JP2010518412A - 静電気放電現象を検出するシステム、方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

静電気放電現象を検出するシステム、方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

監視対象装置(110)において静電気放電現象を検出するシステム(100)は電流測定装置(140)を備え、かかる電流測定装置は、該監視対象装置を電源に接続する電力供給接続(120)に流れる電流を測定し、電流または電流成分を表す電流測定信号を得るように構成される。代替的には、該監視対象装置を保護接地に接続する保護接地接続(180)に流れる電流を測定し、測定信号を得る。該システムは、電流測定信号のパルスに応じて静電気放電現象を検出するように構成された静電気放電現象検出器を備える。該システムは、電流測定信号または値のデータ処理を任意で有してもよい。
【選択図】図1a

Description

本発明は、監視対象装置において静電気放電現象を検出するシステム、方法、及びコンピュータプログラムに関する。
また、本発明は静電気放電(ESD)モニターソリューションに関する。
静電気放電は現代の電子コンポーネントの欠陥の重大な原因となっている。例えば、電界効果トランジスタを備える現代の集積回路は多くの場合、そのゲート酸化物が過度の電界強度によっては簡単に壊れてしまうため、静電気放電現象に非常に敏感である。現代の半導体装置用電子コンポーネントの生産、テスト、取り扱いは、静電気放電現象の検出が望まれる多くの技術分野の一例である。
静電気放電を検出するいくつかの従来の概念を以下に説明する。技術文献には静電気放電(ESD)現象をとらえる物理現象として放電の電気アークからの光/火花、放電の音/クラックリング、電流場及び過渡電場、放電電流、静電場が記載されている。
上述した物理現象に基づき半導体テストシステム(例えばVerigy V93000半導体テストシステム)でESD現象を検出する場合の不利な点のいくつかを以下に説明する。詳細については、非特許文献1の305から320ページ及び非特許文献2を参照されたい。
放電の電気アークからの光/火花に関しては、この物理現象の原因がほかにもあることに留意されたい。換言すると、この現象は静電気放電現象に特有のものではない。
放電の音/クラックリングに関しては、この現象の原因がほかにもあることに留意されたい。換言すると、この現象は静電気放電現象に特有のものではない。
電流場と過渡電場に関し、Stephan Freiの発表によると「過渡電流・電場と大きな静電場の原因はほかにごく僅かしかない。一定の限度を超える電流と電場のみを考慮するのであれば、殆どの場合、静電気放電のみが原因として浮上する」ことに留意されたい。ただし電流場と過渡電場の現象を利用する場合は、ESD現象と非ESD現象の区別がない。また、電流場及び/または過渡電場を検出するにはアンテナを設置する必要がある。電磁波は半導体の被試験装置(DUT)インターフェイスの複雑な幾何学的配置により反射、吸収、遮蔽される。また、アンテナは半導体テストシステムと交信して、望ましくない影響をもたらすことがある。システムに設置されたアンテナとセンサはスペースを取り、「パッケージング」問題を引き起こす。
放電電流の物理現象に関し、上述のStephan Freiの文献は「ESDの最も重大な作用は電流であるため、考慮する環境で放電のたびに放電電流の時間的移転を正確につかむことが望まれる」と指摘している。
ただし、放電電流に基づきESD現象を検出する従来のソリューションは多大な労力を要する。例えば、ESD現象を検出するにあたって十分な帯域幅を持つ電流センサを、放電が起こりうる全ての場所(すなわち放電経路)に装備する必要があろう。広範囲にわたって監視するには多数の「電流センサ」を設置することになり、多大な労力をともなうであろう。この多大な労力のため、場合によっては広範囲の監視は不可能となるであろう。多数の「電流センサ」を設置することで環境を阻害することになるであろう。場合によっては環境を大いに阻害することになろう。場合によっては測定が現実を反映しないものとなり、有意義でなくなることもあろう。
ただし放電電流の監視は静電気放電現象についての重要な情報を提供する。
静電場に基づくESD現象の検出に関しては、静電場測定の実施が技術的に容易であり、電荷発生についての情報を提供するということに留意されたい。測定する静電場強度の急速な低下は放電と解釈できる。静電場の測定はESD現象の発生頻度についての情報を提供する。ただし、大きな静電場が必ずしもESD現象に結び付くとは限らないことを知ることが大切である。したがって、「静電場」現象はESD現象に特有のものではない。また、静電場の測定は放電の強度についての情報を提供しない(非特許文献2の28ページを参照されたい)。
〔先行技術文献〕
〔非特許文献〕
〔非特許文献1〕タカイ トシミツ等著(Toshimitsu Takaiら),「電子機器周辺でESDを観察する一方法(One of the methods of observing ESD around electronic equipment)」,電子ジャーナル(Journal of Electronics),42巻,1998年
〔非特許文献2〕
Figure 2010518412
〔非特許文献3〕 チャン−ユ等著(Chang−Yu Wuら),「ESD波形の周波数領域仕様について(On the frequency domain specification of ESD waveforms)」,電子ジャーナル(Journal of Electronics),24巻,1990年,197から206ページ
〔非特許文献4〕 「93686型直列電流プローブマニュアル(Model 93686 Series Current Probes MANUAL)」,エーティーエス−リンドグレン(ETS−Lindgren),2005年2月,Rev C−PN 399267
〔非特許文献5〕
Figure 2010518412
〔非特許文献6〕 ジョン ベンジャミン(John Bendjamin),「電流、光、及び磁気放射場に基づく静電気放電(ESD)の特性(Characteristics of electrostatic discharges (ESD) based on current, optical and magnetic radiation fields)」,ウプサラ 理工学部の論文(UPPSALA dissertations from the faculty of science and technology), 23, ISBN: 91−554−4657−4
上記の検討を鑑みると、効率的に実施可能な静電気放電現象検出の概念が求められている。
本発明の実施形態は、請求項1と請求項16に記載の静電気放電現象を検出するシステムと、請求項39と請求項40に記載の静電気放電現象を検出する方法と、請求項41に記載のコンピュータプログラムとを提供する。
以下に開示するいくつかの実施形態は、監視対象装置を電源に接続する電力供給接続に流れる電流または電流成分を測定することによって、監視対象装置において静電気放電現象を効率的に検出できるという基本的考えに基づく。静電気放電現象が監視対象装置の電力供給コンポーネントに即座に(あるいは直接的に)作用しない場合でも、殆どの静電気放電現象は電力供給接続に結合するため、前記の電流または電流成分を表す電流測定信号を評価することにより、監視対象装置に作用する静電気放電現象は効率的に検出できる。換言すると、電力供給接続は静電気放電電流にとって好適な経路であることが分かっている。このため、電力供給接続に流れる電流または電流成分を表す電流測定信号を評価することにより、様々なESD現象を適度のハードウェアの作用で検出できる。
本発明による別のいくつかの実施形態は、監視対象装置を保護接地と接続する保護接地接続に流れる電流を評価することで静電気放電現象を効率的に検出できるとする所見に基づく。静電気放電現象によって生じる放電電流が保護接地接続を介して保護接地へ流れる場合でも、監視対象装置が静電気放電現象の影響を受けることは分かっている。
換言すると、保護接地接続に流れる電流または電流成分の測定は、監視対象装置が静電気放電現象の影響を受けダメージを被ったか否かに関して確かな指標となることが分かっている。
以下に説明する本発明のいくつかの実施形態は、電力供給接続に流れる電流または電流成分の測定のみを頼りに、監視対象装置が静電気放電現象の影響を受けたか否かを確実に検出できるという所見に基づく。換言すると、本発明のいくつかの実施形態によれば、電力供給接続に流れる電流または電流成分を表す電流測定信号のみを評価し、それ以外の電流測定信号は評価しない、静電気放電現象検出器を構成する。
本発明のいくつかの他の実施形態によれば、保護接地接続に流れる電流を表す電流測定信号のみを評価し、それ以外の電流を特徴付ける電流測定信号は評価しない、静電気放電現象検出器を構成する。
本発明のいくつかの他の実施形態によれば、電力供給接続に流れる電流または電流成分を表す電流測定信号と、保護接地接続に流れる電流を表す別の電流測定信号のみを評価し、それ以外の電流測定信号は評価しない、静電気放電現象検出器を構成する。
本発明の一実施形態においては、電力供給接続が2つ以上の電力供給線路を備え、2つ以上の電力供給線路に流れるコモンモード電流成分を測定する電流測定装置を構成する。本発明のいくつかの実施形態は、2つ以上の電力供給線路に流れる電流のコモンモード電流成分の測定が、静電気放電現象を検出して、静電気放電現象と他のパルス信号とを区別するにあたって特に効率的な概念を提供するという所見に基づく。多くの状況で、干渉信号が、例えばスイッチングによる電流変化が、供給線路上にディファレンシャルモード電流パルスをもたらすことは分かっている。ただし静電気放電現象の場合は、通常であれば供給線路上にコモンモード電流パルスが発生する。したがって、コモンモード電流成分を測定することにより、ディファレンシャルモード電流パルスの影響は最小限に抑えることができる。結果的に、電力供給線路上のディファレンシャルモード電流パルスに起因する静電気放電現象の誤検出は回避できる。加えて、2つ以上の電力供給線路でコモンモード電流成分を測定することにより、測定の手間をさらに抑えることができる。なぜなら、複数の電力供給線路を流れる電流のコモンモード電流成分は1台の電流測定装置を使用すること、例えば1台の電流クランプ中に複数の電力供給線路を通すことによって測定できるためである。
本発明の一部の実施形態は直流(DC)電源に応用でき、本発明の他の実施形態は交流(AC)電源に応用できる。
本発明の一実施形態において、システムはテストシステムである。システムはサプライラックとテストヘッドとを備え、テストヘッドはテストラックの外部に配置される。テストヘッドは監視対象装置であって、電力供給接続を介してサプライラックに接続する。
前述の実施形態は、テストシステムの2つの単独要素間の、具体的にはサプライラックとテストヘッドとの間の、電力供給接続が、静電気放電現象の検出に用いる電流測定信号を得るにあたってとりわけ良好な場所であるとする所見に基づく。サプライラックとテストヘッドとの間の電力供給接続に流れる電流を監視することにより、テストヘッドの装置インターフェイスまたは被試験装置インターフェイスに作用する静電気放電現象を十分な精度と信頼性で検出できることが分かっている。テストヘッドに取り付けられた被試験装置に、またはテストヘッドの被試験装置インターフェイスに、作用する静電気放電現象は、(例えば1つ以上のチャネルモジュール及び/または1つ以上の電力変換器を備える)電子回路を通じてテストヘッド及びサプライラック間の電力供給接続へ伝搬する。テストヘッドをサプライラックに接続する1つ以上の電力供給線路で電流を監視すれば、被試験装置インターフェイスの接続をことごとく監視しなくても、かかる静電気放電現象を非常に簡単な方法で確実に識別できることが分かっている。
以上のように、本発明で開示するいくつかの実施形態はテストシステムで極めて効率的な静電気放電現象検出を可能にする。DUTインターフェイスの各導体で電流を個別に監視する代わりに、集中型のESD現象検出を導入する。
本発明の一実施形態に係る静電気放電現象を検出するシステムのブロック概略図である。 本発明の別の実施形態に係る静電気放電現象を検出するシステムを示す図である。 本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第1の可能性の概略図である。 本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第2の可能性の概略図である。 本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第3の可能性の概略図である。 本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第4の可能性の概略図である。 本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第5の可能性の概略図である。 本発明の一実施形態に係るテストシステムの概略図である。 本発明の一実施形態に係る別のテストシステムの概略図である。 デバイステストシステムにおける静電気放電電流の電流経路の一例の概略図である。 デバイステストシステムにおける放電電流の電流経路の別の例の概略図である。 デバイステストシステムのテストヘッドにおける電流測定装置の配置の概略図である。 オシロスコープで捕捉された放電電流波形の図解を示す図である。 再構成された放電電流波形の図解を示す図である。 捕捉放電電流の周波数スペクトルの図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電気放電モニターの構成の図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係るデバイステストシステムの図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係る装置テスタまたはデバイステストシステムにおける放電電流の概略図である。 図10に示すデバイステストシステムに等価回路図である。 静電気放電現象検出のための実験的ハードウェア構成の図解を示す図である。 静電気放電現象検出のための実験的ハードウェア構成の図解を示す図である。 電流クランプを使って放電電流を引き出す概念の図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電気放電現象と非静電気放電現象とを区別する概念の図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電気放電現象によって放出される電荷を判定する概念の図解を示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電気放電現象を検出する第1の方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る静電気放電現象を検出する第2の方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るテストシステムの概略図である。 本発明の一実施形態で使用可能な単巻変圧器の概略図である。 本発明の一実施形態に係るコンパクトテストヘッドを備えるテストシステムのブロック概略図である。 本発明の一実施形態に係るコンパクトテストヘッドにおける一次配電のブロック概略図である。 本発明の別の実施形態に係るコンパクトテストヘッドにおける一次配電のブロック概略図である。
以降の詳細な説明では、本発明によるいくつかの実施形態の更なる態様を説明する。
本発明のいくつかの実施形態は、静電気放電を検出する方法を提供する。更なる実施形態は、静電気放電現象を検出するコンピュータプログラムを提供する。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しつつ、以下に説明する。
図1aは、監視対象装置において静電気放電現象を検出するシステム(または装置)のブロック概略図である。図1aに示すシステムは、その全体を100で表す。システム100は監視対象装置110を備える。システム100はさらに電力供給接続120を備え、電力供給接続120を通じて監視対象装置を電源130に接続する。電源130はシステム100の一部であってもなくてもよい。システム100は電流測定装置140を備え、この電流測定装置は電力供給接続120を介して流れる電流、またはその電流成分を測定し、電流または電流成分を表す電流測定信号142を得るように構成される。システム100はさらに静電気放電現象検出器150を備える。この静電気放電現象検出器は電流測定信号142を受信し、電流測定信号142のパルスに応じて静電気放電現象を検出するように構成される。
システム100の機能を簡単に以下に説明する。ここでは監視対象装置110が、ここで矢印160で示す静電気放電現象の影響を受けると仮定する。ESD現象160にともなう放電電流は、例えば監視対象装置110の電子コンポーネントまで運ばれる。例えば監視対象装置110がデバイステストシステムのテストヘッドであれば、被試験装置(dut)ポートの導体と、テストヘッドのチャネルモジュールの1つ以上の要素の中を放電電流が流れる。ただし放電電流は多くの場合、最終的には電力供給接続120まで運ばれる。その結果、電力供給接続120の1つ以上の線路で静電気放電現象による電流ピークまたは電流パルスが生じる。電力供給接続を介して流れる電流(またはその電流成分)を表す電流測定信号142を提供するように構成された電流測定装置140は、静電気放電現象160による電流パルスまたは電流ピークを電流測定信号142のパルスまたはピークに変換する。そして静電気放電現象検出器150が電流測定信号142を解析することにより、さらにESD現象160による電流測定信号142のパルスまたはピークを識別することにより、静電気放電現象を検出する。その結果、静電気放電現象検出器150は、ESD現象の発生を指摘する信号または警報を提供する。
以上を要約すると、監視対象装置110に作用するESD現象は電力供給接続120上の電流パルスに変換される。電流測定装置140は電力供給接続120上でこの電流パルスまたは電流ピークを検出して、ESD現象による電力供給接続120上の電流パルスを表す電流測定信号142を提供するように構成される。その結果、静電気放電現象検出器150はESD現象160を遠隔的に検出できる。
図1aから分かるように、システム100のシステムトポロジは非常に簡単である。従来の監視対象装置110は変えずに残すこともできる。例えば監視対象装置110に作用するESD現象を検出するにあたって、従来の監視対象装置110に追加の回路を挿入せずにすむ。監視対象装置110に作用するESD現象を検出するには、監視対象装置110の電力供給接続120にアクセスできれば十分である。
しかも、電力供給接続120に流れる電流の測定にあたっては様々な方法を用いることができる。ガルバニックコンセプトとガルバニック分離コンセプトの両方を用いることができる。例えば、電力供給接続に流れる電流は1つ以上のシャント抵抗を使って測定できる。シャント抵抗による電流測定は当業者にとって周知であり、ここでは詳しく説明しない。代替的に、電力供給接続120の1つ以上の導体に流れる電流を電流クランプで測定することもできる。電流クランプの使用には好ましい効果がいくつかある。一方では、例えばシャント抵抗で生じる損失を回避できる。電流クランプはまた、例えば監視対象装置110の稼働中に電力供給接続120を遮断することなく電力供給接続120へ取り付けることができる。電流クランプを使えば、電力供給接続の複数の導体でコモンモード電流を測定することもできる。本発明の一実施形態によれば、電流クランプを使用し、監視対象装置110を電源130に接続する全ての電力供給導体でコモンモード電流を測定することもできる。電力供給接続120の2つ以上の導体に流れるコモンモード電流に基づき電流測定信号142を得ることにより、監視対象装置110の平常動作によって電力供給接続120の導体上に生じる電流パルスは平均化できる。(例えば電流クランプを使用する)コモンモード電流測定で電流測定信号142を得ることにより、監視対象装置110の稼働によって生じる電流パルスに関しては、ESD現象の検出感度を大幅に抑えることができる。その結果、ESD現象の検出信頼性は大幅に向上させることができる。
ただし本発明の簡易な実施形態において、電力供給接続120の1導体の電流に基づき電流測定信号142を生成すれば十分である。
図1bを参照しつつ代替システム構成を以下に説明する。図1bは、本発明のさらに別の実施形態に係る被試験装置において静電気放電現象を検出するシステムのブロック概略図である。図1bに示すシステムは、その全体を170で表す。システム170は、図1aに示すシステム100に類似する。したがって、ここでは同じ手段及び信号については同じ参照番号で示す。
システム170は監視対象装置110を備える。監視対象装置110は保護接地接続180を介して保護接地190に接続する。保護接地190は、例えば接地ボックス、接地端子、接地板、アースクリップ、アースバー、接地バス、接地ネジ、アースネジ、接地レセプタクル、アースシステム等である。いくつかの実施形態によれば、導電性床被覆によって保護接地190を形成する。いくつかの実施形態によれば、保護接地は導電性か金属性のラックまたは筐体が接続された電位接続である。「保護接地」という用語は電気設備の技術分野で周知である。
システム170は電流測定装置140’を備える。システム170の電流測定装置140’はシステム100の電流測定装置140に類似する。電流測定装置140’は、保護接地接続180に流れる電流を測定して、電流を表す電流測定信号142’を得る(または提供する)ように構成される。
システム170はまた、静電気放電現象検出器150を備える。
システム170はESD現象の検出にあたって、電力供給接続120に流れる電流または電流成分ではなく、保護接地接続180に流れる電流を評価する点がシステム100と異なる。保護接地接続180に流れる電流もまた静電気放電現象の優れた指標となることが分かっている。多くのESD現象が保護接地接続180に結合することが分かっている。換言すると、ESD現象160を構成する放電電流の少なくとも一部は、保護接地接続180を介して保護接地190へ流れる。したがって、多くのESD現象はシステム170によって検出できる。ここでも保護接地接続180に流れる電流の測定はわずかな労力で実施でき、例えば監視対象装置110に対する修正は皆無か最小限ですむ。にもかかわらず図1bに示すシステム170により、信頼性の高いESD現象検出を達成できる。例えば電流クランプを使用すれば、監視対象装置110の稼働を中断させずに保護接地接続180に流れる電流を測定できる。こうしてESD現象検出設備のコストを最小限に抑えることができるほか、監視対象装置110の稼働時間を最適化できる。
ここで説明するシステムは、いくつかの実施形態によれば、電流測定信号を連続的に監視して静電気放電現象を検出するように構成される。例えば、いくつかの実施形態によれば、監視対象装置が作動可能である限り連続的に監視を行い、他の実施形態によれば、ESD現象を記録してESD現象履歴を得る。いくつかの実施形態によれば、ESD現象履歴は、間隔を空けずに一定の期間におよび、例えば勤務シフト、1日、1週、またはそれ以上の期間におよぶ。いくつかの実施形態によれば、上記のような構成にすることで高度な信頼性を達成できる。
ESD現象を検出し損なう確率は大幅に抑えることができ、例えば5%まで、あるいは1%にまで抑えることができる。いくつかの実施形態によれば、監視対象装置の稼働時間中に発生するESD現象を検出し逃すことを回避することも可能である。いくつかの実施形態によれば、ESD現象の発生について最大限の確実性を実現するため、1日24時間、週7日間にわたって電流測定信号を監視することさえも可能である。
電力供給接続に流れる電流の測定についての、いくつかの構成を以下に示す。図2aは、本発明の一実施形態に係る第1の電力供給接続構成の概略図である。図2aの概略図は、その全体を200で表す。概略図200は、図1a及び1bを参照しつつ説明したシステム100、170のいずれか1つの抜粋である。概略図200は監視対象装置110と電力供給接続120とを示す。監視対象装置110は負荷回路210、例えば電力変換器を備える。例えば負荷回路210は、交流−直流変換器(AC/DC変換器)、または直流−直流変換器(DC/DC変換器)を備える。AC/DC変換器またはDC/DC変換器(総じて負荷回路210)は、例えば電力供給接続120に結合する。電力供給接続120は、例えば第1の導体すなわち順方向導体220と、第2の導体すなわち復帰導体222とを備える。電力供給接続120の第1の導体220と第2の導体222は、例えば負荷回路210の入力に結合する。負荷回路がAC/DC変換器であれば、負荷回路210に交流信号を供給するよう第1の導体220と第2の導体222(総じて電力供給接続120)を構成する。ただし負荷回路210がDC/DC変換器を備えるとすれば、その入力は電力供給接続120に結合し、第1の導体220と第2の導体222は負荷回路210に直流信号を供給するように構成する。図2aに示す実施形態では、電力供給接続120は専用の保護接地導体を備えていない。監視対象装置110の筐体または担架構造は、2つの導体220、222のいずれか一方、例えば図2aに示す第2の導体すなわち復帰導体222に接続できる。
本発明の一実施形態では、導体220、222でコモンモード電流を測定するよう電流測定装置140を構成する。例えば、電流Imeas=I+I’を測定するよう電流測定装置140を構成する。電流方向を考慮に入れると次の通りに表すことができる。
Figure 2010518412
ここでIcoupは、例えば負荷回路210の入力と負荷回路210の出力との寄生(容量)結合を介して負荷回路210に結合する電流である。電流Ihousは、監視対象装置110の導電性筐体から、または監視対象装置110の導電性担架構造から第2の導体220へ向かって結合する電流である。総合すると以下の関係が成り立つ。
Figure 2010518412
さらに多くの場合、少なくとも凡そは、以下の関係が成り立つ。
Figure 2010518412
したがって、測定電流Imeas、少なくとも凡そは放電電流IESDを表す。
電流測定装置140は図2aに示す実施形態では、第1の導体220と第2の導体222に流れる電流のコモンモード成分を測定するように構成される。このコモンモード成分は、例えば第1の導体220と第2の導体222の周囲に配置された電流クランプで測定できる。換言すると、第1の導体220と第2の導体222はいずれも、図2aに示すように電流クランプ中を通る。
上記の説明から分かるように、ディファレンシャルモード電流供給成分Iは、少なくとも凡そは、排除され、電流測定装置140によって提供される電流測定信号に大きく寄与しない。したがって、上記の測定の概念はディファレンシャルモード電流Iのパルスまたはピークに影響されない。換言すると、負荷回路210の電力供給電流における変化は(すなわちディファレンシャルモード電流Iの変化は)、電流測定信号142の生成に影響しない。
ここで、図2aに示す構成200の使用により多大な利点が得られることに留意されたい。一方では、複数の導体220、222で電流を監視するにあたって単一の電流測定装置140で十分である。他方、複数の導体220、222でコモンモード電流を測定することにより、ESD現象によるものではない供給電流の変動は電流測定信号142に寄与しない(少なくとも著しく寄与することはない)。つまり二重の利点を得ることができる。
図2bを参照しつつ、さらに別の構成を以下に説明する。図2bは本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第2の可能性の概略図である。
図2bは、図1aに示すシステム100の、または図1bに示すシステム170の、抜粋を示す。図2bに示す要素は、その全体を230で表す。図2bに示す監視対象装置110は負荷回路210を備える。図2bに示す負荷回路210は図2aに示す負荷回路210と同じであってよい。ただし、電力供給接続120は図2bに示す実施形態では、順方向導体とも称する第1の導体220と、復帰導体とも称する第2の導体222と、保護接地導体224とを備える。図2bに示す通り、第1の導体220と第2の導体222は負荷回路210の供給電力入力に接続される。例えば保護接地導体224は、例えば異なるガルバニック方式により図示された監視対象装置110の導電性筐体または導電性担架構造に結合される。電流測定装置140は、例えば(少なくとも第1の導体220と、第2の導体222と、保護接地導体224とを備える)電力供給接続120に流れるコモンモード電流成分を測定するように構成される。例えば電流測定装置140は、電流のコモンモード成分を表す電流測定信号142を生成するように構成される。例えば、測定信号142は測定電流Imeasを表す。
Figure 2010518412
換言すると、図2bに示す構成で電流測定信号142は、例えば少なくとも凡そは、放電電流を表す。
ここで、図2bに示す実施形態においては、順方向導体220と、復帰導体222と、保護接地導体224とが電流測定装置140を形成する単一の電流クランプ中を通っていることに留意されたい。この場合、電流クランプの出力信号は電流測定信号142に相当する。
ここで、第1の導体220が例えば単相(または多相)交流本線電源の相導体であること、そして第2の導体222が単相(または多相)本線電源の中性導体であることに留意されたい。第1の導体は別の実施形態では直流電源の正導体であって、第2の導体222は直流電源の負導体である。また、第2の導体222は例えば監視対象装置110の内部で、あるいは監視対象装置110の外部で、保護接地導体224に接続する。
別の構成を以下で説明する。例えば図2cは本発明の一実施形態に係る電力供給接続構成の第3の可能性の概略図である。図2cに示す構成は、その全体を240で表す。構成240は監視対象装置110と、例えば上述した負荷回路210と、電力供給接続120とを備える。電力供給接続120は、例えば少なくとも第1の導体すなわち順方向導体220と、第2の導体すなわち復帰導体222とを備える。電力供給接続はさらに保護接地導体224を備える。例えば第1の導体220と第2の導体222は、例えば交流の、あるいは直流の、電気エネルギーを、負荷回路210に提供するように構成される。保護接地導体224は、例えば監視対象装置110の導電性または金属性筐体へ、あるいは装置110の担架構造へ、接続する。上記に加えて、もしくは上記の代わりに、保護接地導体224は、監視対象装置110の回路の遮蔽または筐体と接続することもある。
構成240は電流測定装置140を備え、この電流測定装置は、例えば保護接地導体224に流れる電流を測定し、保護接地導体224に流れる電流を表す電流測定信号142を提供するように構成される。図2cから分かるように、電流測定装置140は、例えば保護接地接続180に流れる電流のみに基づき電流測定信号142を生成するように構成される。換言すると電流測定装置140は、少なくとも一部の状況下では、第1及び第2の導体220、222に(総じて負荷回路210へ、または監視対象装置110へ、電気エネルギーを提供するように構成された導体に)流れる電流または電流成分が電流測定信号142に大きく影響することがないように構成される。換言すると、本発明の実施形態によれば、例えば監視対象装置110へ電気エネルギーを提供する導体に流れる電流は考慮せず、あるいは監視対象装置110へ電気エネルギーを提供する導体に流れる電流とは無関係に、保護接地導体に流れる電流を静電気放電の存在を伝える現象として解釈する。
ここで、以下に詳述するように保護接地導体224には様々な構成があることに留意されたい。例えば保護接地導体224は、電力供給接続120の一部であってよい。例えば電力供給接続120は、多数の導体が分離不能な状態で結束されたケーブルを備える。例えば第1の導体220と、第2の導体222と、保護接地導体224は、分離不能な状態で1本のケーブルに一体化される。代替的には、第1の導体220と、第2の導体222と、保護接地導体224を1本のケーブル管路内に配置することもできる。図3bを参照しつつ後述するように、保護接地導体224を第1の導体220及び第2の導体222と分けて敷設することもできる。
電流測定装置140は、本発明のいくつかの実施形態によれば、保護接地導体224の周囲に配置された電流クランプを備え、第1の導体220と第2の導体222は電流クランプから離れた位置に敷設され、電流クランプ中には通さない。
図2dは構成の第4の可能性の概略図である。図2bに示す構成は、その全体を250で表す。構成250は監視対象装置110を備え、監視対象装置110は負荷回路210を備える。構成250は電力供給接続120を備える。電力供給接続120は、例えば第1の導体220と、第2の導体222と、保護接地導体224とを備える。第1及び第2の導体220、222は、例えば状況次第では保護接地導体224と併せて敷設することもあれば、保護接地導体224とは別に敷設することもある。ただし、1つ以上の第1の導体220及び第2の導体222に流れる電流を表す第1の電流測定信号254は、第1の電流測定装置252を使って提供する。構成250は第2の電流測定装置256をさらに備え、第2の電流測定装置は、保護接地導体224に流れる電流を表す電流測定信号258を提供するように構成される。構成250は混合器260をさらに備え、この混合器は、例えば第1の電流測定信号254と第2の電流測定信号258とに基づき、前記第1及び第2の電流測定信号254、258を混合することにより、合同電流測定信号262を提供するように構成される。合同電流測定信号262は、例えば静電気放電現象検出器150による静電気放電現象の検出に使用される。
図2dに示す構成では、電気エネルギーを供給する導体が保護接地導体から分離されている場合でも、ESD現象の検出にあたっては、負荷回路210へ、または監視対象装置110へ、電気エネルギーを供給する導体に流れる電流と、保護接地導体224に流れる電流の両方を考慮することができる。
図2eは、電力供給接続構成の第5の可能性の概略図である。図2eに示す構成は、その全体を270で表す。構成270は監視対象装置110を備える。監視対象装置110は、例えば多相負荷回路または3相負荷回路の形をとる負荷回路210を備える。構成270は電力供給接続120を備える。電力供給接続120は、例えば複数の相導体272、274、276を備え、さらに任意で1つ以上の中性導体278を備える。相導体272、274、276は例えば順方向導体とみなされ、任意の中性導体は復帰導体とみなされる。相導体と任意の中性導体は、例えば負荷回路210へ、及び/または監視対象装置110へ、電気エネルギーを提供するように構成される。
構成270は、例えば保護接地導体280を任意で備える。構成270は少なくとも1つの電流測定装置140をさらに備え、この電流測定装置は、例えば2つ以上の相導体272、274、及び276に流れるコモンモード電流を表す電流測定信号142を提供するように構成される。任意的に、電流測定装置140は、任意の中性導体278に流れる電流を、及び/または任意の保護接地導体280に流れる電流を考慮するように構成されることもある。
例えば、電流を考慮に入れる導体は、いずれも1つの電流クランプ中に通すことができる。この場合の電流クランプは、その中を通る導体のコモンモード電流成分を表す信号(すなわち電流クランプ中を通る導体上の電流の符号補正和)を、電流測定信号142として提供する。
以上を要約し、様々な電力供給接続構成を使用できる。電流測定信号の生成にあたっては、1つ以上の導体に流れる電流または電流成分を考慮する。いくつかの実施形態によれば、監視対象装置110へ、または負荷回路210へ、電気エネルギーを提供する導体に流れる電流または電流成分のみを考慮する。いくつかの実施形態によれば、1つ以上の保護接地導体に流れる電流のみを考慮する。いくつかの実施形態によれば、電気エネルギーを提供する導体に流れる電流と1つ以上の保護接地導体に流れる電流とを電流測定信号の生成にあたって考慮する。いくつかの実施形態によれば、ただ1つの電流測定装置、例えば複数の導体の周囲に配置された電流クランプを使用し、複数の導体に流れる電流を測定する。いくつかの実施形態によれば、2つ以上の電流測定装置(例えば電流クランプ)を使って電流成分を測定し、2つ以上の電流測定装置によって生成される電流測定信号を混合する。
図3aは、本発明の一実施形態に係るデバイステストシステムのテストシステムの概略図である。図3aに示すデバイステストシステムは、その全体を300で表す。デバイステストシステム300はサプライラック310とテストヘッド320とを備え、このテストヘッドは、例えばサプライラック310の外部に配置される。サプライラック310は電力供給接続330を介してテストヘッド320に接続する。サプライラック310は、例えば電力変換器312を備え、この電力変換器は、例えば本線電力接続314を介して本線電力網に接続する。本線電力網は、例えば(例えば約110V、120V、220V、または230Vの実効値を持つ)単相供給電圧を電力変換器312に提供する。本線電力網は、別の実施形態では、3相本線供給電圧を電力変換器312に提供する。電力変換器312は、例えば本線電力接続314を介して提供される本線供給電圧を異なる電圧レベルに変換するように構成される。加えて電力変換器312は、例えば交流本線供給電圧を直流テストヘッド供給電圧に変換する。この場合の電力変換器312は、電力供給接続330を介してテストヘッド320へテストヘッド供給電圧を提供する。テストヘッド供給電圧は様々な形をとる。例えばテストヘッド供給電圧は、単相交流供給電圧、多相交流供給電圧、単一の直流供給電圧であってよく、あるいは複数の直流供給電圧を備えてよい。
電力供給接続330は、図1a及び2a乃至2eを参照しつつ説明した電力供給接続120と同じであってよい。
要約すると、サプライラック310は電力供給接続330を介して1つ以上の供給電圧をテストヘッド320へ提供するように構成される。
機械的構成については、例えばオプションのキャリアアーム340によってテストヘッド320をサプライラック310に取り付ける。オプションのキャリアアーム340は、例えばサプライラック310に対するテストヘッド320の相対的移動を可能にするように構成される。オプションのアーム340は、いくつかの実施形態によれば、テストヘッド320の筐体または担架構造とサプライラック310の筐体または担架構造との間に導電接続を提供する。
ただし、いくつかの他の実施形態によれば、テストヘッド320を単独のラックまたはカート350上に置くこともある。
システム300は電流測定装置360を備え、この電流測定装置は、電力供給接続330に流れる電流または電流成分を測定して、電力供給接続330に流れる電流または電流成分を表す電流測定信号362を提供するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、電流測定装置360はケーブルまたはケーブルツリーの周囲、または電力供給接続330の複数の導体を備える1束の導線の周囲に配置された電流クランプを備える。いくつかの実施形態によれば、電力供給接続330の複数の導体を通したケーブル管路の周囲に電流クランプを配置する。
電流測定装置または電流クランプ360は、例えばサプライラック310内に配置され(図3aには図示せず)、テストヘッド320内に配置され(図3aには図示せず)、あるいはサプライラック310のケーブル出口とテストヘッド320のケーブル入口との間に配置される。サプライラック310とテストヘッド320との間に電流測定装置または電流クランプ360を配置する場合は、電流測定装置または電流クランプをとりわけ容易に設置できるという利点がある。また、ケーブルツリーは通常、サプライラック310とテストヘッド320の間で強固に束ねられる。さらに、電流測定装置または電流クランプ360をサプライラック310とテストヘッド320の間に配置すると、いくつかの実施形態によれば、静電気放電に対する電流測定装置の感度が非常に良くなる。
図3bを参照しつつ、異なるデバイステストシステム構成を以下に説明する。図3bは、本発明の別の実施形態に係るデバイステストシステムの概略図である。図3bに示すデバイステストシステムは、その全体を370で表す。ただし、デバイステストシステム370はデバイステストシステム300によく類似しているため、図3a及び3bと同じ手段及び信号については同じ参照番号で示す。ただしデバイステストシステム370のテストヘッドは、保護接地導体380を介して保護接地または保護接地端子と接続する(これはデバイステストシステム300でも可能であるが必須ではない)。保護接地導体380は、例えばテストヘッドから、例えば保護接地端子、保護接地バー、接地部品、または接地レセプタクルに至る、保護接地(PE)ケーブルを備える。
デバイステストシステム370は電流測定装置390を備え、この電流測定装置は、保護接地導体380に流れる電流を測定して、測定電流を表す電流測定信号392を提供するように構成される。電流測定信号392は静電気放電現象検出器の(例えば静電気放電現象検出器150の)入力として使用できる。
電流測定装置390は、例えば保護接地導体380の周囲に配置された電流クランプを備え、テストヘッド320の中に配置される。別の実施形態では、テストヘッド320と保護接地端子394との間に電流測定装置390を配置する。
図4a及び4bを参照しつつテストヘッドの詳細を以下に説明する。図4aは、電力供給接続によってサプライラックに接続されるデバイステストシステムでテストヘッドの概略図である。ここで、既に説明した類似する信号については同じ参照番号で示しており、それらは繰り返し説明しないことに留意されたい。
図4aの構成は、その全体を400で表す。構成400は、例えば上述したテストヘッド320を備える。テストヘッド320はテスト回路410を備え、このテスト回路は、前述の負荷回路210と同じであってよい。テストヘッド320を監視対象装置とみなしてもよい。テスト回路410は、例えば1つ以上のチャネルモジュールを備え、このチャネルモジュールは、被試験装置へテストパターンを出力し、及び/または被試験装置から信号を受信し受信信号を所期の基準信号と比較するように構成される。テスト回路は、例えば負荷回路210との関係で上述した1つ以上の電力変換器をさらに備える。電力変換器は、例えば電力供給接続330を介して電気エネルギーを受け付け、さらに1つ以上のチャネルモジュールへ電気エネルギーを提供するように構成される。ここで、チャネルモジュールの形をとるテスト回路構成が必須ではないことに留意されたい。これとは別の形をとるパターン生成器またはパターン受信器を使用することもできる。
ここで、いくつかの実施形態によれば、例えばテスト回路410を遮蔽するため導電性の筐体420内にテスト回路410が収容されることに留意されたい。テストヘッド320はさらに被試験装置(dut)インターフェイス430を備え、このdutインターフェイスは、テスト回路410と被試験装置440との間で接続を確立するように構成される。例えばdutインターフェイス430は、テスト回路410と被試験装置440との間で、例えばチャネルモジュールのチャネル出力ポートと被試験装置の入力ピンとの間で、あるいは被試験装置440の出力ピンとチャネルモジュールの入力ポートとの間で、分離可能な接続を確立する。
さらに、テスト回路410は電力供給接続330を介して電源(例えばサプライラック310に配置された電源)に接続してもよい。電力供給接続330は2つ以上の電力供給導体を備え、さらにオプションとして1つ以上の保護接地導体を備える。(テスト回路410へ電気エネルギーを供給する)電力供給導体は450及び452で表し、保護接地導体は454で表す。さらに電力供給導体で、または保護接地導体454で、電流を測定するため、1つ以上の電流測定装置(例えば電流クランプ)を配置する。1つ以上の電流測定装置の配置は460a乃至460eで表す。ただし、ここで説明する別構成を使用することもできる。
図4aを参照しつつ静電気放電現象に対する反応を以下に説明する。矢印470で示す静電気放電が発生することで、放電電流IESDが被試験装置440へ誘導されると仮定する。放電電流IESD(または少なくともその大部分)は被試験装置440から被試験装置インターフェイス430を通じてテスト回路410まで流れる。放電電流IESDは、少なくとも部分的にはテスト回路410の電力供給入力412に結合する。この結合は、例えばガルバニック結合であり、もしくは寄生容量による結合である。例えば、結合経路はテスト回路410の1つ以上の半導体素子(例えばトランジスタ)を備え、さらに誘導性、抵抗性、または容量性経路を備える。一実施形態においては、被試験装置440からテスト回路410の電力供給入力412にかけて放電電流IESDの大部分が結合する。簡潔さを期すため、ここでは全ての放電電流が結合すると仮定するが、勿論これは必須ではない。図4aから理解されるように、放電電流は2つ以上の電力供給導体に分配される。ただし、ただ1つの電力供給導体によって放電電流が誘導されることもある。また、放電電流が複数の電力供給導体へ均一に分配されるとは限らない。むしろ、電力供給導体のいずれか1つに他の電力供給導体より多くの放電電流が結合することがある。
ただし、図4aから分かるように、放電電流(またはその一部分)は被試験装置440から電力供給接続330に結合する。放電電流のうち電力供給接続330に結合する部分は、電力供給接続330によりコモンモード電流として電源まで(例えばサプライラック310に配置された電源まで)誘導される。
ここで、状況によっては静電気放電現象の大部分が電力供給導体によって運ばれ、放電電流のごく一部分(または取るに足りないほどの部分)が保護接地導体に流れることに留意されたい。したがって、保護接地導体に流れる電流を監視しなくてもある程度の静電気放電現象は検出できる。ただし多くの実施形態において、保護接地導体454と電力供給導体450、452を監視しても弊害はない。
放電電流を筐体まで誘導する静電気放電現象を、図4bを参照しつつ以下に説明する。図4bに示す構成は、その全体を480で表すが、図4aに示す構成に類似しているため、同じ信号または手段については同じ参照番号で示す。
図4bは矢印490で示した静電気放電現象を示す図である。静電気放電現象490は筐体420まで電流を誘導する。ただし、放電電流IESDによって生じる磁場が閉ループで電圧を誘導することがある。放電電流によって生じる磁場の急速な変化によって起こる誘導電圧は、被試験装置440を損傷することがあり、テスト回路410を損傷することもある。したがって、たとえ放電がテスト回路410に直接作用しない場合でも、静電気放電現象は極めて有害である。ただし、図4bから分かるように、放電電流(または少なくともその一部分)は保護接地導体454を介して保護接地まで運ばれる。したがって、静電気放電現象がテスト回路410に直接作用しない場合でも、保護接地導体454に流れる電流を検出することで静電気放電現象を検出することは可能である。
当然ながら、保護接地導体454は電力供給導体450、452と一緒に敷設されることもあれば、図3bに示すように、単独で保護接地導体まで敷設されることもある。
図5を参照しつつ電流測定装置の構成を説明する。図5は、デバイステストシステムのテストヘッドの図解を示す。図5の図解は、その全体を500で表す。図解500にはテストヘッド320が示してあり、テスト回路410は筐体420内に配置されている。保護接地導体454はテストヘッド320に接続する。保護接地導体454は、例えば筐体520の開口部510を通じて筐体420内に入る。保護接地導体454は、例えば筐体420中に、テスト回路410の保護接地接続に取り付けられる。上記の代わりに、または上記に加えて、テスト回路410の遮蔽体に、あるいはテスト回路410の接地導体に、保護接地導体454を取り付けることもある。この場合は、開口部510とテスト回路410との間で保護接地導体454に流れる電流を測定するよう電流測定装置、例えば電流クランプを配置する。換言すると、テストヘッド320の筐体420内に電流測定装置または電流クランプを配置する。
さらに別の実施形態では、筐体420の外側から開口部510を通じて筐体420の内側へ保護接地導体454を敷設する。この場合の保護接地導体454は筐体420の内側から筐体420と接続する。そして開口部510と、筐体420の内側に保護接地導体454を取り付ける位置520との間で、保護接地導体454に流れる電流を測定するよう電流測定装置または電流クランプを配置する。電流測定装置または電流クランプは、例えばテストヘッド320の筐体420内で遮蔽された場所に配置できる。
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様を以下に説明する。図8を参照しつつ、最新ESDモニタープロトタイプの構成を説明する。換言すると、図8は本発明の一実施形態に係るESDモニターシステムの概略図である。図8に示すシステムは、その全体を800で表す。システム800はデバイステストシステム810(例えばdutテスタまたは装置テスタまたはチップテスタ)を備える。デバイステストシステム(dutテスタまたはチップテスタ)810はテストヘッド822(上述したもの等)にサプライラック820(上述したもの等)を備える。電力供給接続は、例えば電力ケーブルは、上述した通りテストヘッド822をサプライラック820に接続する。さらに、電力ケーブルのまわりに高周波(HF)電流プローブを圧着する。ESDモニターシステム800はオシロスコープ830を備え、このオシロスコープは、その入力のいずれか1つでHF電流プローブから電流測定信号を受信するように構成される。
オシロスコープ830の代わりに様々な代替装置を使用できることに留意されたい。例えば、オシロスコープ830の代わりに過渡現象記録装置を使用できる。さらに別の実施形態ではデータ収集ユニット(「DAQ」とも略称する)をオシロスコープの代替として使用できる。データ収集ユニット(DAQ)は、例えばアナログ/デジタル変換器(ADC)を備える。放電電流波形の記録、蓄積、デジタル化にあたってはオシロスコープやかかる代替装置を使用できる。
いくつかの実施形態によれば、例えばUSBインターフェイスを通じてパーソナルコンピュータと接続できるデータ収集ユニットを、オシロスコープ830の代替として使用できる。いくつかの実施形態によれば、データ収集カードをパーソナルコンピュータ内に設置し、オシロスコープの代替として使用できる。
以上を要約すると、放電電流波形の収集にあたっては、例えばこれの記録、蓄積、デジタル化にあたっては、様々な種類のデータ収集ソリューションを利用できる。オシロスコープは一実施形態において、システムコントローラまたはシステムコンピュータから独立している。例えばオシロスコープは、HP−UX及びLinuxコントローラから独立している。オシロスコープ(「スコープ」と称することもある)は、いくつかの実施形態によれば可搬型である。したがってオシロスコープは、いくつかの実施形態によればテスタからテスタにかけて簡単に移動できる。いくつかの実施形態によれば、制御ソフトウェアデータベース(例えば、所謂「Verigy Production Dashboard」データベースすなわち「VPD」データベース)で目下のテスタ(すなわち、例えばHF電流プローブ経由でオシロスコープが結合されているテスタに)にインターネットプロトコルアドレス(「ip_アドレス」)を割り振る。オシロスコープ830は、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)840を通じてシステムコントローラまたはシステムコンピュータ(例えばHP−UXシステムコントローラまたはLinuxシステムコントローラ)と接続する。ローカルエリアネットワーク840は(少なくともオシロスコープ830とシステムコントローラとの接続は)、例えば当業者にとって公知の所謂「VXI11プロトコル」を用いて操作できる。
オシロスコープ830の接続先にあたるシステムコントローラで実行するソフトウェアについての詳細を以下に説明する。
いくつかの実施形態によれば、オシロスコープ830が実際のESD現象や可能性としてのESD現象を検出する場合にオシロスコープからデータを引き出すように構成されたソフトウェアをシステムコントローラで実行する。例えばオシロスコープ830は、所定の(または調整可能な)トリガーレベルに設定されるトリガー手段を持つ。電流測定装置から(例えば電流クランプから)得る電流測定信号がこのトリガーレベルを超過するとオシロスコープがトリガーされ、電流測定信号の波形を捕捉する。オシロスコープは、例えばデジタル蓄積オシロスコープであり、この場合のオシロスコープ830は、トリガーイベントに応じて電流測定信号のデジタル波形表現を得ることができる。いくつかの実施形態によれば、電流測定信号の波形でトリガーイベントより前の(すなわちトリガー閾値レベルに到達する前の)波形部分を捕捉するようオシロスコープ830を構成する。「プレトリガー」とも称されるこの機能は、最先端サンプリングオシロスコープのいくつかに実装されており、当業者にとっては周知である。オシロスコープ830は、システムコントローラで実行するソフトウェアにトリガーイベントの発生を報告または通知する。例えばシステムコントローラは、(例えばローカルエリアネットワーク経由で)トリガーイベントの有無に関してオシロスコープを定期的に照会する。ただしいくつかの実施形態によれば、オシロスコープを照会せず、オシロスコープからシステムサーバ上で実行するソフトウェアにトリガーイベントの発生を通知することもある。例えばオシロスコープは、例えばトリガーイベントに応じて、システムサーバ上で実行するソフトウェアにサービス要求メッセージを送る。システムサーバ上で実行するソフトウェアは、オシロスコープ830と通信するためのサブルーチン、スレッド、デーモン、その他のソフトウェア単位を備える。システムコントローラで実行するソフトウェアは、いくつかの実施形態によれば、例えば所謂「スコープデーモン」を、すなわちバックグランドで(例えばマルチタスクオペレーティングシステムで)作動するユーティリティ機能を備える。いくつかの実施形態によれば、システムコントローラが所謂「Verigy Production Dashboardサーバ」(「VPDサーバ」と称することもある)を備え、このサーバがスコープデーモンを実行する。図8では所謂「VPDサーバ」が850で示してある。いくつかの実施形態によれば、複数のテスタまたはデバイステストシステム(あるいは、複数のテスタまたはデバイステストシステムに接続された複数のオシロスコープ)をサポートするため、多数のデーモンを同時に(少なくともほぼ同時に)実行できることに留意されたい。VPDサーバとスコープデーモンの機能についての詳細を以下に説明する。ここで、デバイステストシステム810の活動と状態についての情報を収集し、蓄積するようにVPDサーバが構成されることは既に指摘した。いくつかの実施形態によれば、デバイステストシステム810の活動の一部または全部を制御する形にVPDサーバを構成することもある。いくつかの実施形態によれば、クライアントソフトウェアが、(例えば「Verigy Production Dashboardクライアント」または「VPDクライアント」と称するクライアントソフトウェアが、VPDサーバと通信する形に構成される。VPDサーバは、例えばデバイステストシステム810の活動及び状態に関するタイミング情報を提供する。例えばVPDサーバは、ESD現象が発生したこと(またはESD現象がいつ発生したか)を伝える情報を提供する。VPDサーバまたはVPDクライアントはこの情報をもとに、例えば時間の経過に従って並べられた、あるいは時間の経過に従って書式が組まれたイベントリストまたは表の形で、テスタカレンダーを提供する。例えばテストカレンダーは、VPDクライアントによってユーザ(または別のソフトウェアコンポーネント)へ表示または提示される。
いくつかの実施形態によれば、テスタカレンダーから静電気放電現象を閲覧、解析できる。いくつかの実施形態によれば、テスタの活動、またはテストシステムの活動に、ESD現象を相関させることができる。例えば、ESD現象の発生とテスタ故障またはテストシステム故障との相関を計算できる。
例えば、デバイステストシステム810の故障イベントとESD現象についての情報を取得する形にVPDサーバを、VPDクライアント、または(例えばVPDサーバ及び/またはVPDクライアントと通信する)補助プログラムを構成する。デバイステストシステム810の故障イベントが時間的にESD現象の近傍で(例えば所定の期間内に)発生したことをこの情報が伝える場合、VPDクライアント、VPDサーバ、または補助プログラムは、デバイステストシステム810の故障イベントの原因としてESD現象が考えられることを示唆、または警告を発することができる。
さらにVPDサーバ、VPDクライアント、または補助プログラムは、上記に加えて、または上記の代わりに、テスト結果に関する情報を取得する。例えば担当プログラム(VPDサーバ、VPDクライアント、及び/または補助プログラム)は、テスト収率または故障率を記述する情報を取得する。さらに担当プログラムは、時間的にESD現象の近傍で(例えば所定の期間内に)テスト収率の、または故障率の、著しい低下があるか否かを判断する。担当プログラムは著しい低下がある場合に警告を発し、テスタまたはテストシステムが、または被試験装置のロットが、ESD現象によるダメージを被った可能性を伝える。
ただし担当プログラムは、上記に加えて、または上記の代わりに、デバイステストシステム810の状態やテスト結果に関するその他の情報をESD現象に関する情報に相関させ、ESD現象に対し特定のイベントまたは状態変化に強い相関(例えば所定の閾値レベルを超過する相関)がある場合には、警告を発することもある。
要約すると、いくつかの実施形態によれば、(例えばVPDクライアントによって表示される)テスタカレンダーからESD現象を閲覧、解析し、テスト活動に相関させることができる。波形(例えばオシロスコープ830で捕らえた電流測定信号の波形)は、更なる解析のため、例えばCSVファイル形式に、エクスポートできる。更なる解析は、例えば高速フーリエ変換(FFT)(非特許文献3を参照されたい)や離散フーリエ変換(DFT)を用いて実施可能である。ここで、「CSV」という用語は「文字区切り値」、「カンマ区切り値」、または「コロン区切り値」を備えるファイル形式を意味し、個々の値が専用の区切り記号によって区切られることに留意されたい。
以下において、本発明による一実施形態の更なる詳細を説明する。具体的にはソリューションの原理を説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係るESDモニターシステムの概略図である。図9は、本発明の一実施形態によるソリューションの原理を図解する図である。図9に示すESDモニターシステム(デバイステストシステムの一部であってよい)は、その全体を900で表す。図9に示すESDモニターシステム900は図8に示すESDモニターシステム800に類似しているため、同じ手段及び信号については同じ参照番号で示す。図8に示すシステムと同様、ESDモニターシステム900は、システムコントローラで実行するソフトウェアによって実装されるVPDサーバ910を備える。本発明の一実施形態ではオシロスコープ830が初期状態でトリガーを待機する(参照番号922)。この初期状態で(例えばVPDサーバで実行する、またはVPDサーバに結合された)スコープデーモンはサービス要求を待機する(参照番号922)。換言すると、スコープデーモンは一実施形態においてオシロスコープ830のポーリングを行わないため、ローカルエリアネットワーク上で不必要なネットワークトラフィックは回避できる。上述した通り、オシロスコープ830は、サプライラック820をテストヘッド822に接続する電力ケーブルに圧着されたHF電流プローブから電流測定信号を受信する。ただし実施形態によれば、プローブを電力線路に接続することもできる。ある時に参照番号930におけるESD現象がテストヘッド822に作用し、例えばテストヘッド822に放電電流が送りこまれる。ESD現象930によってテストヘッド822に放電電流が印加されることによって電力ケーブルに電流パルスが発生し、電力ケーブルに圧着された電流プローブによって電流測定信号のパルスに変換される。したがって、オシロスコープ830によって受信される電流測定信号はパルスを備える。オシロスコープ830は、このパルスがトリガーレベルを超過する場合にトリガーイベントを生成する。参照番号940で示すように、トリガー(実際のESD現象、または可能性としてのESD現象)を検出したオシロスコープ830は、ローカルエリアネットワーク(LAN)からサービス要求を発する。オシロスコープ830によって生成されるサービス要求は、例えば汎用インターフェイスバス(GRIB)システムで知られるサービス要求SRQに類似する。参照番号950で示す通り、トリガーを受けてオシロスコープ830からVPDサーバ910へサービス要求が送信される。VPDサーバ、または関連スコープデーモンは、参照番号950で送信されたサービス要求を受信し、サービス要求の受信を意味する所謂「割り込み」を生成する。割り込みが検出されるとVPDサーバまたは関連スコープデーモンがESD波形を捕捉する。例えばスコープデーモンまたはVPDサーバは、(例えばトリガーの検出に応じて)オシロスコープによって捕捉された波形をシステムサーバへ(またはVPDサーバへ、またはスコープデーモンへ)ダウンロードする。任意的に、スコープデーモンまたはVPDサーバは捕捉波形(例えばオシロスコープ830によって捕捉され、VPDサーバまたはスコープデーモンへダウンロードされる波形)をデータベースに、例えばVPDデータベースに、蓄積する。この波形の捕捉と蓄積は参照番号960の箇所に示す。ステップ970では次のイベントに向けて再びオシロスコープ830を準備する。例えばVPDサーバまたはスコープデーモンは、次のトリガーイベントに応じて波形を捕捉することをオシロスコープ830に指示する信号をオシロスコープに送信する。オシロスコープの再準備は、オシロスコープの能力に応じて適当な時に行うことができる。また、参照番号970で示すオシロスコープの再準備は当然ながら任意のものとみなすべきであり、例えばトリガーイベントのたびに波形を捕捉するようオシロスコープを構成する場合がこれに該当する。
ここで、VPDサーバ、スコープデーモン、または補助プログラムは、例えば捕捉ESD波形を解析し、捕捉ESD波形が実際のESD現象なのか、それとも「誤報」(例えば、ESD現象に起因しないトリガー)なのかを判断できることに留意されたい。ただしVPDサーバまたはスコープデーモンは、別の実施形態においては、全てのトリガーイベントをESD現象の表れとみなす。換言すると、VPDサーバまたはスコープデーモンは、トリガーイベントに応じてオシロスコープで捕捉される全ての捕捉波形を、ESD現象を示す波形として解釈する。代替的に、VPDサーバまたはスコープデーモンは、いくつかの条件(後述)を満たす波形のみをESD現象とみなすこともある。
この場合は、例えばESD現象の有無を判断する際に波形の形状を考慮に入れることができる。時間領域における放電電流波形の形状をもとにESD現象の原因を「ヒトによる放電」(HBM)、「機械による放電」(MM)、「装置による放電」(CDM)、または他の何らかの既知放電モデルとして識別(または区別)することができる。
スコープデーモンは一実施形態において、規則的または不規則的な時間間隔で、例えば15秒毎に、オシロスコープ830を「ピン」するように構成される。この場合「ピン」を受信したオシロスコープ830はスコープデーモンに応答し、オシロスコープに電源が入っていること、そしてオシロスコープとスコープデーモンとのローカルエリアネットワーク接続が稼働していることを伝える。オシロスコープが予測した(または所定の期間内に)「ピン」に応答しない場合、スコープデーモンはオシロスコープに、またはオシロスコープとスコープデーモンとの接続に、問題があると認識する。例えば電力(または電力供給)やローカルエリアネットワーク接続が失われた場合(または停止した場合、または欠陥がある場合)、スコープデーモンは、例えばオシロスコープ830がオンラインに復帰した時点で(例えばオシロスコープ830との)再接続を試みる。
ここで、上述した機能、あるいは少なくともその一部を、例えば所謂「プロダクションダッシュボード」または「プロダクションダッシュボード」ソフトウェアで実装できることに留意されたい。
また、図8を参照しつつ説明した機能は、例えば所謂「プロダクションダッシュボード」で、少なくとも部分的には実装可能である。
「放電電流」を考慮に入れるソリューションについて、図10を参照しつつその詳細を以下に説明する。図10はESDモニターソリューションの概略図である。
図10は、本発明の一実施形態に係る装置テスタまたはデバイステストシステムの概略図である。図10に示すデバイステストシステムは、その全体を1000で表す。デバイステストシステム1000は、例えばサプライラック1010とテストヘッド1030とを備える。テストヘッドは、例えばサプライラック1010の外部に配置される。テストヘッド1030はまた、例えばアーム1040によって機械的にサプライラックと接続される。サプライラック1010は、例えば1つ以上の交流−直流(AC/DC)電力モジュール1012と、システムコントローラ1014と、ラックインターフェイスボード1016とを備える。サプライラック1010は、例えば本線電力ケーブル1018を備える。一実施形態においてAC/DC電力モジュール1012と、システムコントローラ1014と、ラックインターフェイスボード1016は、例えばいずれも本線電力ケーブル1018に結合する。1つ以上のAC/DC電力モジュールは、例えばテストヘッド用の供給電圧として24V乃至1000VのDC電圧を提供するように構成される。AC/DC電力モジュールは図10に示す実施形態で、例えば約355VのDC電圧を提供するように構成される。このAC/DC電力モジュールによって提供される約355VのDC供給電圧は、2つ以上のDC供給導体1042、1044を介してテストヘッド1030へ提供される。DC供給電圧導体1042、1044は、例えば上述した所謂電力供給接続の一部である。
システムコントローラ1014は、例えば光ファイバリンク1046を介してテストヘッドの1つ以上の制御ボードと結合する。システムコントローラ1014はさらに、CANバス1048を介して1つ以上の電力制御ボードにある、及び/またはテストヘッド1030の1つ以上の制御ボードにある、CANノードと結合する。この目的のため、例えばラックインターフェイスボード1016には(例えばオプトカプラを備える)光アイソレータが存在する。光アイソレータ1016bは、例えばシステムコントローラ1014によって提供されるRS232シリアルインターフェースと、サプライラック1010及びテストヘッド1030間に延在するCANバス1048との間で、分離を提供する。
テストヘッド1030は、例えば1つ以上の直流−直流電力モジュール(DC/DC電力モジュール)を備える。1つ以上のDC/DC電力モジュールは、例えばAC/DC電力モジュール1012によって提供される比較的高い電圧を1つ以上の低い電圧に、例えばDC電圧に変換するように構成される。一実施形態においては、所謂「超低電圧」がDC/DC電力モジュール1032によって生成される。いくつかの実施形態によれば、DC/DC電力モジュールはまた、AC/DC電力モジュール1012によって提供される電圧とDC/DC電力モジュールの出力電圧との間にガルバニック分離を提供する。テストヘッドはまた、例えば1つ以上の電力制御ボードを備え、この電力制御ボードは、例えば(被試験装置の給電のため)テストヘッド1030の被試験装置インターフェイスへ提供される電力供給を調整するように構成される。テストヘッド1030はまた、光ファイバリンク1046を1つ以上のチャネルモジュールに結ぶ1つ以上の制御ボードを備える。テスト対象デバイスを励起するテスト信号を生成するため、及び/またはテスト対象デバイスから信号または応答信号を受信し評価するため、チャネルモジュールを設ける。このためチャネルモジュールは通常、テストヘッド1030のdutインターフェイスに接続される。
テストヘッドと保護接地との接続を以下に説明する。
「FP」で示す基準電位は基準電位接続1050を介してラックインターフェイスボード1016の基準電位1016cに接続する。さらに、ラックインターフェイスボード1016の基準電位1016cは、例えば約5kΩの抵抗1016dを介して保護接地1070と接続する。DC電力供給導体1042、1044のいずれか1つに接続された1つ以上のAC/DC電力モジュール1012のDC出力のいずれか1つは、例えば保護接地と接続する。一実施形態において、AC/DC電力モジュールの負出力(例えば負「−」の電位を保持する出力)は、抵抗を介して保護接地1070と接続する。抵抗1012dの値は、例えば100kΩ/nの範囲内で、nは並列に接続されるAC/DC電力モジュール1012の数である。例えば、nは1乃至12の範囲内の整数である。
さらにテストヘッド1030(例えばその筐体、またはその担架構造)は、低抵抗保護接地接続1080を介して保護接地1070に接続する。低抵抗保護接地接続1080は、例えば低抵抗ケーブル、例えば銅ケーブルを備える。テストヘッド1030と保護接地1070との間で低抵抗保護接地接続を形成する上記ケーブルの断面は、例えば1.5mm以上ある。ただし、この段面積はさらに大きいほうが好ましい。いくつかの実施形態によれば、上記ケーブルの長さは20mに満たない。また他の実施形態によれば、上記保護接地ケーブル1080の長さは10mより短く、5mより短いこともある。
いくつかの実施形態によれば、サプライラック1010(またはこれの金属部分)もまた低抵抗接続またはケーブル1082を介して保護接地1070と接続する。
ここで、第1の放電経路がテストヘッド1030から保護接地接続または保護接地ケーブル1080を介して保護接地1070まで延在することに留意されたい。
また、デバイステストシステム1000は導電性の床に配置されると仮定する。例えばサプライラック1010は、導電性床上で支持脚またはローラーの上に立てる。
したがって、テストヘッド1030から保護接地に至る(または少なくとも環境電位に至る)第2の放電経路がある。第2の放電経路は、例えばテストヘッド1030からアーム1040を介してサプライラック1010まで延在する。第2の放電経路はさらに、サプライラック1010(またはこれの導電性構造)とサプライラック1010の支持脚またはローラーとを介して床に向かう。換言すると、第2の放電経路はシャシ−床経由の放電経路である。
例えば、ESD放電電流の検出にあたっては保護接地ケーブルを使用できる。保護接地(PE)ケーブルに加えて、電源ケーブル全体(例えば、相、中性、及びPE線路)、あるいは相ケーブルのみをESD放電電流の検出に使用することができる。
図10に示す構成の等価回路図を以下に説明する。図11は図10に示す構成の等価回路図である。換言すると、図11は「放電電流」を用いるソリューションの詳細を示す図である。
換言すると、図11はESDモニターソリューションの詳細を示す図である。図10に示す構成の等価回路は、例えばテストシステム(または装置テスタ)と放電経路を表す。(例えばサプライラック1010と、アーム1040と、テストヘッド1030とを備える)テストシステムまたは装置テスタ、またはその一部分は、例えばレジスタR1110と、インダクタンスL1112と、キャパシタンスC1114とを備える直列共振回路によって表される。また、直列共振回路1108は放電電流によって予め励起されていると仮定する。保護接地ケーブルを経由する第1の放電経路は、抵抗RPE1120によって表すことができる。シャシ−床を経由する第2の放電経路は、抵抗RChF1122によって表すことができる。保護接地経路の抵抗1120とシャシ−床の抵抗1122は並列に接続されているとみなすことができる。したがって総放電電流IDisは2つの電流成分に、具体的には保護接地ケーブルに流れる放電電流IPEと、シャシ−床に流れる放電電流IChFとに分かれる。この電流配分はキルヒホッフの法則とオームの法則1132を使って計算できる。保護接地経路の抵抗1120がシャシ−床経路の抵抗1122を大幅に下回ると仮定すると、オームの法則により、保護接地ケーブル経由の放電電流はシャシ−床経由の放電電流を大幅に上回ると結論づけることができる。したがって、保護接地ケーブル経由の放電電流は総放電電流IDisにほぼ等しいと仮定できる。
したがって、いくつかの実施形態によれば、保護接地接続または保護接地ケーブルに流れる電流を監視することによって、良好な総放電電流推定を得ることができる。
以下において「放電電流」を用いるソリューションの更なる詳細を説明する。図12は、ESDモニターソリューションの実験的ハードウェア構成の態様を示す図である。第1の図解1210は、電力供給接続または電力供給ケーブルの周囲、あるいは保護接地接続または保護接地ケーブルの周囲に装着できる例示的電流クランプを示す。図解1210に示す電流クランプは、例えばケーブルを遮ることなくケーブル上に嵌着できる。電流クランプ1220は、例えば高周波または無線周波数範囲で作動するように構成される。いくつかの実施形態によれば、例えば1MHzまで、3MHzまで、10MHzまで、または1000MHzまでの周波数で電流を検出するように電流クランプを構成する。
電流クランプは、一実施形態によれば10kHz乃至1000MHzの帯域幅を持つ。プローブ帯域幅(BW)と静電気放電現象の最小立ち上がり時間(tRise)との関係は、次式によって与えられる。
Figure 2010518412
(非特許文献4の10ページを参照されたい)
例えば立ち上がり時間tRise=1nsの場合、帯域幅はBW=300MHzである。
したがって、最小立ち上がり時間が約300psの静電気放電現象を検出するには、1000MHzまでの帯域幅を持つ電流プローブを使用しなければならない。
この条件を満たす電流プローブは、例えば「HF電流プローブ」と称する。ただし、実際の所要条件次第ではこれとは別の帯域幅を持つ電流プローブも使用できる。
電流プローブ(または電流測定装置)の帯域幅については、一実施形態においては、プローブが10kHz以上の最小遮断周波数を持つことに留意されたい。この場合は電力線路雑音から雑音を除去できる。
いくつかの実施形態によれば、立ち上がり時間が0.3ナノ秒に満たないパルスを検出するため、プローブは1000MHzまでの最大遮断周波数を持つ。
したがっていくつかの実施形態によれば、所謂「高周波」(HF)電流プローブを使用する。
第2の図解1220は、第1の図解1210で示した電流クランプがデバイステストシステム(例えば装置テスタまたはチップテスタ)のテストヘッドに装着された状態を示す。第3の図解1230は、テストヘッドに装着された電流クランプの拡大図を示す。第3の図解から分かるように、第1の図解1210に描かれた電流クランプはテストヘッドの保護接地ケーブルに巻きつけてある。電流クランプの測定信号出力はオシロスコープに接続するが、これは第4の図解1240に描かれている。より具体的には、電流クランプの出力はオシロスコープの入力チャネルに接続する。
第4の図解に示すオシロスコープは、例えばローカルエリアネットワークを介して(または汎用インターフェイスバスを介して、または他の何らかの計装バスまたはインターフェイスを介して)ソフトウェアと接続する。第5の図解1250には、一例として所謂「Verigy Production Dashboard」ソフトウェアが示してある。Verigy Production Dashboardは、例えば上述したプロダクションダッシュボードサーバを備える。
図12に示す構成に関し(上記に加えて、または上記の代わりに)本線電力ケーブル全体(相導線、中性導線、PA導線からなる)に、または本線電力ケーブルの一部に、例えば相導線のみに、電流クランプを巻きつけることもできることに留意されたい。
また、スコープすなわちオシロスコープの代わりに、時間の経過に従って放電電流を捕捉する別の手段を(上記に加えて、もしくは上記の代わりに)使用できることに留意されたい。
「放電電流」を用いるソリューションの更なる詳細を以下に説明する。図13は実験的構成、例えば静電気放電現象用ハードウェアモニターの図解を示す。
ここで、図13に示す図解が図12に示す図解によく類似していることに留意されたい。そのため、図12の説明を参照することもある。
第1の図解1310は電流クランプを示す。
電流クランプは一実施形態においてHF変流器として機能する。放電電流を誘導する導体またはケーブルにこのプローブを圧着すると、その導体またはケーブルが変流器の一次巻線を形成する。この変流器の一次巻線は、例えば1巻きである。
Figure 2010518412
Figure 2010518412
第2及び第3の図解1320、1330は、(例えば装置テスタまたはチップテスタの)テストヘッドで保護接地ケーブルに巻きつけられた電流クランプを示す。
(例えば保護接地ケーブルに巻きつけられた)電流クランプの出力をオシロスコープのチャネル入力に接続する場合は、第4の図解1340に示すように、電流クランプによって提供される出力電圧の波形がスコープすなわちオシロスコープによってデジタル化される。
スコープすなわちオシロスコープは一実施形態においては、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェイスによって、所謂「ダッシュボード」、または「ダッシュボードソフトウェア」に接続する。第5の図解1350には「Verigy Production Dashboard」というダッシュボードソフトウェアのスクリーンショットを示す。ダッシュボードまたはダッシュボードソフトウェアは、例えば上述した所謂「プロダクションダッシュボードサーバ」を備える。デジタル化された(例えばスコープすなわちオシロスコープによってデジタル化された)波形は、例えばプロダクションダッシュボードサーバまたはプロダクションダッシュボードサーバソフトウェアによって受信される。いくつかの実施形態によれば、デジタル化された波形をデータベースに保存する。他の実施形態によれば、デジタル化波形をさらに解析することで、デジタル化波形がESD現象に相当するか否かを判断する。いくつかの実施形態によれば、解析結果に応じてデジタル化波形の更なる処理を制御する。いくつかの実施形態によれば、デジタル化波形が実際にESD現象に相当することがデジタル化波形の解析から判明する場合に限り、デジタル化波形をデータベースに保存する。他の実施形態によれば、デジタル化波形を常にデータベースに保存してもよい。
以上を要約すると、ESDモニターソリューションの実験的構成の詳細を図13を参照しつつ説明した。
Figure 2010518412
Figure 2010518412
したがって(少なくとも凡そは、例えば少なくともVout及びIDisの大きさについて、及び/または少なくとも所定の周波数範囲については)以下の関係が成り立つ。
Figure 2010518412
電流プローブの伝達インピーダンスZは次の通りに定義できる。
Figure 2010518412
(非特許文献5の4ページを参照されたい)
対数形式で、またはdBで、以下の関係が成り立つ。
Figure 2010518412
(非特許文献5の4ページを参照されたい)
ここで、Voutは電流プローブの出力電圧を表し、IDisは放電電流を表し、Zは電流プローブの伝達インピーダンスを表す。プローブ帯域幅におけるプローブの伝達インピーダンスZは、プローブのデータシートに表示されている。
スコープすなわちオシロスコープは、いくつかの実施形態によれば時間の経過に従って電流クランプの出力電圧を捕捉し、デジタル化する。換言すると、いくつかの実施形態によればオシロスコープは、時間領域内で電流クランプの出力電圧Voutを捕捉する。
放電電流はプローブの(または電流クランプの)「感度」比=Zを使って計算できる。例えば上の式(3)で定義した所謂「プローブの感度」=Zを使用し、電流クランプ(または他の電流プローブ)の出力電圧Voutに基づき放電電流IDisを計算できる。
例えば図解1410は、電流クランプの出力電圧の時間的進化を示す。横座標1412は時間を表し、縦座標1414はボルト単位の出力電圧Voutを表す。曲線1416は出力電圧の時間的進化を示す。図解1420は放電電流IDisを表す。横座標1422は時間を表し、縦座標1424は放電電流を表す。曲線1426は放電電流の時間的進化を示す。図解1420に示す放電電流表現は、図解1410に示す出力電圧表現からプローブの「感度」比を使った計算によって得ることができる。換言すると、時間の経過に従った放電電流表現は、時間の経過に従った出力電圧表現からプローブまたは電流プローブの感度比を利用し縦座標を再スケールすることによって得られる。
「放電電流」を利用する静電気放電(ESD)モニターソリューションの更なる詳細を以下に説明する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、放電電流の測定(またはその捕捉波形)から1つ以上の情報を導き出すことができる。一実施形態によるソリューションで捕捉される情報に関しては、時間の経過に従った放電電流が分かれば、ESD現象についての極めて重要な情報を引き出すことができることに留意されたい。
1.ESD現象と非ESD現象との区別、及び/または、
2.ESD現象によって放出される電荷の量、及び/または、
3.ESD現象によって放出される電力及びエネルギーの量。
時間の経過に従って放電電流から引き出す情報についての詳細を以下に説明する。
かかるソリューションであればESD現象と非ESD現象とを区別してESD現象のみに着目し、非ESD現象は無視してもよい。いくつかの実施形態によれば、波形の(例えば放電電流の捕捉波形の)解析をESD現象と非ESD現象の区別に役立てることができる。例えば、高速フーリエ変換(FFT)や離散フーリエ変換(DFT)を使った解析をこの目的に役立てることができる。
非静電気放電現象から静電気放電現象をどのように区別するかについての詳細を以下で説明する。静電気放電の原因をどのように識別するかも説明する。本発明の一実施形態においては、テストセルの光学的監視(例えばカメラの使用)によって静電気放電現象の原因を識別できる(非特許文献2の44ページを参照されたい)。テストセルは、例えばテストシステムが配置される領域を備える。テストセルは、実際の環境次第ではテストシステムまたはテストヘッドを取り巻くエリアとして定義できる。
静電気放電の原因を識別するには以下の構成を使用する。
・テストセル全体を見渡す位置に(例えば「サプライラック」上に)カメラを置く。
・放電電流波形が捕捉された後(例えばサービス要求によって)、カメラをトリガーしてテストセルの写真を撮影する。カメラは別の実施形態で連続写真を提供し、それらの写真は放電電流波形が捕捉されない場合に破棄してかまわない。こうして静電気放電現象が起きた時の(あるいは少なくとも時間的に放電現象が起きた時に近い)テストセルの画像を得る。
・放電電流波形のデータ解析
・ケース1:放電を静電気放電現象と分類する:放電中に(あるいは、例えば放電の直前または直後に)撮影したテストセルの写真は、静電気放電の原因を高い確実性で識別するのに役立つ。例えばテストセルを撮影した写真は、オペレータ、ハンドラ、プローバ、DUTボード、または他の何らかの衝撃から、放電現象の原因を(高確度で)判断するのに役立つ。
・ケース2:放電を非ESD現象と分類する。写真は削除または破棄する。
以上を要約すると、電流測定信号を用いた実際の、または可能性としての、静電気放電現象検出に応じて、テストセルの写真(またはテストシステムで静電気放電の危険が最も高い手段の写真)を撮影する。撮影画像は、時間的に静電気放電現象に近い、例えば静電気放電現象の直前の、静電気放電現象の最中の、または静電気放電現象の直後の、テストセル(またはテストシステムで最も危うい要素)を表示するよう撮影する。撮影された(静電気放電現象の検出に応じて撮影された)画像はその後の解析のため、例えばテストシステムのオペレータによって、データベースに投入してもよい。
ESD現象によって放出される電荷については、ESD現象によって放出される電荷の情報がESD現象の原因特定に役立つことに留意されたい。いくつかの実施形態によれば、ESD現象によって放出される電荷についての情報を得る方法として、時間の経過に従った放電電流の集積を使用する。
ESD現象によって放出される電力及びエネルギーについては、エネルギーがESD現象のダメージポテンシャルを特徴付ける究極的情報であることに留意されたい。いくつかの実施形態によれば、ESD現象によって放出されるエネルギーについての情報を得る方法として、時間の経過に従って伝達される電力の集積を使用する。
放電電流を使用するESDモニターソリューションで捕捉される情報をもとにESD現象と非ESD現象を区別する方法を以下で説明する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、波形(例えばオシロスコープによって捕捉される放電電流の時間領域波形)の高速フーリエ変換、または離散フーリエ変換を(あるいは他の何らかの適当な変換を)実行し、時間領域から周波数領域に変換する。例えば図15は、時間領域と周波数領域で波形の図解を示す。第1の図解1510は、時間領域でオシロスコープによって捕捉された放電電流を表す。横座標1512は時間を表し、縦座標1514は、例えば時間測定信号の電圧レベルを表し、これは例えば測定される電流または電流成分に比例し、例えばESDの放電電流を反映する。曲線1516は時間領域で電流測定信号を(または、少なくとも凡そはESD電流を)表す。
図解1520は周波数領域で電流測定信号を表す。横座標1522は周波数を表し、縦座標1524は、例えばパワースペクトル密度を表す。曲線1526は、例えば電流測定信号の(または、少なくとも凡そはESD放電電流の)パワースペクトル密度を表す。ESD放電電流の周波数依存パワースペクトル密度を得るには、例えば高速フーリエ変換や離散フーリエ変換等の時間領域−周波数領域変換を電流測定信号(またはESD電流)の時間領域表現に適用する。電流測定信号(またはESD電流)の周波数領域表現を基づき、電流測定信号の一部がESD現象に相当するか否かを判断できる。例えば電流測定信号の周波数領域表現にテンプレートを適用し、電流測定信号の周波数領域表現がテンプレートで定める限度内(例えば周波数依存限度内)に入るか否かをチェックできる。電流測定信号の周波数領域表現がテンプレートの限度内であれば、その電流測定信号はESD現象に相当すると判断できる。もしくは、電流測定信号は非ESD現象に相当すると判断できる。代替的に、もしくは上記に加えて、複数の既定周波数におけるパワースペクトル密度の比が所定の範囲内にあるか否かをチェックできる。2つのパワースペクトル密度(または周波数スペクトルを特徴付ける同様の数量)の比が所定の範囲内にあれば、電流測定信号はESD現象に相当すると結論づけることができる。もしくは、電流測定信号は非ESD現象に相当すると判断できる。
いくつかの実施形態によれば、捕捉された電流測定信号の周波数領域解析をオシロスコープで実行できる。他の実施形態によれば、システムコントローラにおける解析は、例えばプロダクションダッシュボードソフトウェアにより、あるいはオシロスコープデーモンにより実行できる。
また、捕捉された電流測定波形の上記の解析に応じて捕捉波形の更なる処理を制御できる。例えば実施形態によれば、捕捉電流測定信号が非ESD現象に相当すると判定する場合に捕捉電流測定波形を破棄する。
以上を要約すると、曲線1516は時間領域で電流測定信号の(または、少なくとも凡そは放電電流の)波形を表す。曲線1526は、周波数領域で電流測定信号の(または、少なくとも凡そは放電電流の)波形を表す。一部の実施形態は、周波数領域においてESD現象の波形が非ESD現象の波形と違って見えるという考えに基づく。したがって、一部の実施形態によれば周波数領域における波形がESD現象と非ESD現象の区別に役立つ。
放電電流を使用するESDモニターソリューションで捕捉する情報として、ESD現象によって放出される電荷をどのように割り出すかを以下に説明する。
いくつかの実施形態によれば、例えば時間の経過に従った放電電流(IDis)の集積を用いて、ESD現象によって放出される電荷(QDis)を計算できる。いくつかの実施形態では次式を評価する。
Figure 2010518412
(非特許文献5の25ページを参照されたい)
いくつかの実施形態によれば、ESD現象の始まりからESD現象の終わりにかけて時間の経過に従って放電電流を集積する。ESD現象の始まりは、例えば電流測定信号がトリガー閾値に達する時間に基づいて定義する。ただし、いくつかの実施形態によれば、トリガーイベントより前にESD現象の始まりを定義する。ESD現象の終わりの定義の方法はかなり異なる。例えばESD現象には、トリガーイベントから、またはESD現象の始まりから、計算した一定の最大持続時間があると定義する。いくつかの他の実施形態によれば、電流測定信号が少なくとも所定の期間にわたって一定の閾値を下回る場合にESD現象が終わったと仮定する。
以下において、時間に対する電流測定信号(または電力供給接続に流れる、あるいは保護接地接続に流れる、電流または電流成分)の図解を示す図16を参照する。横座標1612は、(例えばトリガーイベントを基準に−100ナノ秒から100ナノ秒までの範囲内の)時間を表す。縦座標1614は、電流測定装置によって測定される電流または電流成分(例えばESD放電電流に近似)を表す。曲線1616は、時間関数としての放電電流を示す。曲線1616より下のエリアは(例えば曲線1616と定常電流値(例えばIDis=0の値)との間は網掛け1618でマークしてある。ここで、ESD現象の始まりがトリガーイベントより前の時間に、例えば時間tbeginに、なっていることに留意されたい。ESD現象の終わりは終了時間tendになっている。換言すると、網掛けは静電気放電によって放出された電荷の量を意味する。換言すると、時間の経過に従って(例えば開始時間tbeginと終了時間tendとの間に)集積される放電電流IDisは、グラフの下のエリアに等しい。この集積放電電流は、場合によっては電荷または放電電荷に等しい。
放電電流を使用するESDモニターソリューションで捕捉する情報として、ESD現象によって放出される電力及びエネルギーをどのように割り出すかを以下に説明する。
第1のステップとして、ESD現象によって伝達される電力PDisを計算できる。例えば、電力の計算にあたっては次式を適用できる。
Figure 2010518412
(非特許文献5の25ページを参照されたい)
式中、RDisは放電経路のインピーダンス(または抵抗)を表す。IDisは、(例えば時間に対する)放電電流を表す。
ここで、放電経路のインピーダンスまたは抵抗を、例えば経験値に基づき測定、計算、または推定できることに留意されたい。状況次第では放電経路のインピーダンスの一部、例えば放電にとりわけ敏感な部分を考慮すれば十分である。
第2のステップでは、ESD現象によって伝達されるエネルギーWDisを求めることができる。いくつかの実施形態によれば、時間の経過に従った電力の(例えば電力PDisの)集積を適用できる。いくつかの実施形態においては次式を評価できる。
Figure 2010518412
(非特許文献5の26ページを参照されたい)
集積の評価を行う期間は、例えば総電荷計算との関係で上述した通りに割り出すことができる。換言すると、ESD現象の始まりと終わりを得ること、計算すること、または推定することができる。
いくつかの実施形態によれば、エネルギーがESD現象のダメージポテンシャルを特徴付ける究極的情報となる。
いくつかの実施形態によれば、放電経路のインピーダンスRDisがシステムハードウェアに固有のものであることに留意されたい。換言すると、インピーダンスRDisはシステム固有、構成固有、及び/または周波数依存である。
本発明のいくつかの実施形態の更なる態様を以下に開示する。本発明のいくつかの実施形態によれば、半導体テストシステムで(例えばVerigy V93000テストシステムで)電流クランプを使ってESD現象の放電電流を捕捉することにより、以下の問題を解決する。
ソリューションのスケーラビリティ:
一態様によれば、ここで説明するソリューションのいくつかの実施形態はテスト構成にかかわらず数多くのテストシステム(例えばV93000テストシステム)で通用し、もしくはいかなるテストシステムでも通用する。それは、本発明のいくつかの実施形態では保護接地または電力ケーブルに電流クランプを圧着して使用するためである(保護接地ケーブルまたは電力線路はどのシステムにも存在する)。
対照的に、所謂「過渡法」を用いる実験で過渡電場を使用するESD検出法がシステム構成(例えばV93000テストシステム)の幾何学的配置に非常に敏感であることが分かっている。「過渡法」を適用すると、V93000テストシステムのDUT IFで電磁波の反射、吸収、遮断等が起こる。これらの現象はソリューションの検出・定量化能力に悪影響をおよぼす。
また、「過渡法」を用いる実験では、過渡電場を使用するソリューションを個々のシステムに合わせて調整するのが困難であることも分かっている。換言すると、過渡法を用いるソリューションはある一つのシステムで通用しても(例えばシステム構成の幾何学的配置の違いのため)別のシステムでは通用しないことがある。
ソリューションの設置:
ここで説明するソリューションの設置は、いくつかの実施形態によればテストシステムの妨げにはならない(妨げになるとしても取るに足りない)。換言すると、いくつかの実施形態によればソリューションの設置にあたってテストシステムの稼働を止める必要がない。それは、いくつかの実施形態によれば、保護接地ケーブルの周囲に電流クランプを圧着させ、データ収集装置(DAQ)は、及び/またはスコープすなわちオシロスコープは、差し込み口とローカルエリアネットワーク(LAN)接続に接続し、「Verigy Production Dashboard」ソフトウェアパッケージ(または上述した同等のソフトウェアパッケージ)はサーバにインストールするためである。
当然ながら、ケーブル接続を開かずにケーブルの周囲に設置できるのは「圧着式」の電流プローブのみである。「密閉式電流プローブ」の場合はケーブルに割り込んで(例えば切断して)プローブの開口部にケーブルを通す必要がある。
対照的に、「過渡法」を用いる実験で過渡電場を使用するソリューションをテストシステム(例えばV93000テストシステム)に取り込むには、システムハードウェアへの多大な介入をともなうことが分かっている。「過渡法」を用いる構成では、例えばアンテナとセンサを設置し、アンテナのケーブルをテストヘッド等の中に通す必要がある。
ソリューションの稼働:
ここで説明するソリューションの稼働は、いくつかの実施形態によれば、システム稼働の妨げにならない(妨げになるとしても取るに足りない)。それは、一部の実施形態で使用する電流クランプは「受動的」要素であるためである。
ESD現象の解析:
「Verigy Production Dashboard」(VPD)か上述した機能を果たす同等のソフトウェアまたはハードウェアを使ってESD現象を解析すれば、1回のESD現象から(またはESD現象のたびに)以下の情報を導き出すことができる。
一般情報
・ESD現象が発生した日付
・ESD現象が発生した時刻
テスタ固有情報
・ESD現象が発生したテストシステム
・ESD現象が発生した際のテストシステムの状態
稼働固有情報
・システムを使用するオペレータに関する情報
・被試験装置に関する情報
・テストプログラムに関する情報
・ロットとウェハに関する情報
・収率とビニングに関する情報
ESD固有現象情報
・ESD現象の検出
・ESD現象の大きさの定量化
・ESD現象の持続時間
ここで、上記の情報のすべてを導き出す必要はないことに留意されたい。いくつかの実施形態によれば上記の情報項目のいずれか1つを導き出せば十分である。いくつかの実施形態によれば上記の情報項目を一切取得しない。また、いくつかの実施形態によれば上記の情報項目をESD現象に関連付けたり、相互に関連付けることができ、関連付けた1組の情報から詳しい解析が可能となることに留意されたい。
「ESDモニターソリューション」のESD現象検出・定量化能力を、テストデータ収集ソフトウェアによって収集されるデータ、例えば「Verigy production dashboard」によって収集されるデータに組み合わせることで、以下に記す成果の一部または全部を得ることができる。
・ESD現象をリアルタイムで検出できる。
・ESD現象を製造工程データに(例えばESD現象後の生産収率低下に)相関させることができる。
・ESD現象をシステム状態(例えばESD現象後のシステム不具合、例えば診断/較正不具合)に相関させることができる。
本発明の実施形態で達成できる有利な効果を以下に説明する。既に述べた有利な効果に加え、本発明のいくつかの実施形態によれば捕捉データからESD現象についての極めて重要な情報を抽出できる。
いくつかの実施形態によれば、かかるソリューションによって捕捉される情報は、時間領域におけるESD現象の放電電流である。例えば、オシロスコープ(または他の何らかの波形捕捉装置)で波形(例えば放電電流の波形)を捕捉する。
図6aを参照すると、例示的な波形を示してある。図6aの図解は、その全体を600で表す。横座標610は時間を表し、縦座標612は捕捉波形の信号レベルを表す。曲線614は放電電流を時間領域で表し、曲線616は放電電流を周波数領域で表す。
図6bは再構成された波形の図解を示す。図6bの図解は、その全体を650で示す。換言すると、図6bは(少なくとも凡そは)図6aと同じ波形を示す。波形(例えば時間領域の波形)はオシロスコープによってデジタル化され、データベースに蓄積される。横座標660は時間(例えば−550ナノ秒乃至550ナノ秒範囲)を表し、縦座標662は、ESD放電電流に相当するか、もしくは例えばESD放電電流に少なくとも凡そは比例する、再構成波形のレベルを表す。曲線664は再構成波形を表す。
捕捉情報(例えば時間領域でESD現象の放電電流を表す情報)は、ESD現象をある程度詳しく、あるいは非常に詳しく、解析するのに役立てることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、以下に記す1つ以上の成果を得ることができる。
・ESD現象の検出:全てのESD現象が捕捉され、補足し逃すことはない(補足し逃したとしてもその数は取るに足りない)。
・ESD現象の定量化:放電電流を時間領域で捕捉することにより、ESD現象の大きさを定量化できる。ESD現象から得ることができるデータは次の通りである。
・放電電流のピーク・トゥ・ピーク値。
・ESD現象中に放出される電荷の計算(ESD現象の原因特定に有益)。
・ESD現象中に伝達される電力及びエネルギーの計算(ESD現象のダメージポテンシャルを特徴付けるのに有益)。
・ESD現象の周波数スペクトル解析:
図7を参照しつつ周波数スペクトルを説明する。図7の図解は、その全体を700で表す。横座標710は時間を表し、縦座標712は電流クランプから提供される出力信号のレベルを表す。第1の曲線614は、電流クランプの出力を時間領域で表す(=放電電流)。曲線616は、電流クランプの出力を周波数領域で表す(=高速フーリエ変換(FFT)か離散フーリエ変換(DFT)で処理された時間領域データ)。
周波数領域情報または周波数領域表現を得る一方法では、高速フーリエ変換(FFT)か離散フーリエ変換(DFT)を行って時間領域から周波数領域にかけて放電電流を変換する。
いくつかの実施形態によれば、周波数領域情報をもとに「信号形状」を捕捉できるほか(非特許文献3を参照されたい)、ESD現象の原因特定に役立つESD現象の「指紋」を捕捉できる。換言すると、ESD現象の原因に対応する基準指紋として指紋(例えば周波数領域)を保存できる。そして、実際の捕捉ESD現象の指紋を1つ以上の基準指紋と比較できる。捕捉ESD現象の指紋と基準指紋との一致度が十分に大きければ、あるいは捕捉ESD現象の指紋と基準指紋との差異が所定の差異限界を下回るとすれば、そのESD現象の原因が基準指紋のそれであることが分かる。
いくつかの実施形態によれば、周波数領域における放電電流波形の「形状」をもとにESD現象の原因を特徴付けることができる。周波数領域における放電電流の形状をもとにESD現象の原因を「ヒトによる放電」(HBM)、「機械による放電」(MM)、「装置による放電」(CDM)、または他の何らかの既知放電モデルとして識別(または区別)することができる。
「ESDモニターソリューション」のいくつかの態様を以下に要約する。
いくつかの実施形態によれば、以下の応用が可能である。
・半導体テストシステムにおける連続リアルタイムESD現象検出、及び/または
・集中電力線路を使用するESDに敏感なあらゆる(もしくは少なくとも一部の)計器/システムにおける連続リアルタイムESD検出。
本発明のいくつかの実施形態は、設置に関して以下に記す1つ以上の効果または利点をもたらす。
・システム稼働を中断しない、
・テストヘッド(たとえばV93000テスタのテストヘッド)に追加のハードウェアを設置しない。
本発明のいくつかの実施形態は、ESD現象の検出に関して以下に記す1つ以上の効果または利点をもたらす。
・測定手法により費用効果と信頼性に優れるESD現象検出、
・ESD現象を検出し逃さない(ESD現象の検出し逃しがあるとしても、その数は取るに足りない)、
・ESD現象の大きさの定量化、
・ESD現象の閾値レベルはプログラム可能。
本発明のいくつかの実施形態は、ESD現象の解析について以下に記す1つ以上の特性を判断できる。
・例えば静電気放電現象の最初のパルスの(または後続パルスの)立ち上がり時間(t10/t90)。立ち上がり時間の情報をもとに、ESD現象の原因を「ヒトによる放電」(HBM)、「機械による放電」(MM)、「装置による放電」(CDM)、または他の何らかの既知放電モデルとして識別(または区別)できる、
・ESD放電電流の振幅(例えばピーク電流Imax)、
・ESD放電電流の極性。静電気放電電流の極性をもとに、例えば静電気放電現象の種類や原因を判断できる、
・ESD現象の持続時間。持続時間の情報をもとに、ESD現象の原因を「ヒトによる放電」(HBM)、「機械による放電」(MM)、「装置による放電」(CDM)、または他の何らかの既知放電モデルとして識別(または区別)できる、
・ESD現象の電荷、
・ESD現象の電力、
・ESD現象のエネルギー、
・時間領域におけるESD放電電流、及び/または
・周波数領域におけるESD放電電流。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ESD現象に関する情報をシステム稼働(例えば装置テスタのシステム稼働)情報に相関させ、相関が所定の閾値を超過する場合には警告を得ることができる。
いくつかの実施形態によれば「Verigy production dashboard」(または他の何らかの同等のソフトウェア)を用いてシステム稼働との相関を取得または計算できる。
相関を得るにあたっては、以下に記す1つ以上の情報を検討できる。
・一般情報:
・ESD現象が発生した日付、及び/または
・ESD現象が発生した時刻。
・テスタ固有情報:
・ESD現象が発生したテストシステム、及び/または
・ESD現象が発生した際のテスタの状態、及び/または
・静電気放電現象が発生した際のテストシステム構成。例えば静電気放電現象の際にシステムにあるハードウェアの識別情報を確認できる。ハードウェアの識別は、例えばハードウェアシリアル番号に基づく。
・稼働固有情報:
・システムを使用するオペレータに関する情報、
・被試験装置に関する情報、
・テストプログラムに関する情報、
・ロット及び/またはウェハに関する情報、
・収率とビニングに関する情報。
・テスタ及び製造工程状態との相関:
・製造工程データ(例えばESD現象後の生産収率低下)に対するESD現象の相関、及び/または
・システム状態(例えばESD現象後のシステム故障)に対するESD現象の相関。
本発明のいくつかの実施形態は、例えば自動テスト装置(ATE)業界において以下に記載の1つ以上の利点をもたらす:
・ESD現象を検出/防止する費用効果的ソリューション、
・(顧客及び/または自動テスト装置供給元にとっての)費用節約、
・(自動テスト装置システム及び/または装置に関わる)損失の防止、
・自動テスト装置システムの稼働時間向上、
・品質保証−ESD現象と被試験装置ロットとの相関、
・不良製品の出荷防止、
・異なるテストシステムに拡張可能、及び/または
・システム稼働の妨げとならない(「受動的」要素)。
非ESD現象からESD現象を区別するアプローチを以下に説明する。上述した通り、本発明のいくつかの実施形態によれば、電流測定信号を用いて静電気放電現象を検出する。いくつかの実施形態によれば、例えば時間領域による、または周波数領域による、電流測定信号の解析により非静電気放電現象から静電気放電現象を区別する。ただし、いくつかの実施形態によれば、非静電気放電現象から静電気放電現象を区別するため静電場か静電電圧を追加で評価することもできる。換言すると、静電場や静電電圧を追加のパラメータとして監視できる。バックグランドに基づく静電場または静電電圧の評価から、静電気放電現象に先立ち静電場または静電電圧が増加することが分かっている。(静電)電圧がブレークダウン電圧に遭遇するとESD現象が起こる。
したがって、半導体テストシステムのテストセル内で静電場か、または静電電圧を監視することは次の事柄に役立つ。
・「起ころうとしているESD現象」を予測し、それをユーザに「警告」する。例えば静電場または静電電圧が増加し、所定の閾値に達するか、または超過する場合は、警告を発することができる。
・テストセル内で静電気の発生源を検出する。1つの静電気発生源から1つのESD現象が起こることもあれば、多数のESD現象が起こることもある。さらに、静電気保護区域(EPA)内の最大許容静電電位及び静電場強度は工業規格で定められている。また、多くの実施形態では1つ以上のテストシステムがEPAに設置される。
・放電波形の捕捉と並行して静電場または静電電圧の(急速な)変化をESD現象に照合する。
・テストセル内で静電場、静電電圧、または静電電位を監視するには、様々な種類の計器を使用できる。例えば静電電圧計、電界計、Eフィールドプローブ等を使用できる。当然ながら、必要であればそれらの計器のいくつかを組み合わせて使用することもできる。
以上を要約すると、いくつかの実施形態によれば静電電位を監視する装置がESDモニター構成の一部をなす。
いくつかの実施形態によれば、静電気放電の検出及び/または特徴付けにあたって更なるパラメータを使用できる。
・光放射場。
・磁気放射場
詳細については非特許文献6を参照されたい。
上記の論文においては、電流、磁場、光放射場等、静電気放電を特徴付けるパラメータについて検討している。ESDによって発生する光放射場と磁場を、時間領域における電流シグネチャと併せて測定している。初期発達中に光パルスの時間的変動が電流のそれに類似することは観察から明らかになっている。ピーク電流は約0.9の相関係数でピーク光放射とほぼ相関する。これらの結果から、光放射と磁場を用いることで直接的に測定することが困難な静電気放電の電流を遠隔的に感知できることが明らかである。
以上を要約すると、放電電流に加えて静電電位、光放射場、磁気放射場を測定できる。静電気放電現象の認識、及び/または特徴付け、及び/または分類は、上記特性(ESD電流の波形、及び/または静電場及び/または光放射場及び/または磁気放射場の大きさまたは時間的進化)のいずれかを用いて果たすことができる。
ここで、ソリューションの概念を説明していることに留意されたい。しかし、かかるソリューションは、当然ながら当業者にとって周知の様々な方法で変形または改良することができる。
図17及び18を参照しつつ本発明による方法の実施形態を以下に説明する。図17は、監視対象装置において静電気放電現象を検出する方法のフローチャートである。図17に示す方法は、その全体を1700で示す。方法1700は、電流かその電流成分を表す電流測定信号を得るため、電力供給接続に流れる電流かその電流成分を測定すること1710を備える。方法1700はさらに、電流測定信号のパルスに応じて静電気放電現象を検出すること1720を備える。
図18は、本発明の一実施形態に係る静電気放電を検出する更に別の方法のフローチャートを示す。図18に示す方法は、その全体を1800で表す。方法1800は、電流を表す電流測定信号を得るため、監視対象装置を保護接地に接続する保護接地接続に流れる電流を測定すること1810を備える。方法1800はさらに、電流測定信号に基づき静電気放電現象を検出すること1820を備える。
図17及び18を参照しつつ説明した方法1700、1800は、本発明の他の実施形態との関係でここに開示するステップまたは特徴で補うことができることに留意されたい。加えて、本発明の一部の実施形態はコンピュータプログラムを使って実装できる。
本発明の方法は、実装要求に応じてハードウェアかソフトウェアで実施できる。かかる実装は、プログラム可能コンピュータシステムと協働しつつ本発明の方法を実行する電子的に読み取りが可能な制御信号を蓄積するデジタル蓄積媒体を使って、例えばフロッピーディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリを使って、達成することができる。このため本発明は、通常であれば機械可読担体にプログラムコードを蓄積するコンピュータプログラム製品であって、コンピュータでコンピュータプログラム製品が実行するとプログラムコードが本発明の方法を実行する。換言すると、本発明の方法は、コンピュータで実行された時に本発明の方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
単巻変圧器
図19を参照しつつ本発明のさらに別の実施形態を以下に説明する。図19は、本発明の一実施形態に係るテストシステムの概略図である。図19に示すテストシステムは、その全体を1900で表す。テストシステム1900は図3aに示すテストシステムに類似するため、同じ手段及び信号については同じ参照番号で示す。
ただしテストシステム1900で、電力変換器312に電気エネルギーを供給する本線電力接続314は本線電力網に直結しない。本線電力網1920と電力変換器312の本線電力接続314との間には本線電力結合装置1910が接続されている。
本線電力結合装置1910は、例えば本線電力網1920から提供される電圧レベルを電力変換器312の作動に使える電圧レベルに変換することに適する。上記の代わりに、または上記に加えて、本線電力結合装置1910は本線電力網1920から電力変換器312へ提供される電圧または電流をフィルタすることに、及び/または安定させることに適する。例えばローパスフィルタ特性を備える本線電力結合装置により、本線電力網1920に存在する高周波歪を本線電力接続314にて低減または解消する。一実施形態においては、本線電力網1920に存在するインパルス歪を本線電力接続314で低減または抑制するよう本線電力結合装置1910を構成する。
一実施形態において、本線電力結合装置は例えば単相または多相(例えば3相)本線供給電圧を異なる電圧レベルに変換するように構成された変圧器または単巻変圧器を備える。例示的単巻変圧器の詳細は後述する。
さらに別の実施形態において、本線電力結合装置は本線電力フィルタを備える。この本線電力フィルタは、例えば本線電力網1920の相と本線電力接続314の相との間に接続されたローパスフィルタを備える。当然ながら、いくつかの実施形態によれば本線電力網1920の全ての相につき、あるいは本線電力接続314の全ての相につき、フィルタが存在することもある。
さらに別の実施形態において、本線電力結合装置1910は能動的または受動的本線電力安定器を備える。(モーターと発電器とを備える)電気機械式本線電力安定器から(能動電子回路等を備える)電子式本線電力安定器まで、様々な種類の本線電力安定器が当技術分野において知られている。
システム1900は、いくつかの実施形態によれば本線電力接続314に流れる電流または電流成分を測定して、本線電力接続314に流れる電流または電流成分を表す電流測定信号362を提供するように構成された電流測定装置を備える。
電流測定装置360は、いくつかの実施形態によればケーブルまたはケーブルツリーの周囲、または本線電力接続314の複数の導体を備える1束の導線の周囲に配置された電流クランプを備える。
上述した通り、電流測定信号362を評価することで静電気放電現象を検出する。
ここで、電流測定装置360に様々な構成があることに留意されたい。例えば電流測定装置360は、1つ以上の相導体と、1つ以上の中性導体と、1つ以上の保護接地導体とを含む全本線電力接続314で電流を測定するように構成される。
いくつかの他の実施形態によれば、本線電力接続314の一部の導体に流れる電流のみを測定するよう電流測定装置360を構成する。図2a乃至2eにはあらゆる可能な構成が示してある。
ここで、本線電力結合装置1910が存在することで、本線電力網1920に接続された他の装置から発生する歪が本線電力接続314で抑えられることに留意されたい。例えば、本線電力網1920に接続された伝導性または容量性負荷によって本線電力網1920に歪が生じる。特に、本線電力網1920に接続された他の装置のスイッチングによって本線電力網に歪が生じることもある。本線電力結合装置1910がなければ、本線電力網の歪は、例えば電流測定装置360によって提供される電流測定信号362に大きく影響する。本線電力結合装置1910が存在することで、本線電力網1920から発生する歪が抑えられる。いくつかの実施形態によれば、ローパスフィルタ特性を備える本線電力結合装置1910によってインパルス歪を低減または抑止する。いくつかの実施形態によれば、本線電力結合装置1910が本線電力網1920と本線電力接続314との間にガルバニック分離を提供することで、本線電力網1920での電圧ピークは本線電力接続314から(少なくともある程度は)分離される。ここでも電流測定信号362の歪の減少が検出される。
その結果、信頼性に優れる静電気放電現象検出に電流測定信号362を役立てることができる。
本線電力結合装置1910の一例として、単巻変圧器を以下に説明する。図20は、本発明の一実施形態に係る単巻変圧器のブロック概略図である。図20に示す単巻変圧器は、その全体を2000で表す。単巻変圧器2000は単巻変圧器入力2010を備える。単巻変圧器入力2010は、例えば本線電力網に結合する。例えば単巻変圧器入力2010は、単相または多相(すなわち3相)接続を備える。3相は、例えばL1、L2、及びL3で示す。単巻変圧器入力2010はさらに、例えばPEで示す保護接地入力を備える。単巻変圧器2000はさらに、例えば単相または多相(例えば3相)接続を備える単巻変圧器出力2020を備える。例えば相はL1、L2、及びL3で示すことができる。単巻変圧器出力2020はさらに、例えば中性導体出力接続(例えばNで示す)と保護接地接続(例えばPEで示す)とを備える。
一実施形態においては、変圧器または単巻変圧器が、例えば単巻変圧器2030が、単巻変圧器入力2010と外部変圧器出力2020との間に接続されることで、単巻変圧器出力2020の1つ以上の相導体における電圧振幅は、単巻変圧器入力2010の1つ以上の導体における電圧の電圧振幅と異なる。
例えば変圧器または単巻変圧器2030は、200ボルト、208ボルト、440ボルト、または480ボルトの入力電圧を400ボルトの出力電圧に変換するように構成される。ただし、上記以外の変圧比も当然ながら可能である。
いくつかの実施形態によれば、単巻変圧器が変圧器鉄心上に配置された1つ以上の変圧器巻線を備えることに留意されたい。この場合は1つ以上の変圧器巻線が、少なくともある程度は本線電力フィルタとして機能し、本線入力2010からの歪は少なくとも本線出力2020にて減衰する。いくつかの他の実施形態によれば、単巻変圧器入力2010と単巻変圧器出力2020との間でガルバニック分離を提供するよう変圧器2030を構成する。この場合、いくつかの実施形態によればさらに良好な本線歪減衰を得ることができる。
ここで単巻変圧器入力2010が、例えば図19に示す本線電力網1920に結合することに留意されたい。また、単巻変圧器出力2020は、例えば図19に示す本線電力接続314に結合する。
当然ながら、単相単巻変圧器として単巻変圧器を実装することもできる。
当然ながら、単巻変圧器が他の実施形態と組み合わせて使用されることもあることに留意されたい。例えば、単巻変圧器は図1a、1b、2a、2b、3a、3b、4a、4b、5、8、9、及び10に示す構成と組み合わせることができる。
単巻変圧器(または変圧器、または種類の異なる本線電力フィルタ、または本線電力安定器)を備える一実施形態は次の通りに説明できる。
テストシステムは外部変圧器によって給電される。この構成では、本線電力接続(または本線電力網)とテストシステムとの間に(例えば本線電力網とサプライラックとの間、または本線電力網とテストヘッドとの間に)変圧器がある。いくつかの実施形態によれば、単巻変圧器(または別の変圧器、または本線電力フィルタ、または本線電力安定器)とサプライラックとの間に、あるいはサプライラックとテストヘッドとの間に、プローブ(例えば電流プローブまたは電流クランプ)を配置する。単巻変圧器を使用する構成は、例えば「V93000単巻変圧器」として知られている。
上記の記載を鑑み、電流プローブまたは電流測定装置は様々な配置が可能であり、それぞれ長所と短所とがある。
サプライラックに対する電流測定装置または電流プローブの配置に関し、いくつかの実施形態によれば、サプライラック310内の電力変換器312が本線電力接続314からのガルバニック絶縁を構成すると言える。例えば、(例えば図2a乃至2eに示す)電力変換器312より手前の電力供給接続沿いに(例えば本線電力接続314沿いに)配置された電流プローブまたは電流測定装置は、例えば電力線路から、または本線電力網から、雑音を拾う。このためプローブは非ESD現象に由来する信号を拾う。しかも、この場合のプローブ(または電流測定装置)は電力線路上の(または本線電力網上の)「スイッチング操作」を拾う。このためプローブは非ESD現象に由来する信号を拾う。ここで、本線における(または本線電力網における)大きなインダクタンス(例えば変圧器、継電器、モーター等)の接続または切断によって「スイッチング操作」が起こることに留意されたい(非特許文献2の58ページを参照されたい)。これらの操作によって例えば電圧ピークが生じ、電流プローブ(または電流測定装置)によって検出される。
(例えば図3a及び3bに示す)「電力変換器」312よりも後ろの電力供給接続沿いに(例えばサプライラック310とテストヘッド320との間に)配置されたプローブは、(非ESD現象による)雑音を電力線路から拾わない(もしくは、少なくとも電力線路から拾う雑音は減る)。つまりプローブは、非ESD現象に由来する信号を一切拾わないか、さほど拾わない。このプローブはまた、電力線路または本線電力網上で(非ESD現象による)「スイッチング操作」を拾わない(もしくは電力線路上で、少なくともさほど盛んには「スイッチング操作」を拾わない)。つまりプローブは、例えば非ESD現象に由来する信号をさほど拾わない。
要約すると、プローブを電力供給接続330沿いに(例えば電力変換器312のテストヘッド側に)配置すれば本線電力網から発生する歪は抑えられ、本線電力網における非ESD歪の影響は抑えられる。
コンパクトテストヘッド
図21、22a、及び22bを参照しつつ、所謂「コンパクトテストヘッド」を備えるシステム構成を以下に説明する。所謂「コンパクトテストヘッド」とは、電力変換器が一体化されたテストシステムのテストヘッドであることに留意されたい。換言すると、コンパクトテストヘッドを備えるテストシステムは、図3a、3b、8、9、及び10を参照しつつ説明したテストシステムに類似する。ただし、サプライラックの機能の少なくとも一部(例えば電力変換器312、または構成要素1012、1014、1016の一部または全部)はテストヘッドに組み込まれる。このため、コンパクトテストヘッドを使用するテストシステムによっては、サプライラック310、1010が不要となる。ただし、後述する通り、説明する概念はコンパクトテストヘッドを備えるテストシステムにも応用できる。
図21はコンパクトテストヘッドの電源サブシステムのブロック概略図である。図21に示すコンパクトテストヘッドは、その全体を2100で表す。コンパクトテストヘッド2100は、本線電力を受け取るため本線電力接続2120に結合された一次電源ボックスまたはAC配電ボックス2110を備える。本線電力は、例えばAC208ボルト乃至400ボルトの範囲内で、例えば単相または多相(例えば3相)交流電圧を備える。当然ながら、上記以外の電圧が使用されることもある。一次電源ボックスまたはAC配電ボックスは、例えばAC200ボルト乃至240ボルト範囲の交流電圧を電源バックプレーン2130へ提供するように構成される。当然ながら、いくつかの実施形態によれば、上記以外の電圧レベルが使用されることもある。
コンパクトテストヘッド2100はさらに1つ以上のAC/DC電源ユニット2140を備える。このAC/DC電源ユニットは、例えば一次電源ボックスまたはAC配電ボックス2110から提供される供給電圧2112を電源バックプレーン2130を介して受け付けるように構成される。1つ以上のAC/DC電源ユニット2140は、例えば一次電源ボックスまたはAC配電ボックス2110から得たAC電圧2112に基づきDC電圧を生成するように構成される。1つ以上のAC/DC電源ユニット2140は本発明の一実施形態において、例えば約DC355ボルトの1つ以上のDC電圧を提供するように構成される。AC/DC電源ユニット2140によって提供される1つ以上のAC電圧2142は、例えば1つ以上のDC/DC電源ユニット2150へ提供されるように構成され、1つ以上のDC/DC電源ユニット2150は、DC電圧2142に基づき1つ以上のDC電圧2152を生成するように構成される。換言すると、DC/DC電源ユニット2150は1つ以上のDC電圧2152を生成するように構成され、1つ以上のDC電圧2152は1つ以上のカードスロットへ提供され、1つ以上のカードスロットへ提供される1つ以上のDC電圧2152の電圧レベルは、AC/DC電源ユニットから提供されるDC電圧と異なる。
さらに、コンパクトテストヘッド2100は所謂ラックインターフェイスボード2160と所謂電力制御ボード2170とを備える。ラックインターフェイスボード2160は、例えばAC/DC電源ユニット2140を監視して、電力制御ボード2170と通信するように構成される。さらにラックインターフェイスボード2160は、例えばAC/DC電源ユニット2140、及び/またはDC/DC電源ユニット2150をオンに切り替えるため、またはオフに切り替えるため、オン/オフユニット2180に接続する。電力制御ボード2170は、例えば温度情報、及び/または電圧情報を得るためDC/DC電源ユニット2150に結合する。さらに電力制御ボード2170は、例えば図21にしめすようにDC/DC電源ユニット2150から提供されるDC出力電圧をトリムするように構成される。加えて、更なる電圧監視を用いることもある。例えば1つ以上の圧力センサ、及び/または1つ以上の温度センサを使用し、コンパクトテストヘッド2100の状態をさらに監視する。
ここで説明する電源サブシステムの要素または電源サブシステムの主要構成要素2110、2130、2140、2150、2160、2170に加えて、コンパクトテストヘッドがここで説明するテスト回路を備えることもあることに留意されたい。例えばコンパクトテストヘッドは、図4a及び4bに示すテスト回路410を備える。加えてコンパクトテストヘッドは、図10を参照しつつ説明した1つ以上の(または全ての)構成要素を備える。例えばテストヘッドは、1つ以上の被試験装置のため刺激信号を生成するように構成された、及び/または1つ以上の被試験装置から応答信号を受信するように構成された、1つ以上のピンモジュールを備える。
ここで図22a及び22bを参照し、コンパクトテストヘッドの一次配電について詳細を説明する。
図22aは、200ボルト/115ボルトのデルタ接続で構成された配電ユニット2200のブロック概略図である。図22aに示す配電ユニットは、その全体を2200で表す。
配電ユニット2200は、例えば図21に示す一次電源ボックスまたはAC配電ボックス2110の機能を引き継ぐ。配電ユニット2200は、例えば本線電力接続2220を介して本線電力網に接続する。例えば本線電力接続2220は、例えばL1、L2、L3で示す3つの相と、例えばPEで示す保護接地導体とを備える。例えば本線電力接続2220は、本線電力接続2120と同じであってよい。本線電力接続2220はまた、例えば図2a乃至2bに示す電力供給接続120、図3a、3b、4a、及び4bに示す電力供給接続330と同じであってもよい。
図22aに示すように、配電ユニット2200は、例えばスイッチ2230と、接触器2240と、更なるスイッチ2250a、2250b、及び2250cとを備える。図22aから分かるように、1つ以上のスイッチ2230、2250a、2250b、2250cはヒューズ機能を備える。1つ以上のAC/DC変換器2260a、2260bは配電ユニット2200に接続できる。AC/DC変換器2260a、2260bは、例えば図21に示すAC/DC電源ユニット2240と同じであってもよい。
配電ユニットは一実施形態において電流測定装置2270を備え、これは例えば本線電力接続2220の保護接地接続に流れる電流を測定して、電流を表す電流測定信号2270を生成するように構成される。電流測定装置2270は、例えば配電ユニットの中に配置され、あるいは例えばコンパクトテストヘッドの中に、例えばコンパクトテストヘッド2100の外装と配電ユニット(または一次電源ボックスまたはAC配電ボックス)との間に配置される。更なる実施形態においては、コンパクトテストヘッド2100の外装の外部に電流測定装置2270を配置することもある。
電流測定信号2272は、例えばここで説明するように静電気放電現象を認識するために使用する。
上記以外の構成も使用できることに留意されたい。いくつかの実施形態によれば、例えば図2a乃至2eを参照して説明したように本線電力接続2220の1つ以上の相導体L1、L2、L3に流れる電流を電流測定信号の生成にあたって考慮する。
図22bを参照すると、異なる配電構成が示してある。図22bは400ボルト/230ボルト用接続を示す図である。配線は若干変更されているが、上記の説明は引き続き当てはまる。ただし、図22bに示す構成で本線電力接続2220の中性導体が使用されていることに留意されたい。したがって、電流測定信号2272の提供にあたっては中性導体を考慮することもあれば考慮しないこともある。
以下において「コンパクトテストヘッド」を簡略に要約するが、これは「サプライラック」がない追加構成と考えることができる。いくつかの実施形態によれば、サプライラックのハードウェアの一部または全部(例えば電力変換器、配電、その他)がテストヘッドに組み込まれる。いくつかの実施形態によれば、車輪付きカートにテストヘッドを設置する。いくつかの実施形態によれば、本線電力ケーブルまたは保護接地ケーブルに沿って(あるいは本線電力ケーブルまたは保護接地ケーブルの周囲に)プローブ(すなわち、電流クランプ等の電流測定装置)を配置する。ここで説明した構成は、例えば「V93000コンパクトTH」と称する。
ESD現象の非ESD現象の区別
非ESD現象を排除するためのオプションを以下に要約する。
・プローブ帯域幅の選択:いくつかの実施形態によれば、電力線路から雑音「雑音」を排除するにあたって十分に高いプローブ下限周波数を選択するのが望ましい。換言すると、本線電力網上の雑音の殆どは低周波数範囲内にある。そこで、10kHz(あるいは例えば1kHz乃至100kHz)範囲の下限周波数を持つプローブを選んで電力線路からの雑音排除に役立てることができる。
・放電波形の解析:少なくとも可能性としての静電気放電現象に相当する捕捉放電波形で、パルスの長さ、パルスの振幅、パルスの立ち上がり時間、パルスの数(非特許文献2の45ページを参照されたい)、時間領域におけるパルス形状、及び/または周波数領域におけるパルス形状(非特許文献3を参照されたい)を評価することで、非ESD現象からESD現象を区別し、非ESD現象を排除する。
・電流プローブの配置:本線電力接続(または本線電力網)からガルバニック分離を有する電力供給接続沿いに電流プローブ(または電流測定装置)を配置すれば、(例えば本線電力網上に存在する)雑音及び/または「スイッチング操作」を(例えばガルバニック分離により)排除できる。その結果、電流プローブから提供される測定信号に対する「スイッチング操作」の影響は抑えることができる。そして、電流プローブから提供される電流測定信号によって信頼性の高いESD現象識別が可能となる。
・テストセルの光学的監視(非特許文献2の44ページを参照されたい):(例えばカメラによる)テストセルの光学的監視により、放電波形または放電電流波形(例えば電流プローブまたは電流測定装置から提供される放電波形)をテストセル内の活動に相関させることができる。これは、静電気放電の原因のみならず非静電気放電現象を識別するのにも役立つ。例えばオペレータ、ハンドラ、プローバ、DUTボード等を静電気放電現象の原因として識別できる。
・時間領域及び/または周波数領域における放電波形のパターン認識(非特許文献2の61ページffを参照されたい):データ(例えば放電波形を表すデータ)の分類と解析は、例えば所謂「ファジー論理」(非特許文献2の62ページffを参照されたい)により、及び/または「神経回路網」(非特許文献2の63ページffを参照されたい)により、実行できる。
・「結合回路網」を使った「スイッチング操作」検出(非特許文献2の57ページffを参照されたい):結合回路網の使用は、静電気放電によって大抵は所謂「コモンモード干渉」が生じるという考えに基づいている(非特許文献2の46ページを参照されたい)。対照的に、スイッチング操作の場合は、大抵は相線路と中性線路との間で「アンチコモンモード干渉」が生じる(非特許文献2の46ページを参照されたい)。
いくつかの実施形態によれば結合回路網を区別に役立てることができる。換言すると、いくつかの実施形態によれば、電流クランプの代替としてレジスタ−キャパシタ回路を使用して1つ以上の測定信号を提供できる。いくつかの実施形態によれば、「コモンモード干渉」には敏感で「アンチコモンモード干渉」には鈍感な信号(例えば電流測定信号)を提供するようレジスタ−キャパシタ回路を設計できる。この出力信号はESD現象に相当する。
別の実施形態では「アンチコモンモード干渉」に敏感なレジスタ−キャパシタ回路を設計できる。(例えば電流測定信号の形をとる)この出力信号を使って非ESD現象を識別する。
要約すると、結合回路網を区別に役立てることができる。
以上を要約するが、ここで説明する概念を様々な構成で使用できることに留意されたい。
例えば、ここで説明する概念を所謂「コンパクトテストヘッド」構成と結び付けて使用することもできる。この場合は「サプライラック」のハードウェア(例えば電力変換器、配電等)をテストヘッド(TH)に組み込むことができる。テストヘッドは、例えば車輪付きカートに設置する。この構成は「V93000コンパクトテストヘッド」として知られている。
かかる構成では、例えば本線電力ケーブル沿いに電流プローブまたは電流測定装置を設置する。
本発明のいくつかの実施形態は単巻変圧器と組み合わせて使用できる。かかる実施形態では外部変圧器によってテストヘッドを給電できる。この構成では、本線電力接続(または本線電力網)とテストシステム(例えば「サプライラック」)との間に変圧器がある。かかる構成は「V93000単巻変圧器」として知られている。かかる構成では、単巻変圧器とサプライラックとの間に、またはサプライラックとテストヘッドとの間に、電流プローブ(または電流測定装置)を配置できる。
いくつかの実施形態によればオシロスコープ、すなわちスコープの代替を使用できる。例えば、過渡現象記録装置を使って放電電流波形を捕捉する。この代わりに(またはこれに加えて)、ADC変換器を使って放電電流波形を捕捉することもできる。
いくつかの実施形態によれば、波形の解析で「時間領域情報」を「周波数領域情報」に変換する。いくつかの実施形態によれば、高速フーリエ変換(FFT)の代わりに離散フーリエ変換(DFT)を使用する。
いくつかの実施形態によれば、静電気放電の原因特定に下記を盛り込む。
・Verigy production dashboard(VPD)はESD現象と工程/製造データとの相関を可能にする。
・ESD現象の原因(例えばオペレータ、またはDUTボード、ハンドラ、プローバ等の外部機器)を特定するには、テストシステム/テストセルの光学的監視が有益である。例えば「サプライラック」にデジタルカメラを配置し、放電電流波形が捕捉された時点でテストセルの写真を撮影する。その放電が静電気放電として分類されるとすれば、撮影した写真をもとに静電気放電の原因を高い確実性で特定することができる。
100 静電気放電現象検出システム(システム)
110 監視対象装置
120 電力供給接続
130 電源
140 電流測定装置
142 電流測定信号
150 検出器
160 静電気放電現象(ESD現象)

Claims (41)

  1. 監視対象装置(110)において静電気放電現象を検出するシステム(100;300)であって、前記システムは、
    電力供給接続(120)を介して電源(130)に接続される監視対象装置(110)と、
    前記電力供給接続を介して流れる電流、またはその電流成分を、前記電流または前記電流成分を表す電流測定信号(142)を得るために測定するように構成される電流測定装置(140)と、
    前記電流測定信号(142)のパルスに応じて静電気放電現象を検出するように構成された静電気放電現象検出器(150)と、
    を備えることを特徴とするシステム。
  2. 前記電力供給接続(120)は、少なくとも2つの電力供給線路(220、222、224;272、274、276、278)を備え、
    前記電流測定装置(140)は、少なくとも2つの前記電力供給線路に流れるコモンモード電流成分を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項1に記載のシステム(100)。
  3. 前記電力供給接続(120)は、1つ以上の順方向導体(220;272、274、276)と前記順方向導体に対応する1つ以上の復帰導体(222;278)とからなるセットを備え、
    前記監視対象装置(110)は、所定の電流方向基準で前記1つ以上の順方向導体と対応する前記1つ以上の復帰導体とに流れる電流の符号補正和がESD現象のない平常運転で略ゼロとなるように構成され、
    前記電流測定装置は、前記電流測定信号(142)を得るため電流の前記和を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のシステム(100)。
  4. 前記電力供給接続(120)は、前記装置110に直流電流の形で電気エネルギーを提供するように構成された少なくとも2つの直流導体(220、222)を備え、
    前記測定装置(140)は、前記測定信号(142)を得るため前記少なくとも2つの直流導体で電流の符号付き和を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から3の一項に記載のシステム(100)。
  5. 前記電力供給接続(120)は、相導体(220)と中性導体(222)とを有する単相交流本線電力接続を備え、前記単相交流本線電力接続は、前記監視対象装置(110)に交流電流の形で電気エネルギーを提供するように構成され、
    前記電流測定装置(140)は、前記電流測定信号を得るため前記相導体と前記中性導体とで電流の符号付き和を測定するように構成される、
    を特徴とする請求項1から3の一項に記載のシステム(100)。
  6. 前記電力供給接続(120)は、複数の相導体(272、274、276)と少なくとも1つの中性導体(278)とを有する多相交流本線電力接続を備え、
    前記多相交流本線電力接続は、前記監視対象装置(110)に交流電流の形で電気エネルギーを提供するように構成され、
    前記電流測定装置(140)は、前記電流測定信号(142)を得るため、前記複数の相導体と前記中性導体とで電流の符号付き和を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から3の一項に記載のシステム(100)。
  7. 前記電力供給接続(120)は、前記監視対象装置(110)に電気エネルギーを提供するように構成された複数の電力供給導体(220、222;272、274、276)と、前記監視対象装置(110)を保護接地と接続するように構成される少なくとも1つの保護接地導体(224;280)とを備え、
    前記電流測定装置(140)は、前記複数の電力供給導体と前記保護接地導体とで電流の符号付き和を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から3の一項に記載のシステム(100)。
  8. 前記電力供給導体は、少なくとも1つの相導体(220;272、274、276)と少なくとも1つの中性導体(222;278)とを備える、ことを特徴とする請求項7に記載のシステム(100)。
  9. 前記システムは、デバイステストシステム(300)であって、
    前記システムは、サプライラック(310)とテストヘッド(320)とを備え、
    前記テストヘッド(320)は、前記テストラック(310)の外部に配置され、
    前記テストヘッド(320)は、前記装置(110)であって、
    前記テストヘッド(320)は、前記電力供給接続(330;120)を介して前記サプライラック(310)に接続され、
    前記サプライラック(310)は、前記電力供給接続を介して前記ヘッドテスト(320)にエネルギー供給信号を提供するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から8の一項に記載のシステム(100)。
  10. 前記電力供給接続(330)は、前記サプライラック(310)から前記テストヘッド(320)へ延在する1束のケーブルを備え、
    前記電流測定装置(360;140)は、前記サプライラック(310)と前記テストヘッド(320)との間を流れる電流または電流成分を測定するように構成されること、
    を特徴とする請求項9に記載のシステム(300)。
  11. 前記テストヘッド(320)は、導電性筐体(320)または導電性機械式担架構造を備え、
    前記導電性筐体または前記機械式担架構造は、前記電力供給接続(120;330)の少なくとも1つの導体(222;224;280;454)に接続されること、
    を特徴とする請求項9または10に記載のシステム(300)。
  12. 前記テストヘッド(320)は被試験装置ポート(430)を備え、
    前記被試験装置ポートは、前記電力供給接続(120;330)の少なくとも1つの導体(220、222、224;272、274、276、278、280、450、452、454)へ、少なくとも寄生容量により、電気的に結合されること、
    を特徴とする請求項9から11の一項に記載のシステム(300)。
  13. 前記電流測定装置(140)は、前記電流または電流成分によって発生する磁場を検出し、前記磁場に基づき前記電流測定信号(142)を得るように構成されること、を特徴とする請求項1から12の一項に記載のシステム(300)。
  14. 前記電流測定装置(140)は、前記電力供給接続(120)の1つ以上の導体の周囲に配置された電流クランプを備えること、を特徴とする請求項1から13の一項に記載のシステム(100)。
  15. 前記電流クランプは、前記テストラックまたは前記テストヘッドに電気エネルギーを供給する集中電力線路の周囲に配置されること、を特徴とする請求項14に記載のシステム(100)。
  16. ESD現象を検出するシステム(170;370)であって、前記システムは、
    保護接地接続(180;380)を介して保護接地と接続される監視対象装置(110;320)と、
    前記接地接続を介して流れる電流を、前記電流を表す電流測定信号(142’;392)を得るために測定するように構成される電流測定装置(140’;390)と、
    前記電流測定信号に基づき静電気放電現象を検出するように構成された静電気放電現象検出器(150)とを備えること、
    を特徴とするシステム。
  17. 前記システムは、テストシステムであって、
    前記システムは、サプライラック(310)とテストヘッド(320)とを備え、
    前記テストヘッド(320)は、前記監視対象装置(110)であって、
    前記テストヘッドは、前記サプライラックの外部に配置され、
    前記テストヘッドは、電力供給接続(330)を介して前記サプライラックに接続され、
    前記テストヘッドは、前記保護接地接続を介して前記保護接地と接続されること、
    を特徴とする請求項16に記載のシステム(170;370)。
  18. 前記保護接地接続(180;380)は、前記テストヘッド(320)から保護接地端子(394)にかけて敷設された保護接地ケーブルを備えること、を特徴とする請求項17に記載のシステム(170;370)。
  19. 前記テストシステムは、前記テストヘッド(320)から前記サプライラック(310)を介して前記保護接地端子(394)まで延在する保護接地経路の保護接地経路インピーダンスが、前記テストヘッド(320)から前記保護接地ケーブル(380)を介して前記保護接地端子(394)まで延在する保護接地経路の保護接地経路インピーダンスより少なくとも10倍は大きくなるように構成されること、
    を特徴とする請求項18に記載のシステム(170;370)。
  20. 前記保護接地接続は、前記テストヘッド(320)から前記サプライラック(310)へ敷設されること、を特徴とする請求項17に記載のシステム(170;370)。
  21. 前記電流測定装置(140’;390)は、前記保護接地接続(180;380)の周囲に配置された電流クランプを備えること、を特徴とする請求項17から20の一項に記載のシステム(170;370)。
  22. 前記電流クランプは、前記テストヘッド(320)内に配置されること、を特徴とする請求項21に記載のシステム(170;370)。
  23. 前記電流測定装置(140;140’;360、390)は、前記電流または電流成分を表す前記電流測定信号、またはそこから導出される信号をサンプルするように構成されるサンプリング装置に結合され、
    前記サンプリング装置は、ネットワーク接続を介して制御コンピュータと接続されること、
    を特徴とする請求項1から22の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  24. 前記サンプリング装置は、所定のトリガー閾値に達するか、または超過する前記入力信号に応じてトリガーイベントを生成するように構成され、
    前記サンプリング装置は、前記トリガーイベントに応じて前記制御コンピュータへサービス要求メッセージを送信するように構成され、
    前記サンプリング装置は、前記トリガーイベントに応じて前記入力信号の波形の少なくとも一部分を捕捉するように構成される、
    ことを特徴とする請求項23に記載のシステム(100;170;300;370)。
  25. 前記制御コンピュータは、前記サンプリング装置から前記波形の前記捕捉部分を取得し、前記波形の前記捕捉部分をデータベースに保存するように構成される、ことを特徴とする請求項24に記載のシステム(100;170;300;370)。
  26. 前記システムは、被試験装置テストシステムであって、
    前記監視対象装置(110;320)は、前記被試験装置テストシステムの要素であって、
    前記システムは、前記静電気放電現象検出器から前記静電気放電現象に関する情報を受信し、前記静電気放電現象の前後または最中の前記ESD現象に関する、及び/またはテストの状態に関する情報を記録するように構成されるコンピュータを備える、
    ことを特徴とする請求項1から25の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  27. 前記コンピュータは、
    静電気放電現象の日付、
    静電気放電現象の時刻、
    複数の監視対象装置(110;320)の内、いずれの装置に静電気放電現象が発生したかを伝える情報、
    静電気放電現象が発生した前記テストシステムの、前記静電気放電現象の前後または最中の状態を表す情報、
    前記静電気放電現象の際に前記監視対象装置(110;320)に結合されていた被試験装置に関する情報、
    前記静電気放電現象の際に前記テストシステムによって実行されたテストプログラムに関する情報、
    前記静電気放電現象の際に前記監視対象装置の近傍に配置されていた被試験装置のロットに関する情報、
    前記静電気放電現象の際に前記監視対象装置(110;320)の近傍に配置されていたウェハに関する情報、
    前記静電気放電現象の最中、または前記静電気放電現象前の所定の期間内に、または前記静電気放電現象後の所定の期間内に、テストされた被試験装置のビニングに関する情報、または
    前記静電気放電現象前の、または前記静電気放電現象後の収率に関する情報を記録するように構成されること、
    を特徴とする請求項26に記載のシステム(100;170;300;370)。
  28. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記静電気放電現象検出器(150)に結合されたコンピュータは、前記電流測定信号(142)から実際の静電気放電現象、または可能性としての静電気放電現象を抽出するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から27の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  29. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記測定装置に結合されたコンピュータは、前記静電気放電現象の電荷を判定するように構成されること、を特徴とする請求項28に記載のシステム(100;170;300;370)。
  30. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、時間の経過に従って電流測定信号(142)によって表される放電電流を集積することによって静電気放電現象の電荷を判定するように構成されること、
    を特徴とする請求項28または29に記載のシステム(100;170;300;370)。
  31. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、前記電流測定信号(142)に基づき、可能性としての、または実際の静電気放電現象の電力を判定するように構成されること、
    を特徴とする請求項28から30の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  32. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、時間の経過に従って前記静電気放電現象によって伝達される前記電力を集積することにより、前記実際の、または可能性としての静電気放電現象のエネルギーを判定するように構成されること、
    を特徴とする請求項31に記載のシステム(100;170;300;370)。
  33. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、前記電流測定信号(142)の波形を解析することによって非静電気放電現象から静電気放電現象を区別するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から32の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  34. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、可能性としての静電気放電現象に対応する前記電流測定信号(142)の時間領域表現を時間領域基準と比較し、前記可能性としての静電気放電現象に対応する前記電流測定信号の前記時間領域表現と前記時間領域基準との差異が所定の閾値を下回る場合に、前記可能性としての静電気放電現象を実際の静電気放電現象として認識するように構成されること、
    を特徴とする請求項33に記載のシステム(100;170;300;370)。
  35. 前記静電気放電現象検出器(150)、または前記電流測定装置(140)に結合されたコンピュータは、可能性としての静電気放電現象に対応する前記電流測定信号(142)の周波数領域表現を取得し、
    前記可能性としての静電気放電現象に対応する前記電流測定信号(142)の前記周波数領域表現を時間領域基準と比較し、
    前記可能性としての静電気放電現象に対応する前記電流測定信号の前記周波数領域表現と前記周波数領域基準との差異が所定の閾値を下回る場合に、前記可能性としての静電気放電現象を実際の静電気放電現象として認識するように構成される、
    ことを特徴とする請求項33に記載のシステム(100;170;300;370)。
  36. 前記システムは、被試験装置テストシステムであって、
    前記監視対象装置は、被試験装置のテストに使用されるように構成され、
    前記システムは、前記監視対象装置を使ってテストした被試験装置のテスト結果に関する情報に基づき収率に関する情報を取得するように構成されたシステムコントローラを備え、
    前記システムコントローラは、静電気放電現象の検出と収率との相関を解析するように構成され、
    前記システムコントローラは、静電気放電現象の検出と前記収率の変化との間に著しい相関が見られる場合に警告を発するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から35の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  37. 前記システムは、被試験装置テストシステムであって、
    前記監視対象装置は、被試験装置のテストに使用されるように構成され、
    前記システムは、前記監視対象装置の自己テスト結果または較正結果を評価することによって前記監視対象装置の自己テスト状態に関する情報を取得するように構成されたシステムコントローラを備え、
    前記システムコントローラは、静電気放電現象の検出と前記監視対象装置の前記自己テスト状態の変化との相関を解析するように構成され、
    前記システムコントローラは、静電気放電現象の検出と前記自己テスト状態の変化との間に著しい相関が見られる場合に警告を発するように構成されること、
    を特徴とする請求項1から36の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  38. 前記システムは、静電気放電現象を検出するため前記電流測定信号を連続的に監視するように構成されること、を特徴とする請求項1から37の一項に記載のシステム(100;170;300;370)。
  39. 監視対象装置において静電気放電現象を検出する方法であって、前記方法は、
    前記監視対象装置を電源に接続する電力供給接続を介して流れる電流、またはその電流成分を、前記電流または前記電流成分を表す電流測定信号を得るために測定すること(1710)と、
    前記電流測定信号のパルスに応じて静電気放電現象を検出すること(1720)と、
    を有することを特徴とする方法。
  40. 監視対象装置において静電気放電現象を検出する方法(1800)であって、前記方法は、
    前記監視対象装置を保護接地に接続する保護接地接続を介して流れる電流を、前記電流を表す電流測定信号を得るために測定すること(1810)と、
    前記電流測定信号に基づき静電気放電現象を検出すること(1820)と、
    を有することを特徴とする方法。
  41. コンピュータでの動作の際に、請求項39または40に記載の方法を実行するコンピュータプログラム。
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