提供する。
Description
関連出願との相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年9月23日出願の米国仮出願第62/904,178号に対する優先権の利益を主張するものである。
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる2019年9月23日出願の米国仮出願第62/904,178号に対する優先権の利益を主張するものである。
発明の背景
マスター調節因子は、細胞型、臓器系、または刺激への応答によって関連付けられる遺伝子のネットワークの発現に影響を及ぼすことができる転写因子などのタンパク質である。
マスター調節因子は、細胞型、臓器系、または刺激への応答によって関連付けられる遺伝子のネットワークの発現に影響を及ぼすことができる転写因子などのタンパク質である。
マスター調節因子の1つの例は、転写因子肝細胞核因子4-アルファ(HNF4α)である。HNF4αは、胚発生の後期に最終分化した肝細胞において初めて発現される。HNF4αは、肝細胞および肝臓内の他の細胞型の正常機能に必要なタンパク質の発現を制御する(Li, et al. (2000) Genes and Devel 14: 464-474)。さらに、これらのタンパク質の多くは肝臓細胞によって分泌され、健康に全身的に寄与する。例えば、アルブミンなどのタンパク質は栄養分、ホルモン、脂質、および小分子薬物の循環中の輸送に必要である。線維性肝疾患では、HNF4αが調節不全になっており、結果として、そのネットワークにおける遺伝子発現が有意に減退するかまたは停止する(Guzman-Lepe, et al. (2018) Hepatol Comm 2 (5): 582)。このネットワークの調節不全は、器官自体の肝不全の病理、および患者全体にわたる共存症に寄与する。
最近、Nishikawa et al. (2015)により、硬変症のラットモデルにおけるトランスジェニックHNF4αの発現により、HNF4αネットワーク全体にわたる遺伝子発現の回復、肝細胞機能の回復、および動物の健康の改善がもたらされることが実証された。導入遺伝子はアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて送達された。しかし、AAV送達による導入遺伝子発現では、ゲノム内にすでに存在する遺伝子の発現の繊細な制御または一過性の改変が可能にならない。AAVを用いて改変すると、影響を受けた細胞は、器官および体内での変化する条件に素早い生理的に意味のあるやり方で応答する能力を失う。
したがって、当技術分野において、より大きな制御ならびに細胞および組織を新生の「正常」な状態に回復させる能力をもたらし、したがって、線維性肝疾患、例えば硬変症などのHNF4α関連疾患を処置する一時的で変化しやすいエフェクターが必要とされている。
したがって、当技術分野において、より大きな制御ならびに細胞および組織を新生の「正常」な状態に回復させる能力をもたらし、したがって、線維性肝疾患、例えば硬変症などのHNF4α関連疾患を処置する一時的で変化しやすいエフェクターが必要とされている。
Li, et al. (2000) Genes and Devel 14: 464-474
Guzman-Lepe, et al. (2018) Hepatol Comm 2 (5): 582
発明の概要
本発明は、肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)遺伝子の発現を、HNF4α発現制御領域を標的とすることによってモジュレートする(例えば、発現を増強するまたは低減させる)ための作用剤および組成物を提供する。HNF4α遺伝子は、細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば哺乳動物体細胞、例えばヒト体細胞などに存在するものであり得る。本発明は、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするため、またはHNF4α遺伝子の発現をモジュレートすることが有益であろう対象、例えば、HNF4α関連疾患に罹患しているもしくは罹患しやすい対象を処置するために、本発明の作用剤および組成物を使用する方法も提供する。
本発明は、肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)遺伝子の発現を、HNF4α発現制御領域を標的とすることによってモジュレートする(例えば、発現を増強するまたは低減させる)ための作用剤および組成物を提供する。HNF4α遺伝子は、細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば哺乳動物体細胞、例えばヒト体細胞などに存在するものであり得る。本発明は、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするため、またはHNF4α遺伝子の発現をモジュレートすることが有益であろう対象、例えば、HNF4α関連疾患に罹患しているもしくは罹患しやすい対象を処置するために、本発明の作用剤および組成物を使用する方法も提供する。
したがって、一態様では、本発明は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的遮断剤を提供する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分はポリマー分子を含む。
ポリマー分子は、ポリアミド、ポリヌクレオチド、HNF4α発現制御領域に特異的に結合するDNA結合性ドメインまたはその断片をコードするポリヌクレオチド、またはペプチド核酸(PNA)を含み得る。
一部の実施形態では、発現制御領域はHNF4α特異的転写制御エレメントを含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは、HNF4αプロモーター、例えば、HNF4αプロモーター1のヌクレオチド配列もしくはその断片、またはHNF4αプロモーター2のヌクレオチド配列もしくはその断片を含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは転写エンハンサーを含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは転写リプレッサーを含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は、表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は、HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインまたはその断片をコードするポリヌクレオチドを含む。
一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、ZF5.3のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、ZF7のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、ZF14のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、ZF15のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、発現制御領域は、第1のHNF4α関連アンカー配列および第2のHNF4α関連アンカー配列を含むアンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含む。
一部の実施形態では、アンカー配列はCCCTC結合性因子(CTCF)結合性モチーフを含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の内側に含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の外側に含む。
一部の実施形態では、第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列は転写制御エレメントに対して約500kb以内に位置する。
一部の実施形態では、第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列は転写制御エレメントに対して300kb以内に位置する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤はヌクレオチド修飾を含む。
本発明は、ウイルス発現ベクターなどのベクター、ならびに本発明の部位特異的HNF4α遮断剤および本発明のベクターを含む細胞も提供する。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤は医薬組成物などの組成物中に存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質製剤を含む。
一部の実施形態では、脂質製剤は、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質ナノ粒子を含む。
別の態様では、本発明は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分と、エフェクター分子とを含む融合タンパク質をコードする核酸分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含む。
一実施形態では、TALEのDNA結合性ドメインは、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子はポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸分子を含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質はペプチド核酸融合物を含む。
一部の実施形態では、エフェクターはヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、およびエピジェネティックCpG修飾因子、および前記のいずれかの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、エフェクターはCRISPR関連タンパク質(Cas)ポリペプチドまたはCasポリペプチドをコードする核酸分子を含む。
一部の実施形態では、Casポリペプチドは酵素的に不活性なCasポリペプチドである。
一部の実施形態では、Casポリペプチドはヒトエキソヌクレアーゼ1(hEXO1)の触媒として活性なドメインを含む。
一部の実施形態では、エピジェネティック動員因子は転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含む。
一実施形態では、転写エンハンサーはVPR(VP64-p65-Rta)である。
一実施形態では、VPRは、
のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、転写エンハンサーは2つ、3つ、4つ、または5つのVPRを含む。
一実施形態では、転写エンハンサーはp300である。
一実施形態では、p300は、
のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、エピジェネティックCpG修飾因子はDNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素を含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子はジンクフィンガーポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)ポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子をさらに含み、第2の融合物は第2のHNF4α発現制御領域を標的とする第2の部位特異的HNF4α標的化成分と、第2のエフェクター分子とを含み、第2のHNF4α発現制御領域はHNF4α発現制御領域とは異なる。
一実施形態では、HNF4α発現制御領域はZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、第2のHNF4α発現制御領域はZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む。
一実施形態では、第2のエフェクターは第1のエフェクターとは異なる。
一実施形態では、第2のエフェクターは第1のエフェクターと同じである。
一実施形態では、融合タンパク質と第2の融合タンパク質は作動可能に連結している。
一実施形態では、融合タンパク質および第2の融合タンパク質は、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR、ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300、およびZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRからなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、ZF5.3-VPRのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、ZF5-VPR mRNA、ZF5.1-VPR mRNA、ZF5.2-VPR mRNA、ZF5.3-VPR mRNA、ZF5.4-VPR mRNA、ZF5.5-VPR mRNA、およびZF5.6-VPR mRNAからなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
一態様では、本発明は、部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。遮断剤は、融合タンパク質をコードする核酸分子を含み、融合タンパク質は、ZF1-VPR、ZF2-VPR、ZF3-VPR、ZF4-VPR、ZF5-VPR、ZF5.3-VPR、ZF6-VPR、ZF7-VPR、ZF8-VPR、ZF9-VPR、ZF10-VPR、ZF11-VPR、ZF12-VPR、ZF13-VPR、ZF14-VPR、およびZF15-VPRからなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、ポリペプチドはZF5-VPR、ZF5.3-VPR、ZF7-VPR、ZF10-VPR、ZF14-VPR、およびZF15-VPRからなる群から選択される。
一実施形態では、ポリペプチドはZF5.3-VPRである。
本発明は、ウイルス発現ベクターなどのベクター、ならびに本発明の部位特異的HNF4α遮断剤および本発明のベクターを含む細胞も提供する。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤は、医薬組成物などの組成物中に存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質製剤を含む。
一部の実施形態では、脂質製剤は、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質ナノ粒子を含む。
一態様では、本発明は、細胞における肝細胞核因子4アルファ-(HNF4α)の発現をモジュレートする方法を提供する。当該方法は、細胞を、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤と接触させるステップを含み、それにより、細胞におけるHNF4αの発現をモジュレートする。
発現のモジュレーションは、細胞におけるHNF4αの発現の増強または細胞におけるHNF4αの発現の低減であり得る。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分はポリマー分子を含む。
ポリマー分子は、ポリアミド、ポリヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)を含み得る。
一部の実施形態では、発現制御領域はHNF4α特異的転写制御エレメントを含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは、HNF4αプロモーター、例えば、HNF4αプロモーター1のヌクレオチド配列もしくはその断片、またはHNF4αプロモーター2のヌクレオチド配列もしくはその断片を含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは転写エンハンサーを含む。
一部の実施形態では、転写制御エレメントは転写リプレッサーを含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は、表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は、HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含む。
一部の実施形態では、TALEまたはZNFのDNA結合性ドメインは、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、発現制御領域は、第1のHNF4α関連アンカー配列および第2のHNF4α関連アンカー配列を含むアンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含む。
一部の実施形態では、アンカー配列はCCCTC結合性因子(CTCF)結合性モチーフを含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の内側に含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の外側に含む。
一部の実施形態では、第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列は転写制御エレメントに対して約500kb以内に位置する。
一部の実施形態では、第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列は転写制御エレメントに対して300kb以内に位置する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤はヌクレオチド修飾を含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子はポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、HNF4α発現調節領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分と、エフェクター分子とを含む融合タンパク質をコードする核酸分子を含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質はペプチド核酸融合分子を含む。
一部の実施形態では、エフェクターは、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、およびエピジェネティックCpG修飾因子、および前記のいずれかの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、エフェクターはCRISPR関連タンパク質(Cas)ポリペプチドまたはCasポリペプチドをコードする核酸分子を含む。
一部の実施形態では、Casポリペプチドは酵素的に不活性なCasポリペプチドである。
一部の実施形態では、Casポリペプチドはヒトエキソヌクレアーゼ1(hEXO1)の触媒として活性なドメインをさらに含む。
一部の実施形態では、エピジェネティック動員因子は転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含む。
一部の実施形態では、転写エンハンサーはVPRである。
一部の実施形態では、VPRは、
のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、転写エンハンサーは2つ、3つ、4つ、または5つのVPRを含む。
一部の実施形態では、転写エンハンサーはp300である。
一部の実施形態では、p300は、
のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を有する。
一部の実施形態では、エピジェネティックCpG修飾因子はDNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素を含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子はジンクフィンガーポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、エフェクター分子は転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)ポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質は、酵素的に不活性なCasポリペプチドおよびエピジェネティック動員因子ポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質は、酵素的にCasポリペプチドおよびエピジェネティックCpG修飾因子ポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤は第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子を含み、第2の融合タンパク質は第2のHNF4α発現制御領域を標的とする第2の部位特異的HNF4α標的化成分と、第2のエフェクター分子とを含み、第2のHNF4α発現制御領域はHNF4α発現制御領域とは異なる。
一部の実施形態では、HNF4α発現制御領域はZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、第2のHNF4α発現制御領域はZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む。
一部の実施形態では、第2のエフェクターは前記エフェクターとは異なる。
一部の実施形態では、第2のエフェクターは前記エフェクターと同じである。
一部の実施形態では、融合タンパク質と第2の融合タンパク質は作動可能に連結している。
一部の実施形態では、融合タンパク質および第2の融合タンパク質は、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPRタンパク質、ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPRタンパク質、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300タンパク質、およびZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRタンパク質から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質は、ZF5.3-VPRタンパク質のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質は、ZF5-VPR mRNA、ZF5.1-VPR mRNA、ZF5.2-VPR mRNA、ZF5.3-VPR mRNA、ZF5.4-VPR mRNA、ZF5.5-VPR mRNA、およびZF5.6-VPR mRNAからなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤および第2の部位特異的HNF4α遮断剤の投与には、HNF4αの発現をモジュレートすることに関して相乗効果がある。
一部の実施形態では、HNF4α発現制御領域はZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、第2のHNF4α発現制御領域はZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGG、ZF10標的配列CCTGCAGCCCCGCCCAGCCTA、ZF14標的配列GGAGGGGTGGGGGTTAATGGT、およびZF15標的配列GAAGGGGTGGAGGCTCTGCCGから選択される配列を含む。
一部の実施形態では、HNF4α発現制御領域はZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、第2のHNF4α発現制御領域はZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質はZF5-VPRのアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を含み、第2の融合タンパク質はZF7-VPR、ZF10-VPR、ZF14-VPR、およびZF15-VPRから選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
一部の実施形態では、融合タンパク質は、ZF1-VPR、ZF2-VPR、ZF3-VPR、ZF4-VPR、ZF5-VPR、ZF5.3-VPR、ZF6-VPR、ZF7-VPR、ZF8-VPR、ZF9-VPR、ZF10-VPR、ZF11-VPR、ZF12-VPR、ZF13-VPR、ZF14-VPR、およびZF15-VPRからなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、ポリペプチドはZF5-VPR、ZF5.3-VPR、ZF7-VPR、ZF10-VPR、ZF14-VPR、およびZF15-VPRからなる群から選択される。
一部の実施形態では、ポリペプチドはZF5.3-VPRである。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤、エフェクター、または部位特異的遮断剤とエフェクターの両方がウイルス発現ベクターなどのベクター内に存在する。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは同じベクター内に存在する。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは異なるベクター内に存在する。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤、エフェクター、または部位特異的遮断剤とエフェクターの両方が組成物中に存在する。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは同じ組成物中に存在する。
一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは異なる組成物中に存在する。
一部の実施形態では、組成物は医薬組成物を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質製剤を含む。
一部の実施形態では、脂質製剤は、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質ナノ粒子を含む。
一部の実施形態では、細胞は体細胞または初代細胞などの哺乳動物細胞である。
一部の実施形態では、接触させるステップをin vitroで実施する。
一部の実施形態では、接触させるステップをin vivoで実施する。
一部の実施形態では、接触させるステップをex vivoで実施する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞を対象に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、細胞は対象内に存在する。
一部の実施形態では、対象はHNF4α関連疾患を有する。
一部の実施形態では、HNF4α関連疾患は、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝臓における脂肪の蓄積、肝臓の炎症、肝細胞壊死、肝線維症、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、多嚢胞性腎疾患、炎症性腸疾患(IBD)、およびMODY Iからなる群から選択される。
別の態様では、本発明は、HNF4α関連疾患を有する対象を処置するための方法を提供する。当該方法は、対象に、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤を治療有効量で投与するステップを含み、それにより、対象を処置する。
一部の実施形態では、HNF4α関連疾患は肝細胞がんであり、部位特異的HNF4α遮断剤により、対象におけるHNF4αの発現が低減する。
一部の実施形態では、HNF4α関連疾患は脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝臓における脂肪の蓄積、肝臓の炎症、肝細胞壊死、肝線維症、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)からなる群から選択され、部位特異的HNF4α遮断剤により、対象におけるHNF4αの発現が増強される。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤とエフェクター分子を対象に併せて投与する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤とエフェクター分子を対象に逐次的に投与する。
一部の実施形態では、エフェクター分子を対象に、部位特異的HNF4α遮断剤を投与する前に投与する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α遮断剤を対象に、エフェクター分子を投与する前に投与する。
一態様では、本発明は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤であって、HNFα発現制御領域が、表1の第3列または表10の第4列に列挙されるヌクレオチド配列のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
一実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分は、表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含むポリマー分子を含む。
一実施形態では、TALEまたはZNFポリペプチドのDNA結合性ドメインは、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一実施形態では、HNFα発現制御領域は、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATのヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、HNFα発現制御領域は、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGのヌクレオチド配列を含む。
一態様では、本発明は、
のアミノ酸配列を含むバイシストロニックZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPRのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むバイシストロニック部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
一態様では、本発明は、
のアミノ酸配列を含むバイシストロニックZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPRのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むバイシストロニック部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
一態様では、本発明は、
のアミノ酸配列を含むバイシストロニックZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むバイシストロニック部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
一態様では、本発明は、
のアミノ酸配列を含むバイシストロニックZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含むバイシストロニック部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。
本発明は、ウイルス発現ベクターなどのベクター、ならびに本発明の部位特異的HNF4α遮断剤および本発明のベクターを含む細胞も提供する。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤は、医薬組成物などの組成物中に存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質製剤を含む。
一部の実施形態では、脂質製剤は、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む。
一部の実施形態では、医薬組成物は脂質ナノ粒子を含む。
一態様では、本発明は、
のアミノ酸配列を含むバイシストロニックZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPRのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む部位特異的HNF4α遮断剤、および脂質ナノ粒子を含む医薬組成物を提供する。
一態様では、本発明は、細胞における肝細胞核因子4アルファ-(HNF4α)の発現をモジュレートする方法を提供する。当該方法は、細胞を、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤と接触させるステップを含み、それにより、細胞におけるHNF4αの発現をモジュレートする。
発現のモジュレーションは、細胞におけるHNF4αの発現の増強または細胞におけるHNF4αの発現の低減であり得る。
発明の詳細な説明
本発明は、肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)遺伝子の発現を、HNF4α発現制御領域を標的とすることによってモジュレートする(例えば、発現を増強するまたは低減させる)ための作用剤および組成物を提供する。HNF4α遺伝子は、細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば哺乳動物体細胞、例えばヒト体細胞などに存在するものであり得る。本発明は、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするため、またはHNF4α遺伝子の発現をモジュレートすることが有益であろう対象、例えば、HNF4α関連疾患に罹患しているまたは罹患しやすい対象を処置するために、本発明の作用剤および組成物を使用する方法も提供する。
本発明は、肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)遺伝子の発現を、HNF4α発現制御領域を標的とすることによってモジュレートする(例えば、発現を増強するまたは低減させる)ための作用剤および組成物を提供する。HNF4α遺伝子は、細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば哺乳動物体細胞、例えばヒト体細胞などに存在するものであり得る。本発明は、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするため、またはHNF4α遺伝子の発現をモジュレートすることが有益であろう対象、例えば、HNF4α関連疾患に罹患しているまたは罹患しやすい対象を処置するために、本発明の作用剤および組成物を使用する方法も提供する。
本発明の作用剤は、本明細書では、部位特異的HNF4α遮断剤と称され、下の第II節に記載されている。
I.定義
本発明をより容易に理解することができるように、最初に特定の用語を定義する。さらに、パラメータの値または値の範囲が記載されている場合は常に、値および記載されている値の中間の範囲も本発明の一部であることが意図されていることに留意するべきである。
本発明をより容易に理解することができるように、最初に特定の用語を定義する。さらに、パラメータの値または値の範囲が記載されている場合は常に、値および記載されている値の中間の範囲も本発明の一部であることが意図されていることに留意するべきである。
「1つの(a)」および「1つの(an)」という冠詞は、本明細書では、1つ、または1つよりも多く(すなわち、少なくとも1つ)のその冠詞の文法上の目的語を指すように使用される。例として、「1つの(an)エレメント」は、1つのエレメントまたは1つよりも多くのエレメント、例えば複数のエレメントを意味する。
「を含む(including)」という用語は、本明細書では、「を含むがこれだけに限定されない(including but not limited to)」という句を意味するように使用され、それと互換的に使用される。「または(or)」という用語は、本明細書では、文脈によりそうでないことが明らかでない限り、「および/または」という用語を意味するように使用され、それと互換的に使用される。
「約」という用語は、本明細書では、当技術分野における典型的な許容範囲内に入ることを意味するように使用される。例えば、「約」は、平均から約2標準偏差と理解することができる。ある特定の実施形態では、約は±10%を意味する。ある特定の実施形態では、約は±5%を意味する。約が数の一続きまたは範囲の前にある場合、「約」はその一続きまたは範囲内の数のそれぞれを変更し得る(can modify)ことが理解される。
数または数の一続きの前の「少なくとも」という用語は、「少なくとも」という用語の隣の数、および、文脈から明らかになる通り論理的に含まれ得るその後の数または整数の全てを包含するものと理解される。例えば、核酸分子内のヌクレオチドの数は整数でなければならない。例えば、「21ヌクレオチドの核酸分子の少なくとも18ヌクレオチド」は、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、または21ヌクレオチドが示されている特性を有することを意味する。少なくともが数の一続きまたは範囲の前にある場合、「少なくとも」はその一続きまたは範囲内の数のそれぞれを変更し得ることが理解される。
本明細書で使用される場合、「以下(no more than)」または「未満(less than)」は、その句の隣の値、および、文脈から論理的である場合、ゼロまでの論理的なより小さい値または整数と理解される。「以下(no more than)」が数の一続きまたは範囲の前にある場合、「以下(no more than)」はその一続きまたは範囲内の数のそれぞれを変更し得ることが理解される。
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的の特徴または特性の全程度もしくは度合いまたはほぼ全程度もしくは度合いを示す定性的な状態を指す。生物学的現象および化学的現象は、たとえあったとしても、完了することおよび/もしくは完全に進行すること、あるいは絶対的結果を達成するまたは回避することが、めったにないことが当業者には理解されよう。したがって、「実質的に」という用語は、本明細書の一部の実施形態では、多くの生物学的現象および化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を捕捉するために使用され得る。
本明細書で使用される場合、「肝細胞核因子4アルファ」、「HNF4α」および「HNF4Α」という用語は、本明細書では互換的に使用され、DNAにホモ二量体として結合する核転写因子である遺伝子ならびに周知のコードされるタンパク質を指す。コードされるタンパク質は、いくつかの肝臓遺伝子の発現を調節する転写因子である肝細胞核因子1アルファを含めたいくつかの遺伝子の発現を制御する。HNF4αはまた、肝臓、腎臓、および腸の発達においても役割を果たす。この遺伝子の発現の低減は、単一遺伝子常染色体優性インスリン非依存性I型糖尿病(MODY I)および肝疾患、例えば硬変症に関連付けられている。この遺伝子の調節不全、例えば発現の増大は肝細胞癌に関連付けられている。HNF4αのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は公知であり、例えば、そのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、GenBank受託番号NM_000457;NM_175914;NM_178849;NM_178850;NM_001030003;NM_001030004;NM_001258355;NM_001287182;NM_001287183;NM_001287184;XM_005260407;NP_000448.3;NP_787110.2;NP_849180.1;NP_849181.1;NP_001025174.1;NP_001025175.1;NP_001245284.1;NP_001274111.1;NP_001274112.1;NP_001274113.1;XP_005260464.1に見いだすことができる。HNF4αの内因性プロモーターを含む20番染色体のゲノム領域のヌクレオチド配列およびHNF4αコード配列も公知であり、GenBank受託番号NC_000020.10(42984441...43061485)に見いだすことができる。
HNF4α遺伝子は20番染色体に位置し、2つのプロモーター(P1およびP2)によって転写調節され、選択的スプライシングバリアントにより、9つの別個のアイソフォーム(α1~α9)が生じる(図8)。HNF4α遺伝子座は、45kbよりも大きく物理的に分離された2つの別個のプロモーターが使用されることによって転写調節される。近い方のプロモーターの活性によって生じるアイソフォームはP1と称され、一方、第2のより遠位のプロモーターによって生じるアイソフォームはP2と称される。肝臓において最も一般的なアイソフォームはプロモーター1(P1)から発現され、P2からのアイソフォームは胎児組織において、ならびに成体の腎臓および小腸において最も一般的に見いだされる。
HNF4αは、肝細胞および肝臓内の他の細胞型の正常機能に必要なタンパク質の発現を制御する(Argemi J, et al. Defective HNF4αlpha-dependent gene expression as a driver of hepatocellular failure in alcoholic hepatitis. Nat Commun. 2019; 10 (1): 3126. doi: 10.1038/s41467-019-11004-3;Nishikawa T, et al. Resetting the transcription factor network reverses terminal chronic hepatic failure. J Clin Invest. 2015; 125 (4): 1533-1544. doi: 10.1172/JCI73137)。さらに、これらのタンパク質の多くは肝細胞によって分泌され、健康に全身的に寄与する。例えば、アルブミンなどのタンパク質は栄養分、ホルモン、脂質、および小分子薬物の循環中の輸送に必要である。
「部位特異的HNF4α遮断剤」という用語は、本明細書で使用される場合、標的HNF4α発現制御領域に特異的に結合し、例えば、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートする任意の作用剤を指す。発現のモジュレーションは、恒久的なモジュレーションまたは一過性のモジュレーションであり得る。本発明の部位特異的HNF4α遮断剤は、「部位特異的HNF4α標的化成分」を含み得る。
本明細書で使用される場合、「部位特異的HNF4α標的化成分」という用語は、HNF4α発現制御領域、例えば、HNF4α遺伝子の転写制御領域、例えば、プロモーター、エンハンサー、もしくはリプレッサー;またはHNF4α関連アンカー配列、例えば、HNF4α関連アンカー配列媒介性接続内にあるものなどに特異的に結合する成分を指す。例示的な「部位特異的HNF4α標的化成分」としては、これだけに限定されないが、ポリアミド、核酸分子、例えば、RNA、DNA、または修飾されたRNAもしくはDNA、ポリペプチド、タンパク質核酸分子、および融合タンパク質が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、結合が生じる環境において、可能性のある結合パートナーを識別できることを指す。一部の実施形態では、他の潜在的な遮断剤が存在する場合に1つの特定の標的と相互作用する、例えば優先的に相互作用する遮断剤は、それが相互作用する標的(すなわち、発現制御領域)に「特異的に結合する」といえる。一部の実施形態では、遮断剤とその標的の会合の度合いを検出または決定することによって特異的結合を評価する。一部の実施形態では、遮断剤-標的複合体の解離の度合いを検出または決定することによって特異的結合を評価する。一部の実施形態では、遮断剤の、その標的と別の実体との間の代替的相互作用と競合する能力を検出または決定することによって特異的結合を評価する。一部の実施形態では、そのような検出または決定を様々な濃度にわたって実施することによって特異的結合を評価する。
本明細書で使用される場合、「発現制御領域」または「発現制御ドメイン」という用語は、細胞内の標的遺伝子の発現をモジュレートする、ゲノムDNA内に存在する領域またはドメインを指す。発現制御領域に関連する機能性は、例えば、標的遺伝子の発現を刺激する転写因子を動員することまたは動員を遮断することにより、標的遺伝子の発現に直接影響を及ぼし得る。発現制御領域に関連する機能性は、例えば、エピジェネティック修飾を導入することにより、または標的遺伝子の発現をモジュレートする染色体トポロジーの変化を誘導するエピジェネティック修飾を導入する他の因子を動員することにより、標的遺伝子の発現に間接的に影響を及ぼし得る。発現制御領域は、遺伝子のタンパク質コード配列の上流および/または下流であり得、例えば、転写制御エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサー、またはリプレッサー;ならびにアンカー配列、およびアンカー配列媒介性接続を含む。
「転写制御エレメント」という用語は、本明細書で使用される場合、遺伝子の転写を制御する核酸配列を指す。転写制御エレメントとしては、例えば、アンカー配列、アンカー配列媒介性接続、プロモーター、転写エンハンサー、および転写リプレッサーが挙げられる。
プロモーターは、特定の遺伝子の転写を開始するためにRNAポリメラーゼによって認識されるDNAの領域であり、一般に、遺伝子の転写開始部位の5’末端の上流に位置する。
「転写エンハンサー」は遺伝子転写を増加させるものである。「転写サイレンサー」または「転写リプレッサー」は遺伝子転写を低減するものである。強化配列およびサイレンシング配列は、約50~3500塩基対の長さであり得、最大約1メガ塩基離れた遺伝子転写に影響を及ぼし得る。
「遺伝子」という用語は、本明細書で使用される場合、機能を有するタンパク質などの分子をコードするヌクレオチドの配列を指す。遺伝子は、転写される配列(例えば、3’UTR)、転写されない配列(例えば、プロモーター)、翻訳される配列(例えば、エクソン)、および翻訳されない配列(例えば、イントロン)を含有する。
本明細書で使用される場合、「標的遺伝子」という用語は、発現のモジュレーション、例えば、増大または低減の標的とされるHNF4α遺伝子を意味する。一部の実施形態では、HNF4α標的遺伝子は標的とされるゲノム複合体の一部(例えば、そのゲノム配列の少なくとも一部を標的ゲノム複合体の一部として、例えばアンカー配列媒介性接続の内側に有するHNF4α遺伝子)であり、ゲノム複合体は本明細書に記載の1つまたは複数の部位特異的遮断剤の標的とされる。一部の実施形態では、モジュレーションは、標的遺伝子の発現の阻害を含む。一部の実施形態では、HNF4α遺伝子またはHNF4α遺伝子に作動可能に連結した転写制御エレメントを本明細書に記載の1つまたは複数の部位特異的遮断剤と接触させることにより、HNF4α遺伝子をモジュレートする。一部の実施形態では、HNF4α遺伝子を細胞、例えば、対象(例えば、HNF4α関連疾患を有する対象)内の細胞において異常に発現(例えば、過剰発現)させる。一部の実施形態では、HNF4α遺伝子を細胞、例えば、対象(例えば、HNF4α関連疾患を有する対象)内の細胞において異常に発現(例えば、過少発現)させる。
「アンカー配列」という用語は、本明細書で使用される場合、アンカー配列媒介性接続、例えば複合体が形成されるように十分に結合する核形成剤(nucleating agent)によって認識される核酸配列を指す。一部の実施形態では、アンカー配列は1つまたは複数のCTCF結合性モチーフを含む。一部の実施形態では、アンカー配列は遺伝子コード領域内には位置しない。一部の実施形態では、アンカー配列は遺伝子間領域内に位置する。一部の実施形態では、アンカー配列はエンハンサー内にもプロモーター内にも位置しない。一部の実施形態では、アンカー配列は任意の転写開始部位から少なくとも400bp、少なくとも450bp、少なくとも500bp、少なくとも550bp、少なくとも600bp、少なくとも650bp、少なくとも700bp、少なくとも750bp、少なくとも800bp、少なくとも850bp、少なくとも900bp、少なくとも950bp、または少なくとも1kb離れたところに位置する。一部の実施形態では、アンカー配列はゲノム刷り込み、単一対立遺伝子発現、および/または単一対立遺伝子エピジェネティックマークに関連しない領域内に位置する。一部の実施形態では、アンカー配列は内因性の核形成ポリペプチド(例えば、CTCF)に結合すること、第2のアンカー配列と相互作用してアンカー配列媒介性接続を形成すること、またはアンカー配列媒介性接続の外側にあるエンハンサーに対して遮断することから選択される1つまたは複数の機能を有する。本発明の一部の実施形態では、特定のアンカー配列(1つまたは複数)を特異的に標的とし、他のアンカー配列(例えば、異なる状況にある核形成剤(例えば、CTCF)結合性モチーフを含有し得る配列)は標的としないようにできる技術が提供される;そのような標的とされるアンカー配列は「標的アンカー配列」と称することができる。一部の実施形態では、標的アンカー配列の配列および/または活性をモジュレートし、一方、他の標的とされるアンカー配列と同じ系(例えば、同じ細胞および/または一部の実施形態では、同じ核酸分子、例えば同じ染色体)に存在し得る1つまたは複数の他のアンカー配列の配列および/または活性はモジュレートしない。一部の実施形態では、アンカー配列は核形成ポリペプチド結合性モチーフを含む、または核形成ポリペプチド結合性モチーフである。一部の実施形態では、アンカー配列は核形成ポリペプチド結合性モチーフに隣接している。
「アンカー配列媒介性接続」という用語は、本明細書で使用される場合、DNA内の少なくとも2つのアンカー配列と、アンカー配列に結合して、アンカー配列間の空間的近傍および機能的連結を可能にする核形成ポリペプチドなどの1つもしくは複数のポリペプチド、もしくは1つもしくは複数のタンパク質および/または核酸実体(例えばRNAもしくはDNAなど)との物理的な相互作用または結合によって生じ、かつ/または維持されるDNA構造、一部の場合では、複合体を指す。
本明細書で使用される場合、「ゲノム複合体」という用語は、1つまたは複数の染色体上の互いから間隔があいている2つのゲノム配列エレメントを、複数のタンパク質および/または他の構成成分(ゲノム配列エレメントを潜在的に含む)の間およびその中での相互作用を介して一緒にする複合体である。一部の実施形態では、ゲノム配列エレメントは、複合体の1つまたは複数のタンパク質構成成分が結合するアンカー配列である。一部の実施形態では、ゲノム複合体は、アンカー配列媒介性接続を含み得る。一部の実施形態では、ゲノム配列エレメントは、CTCF結合性モチーフ、プロモーターおよび/またはエンハンサーであり得る、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、ゲノム配列エレメントは、プロモーターおよび/または調節領域(例えば、エンハンサー)のうちの少なくとも一方または両方を含む。一部の実施形態では、複合体の形成は、ゲノム配列エレメント(複数可)において、および/またはタンパク質構成成分の1つまたは複数がゲノム配列エレメント(複数可)と結合することによってその核が形成される。当業者には理解される通り、一部の実施形態では、複合体の形成を介したゲノム部位の共局在(例えば、接続)により、ゲノム配列エレメント(複数可)またはその付近、一部の実施形態ではそれらの間を含むところでDNAトポロジーが変更される。一部の実施形態では、ゲノム複合体はアンカー配列媒介性接続を含み、アンカー配列媒介性接続は1つまたは複数のループを含む。一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム複合体は、例えばCTCFおよび/またはコヒーシンなどの核形成ポリペプチドによって核が形成される。一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム複合体は、例えば、CTCF、コヒーシン、非コードRNA(例えば、eRNA)、転写機構タンパク質(例えば、RNAポリメラーゼ、1つまたは複数の転写因子、例えば、TFIIA、TFIIB、TFIID、TFIIE、TFIIF、TFIIHなどからなる群から選択されるもの)、転写調節因子(例えば、メディエーター、P300、エンハンサー結合性タンパク質、リプレッサー結合性タンパク質、ヒストン修飾因子など)などのうちの1つまたは複数を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載のゲノム複合体は、1つまたは複数のポリペプチドである構成成分および/または1つまたは複数の核酸である構成成分(例えば、1つまたは複数のRNAである構成成分)を含み、これらは、一部の実施形態では、互いにおよび/または1つもしくは複数のゲノム配列エレメント(例えば、アンカー配列、プロモーター配列、調節配列(例えば、エンハンサー配列))と相互作用して、複合体が形成されない場合にひと続きのゲノムDNAが採用しないトポロジカル立体配置(例えばループ)にひと続きのゲノムDNAを制約し得る。
「エフェクター分子」は、本明細書で使用される場合、酵素活性、遺伝子発現、アンカー配列媒介性接続または細胞シグナル伝達などの生物活性を調節することができる分子を指す。例示的なエフェクターは以下の第II節に記載されており、また、一部の実施形態では、それらとして、例えば、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、例えば、転写エンハンサーまたは転写リプレッサー、およびエピジェネティックCpG修飾因子、例えば、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素、ならびに前記のいずれかの組合せが挙げられる。
II.本発明の部位特異的HNF4α遮断剤
本発明は、本発明の一態様ではHNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。別の態様では、本発明の部位特異的遮断剤は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む。当業者には理解されるように、そのような遮断剤は、部位特異的であり、したがって、例えば細胞内のHNF4α発現制御領域(例えば、1つまたは複数の転写制御エレメントおよび/または1つまたは複数の標的アンカー配列)に特異的に結合し、標的とされない発現制御領域(例えば、同じ細胞内の)には結合しない。
本発明は、本発明の一態様ではHNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤を提供する。別の態様では、本発明の部位特異的遮断剤は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む。当業者には理解されるように、そのような遮断剤は、部位特異的であり、したがって、例えば細胞内のHNF4α発現制御領域(例えば、1つまたは複数の転写制御エレメントおよび/または1つまたは複数の標的アンカー配列)に特異的に結合し、標的とされない発現制御領域(例えば、同じ細胞内の)には結合しない。
本発明の部位特異的HNF4α遮断剤は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む。部位特異的標的化成分によって標的とされる発現制御領域は、例えば、転写制御エレメント、またはアンカー媒介性接続内のアンカー配列などのアンカー配列であり得る。
したがって、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤により、遺伝子、すなわちHNF4αの発現を、例えば、内因性プロモーター、エンハンサー、またはリプレッサーからの遺伝子の発現をモジュレートすることによってモジュレートすることができる、制御領域のメチル化を変更することができる、少なくとも1つのアンカー配列を変更することができる;少なくとも1つの接続核形成分子結合部位(conjunction nucleating molecule binding site)を、例えば、接続核形成分子に対する結合親和性を変更することによって変更することができる;CTCF結合性モチーフなどの少なくとも1つの共通のヌクレオチド配列の配向を、例えば、CTCF結合性モチーフなどの少なくとも1つのアンカー配列内の置換、付加または欠失によって変更することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の部位特異的遮断剤および組成物は、細胞における発現をモジュレートするために、1つまたは複数のHNF4α特異的転写制御エレメントを含む発現制御領域を標的とする。標的とすることができるHNF4α特異的転写制御エレメントとしては、HNF4α特異的プロモーター、HNF4α特異的エンハンサー、HNF4α特異的リプレッサーが挙げられる。一実施形態では、HNF4α特異的プロモーターは、肝臓の細胞における発現を実質的に駆動する、すなわち、プロモーター1である。一実施形態では、HNF4α特異的プロモーターは、膵臓の細胞における発現を実質的に駆動する、すなわち、プロモーター2である。HNF4αプロモーター1およびプロモーター2のヌクレオチド配列は公知であり、例えば、GenBank受託番号NC_000020.10(42984441...43061485)に見いだすことができる。
例えば、部位特異的遮断剤は、部位特異的標的化成分、例えば、HNF4α内因性プロモーター領域、例えばプロモーター1などのHNF4α発現制御領域を特異的に標的とし、それに結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインまたはその断片をコードする核酸分子、およびエフェクター分子、例えば、内因性プロモーターからの標的遺伝子の発現をモジュレート、例えば、増強または抑止して遺伝子発現をモジュレートする転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含むエフェクター分子を含み得る。一実施形態では、遮断剤は、「バイシストロニック核酸分子」である、すなわち、単一のメッセンジャーRNA分子から2つの融合タンパク質、第1の部位特異的標的化成分および第2の部位特異的標的化成分、例えば、HNF4α内因性プロモーター領域、例えばプロモーター1などのHNF4α発現制御領域を特異的に標的とし、それに結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインまたはその断片をコードする核酸分子、およびエフェクター分子、例えば、内因性プロモーターからの標的遺伝子の発現をモジュレート、例えば、増強または抑止して遺伝子発現をモジュレートする転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含むエフェクター分子を作製することができる。
本発明の一部の実施形態では、部位特異的遮断剤は、部位特異的標的化成分、例えば、HNF4α内因性プロモーター領域、例えばプロモーター1を標的とするガイドRNAなどの核酸分子、およびエフェクター分子、例えば、内因性プロモーターからの標的遺伝子の発現をモジュレート、例えば、増強または抑止して遺伝子発現をモジュレートする転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含むエフェクター分子などを含み得る。
本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載の部位特異的遮断剤および組成物は、2次元クロマチン構造を変更するために、1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含む、例えば、アンカー配列媒介性接続内に第1のHNF4α関連アンカー配列および第2のHNF4α関連アンカー配列を含む発現制御領域を標的とする(例えば、例えばDNA、例えばゲノムDNAにおけるアンカー配列媒介性接続を改変することにより、細胞、例えば対象内の細胞における発現をモジュレートするためにアンカー配列媒介性接続)。
一態様では、本発明は、アンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含むHNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤を含む。遮断剤は、特定のアンカー配列媒介性接続に結合、例えば、特異的に結合して、アンカー配列媒介性接続、例えば、接続核形成分子が結合した2つまたはそれよりも多くのDNA遺伝子座の物理的な相互作用を有するアンカー配列媒介性接続のトポロジーを変更する。
アンカー配列媒介性接続の形成により、転写制御エレメントがHNF4α遺伝子と相互作用するように強制され得る、または転写制御エレメントの活性が空間的に制約され得る。したがって、アンカー配列媒介性接続を変更することにより、モジュレートされるHNF4α遺伝子のコード配列を変更せずにHNF4α発現をモジュレートすることが可能になる。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤および組成物により、アンカー配列媒介性接続に関連するHNF4α遺伝子の発現を、1つまたは複数のアンカー配列と接続核形成分子の間に物理的に干渉することによってモジュレートする。例えば、DNA結合性小分子(例えば、副溝もしくは主溝結合物質)、ペプチド(例えば、ジンクフィンガー、TALE、新規もしくは修飾されたペプチド)、タンパク質(例えば、CTCF、CTCF結合性および/もしくは凝集結合親和性が損なわれた修飾されたCTCF)、または核酸(例えば、ssDNA、修飾されたDNAまたはRNA、ペプチドオリゴヌクレオチドコンジュゲート、ロックド核酸、架橋型核酸、ポリアミド、および/または三重鎖形成性オリゴヌクレオチド)により、接続核形成分子が1つまたは複数のアンカー配列と相互作用することを物理的に妨げて、HNF4α遺伝子発現をモジュレートすることができる。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤および組成物により、アンカー配列媒介性接続に関連するHNF4α遺伝子の発現を、アンカー配列の修飾、例えばエピジェネティック修飾、例えばヒストンタンパク質の修飾、またはゲノム編集(genomic editing)の改変によってモジュレートする。例えば、HNF4α遺伝子を含むアンカー配列媒介性接続に関連する1つまたは複数のアンカー配列をDNAメチルトランスフェラーゼ、例えば、dCas9-メチルトランスフェラーゼ融合物、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド-酵素融合物によるメチル化修飾のための標的として、前記遺伝子の発現をモジュレートすることができる。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤および組成物により、アンカー配列媒介性接続に関連するHNF4α遺伝子の発現をモジュレートする、例えば、転写を活性化または抑止する、例えば、クロマチンに対するエピジェネティック変化を誘導する。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、1つまたは複数のアンカー配列、HNF4α遺伝子、および強化エレメントまたはサイレンシングエレメントなどの1つまたは複数の転写制御エレメントを含む。一部の実施形態では、転写制御エレメントはアンカー配列媒介性接続の内部に存在する、部分的にアンカー配列媒介性接続の内部に存在する、またはアンカー配列媒介性接続の外側に存在する。
一実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、染色体内ループなどのループを含む。ある特定の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は複数のループを有する。1つまたは複数のループは、第1のアンカー配列、核酸配列、転写制御エレメント、および第2のアンカー配列を含み得る。別の実施形態では、少なくとも1つのループは、順番に、第1のアンカー配列、転写制御エレメント、および第2のアンカー配列;または第1のアンカー配列、核酸配列、および第2のアンカー配列を含む。さらに別の実施形態では、核酸配列および転写制御エレメントのいずれか一方または両方がループの内部または外側に位置する。さらに別の実施形態では、ループの1つまたは複数が転写制御エレメントを含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、TATAボックス、CAATボックス、GCボックス、またはCAP部位を含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は複数のループを含み、アンカー配列媒介性接続は、ループの1つまたは複数にアンカー配列、核酸配列、および転写制御エレメントのうちの少なくとも1つを含む。
一態様では、本発明の部位特異的遮断剤および組成物により、アンカー配列媒介性接続に標的化変更を導入して、アンカー配列に結合する遮断剤で核酸配列の発現をモジュレートすることができる。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続内の1つまたは複数のヌクレオチドを置換、付加または欠失のための標的とすることによってアンカー配列媒介性接続を変更する。
一部の実施形態では、発現、例えば転写を、活性化ループを含めることまたは抑止性ループを除外することによって活性化する。そのような実施形態の1つでは、アンカー配列媒介性接続は、核酸配列、例えばHNF4αをコードする核酸などの転写を増加させる転写制御配列を含む。別のそのような実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、核酸配列、例えばHNF4αをコードする核酸などの発現、例えば転写を低減する転写制御エレメントを除外する。
一部の実施形態では、発現、例えば転写を、抑止性ループを含めることまたは活性化ループを除外することによって抑止する。その実施形態の1つでは、アンカー配列媒介性接続は、核酸配列、例えばHNF4αをコードする核酸配列などの発現、例えば転写を低減する転写制御エレメントを含む。別のそのような実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、核酸配列、例えばHNF4αをコードする核酸などの転写を増加させる転写制御配列を除外する。
各アンカー配列媒介性接続は、1つまたは複数、例えば複数のアンカー配列を含む。アンカー配列を操作または変更して、天然に存在するループを中断するまたは新しいループを形成する(例えば、外因性ループを形成するもしくは外因性もしくは変更されたアンカー配列を有する天然に存在しないループを形成する)ことができる。そのような変更により、HNF4α遺伝子の全部または一部を含有するDNAの2次元構造を変化させることによって、例えば、それにより、HNF4α遺伝子の転写制御エレメント(例えば、強化配列およびサイレンシング/抑止性配列)と相互作用する能力をモジュレートすることによって、HNF4α遺伝子発現をモジュレートする。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続のアンカー配列内の1つまたは複数のヌクレオチドの置換、付加または欠失によってクロマチン構造を改変する。
アンカー配列は互いに連続していなくてよい。連続していないアンカー配列を用いる実施形態では、第1のアンカー配列と第2のアンカー配列は約500bp~約500Mb、約750bp~約200Mb、約1kb~約100Mb、約25kb~約50Mb、約50kb~約1Mb、約100kb~約750kb、約150kb~約500kb、または約175kb~約500kb離れ得る。一部の実施形態では、第1のアンカー配列と第2のアンカー配列は約500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1kb、5kb、10kb、15kb、20kb、25kb、30kb、35kb、40kb、45kb、50kb、55kb、60kb、65kb、70kb、75kb、80kb、85kb、90kb、95kb、100kb、125kb、150kb、175kb、200kb、225kb、250kb、275kb、300kb、350kb、400kb、500kb、600kb、700kb、800kb、900kb、1Mb、2Mb、3Mb、4Mb、5Mb、6Mb、7Mb、8Mb、9Mb、10Mb、15Mb、20Mb、25Mb、50Mb、75Mb、100Mb、200Mb、300Mb、400Mb、500Mb、またはこれらの間の任意のサイズだけ離れている。
一実施形態では、アンカー配列は共通のヌクレオチド配列、例えば、CTCF結合性モチーフ:N(T/C/G)N(G/A/T)CC(A/T/G)(C/G)(C/T/A)AG(G/A)(G/T)GG(C/A/T)(G/A)(C/G)(C/T/A)(G/A/C)(配列番号64)を含み、ここで、Nは任意のヌクレオチドである。
CTCF結合性モチーフは、逆の配向、例えば、(G/A/C)(C/T/A)(C/G)(G/A)(C/A/T)GG(G/T)(G/A)GA(C/T/A)(C/G)(A/T/G)CC(G/A/T)N(T/C/G)N(配列番号65)であってもよい。
CTCF結合性モチーフは、逆の配向、例えば、(G/A/C)(C/T/A)(C/G)(G/A)(C/A/T)GG(G/T)(G/A)GA(C/T/A)(C/G)(A/T/G)CC(G/A/T)N(T/C/G)N(配列番号65)であってもよい。
一実施形態では、アンカー配列は配列番号64または配列番号65または配列番号64または配列番号65のいずれかと少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、少なくとも第1のアンカー配列および第2のアンカー配列を含む。第1のアンカー配列および第2のアンカー配列はそれぞれが共通のヌクレオチド配列を含み得る、例えば、それぞれがCTCF結合性モチーフを含む。一部の実施形態では、第1のアンカー配列および第2のアンカー配列は異なる配列を含む、例えば、第1のアンカー配列はCTCF結合性モチーフを含み、第2のアンカー配列はCTCF結合性モチーフ以外のアンカー配列を含む。一部の実施形態では、各アンカー配列が共通のヌクレオチド配列および共通のヌクレオチド配列の一端または両端の1つまたは複数の隣接ヌクレオチドを含む。
接続を形成し得る2つのCTCF結合性モチーフ(例えば、連続したまたは連続していないCTCF結合性モチーフ)は、ゲノム内に任意の配向、例えば、5’→3’(左タンデム、例えば、配列番号64を含む2つのCTCF結合性モチーフ)もしくは3’→5’(右タンデム、例えば、2つのCTCF結合性モチーフが配列番号65を含む)のいずれかの同じ配向(タンデム)で、または、一方のCTCF結合性モチーフが配列番号64を含み、他方が配列番号65を含む、収束配向で存在し得る。CTCFBSDB 2.0:Database For CTCF binding motifs And Genome Organization (http ://insulatordb.uthsc.edu/)を使用して、標的遺伝子、例えばHNF4αに関連するCTCF結合性モチーフを同定することができる。
一部の実施形態では、少なくとも1つの共通のヌクレオチド配列、例えば、接続核形成分子結合部位の配向を変化させることによってアンカー配列媒介性接続を変更する。
一部の実施形態では、アンカー配列は接続核形成分子結合部位、例えばCTCF結合性モチーフを含み、本発明の部位特異的遮断剤により、少なくとも1つの接続核形成分子結合部位の変更、例えば、接続核形成分子に対する結合親和性の変更が導入される。
一部の実施形態では、外因性アンカー配列を導入することによってアンカー配列媒介性接続を変更する。天然に存在しないアンカー配列または外因性アンカー配列の付加により、例えば、核酸配列の転写を変更する天然に存在しないループの形成が誘導されることによって天然に存在するアンカー配列媒介性接続が形成されるまたは中断される。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、1つのHNF4α遺伝子、および1つまたは複数、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはHNF4α遺伝子以外の他の遺伝子を含む。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、1つまたは複数の、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれよりも多くの転写制御エレメントと関連する。一部の実施形態では、HNF4α遺伝子は転写制御エレメントの1つまたは複数と連続していない。HNF4α遺伝子が転写制御エレメントと連続していない一部の実施形態では、前記遺伝子は、1つまたは複数の転写制御エレメントから約100bp~約500Mb、約500bp~約200Mb、約1kb~約100Mb、約25kb~約50Mb、約50kb~約1Mb、約100kb~約750kb、約150kb~約500kb、または約175kb~約500kb離れ得る。一部の実施形態では、前記遺伝子は転写制御エレメントから約100bp、300bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1kb、5kb、10kb、15kb、20kb、25kb、30kb、35kb、40kb、45kb、50kb、55kb、60kb、65kb、70kb、75kb、80kb、85kb、90kb、95kb、100kb、125kb、150kb、175kb、200kb、225kb、250kb、275kb、300kb、350kb、400kb、500kb、600kb、700kb、800kb、900kb、1Mb、2Mb、3Mb、4Mb、5Mb、6Mb、7Mb、8Mb、9Mb、10Mb、15Mb、20Mb、25Mb、50Mb、75Mb、100Mb、200Mb、300Mb、400Mb、500Mb、またはこれらの間の任意のサイズだけ離れている。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続を変更することによって遺伝子発現をどのようにモジュレートするかの決定、例えば、部位特異的標的化成分の選択に、アンカー配列媒介性接続の型が役立ち得る。例えば、一部の型のアンカー配列媒介性接続はアンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数の転写制御エレメントを含む。そのようなアンカー配列媒介性接続を、アンカー配列媒介性接続の形成を中断すること、例えば、1つまたは複数のアンカー配列を変更することによって中断することにより、アンカー配列媒介性接続内のHNF4α遺伝子の転写が低減する可能性がある。
一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続に付随する1つまたは複数の転写制御エレメントによってHNF4α遺伝子の発現を調節する、モジュレートする、または発現に影響を及ぼす。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、HNF4α遺伝子および1つまたは複数の転写制御エレメントを含む。例えば、HNF4α遺伝子および1つまたは複数の転写制御配列は、少なくとも部分的に、アンカー配列媒介性接続内、例えば、1型アンカー配列媒介性接続内に位置する。アンカー配列媒介性接続は「1型、EP亜型」とも称され得る。一部の実施形態では、HNF4α遺伝子は定義された発現の状態を有する、例えば、そのネイティブな状態にある、例えば、病的な状態にある。例えば、HNF4α遺伝子は高レベルの発現を有し得る。アンカー配列媒介性接続を中断することにより、HNF4α遺伝子の発現を低減すること、例えば、アンカー配列媒介性接続内の以前は転写に対して開かれていたDNAのコンフォメーションの変化によって転写を低減すること、例えば、HNF4α遺伝子と強化配列(enhancing sequence)の間に追加の距離を作り出すDNAのコンフォメーションの変化によって転写を低減することができる。一実施形態では、関連するHNF4α遺伝子および1つまたは複数の転写制御配列、例えば、強化配列の両方がアンカー配列媒介性接続の内側に存在する。アンカー配列媒介性接続の中断により、HNF4α遺伝子の発現が低減する。一実施形態では、アンカー配列媒介性接続に関連するHNF4α遺伝子には、少なくとも部分的にアンカー配列媒介性接続の内側に存在する1つまたは複数の転写制御エレメントがアクセス可能である。
一部の実施形態では、関連するが、アンカー配列媒介性接続に起因してアクセス不可能な1つまたは複数の転写制御エレメントによってHNF4α遺伝子の発現を調節する、モジュレートする、または発現に影響を及ぼす。例えば、HNF4α遺伝子に関連するアンカー配列媒介性接続により、1つまたは複数の転写制御エレメントのHNF4α遺伝子の発現を調節する、モジュレートする、または発現に影響を及ぼす能力が中断される。転写制御配列はHNF4α遺伝子から分離されていてよい、例えば、HNF4α遺伝子とは逆の側面に、少なくとも部分的に、例えばアンカー配列媒介性接続の内側または外側に存在する、例えば、HNF4α遺伝子は、アンカー配列媒介性接続の近傍にあることに起因して、転写制御エレメントにアクセス不可能である。一部の実施形態では、1つまたは複数の強化配列はアンカー配列媒介性接続、例えば2型アンカー配列媒介性接続によってHNF4α遺伝子から分離されている。
一部の実施形態では、HNF4α遺伝子はアンカー配列媒介性接続に起因して1つまたは複数の転写制御エレメントにアクセス不可能であり、アンカー配列媒介性接続の中断により、転写制御エレメントによりHNF4α遺伝子の発現を調節する、モジュレートする、または発現に影響を及ぼすことが可能になる。一実施形態では、HNF4α遺伝子はアンカー配列媒介性接続の内側および外側にあり、1つまたは複数の転写制御エレメントにアクセス不可能である。アンカー配列媒介性接続の中断により、転写制御エレメントのアクセスが増大して、HNF4α遺伝子の発現が調節される、モジュレートされる、または発現が影響を受ける、例えば、転写制御エレメントによりHNF4α遺伝子の発現が増大する。一実施形態では、HNF4α遺伝子はアンカー配列媒介性接続の内側にあり、少なくとも部分的にアンカー配列媒介性接続の外側に存在する1つまたは複数の転写制御エレメントにアクセス不可能である。アンカー配列媒介性接続の中断により、HNF4α遺伝子の発現が増大する。一実施形態では、HNF4α遺伝子は少なくとも部分的にアンカー配列媒介性接続の外側にあり、アンカー配列媒介性接続の内側に存在する1つまたは複数の転写制御エレメントにアクセス不可能である。アンカー配列媒介性接続の中断によりHNF4α遺伝子の発現が増大する。
A.HNF4α部位特異的標的化成分
本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域を標的とし、ポリマーまたはポリマー分子、例えば、ポリアミド(すなわち、アミド結合によって連結したリピート単位の分子、例えば、ポリペプチド)、ヌクレオチドのポリマー(例えば、ガイドRNA、TALEポリペプチドまたはジンクフィンガーポリペプチドをコードする核酸分子)、ペプチド核酸(PNA)、またはペプチドもしくはポリペプチドなどのアミノ酸のポリマー、例えば、融合タンパク質などを含み得る。適切な部位特異的HNF4α標的化成分、組成物、およびそのような作用剤および組成物の使用方法は下に、およびその内容全体が明白に参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2018/049073号に記載されている。
本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域を標的とし、ポリマーまたはポリマー分子、例えば、ポリアミド(すなわち、アミド結合によって連結したリピート単位の分子、例えば、ポリペプチド)、ヌクレオチドのポリマー(例えば、ガイドRNA、TALEポリペプチドまたはジンクフィンガーポリペプチドをコードする核酸分子)、ペプチド核酸(PNA)、またはペプチドもしくはポリペプチドなどのアミノ酸のポリマー、例えば、融合タンパク質などを含み得る。適切な部位特異的HNF4α標的化成分、組成物、およびそのような作用剤および組成物の使用方法は下に、およびその内容全体が明白に参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2018/049073号に記載されている。
一実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、HNF4α発現制御領域を特異的に標的としてHNF4α遺伝子の発現をモジュレートするように操作された、転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインまたはその断片などのポリペプチドをコードする核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
別の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、ガイドRNA(もしくはgRNA)などの核酸分子またはガイドRNAおよびエフェクターもしくはその断片もしくはエフェクターもしくはその断片をコードする核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
別の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、PNA、例えば、エフェクターポリペプチドまたはその断片と連結した核酸gRNAなどのポリヌクレオチドを含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
別の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインまたはその断片、およびエフェクターをコードする核酸分子などの融合分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
一実施形態では、そのような部位特異的遮断剤は、第2の融合タンパク質を含み、第2の融合タンパク質は、第2のHNF4α発現制御領域を標的とする第2の部位特異的HNF4α標的化成分と、第2のエフェクター分子とを含み、第2のHNF4α発現制御領域はHNF4α発現制御領域とは異なる。
別の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、Casポリペプチド、および、例えば、エピジェネティック動員因子またはエピジェネティックCpG修飾因子を含むタンパク質をコードする核酸分子などの融合分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
さらに別の実施形態では、本発明の部位特異的遮断剤は、Casポリペプチドと、例えば、エピジェネティック動員因子またはエピジェネティックCpG修飾因子とを含む融合タンパク質などの融合分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む。
本明細書で使用される場合、その最も広範な意味で、「核酸」という用語は、オリゴヌクレオチド鎖であるかまたはオリゴヌクレオチド鎖に組み入れることができる任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、核酸は、ポリヌクレオチド鎖であるかまたはポリヌクレオチド鎖にリン酸ジエステル連結を介して組み入れることができる化合物および/または物質である。文脈から明らかになる通り、一部の実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指す;一部の実施形態では、「核酸」は、個々の核酸残基を含むポリヌクレオチド鎖を指す。一部の実施形態では、「核酸」はRNAであるかまたはRNAを含む;一部の実施形態では、「核酸」はDNAであるかまたはDNAを含む。一部の実施形態では、「核酸」は、ロックド核酸分子およびデオキシ核酸分子を含む「ミクスマー(mixmer)」である。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の天然の核酸残基であるか、それを含むか、またはそれからなる。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の核酸類似体であるか、それを含むか、またはそれからなる。一部の実施形態では、核酸類似体は、リン酸ジエステル骨格を利用しないという点で核酸とは異なる。例えば、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の「ペプチド核酸」であるか、それを含むか、またはそれからなり、ペプチド核酸は、当技術分野で公知であり、骨格内にリン酸ジエステル結合の代わりにペプチド結合を有するものであり、本発明の範囲内に入るとみなされる。その代わりにまたはそれに加えて、一部の実施形態では、核酸は、リン酸ジエステル結合ではなく、1つまたは複数のホスホロチオエートおよび/または5’-N-ホスホラミダイト連結を有する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の天然のヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)であるか、それを含むか、またはそれからなる。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、0(6)-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、挿入塩基(intercalated base)、およびこれらの組合せ)であるか、それを含むか、またはそれからなる。一部の実施形態では、核酸は、天然の核酸におけるものと比較して修飾された糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース)を1つまたは複数含む。一部の実施形態では、核酸は、RNAまたはタンパク質などの機能的な遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。一部の実施形態では、核酸は1つまたは複数のイントロンを含む。一部の実施形態では、核酸を、天然の供給源からの単離、相補的な鋳型に基づく重合による酵素的合成(in vivoまたはin vitro)、組換え細胞または系における再生、および化学合成のうちの1つまたは複数によって調製する。一部の実施形態では、核酸は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000またはそれよりも多くの残基の長さである。一部の実施形態では、核酸は、部分的にまたは全体として一本鎖である;一部の実施形態では、核酸は、部分的にまたは全体として二本鎖である。一部の実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードする少なくとも1つのエレメントを含むヌクレオチド配列を有するか、またはポリペプチドをコードする配列の相補物である。一部の実施形態では、核酸は酵素活性を有する。
本明細書で使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、ペプチド結合によって、またはペプチド結合以外の手段によって共有結合で連結したアミノ酸残基で構成される化合物を指す。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質またはペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数に対する制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によってまたはペプチド結合以外の手段によって互いに接合した2つまたはそれよりも多くのアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、当技術分野において一般に例えばペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称される短い鎖と、当技術分野において一般にタンパク質と称される長い鎖の両方を指し、多くの型が存在する。
ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、キメラまたは「融合タンパク質」であるかまたはそれを含み得る。本明細書で使用される場合、「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、異種の第2のポリペプチド(すなわち、第1のタンパク質以外のポリペプチド)と作動可能に連結した第1のタンパク質の全部または一部(好ましくは生物活性のある部分)を含む。融合タンパク質の範囲内で、「作動可能に連結した」という用語は、第1のタンパク質またはそのセグメントと異種ポリペプチドが互いにインフレームで融合していることを示すことが意図されている。異種ポリペプチドを第1のタンパク質またはセグメントのアミノ末端またはカルボキシル末端と融合することができる。
「ポリアミド」は、アミド結合によって連結したリピート単位を有するポリマー分子である。天然に存在するポリアミドの例はタンパク質である。一部の実施形態では、ポリアミドはペプチド核酸(PNA)を含む。
「ペプチド核酸」(「PNA」)は、PNA内の1つまたは複数のアミノ酸単位がペプチド骨格と同様のアミド含有骨格、例えば、アミノエチル-グリシンを有し、アミノ酸側鎖の代わりに核酸側鎖を有する分子である。ペプチド核酸(PNA)は相補DNAおよびRNAとそれらのオリゴヌクレオチド対応物よりも高い親和性でハイブリダイズすることが分かっている。PNAはこの特質により核酸側鎖と安定なハイブリッドになるだけでなく、同時に、中性骨格および疎水性側鎖によりポリペプチド内に疎水性単位がもたらされる。核酸側鎖としては、これだけに限定されないが、アデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルなどのプリン側鎖またはピリミジン側鎖が挙げられる。一実施形態では、核酸側鎖は本明細書に記載のヌクレオシド類似体を含む。
一実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分はポリアミドを含む。本発明の作用剤および組成物への使用に適したポリアミドは当技術分野で公知である。
一実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分はポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列はHNF4α遺伝子またはHNF4α発現産物をコードする。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、HNF4αコード配列もHNF4α発現産物も含まない。例えば、一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、標的発現制御領域、例えばプロモーターまたはアンカー配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、標的アンカー配列の相補物であるか、または、標的配列の相補物と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一である配列を有する。
本発明のポリヌクレオチドは、デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたデオキシヌクレオチド、修飾されたリボヌクレオチド(例えば、骨格連結、糖分子、および/または核酸塩基を変更する修飾などの化学修飾)、ならびに人工的な核酸を含み得る。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドとしては、これだけに限定されないが、ゲノムDNA、cDNA、ペプチド核酸(PNA)またはペプチドオリゴヌクレオチドコンジュゲート、ロックド核酸(LNA)、架橋型核酸(BNA)、ポリアミド、三重鎖形成性オリゴヌクレオチド、修飾されたDNA、アンチセンスDNAオリゴヌクレオチド、tRNA、mPvNA、rPvNA、修飾されたRNA、miRNA、gRNA、およびsiRNAまたは他のRNA分子またはDNA分子が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、約2~約5000nt、約10~約100nt、約50~約150nt、約100~約200nt、約150~約250nt、約200~約300nt、約250~約350nt、約300~約500nt、約10~約1000nt、約50~約1000nt、約100~約1000nt、約1000~約2000nt、約2000~約3000nt、約3000~約4000nt、約4000~約5000nt、またはこれらの間の任意の範囲の長さを有する。
本発明のポリヌクレオチドは、ヌクレオシド、例えば、プリンまたはピリミジン、例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミンおよびウラシルを含み得る。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のヌクレオシド類似体を含む。ヌクレオシド類似体としては、これだけに限定されないが、ヌクレオシド類似体、例えば、5-フルオロウラシル;5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、4-メメチルベンズイミダゾール、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ジヒドロウリジン、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(beta-D-galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、3-ニトロピロール、イノシン、チオウリジン、キューオシン、ワイオシン、ジアミノプリン、イソグアニン、イソシトシン、ジアミノピリミジン、2,4-ジフルオロトルエン、イソキノリン、ピロロ[2,3-]ピリジン、およびプリン側鎖またはピリミジン側鎖と塩基対合し得る任意の他のものが挙げられる。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域を特異的に標的にしてHNF4α遺伝子の発現をモジュレートするように操作されたものであるジンクフィンガーまたはTALEのDNA結合ドメイン(DBD)またはその断片を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
HNF4α発現制御領域などの目的のDNA標的領域に特異的に結合するそのようなジンクフィンガーポリペプチドの設計および調製は当技術分野において周知である。例えば、ジンクフィンガー(ZNF)タンパク質は、ヌクレオチドのトリプレットに特異的に結合するDNA結合性ドメインを含有する。したがって、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分を設計および調製するために、それぞれが特定の3塩基対のDNA配列を認識し得る別々のジンクフィンガーDNA結合ドメインを組み合わせて、9塩基対から24塩基対までにわたる長さの特異的な標的部位を認識する3-フィンガー、4-、5-、6-、7-、または8-ジンクフィンガーポリペプチドを生成することを含むモジュラーアセンブリプロセスを使用することができる。別の適切な方法は、最大6つの個々のジンクフィンガーを有するZNFポリヌクレオチドを生成するための2フィンガーモジュールを含み得る。例えば、Shukla VK, et al., Nature. 459 (7245) 2009: 437-41; Dreier B, et al., JBC. 280 (42) 2005: 35588-97; Dreier B, et al, JBC 276 (31) 2001: 29466-78; Bae KH, et al., Nature Biotechnology. 21 (3) 2003: 275-80を参照されたい。
一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、HNF4α発現制御領域を特異的に標的にして、HNF4α遺伝子の発現をモジュレートするように操作されたものであるジンクフィンガーのDNA結合ドメイン(DBD)またはその断片を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。本発明における使用に適した、ヌクレオチドトリプレットに結合するジンクフィンガーをコードする例示的なアミノ酸配列を以下の表1Aに提示する(例えば、Gersbach et al., Synthetic Zinc Finger Proteins: The Advent of Targeted Gene Regulation and Genome Modification Technologiesを参照されたい)。
ジンクフィンガーDNA結合ドメインは、N末端領域およびC末端領域を含み、間に、標的DNA配列に結合する「フィンガー」を有する。N末端領域は、一般に7アミノ酸長である。C末端領域は一般に6アミノ酸長である。したがって、N末端領域は一般にX1X2X3X4X5X6X7(配列番号)のアミノ酸配列を含む。「X」は任意のアミノ酸であり得る。一部の実施形態では、N末端領域は例示的なアミノ酸配列LEPGEKP(配列番号)を含む。「X」は任意のアミノ酸であり得る。C末端領域は一般にX25X26X27X28X29X30(配列番号)のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、C末端領域は例示的なアミノ酸配列TGKKTS(配列番号)を含む。
DNA結合ドメイン内の各フィンガーは、フィンガーのN末端に位置するN末端骨格とフィンガーのC末端に位置するC末端骨格に挟まれている。フィンガーのN末端骨格は一般に11アミノ酸長であり、2つの保存的システイン(C)が3位および6位の位置にある。したがって、フィンガーのN末端骨格は一般にX8X9CX10X11CX12X13X14X15X16(配列番号)のアミノ酸配列を含む。「X」は任意のアミノ酸であり得る。フィンガーのC末端骨格は一般に5アミノ酸長であり、2つの保存的ヒスチジン(histine)(H)が1位および5位に位置する。したがって、フィンガーのC末端骨格は一般にHX17X18X19H(配列番号)のアミノ酸配列を含む。「X」は任意のアミノ酸であり得る。一部の実施形態では、N末端骨格は例示的なアミノ酸配列YKCPECGKSFS(配列番号61)を含み、C末端骨格は例示的なアミノ酸配列HQRTH(配列番号62)を含む。2つの「フィンガー」はリンカーを通じて連結している。リンカーは、一般に5アミノ酸長であり、X20X21X22X23X24(配列番号)のアミノ酸配列を含む。「X」は任意のアミノ酸であり得る。ある特定の実施形態では、リンカーは例示的なアミノ酸配列TGEKP(配列番号63)を含む。したがって、部位特異的HNF4α部位特異的遮断剤のジンクフィンガーは以下の構造:(N末端骨格-フィンガー-C末端骨格-リンカー)nを有し、部位特異的HNF4α部位特異的遮断剤のジンクフィンガーDNA結合ドメインは以下の構造:[N末端領域(N末端骨格-フィンガー-C末端骨格-リンカー)n-C末端領域]を有する。「N」は、ジンクフィンガーDNA結合ドメインが結合する、したがってHNF4α部位特異的遮断剤が結合するヌクレオチドのトリプレットの数を表す。
4つのヌクレオチドトリプレットに対する「フィンガー」アミノ酸配列が分かっていないが、そのようなトリプレットが目的の標的領域内で同定された場合、この問題を回避するために2つの「リンカースパン配列」-リンカースパン1およびリンカースパン2-が有用である。リンカースパン1は、トリプレットに対する「フィンガー」アミノ酸配列が利用不可能な場合に1塩基対をスキップするために使用される。リンカースパン2は、トリプレットに対する「フィンガー」アミノ酸配列が利用不可能な場合に2塩基対をスキップするために使用される。リンカースパン1は一般に12アミノ酸長である。リンカースパン2は一般に16アミノ酸長である。したがって、リンカースパン1は一般にX31X32X33X34X35X36X37X38X39X40X41X42(配列番号)のアミノ酸配列を含む。リンカースパン2は一般にX43X44X45X46X47X48X49X50X51X52X53X54X55X56X57X58(配列番号)のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、リンカースパン1は、THPRAPIPKPFQ(配列番号)のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、リンカースパン2はTPNPHRRTDPSHKPFQ(配列番号)のアミノ酸配列を含む。リンカースパン1および/またはリンカースパン2を使用する場合、フィンガー-リンカースパン1/スパン2-フィンガーは、以下の構造を含む:N末端骨格-フィンガー-C末端骨格-リンカースパン1/スパン2-N末端骨格-フィンガー-C末端骨格-リンカー。
表1Bに、下の実施例に記載されているジンクフィンガーDNA結合性ドメイン(表6A参照)を含む遮断剤の例示的なジンクフィンガーDNA結合性ドメインのアミノ酸配列構造を提示する。表10に、発現制御領域内の適切な標的配列のヌクレオチド配列、本発明のジンクフィンガーDNA結合性ドメインを含む遮断剤への使用に適した例示的なジンクフィンガーDNA結合性ドメインのアミノ酸配列、ならびに本発明のジンクフィンガーDNA結合性ドメインを含む遮断剤への使用に適した例示的なジンクフィンガーDNA結合性ドメインのアミノ酸配列構造も提示する。表1Bで使用される「X」は任意のアミノ酸を表す。
一部の実施形態では、本発明の遮断剤への使用に適したジンクフィンガーDNA結合性ドメインは、表6Aおよび10のいずれか1つに提示されているジンクフィンガーDNA結合性ドメインのいずれか1つのアミノ酸配列全体に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む。
同様に、HNF4α発現制御領域などの目的のDNA標的領域に特異的に結合するそのようなTALEポリペプチドの設計および調製は当技術分野において周知である。例えば、TALEのDNA結合ドメインは、繰り返される高度に保存された33~34アミノ酸配列を含有し、12番目および13番目のアミノ酸は多岐にわたる。これらの2つの位置は反復可変二残基(repeat variable diresidue)(RVD)と称され、高度に可変性であり、特定のヌクレオチド認識との強力な相関を示す。アミノ酸配列とDNA認識のこの直接的な関連性により、適当なRVDを含有するリピートセグメントの組合せを選択することによって特定のDNA結合ドメインを操作することが可能になっている。例えば、Boch J Nature Biotechnology. 29 (2) 2011: 135-6; Boch J, et al., Science. 326 (5959) 2009: 1509-12; Moscou MJ & Bogdanove AJ Science. 326 (5959) 2009: 1501を参照されたい。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドを含む本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は、ガイドRNA(もしくはgRNA)またはガイドRNAをコードする核酸を含む。gRNAは、例えば、エフェクターをHNF4α発現制御エレメントに方向づけるために必要な、例えば、HNF4α発現制御エレメントを含むゲノム標的配列を標的とする約20ヌクレオチドの部位特異的配列を含み得る「足場」配列を含む短い合成RNA分子である。
一般に、ガイドRNA配列は、約17ヌクレオチドから約24ヌクレオチドの間(例えば、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、または21ヌクレオチド)の長さを有し、標的配列と相補的になるように設計される。有効なガイドRNAの設計に使用するためのカスタムgRNA生成装置およびアルゴリズムが市販されている。遺伝子編集はまた、天然に存在するcrRNA-tracrRNA複合体を模倣する、tracrRNA(ヌクレアーゼとの結合のため)および少なくとも1つのcrRNA(ヌクレアーゼを編集のために標的とした配列にガイドするため)の両方を含有する操作された(合成)単一RNA分子であるキメラ「単一ガイドRNA」(「sgRNA」)を使用しても実現されている。化学修飾されたsgNAもゲノム編集において有効であることが実証されている;例えば、Hendel et al. (2015) Nature Biotechnol., 985-991を参照されたい。
例示的な部位特異的HNF4αプロモーター1標的化成分を下の表2に提示する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、表2のヌクレオチド配列のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列全体と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む。
例示的な部位特異的HNF4αプロモーター2標的化成分を下の表3に提示する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、表3のヌクレオチド配列のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列全体と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む。
例示的な部位特異的HNF4αプロモーター標的化成分をまた下の表9に提示する。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、表9のヌクレオチド配列のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列全体と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%同一のヌクレオチド配列を含む。
表2、3、4および9の配列は修飾されたもの(または修飾されていないもの)として記載されているが、本発明の(the of the invention)、例えば部位特異的遮断剤に包含される核酸分子は、修飾されてないかまたは表2、3、4または9のいずれか1つに記載されているものと違うように修飾されているその配列のうちのいずれか1つも含み得ることが理解されよう。表9の配列のうちのいくつかは「Ts」を有するが、本発明の部位特異的標的化成分にガイドRNAなどのRNA分子として使用される場合、「Ts」を「Us」に置き換えることができることも理解されよう。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチド、例えばgRNAを含む部位特異的HNF4α標的化成分は、アンカー配列と相補的なヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、アンカー配列はCTCF結合性モチーフまたはコンセンサス配列:N(T/C/G)N(G/A/T)CC(A/T/G)(C/G)(C/T/A)AG(G/A)(G/T)GG(C/A/T)(G/A)(C/G)(C/T/A)(G/A/C)(配列番号64)を含み、ここで、Nは任意のヌクレオチドである。CTCF結合性モチーフまたはコンセンサス配列はまた、逆の配向、例えば、(G/A/C)(C/T/A)(C/G)(G/A)(C/A/T)GG(G/T)(G/A)GA(C/T/A)(C/G)(A/T/G)CC(G/A/T)N(T/C/G)N(配列番号65)であり得る。一部の実施形態では、核酸配列は、CTCF結合性モチーフまたはコンセンサス配列と相補的な配列を含む。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、アンカー配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的なヌクレオチド配列を含む。
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、CTCF結合性モチーフまたはコンセンサス配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的なヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、gRNA、およびアンカー配列と相補的な配列またはアンカー配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%相補的な配列を含む配列からなる群から選択される。
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドを含む部位特異的HNF4α標的化成分はRNAi分子である。RNAi分子は、一般には15~50塩基対(例えば、約18~25塩基対)を含有し、細胞内で発現される標的遺伝子内のコード配列と同一の(相補的な)またはほぼ同一の(実質的に相補的な)核酸塩基配列を有するRNAまたはRNA様構造を含む。RNAi分子としては、これだけに限定されないが、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、メロ二重鎖(meroduplex)、およびダイサー基質が挙げられる(米国特許第8,084,599号、同第8,349,809号、および同第8,513,207号)。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド、例えば接続核形成分子をコードする遺伝子の発現を阻害するための組成物を含む。
RNAi分子は、標的遺伝子の全てまたは断片と実質的に相補的な、または完全に相補的な配列を含む。RNAi分子は、特定の遺伝子の新しく生成される核内RNA転写物が転写のために成熟化してmRNAになることを妨げるために、イントロンとエクソンの境界において配列を補完し得る。特定の遺伝子と相補的なRNAi分子はその遺伝子のmRNAとハイブリダイズし、その翻訳を妨げ得る。アンチセンス分子は、DNA、RNA、またはその誘導体もしくはハイブリッドであり得る。そのような誘導体分子の例としては、これだけに限定されないが、ペプチド核酸(PNA)およびデオキシリボ核酸グアニジン(DNG)またはリボ核酸グアニジン(R G)などのホスホロチオエートに基づく分子が挙げられる。
RNAi分子は、in vitroで合成された「すぐに使える」RNAとして、または、転写されるとRNAi分子を生じる、細胞にトランスフェクトされるアンチセンス遺伝子として細胞に提供することができる。mRNAとのハイブリダイゼーションにより、ハイブリダイズした分子のRNAse Hによる分解および/または翻訳複合体の形成の阻害がもたらされる。どちらによっても、元の遺伝子の産物の産生ができなくなる。
目的の転写物とハイブリダイズするRNAi分子の長さは、およそ10ヌクレオチド、約15ヌクレオチドから30ヌクレオチドの間、または約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれよりも多くのヌクレオチドであるべきである。アンチセンス配列の標的とされる転写物との同一性の程度は、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95であるべきである。
RNAi分子は、突出、すなわち、一般には対合していない、通常は本明細書において定義されているセンス鎖とアンチセンス鎖の対のコア配列によって形成される2重ヘリックス構造には直接関与しない、突出したヌクレオチドも含み得る。RNAi分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖のそれぞれに独立に存在する約1~5塩基の3’突出および/または5’突出を含有し得る。一実施形態では、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方が3’突出および5’突出を含有する。一実施形態では、1つの鎖の1つまたは複数の3’突出ヌクレオチドと他の鎖の1つまたは複数の5’突出ヌクレオチドが塩基対合する。別の実施形態では、一方の鎖の塩基の1つまたは複数の3’突出ヌクレオチドは他方の鎖の1つまたは複数の5’突出ヌクレオチドと対合しない。RNAi分子のセンス鎖とアンチセンス鎖は同じ数のヌクレオチド塩基を含む場合もあり、同じ数のヌクレオチド塩基を含まない場合もある。アンチセンス鎖とセンス鎖は2重鎖を形成し得、5’末端だけが平滑末端を有するか、3’末端だけが平滑末端を有するか、5’末端と3’末端の両方が平滑末端を有するか、または5’末端も3’末端も平滑末端ではない。別の実施形態では、突出内のヌクレオチドの1つまたは複数は、チオホスフェート、ホスホロチオエート、デオキシヌクレオチド逆位(3’-3’連結)ヌクレオチドを含有する、または修飾されたリボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドである。
低分子干渉RNA(siRNA)分子は、標的mRNAの約15~約25個の連続したヌクレオチドと同一であるヌクレオチド配列を含む。一部の実施形態では、siRNA配列はジヌクレオチドAAで始まり、約30~70%(約50~60%、約40~60%、または約45%~55%)のGC含量を含み、例えば標準のBLAST検索によって決定して、それが導入される哺乳動物のゲノム内の標的以外のいかなるヌクレオチド配列に対しても高いパーセンテージ同一性を有さない。
siRNAおよびshRNAは、内因性マイクロRNA(miRNA)遺伝子のプロセシング経路の中間体に似ている(Bartel, Cell 116: 281-297, 2004)。一部の実施形態では、siRNAはmiRNAとして機能し得る、または逆も同様に、miRNAはsiRNAとして機能し得る(Zeng et al., Mol Cell 9: 1327-1333, 2002;Doench et al., Genes Dev 17: 438-442, 2003)。マイクロRNAは、siRNAと同様に、RISCを使用して標的遺伝子をダウンレギュレートするが、siRNAとは異なり、大多数の動物miRNAはmRNAを切断しない。その代わりに、miRNAは、翻訳抑制またはポリA除去およびmRNA分解を通じてタンパク質アウトプットを減少させる(Wu et al., Proc Natl Acad Sci USA 103: 4034-4039, 2006)。公知のmiRNA結合部位はmRNA 3’UTR内にある;miRNAは、miRNAの5’末端からヌクレオチド2~8に対してほぼ完全な相補性を有する部位を標的にしているようである(Rajewsky, Nat Genet 38 Suppl: S8-13, 2006; Lim et al, Nature 433: 769-773, 2005)。この領域はシード領域として公知である。siRNAとmiRNAは互換的であるので、外因性siRNAはsiRNAに対するシード相補性でmRNAをダウンレギュレートする(Birmingham et al., Nat Methods 3 : 199-204, 2006)。3’UTR内の複数の標的部位により、より強力なダウンレギュレーションが生じる(Doench et al., Genes Dev 17: 438-442, 2003)。
公知のmiRNA配列の一覧は、とりわけ、Wellcome Trust Sanger Institute、Perm Center for Bioinformatics、Memorial Sloan Kettering Cancer Center、およびEuropean Molecule Biology Laboratoryなどの研究組織によって維持されているデータベースに見いだすことができる。公知の有効なsiRNA配列および同類の結合部位は関連性のある文献にも十分に示されている。RNAi分子は当技術分野で公知の技術によって容易に設計され、生成される。さらに、有効かつ特異的な配列モチーフを発見する見込みを増大させるコンピューターツールが存在する(Pei et al. 2006, Reynolds et al. 2004, Khvorova et al. 2003, Schwarz et al. 2003, Ui-Tei et al. 2004, Heale et al. 2005, Chalk et al. 2004, Amarzguioui et al. 2004)。
RNAi分子は遺伝子にコードされるRNAの発現をモジュレートする。複数の遺伝子が互いにある程度の配列相同性を共有し得るので、一部の実施形態では、RNAi分子を、十分な配列相同性を有する遺伝子のクラスを標的とするように設計することができる。一部の実施形態では、RNAi分子は、異なる遺伝子標的の間で共有される配列または特定の遺伝子標的に特有の配列に対する相補性を有する配列を含有し得る。一部の実施形態では、RNAi分子を、いくつかの遺伝子の間で相同性を有し、それにより、遺伝子ファミリー内のいくつかの遺伝子(例えば、異なる遺伝子アイソフォーム、スプライスバリアント、変異体遺伝子など)を標的とするRNA配列の保存された領域を標的とするように設計することができる。一部の実施形態では、RNAi分子を、単一の遺伝子の特定のRNA配列に特有の配列を標的とするように設計することができる。
一部の実施形態では、RNAi分子は、接続核形成分子、例えばCTCF、コヒーシン、USF1、YY1、TATAボックス結合タンパク質関連因子3(TAF3)、ZNF143、もしくはアンカー配列媒介性接続の形成を促進する別のポリペプチド、またはエピジェネティック修飾剤、例えば、これだけに限定されないが、DNAメチラーゼ(例えば、DNMT3a、DNMT3b、DNMTL)、DNAの脱メチル化(例えば、TETファミリー酵素は、5-メチルシトシンの5-ヒドロキシメチルシトシンおよびより高次の酸化誘導体への酸化を触媒する)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、ヒストン脱アセチル化酵素(例えば、HDAC1、HDAC2、HDAC3)、サーチュイン1、2、3、4、5、6、もしくは7、リシン特異的ヒストンデメチラーゼ1(LSD1)、ヒストン-リシン-N-メチルトランスフェラーゼ(Setdb1)、真性染色質ヒストン-リシンN-メチルトランスフェラーゼ2(G9a)、ヒストン-リシンN-メチルトランスフェラーゼ(SUV39H1)、ゼステホモログ2(EZH2)のエンハンサー、ウイルスリシンメチルトランスフェラーゼ(vSET)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(SET2)、タンパク質-リシンN-メチルトランスフェラーゼ(SMYD2)などを含む、翻訳後修飾に関与する酵素内の配列を標的とする。一実施形態では、RNAi分子は、タンパク質脱アセチル化酵素、例えば、サーチュイン1、2、3、4、5、6、または7を標的とする。一実施形態では、本発明は、接続核形成分子、例えばCTCFを標的とするRNAiを含む組成物を含む。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分はペプチドまたはタンパク質成分(protein moiety)を含む。一部の実施形態では、部位特異的遮断剤は融合タンパク質を含む。一部の実施形態では、エフェクターはcaペプチドまたはタンパク質成分である。ペプチドまたはタンパク質成分としては、これだけに限定されないが、細胞外受容体などの受容体に結合するペプチドリガンド、抗体断片、または標的化アプタマー、神経ペプチド、ホルモンペプチド、ペプチド薬物、毒性ペプチド、ウイルスまたは微生物ペプチド、合成ペプチド、およびアゴニストまたはアンタゴニストペプチドを挙げることができる。
例示的なペプチドまたはタンパク質としては、DNA結合性タンパク質、CRISPR構成成分タンパク質、接続核形成分子、ドミナントネガティブな接続核形成分子、エピジェネティック修飾剤、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。一部の実施形態では、ペプチドは、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、およびエピジェネティックCpG修飾因子、ならびに前記のいずれかの断片および組合せを含む。一部の実施形態では、ペプチドは、ヘリックス・ターン・ヘリックスモチーフ、ロイシンジッパー、Zn-フィンガー、TATAボックス結合性タンパク質、転写因子などのタンパク質のDNA結合ドメインを含む。
ペプチドまたはタンパク質は、直鎖または分岐型であり得る。ペプチドまたはタンパク質成分は、約5~約200アミノ酸、約15~約150アミノ酸、約20~約125アミノ酸、約25~約100アミノ酸、20~70アミノ酸、20~80アミノ酸、20~90アミノ酸、30~100アミノ酸、30~60アミノ酸、30~80アミノ酸、35~85アミノ酸、40~100アミノ酸、もしくは50~125アミノ酸、またはこれらの間の任意の範囲の長さを有し得る。
上記の通り、一部の実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分は融合タンパク質を含む。
一部の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質はエフェクター分子を含む。含まれる例示的なエフェクター分子は下に記載されており、一部の実施形態では、例えば、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、例えば、転写エンハンサーまたは転写リプレッサー、およびエピジェネティックCpG修飾因子、例えば、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素、および前記のいずれかの組合せが挙げられる。
例えば、部位特異的標的化成分は、gRNA、およびエフェクター、例えば、ヌクレアーゼ、例えばCas9、例えば、野生型Cas9、ニッカーゼCas9(例えばCas9 D10A)、不活性型Cas9(dCas9)、eSpCas9、Cpf1、C2C1、もしくはC2C3、またはそのようなヌクレアーゼをコードする核酸を含み得る。ヌクレアーゼおよびgRNA(複数可)の選択は、標的とされる変異がヌクレオチドの欠失であるか、置換であるか、または付加であるか、例えば、標的とされる配列に対するヌクレオチドの欠失であるか、置換であるか、または付加であるかによって決定される。触媒として不活性なエンドヌクレアーゼ、例えば不活性型Cas9(dCas9、例えばD10A;H840A)と(1つまたは複数の)エフェクタードメインの全部または一部(例えば、生物学的に活性な部分)が繋がった融合物により、1つまたは複数のRNA配列(例えば、これだけに制限されないが、本明細書に記載のジンクフィンガーアレイ、sgRNA、TALアレイ、ペプチド核酸を含むDNA認識エレメント)によって組成物を特定のDNA部位にガイドして、1つまたは複数の標的核酸配列の活性および/または発現をモジュレートする(例えば、DNA配列をメチル化または脱メチル化する)ためにポリペプチドと連結することができるキメラタンパク質が作り出される。
一実施形態では、本発明の融合タンパク質は、例えば、CRISPR関連タンパク質(Cas)ポリペプチドまたはその断片(例えばCas9ポリペプチドまたはその断片)およびエピジェネティック動員因子またはエピジェネティックCpG修飾因子を含むエフェクター分子を含み得る。
一実施形態では、適切なCasポリペプチドは、酵素的に不活性なCasポリペプチド、例えば「不活性型Casポリペプチド」または「dCas」ポリペプチドである。
一実施形態では、適切なCasポリペプチドは、酵素的に不活性なCasポリペプチド、例えば「不活性型Casポリペプチド」または「dCas」ポリペプチドである。
本明細書に記載の方法および組成物に適応可能な例示的なCasポリペプチドは下に記載されている。当技術分野で公知の方法を使用して、Casポリペプチドを本明細書に記載の種々の作用剤および/または分子のいずれかと融合することができる;そのように得られる融合分子は、種々の開示される方法に有用であり得る。
一態様では、本発明は、DNAに作用するドメイン、例えばエフェクター(例えば、ヌクレアーゼドメイン、例えばCas9ドメイン、例えば、dCas9ドメイン;DNAメチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、デアミナーゼ)を含むタンパク質と、タンパク質を部位特異的標的配列にターゲティングする少なくとも1つのガイドRNA(gRNA)またはアンチセンスDNAオリゴヌクレオチドの組合せを含む組成物であって、ヒト細胞において、標的遺伝子の発現を変更するために有効である、組成物を含む。一部の実施形態では、酵素ドメインはCas9またはdCas9である。一部の実施形態では、タンパク質は2つの酵素ドメイン、例えば、dCas9ドメインとメチラーゼドメインまたはデメチラーゼドメインを含む。
一態様では、本発明は、転写制御エレメント(例えば、ヌクレアーゼドメイン、例えばCas9ドメイン、例えば、dCas9ドメイン;転写エンハンサー;転写リプレッサー)を含むドメイン、例えばエフェクターを含むタンパク質と、前記タンパク質を部位特異的標的配列にターゲティングする少なくとも1つのガイドRNA(gRNA)またはアンチセンスDNAオリゴヌクレオチドの組合せを含む組成物であって、ヒト細胞において、標的遺伝子の発現を変更するために有効である、組成物を含む。一部の実施形態では、酵素ドメインはCas9またはdCas9である。一部の実施形態では、タンパク質は、2つの酵素ドメイン、例えば、dCas9ドメインと転写エンハンサードメインまたは転写リプレッサードメインを含む。
本明細書で使用される場合、「エフェクタードメインの生物学的に活性な部分」は、エフェクタードメインの機能を維持する部分である(例えば、完全に、部分的に、最小に)(例えば、「最小」または「コア」ドメイン)。
本明細書に記載のキメラタンパク質は、リンカー、例えばアミノ酸リンカーも含み得る。一部の態様では、リンカーは、2つまたはそれよりも多くのアミノ酸、例えば、1つまたは複数のGS配列を含む。一部の態様では、Cas9(例えば、dCas9)と2つまたはそれよりも多くのエフェクタードメイン(例えば、DNAメチラーゼまたはDNAの脱メチル化において役割を有する酵素またはタンパク質アセチルトランスフェラーゼまたは脱アセチル化酵素のもの)の融合物は、前記ドメイン間に散在するリンカー(例えば、GSリンカー)を1つまたは複数含む。一部の態様では、dCas9を2~5つのエフェクタードメインと散在するリンカーを用いて融合する。
一部の実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分は、接続核形成分子、接続核形成分子をコードする核酸、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続は、第1のアンカー配列と結合した第1の接続核形成分子、連続していない第2のアンカー配列と結合した第2の接続核形成分子、および第1の接続核形成分子と第2の接続核形成分子の会合によって媒介される。一部の実施形態では、接続核形成分子により、例えば競合的結合により、内因性の接続核形成分子とその結合部位の結合を中断することができる。
接続核形成分子は、例えば、CTCF、コヒーシン、USF1、YY1、TATAボックス結合タンパク質関連因子3(TAF3)、ZNF143結合モチーフ、またはアンカー配列媒介性接続の形成を促進する別のポリペプチドであり得る。接続核形成分子は、内因性ポリペプチドまたは他のタンパク質、例えば転写因子、例えば自己免疫調節因子(AIRE)、別の因子、例えばX-不活化特異的転写物(XIST)、または目的の特定のDNA配列を認識するように、例えば、配列認識のためのジンクフィンガー、ロイシンジッパーまたはbHLHドメインを有するように操作された、操作されたポリペプチドであり得る。接続核形成分子により、アンカー配列媒介性接続の内部またはその周囲におけるDNA相互作用をモジュレートすることができる。例えば、接続核形成分子は、アンカー配列媒介性接続の形成または撹乱を変更する他の因子をアンカー配列に動員し得る。
接続核形成分子はまた、ホモ二量体形成またはヘテロ二量体形成のための二量体形成ドメインも有し得る。1つまたは複数の接続核形成分子、例えば、内因性のものおよび操作されたものは、相互作用してアンカー配列媒介性接続を形成し得る。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続を安定化するために、接続核形成分子を、安定化ドメイン、例えば、凝集相互作用ドメインをさらに含むように操作する。一部の実施形態では、接続核形成分子を、標的配列を結合するように操作する、例えば、標的配列との結合親和性をモジュレートする。一部の実施形態では、アンカー配列媒介性接続内のアンカー配列に対する選択された結合親和性を有する接続核形成分子を選択するかまたは操作する。接続核形成分子およびそれらの対応するアンカー配列は、CTCFに不活化変異を有する細胞および染色体コンフォメーション捕捉または3Cに基づく方法、例えば、Hi-Cまたはハイスループット配列決定を使用して、トポロジカルに関連するドメイン、例えば、CTCFの非存在下での遠位DNA領域または遺伝子座の間のトポロジカル相互作用を調査することによって同定することができる。長距離DNA相互作用も同定することができる。追加の解析は、コヒーシン、YY1またはUSF1、ZNF143結合モチーフなどのベイトを使用したChlA-PET解析、およびベイトと関連する複合体を同定するためのMSを含み得る。
B.エフェクター分子
本発明の組成物および方法に使用するためのエフェクター分子としては、生物活性をモジュレートする、例えば、酵素活性、遺伝子発現、細胞シグナル伝達、および細胞または器官の機能を増大または低減するものが挙げられる。本発明の好ましいエフェクター分子は、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、例えば、転写エンハンサーまたは転写リプレッサー、およびエピジェネティックCpG修飾因子、例えば、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素、および前記のいずれかの組合せである。
本発明の組成物および方法に使用するためのエフェクター分子としては、生物活性をモジュレートする、例えば、酵素活性、遺伝子発現、細胞シグナル伝達、および細胞または器官の機能を増大または低減するものが挙げられる。本発明の好ましいエフェクター分子は、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、例えば、転写エンハンサーまたは転写リプレッサー、およびエピジェネティックCpG修飾因子、例えば、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素、および前記のいずれかの組合せである。
本発明のエフェクター分子の追加のエフェクターエフェクター活性は、転写または翻訳などの調節因子の活性をモジュレートするための結合性調節タンパク質も含み得る。エフェクター分子は、本明細書に記載の活性化因子または阻害剤(または「負のエフェクター」)機能も含み得る。例えば、エフェクター分子は受容体への基質の結合を阻害し得、その活性化を阻害し得る、例えば、ナルトレキソンおよびナロキソンはオピオイド受容体に、それらを活性化することなく結合し、受容体のオピオイドと結合する能力を遮断する。エフェクター分子はまた、タンパク質の安定性/分解および/または転写物の安定性/分解もモジュレートし得る。例えば、ポリペプチド補因子であるユビキチンによりタンパク質に分解の印をつけることにより、タンパク質を分解の標的とすることができる。別の例では、エフェクター分子は酵素の活性部位を遮断することによって酵素活性を阻害する。例えば、メトトレキサートは、ジヒドロ葉酸レダクターゼに天然の基質よりも1000倍大きく密接に結合する、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼの補酵素であるテトラヒドロ葉酸の構造類似体であり、ヌクレオチド塩基合成を阻害する。
一部の実施形態では、エフェクター分子は化学物質、例えば、シトシン(C)またはアデニン(A)をモジュレートする化学物質(例えば、亜硫酸水素Na、亜硫酸水素アンモニウム)である。一部の実施形態では、エフェクター分子は酵素活性を有する(メチルトランスフェラーゼ、デメチラーゼ、ヌクレアーゼ(例えばCas9)、デアミナーゼ)。一部の実施形態では、エフェクター分子はアンカー配列媒介性接続の形成またはRNAポリメラーゼとプロモーターの結合を立体的に妨げる。
エフェクター活性を有するエフェクター分子は、本明細書に記載のPK/PDが低い小分子、ペプチド、融合タンパク質、核酸、ナノ粒子、アプタマー、または薬剤(pharmacoagent)のうちのいずれか1つであり得る。
一部の実施形態では、エフェクター分子は阻害剤または「負のエフェクター分子」である。アンカー配列媒介性接続の形成をモジュレートする負のエフェクター分子に関しては、一部の実施形態では、負のエフェクター分子は、負のエフェクター分子が存在すると、存在しない場合と比較して内因性の核形成ポリペプチドの二量体化が減少することを特徴とする。例えば、一部の実施形態では、負のエフェクター分子は、内因性の核形成ポリペプチドの二量体形成ドメインまたはその二量体形成部分のバリアントであるかまたはそれを含む。
例えば、ある特定の実施形態では、ドミナントネガティブエフェクター、例えば、アンカー配列(例えば、CTCF結合性モチーフ)を認識し、それに結合するが、不活性(例えば、変異した)二量体形成ドメイン、例えば、機能的なアンカー配列媒介性接続を形成することができない二量体形成ドメインを有するタンパク質を使用することにより、アンカー配列媒介性接続を変更する(例えば、中断する)。例えば、CTCFのジンクフィンガードメインを、特定のアンカー配列に結合するように変更することができる一方で(隣接核酸を認識するジンクフィンガーを付加することによって)、操作されたCTCFと内因性形態のCTCFの相互作用が妨げられるようにホモ二量体化ドメインを変更する。
一部の実施形態では、エフェクター分子は標的アンカー配列媒介性接続内のアンカー配列に対して選択された結合親和性を有する合成の接続核形成分子を含む(結合親和性は、標的アンカー配列と関連する内因性の接続核形成分子の親和性よりも少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれより高いまたは低いものであり得る。合成の接続核形成分子は、内因性の接続核形成分子に対して30~90%、30~85%、30~80%、30~70%、50~80%、50~90%のアミノ酸配列同一性を有し得る)。接続核形成分子は、例えば競合的結合を通じて、内因性の接続核形成分子とそのアンカー配列の結合を中断させ得る。一部のさらなる実施形態では、接続核形成分子を、アンカー配列媒介性接続内の新規のアンカー配列に結合するように操作する。
一部の実施形態では、ドミナントネガティブエフェクター分子は、特定のDNA配列を認識するドメイン(例えば、配列特異性を付与する配列に挟まれた、アンカー配列、CTCFアンカー配列)、およびアンカリング配列の付近に立体的存在をもたらす第2のドメインを有する。第2のドメインは、ドミナントネガティブな接続核形成分子またはその断片、接続核形成分子配列認識に干渉するポリペプチド(例えば、ペプチド/核酸またはPNAのアミノ酸骨格)、立体的干渉を付与する小分子とライゲーションした核酸配列、またはDNA認識エレメントと立体的遮断物の任意の他の組合せを含み得る。
一部の実施形態では、エフェクター分子はエピジェネティック修飾剤である。本明細書に記載の方法および組成物に有用なエピジェネティック修飾剤としては、例えば、DNAメチル化、ヒストンアセチル化、およびRNA関連サイレンシングに影響を及ぼす作用剤が挙げられる。一部の実施形態では、エフェクターはエピジェネティック酵素(例えば、エピジェネティックマーク、例えばアセチル化および/またはメチル化を生成または除去する酵素)を配列特異的に標的とする。例示的なエピジェネティックエフェクターは、例えば転写制御エレメントまたはアンカー配列を含む発現制御領域を、部位特異的標的化成分を含む部位特異的遮断剤によって標的とし得る。
一部の実施形態では、エフェクター分子は遺伝子編集系の1つまたは複数の構成成分を含む。遺伝子編集系の構成成分は、遺伝子編集を含むがこれだけに限定されない種々の状況において使用することができるものである。例えば、そのような構成成分を使用して、HNF4α配列を物理的に改変する、遺伝子改変する、および/またはエピジェネティック的に改変する作用剤を標的とすることができる。
例示的な遺伝子編集系としては、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)系、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、および転写活性化因子様エフェクターに基づくヌクレアーゼ(TALEN)が挙げられる。ZFN、TALEN、およびCRISPRに基づく方法は、例えば、Gaj et al. Trends Biotechnol. 31.7 (2013): 397-405に記載されている;遺伝子編集のCRISPR法は、例えば、Guan et al, Application of CRISPR-Cas system in gene therapy: Pre-clinical progress in animal model. DNA Repair 2016 July 30 [Epub ahead of print]; Zheng et al, Precise gene deletion and replacement using the CRISPR/Cas9 system in human cells. BioTechniques, Vol. 57, No. 3, September 2014, pp. 115-124;に記載されている。
CRISPR系は、初めは細菌および古細菌において発見された適応性の防御系である。CRISPR系では、CRISPR関連エンドヌクレアーゼまたは「Cas」エンドヌクレアーゼと称されるRNA誘導型ヌクレアーゼ(例えば、Cas9またはCpf1)が外来DNAを切断するために使用される。典型的なCRISPR/Cas系では、一本鎖DNAまたは二本鎖DNA配列を標的とする配列特異的な非コード「ガイドRNA」により、エンドヌクレアーゼが標的ヌクレオチド配列(例えば、配列が編集されるゲノム内の部位)に方向づけられる。3つのクラス(I~III)のCRISPR系が同定されている。クラスII CRISPR系では、単一のCasエンドヌクレアーゼ(複数のCasタンパク質ではなく)が使用される。クラスII CRISPR系の1つは、Cas9などのII型Casエンドヌクレアーゼ、CRISPR RNA(「crRNA」)、およびトランス活性化crRNA(「tracrRNA」)を含む。crRNAは、標的DNA配列に対応する、一般には約20ヌクレオチドのRNA配列である「ガイドRNA」を含有する。crRNAは、tracrRNAに結合して部分的に二本鎖の構造を形成する領域も含有し、当該領域がRNase IIIによって切断され、それにより、crRNA/tracrRNAハイブリッドが生じる。次いで、crRNA/tracrRNAハイブリッドによりCas9エンドヌクレアーゼが標的DNA配列を認識し、切断するように方向づけられる。標的DNA配列は、一般に、所与のCasエンドヌクレアーゼに特異的である「プロトスペーサー隣接モチーフ」(「PAM」)に隣接していなければならない;しかし、PAM配列は所与のゲノム全体を通して出現する。種々の原核生物種から同定されたCRISPRエンドヌクレアーゼは特有のPAM配列要件を有する;PAM配列の例としては、5’-NGG(Streptococcus pyogenes)、5’-NNAGAA(Streptococcus thermophilus CRISPR1)、5’-NGGNG(Streptococcus thermophilus CRISPR3)、および5’-NNNGATT(Neisseria meningiditis)が挙げられる。一部のエンドヌクレアーゼ、例えばCas9エンドヌクレアーゼはGに富むPAM部位、例えば5’-NGGに関連し、PAM部位の3ヌクレオチド上流(5’側)の場所において標的DNAの平滑末端切断を行う。別のクラスII CRISPR系は、Cas9よりも小さいV型エンドヌクレアーゼCpf1を含む;例としては、AsCpf1(Acidaminococcus sp.由来)およびLbCpf1(Lachnospiraceae sp.由来)が挙げられる。Cpf1関連CRISPRアレイはtracrRNAを必要とせずに成熟crRNAにプロセシングされる;言い換えれば、Cpf1系では、標的DNA配列を切断するためにCpf1ヌクレアーゼおよびcrRNAのみが必要である。Cpf1エンドヌクレアーゼはTに富むPAM部位、例えば5’-TTNと関連する。Cpf1は5’-CTA PAMモチーフも認識する。Cpf1は、4ヌクレオチドまたは5ヌクレオチドの5’突出を伴うオフセットまたは互い違いの二本鎖切断を導入することによって標的DNAを切断する、例えば、コード鎖のPAM部位の18ヌクレオチド下流(3’側)および相補鎖のPAM部位の23ヌクレオチド下流に位置する5ヌクレオチドのオフセットまたは互い違いの切断で標的DNAを切断する;そのようなオフセット切断の結果生じる5ヌクレオチド突出により、平滑末端切断DNAにおける挿入によるよりも相同組換えによるDNA挿入による正確なゲノム編集が可能になる。例えば、Zetsche et al. (2015) Cell, 163: 759-771を参照されたい。
種々のCRISPR関連(Cas)遺伝子またはタンパク質を本発明に使用することができ、Casタンパク質の選択は方法の特定の条件に依存する。
Casタンパク質の特定の例としては、Cas1、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、CaslO、Cpf1、C2C1、またはC2C3を含むクラスII系が挙げられる。一部の実施形態では、Casタンパク質、例えばCas9タンパク質は種々の原核生物種のいずれに由来するものであってもよい。一部の実施形態では、特定のプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を認識するように、特定のCasタンパク質、例えば、特定のCas9タンパク質を選択する。一部の実施形態では、部位特異的標的化成分は、ポリペプチド、例えば酵素、例えばCas9を標的とする配列を含む。ある特定の実施形態では、Casタンパク質、例えばCas9タンパク質を細菌または古細菌から得ることもでき、公知の方法を使用して合成することもできる。ある特定の実施形態では、Casタンパク質はグラム陽性菌またはグラム陰性菌に由来し得る。ある特定の実施形態では、Casタンパク質は、Streptococcus(例えば、S.pyogenes、S.thermophilus)、Crptococcus、Corynebacterium、Haemophilus、Eubacterium、Pasteurella、Prevotella、Veillonella、またはMarinobacterに由来するものであってよい。一部の実施形態では、例えば、同じ、同様のまたは異なるPAMモチーフを含む部位の認識および改変を可能にするために、2つもしくはそれよりも多くの異なるCasタンパク質または2つもしくはそれよりも多くのCasタンパク質をコードする核酸を細胞、接合子、胚、または動物に導入することができる。一部の実施形態では、Casタンパク質は、ヌクレアーゼが不活化されるように改変されたもの、例えば、ヌクレアーゼ欠損Cas9、および転写活性化因子またはリプレッサー、例えば、E.coli Polの共サブユニット、VP64、p65の活性化ドメイン、KRAB、またはSID4Xを動員するように改変されたもの、エピジェネティック修飾を誘導するように改変されたもの、例えば、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、ヒストンメチルトランスフェラーゼおよびデメチラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼおよびDNAの脱メチル化において役割を有する酵素(例えば、TETファミリー酵素は、5-メチルシトシンの5-ヒドロキシメチルシトシンおよびより高次の酸化誘導体への酸化を触媒する)である。
遺伝子編集のために、CRISPRアレイを、所望の標的DNA配列に対応する1つまたは複数のガイドRNA配列を含有するように設計することができる;例えば、Cong et al. (2013) Science, 339:819-823; Ran et al. (2013) Nature Protocols, 8:2281-2308を参照されたい。Cas9ではDNA切断を生じさせるために少なくとも約16または17ヌクレオチドのgRNA配列が必要であり、Cpf1に関しては検出可能なDNA切断を実現するために少なくとも約16ヌクレオチドのgRNA配列が必要である。
野生型Cas9はgRNAにより標的とされる特定のDNA配列における二本鎖切断(DSB)を生じさせるが、機能性が改変されたいくつかのCRISPRエンドヌクレアーゼが利用可能であり、例えば、Cas9の「ニッカーゼ」バージョンは一本鎖切断のみを生じさせ、触媒として不活性なCas9(「dCas9」)は標的DNAをカットしないが、立体的障害によって転写に干渉する。dCas9を異種エフェクターとさらに融合して、標的遺伝子の発現を抑止する(CRISPRi)または活性化する(CRISPRa)ことができる。例えば、Cas9を転写サイレンサー(例えば、KRABドメイン)または転写活性化因子(例えば、dCas9-VP64融合物)と融合することができる。Fok1ヌクレアーゼと融合した触媒として不活性なCas9(dCas9)(「dCas9-FokI」)を使用して、2つのgRNAと相同な標的配列においてDSBを生じさせることができる。例えば、Addgene repository(Addgene、75 Sidney St.、Suite 550A、Cambridge、MA 02139; addgene.org/crispr)に開示されており、公的に入手可能な多数のCRISPR/Cas9プラスミドを参照されたい。それぞれが別々のガイドRNAによって方向づけられる2つの別々の二本鎖切断を導入する「2重ニッカーゼ」Cas9が、より正確なゲノム編集を実現するものとしてRan et al. (2013) Cell, 154: 1380-1389に記載されている。
真核生物の遺伝子を編集するためのCRISPR技術は、米国特許出願公開第2016/0138008A1号およびUS2015/0344912A1、ならびに米国特許第8,697,359号、同第8,771,945号、同第8,945,839号、同第8,999,641号、同第8,993,233号、同第8,895,308号、同第8,865,406号、同第8,889,418号、同第8,871,445号、同第8,889,356号、同第8,932,814号、同第8,795,965号、および同第8,906,616号に開示されている。Cpf1エンドヌクレアーゼおよび対応するガイドRNAおよびPAM部位は米国特許出願公開第2016/0208243 A1号に開示されている。
一部の実施形態では、エフェクターは本明細書で前記のCRISPR系の1つまたは複数の構成成分を含む。
一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエフェクターとしては、例えば、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、例えば、転写エンハンサーまたは転写リプレッサー、およびエピジェネティックCpG修飾因子、例えば、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素、および前記のいずれかの組合せが挙げられる。
適切なエフェクターとしては、ポリペプチドまたはそのバリアントが挙げられる。「バリアント」という用語は、本明細書で使用される場合、前駆ポリペプチド(例えば「親」ポリペプチド)への1つまたは複数のアミノ酸の挿入、置換、または欠失の組入れによって得られるポリペプチドを指す。ある特定の実施形態では、バリアントポリペプチドは、親ポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、例えば、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%のアミノ酸配列同一性を有する。
「配列同一性」という用語は、本明細書で使用される場合、核酸またはアミノ酸分子の対間の比較、すなわち、2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間の関連性を指す。一般に、最高次のマッチが得られるように配列をアラインメントする。配列同一性を決定するための方法は公知であり、2つまたはそれよりも多くの配列間の同一性のパーセンテージを算出することができる市販のコンピュータプログラムによって決定することができる。そのようなコンピュータプログラムの典型的な例はCLUSTALである。
例示的なエフェクターとしては、ユビキチン、ユビキチンリガーゼ阻害剤のような二環式ペプチド、転写因子、DNAおよびタンパク質修飾酵素、例えば、トポイソメラーゼ、トポテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、DNMTファミリー(例えば、DNMT3a、DNMT3b、DNMTL)などのDNAメチルトランスフェラーゼ、タンパク質メチルトランスフェラーゼ(例えば、ウイルスリシンメチルトランスフェラーゼ(vSET)、タンパク質-リシンN-メチルトランスフェラーゼ(SMYD2)、デアミナーゼ(例えば、APOBEC、UG1)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、例えば、ゼステホモログ2(EZH2)のエンハンサー、PRMT1、ヒストン-リシン-N-メチルトランスフェラーゼ(Setdb1)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(SET2)、真性染色質ヒストン-リシンN-メチルトランスフェラーゼ2(G9a)、ヒストン-リシンN-メチルトランスフェラーゼ(SUV39H1)、およびG9a)、ヒストン脱アセチル化酵素(例えば、HDAC1、HDAC2、HDAC3)、DNAの脱メチル化において役割を有する酵素(例えば、TETファミリー酵素は、5-メチルシトシンの5-ヒドロキシメチルシトシンおよびより高次の酸化誘導体への酸化を触媒する)、KDMIAおよびリシン特異的ヒストンデメチラーゼ1(LSD1)などのタンパク質デメチラーゼ、DHX9などのヘリカーゼ、アセチルトランスフェラーゼ、脱アセチル化酵素(例えば、サーチュイン1、2、3、4、5、6、または7)、キナーゼ、ホスファターゼ、臭化エチジウム、sybrグリーン、およびプロフラビンなどのDNA挿入剤、ペプチド模倣体様フェニルアラニンアルギニル-ナフチルアミドまたはキノリン誘導体、核受容体活性化因子および阻害剤などの排出ポンプ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、リソソーム蓄積症に関与するものなどの酵素の競合阻害剤、ジンクフィンガータンパク質、TALEN、KRABドメイン、VP64ドメイン、p300ドメイン(例えば、p300コアドメイン)、MeCP2ドメイン、MQ1ドメイン、DNMT3a-3Lドメイン、TET1ドメイン、およびTET2ドメインなどのタンパク質由来の特定のドメイン、タンパク質合成阻害剤、ヌクレアーゼ(例えば、Cpf1、Cas9、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)、これらの1つまたは複数の融合物(例えば、dCas9-DNMT、dCas9-APOBEC、dCas9-UGl、dCas9-VP64、dCas9-p300コア、dCas9-KRAB、dCas9-KRAB-MeCP2、dCas9-MQ1、dCas9-DNMT3a-3L、dCAS9-TET1、dCAS9-TET2およびdCas9-MC/MN)が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なヌクレアーゼは、Cas9ポリペプチドまたは酵素的に活性なその一部を含む。一実施形態では、Cas9ポリペプチドまたは酵素的に活性なその一部は、ヒトエキソヌクレアーゼ1(hEXO1)の触媒として活性なドメイン、例えば、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性および/またはRNase H活性をさらに含む。他の実施形態では、適切なヌクレアーゼは転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を含む。さらに他の実施形態では、適切なヌクレアーゼはジンクフィンガータンパク質を含む。
TALENという用語は、本明細書で使用される場合、広範なものであり、別のTALENの補助なしで二本鎖DNAを切断することができる単量体TALENを含む。TALENという用語は、また、共に働いて同じ部位のDNAを切断する操作されたTALENの対の一方のメンバーまたは両方のメンバーを指すようにも使用される。共に働くTALENは、左側TALENおよび右側TALENと称される場合があり、これはDNAの掌性に言及するものである。全てその全体が参照により本明細書に組み込まれるUSSN12/965,590;USSN13/426,991(US8,450,471);USSN13/427,040(US8,440,431);USSN13/427,137(US8,440,432);およびUSSN13/738,381を参照されたい。
TALエフェクターは、Xanthomonas細菌によって分泌されるタンパク質である。DNA結合ドメインは、12番目および13番目のアミノ酸は例外として高度に保存された33~34アミノ酸の配列を含有する。これらの2つの場所は高度に可変性であり(反復可変二残基(RVD))、特定のヌクレオチド認識との強力な相関を示す。アミノ酸配列とDNA認識のこの単純な関連性により、適当なRVDを含有するリピートセグメントの組合せを選択することによって特定のDNA結合ドメインを操作することが可能になっている。
FokIエンドヌクレアーゼの末端由来の非特異的DNA切断ドメインを使用して、酵母アッセイにおいて活性なハイブリッドヌクレアーゼを構築することができる。これらの試薬は、植物細胞および動物細胞においても活性である。最初のTALEN試験では、野生型FokI切断ドメインを使用したが、一部のその後のTALEN試験では、切断特異性および切断活性が改善されるように設計された変異を有するFokI切断ドメインバリアントも使用した。FokIドメインは二量体として機能し、標的ゲノム内の部位に対する特有のDNA結合ドメインを有する2つの構築物を適当な配向および間隔で必要とする。TALEN DNA結合ドメインとFokI切断ドメインの間のアミノ酸残基の数および2つの個々のTALEN結合部位の間の塩基の数はどちらも高レベルの活性の実現に関するパラメータである。TALEN DNA結合ドメインとFokI切断ドメインの間のアミノ酸残基の数は、複数のTALエフェクターリピート配列とFokIエンドヌクレアーゼドメインの間にスペーサー(スペーサー配列とは別個のもの)を導入することによって改変することができる。スペーサー配列は、12ヌクレオチドから30ヌクレオチドの間であり得る。
アミノ酸配列とTALEN結合ドメインによるDNA認識との間の関連性により、設計可能なタンパク質が可能になる。この場合、TALE結合ドメイン内で反復配列の不適当なアニーリングが見いだされるので、人工的な遺伝子合成には問題がある。これの解決法の1つは、公的に入手可能なソフトウェアプログラム(DNAWorks)を使用して、二段階PCR;オリゴヌクレオチドアセンブリ、その後、全遺伝子増幅でのアセンブリに適したオリゴヌクレオチドの算出を行うことである。操作されたTALE構築物を生成するためのいくつかのモジュラーアセンブリスキームも報告されている。どちらの方法も、ジンクフィンガーDNA認識ドメインを生成するためのモジュラーアセンブリ方法と概念的に同様のDNA結合ドメインを操作するための系統的手法をもたらすものである。
TALEN遺伝子がアセンブリされたら、それらをプラスミドに挿入する;次いで、プラスミドを使用して標的細胞にトランスフェクトし、そこで遺伝子産物が発現し、核内に進入してゲノムにアクセスする。TALENを使用して、細胞が修復機構で応答する二本鎖切断(DSB)を誘導することによってゲノムを編集することができる。このように、TALENを、例えば、疾患を引き起こすゲノム内の変異を補正するために使用することができる。
本明細書で使用される場合、「ジンクフィンガーポリペプチド」または「ジンクフィンガータンパク質」は、ジンクフィンガーとして公知の金属により安定化されたドメインによってDNA、RNAおよび/またはタンパク質に配列特異的に結合するタンパク質である。ジンクフィンガータンパク質は、DNA切断ドメインおよびDNA結合性ジンクフィンガードメインを有するヌクレアーゼである。ジンクフィンガーポリペプチドは、エンドヌクレアーゼの非特異的DNA切断ドメインと部位特異的DNA結合性ジンクフィンガードメインを融合することによって作製することができる。そのようなヌクレアーゼは、遺伝子編集のための強力なツールであり、ゲノムDNA内に二本鎖切断(DSB)を部位特異的に誘導するためにアセンブリすることができる。ZFNにより、DNA修復の間の特定の遺伝子破壊が可能になり、標的とする遺伝子を変異原性非相同末端結合(NHEJ)によって中断すること、または、密接に関連するDNA鋳型が供給される場合には相同組換え(HR)によって改変することができる。
ジンクフィンガーヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼFokIの非特異的DNA切断ドメインと部位特異的DNA結合性ジンクフィンガードメインを融合することによって作製されたキメラ酵素である。ジンクフィンガータンパク質(ZFP)の柔軟な性質に起因して、ゲノムDNA内に二本鎖切断(DSB)を部位特異的に誘導するZFNをアセンブルすることができる。ZFNにより、DNA修復の間の特定の遺伝子破壊が可能になり、標的とする遺伝子を変異原性非相同末端結合(NHEJ)によって中断すること、または、密接に関連するDNA鋳型が供給される場合には相同組換え(HR)によって改変することができる。
一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切な物理的遮断因子は、gRNA、アンチセンスDNA、または転写制御エレメントまたはアンカリング配列を立体的に遮断する三重鎖形成性オリゴヌクレオチド(発現制御単位を標的とし得る)を含む。gRNAは特定のDNA配列を認識し、例えば接続核形成分子配列に干渉して、立体的遮断物として作用する配列をさらに含む。一部の実施形態では、gRNAを、立体的存在として作用する1つまたは複数のペプチド、例えばS-アデノシルメチオニン(SAM)と組み合わせる。他の実施形態では、物理的遮断因子は、酵素的に不活性なCas9ポリペプチドまたはその断片(例えば、dCas9)を含む。
一実施形態では、エピジェネティック動員因子により、標的遺伝子の転写を活性化させるまたは増強する。一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、VP64ドメインまたはp300コアドメインを含む。
一実施形態では、エピジェネティック動員因子により、標的遺伝子の転写をサイレンシングするまたは抑止する。一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、KRABドメイン、またはMeCP2ドメインを含む。
一実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、dCas9-VP64融合物、dCas9-p300コア融合物、dCas9-KRAB融合物、またはdCas9-KRAB-MeCP2融合物を含む。
本明細書で使用される場合、「VP64」は、グリシン-セリン(GS)リンカーで接続したVP16(単純ヘルペスウイルスタンパク質16、アミノ酸437~447*:DALDDFDLDML)の4つのタンデムなコピーで構成される転写活性化因子である。一実施形態では、VP64は、C末端に転写因子p65(RelA)およびRtaをさらに含む。VP64、p65およびRtaを含むエフェクターは「VPR」と称される。VP64のGenBank受託番号はADD60007.1であり、p65のGenBank受託番号はNP_001138610.1であり、RtaのGenBank受託番号はAAA66528.1である。
本明細書で使用される場合、「p300コアドメイン」は、ヒトアセチルトランスフェラーゼp300の触媒コアを指す。p300を含むタンパク質のGenBank受託番号はNP_001420.2である。
本明細書で使用される場合、「KRAB」は、ヒトジンクフィンガータンパク質に基づく転写因子(KRABジンクフィンガータンパク質)内に存在するクルッペル関連ボックス(KRAB)転写抑止ドメインを指す。
本明細書で使用される場合、「MeCp2」は、例えば、メチル化DNAを含むプロモーターに結合することによって転写を抑止するメチルCpG結合性タンパク質2を指す。
一実施形態では、エピジェネティックCpG修飾因子によりDNAをメチル化し、転写を不活化するまたは抑止する。一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティックCpG修飾因子は、MQ1ドメインまたはDNMT3a-3Lドメインを含む。
一実施形態では、エピジェネティックCpG修飾因子によりDNAを脱メチル化し、転写を活性化するまたは刺激する。一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、TET1またはTET2ドメインを含む。
本明細書で使用される場合、「TET1」は、TET1遺伝子によってコードされるTETファミリーの酵素のメンバーである「10-11転座メチルシトシンジオキシゲナーゼ1」を指す。TET1は、哺乳動物における活性なDNAの脱メチル化の最初のステップである、修飾されたDNA塩基5-メチルシトシン(5-mC)の5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)への、鉄およびアルファ-ケトグルタル酸依存的な5-mCの酸化による変換を触媒するジオキシゲナーゼである。シトシン塩基のC5位におけるメチル化は、転写調節において重要な役割を果たす哺乳動物ゲノムのエピジェネティック修飾である。DNAの脱メチル化におけるその役割に加えて、クロマチン調節においてより一般的な役割を果たす。転写的に活性な遺伝子およびポリコームにより抑止された遺伝子の両方のプロモーターのCpGに富む配列に優先的に結合する。活性な遺伝子のCpGに富む転写開始部位へのO-GlcNAcトランスフェラーゼOGTの動員に関与し、それにより、OGTによるヒストンH2B GlcNAc化を促進する。
本明細書で使用される場合、「TET2」は、TET1遺伝子によってコードされるTETファミリーの酵素のメンバーである「10-11転座2(TET2)」を指す。TET1と同様に、TET2は、修飾されたゲノム塩基5-メチルシトシン(5mC)の5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)への変換を触媒するジオキシゲナーゼであり、活性なDNAの脱メチル化において重要な役割を果たす。TET2はCpGモチーフ内の5-ヒドロキシメチルシトシンを優先。TET2はまた、その後の5hmCの5-ホルミルシトシン(5fC)への変換、および5fCの5-カルボキシルシトシン(5caC)への変換も媒介する。5mCの5hmC、5fCおよび5caCへの変換は、おそらくシトシン脱メチル化の第1のステップを構成する。シトシン塩基のC5位におけるメチル化は、転写調節において重要な役割を果たす哺乳動物ゲノムのエピジェネティック修飾である。DNAの脱メチル化におけるその役割に加えて、活性な遺伝子のCpGに富む転写開始部位へのO-GlcNAcトランスフェラーゼOGTの動員にも関与し、それにより、OGTによるヒストンH2B GlcNAc化を促進する。
本明細書で使用される場合、「DNMT3a-3L」は、DNAメチルトランスフェラーゼであるDnmt3aと、触媒として不活性であるがDnmt3aの触媒ドメインと直接相互作用するDnmt3Lの融合物を指す。
一部の実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、MQ1ドメイン、DNMT3a-3Lドメイン、TET1ドメインまたはTET2ドメインを含む。一実施形態では、本発明の作用剤、組成物、および方法に使用するための適切なエピジェネティック動員因子は、dCas9-MQ1融合物、dCas9-DNMT3a-3L融合物、dCas9-TET1融合物またはdCAS9-TET2融合物を含む。
III.本発明の部位特異的HNF4α遮断剤および本発明の部位特異的HNF4α遮断剤を含む組成物の送達
本発明の遮断剤の、細胞、例えばヒト対象(例えば、HNF4α関連障害、例えば硬変症を有する対象などの、それを必要とする対象)などの対象内の細胞への送達は、いくつかの異なるやり方で実現することができる。例えば、細胞に本発明の遮断剤をin vitro、ex vivo、またはin vivoのいずれかで接触させることによって送達を実施することができる。in vivo送達は、遮断剤を含む脂質組成物などの組成物を対象に投与することによって直接実施することができる。あるいは、in vivo送達を、遮断剤をコードし、その発現を方向づける1つまたは複数のベクターを投与することによって間接的に実施することができる。これらの代替を下でさらに考察する。
本発明の遮断剤の、細胞、例えばヒト対象(例えば、HNF4α関連障害、例えば硬変症を有する対象などの、それを必要とする対象)などの対象内の細胞への送達は、いくつかの異なるやり方で実現することができる。例えば、細胞に本発明の遮断剤をin vitro、ex vivo、またはin vivoのいずれかで接触させることによって送達を実施することができる。in vivo送達は、遮断剤を含む脂質組成物などの組成物を対象に投与することによって直接実施することができる。あるいは、in vivo送達を、遮断剤をコードし、その発現を方向づける1つまたは複数のベクターを投与することによって間接的に実施することができる。これらの代替を下でさらに考察する。
一部の実施形態では、遮断剤は、融合タンパク質をコードする核酸分子を含み、融合タンパク質は、HNF4α発現制御領域を特異的に標的とし、それに結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合ドメインまたはその断片をコードするポリヌクレオチドなどの部位特異的HNF4α標的化成分と、VPRなどのエフェクター分子とを含む。
他の実施形態では、遮断剤は、ガイドRNAおよびエフェクター分子をコードするmRNAを含む。ガイドRNAとmRNAの比は、約100:1~約1:100(wt:wt)であり得る。
一般に、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤を送達する任意の方法(in vitro、ex vivo、またはin vivo)を本発明の遮断剤との使用に適応させることができる(例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるAkhtar S. and Julian RL., (1992) Trends Cell. Biol. 2 (5) : 139-144およびWO94/02595を参照されたい)。in vivo送達に関しては、本発明の部位特異的HNF4α遮断剤の送達のために考慮すべき因子としては、例えば、遮断剤の生物学的安定性、非特異的影響の防止、および標的組織内への遮断剤の蓄積が挙げられる。遮断剤の非特異的影響は、局部投与によって、例えば、組織に直接注射するかもしくは埋め込むこと、または遮断剤を含む組成物を局所に投与することによって最小化することができる。処置部位への局部投与により、遮断剤の局部濃度が最大になり、そうでなければ遮断剤によって害される恐れがあるかまたは遮断剤が分解される恐れがある、全身組織への遮断剤の曝露が制限され、投与される遮断剤の総用量を少なくすることが可能になる。
HNF4α関連疾患などの疾患を処置するために部位特異的HNF4α遮断剤を全身性に投与することに関しては、遮断剤、例えば、核酸分子を含む部位特異的標的化成分を含む遮断剤を改変すること、あるいは薬物送達システムを使用して送達することができる;どちらの方法も、核酸分子を含む部位特異的標的化成分がin vivoでエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼによって迅速に分解されることを防ぐように作用する。核酸分子を含む部位特異的標的化成分を含む遮断剤または医薬担体の改変により、遮断剤を標的組織にターゲティングすることおよび望ましくないオフターゲットの影響を回避することも可能になる。例えば、本発明の遮断剤を、細胞内取り込みを増強し、分解を防ぐために、コレステロールなどの親油基への化学的なコンジュゲーションによって改変することができる。
あるいは、本発明の遮断剤を、ナノ粒子、デンドリマー、ポリマー、リポソーム、またはカチオン性送達系などの薬物送達システムを使用して送達することができる。正に荷電したカチオン性送達系では、遮断剤(例えば、負に荷電した分子)の結合が容易になり、また、負に荷電した細胞膜における相互作用も増強されて、細胞による遮断剤の効率的な取り込みが可能になる。カチオン性脂質、デンドリマー、またはポリマーを、遮断剤と結合させること、または遮断剤を包む小胞もしくはミセルを形成するように誘導することができる(例えば、Kim SH. et al., (2008) Journal of Controlled Release 129 (2) : 107-116を参照されたい)。小胞またはミセルの形成により、さらに、全身性に投与された場合の遮断剤の分解が防止される。カチオン性複合体を作製し、投与するための方法は十分に当業者の能力の範囲内に入る(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるSorensen, DR., et al. (2003) J. Mol. Biol 327: 761-766;Verma, UN. et al., (2003) Clin. Cancer Res. 9: 1291-1300;Arnold, AS et al. (2007) J. Hypertens. 25: 197-205を参照されたい)。本発明の遮断剤の全身送達に有用な薬物送達システムのいくつかの非限定的な例としては、DOTAP(Sorensen, DR., et al (2003), supra;Verma, UN. et al., (2003), supra)、Oligofectamine、「固体核酸脂質粒子」(Zimmermann, TS. et al., (2006) Nature 441: 111-114)、カルジオリピン(Chien, PY. et al., (2005) Cancer Gene Ther. 12: 321-328; Pal, A. et al., (2005) Int J. Oncol. 26: 1087-1091)、ポリエチレンイミン(Bonnet ME. et al., (2008) Pharm. Res. Aug 16 Epub ahead of print; Aigner, A. (2006) J. Biomed. Biotechnol. 71659)、Arg-Gly-Asp(RGD)ペプチド(Liu, S. (2006) Mol. Pharm. 3: 472-487)、およびポリアミドアミン(Tomalia, DA. et al., (2007) Biochem. Soc. Trans. 35: 61-67; Yoo, H. et al., (1999) Pharm. Res. 16: 1799-1804)が挙げられる。一部の実施形態では、全身投与のために、遮断剤(例えば、gRNA、またはmRNA)をシクロデキストリンとの複合体にする。シクロデキストリンを投与するための方法およびシクロデキストリンを含む医薬組成物は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,427,605号に見いだすことができる。
本発明の遮断剤を投与に適した医薬組成物に組み入れることができる。そのような組成物は、一般には、1つまたは複数の種の遮断剤および薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という語は、医薬投与に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤および吸収遅延剤などを含むものとする。薬学的に活性な物質に対するそのような媒体および作用剤の使用は当技術分野において周知である。任意の従来の媒体または作用剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、の組成物へのそれらの使用が意図されている。補足的な活性化合物を組成物に組み入れることもできる。
本発明の医薬組成物は、局部的処置が望まれるかまたは全身処置が望まれるかに応じて、および処置される領域に応じて、いくつかのやり方で投与することができる。投与は、局所(点眼、膣、直腸、鼻腔内、経皮)、経口、または非経口であり得る。非経口投与は、点滴静注、皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射、または髄腔内もしくは脳室内投与を含む。
投与の経路および部位は、部位特異的標的化成分を含む遮断剤の特定の場所への送達またはターゲティングが増強されるように選択することができる。例えば、肝細胞を標的とするためには、静脈内注射を使用することができる。肺細胞は遮断剤をエアロゾル形態で投与することによって標的とすることができる。空腸細胞は肛門への投与によって標的とすることができる。
局所投与用の製剤としては、経皮吸収パッチ、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、滴剤、坐剤、噴霧剤、液剤(liquid)、および散剤を挙げることができる。従来の医薬担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが必要であり得るまたは望ましい。コーティングされたコンドーム、手袋なども有用であり得る。
経口投与用の組成物としては、散剤または顆粒剤、水中懸濁剤または液剤(solution)、シロップ剤、エリキシル剤または非水性媒体、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、またはトローチ剤が挙げられる。錠剤の場合では、使用することができる担体として、ラクトース、クエン酸ナトリウムおよびリン酸の塩が挙げられる。デンプン、ならびにステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤などの種々の崩壊剤が錠剤に一般に使用される。カプセル剤形態での経口投与に関しては、有用な希釈剤はラクトースおよび高分子量のポリエチレングリコールである。経口使用のために水性懸濁剤が必要な場合には、核酸組成物を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせることができる。所望であれば、ある特定の甘味剤または香味剤を添加することができる。
静脈内投与用の組成物は、バッファー、希釈剤、および他の適切な添加剤も含有し得る滅菌水性液剤を含み得る。
非経口投与用の製剤は、バッファー、希釈剤、および他の適切な添加剤も含有し得る滅菌水性液剤を含み得る。静脈内使用に関しては、調製物を等張にするように溶質の総濃度を制御することができる。
一実施形態では、本発明の遮断剤組成物の投与は、非経口、例えば、静脈内(例えば、ボーラスとしてまたは拡散注入として)、皮内、腹腔内、筋肉内、髄腔内、脳室内、頭蓋内、皮下、経粘膜、頬側、舌下、内視鏡的、直腸、経口、膣、局所、肺、鼻腔内、尿道、または眼である。投与は、対象によって、または別の人、例えば、健康管理提供者によってもたらされる。組成物は、正確に測られた用量で、または正確に測られた用量を送達するディスペンサー中に入れて提供することができる。選択される送達方式を下でより詳細に考察する。
ある特定の実施形態では、本発明の遮断剤はmRNAなどのポリヌクレオチドであり、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化される。
A.本発明の部位特異的HNF4α遮断剤を含む組成物
本発明の部位特異的HNF4α遮断剤を、(1)安定性を増大させるため;(2)細胞トランスフェクションを増加させるため;(3)持続放出もしくは遅延放出(例えば、デポ製剤からの)を可能にするため;(4)体内分布を変更するため(例えば、遮断剤を特定の組織もしくは細胞型にターゲティングするため);(5)コードされるタンパク質のin vivoでの翻訳を増加させるため;および/または(6)コードされるタンパク質のin vivoでの放出プロファイルを変更するために、1つまたは複数の賦形剤を使用して医薬組成物などの組成物へと製剤化することができる。ありとあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクルなどの従来の賦形剤に加えて、本発明の組成物に使用するための分散または懸濁補助剤、表面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、賦形剤として、限定することなく、リピドイド(lipidoid)、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、核酸分子、修飾された核酸分子、またはRNAをトランスフェクトした細胞(例えば、対象への移植用)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣物およびこれらの組合せを挙げることができる。したがって、本発明の医薬組成物は、1つまたは複数の賦形剤を、それぞれ、一緒になって遮断剤の安定性を増大させる、遮断剤による細胞トランスフェクションを増加させる、修飾された核酸またはmRNAにコードされるタンパク質の発現を増加させる、および/または遮断剤の放出プロファイルを変更する量で含み得る。さらに、本発明の遮断剤は、自己組織化核酸ナノ粒子を使用して製剤化することができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0038612A1号を参照されたい)。
本発明の部位特異的HNF4α遮断剤を、(1)安定性を増大させるため;(2)細胞トランスフェクションを増加させるため;(3)持続放出もしくは遅延放出(例えば、デポ製剤からの)を可能にするため;(4)体内分布を変更するため(例えば、遮断剤を特定の組織もしくは細胞型にターゲティングするため);(5)コードされるタンパク質のin vivoでの翻訳を増加させるため;および/または(6)コードされるタンパク質のin vivoでの放出プロファイルを変更するために、1つまたは複数の賦形剤を使用して医薬組成物などの組成物へと製剤化することができる。ありとあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクルなどの従来の賦形剤に加えて、本発明の組成物に使用するための分散または懸濁補助剤、表面活性剤、等張化剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、賦形剤として、限定することなく、リピドイド(lipidoid)、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、核酸分子、修飾された核酸分子、またはRNAをトランスフェクトした細胞(例えば、対象への移植用)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣物およびこれらの組合せを挙げることができる。したがって、本発明の医薬組成物は、1つまたは複数の賦形剤を、それぞれ、一緒になって遮断剤の安定性を増大させる、遮断剤による細胞トランスフェクションを増加させる、修飾された核酸またはmRNAにコードされるタンパク質の発現を増加させる、および/または遮断剤の放出プロファイルを変更する量で含み得る。さらに、本発明の遮断剤は、自己組織化核酸ナノ粒子を使用して製剤化することができる(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0038612A1号を参照されたい)。
i.リピドイド
リピドイドの合成は、広範囲にわたって記載されており、これらの化合物を含有する製剤は、核酸分子を含む、例えば、修飾された核酸分子またはmRNAを含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤などの本発明の遮断剤の送達に特に適する(全てそれらの全体の内容が本明細書に組み込まれるMahon et al., Bioconjug Chem. 2010 21: 1448-1454; Schroeder et al., J Intern Med. 2010 267: 9-21; Akinc et al., Nat Biotechnol. 2008 26: 561-569; Love et al., Proc Natl Acad Sci USA. 201 0 107: 1864-1869; Siegwart et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2011108: 12996-3001を参照されたい)。
リピドイドの合成は、広範囲にわたって記載されており、これらの化合物を含有する製剤は、核酸分子を含む、例えば、修飾された核酸分子またはmRNAを含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤などの本発明の遮断剤の送達に特に適する(全てそれらの全体の内容が本明細書に組み込まれるMahon et al., Bioconjug Chem. 2010 21: 1448-1454; Schroeder et al., J Intern Med. 2010 267: 9-21; Akinc et al., Nat Biotechnol. 2008 26: 561-569; Love et al., Proc Natl Acad Sci USA. 201 0 107: 1864-1869; Siegwart et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2011108: 12996-3001を参照されたい)。
例えば、リピドイドは、二本鎖低分子干渉RNA分子、一本鎖核酸分子、修飾された核酸分子または修飾されたmRNAを有効に送達するために使用されている(例えば、米国特許公開第2016/0038612A1号を参照されたい)。これらのリピドイドを含有する複合体、ミセル、リポソームまたは粒子を調製し、したがって、核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分の有効な送達をもたらすことができ、これは、リピドイド製剤を例えば局部投与および/または全身投与によって投与した後のコードされるタンパク質の産生によって判断される。リピドイド複合体は、静脈内経路、筋肉内経路、皮内経路、腹腔内経路または皮下経路を含むがこれだけに限定されない種々の手段によって投与することができる。
例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分のin vivo送達は、製剤の組成、粒子PEG化の性質、負荷の度合い、ポリヌクレオチドと脂質の比、および、これだけに限定されないが、粒子サイズなどの生物物理的パラメータを含むがこれだけに限定されない多くのパラメータの影響を受け得る(Akinc et al., Mol Ther. 2009 17: 872-879;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。例として、ポリ(エチレングリコール)(PEG)脂質のアンカー鎖長の小さな変化により、in vivoにおける有効性に対する有意な影響が生じ得る。ペンタ[3-(1-ラウリルアミノプロピオニルI)]-トリエチレンテトラミン塩酸塩(TETA-5LAP;別名98NI2-5、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるMurugaiah et al., Analytical Biochemistry, 401: 61 (2010)を参照されたい)、C12-200(誘導体およびバリアントを含む)、およびMD1を含むがこれだけに限定されない、異なるリピドイドを用いた製剤を使用することができる。
一実施形態では、例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、リピドイドを用いて、肝臓の細胞を標的とするための全身静脈内投与用に製剤化する。例えば、核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤、および42%98NI2-5、48%コレステロール、および10%PEG-脂質のモル組成の脂質を含み、総脂質と核酸分子の最終的な重量比が約7.5:1であり、PEG脂質上のアルキル鎖長がC14であり、平均粒子サイズが大まかに50~60nmである最終的な最適化された静脈内製剤では、肝臓に対して90%を超える製剤の分布がもたらされ得る(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Mol Ther. 2009 17: 872-879を参照されたい)。別の例では、C12-200/ジステロイルホスファチジルコリン/コレステロール/PEG-DMGのモル比が50/10/38.5/1.5であり、総脂質と核酸分子の重量比が7:1であり、平均粒子サイズが80nmである、C12-200リピドイド(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010/129709号を参照されたい)を使用した静脈内製剤を使用して、核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を肝細胞に送達することができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるLove et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2010 107: 1864-1869を参照されたい)。別の実施形態では、MD1リピドイドを含有する製剤を使用して、核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤をin vivoで肝細胞に有効に送達することができる。筋肉内または皮下経路用の最適化されたリピドイド製剤の特徴は標的細胞型および製剤の細胞外マトリックスを通じて血流中に拡散する能力に応じて有意に変動し得る。有効な肝細胞への送達のためには、内皮窓のサイズに起因して、150nm未満の粒子サイズが所望であり得るが(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Mol Ther. 2009 17: 872-879を参照されたい)、内皮細胞、骨髄性細胞、および筋肉細胞を含むがこれだけに限定されない他の細胞型に製剤を送達するためのリピドイドにより製剤化された核酸分子の使用は同様にサイズが限定されない場合がある。骨髄性細胞および内皮などの他の肝細胞ではない細胞にsiRNAをin vivoで送達するためのリピドイド製剤の使用が報告されている(それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Nat Biotechnol. 200826: 561-569; Leuschner et al., Nat Biotechnol. 2011 29: 1005-101 0;Cho et al. Adv. Funct. Mater. 2009 19 : 3112-3118; 8th International Judah Folkman Conference, Cambridge, Mass. Oct. 8-9, 2010を参照されたい)。単球などの骨髄性細胞への送達に関して、リピドイド製剤は同様の構成成分のモル比を有し得る。肝細胞、骨髄性細胞、筋肉細胞などを含むがこれだけに限定されない異なる細胞型への送達のために製剤を最適化するために、異なる比のリピドイドならびにジステロイルホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG-DMGを含むがこれだけに限定されない他の構成成分を使用することができる。例えば、構成成分モル比としては、これだけに限定されないが、50%CI2-200、10%ジステロイルホスファチジルコリン、38.5%コレステロール、および1.5%PEG-DMGを挙げることができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるLeuschner et al., Nat Biotechnol 2011 29: 1005-101 0を参照されたい)。細胞(例えば、これだけに限定されないが、脂肪細胞および筋肉細胞など)への皮下送達、皮内送達または筋肉内送達のいずれかによる局部送達のためのリピドイド製剤の使用では、全身送達のために所望の製剤の構成成分の全てが必要であるとは限らない場合があり、したがって、リピドイドおよび本明細書に記載の例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む含む遮断剤のみを含む場合がある。
細胞トランスフェクションを増加させることおよび/または含有されるコードされるタンパク質の翻訳を増加させることによって製剤の有効性を改善するために、異なるリピドイドの組合せを使用することができる(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるWhitehead et al., Mol. Ther. 2011, 19: 1688-1694を参照されたい)。
一実施形態では、アルクラミン(alklamine)のアクリレートへの共役付加によってリピドイドを調製することができる。非限定的な例として、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2014/028487号に記載されている方法によってリピドイドを調製することができる。一実施形態では、リピドイドは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2014/028487号に記載されている式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)または式(V)を有する化合物を含み得る。一実施形態では、リピドイドは生分解性であり得る。
ii.リポソーム、リポプレックス、および脂質ナノ粒子
本発明の遮断剤を、1つまたは複数のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子を使用して製剤化することができる。一実施形態では、本発明の医薬組成物はリポソームを含む。リポソームは、主に脂質二重層で構成され、栄養分および医薬製剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる人工的に調製された小胞である。リポソームは、これだけに限定されないが、直径が数百ナノメートルであり得、狭い水性区画で区切られた一連の同心二重層を含有し得る多重膜小胞(MLV)、直径が50nmよりも小さいものであり得る小型単細胞小胞(small unicellular vesicle)(SUV)、および直径が50nmから500nmの間であり得る大型単層小胞(LUV)などの、サイズが異なるものであり得る。リポソーム設計としては、これだけに限定されないが、健康でない組織へのリポソームの付着を改善するため、またはこれだけに限定されないがエンドサイトーシスなどのイベントを活性化するためのオプソニンまたはリガンドを挙げることができる。リポソームは、医薬製剤の送達を改善するために低pHまたは高pHを含有し得る。リポソームの形成は、これだけに限定されないが、封入された医薬製剤およびリポソーム成分などの物理化学的特徴、脂質小胞を分散させる媒体の性質、封入された物質の有効濃度およびその潜在的な毒性、小胞の適用および/または送達に伴う任意の追加のプロセス、最適化サイズ、意図された適用のための小胞の多分散性および貯蔵寿命、ならびにバッチ間の再現性および安全かつ効率的なリポソーム製品の大規模生産の可能性に依存し得る。
本発明の遮断剤を、1つまたは複数のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子を使用して製剤化することができる。一実施形態では、本発明の医薬組成物はリポソームを含む。リポソームは、主に脂質二重層で構成され、栄養分および医薬製剤を投与するための送達ビヒクルとして使用することができる人工的に調製された小胞である。リポソームは、これだけに限定されないが、直径が数百ナノメートルであり得、狭い水性区画で区切られた一連の同心二重層を含有し得る多重膜小胞(MLV)、直径が50nmよりも小さいものであり得る小型単細胞小胞(small unicellular vesicle)(SUV)、および直径が50nmから500nmの間であり得る大型単層小胞(LUV)などの、サイズが異なるものであり得る。リポソーム設計としては、これだけに限定されないが、健康でない組織へのリポソームの付着を改善するため、またはこれだけに限定されないがエンドサイトーシスなどのイベントを活性化するためのオプソニンまたはリガンドを挙げることができる。リポソームは、医薬製剤の送達を改善するために低pHまたは高pHを含有し得る。リポソームの形成は、これだけに限定されないが、封入された医薬製剤およびリポソーム成分などの物理化学的特徴、脂質小胞を分散させる媒体の性質、封入された物質の有効濃度およびその潜在的な毒性、小胞の適用および/または送達に伴う任意の追加のプロセス、最適化サイズ、意図された適用のための小胞の多分散性および貯蔵寿命、ならびにバッチ間の再現性および安全かつ効率的なリポソーム製品の大規模生産の可能性に依存し得る。
非限定的な例として、合成膜小胞などのリポソームを、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0177638号、同第2013/0177637号、同第2013/0177636号、同第201/30177635号、同第2013/0177634号、同第2013/0177633号、同第2013/0183375号、同第2013/0183373号、同第2013/0183372号および同第2016/0038612号)ならびにPCT特許出願公開第WO2008/042973号に記載されている方法、器具およびデバイスによって調製することができる。
一実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物としては、限定することなく、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)リポソーム、Marina Biotech(Bothell、Wash.)のDiLa2リポソーム、1,2-ジリノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-DMA)、2,2-ジリノレイル-4-(2-ジメチルアミノエチル)-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、およびMC3から形成されたものなどのリポソーム(US20100324120;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)ならびにこれだけに限定されないが、Janssen Biotech,Inc.(Horsham、Pa.)のDOXIL(登録商標)などの、小分子薬物を送達することができるリポソームを挙げることができる。一実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物としては、限定することなく、以前に記載されており、in vitroおよびin vivoにおけるオリゴヌクレオチド送達に適することが示されている安定化されたプラスミド-脂質粒子(SPLP)または安定化された核酸脂質粒子(SNALP)の合成により形成されたものなどのリポソームを挙げることができる(それぞれの内容全体が本明細書に組み込まれるWheeler et al. Gene Therapy. 1999 6: 271-281;Zhang et al. Gene Therapy. 19996: 1438-1447;Jeffs et al. Pharm Res. 2005 22: 362-372;Morrissey et al., Nat Biotechnol. 2005 2: 1002-1007;Zimmermann et al., Nature. 2006 441: 111-114;Heyes et al. J Contr Rel. 2005 107 :276-287;Semple et al. Nature Biotech. 2010 28: 172-176;Judge et al. J Clin Invest. 2009 119: 661-673;deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19: 125-132;米国特許出願公開第2013/0122104号、同第2013/0303587号、および同第2016/0038612号を参照されたい)。Wheelerらによる当初の製造方法は界面活性剤透析法であり、これが後にJeffsらによって改善され、自発性小胞形成法と称されている。本発明のリポソーム製剤は、部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤に加えて3~4つの脂質構成成分で構成されたものであり得る。例として、本発明のリポソームは、これだけに限定されないが、Jeffsらにより記載されている通り、55%コレステロール、20%ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)、10%PEG-SDSG、および15%1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DODMA)を含有し得る。別の例として、本発明のリポソーム製剤は、これだけに限定されないが、Heyesらにより記載されている通り、48%コレステロール、20%DSPC、2%PEG-c-DMA、および30%カチオン性脂質を含有し得、ここで、カチオン性脂質は、1,2-ジステアリルオキシ(distearloxy)-N,N-ジメチルアミノプロパン(DSDMA)、DODMA、DLin-DMA、または1,2-ジリノレニルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)であり得る。一部の実施形態では、リポソーム製剤は、約25.0%コレステロール~約40.0%コレステロール、約30.0%コレステロール~約45.0%コレステロール、約35.0%コレステロール~約50.0%コレステロールおよび/または約48.5%コレステロール~約60%コレステロールを含み得る。別の実施形態では、本発明の製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%および43.5%からなる群から選択されるパーセンテージのコレステロールを含み得る。一部の実施形態では、本発明のリポソーム製剤は、約5.0%~約10.0%DSPCおよび/または約7.0%~約15.0%DSPCを含み得る。
一実施形態では、医薬組成物は、本発明の遮断剤を送達するために形成することができるリポソームを含み得る。部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤をリポソームで被包することができ、かつ/または、それを、リポソームで被包され得る水性コア中に含ませ得る(例えば、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2012/031046号、同第WO2012/031043号、同第WO2012/030901号および同第WO2012/006378号ならびに米国特許出願公開第2013/0189351号、同第2013/0195969号および同第201/30202684号を参照されたい)。
別の実施形態では、本発明において使用するためのリポソームは、標的化送達用に製剤化されたものであり得る。非限定的な例として、リポソームは、肝臓への標的化送達用に製剤化されたものであり得る。そのようなリポソームとしては、これだけに限定されないが、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0195967号に記載されているリポソームを挙げることができる。
一実施形態では、リポソームおよび遮断剤を含む製剤を筋肉内投与、皮内投与、または静脈内投与することができる。
別の実施形態では、本発明の脂質製剤は、少なくとも1つのカチオン性脂質、トランスフェクションを増強する脂質、および、少なくとも1つの、脂質部分に連結した親水性頭部基を含有する脂質を含み得る(国際特許公開第WO2011076807号および米国特許出願公開第20110200582号;それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。別の実施形態では、本発明の脂質製剤は、官能化された脂質二重層間に架橋を有し得る脂質小胞である(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0177724号を参照されたい)。
一実施形態では、遮断剤を含む製剤は、少なくとも1つの脂質を含み得る脂質ナノ粒子(LNP)である。脂質は、これだけに限定されないが、DLin-DMA、DLin-K-DMA、98NI2-5、CI2-200、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG-DMG、PEG化脂質およびアミノアルコール脂質から選択することができる。別の態様では、脂質は、これだけに限定されないが、DLin-DMA、DLin-D-DMA、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMAおよびアミノアルコール脂質などのカチオン性脂質であり得る。アミノアルコールカチオン性脂質は、米国特許出願公開第2013/0150625号に記載されている脂質であり得、かつ/または、そこに記載されている方法によって作製することができる。
一実施形態では、カチオン性脂質は、これだけに限定されないが、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2012/040184号、同第WO2011/153120号、同第WO2011/149733号、同第WO2011/090965号、同第WO2011/043913号、同第WO2011/022460号、同第WO2012/061259号、同第WO2012/054365号、同第WO2012/044638号、同第WO2010/080724号、同第WO2010/21865号、同第WO2008/103276号、同第WO2013/086373号およびWO2013/086354号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号、同第8,283,333号、同第8,466,122号および8,569,256号、ならびに米国特許出願公開第2010/0036115号、同第2012/0202871号、同第2013/0064894号、同第2013/0129785号、同第2013/0150625号、同第2013/0178541号、同第2013/0225836号および同第2014/0039032号に記載されているカチオン性脂質から選択することができる。別の実施形態では、カチオン性脂質は、これだけに限定されないが、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2012/040184号、同第WO0111/53120号、同第WO2011/149733号、同第WO2011/090965号、同第WO2011/043913号、同第WO2011/022460号、同第WO2012/061259号、同第WO2012/054365号、同第WO2012/044638号および同第WO2013/116126号または米国特許出願公開第2013/0178541号および同第2013/0225836号に記載されている式Aから選択することができる。さらに別の実施形態では、カチオン性脂質は、これだけに限定されないが、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2008/103276号の式CLI-CLXXIX、米国特許第7,893,302号の式CLICLXXIX、米国特許第7,404,969号の式CLICLXXXXIIおよび米国特許出願公開第2010/0036115号の式I~VI、米国特許出願公開第2013/0123338号の式Iから選択することができる。
一実施形態では、カチオン性脂質を当技術分野で公知の方法によって、および/または、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2012/040184号、同第WO2011/153120号、同第WO2011/149733号、同第WO2011/090965号:同第WO2011/043913号、同第WO2011/022460号、同第WO2012/061259号、同第WO2012/054365号、同第WO2012/044638号、同第WO2010/080724号、同第WO2010/21865号、同第WO2013/126803号、同第WO2013/086373号、および同第WO2013/086354号に記載されている通り合成することができる。
一実施形態では、本明細書に記載の遮断剤の製剤化および/または送達に使用することができる脂質は、切断可能な脂質であり得る。非限定的な例として、切断可能な脂質および/または切断可能な脂質を含む医薬組成物としては、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2012/170889号に記載されているものが挙げられる。別の非限定的な例として、切断可能な脂質は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2012/170889号に記載されているHGT4001、HGT4002、HGT4003、HGT4004および/またはHGT4005であり得る。
一実施形態では、本明細書に記載の遮断剤の製剤化および/または送達に使用することができるポリマーとしては、これだけに限定されないが、ポリ(エチレン)グリコール(PEG)、ポリエチレンイミン(PEI)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミデート(DTBP)、ポリ(エチレンイミン)ビスカルバメート(PEIC)、ポリ(L-リシン)(PLL)、ヒスチジン修飾PLL、ポリ(N-ビニルピロリドン(vinylpyrrohdone))(PVP)、ポリ(プロピレンイミン(propylenimine)(PPI)、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(アミドエチレンイミン)(SS-PAEI)、トリエチレンテトラミン(TETA)、ポリ(β-アミノエステル)、ポリ(4-ヒドロキシ-L-プロリン(proine)エステル)(PHP)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(α-[4-アミノブチル]-L-グリコール酸(PAGA)、ポリ(D,L-乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ(N-エチル-4-ビニルピリジニウムブロミド)、ポリ(ホスファゼン)(PPZ)、ポリ(リン酸エステル)(PPE)、ポリ(ホスホラミデート)(PPA)、ポリ(N-2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)(pHPMA)、ポリ(2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート)(pDMAEMA)、ポリ(2-アミノエチルプロピレンホスフェート)PPE_EA)、キトサン、ガラクトシル化キトサン、N-ドデシル化キトサン、ヒストン、コラーゲンおよびデキストラン-スペルミンを挙げることができる。一実施形態では、ポリマーは、これだけに限定されないが、PEGなどの不活性ポリマーであり得る。一実施形態では、ポリマーは、これだけに限定されないが、PEI、PLL、TETA、ポリ(アリルアミン)、ポリ(N-エチル-4-ビニルピリジニウムブロミド)、pHPMAおよびpDMAEMAなどのカチオン性ポリマーであり得る。一実施形態では、ポリマーは、これだけに限定されないが、DSP、DTBPおよびPEICなどの生分解性PElであり得る。一実施形態では、ポリマーは、これだけに限定されないが、ヒスチン修飾PLL SSPAEI、ポリ(β-アミノエステル)、PHP、PAGA、PLGA、PPZ、PPE、PPAおよびPPE-EAなど生分解性であり得る。
一実施形態では、本発明のLNP製剤を、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2011/127255号または同第WO2008/103276号に記載されている方法に従って調製することができる。非限定的な例として、部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2011/127255号および/または同第WO2008/103276号に記載されている通りLNP製剤に被包することができる。別の非限定的な例として、本明細書に記載の部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0207845号およびPCT公開第WO2014/008334号に記載されている通り、非経口経路によって送達されるナノ粒子として製剤化することができる。
一実施形態では、本明細書に記載のLNP製剤を筋肉内(intramusculary)投与することができる。LNP製剤は、これだけに限定されないが、DLin-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、DODMAおよびC12-200などの本明細書に記載のカチオン性脂質を含み得る。
一実施形態では、本明細書に記載の遮断剤を含む本明細書に記載のLNP製剤を皮内投与することができる。LNP製剤は、これだけに限定されないが、DLin-DMA、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA、DODMAおよびC12-200などの本明細書に記載のカチオン性脂質を含み得る。
ナノ粒子製剤は、米国特許出願公開第US20160038612A1号に記載されているリン酸コンジュゲート、ポリマーコンジュゲート、ナノ粒子の送達を増強するコンジュゲートなどのコンジュゲートを含み得る。
一実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、米国特許出願公開第US20100324120号に記載されているDLin-MC3-DMAを含む。
一実施形態では、脂質ナノ粒子は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第US10723692B2号、米国特許出願公開第US20200172472A1号、同第US20200163878A1号、同第US20200046838A1号、同第US20190359556A1号、同第US20190314524A1号、同第US20190274968A1号、同第US20190022247A1号、同第US20180303925A1号、同第US20180185516A1号、同第US20160317676A1号、国際特許公開第WO20200146805A1号、同第WO2020081938A1号、同第WO2019089828A1号、同第WO2019036030A1号、同第WO2019036028A1号、同第WO2019036008A1号、同第WO2018200943A1号、同第WO2018191719A1号、同第WO2018107026A1号、同第WO2018081480A1号(Acuitas Therapeutics,Inc.)に記載されている脂質化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくは立体異性体、または脂質ナノ粒子製剤を含む。
一実施形態では、脂質ナノ粒子は、Tekmira Pharmaceuticals Corp.により、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるUS9139554B2、US9051567B2、US8883203B2、米国特許出願公開第US20110117125A1号において記載されているアミノ脂質、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくは立体異性体、または脂質ナノ粒子製剤を含む。特定の一実施例では、US9139554B2に記載されている化合物はDLin-kC2-DMAである。
一実施形態では、脂質ナノ粒子は、Arbutus Biopharma Corp.により、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるUS10561732B2、US9938236B2、US9687550B2、米国特許出願公開第US20190240354A1号、同第US20170027658A1号、WO2020097493A1、WO2020097520A1、WO2020097540A1、WO2020097548A1において記載されているアミノ脂質、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくは立体異性体、または脂質ナノ粒子製剤を含む。
脂質ナノ粒子を操作して、脂質ナノ粒子が粘膜関門を透過することができるように粒子の表面特性を変更することができる。粘液は、例えば、これだけに限定されないが、口腔(例えば、頬および食道の膜ならびに扁桃組織)、眼、胃腸(例えば、胃、小腸、大腸、結腸、直腸)、鼻、呼吸器(例えば、鼻、咽頭、気管および気管支の膜)、生殖器(例えば、膣、子宮頸部および尿道の膜)などの粘膜組織に位置する。広範な薬物に対するより高い薬物被包効率および持続的送達をもたらす能力のために好ましい10~200nmよりも大きなナノ粒子は、粘膜関門を通って迅速に拡散するには大きすぎると考えられている。粘液は絶え間なく分泌され、排出、廃棄または消化され、再利用され、したがって、捕捉されている粒子の大多数が数秒以内または数時間以内に粘膜組織(mucosla tissue)から除去され得る。低分子量ポリエチレングリコール(PEG)で高密度にコーティングされた大きなポリマーナノ粒子(直径200nm~500nm)は同じ粒子が水中で拡散するよりもわずか4~6倍低く、粘液を通じて拡散した(Lai et al. PNAS 2007 104(5): 1482-487;Lai et al. Adv Drug Deliv Rev. 200961 (2): 158-171;それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ナノ粒子の輸送は、光退色後の蛍光の回復(FRAP)および高分解能多粒子追跡(MPT)を含むがこれだけに限定されない、透過速度および/または蛍光顕微鏡技法を使用して決定することができる。非限定的な例として、粘膜関門を透過することができる組成物を、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,241,670号または国際特許公開第WO2013110028号に記載されている通り作製することができる。
一実施形態では、本明細書に記載の部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、これだけに限定することなく、リポプレックス、例えば、Silence Therapeutics(London、United Kingdom)のATUPLEX(商標)系、DACC系、DBTC系および他のsiRNAlipoplex技術、STEMGENT(登録商標)(Cambridge、Mass.)のSTEMFECFM、ならびにポリエチレンイミン(PEI)またはプロタミンに基づく核酸(nucleic acids acids)の標的化送達および非標的化送達として製剤化する(Aleku et al. Cancer Res. 2008 68: 9788-9798;Strumberg et al. Int J Clin Pharmacol Ther 2012 50: 76-78;Santel et al., Gene Ther 2006 13: 1222-1234;Santel et al., Gene Ther 200613: 1360-1370;Gutbier et al., PulmPharmacol. Ther. 201023: 334-344;Kaufmann et al. Microvasc Res 2010 80: 286-293;Weide et al. J Immunother. 2009 32: 498-507;Weide et al. J Immnnother. 2008 31: 180-188;Pascolo Expert Opin. Biol. Ther. 4: 1285-1294;Fotin-Mleczek et al., 2011 J. Immunother. 34: 1-15;Song et al., Nature Biotechnol. 2005, 23: 709-717;Peer et al., Proc NatlAcad Sci USA. 2007 6; 104: 4095-4100;deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19: 125-132;全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
一実施形態では、そのような製剤はまた、in vivoにおいて、肝細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、内皮細胞、抗原提示細胞、および白血球を含むがこれだけに限定されない異なる細胞型に受動的にまたは能動的に向けられるように構築されるかまたは組成が変更され得る(Akinc et al. Mol Ther. 2010 18: 1357-1364;Song et al., Nat Biotechnol. 2005 23: 709-717;Judge et al., J Clinlnvest. 2009 119: 661-673;Kaufmann et al., Microvasc Res 2010 80: 286-293;Santel et al., Gene Ther 200613: 1222-1234;Santel et al., Gene Ther 2006 13: 1360-1370;Gutbier et al., Pulm Pharmacol. Ther. 2010 23: 334-344;Basha et al., Mol. Ther. 2011 19: 2186-2200;Fenske and Cullis, Expert Opin Drug Deliv. 20085: 25-44;Peer et al., Science. 2008 319: 627-630;Peer and Lieberman, Gene Ther. 2011 18: 1127-1133;全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。製剤の肝細胞への受動的ターゲティングの1つの例として、アポリポタンパク質Eに結合し、in vivoにおけるこれらの製剤の肝細胞への結合および取り込みを促進することが示されている、DLin-DMA、DLin-KC2-DMAおよびDLin-MC3-DMAに基づく脂質ナノ粒子製剤が挙げられる(Akinc et al. Mol Ther. 2010 18: 1357-1364;その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。製剤を、これらに限定されないが、フォレート、トランスフェリン、N-アセチルガラクトサミン(GaINAc)、および抗体を標的とした手法によって例示される異なるリガンドを表面上に発現させることによって選択的にターゲティングすることもできる(Kolhatkar et al., Curr Drug Discov Technol. 2011 8: 197-206;Musacchio and Torchilin, Front Biosci. 201116: 1388-1412;Yu et al., Mol Membr BioI. 2010 27: 286-298;Patil et al., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 2008 25: 1-61;Benoit et al., Biomacromolecules. 2011 12: 2708-2714;Zhao et al., Expert Opin Drug Deliv. 2008 5: 309-319;Akinc et al., Mol Ther. 2010 18: 1357-1364;Srinivasan et al., Methods Mol BioI. 2012 820: 105-116;Ben-Arie et al., Methods Mol Biol. 2012 757: 497-507;Peer 2010 J Control Release. 20: 63-68;Peer et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2007 104: 4095-4100;Kim et al., Methods Mol BioI. 2011 721: 339-353;Subramanya et al., Mol Ther. 2010 18: 2028-2037;Song et al., Nat Biotechnol. 2005 23: 709-717;Peer et al., Science. 2008 319: 627-630;Peer and Lieberman, Gene Ther. 2011 18: 1127-1133;全てその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
一実施形態では、本発明の部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を固体脂質ナノ粒子として製剤化することができる。固体脂質ナノ粒子(SLN)は、平均直径が10nmから1000nmの間の球状であり得る。SLNは、親油性分子を可溶化することができ、界面活性剤および/または乳化剤を用いて安定化することができる固体脂質コアマトリックスを有する。さらなる実施形態では、前記脂質ナノ粒子は、自己組織化脂質-ポリマーナノ粒子であり得る(その全体が参照により本明細書に組み込まれるZhang et al., ACS Nano, 2008, 2 (8), pp 1696-1702を参照されたい)。非限定的な例として、SLNは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2013/105101号に記載されているSLNであり得る。別の非限定的な例として、SLNを、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2013/105101号に記載されている方法またはプロセスによって作製することができる。
リポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子により、核酸分子による細胞トランスフェクションを増加させること;および/またはコードされるタンパク質(例えば、本発明のエフェクター)の翻訳を増加させることができるので、これらの製剤を使用して、例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤の有効性を改善して、タンパク質産生を指示することができる。そのような例の1つは、ポリプレックスプラスミドDNAの有効な全身送達を可能にする脂質被包の使用を伴う(Heyes et al., Mol Ther. 2007 15: 713-720;その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。本発明のリポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子により、例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤の安定性を増大させることもできる。リポソーム、リポプレックス、または脂質ナノ粒子は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0038612号に記載されている。
一実施形態では、部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を制御放出および/または標的化送達用に製剤化することができる。本明細書で使用される場合、「制御放出」は、治療転帰をもたらすための特定の放出パターンに従った医薬組成物または化合物放出プロファイルを指す。一実施形態では、本明細書に記載の部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、制御放出および/または標的化送達のための本明細書に記載のおよび/または当技術分野で公知の送達用作用剤で被包することができる。本明細書で使用される場合、「被包する」という用語は、封入すること、囲むことまたは包むことを意味する。それが本発明の化合物の製剤化に関する場合、被包は、実質的なもの、完全なものまたは部分的なものであり得る。「実質的に被包された」という用語は、本発明の医薬組成物または遮断剤の少なくとも50%よりも多く、少なくとも60%よりも多く、少なくとも70%よりも多く、少なくとも80%よりも多く、少なくとも85%よりも多く、少なくとも90%よりも多く、少なくとも95%よりも多く、少なくとも96%よりも多く、少なくとも97%よりも多く、少なくとも98%よりも多く、少なくとも99%よりも多く、少なくとも99.9%よりも多く、少なくとも99.9%よりも多く、または99.999%よりも多くが送達用作用剤中に封入されていてよい、囲まれていてよいまたは包まれていてよいことを意味する。「部分的な被包」または「部分的に被包されている」とは、本発明の医薬組成物または遮断剤の10未満、10未満、20未満、30未満、40未満、50未満またはそれ未満が送達用作用剤中に封入されていてよい、囲まれていてよいまたは包まれていてよいことを意味する。有利に、被包は、本発明の医薬組成物または化合物のエスケープまたは活性を蛍光および/または電子顕微鏡写真を使用して測定することによって決定することができる。例えば、本発明の医薬組成物または遮断剤の少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、99.99%または99.99%よりも多くが送達用作用剤に被包される。
一実施形態では、本明細書に記載されるように含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を治療用ナノ粒子(例えば、BIND Therapeuticsからの治療用ナノ粒子)で被包することができる。治療用ナノ粒子は、これだけに限定されないが、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010/005740号、同第WO2010/030763号、同第WO2010/005721号、同第WO2010/005723号、同第WO2012/054923号、米国特許出願公開第2201/10262491号、同第2010/0104645号、同第2010/0087337号、同第2010/0068285号、同第2011/0274759号、同第2010/0068286号、同第2012/0288541号、同第2013/0123351号、同第2013/0230567号、同第2013/0236500号、同第2013/0302433号、同第2013/0302432号、同第1013/0280339号および同第2013/0251757号、および米国特許第8,206,747号、同第8,293,276号、同第8,318,208号、同第8,318,211号、同第8,623,417号、同第8,617,608号、同第8,613,954号、同第8,613,951号、同第8,609,142号、同第8,603,534号および同第8,563,041号などの本明細書に記載のおよび当技術分野で公知の方法によって製剤化することができる。別の実施形態では、治療用ポリマーナノ粒子を、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0140790号に記載されている方法によって調製することができる。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0236500号(Bind)に記載されている通り、約4~約25重量パーセントの遮断剤、および、約10~約99重量パーセントの、ポリ(乳酸)を含むジブロックポリ(乳酸)-ポリ(エチレン)グリコール共重合体を含み得る。別の非限定的な例として、ナノ粒子は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0280339号(Bind)および同第2010251757号ならびに米国特許第8,652,528号に記載されている通り、約0.2~約35重量パーセントの遮断剤、および、約10~約99重量パーセントの、ジブロックポリ(乳酸)-ポリ(エチレン)グリコール共重合体を含み得る。
一実施形態では、治療用ナノ粒子として製剤化された遮断剤を筋肉内投与、皮内(intrademrally)投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、ACCURINS(商標)ナノ粒子として製剤化された遮断剤を筋肉内投与、皮内(intrademrally)投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、遮断剤は、これだけに限定されないが、そのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0030351号および同第2011/0294717号に記載されているナノ粒子などの、ガラス転移温度が高い治療用ナノ粒子として送達することができる。
一実施形態では、治療用ナノ粒子を持続放出用に製剤化することができる。本明細書で使用される場合、「持続放出」は、特定の期間にわたる放出速度に従う医薬組成物または化合物を指す。期間としては、これだけに限定されないが、数時間、数日間、数週間、数カ月間および数年間を挙げることができる。非限定的な例として、持続放出ナノ粒子は、本発明のポリマーおよび遮断剤を含み得る(それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010075072号および米国特許出願公開第2010/0216804号、同第2011/0217377号、同第2012/0201859号、同第2013/0243848号および同第2013/0243827号を参照されたい)。
一実施形態では、本発明の遮断剤を合成ナノ担体で被包すること、それと連結すること、および/またはそれと会合させることができる。合成ナノ担体としては、これだけに限定されないが、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010/005740号、同第WO2010/030763号、同第WO2012/13501号、同第WO2012/149252号、同第WO2012149255号、同第WO2012149259号、同第WO2012149265号、同第WO2012149268号、同第WO2012149282号、同第WO2012149301号、同第WO2012149393号、同第WO2012149405号、同第WO2012149411号および同第WO2012149454号ならびに米国特許出願公開第20110262491号、同第20100104645号、同第20100087337号、同第20120244222号およびUS20130236533、ならびに米国特許第8,652,487号に記載されているものが挙げられる。合成ナノ担体は、当技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載の方法を使用して製剤化することができる。非限定的な例として、合成ナノ担体を、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2010005740号、同第WO2010030763号および同第WO201213501号ならびに米国特許出願公開第20110262491号、同第20100104645号、同第20100087337号および同第20120244222号に記載されている方法によって製剤化することができる。別の実施形態では、合成ナノ担体製剤を、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2011072218号および米国特許第8,211,473号に記載されている方法によって凍結乾燥することができる。さらに別の実施形態では、合成ナノ担体を含むがこれだけに限定されない本発明の製剤を、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130230568号に記載されている方法によって凍結乾燥または再構成することができる。
一実施形態では、遮断剤を含む合成ナノ担体を筋肉内投与、皮内(intrademrally)投与、または静脈内投与することができる。
一部の実施形態では、遮断剤を、より小さなLNPを使用して送達用に製剤化することができる。そのような粒子は、0.1μm未満から最大1000μmまで、例えば、これだけに限定されないが、0.1μm未満、1.0μm未満、5μm未満、10μm未満、15μm未満、20μm未満、25μm未満、30μm未満、35μm未満、40μm未満、50μm未満、55μm未満、60μm未満、65μm未満、70μm未満、75μm未満、80μm未満、85μm未満、90μm未満、95μm未満、100μm未満、125μm未満、150μm未満、175μm未満、200μm未満、225μm未満、250μm未満、275μm未満、300μm未満、325μm未満、350μm未満、375μm未満、400μm未満、425μm未満、450μm未満、475μm未満、500μm未満、525μm未満、550μm未満、575μm未満、600μm未満、625μm未満、650μm未満、675μm未満、700μm未満、725μm未満、750μm未満、775μm未満、800μm未満、825μm未満、850μm未満、875μm未満、900μm未満、925μm未満、950μm未満、975μm未満の直径を含み得る。
別の実施形態では、遮断剤を、約1nmから約100nmまで、約1nmから約10nmまで、約1nmから約20nmまで、約1nmから約30nmまで、約1nmから約40nmまで、約1nmから約50nmまで、約1nmから約60nmまで、約1nmから約70nmまで、約1nmから約80nmまで、約1nmから約90nmまで、約5nmから約100nmまで(from about 5 nm to about from 100 nm)、約5nmから約10nmまで、約5nmから約20nmまで、約5nmから約30nmまで、約5nmから約40nmまで、約5nmから約50nmまで、約5nmから約60nmまで、約5nmから約70nmまで、約5nmから約80nmまで、約5nmから約90nmまで、約10nmから約50nmまで、約20nmから約50nmまで、約30nmから約50nmまで、約40nmから約50nmまで、約20nmから約60nmまで、約30nmから約60nmまで、約40nmから約60nmまで、約20nmから約70nmまで、約30nmから約70nmまで、約40nmから約70nmまで、約50nmから約70nmまで、約60nmから約70nmまで、約20nmから約80nmまで、約30nmから約80nmまで、約40nmから約80nmまで、約50nmから約80nmまで、約60nmから約80nmまで、約20nmから約90nmまで、約30nmから約90nmまで、約40nmから約90nmまで、約50nmから約90nmまで、約60nmから約90nmまでおよび/または約70nmから約90nmまでの直径を含み得るより小さなLNPを使用して送達用に製剤化することができる。
一実施形態では、遮断剤をより小さなLNPとして製剤化し、筋肉内投与、皮内(intrademrally)投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、遮断剤を、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2013063468号または米国特許第8,440,614号に記載されている薬物被包マイクロスフェアを使用して送達用に製剤化することができる。別の態様では、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、脂質(APPL)は、本発明の遮断剤を細胞に送達することにおいて有用である(その全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2013063468号を参照されたい)。
一態様では、脂質ナノ粒子は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2013059922号に記載されている、限界サイズの脂質ナノ粒子であり得る。限界サイズの脂質ナノ粒子は、水性コアまたは疎水性コアを取り囲む脂質二重層を含み得る;脂質二重層は、これだけに限定されないが、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、セレブロシド、C8~C20脂肪酸ジアシルホスファチジルコリン(diacylphophatidylcholine)、および1-パルミトイル-2-オレオイルホスファチジルコリン(I-palmitoyl-2-oIeoyl phosphatidylcholine)(POPC)などのリン脂質を含み得る。別の態様では、限界サイズの脂質ナノ粒子は、これだけに限定されないが、DLPEPEG、DMPE-PEG、DPPC-PEGおよびDSPE-PEGなどのポリエチレングリコール-脂質を含み得る。
一実施形態では、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第WO2013063530号に記載されている送達方法を使用して、本発明の遮断剤を特定の場所に、送達する、局在化させる、かつ/または集めることができる。非限定的な例として、対象に遮断剤を送達する前、それと同時にまたはその後に、対象に空のポリマー粒子を投与することができる。空のポリマー粒子は対象と接触すると体積が変化し、対象の特定の場所で留まる、包埋される、固定されるまたは封入される。
一実施形態では、遮断剤を活性物質放出系(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130102545号を参照されたい)として製剤化することができる。活性物質放出系は、1)触媒として活性な核酸とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド阻害剤鎖と結合した少なくとも1つのナノ粒子、および、2)治療的に活性な物質(例えば、本発明の遮断剤)と結合した少なくとも1つの基質分子と結合した化合物を含み得、触媒として活性な核酸による基質分子の切断により、治療的に活性な物質が放出される。
一実施形態では、本発明のナノ粒子は、これだけに限定されないが、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2013090601号に記載されているものなどの水溶性ナノ粒子であり得る。ナノ粒子は、良好な水溶性を示すために緻密な双性イオンリガンドを有する無機ナノ粒子であり得る。ナノ粒子は小さな流体力学的直径(HD)、時間、pH、および塩度に対する安定性、ならびに低レベルの非特異的タンパク質結合も有し得る。
一実施形態では、本発明のナノ粒子は、これだけに限定されないが、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130172406号(Bind)、同第20130251817号(Bind)、同第2013251816号(Bind)および同第20130251766号(Bind)に記載されているものなどのステルスナノ粒子または標的特異的ステルスナノ粒子である。ステルスナノ粒子は、ジブロック共重合体および化学療法剤を含み得る。これらのステルスナノ粒子は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130172406号、同第20130251817号、同第2013251816号および同第20130251766号に記載されている方法によって作製することができる。非限定的な例として、ステルスナノ粒子は、それぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130172406号、同第20130251817号、同第2013251816号および同第20130251766号に記載されているナノ粒子などの、がん細胞を標的とするものであり得る。
一実施形態では、本発明の遮断剤を含むステルスナノ粒子を筋肉内投与、皮内投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、本発明の遮断剤を、これだけに限定されないが、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130017223号に記載されている脂質ナノ粒子などの複数のカチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子として製剤化し、かつ/または送達することができる。非限定的な例として、LNP製剤は、第1のカチオン性脂質および第2のカチオン性脂質を含み得る。別の非限定的な例として、LNP製剤は、DLin-MC2-DMAおよびDLinMC4-DMAを含み得る。さらに別の非限定的な例として、LNP製剤は、DLin-MC3-DMAおよびCI2-200を含み得る。一実施形態では、複数のカチオン性脂質を含むLNP製剤(例えば、これだけに限定されないが、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US20130017223号に記載されているもの)を筋肉内投与、皮内投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、本明細書に記載の遮断剤を、カチオン性脂質DLin-MC3-DMAおよび中性脂質DOPEを含む脂質ナノ粒子として製剤化し、かつ/または送達することができる。脂質ナノ粒子は、PEGに基づく脂質およびコレステロールまたは抗酸化剤も含み得る。DLin-MC3-DMAおよびDOPEおよび遮断剤を含むこれらの脂質ナノ粒子製剤を筋肉内投与、皮内投与、または静脈内投与することができる。
一実施形態では、DLin-MC3-DMAおよびDOPEを含む脂質ナノ粒子は、これだけに限定されないが、ペンタエリスリトールPEGエステルテトラスクシンイミジルおよびペンタエリスリトールPEGエーテルテトラ-チオール、PEGc-DOMG、PEG-DMG(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG-DSG(1,2-ジステアロイル-snグリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG-DPG(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG-DSA(1,2-ジステアリルオキシプロピル-3-アミンとカップリングしたPEG)、PEG-DMA(1,2-ジミリスチルオキシプロピル-3-アミンとカップリングしたPEG、PEG-c-DNA、PEG-c-DMA、PEG-S-DSG、PEG-c-DMA、PEG-DPG、PEG-DMG 2000および本明細書に記載のものおよび/または当技術分野で公知のものなどのPEG脂質を含み得る。
一実施形態では、DLin-MC3-DMAおよびDOPEを含む脂質ナノ粒子は、PEG脂質を0.5%から約3.0%まで、約1.0%から約3.5%まで、約1.5%から約4.0%まで、約2.0%から約4.5%まで、約2.5%から約5.0%までおよび/または約3.0%から約6.0%までの脂質モル比で含み得る。
一実施形態では、DLin-MC3-DMAおよびDOPEを含む脂質ナノ粒子は、25.0%コレステロール~約50.0%コレステロール、約30.0%コレステロール~約45.0%コレステロール、約35.0%コレステロール~約50.0%コレステロールおよび/または約48.5%コレステロール~約60%コレステロールを含み得る。一実施形態では、製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%、43.5%および48.5%からなる群から選択されるパーセンテージのコレステロールを含み得る。
一実施形態では、DLin-MC3-DMAおよびDOPEを含む脂質ナノ粒子は、25.0%抗酸化剤~約50.0%抗酸化剤、約30.0%抗酸化剤~約45.0%抗酸化剤、約35.0%抗酸化剤~約50.0%抗酸化剤および/または約48.5%抗酸化剤~約60%抗酸化剤を含み得る。一実施形態では、製剤は、28.5%、31.5%、33.5%、36.5%、37.0%、38.5%、39.0%、43.5%および48.5%からなる群から選択されるパーセンテージの抗酸化剤を含み得る。
本発明の遮断剤は、天然および/または合成ポリマーを使用して製剤化することができる。送達のために使用することができるポリマーの非限定的な例としては、これだけに限定されないが、MIRUS(登録商標)Bio(Madison、Wis.)およびRoche Madison(Madison、Wis.)のDYNAMIC POLYCONJUGATE(登録商標)(Arrowhead Research Corp.、Pasadena、Calif.)製剤、これだけに限定することなく、SMARTT POLYMER TECHNOLOGY(商標)(Seattle、Wash.)などのPHASERX(商標)ポリマー製剤、DMRIIDOPE、ポロキサマー、Vical(San Diego、Calif.)のVAXFECTIN(登録商標)アジュバント、キトサン、Calando Pharmaceuticals(Pasadena、Calif.)のシクロデキストリン、デンドリマーおよびポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ポリマー、RONDEL(商標)(RNAi/Oligonucleotide Nanoparticle Delivery)ポリマー(Arrowhead Research Corporation、Pasadena、Calif.)、ならびに、これだけに限定されないが、PHASERX(商標)(Seattle、Wash.)などのpH応答性共ブロックポリマーが挙げられる。
ポリマー製剤により、遮断剤の持続放出または遅延放出を可能にすることができる(例えば、筋肉内注射後、皮内注射後または皮下注射後)。遮断剤の放出プロファイルの変更の結果、例えば、コードされるタンパク質の長期間にわたる翻訳がもたらされ得る。ポリマー製剤を使用して遮断剤の安定性を増大させることもできる。例えば、修飾されたmRNA以外の核酸を分解から保護するために生分解性ポリマーが以前に使用されており、in vivoにおけるペイロードの持続放出がもたらされることが示されている(Rozema et al., Proc Natl Acad Sci USA. 2007 104: 12982-12887;Sullivan et al., Expert Opin Drug Deliv. 2010 7: 1433-1446;Convertine et al., Biomacromolecules. 2010 Oct. 1;Chu et al., Acc Chern Res. 2012 Jan. 13;Manganiello et alet al., Biomaterials. 2012 33: 2301-2309;Benoit et al., Biomacromolecules. 2011 12: 2708-2714;Singha et al., Nucleic Acid Ther. 2011 2: 133-147;deFougerolles Hnm Gene Ther. 2008 19: 125-132;Schaffert and Wagner, Gene Ther. 2008 16: 1131-1138;Chaturvedi et al., Expert Opin Drug Deliv. 2011 8: 1455-1468;Davis, Mol Pharm. 2009 6: 659-668;Davis, Nature 201 0464: 1067-1070;それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
一実施形態では、医薬組成物は持続放出製剤であり得る。さらなる実施形態では、持続放出製剤は皮下送達用のものであり得る。持続放出製剤としては、これだけに限定されないが、PLGAマイクロスフェア、エチレン酢酸ビニル(EVAc)、ポロキサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics,Inc. Alachua、Fla.)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics、San Diego Calif.)、外科用シーラント、例えば、フィブリノーゲンポリマー(Ethic on Inc. Cornelia、Ga.)、TISSELL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield、Ill.)、PEGに基づくシーラント、およびCOSEAL(登録商標)(Baxter International,Inc Deerfield、Ill.)を挙げることができる。
B.ベクターにコードされる本発明の部位特異的HNF4α遮断剤
例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、DNAベクターまたはRNAベクターに挿入された転写ユニットから発現させることができる(例えば、Couture, A, et al., TIG. (1996), 12: 5-10;WO00/22113、WO00/22114、およびUS6,054,299を参照されたい)。一部の実施形態では、発現は、使用される特定の構築物および標的組織または細胞型に応じて持続する(数カ月間またはそれよりも長く)。これらの導入遺伝子は、直鎖状構築物、環状プラスミド、または、組込み型もしくは非組込み型ベクターであり得るウイルスベクターとして導入することができる。導入遺伝子を、染色体外プラスミドとして遺伝されることが可能になるように構築することもできる(Gassmann, et al., (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 1292)。遮断剤の異なる構成成分、例えば、gRNAとエフェクターは、別々の発現ベクターに位置していてよく、それらを標的細胞に共導入する(例えば、トランスフェクションまたは感染によって)ことができる。あるいは、個々の構成成分をそれぞれ、どちらも同じ発現プラスミドに位置するプロモーターによって転写させることもできる。
例えば核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を、DNAベクターまたはRNAベクターに挿入された転写ユニットから発現させることができる(例えば、Couture, A, et al., TIG. (1996), 12: 5-10;WO00/22113、WO00/22114、およびUS6,054,299を参照されたい)。一部の実施形態では、発現は、使用される特定の構築物および標的組織または細胞型に応じて持続する(数カ月間またはそれよりも長く)。これらの導入遺伝子は、直鎖状構築物、環状プラスミド、または、組込み型もしくは非組込み型ベクターであり得るウイルスベクターとして導入することができる。導入遺伝子を、染色体外プラスミドとして遺伝されることが可能になるように構築することもできる(Gassmann, et al., (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 1292)。遮断剤の異なる構成成分、例えば、gRNAとエフェクターは、別々の発現ベクターに位置していてよく、それらを標的細胞に共導入する(例えば、トランスフェクションまたは感染によって)ことができる。あるいは、個々の構成成分をそれぞれ、どちらも同じ発現プラスミドに位置するプロモーターによって転写させることもできる。
遮断剤を発現するベクターの送達は、静脈内もしくは筋肉内投与による、患者から外植した標的細胞に投与し、その後、標的細胞を患者に再導入することによる、または所望の標的細胞への導入を可能にする任意の他の手段によるなどの全身性のものであり得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸または本明細書に記載のタンパク質、例えばエフェクターをコードする核酸を、ベクター、例えばウイルスベクターに組み入れる。
核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤の個々の鎖または複数の鎖を発現ベクター内のプロモーターから転写させることができる。例えばdsRNAを生成するために2つの別々の鎖を発現させる場合、2つの別々の発現ベクターを標的細胞に共導入することができる(例えば、トランスフェクションまたは感染によって)。あるいは、核酸分子の個々の鎖をそれぞれ、どちらも同じ発現プラスミド上にあるプロモーターによって転写することができる。一実施形態では、核酸分子を、リンカーポリヌクレオチド配列によって接合した逆方向反復ポリヌクレオチドとして発現させ、したがって、核酸分子はステム・ループ構造を有する。
発現ベクターは、一般に、DNAプラスミドまたはウイルスベクターである。真核細胞と適合する、好ましくは脊椎動物細胞と適合する発現ベクターを使用して、本明細書に記載の遮断剤を発現させるための組換え構築物を生成することができる。
遮断剤の組換え発現のための構築物には、一般に、標的細胞における遮断剤の発現を確実にするために、調節エレメント、例えば、プロモーター、エンハンサーなどが必要である。
天然核酸または合成核酸の発現は、一般には、目的の核酸をコードする核酸をプロモーターなどの調節領域と作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み入れることによって実現される。ベクターは、真核生物における複製および組込みに適したものであり得る。
核酸分子への作動可能な連結に適したプロモーターなどの調節領域は、プロモーターなどの調節領域に作動可能に連結することができ、任意の種に由来するものであってよい。任意の型のプロモーターを核酸配列に作動可能に連結することができる。プロモーターの例としては、限定することなく、組織特異的プロモーター、構成的プロモーター、および特定の刺激に対して応答性または不応答性のプロモーター(例えば、誘導性プロモーター)が挙げられる。追加のプロモーターエレメント、例えば強化配列は、転写開始の頻度を調節する。一般には、これらは開始部位の30~110bp上流の領域に位置するが、いくつかのプロモーターが開始部位の下流にも機能的なエレメントを含有することが最近示された。プロモーターエレメント間の間隔はしばしば柔軟であり、したがって、エレメントが互いに対して逆になるかまたは移動した場合にもプロモーター機能は保存される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、活性が減退し始める前にプロモーターエレメント間の間隔を50bpに増大させることができる。プロモーターに応じて、個々のエレメントは、転写を活性化するために協同的に機能する場合もあり、独立に機能する場合もある。
適切なプロモーターの1つの例は、最初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それと機能的に(operatively)連結した任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、伸長成長因子-1a(EF-1a)である。しかし、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長鎖末端反復配列(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン・バーウイルス最初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびに、例えば、これだけに限定されないが、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含むがこれだけに限定されない他の構成的プロモーター配列を使用することもできる。
さらに、本発明は、構成的プロモーターの使用に限定されるべきではない。誘導性プロモーターも本発明の一部として意図されている。誘導性プロモーターの使用により、当該プロモーターと機能的に連結したポリヌクレオチド配列の発現を、そのような発現が望まれる場合にオンにすること、または発現が望まれない場合には発現をオフにすることができる分子スイッチがもたらされる。誘導性プロモーターの例としては、これだけに限定されないが、メタロチオネイン(metallothionine)プロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが挙げられる。
核酸構築物に有用であり得る追加の調節領域としては、これだけに限定されないが、転写および翻訳ターミネーター、開始配列、ポリアデニル化配列、翻訳制御配列(例えば、配列内リボソーム進入セグメント、IRES)、エンハンサー、誘導性エレメント、またはイントロンが挙げられる。そのような調節領域は必要でない場合もあるが、そのような調節領域により、転写、mRNAの安定性、翻訳効率などに影響を及ぼすことによって発現を増大させることができる。そのような調節領域を細胞(複数可)における核酸の最適な発現を得るために所望の通り核酸構築物に含めることができる。しかし、時には、そのような追加のエレメントなしで十分な発現を得ることができる。
導入される発現ベクターは、ウイルスベクターを介してトランスフェクトしようとまたは感染させようとした細胞の集団からの発現細胞の同定および選択を容易にするために、選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子のいずれかまたはその両方を含有し得る。他の態様では、選択マーカーに別のDNA片を載せ、共トランスフェクション手順に使用することができる。選択マーカーおよびレポーター遺伝子の両方を適当な転写制御配列で挟んで、宿主細胞における発現を可能にすることができる。有用な選択マーカーとしては、例えば、neoなどの抗生物質耐性遺伝子などが挙げられる。選択マーカーの非限定的な例としては、ピューロマイシン、ガンシクロビル、アデノシンデアミナーゼ(ADA)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(neo、G418、APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、ハイグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼ(phosphtransferase)、チミジンキナーゼ(TK)、およびキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)が挙げられる。そのようなマーカーは、培養物中の安定な形質転換体の選択に有用である。他の選択マーカーとしては、緑色蛍光タンパク質または黄色蛍光タンパク質などの蛍光ポリペプチドが挙げられる。
シグナルペプチドを含めることもでき、コードされるポリペプチドが細胞の特定の場所(例えば、細胞表面)に向けられるように使用することができる。
潜在的にトランスフェクトされた細胞を同定するため、および転写制御配列の機能性を評価するために、レポーター遺伝子を使用することができる。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント供給源には存在しないかまたはレシピエント供給源によって発現されず、かつ、いくつかの容易に検出可能な特性、例えば酵素活性によって発現が顕在化するポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現を、DNAがレシピエント細胞に導入された後の適切な時点でアッセイする。適切なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ、ベータガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパク質遺伝子を含み得る(例えば、Ui-Tei et al., 2000 FEBS Letters 479: 79-82)。適切な発現系は周知であり、公知の技法を使用して調製することもでき、商業的に入手することもできる。一般に、最高レベルのレポーター遺伝子の発現を示す最小の5’隣接領域を有する構築物をプロモーターとして同定する。そのようなプロモーター領域をレポーター遺伝子と連結し、作用剤をプロモーターにより駆動される転写をモジュレートする能力について評価するために使用することができる。
ベクターおよび構築物に関して考慮すべき他の態様は当技術分野で公知である。
一部の実施形態では、ベクター、例えば、ウイルスベクターは、核酸分子を含む部位特異的HNF4α標的化成分を含む遮断剤を含む。
本明細書に記載の方法および組成物に利用することができるウイルスベクター系としては、これだけに限定されないが、(a)アデノウイルスベクター(例えば、Ad5/F35ベクター);(b)レンチウイルスベクター(組込みコンピテントまたは組込み欠損レンチウイルスベクターを含む)、モロニーマウス白血病ウイルスなどを含むがこれだけに限定されないレトロウイルスベクター;(c)アデノ随伴ウイルスベクター;(d)単純ヘルペスウイルスベクター;(e)SV40ベクター;(f)ポリオーマウイルスベクター;(g)パピローマウイルスベクター;(h)ピコルナウイルスベクター;(i)オルソポックス、例えば、ワクシニアウイルスベクターまたはアビポックス、例えば、カナリアポックスまたは鶏痘などのポックスウイルスベクター;および(j)ヘルパー依存性またはガットレスアデノウイルスが挙げられる。複製欠損ウイルスも有利であり得る。種々のベクターが細胞のゲノムに組み入れられるようになる、または細胞のゲノムに組み入れられるようにはならない。構築物は、所望であればトランスフェクションのためのウイルス配列を含み得る。あるいは、構築物は、エピソーム複製が可能なベクター(例えばEPVベクターおよびEBVベクター)に組み入れることができる。例えば、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,534,261号;同第6,607,882号;同第6,824,978号;同第6,933,113号;同第6,979,539号;同第7,013,219号;および同第7,163,824号を参照されたい。
アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスなどのレトロウイルスならびにレンチウイルスに由来するものを含むベクターは、導入遺伝子の長期間の安定な組込みおよび娘細胞での繁殖を可能にするので、長期にわたる遺伝子移入を実現するために適したツールである。ベクターの例としては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列決定ベクターが挙げられる。発現ベクターはウイルスベクターの形で細胞に提供することができる。ウイルスベクター技術は当技術分野において周知であり、種々のウイルス学および分子生物学のマニュアルに記載されている。
一実施形態では、本発明において使用するための適切なウイルスベクターは、組換えアデノ随伴ウイルスベクターなどのアデノ随伴ウイルスベクターである。
組換えアデノ随伴ウイルスベクター(rAAV)は、欠損かつ非病原性パルボウイルスアデノ随伴2型ウイルスに基づく遺伝子送達系である。ベクターは全て、導入遺伝子発現カセットに隣接するAAV 145bp末端逆位反復配列のみを保持するプラスミドに由来する。形質導入された細胞のゲノムへの組込みに起因した効率的な遺伝子移入および安定な導入遺伝子送達がこのベクター系の重要な特色である(Wagner et al., Lancet 351: 9117 1702-3 (1998), Kearns et al., Gene Ther. 9: 748-55 (1996))。AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8およびAAV9を含めたAAV血清型を本発明に従って使用することができる。
複製欠陥組換えアデノウイルスベクター(Ad)は高力価で産生することができ、いくつかの異なる細胞型に容易に感染する。大多数のアデノウイルスベクターは、Ad E1a遺伝子、E1b遺伝子、および/またはE3遺伝子が導入遺伝子に置き換わるように操作される;その後、複製欠損ベクターを、欠失した遺伝子機能をトランスに供給するヒト293細胞において繁殖させる。Adベクターにより、肝臓、腎臓および筋肉に見いだされるものなどの非分裂性の分化細胞を含めた複数の型の組織をin vivoで形質導入することができる。従来のAdベクターは大きな運搬能を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋肉内注射を用いた抗腫瘍免疫のためのポリヌクレオチド治療を伴うものであった(Sterman et al., Hum. Gene Ther. 7: 1083-9 (1998))。臨床試験における遺伝子移入のためのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例としては、Rosenecker et al., Infection 24: 1 5-10 (1996);Sterman et al., Hum. Gene Ther. 9: 7 1083-1089 (1998);Welsh et al., Hum. Gene Ther. 2: 205-18 (1995);Alvarez et al., Hum. Gene Ther. 5: 597-613 (1997);Topf et al., Gene Ther. 5: 507-513 (1998);Sterman et al., Hum. Gene Ther. 7: 1083-1089 (1998)が挙げられる。
宿主細胞に感染することができるウイルス粒子を形成するためにパッケージング細胞を使用する。そのような細胞としては、アデノウイルスをパッケージングする293細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするψ2細胞またはPA317細胞が挙げられる。遺伝子治療に使用されるウイルスベクターは、通常、核酸ベクターをウイルス粒子中にパッケージングする産生細胞株によって生成される。前記ベクターは、一般には、パッケージングおよびその後の宿主への組込み(該当する場合)に必要な最小のウイルス配列を含有し、他のウイルス配列は発現させるタンパク質をコードする発現カセットによって置き換えられる。失われたウイルスの機能はパッケージング細胞株によってトランスに供給される。例えば、遺伝子治療に使用されるAAVベクターは、一般には、パッケージングおよび宿主ゲノムへの組込みに必要なAAVゲノム由来の末端逆位反復(ITR)配列のみを有する。他のAAV遺伝子、すなわちrepおよびcapをコードするヘルパープラスミドを含有するがITR配列を欠く細胞株にウイルスDNAをパッケージングする。細胞株にアデノウイルスもヘルパーとして感染させる。ヘルパーウイルスによりAAVベクターの複製およびヘルパープラスミドからのAAV遺伝子の発現が促進される。ヘルパープラスミドはITR配列を欠くので有意な量ではパッケージングされない。アデノウイルスによる汚染は、例えば、アデノウイルスがAAVよりも高い感受性をもつ加熱処理によって減少させることができる。
IV.本発明の方法
本発明は、細胞における肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)の発現をモジュレートするための、本明細書に記載の作用剤および組成物の使用方法も提供する。当該方法は、細胞を、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤と接触させるステップを含み、それにより、細胞におけるHNF4αの発現をモジュレートする。部位特異的遮断剤、エフェクター、または部位特異的遮断剤とエフェクターの両方が上記の組成物などの組成物中に存在し得る。一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは、同じ組成物中に存在する。他の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは、異なる組成物中に存在する。一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞を2つの部位特異的HNF4α遮断剤(第1の作用剤および第2の作用剤)と接触させるステップを含む。2つの部位特異的HNF4α遮断剤は、同じ組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に、または別々の組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る。細胞を第1の部位特異的HNF4α遮断剤と1つの時点で接触させ、第2の部位特異的HNF4α遮断剤と第2の時点で接触させることができる、または細胞を両方の作用剤と同時に接触させることができる。
本発明は、細胞における肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)の発現をモジュレートするための、本明細書に記載の作用剤および組成物の使用方法も提供する。当該方法は、細胞を、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤と接触させるステップを含み、それにより、細胞におけるHNF4αの発現をモジュレートする。部位特異的遮断剤、エフェクター、または部位特異的遮断剤とエフェクターの両方が上記の組成物などの組成物中に存在し得る。一部の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは、同じ組成物中に存在する。他の実施形態では、部位特異的遮断剤とエフェクターは、異なる組成物中に存在する。一部の実施形態では、本発明の方法は、細胞を2つの部位特異的HNF4α遮断剤(第1の作用剤および第2の作用剤)と接触させるステップを含む。2つの部位特異的HNF4α遮断剤は、同じ組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に、または別々の組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る。細胞を第1の部位特異的HNF4α遮断剤と1つの時点で接触させ、第2の部位特異的HNF4α遮断剤と第2の時点で接触させることができる、または細胞を両方の作用剤と同時に接触させることができる。
上記の通り、線維性肝疾患では、HNF4αが調節不全であり、結果として、そのネットワークにおける遺伝子発現が有意に減退するかまたは停止する。Guzman-Lepe(Guzman-Lepe J, et al. Liver-enriched transcription factor expression relates to chronic hepatic failure in humans. Hepatol Commun. 2018; 2 (5) : 582-594. doi: 10.1002/hep4.1172)によって報告されている通り、HNF4α発現がダウンレギュレートされ、肝機能障害の程度(P=0.001)、線維症のステージ(P=0.0005)、および総ビリルビンの血清中レベル(P=0.009;r=0.35)、アルブミン(p<0.001;r=0.52)、およびプロトロンビン時間活性(P=0.002;r=0.41)とよく相関した。HNF4α発現はCYP3A4、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)、およびF7ならびにCDH1 RNAレベルとも相関した。このネットワークの調節不全は、器官自体の肝不全の病理、および患者全体にわたる共存症に寄与する。健康な肝臓に関連するタンパク質(例えば、アルブミンおよびCYP3A酵素産生)の抑止に加えて、COL1a1およびαSMAを含めた、線維症の生成に寄与するタンパク質が活性化される。
HNF4αの発現の増大により、終末齧歯類肝臓由来の老化した不可逆的な機能障害を有する肝細胞の正常機能を復帰させることができるという原理証明がいくつかの試験で確立されている(Nishikawa, supra;Scholten D, Trebicka J, Liedtke C, Weiskirchen R. The carbon tetrachloride model in mice. Lab Anim. 2015; 49 (1 Suppl): 4-11. doi: 10.1177/0023677215571192;Varga J, Brenner DA, Phan SH, eds. Fibrosis Research: Methods and Protocols. Humana Press; 2005. doi: 10.1385/1592599400)。興味深いことに、Nishikawa et al.(Nishikawa, supra)によって報告されている通り、肝機能の改善が実証されてから十分に経った後、HNF4αの強制再発現の2週間後に組織学的検査によって線維症の最小の消散しか見いだされなかったので、歪んだ細胞外マトリックスの逆転は、変性肝疾患における肝不全を逆転させるために絶対的に必要なものではない。しかし、100日に組織像の有意な改善が観察された。さらに、強制的な再発現ではHNF4αの内因性レベルのたった0.01%しか生じなかったにもかかわらず、長期間にわたる補正が生じた。したがって、末期変性疾患において、肝機能の改善には比較的少数の肝細胞におけるHNF4αの発現の増大だけが必要であり得る。
最近、Huang et al.(Huang K-W, et al. Liver Activation of Hepatocellular Nuclear Factor-4α by Small Activating RNA Rescues Dyslipidemia and Improves Metabolic Profile. Mol Ther Nucleic Acids. 2019; 19: 361-370. doi:10.1016/j.omtn.2019.10.044)により、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のラットモデルにおいて低分子活性化RNAを用いてHNF4α発現を刺激することにより、代謝調節が回復し、脂質プロファイルが改善することも観察された。
下記の実施例において実証される通り、本発明の一実施形態は、HNF4α遺伝子の発現を、病理学的に調節不全の遺伝子に操作された転写因子を送達することによって増大させることである。転写活性化因子VPR(Chavez A, et al. Highly efficient Cas9-mediated transcriptional programming. Nat Methods. 2015; 12 (4) : 326-328. doi: 10.1038/nmeth.3312)は、HSV転写活性化因子VP16、核因子NF-カッパ-B p65サブユニット、およびEBV Rトランス活性化因子のコンカテマーである。これらの転写因子はそれぞれ個別に、転写の細胞機構を誘引し、その結果、標的遺伝子座からのRNA産生のアップレギュレートをもたらすことができる。一群として、それらの相乗的協働により、生理的なまたは超生理的な標的遺伝子の発現がもたらされる。
例えば、部位特異的HNF4α遮断剤と接触させなかった細胞と比較して、HNF4αの発現が増強または低減し得る。遺伝子発現のモジュレーションを当技術分野で公知の任意の方法によって評価することができる。例えば、発現のモジュレーションを、例えば細胞、複数の細胞、および/または組織試料における遺伝子のmRNA発現レベルを当業者にとって常套的な方法、例えば、ノーザンブロット法、qRT-PCRを使用して決定することによって;遺伝子のタンパク質レベルをウエスタンブロッティング、免疫学的技法などの当業者にとって常套的な方法を使用して決定することによって、決定することができる。
「低下/低減/減少(reduced)」という用語は、対象におけるHNF4α遺伝子発現またはHNF4αタンパク質産生のレベル、または疾患マーカーもしくは症状に関しては、そのようなレベルの統計的に有意な低下を指す。低下/低減/減少(decrease)は、例えば、少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%、または検出方法の検出レベルを下回るものであり得る。ある特定の実施形態では、標的の発現が正常化する、すなわち、そのような障害を有さない個体に対して正常な範囲内として許容されるレベルに向かってまたはそのレベルまで低下する。本明細書で使用される場合、対象において「より低い」とは、対象の細胞における遺伝子発現またはタンパク質産生の低下が、対象の全ての細胞または組織における発現の低下を必要とするものではないことを指し得る。例えば、本明細書で使用される場合、対象における低下は、対象の肝臓における遺伝子発現またはタンパク質産生の低下を含み得る。
「低下/低減/減少(reduced)」という用語は、疾患または状態の症状の正常化との関連でも使用され得る、すなわち、HNF4α関連疾患に罹患していない正常な対象におけるレベルに向かうまたはそのレベルまでのHNF4α関連疾患に罹患している対象におけるレベルの間の差異が減少する。本明細書で使用される場合、疾患が症状に関して値の上昇と関連する場合、「正常」は正常の上限とみなされる。疾患が症状に関して値の低下と関連する場合、「正常」は正常の下限とみなされる。
「増強」という用語は、対象におけるHNF4α遺伝子発現またはHNF4αタンパク質産生のレベル、または疾患マーカーもしくは症状に関しては、そのようなレベルの統計的に有意な上昇を指す。上昇は、例えば、少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%、または検出方法の検出レベルを上回るものであり得る。ある特定の実施形態では、標的の発現が正常化する、すなわち、そのような障害を有さない個体に対して正常な範囲内として許容されるレベルに向かってまたはそのレベルまで上昇する。本明細書で使用される場合、対象において「より高い」とは、対象の細胞における遺伝子発現またはタンパク質産生の上昇が、対象の全ての細胞または組織における発現の上昇を必要とするものではないことを指し得る。例えば、本明細書で使用される場合、対象における上昇は、対象の肝臓における遺伝子発現またはタンパク質産生の上昇を含み得る。
「増強」という用語は、疾患または状態の症状の正常化との関連でも使用され得る、すなわち、HNF4α関連疾患に罹患していない正常な対象におけるレベルに向かうまたはそのレベルまでのHNF4α関連疾患に罹患している対象におけるレベルの間の差異が増大する。本明細書で使用される場合、疾患が症状に関して値の上昇と関連する場合、「正常」は正常の上限とみなされる。疾患が症状に関して値の低下と関連する場合、「正常」は正常の下限とみなされる。
一部の実施形態では、本発明の方法における使用に適した細胞は、哺乳動物細胞である。一部の実施形態では、細胞は体細胞である。一部の実施形態では、細胞は初代細胞である。例えば、一部の実施形態では、細胞は哺乳動物体細胞である。一部の実施形態では、哺乳動物体細胞は初代細胞である。一部の実施形態では、哺乳動物体細胞は非胚細胞である。
接触させるステップは、in vitro、in vivo(すなわち、細胞が対象内に存在し得る)、またはex vivoで実施することができる。一部の実施形態では、細胞を接触させるステップをex vivoで実施し、当該方法は、接触させるステップの前に、細胞(例えば、哺乳動物細胞)を対象から取り出すステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、接触させるステップの後に、(b)細胞(例えば、哺乳動物細胞)を対象に投与するステップをさらに含む。
本発明のin vivo方法は、対象に本発明の作用剤または組成物を投与することを含み得る。
「対象」という用語は、本明細書で使用される場合、生物体、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト哺乳動物、非ヒト霊長類、霊長類、実験動物、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、ネコ、またはイヌ)を指す。一部の実施形態では、ヒト対象は、成人対象、青年対象、または小児対象である。一部の実施形態では、対象は疾患または状態を有していた。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態、例えば、本明細書に提示されている通り処置することができる疾患、障害または状態に罹患している。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害、または状態にかかりやすい;一部の実施形態では、かかりやすい対象は、疾患、障害または状態の素因があるおよび/またはそれが発生するリスクの増大を示している(参照対象または集団における観察される平均リスクと比較して)。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状を示している。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害、または状態の特定の症状(例えば、疾患の臨床像)も特徴も示していない。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害、または状態のいかなる症状も特徴も示していない。一部の実施形態では、対象は患者である。一部の実施形態では、対象は、診断および/または治療が施行されるおよび/または施行されている個体である。
本発明の方法が有益であろう対象としては、「HNF4α関連疾患」を有する対象または「HNF4α関連疾患」のリスクがある対象が挙げられる。
したがって、本発明は、それを必要とする対象を処置する方法をさらに提供する。本発明の処置方法は、本発明の作用剤または組成物を、対象、例えば、HNF4α関連疾患を有する対象などの、HNF4α発現のモジュレーションが有益であろう対象に、治療有効量で投与することを含む。一部の実施形態では、本発明の方法は、対象に2つの部位特異的HNF4α遮断剤(第1の作用剤および第2の作用剤)を投与することができることを含む。2つの部位特異的HNF4α遮断剤は、同じ組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る、または、別々の組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る。対象に第1の部位特異的HNF4α遮断剤を1つの時点で投与し、第2の部位特異的HNF4α遮断剤を第2の時点で投与することもでき、または対象に両方の作用剤を同時に投与することもできる。
したがって、本発明は、それを必要とする対象を処置する方法をさらに提供する。本発明の処置方法は、本発明の作用剤または組成物を、対象、例えば、HNF4α関連疾患を有する対象などの、HNF4α発現のモジュレーションが有益であろう対象に、治療有効量で投与することを含む。一部の実施形態では、本発明の方法は、対象に2つの部位特異的HNF4α遮断剤(第1の作用剤および第2の作用剤)を投与することができることを含む。2つの部位特異的HNF4α遮断剤は、同じ組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る、または、別々の組成物、例えば医薬組成物、例えばLNPを含む医薬組成物中に存在し得る。対象に第1の部位特異的HNF4α遮断剤を1つの時点で投与し、第2の部位特異的HNF4α遮断剤を第2の時点で投与することもでき、または対象に両方の作用剤を同時に投与することもできる。
さらに、本発明は、HNF4α関連疾患を有する対象などの、HNF4α発現のモジュレーションが有益であろう対象における少なくとも1つの症状を、対象に本発明の作用剤または組成物を予防有効量で投与することによって防止する方法を提供する。
「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、HNF4α関連疾患を有する対象を処置するために患者に投与した場合に、疾患の処置をもたらすため(例えば、既存の疾患または疾患またはその関連する共存症の1つまたは複数の症状を減弱させる、好転させる、または維持することによって)に十分である、作用剤または組成物の量を含むものとする。「治療有効量」は、作用剤または組成物、投与の仕方、疾患およびその重症度、ならびに処置を受ける患者の病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝子構造、HNF4α遺伝子発現によって媒介される病理学的プロセスのステージ、もしあれば先行する処置または併用処置の型、および他の個々の特徴に応じて変動し得る。
「予防有効量」は、本明細書で使用される場合、HNF4α関連疾患の症状をまだ経験してもいないし示してもいないが、HNF4α関連疾患の素因を有し得る対象に投与した場合に、疾患または疾患の1つまたは複数の症状の発生または増悪を臨床的に有意な期間にわたって防止するまたは遅延させるために十分である作用剤または組成物の量を含むものとする。「予防有効量」は、作用剤または組成物、投与の仕方、疾患のリスクの度合い、ならびに処置を受ける患者の病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝子構造、もしあれば先行する処置または併用処置の型、および他の個々の特徴に応じて変動し得る。
本明細書で使用される場合、「防止」または「防止すること」は、HNF4α遺伝子の発現またはHNF4αタンパク質の産生の低減が有益であろう疾患、障害または状態に関して使用される場合、対象においてそのような疾患、障害、または状態に関連する症状、例えば、HNF4α遺伝子発現またはHNF4α活性の徴候または症状が発生する尤度の低下を指す。
「治療有効量」または「予防有効量」は、任意の処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比でいくらかの所望の局部効果または全身性効果を生じる作用剤または組成物の量も含む。本発明の方法に使用する作用剤および組成物は、そのような処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比を生じさせるのに十分な量で投与することができる。一部の実施形態では、治療有効量または予防有効量を単回用量で投与する(tis administered);一部の実施形態では、治療有効量または予防有効量を送達するためには複数の単位用量が必要である。
本明細書で使用される場合、「症状が低減する」という句は、特定の疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状の大きさ(例えば、強度、重症度など)および/または頻度が低減する場合に使用することができる。一部の実施形態では、特定の症状の発症の遅延は、その症状の頻度の減少の一形態とみなされる。
処置を受ける対象がヒトなどの哺乳動物である場合、組成物を、頭蓋内(例えば、脳室内、実質内、および髄腔内)、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、気道(エアロゾル)、経鼻、直腸、および局所(頬側および舌下を含む)投与を含めた経口経路、腹腔内経路、または非経口経路を含むがこれだけに限定されない当技術分野で公知の任意の手段によって投与することができる。ある特定の実施形態では、組成物を静脈内注入または静脈内注射によって投与する。ある特定の実施形態では、組成物を皮下注射によって投与する。
本明細書で使用される場合、「HNF4α関連疾患」という用語は、HNF4α遺伝子発現またはHNF4αタンパク質産生によって引き起こされる、またはそれに関連する疾患または障害である。「HNF4α関連疾患」という用語は、HNF4α遺伝子発現、複製、またはタンパク質活性の低下が有益であろう疾患、障害または状態を含む。HNF4α関連疾患の非限定的な例としては、例えば、肝疾患(例えば、脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含めた脂肪性肝炎)、炎症性腸疾患(IBD)、肝細胞癌、MODY I、多嚢胞性腎疾患、脂質異常症(例えば、高脂血症、高LDLコレステロール、低HDLコレステロール、高トリグリセリド血症、食後高トリグリセリド血症)、血糖制御の障害(例えば、インスリンに対する免疫応答に関連しないインスリン抵抗性、2型糖尿病)、心血管疾患(例えば、高血圧症、内皮細胞機能障害)、腎疾患(例えば、急性腎臓障害、尿細管機能障害、近位尿細管に対する炎症促進性の変化、慢性腎疾患)、メタボリックシンドローム、脂質沈着の疾患または機能障害(例えば、脂肪細胞機能障害、内臓脂肪沈着、肥満)、尿酸上昇の疾患(例えば、高尿酸血症、痛風)、および糖分を過剰に欲することなどの摂食障害が挙げられる。種々の疾患または状態の徴候および症状に関する詳細は当技術分野で周知である。
一実施形態では、HNF4α関連疾患は、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝臓における脂肪の蓄積、肝臓の炎症、肝細胞壊死、肝線維症、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、多嚢胞性腎疾患、炎症性腸疾患(IBD)、およびMODY Iからなる群から選択される。
HNF4α関連疾患または障害を有する患者における本発明の方法に従った作用剤または組成物の投与により、HNF4α関連疾患または障害の重症度、徴候、症状、またはマーカーの低減をもたらすことができる。この文脈での「低下/低減/減少(reduction)」は、そのようなレベルの統計的に有意な低下を意味する。低下(絶対的な低下、または対象における上昇したレベルと正常なレベルの差異の減少)は、例えば、少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%、または使用するアッセイの検出レベルを下回るまでであり得る。
本発明の方法に従った作用剤または組成物の投与により、標的遺伝子の発現を安定にまたは一過性にモジュレートすることができる。一部の実施形態では、発現のモジュレーションは少なくとも約1時間~約30日間、または少なくとも約2時間、6時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、またはより長い期間またはこれらの間の任意の時間にわたって持続する。一部の他の実施形態では、発現のモジュレーションは、約30分~約7日間以下、または約1時間以下、約2時間以下、約3時間以下、約4時間以下、約5時間以下、約6時間以下、約7時間以下、約8時間以下、約9時間以下、約10時間以下、約11時間以下、約12時間以下、約13時間以下、約14時間以下、約15時間以下、約16時間以下、約17時間以下、約18時間以下、約19時間以下、約20時間以下、約21時間以下、約22時間以下、約24時間以下、約36時間以下、約48時間以下、約60時間以下、約72時間以下、約4日間以下、約5日間以下、約6日間以下、約7日間以下、またはこれらの間の任意の時間にわたって持続する。
作用剤または組成物を対象に1回投与することができる、あるいは、ある期間にわたって複数回の投与を実施することができる。例えば、1回の処置の間にまたはある期間にわたって2回、3回、4回、5回、またはそれよりも多くの投与を対象に対して行うことができる。一部の実施形態では、処置レジメンの通りに1回の処置の間にまたはある期間にわたって6回、8回、10回、12回、15回または20回またはそれよりも多くの投与を対象に対して行うことができる。
一部の実施形態では、投与を、必要に応じて、例えば、疾患、障害または状態に関連する症状が持続する限り行うことができる。一部の実施形態では、対象の残りの生涯にわたって反復投与が必要になり得る。処置期間は変動し得、例えば、1日、2日間、3日間、1週間、2週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、6カ月間、1年間、またはより長い期間であり得る。
疾患の処置または防止の有効性は、例えば、疾患の増悪、疾患の寛解、症状の重症度、疼痛の低減、生活の質、処置効果を持続させるために必要な薬物適用の用量、疾患マーカーのレベル、または処置されるまたは防止の標的とされる所与の疾患に適した任意の他の測定可能なパラメータを測定することによって評価することができる。そのようなパラメータのいずれか1つ、またはパラメータの任意の組合せを測定することによって処置または防止の有効性をモニタリングすることは十分に当業者の能力の範囲内に入る。本明細書で考察されている通り、測定される特定のパラメータは、対象が罹患しているHNF4α関連疾患に依存する。
後の読み取りと最初の読み取りを比較することにより、処置が有効であるかどうかの指標が医師にもたらされる。そのようなパラメータのいずれか1つ、またはパラメータの任意の組合せを測定することによって処置または防止の有効性をモニタリングすることは十分に当業者の能力の範囲内に入る。作用剤または組成物の投与に関して、HNF4α関連障害「に対して有効」とは、臨床的に適当な様式での投与により、少なくとも統計的に有意な割合の患者に有益な効果、例えば、症状の改善、治癒、疾患の低減、寿命の延長、生活の質の改善、またはHNF4α関連障害の処置に詳しい医師によって有益であると一般に認められる他の効果がもたらされることを示す。
処置効果または防止効果は、病状の1つまたは複数のパラメータの統計的に有意な改善が存在する場合に、またはそうでなければ予測されるであろう症状の悪化も発生も起こらないことによって明らかである。例として、測定可能な疾患のパラメータの少なくとも10%、および好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%またはそれよりも大きな好都合な変化により、有効な処置が示され得る。所与の作用剤または組成物の有効性は、当技術分野で公知の所与の疾患の実験動物モデルを使用して判断することもできる。実験動物モデルを使用する場合、処置の有効性は、マーカーまたは症状の統計的に有意な低減が観察される場合に証明される。
あるいは、有効性を、臨床的に許容される疾患重症度に関する悪性度分類尺度に基づいて診断の分野の当業者によって決定されるとおり疾患の重症度の低下によって測定することができる。例えば適当な尺度を使用して測定される疾患の重症度の低下をもたらす任意の有益な変化は、本明細書に記載の作用剤または組成物を使用した処置が十分であることを表す。
本明細書で使用される場合、「処置すること」または「処置」という用語は、HNF4α遺伝子発現またはHNF4αタンパク質産生に関連する1つまたは複数の徴候または症状の緩和または好転を含むがこれだけに限定されない、有益なまたは所望の結果を指す。「処置」は、処置を行わない場合に予測される生存と比較して生存が長くなることも意味する。
次に、本発明を以下の実施例によって説明する。しかし、本明細書の任意の箇所でのこれらおよび他の実施例の使用は単に例示的なものであり、決して本発明または任意の例示された形態の範囲および意味を限定するものではない。本発明は、本明細書に記載の特定の好ましい実施形態のいずれにも限定されない。本発明の多くの改変および変形が当業者には明らかになり得、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。図面および非公式の配列表を含めた本出願全体を通して引用されている全ての参考文献、特許および公開特許出願の内容が参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例1)
HNF4α発現のモジュレーション
本実施例では、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、すなわちガイドRNA、ならびにdCAS9とKRABとを含む融合分子を含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤を用いたHNF4α発現のサイレンシングを記載する。
HNF4α発現のモジュレーション
本実施例では、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、すなわちガイドRNA、ならびにdCAS9とKRABとを含む融合分子を含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤を用いたHNF4α発現のサイレンシングを記載する。
ガイドRNAを、HNF4α遺伝子のプロモーター1(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計し(例えば、図1を参照されたい)、オリゴヌクレオチド合成のための標準の方法に従って合成した。ガイドRNAのヌクレオチド配列を下の表2に提示する。HNF4α遺伝子のプロモーター2(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計された例示的なガイドRNAも設計し、下の表3に提示する。HNF4α遺伝子のプロモーター2(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計された追加的な例示的なガイドRNAも設計し、下の表9に提示する。下の表4は、表2および表3のガイドRNAの標的化部分の修飾されていないヌクレオチド配列、逆相補ヌクレオチド配列、および染色体座標を含む。
HepG2細胞をトランスフェクションの24時間前に96ウェルプレート(ウェル当たり細胞3×104個の密度で)中、適当な培地に播種した。細胞に、dCAS9-KRABの融合タンパク質をコードするmRNA(MR_28122)およびガイドRNA(sgRNA)を含有するSSOP脂質ナノ粒子(LNP)を標準の方法に従ってトランスフェクトした(例えば、Akita, et al. (Advanced Healthcare Materials (2013) 2: 8.: 1120-1125を参照されたい)。
個々のsgRNAまたはsgRNAのプールを使用して調製したLNP製剤(図1を参照されたい)を細胞に最終濃度を5.0μg/ml、2.5μg/ml、1.25μg/ml、または0.625μg/mlとして添加した。72時間後に、下流のmRNA精製、または最終的な細胞数を定量するためのCell Titer Glo 2試薬を用いた処理のためにRLT緩衝液中に溶解/凍結させることによって実験を終了した。HNF4αおよびACTBプローブを使用してqPCRを実施して、相対的なHNF4α RNA転写を定量した。
図2は、プール1またはプール2ガイドとエフェクターdCAS-KRABの組合せにより、dCAS単独、SH-KRAB、および無処理と比べて、HNF4α発現が用量依存的に阻害されたことを実証する。dCAS単独では一部の場合に転写が影響を受け、理論に束縛されることを望むものではないが、阻害はdCASがポリメラーゼ結合性に干渉したことの結果であり得る。
さらに、図3において実証されている通り、最高濃度のプール1が最も強いサイレンシング活性を有し、ガイドRNA GD-28432およびGD-28433はそれぞれ、最低濃度であっても、単独で強力なサイレンシング活性を有する。
(実施例2)
HNF4α発現のモジュレーション
本実施例では、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、すなわちガイドRNA、ならびにdCAS9(非編集性Cas9タンパク質)とVPRとを含む融合分子を含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤を用いたHNF4α発現の活性化を記載する。
HNF4α発現のモジュレーション
本実施例では、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、すなわちガイドRNA、ならびにdCAS9(非編集性Cas9タンパク質)とVPRとを含む融合分子を含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤を用いたHNF4α発現の活性化を記載する。
ガイドRNAを、HNF4α遺伝子のプロモーター1(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計し(例えば、図1を参照されたい)、オリゴヌクレオチド合成のための標準の方法に従って合成した。ガイドRNAのヌクレオチド配列を下の表2に提示する。HNF4α遺伝子のプロモーター2(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計された例示的なガイドRNAも設計し、下の表3に提示する。HNF4α遺伝子のプロモーター2(転写開始部位の付近)を含む転写制御領域を部位特異的に標的とするように設計された追加的な例示的なガイドRNAも設計し、下の表9に提示する。下の表4は、表2および表3のガイドRNAの修飾されていないヌクレオチド配列、逆相補ヌクレオチド配列、および染色体座標を含む。
LX-2細胞、A549細胞、およびHepG2細胞をトランスフェクションの24時間前に96ウェルプレート中、適当な培地に播種した(ウェル当たり細胞1×104個の密度で)。LX-2細胞は通常HNF4aを発現しない;肝がん細胞株細胞であるHepG2細胞は通常HNF4aを正常な非がん肝細胞よりも多く(more HNF4a that normal non-cancerous liver cells)発現する。
細胞に、dCAS9-VPRの融合タンパク質をコードするmRNA(MR_28196)およびガイドRNA(sgRNA)をトランスフェクトした。個々のsgRNAまたはsgRNAのプールはLipofectamine MessengerMAX Transfectionプロトコールを製造者による記載の通り使用して調製した。無処理のHepG2細胞も内部対照(比較対象)として実験に含めた。
簡単に述べると、RNA1μg当たり2.5μlのリポフェクタミンをOptiMEM培地と混合し、室温(RT)で10分インキュベートし、次いで、細胞に培地体積と細胞の比1:10で添加した。リポフェクタミン培地ミックスをRNAと合わせて最終濃度100μg/mlで総体積を120μlにした。このミックスをRTで5分間インキュベートし、細胞に最終濃度5.0μg/ml、2.5μg/ml、1.25μg/ml、0.625μg/mlで添加した。
48時間後に、下流のmRNA精製、または最終的な細胞数を定量するためのCell Titer Glo 2試薬を用いた処理のためにRLT緩衝液中に溶解/凍結させることによって実験を終了した。簡単に述べると、RNA抽出用のプレートをPBSで3回洗浄し、その後、RLT緩衝液150μLを各ウェルに添加した。次いで、プレートを後でRNAの処理を行うために-80℃で凍結させた。プレートの解凍後、Qiagen RNeasy 96ウェルキットを使用してRNAを抽出した。Ribogreenを使用してRNAを定量した。逆転写およびqPCRを、RT-qPCRによるmRNA発現の絶対的定量のためのプロトコールに従って行った。
HNF4αおよびβ-アクチン(ACTB)についての標準曲線を以下の通り調製した:HNF4αおよびACTB遺伝子ブロックストック(標的cDNAの合成された参照コピー)を、ヌクレアーゼを含まない水中、10mg/mLの濃度に調製した。各個々の遺伝子ブロックストック5μLとH2O、40μLを合わせて最終体積50uLにすることによって0.5mg/mLの各遺伝子ブロックストックの混合物を調製した。次いで、この混合物を8回、段階的に希釈した(10倍希釈)。各標準曲線希釈物2マイクロリットル(2μL)を標準曲線用のcDNAとして使用し、それにTaqman Master Mix、8μLをプローブと共に添加した。標準曲線を2連のウェルでセットアップし、3回の技術的反復で分析した。
RNAを抽出し、HNF4α mRNAレベルをqPCRによって決定した。
HNF4αおよびACTBプローブを使用してqPCRを実施して、相対的なHNF4α RNA転写を定量した。HepG2 HNF4α RNA発現を陽性対照として測定した。
図4Aおよび4Bは、プール1ガイドとエフェクターdCAS-VPRの組合せにより、A549細胞およびLX-2細胞のどちらにおいても、SH-VPR、および無処理と比べて、用量依存的なHNF4α発現の強力な活性化が示されることを実証する。
Lipofectamine MessengerMAX Transfectionを使用したdCAS9-P300の送達でもHNF4αがアップレギュレートされるが、dCAS-VPRよりも有意に低い(データは示していない)。
in vivo送達のために製剤化されたLNPであるDlin-MC3-DMA(MC3)を使用して同様の実験を行って、dCas9-VPRを含むdCas9融合タンパク質およびHNF4αのプロモーター領域を標的とするガイドの効果を評価した。MC3-LNPを使用して、dCas9-VPRのmRNAならびに個々のsgRNAおよびプールしたsgRNA(プール1)を培養下の細胞に送達した。上記の通りRNAを抽出し、HNF4α mRNAレベルをqPCRによって決定した。無処理のHepG2細胞を内部対照(比較対象(comparitor))として実験に含めた。
図5は、この実験において、HepG2(内部対照)に対するHNF4αレベルの比較でMC3 LNPがLX-2細胞へのトランスフェクションに関してMessanger Maxよりも効率的であることを実証する。HNF4αプロモーターを標的とする個々のsgRNAでもアップレギュレートが示されたが、プールしたガイドよりも有意に低いものであった。
MC3-LNP媒介性送達を使用したHepG2細胞におけるHNF4αの活性化も評価した。HepG2細胞は、正常な細胞よりも高い基礎レベルのHNF4αを発現する。超生理的発現により、有効性のより大きな持続性が促進され得る。
MC3-LNPを使用して、dCas9-VPRのmRNAおよびプールしたsgRNAを培養下のHepG2細胞に送達した。対照であるSH(セーフハーバー非標的化対照)ガイドを伴うdCas9-VPR対照も含めた。HNF4α mRNAレベルをqPCRによって決定した。
図6は、MC3-LNP製剤によりHepG2細胞におけるHNF4αの過剰発現が誘導されたことを実証する。対照レベルの約200%に至るまでの発現レベルが観察された。そのような発現レベルは培養下の細胞において許容された。SH対照の結果から、HNF4αのアップレギュレーションが活性化エフェクターのプロモーター標的化送達に特異的に起因することが実証される。
dCas9-VPRプール1によって誘導されたHNF4αタンパク質が細胞の核に局在するかどうかを調査するために、LX-2細胞に、dCas9-VPRのmRNAおよびプールしたsgRNA(プール1)をトランスフェクトした。細胞を可視化するために、処理したLX-2細胞を固定し、透過処理した。細胞を、壁が黒く底部が透明の96ウェルプレート中で成長させた。培地を除去した。インキュベーションは全て室温(RT)および静止状態で行った。溶液は全て10×PBSストック溶液を用いて作製した。培地を除去し、細胞を1×PBSで2回洗浄した。細胞を洗浄するために、1×PBS、100μlを添加し、除去した。洗浄を2回繰り返した。1×PBS中100マイクロリットル(100μl)の4%PFAを添加し、RTで15分間インキュベートした。細胞を1×PBSで3回洗浄し、各洗浄の間に5分間のインキュベーションを行った。次いで、細胞を1×PBS中0.1%のTriton X 100、100μl中、RTで15分間インキュベートした。0.1%のTriton X 100を伴う1×PBS中10%通常ヤギ血清100マイクロリットル(100μl)を添加し、さらに使用するまで4℃で維持した。
(実施例3)
ジンクフィンガーDNA結合性ドメインおよびTALE融合タンパク質の設計
実施例1および2に記載されている通り、HNF4α遺伝子発現の有効な活性化の部位を、dCas9融合タンパク質およびHNF4α遺伝子のプロモーター1の5’側の特定のヌクレオチド領域を対象とするガイドを使用して同定した。これらのデータに基づいて、HNF4α遺伝子のプロモーター1の5’側の同じまたは同様の配列領域を標的とするようにジンクフィンガーDNA結合性ドメインポリペプチド(ZF)およびTALEポリペプチドを設計した。図9は、本発明の例示的なZFタンパク質およびTALEタンパク質を設計するための標的領域を示す。
ジンクフィンガーDNA結合性ドメインおよびTALE融合タンパク質の設計
実施例1および2に記載されている通り、HNF4α遺伝子発現の有効な活性化の部位を、dCas9融合タンパク質およびHNF4α遺伝子のプロモーター1の5’側の特定のヌクレオチド領域を対象とするガイドを使用して同定した。これらのデータに基づいて、HNF4α遺伝子のプロモーター1の5’側の同じまたは同様の配列領域を標的とするようにジンクフィンガーDNA結合性ドメインポリペプチド(ZF)およびTALEポリペプチドを設計した。図9は、本発明の例示的なZFタンパク質およびTALEタンパク質を設計するための標的領域を示す。
図10は、本発明のHNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、例えばジンクフィンガー(zing finger)(ZF)またはTALE、および例えばVPRを含むエフェクターを含む例示的な部位特異的HNF4α遮断剤(例えばZF-VPRまたはTALE-VPR融合タンパク質)の構造を示す。図10に示されている通り、例示的なZF-VPRタンパク質は、1つまたは複数の核局在化シグナル(NLS)、例えば、SV40 NLSまたはヌクレオプラスミンNLSを含み得る。一部の実施形態では、NLSはN末端、VP64とRelA(p65)活性化ドメイン(VPR)の間、およびC末端に位置する。
一部の実施形態では、ZF融合タンパク質またはTAL融合タンパク質をコードするmRNAは5’末端に「天然のキャップ」構造を含有し得る、例えば、mRNAはキャップ0(メチルを有さない)、キャップ1(第1のリボースにメチルを有する)、キャップ2(第2のリボースにメチルを有する)であり得る。
キャップの下流は、高レベルのタンパク質翻訳が促進されるように設計された配列である5’非翻訳領域(UTR)である。5’UTRの下流は、コード配列、3’UTRおよびポリA尾部である。
構築物に使用するための5’UTRの例示的なヌクレオチド配列はAGGAAAUAAGAGAGAAAAGAAGAGUAAGAAGAAAUAUAAGAGCCACC(配列番号)である。
構築物に使用するための3’UTRの例示的なヌクレオチド配列はCUCUCCCUUGCACCUGUACCUCUUGGUCUUUGAAUAAAGCCUGAGUAGGAAGUCUAG(配列番号)である。
構築物に使用するためのポリA尾部の例示的なヌクレオチド配列はAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号)である。
ZF融合タンパク質またはTALE融合タンパク質をコードするmRNAを脂質ナノ粒子(例えば、MC3)との複合体にすることができる。融合タンパク質のZFドメインは、主に肝臓において発現されるHNF4αのアイソフォームの転写を制御するHNF4αのP1を標的とする。
下の表6Aおよび6Bに、構築物の遮断剤に使用するための種々の例示的な融合タンパク質構築物のアミノ酸配列、対応するコードmRNA配列、その標的ゲノム配列、およびDNA結合性ドメインのアミノ酸配列を提示する。
(実施例4)
ZF-融合タンパク質によるHNF4α発現のモジュレーション
HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、例えばジンクフィンガー(ZF)、および、例えばVPRを含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤(ZF-VPR融合タンパク質)をコードする単一のmRNAを試験するために、プールしたsgRNAとのdCas9-エフェクター融合物ではなく、ジンクフィンガーDNA結合性ドメイン(DBD)-VPR(ZF-VPR)融合タンパク質を上記の通り設計した。実施例1および2に記載されているP1を標的とするガイドRNAと同様のまたは同一の部位に結合するそのような融合タンパク質を、in vitroにおいてHNF4αの発現をもたらすそれらの能力について評価した。
ZF-融合タンパク質によるHNF4α発現のモジュレーション
HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分、例えばジンクフィンガー(ZF)、および、例えばVPRを含むエフェクターを含む部位特異的HNF4α遮断剤(ZF-VPR融合タンパク質)をコードする単一のmRNAを試験するために、プールしたsgRNAとのdCas9-エフェクター融合物ではなく、ジンクフィンガーDNA結合性ドメイン(DBD)-VPR(ZF-VPR)融合タンパク質を上記の通り設計した。実施例1および2に記載されているP1を標的とするガイドRNAと同様のまたは同一の部位に結合するそのような融合タンパク質を、in vitroにおいてHNF4αの発現をもたらすそれらの能力について評価した。
ZF DBDおよびVPRドメインを含む融合タンパク質をコードするいくつかのmRNAを構築した(表6A参照)。個々のおよびプールした融合タンパク質コードmRNAをLX-2細胞に上記の通りMC3 LNP製剤として送達した。HNF4αの発現は、上記の通りqPCRによって測定した。無処理のHepG2およびdCas9-VPR-プール1を陽性対照として含めた。
図11に示されている通り、ZF005-VPR(ZF5-VPRとも称される)によりHNF4αの頑強なアップレギュレーションが示されることが見いだされた。ZF007-VPR(ZF7-VPRとも称される)でも定量できるアップレギュレーションが示された。
(実施例5)
TALE-融合タンパク質によるHNF4α発現のモジュレーション
HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤をコードする単一のmRNAを使用するためのさらなる試みにおいて、例えば、Talenに基づくDNA結合性ドメイン(DBD)および例えばVPRを含むエフェクター(TAL-VPR融合タンパク質)を設計した。実施例1および2に記載されているP1を標的とするガイドRNAと同様のまたは同一の部位に結合するそのような融合タンパク質を、in vitroにおいてHNF4αの発現をもたらすそれらの能力について評価した。
TALE-融合タンパク質によるHNF4α発現のモジュレーション
HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤をコードする単一のmRNAを使用するためのさらなる試みにおいて、例えば、Talenに基づくDNA結合性ドメイン(DBD)および例えばVPRを含むエフェクター(TAL-VPR融合タンパク質)を設計した。実施例1および2に記載されているP1を標的とするガイドRNAと同様のまたは同一の部位に結合するそのような融合タンパク質を、in vitroにおいてHNF4αの発現をもたらすそれらの能力について評価した。
TALEN DBDとVPRドメインの融合タンパク質をコードするいくつかのmRNAを構築した(表6A参照)。個々のおよびプールした融合タンパク質コードmRNAをLX-2細胞に上記の通りMC3 LNP製剤として送達した。HNF4αの発現を上記の通りqPCRによって測定した。無処理のHepG2およびdCas9-VPR-プール1を陽性対照として含めた。ZF5-VPRおよびZF7-VPRも比較対象として試験に含めた。
図12に示されている通り、プールしたTALEに基づくVPR融合タンパク質により、HNF4α発現の強力なアップレギュレーションが示されることが見いだされた。個別に、各TAL-VPR融合タンパク質はHNF4αの発現をアップレギュレートする有意な活性を有さなかった(データは示していない)。この図は、ZF5-VPRおよびZ7-VPRに関する上記の結果が再現可能なものであったことも実証する。
(実施例6)
コドン最適化されたZF5-VPRを用いたHNF4α発現のモジュレーションおよびLX-2細胞におけるZF5-VPRとZF7-VPRの組合せの相乗作用
本実施例では、コドン最適化されたZF5-VPR融合タンパク質を用いたLX-2細胞におけるHNF4αの活性化を評価した。目的は、ZF5-VPRのコドン最適化により、HNF4αプロモーターに対するZF5-VPR融合タンパク質の活性が改善されるかどうかを分析することであった。別の目的は、ZF5-VPR融合タンパク質とZF7-VPR融合タンパク質の組合せがHNF4α発現の活性化に関して相乗的であるかどうかを分析することであった。
コドン最適化されたZF5-VPRを用いたHNF4α発現のモジュレーションおよびLX-2細胞におけるZF5-VPRとZF7-VPRの組合せの相乗作用
本実施例では、コドン最適化されたZF5-VPR融合タンパク質を用いたLX-2細胞におけるHNF4αの活性化を評価した。目的は、ZF5-VPRのコドン最適化により、HNF4αプロモーターに対するZF5-VPR融合タンパク質の活性が改善されるかどうかを分析することであった。別の目的は、ZF5-VPR融合タンパク質とZF7-VPR融合タンパク質の組合せがHNF4α発現の活性化に関して相乗的であるかどうかを分析することであった。
ZF5-VPR融合タンパク質の配列を、翻訳効率を最適化するためにアルゴリズムを使用して理想的なコドン頻度および状況を再設計するプロセスであるコドン最適化のためにATUMに送付した。全て同じタンパク質をコードし、それぞれが異なるRNA配列を有する6種の新しいバリアントがATUMから戻された(表6A参照)。
ATUMでコドン最適化されたZF5-VPRの5種全てのmRNA、変化していないZF5-VPRおよびZF7-VPRをMC3 LNPとしてLX-2細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後にHNF4αの発現をqPCRによって測定した。
図13に示されている通り、ZF-5-VPR ATUMでコドン最適されたバリアント3(ZF5.3-VPR)により、他のコドン最適化されたバリアントと比較してHNF4a発現のより強力なアップレギュレーションが示された。ZF5-VPRとZF7-VPRを共トランスフェクトすることにより、HNF4αの発現の超生理的(>200%)増大がもたらされ、これにより、これらの2つの融合タンパク質の組合せの相乗作用が実証される(図13において、プール1はdCas9-VPR+GD-28431+GD-28432+GD-28433であり、プール2はdCas9-VPR+GD-28434+GD-28435+GD-28436である)。
(実施例7)
K562細胞におけるHNF4α発現のモジュレーションの持続性
本実施例では、最も長く続くHNF4α発現のアップレギュレーションを誘導することができるエフェクター(VPRおよび/またはP300)を同定した。本実施例では、種々のZF-エフェクター融合タンパク質およびZF-エフェクター融合タンパク質の種々の組合せで処理した場合にK562におけるHNF4αのアップレギュレーションがどのくらい長く続き得るかも測定する。
K562細胞におけるHNF4α発現のモジュレーションの持続性
本実施例では、最も長く続くHNF4α発現のアップレギュレーションを誘導することができるエフェクター(VPRおよび/またはP300)を同定した。本実施例では、種々のZF-エフェクター融合タンパク質およびZF-エフェクター融合タンパク質の種々の組合せで処理した場合にK562におけるHNF4αのアップレギュレーションがどのくらい長く続き得るかも測定する。
ZF-エフェクター融合タンパク質をコードする種々の個々のmRNAおよびmRNAの組合せをK562細胞にトランスフェクトし、培養下で10日間成長させた。
以下の個々の融合タンパク質および組合せをK562細胞において試験し、MC3 LNPを用いてトランスフェクトした:ZF5-VPR、ZF5-P300、ZF5-VPRとZF5-P300の組合せ、またはZF5-VPRとZF7-VPRの組合せ(表6A参照)。
トランスフェクションおよび定量を上記の通り実施した。簡単に述べると、無処理のK562細胞をアッセイ対照として含めた。K562細胞を個々のエフェクターおよびエフェクターの異なる組合せ(2.5μg/mL)を用いて3連で処理した。10日間の期間にわたってデータ点を収集した。qPCRの読み取りを使用してmRNA発現を測定した。K562細胞をウェル当たり100,000個で3連で播種した:2日毎に合計10日間にわたって時点(time point)を収集した。無処理のK562のウェル3つを対照として含めた。各時点で、同様に処理したLX-2細胞についてHNF4αについてのRT qPCRを実施して、HNF4aの発現を測定した。
図14および15に示されている通り、単一の融合タンパク質のいずれかまたは融合タンパク質の組合せをトランスフェクトした場合、K562細胞において6日目までHNF4α発現のアップレギュレーションが観察された。ZF5-VPRをコードするmRNAとZF7-VPRをコードするmRNAを用いた共トランスフェクションにより、培養細胞において最高かつもっとも持続性のあるHNF4α発現の増大がもたらされ、10日間を超えて発現が検出可能であった。
別の実験では、ZF-5-VPR、ZF-5-P300、ZF5-VPR-ATUM 3とZF7-VPRの組合せ(ZF(5.3+7)とも称される)またはZF5-PRとZF7-VPRの組合せ(ZF-(5+7)-VPRとも称される)を用いて処理した場合のK562におけるHNF4α発現のアップレギュレーションの持続性を決定した。
K562細胞を個々のエフェクターおよびエフェクターの異なる組合せ(2.5ug/mL)を用いて3連で処理した。10日間の期間にわたって時点を収集した。qPCRの読み取りを使用してmRNA発現を測定した。K562細胞をウェル当たり100,000個で3連で播種した:2日毎に合計10日間にわたって時点を収集した。無処理のK562のウェル3つを対照として含めた。各時点でRT qPCRを実施してHNF4aの発現を測定した。融合タンパク質はMC3 LNPとして製剤化した。
図16に示されている通り、ZF5-VPRとZF7-VPRの組合せを使用した場合およびZF5.3-VPRとZF7-VPRの組合せを使用した場合の両方でK562細胞において6日目までHNF4αのアップレギュレーションが観察された。ZF5-VPRとZF7-VPRの組合せおよびZF5.3-VPRとZF7-VPRの組合せの両方で8日目および10日目にわずかなアップレギュレーションが示された。
(実施例8)
LX-2細胞におけるHNF4αの活性化後のバイオマーカー遺伝子発現のモジュレーション
本実施例の第1の実験では、LX-2細胞におけるHNF4αの活性化後の下流のバイオマーカー遺伝子の発現レベルの変化を実証する。この実験の目的は、LX-2細胞においてdCas9-VPRによって誘導されるHNF4αが活性な転写因子であることを、HNF4a発現のアップレギュレーションの2つの下流の遺伝子Cola1およびaSMAの発現に対する影響を調査することによって実証することであった。コラーゲン1a1(Col1a1)、およびアルファ-平滑筋アクチン(aSMA)は、損傷を受けた肝細胞において高度に発現され、末期肝疾患における線維症の重要な駆動因子である2つのタンパク質である。これらの遺伝子はどちらもHNF4αによって負に調節される。
LX-2細胞におけるHNF4αの活性化後のバイオマーカー遺伝子発現のモジュレーション
本実施例の第1の実験では、LX-2細胞におけるHNF4αの活性化後の下流のバイオマーカー遺伝子の発現レベルの変化を実証する。この実験の目的は、LX-2細胞においてdCas9-VPRによって誘導されるHNF4αが活性な転写因子であることを、HNF4a発現のアップレギュレーションの2つの下流の遺伝子Cola1およびaSMAの発現に対する影響を調査することによって実証することであった。コラーゲン1a1(Col1a1)、およびアルファ-平滑筋アクチン(aSMA)は、損傷を受けた肝細胞において高度に発現され、末期肝疾患における線維症の重要な駆動因子である2つのタンパク質である。これらの遺伝子はどちらもHNF4αによって負に調節される。
Col1a1およびaSMAを高度に発現するLX-2細胞にdCas-VPR-プール1を上記の通りトランスフェクトし、その後、HNF4Α、Col1a1、およびaSMAのqPCR測定を行った。
図17に示されている通り、HNF4αのアップレギュレーションにより、Col1a1およびaSMAの発現が有意にダウンレギュレートされた。
本実施例の第2の実験では、ZF-VPR融合タンパク質によっても線維性肝疾患のバイオマーカーであるCol1a1およびaSMAの発現がダウンレギュレートされることを実証する。
図18に示されている通り、LX-2細胞における、ZF5.3-VPR、ZF5-VPRとZF7-VPRの組合せまたはZF5.3-VPRとZF7-VPRの組合せを用いたHNF4αのアップレギュレーション後に、線維性肝疾患のバイオマーカーであるCola1およびaSMAがダウンレギュレートされた。
(実施例9)
追加的なZF-VPR融合タンパク質およびそれらの組合せのスクリーニングならびにdCas9-VPR3の評価
本実施例では、実施例4において試験した9種のZF-VPRタンパク質に加えて、他のZF-VPR融合タンパク質およびそれらの様々な組み合わせにより、LX-2細胞におけるHNF4αの発現をアップレギュレートすることができることを実証する。
追加的なZF-VPR融合タンパク質およびそれらの組合せのスクリーニングならびにdCas9-VPR3の評価
本実施例では、実施例4において試験した9種のZF-VPRタンパク質に加えて、他のZF-VPR融合タンパク質およびそれらの様々な組み合わせにより、LX-2細胞におけるHNF4αの発現をアップレギュレートすることができることを実証する。
第1の実験では、融合タンパク質をLX-2細胞においてスクリーニングした。無処理のHep G2細胞をアッセイ対照として含めた。LX-2細胞を、単一濃度のエフェクター(2.5μg/mL)を用いて3連で処理し、48時間インキュベートした。qPCRの読み取りに関してZF-5-VPRを陽性対照として使用した。LX-2細胞にMC3-LNP製剤を使用して上記の通りトランスフェクションを行った。以下のZF-VPR融合タンパク質および種々の組合せをコードするmRNAを転写した:ZF5-VPR、ZF5-VPR-ATUM3(ZF5.3-VPR)、ZF-7-VPR、ZF-11-VPR、ZF-13-VPR、およびZF-15-VPR、またはこれらの組合せ。
図19に示されている通り、ZF5-VPRまたはZF5.3-VPRをZF7-VPRと組み合わせた場合に、より強力なアップレギュレーションが観察された。ZF7-VPR単独では、LX-2細胞においてHNF4αがより低レベルでアップレギュレートされた。
第2の実験では、dCas9-VPR3-プール1またはZF-VPR融合タンパク質の組合せを使用したHNF4αの活性化を評価した。目的は、LX-2細胞における種々のZF-VPR融合タンパク質の組合せの効果を評価し、新しいエフェクターdCas9-VPR3をLX-2細胞において試験することであった。VPR3は、3つの連続するVPRドメインに連続して融合しており、単一のタンパク質として発現されるdCas9 DNA結合性ドメインである。LX-2細胞におけるHNF4αの発現をわずかにアップレギュレートしたZF5.3-VPRと他のZF-VPRの組合せを可能性のある相乗作用について試験した。LX-2細胞を単一濃度のエフェクター(2.5αg/mL)をMC3 LNP製剤として用い、3連で48時間にわたって処理した。ZF-5-VPRを陽性対照として使用した。qPCRの読み取りを使用した。以下の組合せを試験した:ZF5.3-VPRおよびZF10-VPR、ZF5.3-VPRおよびZF14-VPR、およびZF5.3-VPRおよびZF15-VPR。
図20に示されている通り、dCas9-VPR3プール1により、LX-2細胞におけるHNF4αがアップレギュレートされる。ZF14-VPRおよびZF15-VPRを個別にトランスフェクトした場合にはHNF4αの低いアップレギュレーションが引き起こされた。ZF14-VPRまたはZF15-VPRをZF5.3-VPRと組み合わせた場合には強力な相乗的アップレギュレーション(ZF5.3-VPR+ZF7-VPRを用いた場合に観察された相乗的アップレギュレーションと同様のもの)が観察された。
(実施例10)
FRG-KOマウス肝臓ヒト化肝細胞(Yecurisヒト肝細胞)におけるHNF4α活性化
Yecurisヒト肝細胞は免疫無防備状態のマウスに外植し、増殖させ、次いで、in vitroでの組織培養のために回収した初代ヒト肝細胞である。Yecuris肝細胞を細胞懸濁液として得、ウェル当たり細胞40,000個で、96ウェルフォーマットでプレーティングした。細胞をZF融合タンパク質-MC3 LNPを2つの濃度、2.5μg/mlおよび1.25μg/mlで24時間にわたって処理した。処理の48時間後にHNF4α遺伝子発現を測定した。ZF7-VPRの代わりにZF7.4-VPRを使用した。
FRG-KOマウス肝臓ヒト化肝細胞(Yecurisヒト肝細胞)におけるHNF4α活性化
Yecurisヒト肝細胞は免疫無防備状態のマウスに外植し、増殖させ、次いで、in vitroでの組織培養のために回収した初代ヒト肝細胞である。Yecuris肝細胞を細胞懸濁液として得、ウェル当たり細胞40,000個で、96ウェルフォーマットでプレーティングした。細胞をZF融合タンパク質-MC3 LNPを2つの濃度、2.5μg/mlおよび1.25μg/mlで24時間にわたって処理した。処理の48時間後にHNF4α遺伝子発現を測定した。ZF7-VPRの代わりにZF7.4-VPRを使用した。
Yecuris細胞に、ZF5-VPR、ZF5.3-VPR、ZF7.4-VPR、ZF5.3-VPR3(3つの連続したVPRドメインに連続して融合しており、単一のタンパク質として発現されるZF5.3タンパク質)、ZF7.4-VPR3、およびZF5単独(VPRが融合していないZF5)をコードするmRNAをトランスフェクトした。
図21に示されている通り、ZF5.3-VPR3ではZF5.3-VPRと比較してHNF4α遺伝子発現が増大しない。ZF7-VPR3を用いた場合にはZF7.4-VPRと比較してHNF4α遺伝子発現の増大が観察された。LX-2細胞と比較して、ZF7-VPR構築物によりHNF4αがより大きなレベルまでアップレギュレートされる。
(実施例11)
バイシストロニックZF5.3-VPRおよびおよびZF7-VPRを用いたLX-2細胞の活性化
本実施例では、ZF5.3-VPR(ZF5-VPR ATUMバリアント3)およびZF7-VPRバイシストロニック構築物によりLX-2細胞におけるHNF4αがZF5.3-VPRおよびZF7-VPRを個別に組み合わせた場合と同じレベルまでアップレギュレートするかどうかを評価する。
バイシストロニックZF5.3-VPRおよびおよびZF7-VPRを用いたLX-2細胞の活性化
本実施例では、ZF5.3-VPR(ZF5-VPR ATUMバリアント3)およびZF7-VPRバイシストロニック構築物によりLX-2細胞におけるHNF4αがZF5.3-VPRおよびZF7-VPRを個別に組み合わせた場合と同じレベルまでアップレギュレートするかどうかを評価する。
無処理のHep G2細胞をアッセイ対照として含めた。LX-2細胞を、融合タンパク質をコードするmRNAを単一濃度(2.5μg/mL)で用い、3連で処理した。ZF5.3-VPRとZF7-VPRの組合せを陽性対照として使用した。qPCRの読み取りを使用してmRNA発現を測定した。
以下のバイシストロニックmRNA構築物を試験した:ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-VPR、ZF7-VPR-tPT2A-ZF5.3-VPR、ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-p300、およびZF7-p300-tPT2A-ZF5.3-VPR(表6A参照)。tPT2Aは、第1の融合タンパク質と第2の融合タンパク質を共有結合により連結してバイシストロニック融合タンパク質を生じさせるリンカーである。
図22に示されている通り、バイシストロニックmRNA ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-VPRにより、試験した他の3種のバイシストロニックmRNAよりも強力なLX-2細胞におけるHNF4αのアップレギュレーションが誘導された。
(実施例12)
Yecuris肝細胞へのVPRおよびp300の繰り返し投与のHNF4α遺伝子発現に対する効果
本実施例では、ZF-エフェクター融合タンパク質をコードするmRNAの複数回用量を細胞に送達することの効果について記載する。目的は、多数回投与により相加的または相乗的なHNF4αのアップレギュレーションを実現することができるかどうかを評価することであった。
Yecuris肝細胞へのVPRおよびp300の繰り返し投与のHNF4α遺伝子発現に対する効果
本実施例では、ZF-エフェクター融合タンパク質をコードするmRNAの複数回用量を細胞に送達することの効果について記載する。目的は、多数回投与により相加的または相乗的なHNF4αのアップレギュレーションを実現することができるかどうかを評価することであった。
Yecuris肝細胞をウェル当たり細胞64,000個でプレーティングした。細胞をZF5.3-VPRとZF7-VPRまたはZF7-p300の組合せをMC3 LNP製剤を介して最終濃度1.25μg/mlで用いて処理した。バイシストロニックmRNA ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-VPR、ZF7-VPR-tPT2A-ZF5.3-VPR、ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-p300、ZF7-p300-tPT2A-ZF5.3-VPRをMC3 LNP製剤として使用して最終濃度1.25μg/mlで細胞を処理した。
図23に示されている通り、細胞にZF-エフェクター融合タンパク質をコードするmRNAを含有するMC3 LNP製剤を繰り返し投与することにより、HNF4αの発現の相加的な増大がもたらされた。ZF5.3-VPRとZF7-VPRの組合せはその活性化の潜在性に関してZF7-p300よりも強力であった。さらに、図24に示されている通り、バイシストロニック構築物によりYecuris肝細胞におけるHNF4αが増大し、ZF7-p300-tPT2A-ZF5.3-VPRにより最も強いアップレギュレーションがもたらされた。
(実施例13)
バイシストロニックmRNAを用いたK562細胞におけるHNF4αの活性化-10日の持続性試験
本実施例では、K562細胞におけるバイシストロニック構築物の持続性について記載する。K562細胞を、融合タンパク質をコードするmRNAをMC3 LNPとして単一濃度で用いて(2.5μg/mL)3連で上記の通り処理した。
バイシストロニックmRNAを用いたK562細胞におけるHNF4αの活性化-10日の持続性試験
本実施例では、K562細胞におけるバイシストロニック構築物の持続性について記載する。K562細胞を、融合タンパク質をコードするmRNAをMC3 LNPとして単一濃度で用いて(2.5μg/mL)3連で上記の通り処理した。
以下の構築物をコードするバイシストロニックmRNAを試験した:ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-VPR、ZF7-VPR-tPT2A-ZF5.3-VPR、ZF5.3-VPR-tPT2A-ZF7-p300、ZF7-p300-tPT2A-ZF5.3-VPR。
図25に示されている通り、ZF7-p300-tPT2A-ZF5(v3)-VPRでは他のバイシストロニック構築物と比較して後日、K562におけるより良好な持続性が示された。
以下の表10に、本発明における使用に適したHNF4α発現制御ゲノム領域の例示的な標的ヌクレオチド配列、および対応するジンクフィンガーDNA結合性ドメインアミノ酸配列、およびジンクフィンガーポリペプチドとエフェクターとを含む遮断剤融合タンパク質のアミノ酸構造を提示する。
非公式の配列表
配列番号95
>dCas9-VPR タンパク質
配列番号96
>dCas9-VPR mRNA
配列番号97
>dCas9 アミノ酸配列
配列番号300
>dCas9 mRNA配列
配列番号98
>dCas9-P300 タンパク質
配列番号99
>dCas9-p300 mRNA
配列番号100
>ZF1-VPR タンパク質
配列番号101
>ZF1-VPR mRNA
配列番号102
>ZF1 標的配列
配列番号103
>ZF1 アミノ酸配列
配列番号211
>ZF1 mRNA配列
配列番号104
>ZF2-VPR タンパク質
配列番号105
>ZF2-VPR mRNA
配列番号106
>ZF2 標的配列
配列番号107
>ZF2 アミノ酸配列
配列番号212
>ZF2 mRNA配列
配列番号108
>ZF3-VPR タンパク質
配列番号109
>ZF3-VPR mRNA
配列番号110
>ZF3 標的配列
配列番号111
>ZF3 アミノ酸配列
配列番号213
>ZF3 mRNA
配列番号112
>ZF4-VPR タンパク質
配列番号113
>ZF4-mRNA
配列番号114
>ZF4 標的配列
配列番号115
>ZF4 アミノ酸配列
配列番号214
>ZF4 mRNA配列
配列番号116
>ZF5-VPR タンパク質
配列番号117
>ZF5-VPR mRNA
配列番号118
>ZF5 標的配列
配列番号119
>ZF5 アミノ酸配列
配列番号215
>ZF5 mRNA配列
配列番号120
>ZF6-VPR タンパク質
配列番号121
>ZF6-VPR mRNA
配列番号122
>ZF6 標的配列
配列番号123
>ZF6 アミノ酸配列
配列番号216
>ZF6 mRNA配列
配列番号124
>ZF7-VPR タンパク質
配列番号125
>ZF7-VPR mRNA
配列番号
>ZF7.4-VPR mRNA配列
配列番号126
>ZF7 標的配列
配列番号127
>ZF7 アミノ酸配列
配列番号217
>ZF7 mRNA
配列番号
>ZF7.4 mRNA配列
配列番号128
>ZF8-VPR タンパク質
配列番号129
>ZF8-VPR mRNA
配列番号130
>ZF8 標的配列
配列番号131
>ZF8 アミノ酸配列
配列番号218
>ZF8 mRNA配列
配列番号132
>ZF9-VPR タンパク質
配列番号133
>ZF9-VPR mRNA
配列番号134
>ZF9 標的
配列番号135
>ZF9 アミノ酸配列
配列番号219
>ZF9 mRNA配列
配列番号136
>ZF10-VPR タンパク質
配列番号137
>ZF10-VPR mRNA
配列番号138
>ZF10 標的配列
配列番号139
>ZF10 アミノ酸配列
配列番号220
>ZF10 mRNA配列
配列番号140
>ZF11-VPR タンパク質
配列番号141
>ZF11-VPR mRNA
配列番号142
>ZF11 標的配列
配列番号143
>ZF11 アミノ酸配列
配列番号221
>ZF11 mRNA配列
配列番号144
>ZF12-VPR タンパク質
配列番号145
>ZF12-VPR mRNA
配列番号146
>ZF12 標的配列
配列番号147
>ZF12 アミノ酸配列
配列番号222
>ZF12 mRNA配列
配列番号148
>ZF13-VPR タンパク質
配列番号149
>ZF13-VPR mRNA
配列番号150
>ZF13 標的配列
配列番号151
>ZF13 アミノ酸配列
配列番号223
>ZF13 mRNA配列
配列番号152
>ZF14-VPR タンパク質
配列番号153
>ZF14-VPR mRNA
配列番号154
>ZF14 標的配列
配列番号155
>ZF14 アミノ酸配列
配列番号224
>ZF14 mRNA配列
配列番号156
>ZF15-VPR タンパク質
配列番号157
>ZF15-VPR mRNA
配列番号158
>ZF15 標的配列
配列番号159
>ZF15 アミノ酸配列
配列番号225
>ZF15 mRNA配列
配列番号160
>ZF5.1-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_1)
配列番号226
>ZF5.1 mRNA配列
配列番号161
>ZF5.2-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_2)
配列番号227
>ZF5.2 mRNA配列
配列番号162
>ZF5.3-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_3)
配列番号228
>ZF5.3 mRNA
配列番号163
>ZF5.4-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_4)
配列番号229
>ZF5.4 mRNA配列
配列番号164
>ZF5.5-VPR(ZF5-VPR ATUM Opt_5)
配列番号230
>ZF5.5 mRNA
配列番号165
>ZF5.6-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_6)
配列番号231
>ZF5.6 mRNA
配列番号166
>ZF5-P300 タンパク質
配列番号167
>ZF5-P300 mRNA
配列番号232
>ZF5-P300のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号168
>ZF7-p300 タンパク質
配列番号169
>ZF7-p300 mRNA
配列番号233
>ZF7-P300のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号170
>ZF5.3-VPR3 タンパク質
配列番号171
>ZF5.3-VPR3 mRNA
配列番号234
>ZF5.3-VPR3のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号172
>dCas9-VPR3 タンパク質
配列番号173
>dCas9-VPR3 mRNA
配列番号174
>ZF5 タンパク質-非エフェクター
配列番号235
>ZF5 タンパク質-非エフェクターのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号175
>ZF5 mRNA-非エフェクター
配列番号176
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR タンパク質
配列番号177
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR mRNA
配列番号236
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR;1のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号237
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号178
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR タンパク質
配列番号179
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR mRNA
配列番号238
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR;1のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号239
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号180
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300 タンパク質
配列番号181
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300 mRNA
配列番号240
配列番号241
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号182
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPR タンパク質
配列番号183
>>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPR mRNA
配列番号242
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号243
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
配列番号184
>TAL1-VPR タンパク質
配列番号185
>TAL1-VPR mRNA
配列番号186
>TAL1 アミノ酸配列
配列番号244
>TAL1 mRNA
配列番号187
>TAL2-VPR タンパク質
配列番号188
>TAL2-VPR mRNA
配列番号189
>TAL2 アミノ酸配列
配列番号245
>TAL2 mRNA配列
配列番号190
>TAL3-VPR タンパク質
配列番号191
>TAL3-VPR mRNA
配列番号192
>TAL3 アミノ酸配列
配列番号246
>TAL3 mRNA配列
配列番号193
>TAL4-VPR タンパク質
配列番号194
>TAL4-VPR mRNA
配列番号195
>TAL4 アミノ酸配列
配列番号247
>TAL4 mRNA配列
配列番号196
>TAL5-VPR タンパク質
配列番号197
>TAL5-VPR mRNA
配列番号198
>TAL5 アミノ酸
配列番号248
>TAL5 mRNA
配列番号199
>TAL6-VPR タンパク質
配列番号200
>TAL6-VPR mRNA
配列番号201
>TAL6 アミノ酸配列
配列番号249
>TAL6 mRNA配列
配列番号202
>TAL7-VPR タンパク質
配列番号203
>TAL7-VPR mRNA
配列番号204
>TAL7 アミノ酸配列
配列番号250
>TAL7 mRNA配列
配列番号205
>TAL8-VPR タンパク質
配列番号206
>TAL8-VPR mRNA
配列番号207
>TAL8 アミノ酸配列
配列番号251
>TAL8 mRNA配列
配列番号208
>TAL9-VPR タンパク質
配列番号209
>TAL9-VPR mRNA
配列番号210
>TAL9 アミノ酸配列
配列番号252
>TAL9 mRNA配列
等価物
配列番号95
>dCas9-VPR タンパク質
>dCas9-VPR mRNA
>dCas9 アミノ酸配列
>dCas9 mRNA配列
>dCas9-P300 タンパク質
>dCas9-p300 mRNA
>ZF1-VPR タンパク質
>ZF1-VPR mRNA
>ZF1 標的配列
>ZF1 アミノ酸配列
>ZF1 mRNA配列
>ZF2-VPR タンパク質
>ZF2-VPR mRNA
>ZF2 標的配列
>ZF2 アミノ酸配列
>ZF2 mRNA配列
>ZF3-VPR タンパク質
>ZF3-VPR mRNA
>ZF3 標的配列
>ZF3 アミノ酸配列
>ZF3 mRNA
>ZF4-VPR タンパク質
>ZF4-mRNA
>ZF4 標的配列
>ZF4 アミノ酸配列
>ZF4 mRNA配列
>ZF5-VPR タンパク質
>ZF5-VPR mRNA
>ZF5 標的配列
>ZF5 アミノ酸配列
>ZF5 mRNA配列
>ZF6-VPR タンパク質
>ZF6-VPR mRNA
>ZF6 標的配列
>ZF6 アミノ酸配列
>ZF6 mRNA配列
>ZF7-VPR タンパク質
>ZF7-VPR mRNA
>ZF7.4-VPR mRNA配列
>ZF7 標的配列
>ZF7 アミノ酸配列
>ZF7 mRNA
>ZF7.4 mRNA配列
>ZF8-VPR タンパク質
>ZF8-VPR mRNA
>ZF8 標的配列
>ZF8 アミノ酸配列
>ZF8 mRNA配列
>ZF9-VPR タンパク質
>ZF9-VPR mRNA
>ZF9 標的
>ZF9 アミノ酸配列
>ZF9 mRNA配列
>ZF10-VPR タンパク質
>ZF10-VPR mRNA
>ZF10 標的配列
>ZF10 アミノ酸配列
>ZF10 mRNA配列
>ZF11-VPR タンパク質
>ZF11-VPR mRNA
>ZF11 標的配列
>ZF11 アミノ酸配列
>ZF11 mRNA配列
>ZF12-VPR タンパク質
>ZF12-VPR mRNA
>ZF12 標的配列
>ZF12 アミノ酸配列
>ZF12 mRNA配列
>ZF13-VPR タンパク質
>ZF13-VPR mRNA
>ZF13 標的配列
>ZF13 アミノ酸配列
>ZF13 mRNA配列
>ZF14-VPR タンパク質
>ZF14-VPR mRNA
>ZF14 標的配列
>ZF14 アミノ酸配列
>ZF14 mRNA配列
>ZF15-VPR タンパク質
>ZF15-VPR mRNA
>ZF15 標的配列
>ZF15 アミノ酸配列
>ZF15 mRNA配列
>ZF5.1-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_1)
>ZF5.1 mRNA配列
>ZF5.2-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_2)
>ZF5.2 mRNA配列
>ZF5.3-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_3)
>ZF5.3 mRNA
>ZF5.4-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_4)
>ZF5.4 mRNA配列
>ZF5.5-VPR(ZF5-VPR ATUM Opt_5)
>ZF5.5 mRNA
>ZF5.6-VPR mRNA(ZF5-VPR ATUM Opt_6)
>ZF5.6 mRNA
>ZF5-P300 タンパク質
>ZF5-P300 mRNA
>ZF5-P300のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF7-p300 タンパク質
>ZF7-p300 mRNA
>ZF7-P300のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF5.3-VPR3 タンパク質
>ZF5.3-VPR3 mRNA
>ZF5.3-VPR3のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>dCas9-VPR3 タンパク質
>dCas9-VPR3 mRNA
>ZF5 タンパク質-非エフェクター
>ZF5 タンパク質-非エフェクターのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF5 mRNA-非エフェクター
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR タンパク質
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR mRNA
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR;1のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR タンパク質
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR mRNA
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR;1のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300 タンパク質
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300 mRNA
>ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300;2のDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPR タンパク質
>>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPR mRNA
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>ZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRのDNA結合ドメインのヌクレオチド配列
>TAL1-VPR タンパク質
>TAL1-VPR mRNA
>TAL1 アミノ酸配列
>TAL1 mRNA
>TAL2-VPR タンパク質
>TAL2-VPR mRNA
>TAL2 アミノ酸配列
>TAL2 mRNA配列
>TAL3-VPR タンパク質
>TAL3-VPR mRNA
>TAL3 アミノ酸配列
>TAL3 mRNA配列
>TAL4-VPR タンパク質
>TAL4-VPR mRNA
>TAL4 アミノ酸配列
>TAL4 mRNA配列
>TAL5-VPR タンパク質
>TAL5-VPR mRNA
>TAL5 アミノ酸
>TAL5 mRNA
>TAL6-VPR タンパク質
>TAL6-VPR mRNA
>TAL6 アミノ酸配列
>TAL6 mRNA配列
>TAL7-VPR タンパク質
>TAL7-VPR mRNA
>TAL7 アミノ酸配列
>TAL7 mRNA配列
>TAL8-VPR タンパク質
>TAL8-VPR mRNA
>TAL8 アミノ酸配列
>TAL8 mRNA配列
>TAL9-VPR タンパク質
>TAL9-VPR mRNA
>TAL9 アミノ酸配列
>TAL9 mRNA配列
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を理解する、または常套的な実験だけを使用して確認することができる。そのような等価物は以下の特許請求の範囲に包含されるものとする。
Claims (179)
- HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記部位特異的HNF4α標的化成分が、ポリマー分子を含む、請求項1に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記ポリマー分子が、ポリアミドを含む、請求項2に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記ポリマー分子が、ポリヌクレオチドを含む、請求項2に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記発現制御領域が、HNF4α特異的転写制御エレメントを含む、請求項1に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写制御エレメントが、HNF4αプロモーターを含む、請求項5に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記HNF4αプロモーターが、HNF4αプロモーター1のヌクレオチド配列またはその断片を含む、請求項6に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記HNF4αプロモーターが、HNF4αプロモーター2のヌクレオチド配列またはその断片を含む、請求項6に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写制御エレメントが、転写エンハンサーを含む、請求項5に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写制御エレメントが、転写リプレッサーを含む、請求項5に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項1から10までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記ポリマー分子が、前記HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含む、請求項2に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記TALEまたはZNFポリペプチドの前記DNA結合性ドメインが、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項12に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記発現制御領域が、第1のHNF4α関連アンカー配列および第2のHNF4α関連アンカー配列を含むアンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含む、請求項1に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記アンカー配列が、CCCTC結合性因子(CTCF)結合性モチーフを含む、請求項14に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記アンカー配列媒介性接続が、1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の内側に含む、請求項14または15に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記アンカー配列媒介性接続が、1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の外側に含む、請求項14または15に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列が、前記転写制御エレメントに対して約500kb以内に位置する、請求項14から17までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記第1のアンカー配列および/または第2のアンカー配列が、前記転写制御エレメントに対して300kb以内に位置する、請求項18に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- ヌクレオチド修飾を含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- ポリマー分子が、ペプチド核酸(PNA)を含む、請求項2に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 請求項1から21までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤を含むベクター。
- ウイルス発現ベクターである、請求項22に記載のベクター。
- 請求項1から21までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤または請求項22または23に記載のベクターを含む細胞。
- 組成物中に存在する、請求項1から21までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記組成物が、医薬組成物を含む、請求項25に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記医薬組成物が、脂質製剤を含む、請求項26に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記脂質製剤が、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む、請求項27に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記医薬組成物が、脂質ナノ粒子を含む、請求項27に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分とエフェクター分子とを含む融合タンパク質をコードする核酸分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記部位特異的HNF4α標的化成分が、前記HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項30に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記TALEまたはジンクフィンガーポリペプチドの前記DNA結合性ドメインが、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エフェクター分子が、ポリペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸分子を含む、請求項30に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記融合タンパク質が、ペプチド核酸融合物を含む、請求項30に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エフェクターが、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、およびエピジェネティックCpG修飾因子、および前記のいずれかの組合せからなる群から選択される、請求項30から34までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エフェクターが、CRISPR関連タンパク質(Cas)ポリペプチドまたは前記Casポリペプチドをコードする核酸分子を含む、請求項35に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記Casポリペプチドが、酵素的に不活性なCasポリペプチドである、請求項36に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- ヒトエキソヌクレアーゼ1(hEXO1)の触媒として活性なドメインをさらに含む、請求項36に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エピジェネティック動員因子が、転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含む、請求項35に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写エンハンサーが、VPR(VP64-p65-Rta)である、請求項39に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写エンハンサーが、2つ、3つ、4つ、または5つのVPRを含む、請求項40または41に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記転写エンハンサーが、p300である、請求項39に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エピジェネティックCpG修飾因子が、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素を含む、請求項35に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エフェクター分子が、ジンクフィンガーポリペプチドを含む、請求項30から35までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記エフェクター分子が、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)ポリペプチドを含む、請求項30から35までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子をさらに含み、前記第2の融合タンパク質が、第2のHNF4α発現制御領域を標的とする第2の部位特異的HNF4α標的化成分と、第2のエフェクター分子とを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、前記HNF4α発現制御領域とは異なる、請求項30から47までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記HNF4α発現制御領域が、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む、請求項48に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記第2のエフェクターが、前記エフェクターとは異なる、請求項49に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記第2のエフェクターが、前記エフェクターと同じである、請求項50に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記融合タンパク質と前記第2の融合タンパク質が作動可能に連結している、請求項49から51までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記融合タンパク質および前記第2の融合タンパク質が、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPR(配列番号176);ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPR(配列番号178);ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300(配列番号180);およびZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPR(配列番号182)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項52に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記融合タンパク質が、ZF5.3-VPR(配列番号116)のアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項30から53までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記融合タンパク質が、ZF5-VPR mRNA(配列番号117)、ZF5.1-VPR mRNA(配列番号160)、ZF5.2-VPR mRNA(配列番号161)、ZF5.3-VPR mRNA(配列番号162)、ZF5.4-VPR mRNA(配列番号163)、ZF5.5-VPR mRNA(配列番号164)、およびZF5.6-VPR mRNA(配列番号165)からなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも約85%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる、請求項54に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 融合タンパク質をコードする核酸分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤であって、前記融合タンパク質が、ZF1-VPR(配列番号100)、ZF2-VPR(配列番号104)、ZF3-VPR(配列番号108)、ZF4-VPR(配列番号112)、ZF5-VPR(配列番号116)、ZF5.3-VPR(配列番号116)、ZF6-VPR(配列番号120)、ZF7-VPR(配列番号124)、ZF8-VPR(配列番号128)、ZF9-VPR(配列番号132)、ZF10-VPR(配列番号136)、ZF11-VPR(配列番号140)、ZF12-VPR(配列番号144)、ZF13-VPR(配列番号148)、ZF14-VPR(配列番号152)、およびZF15-VPR(配列番号156)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記ポリペプチドが、ZF5-VPR(配列番号116)、ZF5.3-VPR、ZF7-VPR(配列番号124)、ZF14-VPR(配列番号152)、およびZF15-VPR(配列番号156)からなる群から選択される、請求項56に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記ポリペプチドが、ZF5.3-VPR(配列番号116)である、請求項57に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 請求項30から58までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤をコードする核酸分子を含むベクター。
- ウイルス発現ベクターである、請求項59に記載のベクター。
- 請求項30から58までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤または請求項59または60に記載のベクターを含む細胞。
- 組成物中に存在する、請求項30から58までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記組成物が、医薬組成物を含む、請求項62に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記医薬組成物が、脂質製剤を含む、請求項63に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記脂質製剤が、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む、請求項64に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記医薬組成物が、脂質ナノ粒子を含む、請求項64に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 細胞における肝細胞核因子4アルファ(HNF4α)の発現をモジュレートする方法であって、前記細胞を、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤と接触させるステップを含み、それにより、前記細胞におけるHNF4αの発現をモジュレートする、方法。
- 前記発現のモジュレーションが、前記細胞におけるHNF4αの発現の増強である、請求項67に記載の方法。
- 前記発現のモジュレーションが、前記細胞におけるHNF4αの発現の低減である、請求項67に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α標的化成分が、ポリマー分子を含む、請求項67に記載の方法。
- 前記ポリマー分子が、ポリアミドを含む、請求項70に記載の方法。
- 前記ポリマー分子が、ポリヌクレオチドを含む、請求項71に記載の方法。
- 前記発現制御領域が、HNF4α特異的転写制御エレメントを含む、請求項70に記載の方法。
- 前記転写制御エレメントが、HNF4αプロモーターを含む、請求項73に記載の方法。
- 前記HNF4αプロモーターが、HNF4αプロモーター1のヌクレオチド配列またはその断片を含む、請求項74に記載の方法。
- 前記HNF4αプロモーターが、HNF4αプロモーター2のヌクレオチド配列またはその断片を含む、請求項74に記載の方法。
- 前記転写制御エレメントが、転写エンハンサーを含む、請求項73に記載の方法。
- 前記転写制御エレメントが、転写リプレッサーを含む、請求項73に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤が、表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項67から78までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤が、前記HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含む、請求項49から60までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記TALEまたはZNFの前記DNA結合性ドメインが、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項80に記載の方法。
- 前記発現制御領域が、第1のHNF4α関連アンカー配列および第2のHNF4α関連アンカー配列を含むアンカー配列媒介性接続内に1つまたは複数のHNF4α関連アンカー配列を含む、請求項67に記載の方法。
- 前記アンカー配列が、CCCTC結合性因子(CTCF)結合性モチーフを含む、請求項82に記載の方法。
- 前記アンカー配列媒介性接続が、1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の内側に含む、請求項82または83に記載の方法。
- 前記アンカー配列媒介性接続が、1つまたは複数の転写制御エレメントを前記接続の外側に含む、請求項82または83に記載の方法。
- 前記第1のアンカー配列および/または前記第2のアンカー配列が、前記転写制御エレメントに対して約500kb以内に位置する、請求項82から85までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1のアンカー配列および/または前記第2のアンカー配列が、前記転写制御エレメントに対して300kb以内に位置する、請求項86に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤が、ヌクレオチド修飾を含む、請求項67から87までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記ポリマー分子が、ペプチド核酸(PNA)を含む、請求項71に記載の方法。
- 前記エフェクター分子が、ポリペプチドを含む、請求項67に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、HNF4α発現調節領域を標的とする前記部位特異的HNF4α標的化成分と前記エフェクター分子とを含む融合タンパク質をコードする核酸分子を含む、請求項90に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、ペプチド核酸融合分子を含む、請求項91に記載の方法。
- 前記エフェクターが、ヌクレアーゼ、物理的遮断因子、エピジェネティック動員因子、およびエピジェネティックCpG修飾因子、および前記のいずれかの組合せからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
- 前記エフェクターが、CRISPR関連タンパク質(Cas)ポリペプチドまたは前記Casポリペプチドをコードする核酸分子を含む、請求項93に記載の方法。
- 前記Casポリペプチドが、酵素的に不活性なCasポリペプチドである、請求項94に記載の方法。
- ヒトエキソヌクレアーゼ1(hEXO1)の触媒として活性なドメインをさらに含む、請求項95に記載の方法。
- 前記エピジェネティック動員因子が、転写エンハンサーまたは転写リプレッサーを含む、請求項93に記載の方法。
- 前記転写エンハンサーが、VPRである、請求項97に記載の方法。
- 前記転写エンハンサーが、2つ、3つ、4つ、または5つのVPRを含む、請求項98または99に記載の方法。
- 前記転写エンハンサーが、p300である、請求項97に記載の方法。
- 前記エピジェネティックCpG修飾因子が、DNAメチラーゼ、DNAデメチラーゼ、ヒストン修飾剤、またはヒストン脱アセチル化酵素を含む、請求項93に記載の方法。
- 前記エフェクター分子が、ジンクフィンガーポリペプチドを含む、請求項90から93までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記エフェクター分子が、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)ポリペプチドを含む、請求項90から93までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、酵素的に不活性なCasポリペプチドおよびエピジェネティック動員因子ポリペプチドを含む、請求項91に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、酵素的にCasポリペプチドおよびエピジェネティックCpG修飾因子ポリペプチドを含む、請求項91に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤が、第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子を含み、前記第2の融合タンパク質が、第2のHNF4α発現制御領域を標的とする第2の部位特異的HNF4α標的化成分と、第2のエフェクター分子とを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、前記HNF4α発現制御領域とは異なる、請求項67から107までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記HNF4α発現制御領域が、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む、請求項108に記載の方法。
- 前記第2のエフェクターが、前記エフェクターとは異なる、請求項108に記載の方法。
- 前記第2のエフェクターが、前記エフェクターと同じである、請求項110に記載の方法。
- 前記融合タンパク質と前記第2の融合タンパク質が作動可能に連結している、請求項108から111までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記融合タンパク質および前記第2の融合タンパク質が、ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-VPRタンパク質(配列番号176);ZF7-VPR-tPT2a-ZF5.3-VPRタンパク質(配列番号178);ZF5.3-VPR-tPT2a-ZF7-p300タンパク質(配列番号180);およびZF7-p300-tPT2a-ZF5.3-VPRタンパク質(配列番号182)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項112に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、ZF5.3-VPRタンパク質(配列番号116)のアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項67から113までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、ZF5-VPR mRNA(配列番号117)、ZF5.1-VPR mRNA(配列番号160)、ZF5.2-VPR mRNA(配列番号161)、ZF5.3-VPR mRNA(配列番号162)、ZF5.4-VPR mRNA(配列番号163)、ZF5.5-VPR mRNA(配列番号164)、およびZF5.6-VPR mRNA(配列番号165)からなる群から選択されるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも約85%の配列同一性を有する配列を有するポリヌクレオチドによってコードされる、請求項114に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤と第2の部位特異的HNF4α遮断剤の投与には、HNF4αの発現をモジュレートすることに関して相乗効果がある、請求項108から115までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記HNF4α発現制御領域が、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGG、ZF10標的配列CCTGCAGCCCCGCCCAGCCTA、ZF14標的配列GGAGGGGTGGGGGTTAATGGT、およびZF15標的配列GAAGGGGTGGAGGCTCTGCCGから選択される配列を含む、請求項108から116までのいずれか一項に記載の方法。
- HNF4α発現制御領域が、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATを含み、前記第2のHNF4α発現制御領域が、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGを含む、請求項117に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、ZF5.3-VPRのアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含み、前記第2の融合タンパク質が、ZF7-VPR(配列番号124)、ZF14-VPR(配列番号152)、およびZF15-VPR(配列番号156)から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも85%の配列同一性を有する配列を含む、請求項117に記載の方法。
- 前記融合タンパク質が、ZF1-VPR(配列番号100)、ZF2-VPR(配列番号104)、ZF3-VPR(配列番号108)、ZF4-VPR(配列番号112)、ZF5-VPR(配列番号116)、ZF5.3-VPR(配列番号116)、ZF6-VPR(配列番号120)、ZF7-VPR(配列番号124)、ZF8-VPR(配列番号128)、ZF9-VPR(配列番号132)、ZF10-VPR(配列番号136)、ZF11-VPR(配列番号140)、ZF12-VPR(配列番号144)、ZF13-VPR(配列番号148)、ZF14-VPR(配列番号152)、およびZF15-VPR(配列番号156)からなる群から選択されるポリペプチドのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項91に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、ZF5-VPR(配列番号116)、ZF5.3-VPR(配列番号116)、ZF7-VPR(配列番号124)、ZF14-VPR(配列番号152)、およびZF15-VPR(配列番号156)からなる群から選択される、請求項120に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、ZF5.3-VPR(配列番号116)である、請求項121に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤、前記エフェクター、または前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターの両方が、ベクター内に存在する、請求項67から122までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターが、同じベクター内に存在する、請求項123に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターが、異なるベクター内に存在する、請求項123に記載の方法。
- 前記ベクターが、ウイルス発現ベクターである、請求項123から125までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤、前記エフェクター、または前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターの両方が、組成物中に存在する、請求項67から122までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターが、同じ組成物中に存在する、請求項127に記載の方法。
- 前記部位特異的遮断剤と前記エフェクターが、異なる組成物中に存在する、請求項127に記載の方法。
- 前記組成物が、医薬組成物を含む、請求項127から129までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記医薬組成物が、脂質製剤を含む、請求項130に記載の方法。
- 前記脂質製剤が、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む、請求項131に記載の方法。
- 前記医薬組成物が、脂質ナノ粒子を含む、請求項130に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項67に記載の方法。
- 前記哺乳動物細胞が、体細胞である、請求項134に記載の方法。
- 前記哺乳動物細胞が、初代細胞である、請求項134に記載の方法。
- 前記接触させるステップが、in vitroで実施される、請求項67に記載の方法。
- 前記接触させるステップが、in vivoで実施される、請求項67に記載の方法。
- 前記接触させるステップが、ex vivoで実施される、請求項67に記載の方法。
- 前記細胞を対象に投与するステップをさらに含む、請求項139に記載の方法。
- 前記細胞が、対象内に存在する、請求項67に記載の方法。
- 前記対象が、HNF4α関連疾患を有する、請求項140または141に記載の方法。
- 前記HNF4α関連疾患が、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝臓における脂肪の蓄積、肝臓の炎症、肝細胞壊死、肝線維症、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、多嚢胞性腎疾患、炎症性腸疾患(IBD)、およびMODY Iからなる群から選択される、請求項142に記載の方法。
- HNF4α関連疾患を有する対象を処置するための方法であって、前記対象に、HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分およびエフェクター分子を含む部位特異的HNF4α遮断剤を治療有効量で投与するステップを含み、それにより、前記対象を処置する、方法。
- 前記HNF4α関連疾患が、肝細胞がんであり、前記部位特異的HNF4α遮断剤により、前記対象におけるHNF4αの発現が低減する、請求項144に記載の方法。
- 前記HNF4α関連疾患が、脂肪肝(脂肪症)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝硬変、肝臓における脂肪の蓄積、肝臓の炎症、肝細胞壊死、肝線維症、および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)からなる群から選択され、前記部位特異的HNF4α遮断剤により、前記対象におけるHNF4αの発現が増強される、請求項145に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤と前記エフェクター分子を前記対象に併せて投与する、請求項144から146までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤および前記エフェクター分子が、前記対象に逐次的に投与される、請求項144から146までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記エフェクター分子が、前記対象に、前記部位特異的HNF4α遮断剤の投与の前に投与される、請求項148に記載の方法。
- 前記部位特異的HNF4α遮断剤が、前記対象に、前記エフェクター分子の投与の前に投与される、請求項149に記載の方法。
- HNFα発現制御領域が、表1の第3列または表10の第1列に列挙されるヌクレオチド配列のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、前記HNF4α発現制御領域を標的とする部位特異的HNF4α標的化成分を含む部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記部位特異的HNF4α標的化成分が、表2、3、4、および9のいずれか1つのヌクレオチド配列のいずれかのヌクレオチド配列全体に対して少なくとも85%のヌクレオチド同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項151に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記部位特異的HNF4α標的化成分が、前記HNF4α発現制御領域に特異的に結合する転写活性化因子様エフェクター(TALE)ポリペプチドまたはジンクフィンガー(ZNF)ポリペプチドのDNA結合性ドメインをコードするポリヌクレオチドまたはその断片を含むポリマー分子を含む、請求項151に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記TALEまたはZNFポリペプチドの前記DNA結合性ドメインが、表6Aの第5列または表10の第4列に列挙されるアミノ酸配列のいずれか1つのアミノ酸配列全体に対して少なくとも約85%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項153に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記HNFα発現制御領域が、ZF5標的配列GGCGGGGGACCGATTAACCATのヌクレオチド配列を含む、請求項151に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 前記HNFα発現制御領域が、ZF7標的配列ACTGAACATCGGTGAGTTAGGのヌクレオチド配列を含む、請求項151に記載の部位特異的HNF4α遮断剤。
- 請求項151から166までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤をコードする核酸分子を含むベクター。
- ウイルス発現ベクターである、請求項167に記載のベクター。
- 請求項151から166までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤、または請求項167または168に記載のベクターを含む医薬組成物。
- 脂質製剤を含む、請求項169に記載の医薬組成物。
- 前記脂質製剤が、1つまたは複数のカチオン性脂質、1つまたは複数の非カチオン性脂質、1つまたは複数のコレステロールに基づく脂質、または1つまたは複数のPEG修飾された脂質、または前記のいずれかの組合せを含む、請求項170に記載の医薬組成物。
- 脂質ナノ粒子を含む、請求項170に記載の医薬組成物。
- 請求項151から166までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤または請求項167または168に記載のベクターを含む細胞。
- 細胞における肝細胞核因子4アルファ-(HNF4α)の発現をモジュレートする方法であって、前記細胞を、請求項151から166までのいずれか一項に記載の部位特異的HNF4α遮断剤、または請求項167または168に記載のベクター、または請求項169から175までのいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させるステップを含む方法。
- 前記発現のモジュレーションが、前記細胞におけるHNF4αの発現の増強である、請求項177に記載の方法。
- 前記発現のモジュレーションが、前記細胞におけるHNF4αの発現の低減である、請求項177に記載の方法。
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