JP2011252779A - 磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁界プローブの校正をやり直すことなく、一度、校正すれば部分放電を精度良く検出できる。
【解決手段】電気機器本体10のアース端子に接続した接地線11に線対称に一対の磁界プローブ15a、15bを配置し、機器本体を課電しないで、校正パルスを接地線11に流し、一対の磁界プローブ15a、15bの出力の和で校正する。このとき得た校正値を記憶しておく。その後、機器本体を課電し、部分放電パルスを一対の磁界プローブ15a、15bで捕捉し、磁界プローブ15a、15bの設置位置が校正時と多少ずれても磁界プローブの出力の和には変化が生じないことから、この出力の和から部分放電の電荷量を算出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器で発生した部分放電を、磁界プローブを用いて検出する電気機器の部分放電検出方法に関するものである。
高圧の電気設備や機器に共通して発生する異常現象としては、製造時の不良や経年劣化の影響による部分放電の発生が挙げられる。一般的にモールド機器などに使用される絶縁材料内部に微小な空隙欠陥部(ボイド)や剥離部などがあると、運転時にその部分に電界が集中し、部分放電と呼ばれる微弱な放電が発生する。また、モールド絶縁体表面の汚損の影響によっても部分放電が発生することがある。
特に、後者の場合には、汚損を除去すれば、部分放電は防止できるけれども、前者の場合の部分放電は、防止が困難であり、回復性はない。従って、部分放電が発生した状態で運転を継続すると、ボイドや剥離状態を進展させる恐れがあり、最終的には、絶縁破壊に至る危険性がある。
このため、電気機器で発生する部分放電を検出する手段が種々開発されるようになってきた。その1つに磁界プローブを用いた電路の部分放電検出方法がある(特許文献1参照。)。
この検出方法は、電路の近傍に磁界センサを設け、このセンサで検出した信号を周波数解析し、所定の周波数範囲の信号の周波数と該周波数毎に対応する信号の大きさのデータを求め、このうち、第一の閾値を超える大きさを有する信号のデータ数を積算し、該積算値が第二の閾値を超えた場合に部分放電が発生したと判断するものである。
また、他の1つは、課電導体(接地導体)の近傍に磁界プローブを近づけ、検出した信号を周波数解析し、所定周波数範囲の各周波数信号レベルのデータを求め、レベル順の設定範囲のデータ平均値を求め、この平均値の大小に基づき部分放電の有無を判断するものである(特許文献2参照。)。
上記何れの特許文献でも、バックグランドノイズの判別については、磁界プローブを電路などから一定の距離離間させた状態で事前にノイズの検出を行い、部分放電と検出信号との差分を算出するなどの処理を行って判定している。
磁界プローブで検出されるノイズは2つ考えられる。1つは、空間を伝搬してくる磁界ノイズであり、もう1つは、接地線を流れる電流ノイズである。前記両特許文献とも、前者の磁界ノイズの判別について述べたものである。
上記部分放電検出方法は、放電検出対象電路近傍に磁界プローブを設置して、磁界ノイズを検出する。図7は接地線近傍に磁界プローブを設置した例を示す概略構成説明図で、図7において、110は変圧器などの電気機器、111はブッシング、112は電力系統、113は架台、114は電気機器110に接続された接地線、115は磁界プローブ、116は検出器本体である。
図7に示す接地線114の近傍に設置(配置)された磁界プローブ115で部分放電を検出して検出器本体116で部分放電が検出されるが、このとき、磁界プローブ115の設置の仕方(接地線114からの距離や向きなど)により信号出力の大きさが異なってくる。特に、接地線114からの距離によって信号出力の影響が大きく異なってくる問題がある。
図8は磁界プローブの設置位置と接地線からの距離を変化(符号Aから符号Bへと変化)させた場合における磁界プローブの出力変化特性図で、横軸に接地線からの距離を、縦軸に(磁界プローブ出力/最大出力)*100[%]を取った場合の接地線からの距離の影響を表したものである。
上記磁界プローブの代わりに、別の手段として高周波CTを使用して信号を検出する場合もあるが、この高周波CTによる信号検出方法は、設置手段の違いによる影響を殆んど受けずに磁界ノイズを検出できる利点があるけれども、以下のような問題がある。
実フィールドにおける接地線は、インシュロックで配線を固定している場合や絶縁筒に収納されている場合が多々ある。このように構成された接地線に高周波CTを設置するには、一般に、高周波CTでは、分割型が使用されて、高周波CT内に接地線を貫通配置することが行われているために、接地線の固定を取外したり、絶縁筒の一部を破壊して高周波CTを配置しなければならない作業を伴う場合がある。
また、接地線を被覆しているインシュロックを剥がすことにより、高周波CTの設置が可能な場合でも、高周波CTの設置作業に伴う時間が余分に費やされるという問題がある。
この点では、磁界プローブの方が接地線に磁界プローブを近接(隣接)させることで信号を検出することができるため、高周波CTの設置作業に比較して容易に設置できるので優れている。
ただし、接地線にインシュロックや絶縁筒があるため、磁界プローブを接地線に均一(常時一定)に密着させて設置することが難しく、信号検出出力の大きさが不安定となる問題がある。
一般的には、部分放電が発生した場合、定量的な評価判定方法としては、部分放電の放電電荷量(大きさ)をpC[ピコクーロン]で表す手段が取られている。このため、検出した信号を電荷量に換算するためには、校正器(パルスジェネレータ)を使用した校正作業が必要である。次にこの校正作業について述べる。
まず、高周波CTの場合は、高周波CTを信号検出対象電路(接地線)に設置しておき、停電中に校正器を対象電気機器に接続し校正信号を入力する。その時の信号出力の大きさを既知放電電荷量出力レベルとして把握しておく。その後、電気機器設備に受電し信号出力の大きさを検出し、事前に実施した校正作業により把握している既知放電電荷量出力レベルと比較して、実際に発生している部分放電の放電電荷量(大きさ)が何pC[ピコクーロン]であるかを算出する。なお、上記校正作業は通常一回実施すればよい。
一方、磁界プローブの場合は、磁界プローブを放電検出対象電路(接地線など)の近傍に設置した状態で、電気機器設備を停電状態にて校正器(パルスジェネレータ)を対象電気機器に接続し校正信号を入力する。その際に磁界プローブ設置位置での検出信号出力の大きさを把握し校正値とする。その後、磁界プローブの設置位置を動かさず、設備に受電し、磁界プローブの信号出力の大きさを検出し、前記校正値を基に部分放電の電荷量(大きさ)が何pC[ピコクーロン]であるかを算出する。このとき、磁界プローブの設置位置が変更されると信号出力も変化するため、以上の部分放電の校正作業は、部分放電の検出を行う(磁界プローブを設置)毎に実施する必要がある。
また、部分放電をトレンド監視(定期的な監視)する場合は、検出箇所毎に一度校正作業を行い、その後、定期的(例えば2ヶ月に一度など)に検出を行い部分放電のパルス波の電荷量(大きさ)や発生頻度の変動を監視する手法が一般的である。高周波CTでは既にデータ収集が行われているものもあるが、磁界プローブによる部分放電のトレンド監視手法は行われていない。
この理由は、磁界プローブでは、元の電流信号の大きさが同じでも、磁界プローブ設置の仕方(状態)により信号出力の大きさが変化するために行われていない。このような問題を解決するには、毎回停電を取ってプローブの校正作業を実施すれば可能であるが、現実的には極めて難しい。
特開2005−283489号公報 特開2002−323531号公報
高周波CTと比較して磁界プローブを用いた部分放電の検出は、磁界プローブの接地線への設置手段(特に接地線と磁界プローブ間距離の影響が大きい)により信号出力の大きさが異なるため、検出信号の信頼性に問題が生じる。特に実フィールドにおいて、インシュロックや絶縁筒が付帯している場合は、設置状況を一定(接地線への磁界センサ「磁界プローブ」隣接もしくは接地線との距離一定)とすることが難しい問題がある。
このため、部分放電の放電電荷量(大きさ)を算出する場合、鉄心を有するため接地線電流により発生する磁界を安定して検出できる高周波CTでは、一度校正作業をすれば検出時の高周波CTの設置状況が異なっても、高周波CTが接地線を貫通していれば、検出結果に影響を及ぼすことは無い。
しかし、磁界プローブの場合は、設置状況が変わると、例えば、図8に示すように、磁界プローブの設置位置が、接地線から「符号A」から「符号B」に変化すると検出出力が「80%」から「58%」に減衰するため、磁界プローブを設置するたびに、その都度、磁界プローブの校正を行わないと部分放電の放電電荷量を算出することができない問題を持っている。
よって、磁界プローブを使用して部分放電をトレンド監視する場合には、部分放電の放電電荷量で判断するため、その都度、磁界プローブを校正する必要がある。
さらに、磁界プローブにより部分放電を検出する時、部分放電以外の電流ノイズが同時に検出される場合があり、この電流ノイズを誤って部分放電と判断してしまうことがある。
本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたもので、2つの同一構成の磁界プローブを接地線に対して線対称に配置し、両プローブの出力の和を取ることにより、両プローブの設置位置が接地線に対して多少ずれても、両プローブの出力の和は変化しないことから、校正パルス電流により磁界プローブの校正を一度行っておけば、その後、電気機器本体に通電したときに発生する部分放電パルス電流を、校正した磁界プローブで検出することにより、精度良くかつ確実に部分放電の放電電荷量を求められ部分放電を検出することができる磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法を提供することにある。
上記の課題を達成するために、請求項1に係る発明は、部分放電検出対象の電気機器本体と、この電気機器本体のアース端子に接続される接地線と、接地線に流れる電流ノイズと機器本体からの部分放電パルス電流により発生する磁界信号を捕捉する磁界プローブとを設け、この磁界プローブで捕捉された磁界信号を処理して部分放電を検出する方法において、
前記磁界プローブを接地線に対して線対称に2つ設置した後、
前記電気機器本体への課電を停止した後、プローブ校正用パルス電流を前記接地線に流して、これにより発生した磁界信号を前記線対称に設置した2つの磁界プローブで捕捉して、両磁界プローブの出力信号を加算し、磁界プローブの校正を行い、
その後、前記電気機器本体へ課電を行った後に、2つの磁界プローブが、部分放電パルスによる磁界信号を捕捉して両磁界プローブの出力信号を加算し、部分放電の電荷量を求めて部分放電を検出することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記両磁界プローブの出力信号を加算後、フィルタを通して電流ノイズ成分をカットすることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2において、前記フィルタは、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタからなることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1において、前記2つの磁界プローブの距離を一定に保持するように一体化させたことを特徴とするものである。
本発明によれば、磁界プローブを使用して部分放電の電荷量(大きさ)を検出する場合に、従来は、接地線から磁界プローブを離して再度設置するたびに磁界プローブの校正を実施する必要があったが、
本発明では、接地線に線対称に磁界プローブを設置して、部分放電パルス電流による磁界信号を捕捉するとともに、その信号を加算した出力を用いたことにより、校正パルス電流で一度磁界プローブを校正すれば、磁界プローブが校正時と同じ位置でも校正時から多少ずれても、部分放電電荷量(大きさ)を精度良く検出可能となる利点がある。
また、本発明によれば、磁界プローブを使用して部分放電をトレンド監視する場合、従来では毎回設備を停止して磁界プローブの校正を行う必要があったため、トレンド監視が実施できなかったが、一度の磁界プローブの校正で可能となるために、この不具合を解消してトレンド監視の実施を可能とすることができるようにした。また、フィルタで電流ノイズをカットすることにより、電流ノイズを誤って部分放電と判断することなく精度良く検出が可能となる。
本発明の実施例1を示す部分放電検出対象の電気機器本体の概略構成及び磁界と磁界プローブの関係説明図。 接地線に線対称に一対の磁界プローブを設けて、校正パルス電流や部分放電パルス電流の磁界信号を捕捉したときのそれぞれの磁界プローブの出力変化特性図。 実施例1における磁界プローブを一体型に形成した磁界プローブの斜視図。 実施例1における信号処理ブロック図。 校正パルス、整流器ノイズ、部分放電パルスを示す波形図。 実フィールドにおける周波数測定結果を示す特性図。 電気機器の接地線に磁界プローブを設置したときの概略構成説明図。 磁界プローブで電流ノイズ信号等を検出したときの接地線からの距離の影響を示す磁界プローブの出力変化特性図。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1を示す部分放電検出対象の電気機器本体の概略構成及び磁界と磁界プローブの関係説明図で、この実施例1では電流ノイズとして整流器ノイズの場合について述べる。
まず、磁界信号Hの処理について図1について説明する。図1において、10は部分放電検出対象の電気機器本体で、この電気機器本体10からは電路(以下接地線と称す)11が図示しないアース端子に接続されている。なお、12はライン側導体、13,14はブッシングである。
15a,15bは、接地線11に対して線対称に配置した一対の同形状の磁界プローブで、磁界プローブ15a、15bは、接地線11に流れるパルス電流i(このパルス電流iは電気機器本体内で発生する部分放電や整流器のスイッチングにより発生する電流ノイズ)による磁界信号Hが捕捉できる向きに配置される。磁界プローブ15a,15bは、磁界信号Hを捕捉すると磁界信号Ha,Hbを出力し、その出力信号を加算(Ha+Hb)できるように、予め磁界プローブ15a,15bを接続しておく。
図2は、一対の磁界プローブ15a,15bにより出力された磁界信号Ha,Hbの距離に対する磁界プローブの出力変化特性図で、この出力変化特性図は、図1に示す接地線11と磁界プローブ15aとの距離を「La」、接地線11と磁界プローブ15bとの距離を「Lb」としたときの特性図である。
ここで図8(図2)に示す測定結果のうち直線性を示す範囲(接地線11と磁界プローブ15a,15bとの距離「L]を1cm以下)を利用するため、接地線11と磁界プローブ15a,15bとの距離の和「La+Lb」を一定で概ね「1cm」以下となるようにする。なお、磁界プローブ15a,15bの設置について、真ん中に接地線11がある場合は、磁界プローブ15a,15bと接地線11との距離がLa=Lbとなるため、磁界信号Ha=Hbとなり、加算した和の磁界信号出力は(Ha+Hb)となる。
また、設置位置が多少ずれた上記距離「La」<距離「Lb」である場合は、磁界信号出力はHa’>Ha、Hb>Hb’となり、加算した和の磁界信号出力は(Ha’+Hb’)となる。
例えば、距離の和La+Lb=1cm、真ん中に接地線11がある場合、磁界プローブ15aとの距離「La」と磁界プローブ15bとの距離「Lb」が0.5cmとなり、図2に示すように、磁界出力信号Ha+Hb=83+83=166%となる。一方、設置位置が多少ずれた場合は、磁界プローブ15aとの距離「La」=0.25cm、磁界プローブ15bとの距離「Lb」=0.75cmとなり、磁界出力信号Ha’+Hb’=91+75=166%となる。
このことから、磁界プローブ15a,15bの真ん中に接地線11がある場合の和の磁界信号出力(Ha+Hb)と、設置位置が多少ずれて距離「La」<「Lb」である場合の和の磁界信号出力(Ha’+Hb’)はほぼ同じとなる。
以上のように同形状の2つの磁界プローブ15a,15bを用いることにより、磁界プローブ15a,15bと接地線11と距離が変化しても和の磁界信号出力が変化することなく部分放電の検出が可能となる。
上記磁界プローブ15a,15bは、図3に示す斜視図に示すように一体型磁界プローブ151となるようにケース内に収納した構成とすると容易に距離の和「La+Lb」を一定に保つことができ、取り扱いやすくなる。
まず、上記のように構成した磁界プローブ15a,15bを使用して部分放電を検出するに当たり、図4に示す信号処理ブロック図について述べる。
この信号処理ブロックは、磁界プローブ15a,15bと、その出力を増幅するアンプ16と、増幅された信号が供給されるハイパスフィルタ17と、ハイパスフィルタ17で電流ノイズをカットし、ハイパスフィルタ17を通過した校正パルス電流が供給される信号処理部18と、この信号処理部18で校正パルスから信号出力の大きさが求められて記憶される記憶部19と、記憶された信号出力の大きさから部分放電であるかを判定する判定部20と、信号の大きさや判定結果が表示される表示部21とから構成されている。
例として、磁界プローブ15a,15bの真ん中に接地線11がある場合で以下校正作業を行うこととする。
まず、部分放電検出対象とする電気機器本体10の停電をとり、校正器(パルスジェネレータ)を電気機器本体10に接続してプローブ校正用パルス電流(以下校正パルス)を接地線11に流す。すると、図4の信号処理ブロック図に示す磁界プローブ15a,15bには、校正パルスのみ、又は校正パルスと電流ノイズ(整流器ノイズ)による磁界信号「(a)又は(a)+(b)」(図5に示す)が検出される。
磁界信号(a),(b)は、磁界プローブ15a,15bで検出された後、アンプ16に送られて信号が増幅されて、ハイパスフィルタ17に送られる。
接地線11に流れる校正パルスと電流ノイズの主な周波数成分は、実フィールドでの周波数測定結果より図6に示すように、電流ノイズはf2以下のkHz帯で、校正パルスはf1以上のMHz帯が主成分となる。(校正パルスは、あらかじめ部分放電検出を想定した周波数成分MHz帯に合わせて設定されている。)
ここで、ハイパスフィルタ17の設定周波数がf2となっているため、電流ノイズが存在してもカットされ、ハイパスフィルタ17の出力には、信号(a)(校正パルス)のみを通して出力される。
出力された信号(a)は信号処理部18に送られる。この信号処理部18は信号(a)の大きさHkを求める処理であり、この信号(a)の大きさHkは、あとで部分放電電荷量(大きさ)の算出に使用される。例えば、校正パルスを100[pC]としたならば、このときの校正値を計測しておく。この校正値は記憶部19に送られ記憶保存されて、この校正値を用いて部分放電の検出を判定部20により行う。また、その校正値は、表示部21に送られて適宜画面に表示される。このようにして磁界プローブ151の校正値が得られたなら、校正器を取り外す。
次に部分放電の検出を実施するには、部分放電検出対象とする電気機器本体10を課電する。この課電により、電気機器本体10から部分放電パルスが発生したとすると、磁界プローブ15a,15bには、部分放電パルスのみ、又は部分放電パルスと電流ノイズとによる磁界信号(c)又は(c)+(b)(図5に示す)が検出される。
磁界信号(c),(b)は、磁界プローブ15a,15bで検出された後、アンプ16に送られて信号が増幅される。その増幅信号は、ハイパスフィルタ17に供給される。
部分放電パルスと電流ノイズの主な周波数成分は、実フィールドでの周波数測定結果より図6に示すように、電流ノイズはf2以下となり、部分放電パルスはf1以上である。
このため、ハイパスフィルタ17の設定周波数がf2となっているため、電流ノイズが存在してもカットされて、ハイパスフィルタ17の出力は部分放電パルス(c)のみを通して出力される。出力された信号(c)は信号処理部18に送られる。ここでの処理「1」は信号(c)の大きさ「Hpd」を求め、最終的に部分放電の電荷量(大きさ)が求められて判定部20で判定される。
(a)磁界プローブ15a,15bを校正時と同じ設置位置とした場合(真ん中に接地線11がある場合)、和の磁界信号出力「Ha+Hb」は変化しないので、校正時に求めておいた信号(a)の大きさ「Hk」を使用して、部分放電の電荷量=100×Hpd/Hk[pC]の式から部分放電の電荷量が求められる。
(b)磁界プローブ15a,15bを校正時の場合と設置位置が接地線11に対して多少ずれた位置となった場合、例えば、距離「La」<「Lb」と距離がずれても磁界信号「Ha’」>「Ha」,「Hb’」<「Hb」となるが、和の磁界信号出力「Ha’+Hb’」は変化しないので、上記同様に部分放電の電荷量が求まる。
従来では、磁界プローブ15の設置位置が変化すると、校正をやり直さないと部分放電電荷量が算出できないが、この実施例1では、磁界プローブ15a,15bの設置位置が接地線11に対して変化しても2つの磁界プローブ15a,15bの和の磁界信号出力を使用することにより、磁界プローブ151の校正を再度やり直すことなく部分放電の電荷量の算出が可能となる。
上記説明は信号処理部18の処理「1」の場合であるが、処理「2」としては、信号(Ha+Hb)で抽出されたパルス波の一定時間内の個数を部分放電の電荷量毎にカウントしてデータを得る。このデータは判定部20に送られ、判定部20では「電荷量×個数」の総和Σが閾値以上のとき、部分放電が発生と判断するとともに、表示部21に送られて画面に表示される。そして、トレンド監視する場合は、「電荷量(大きさ)と個数」の変動から部分放電と判断することができる。
なお、上記ハイパスフィルタ17は、電流ノイズがカット可能なバンドパスフィルタで構成しても良い。
10…電気機器本体
11…接地線
15a,15b,151…磁界プローブ
16…アンプ
17…ハイパスフィルタ
18…信号処理部
19…記憶部
20…判定部
21…表示部

Claims (4)

  1. 部分放電検出対象の電気機器本体と、この電気機器本体のアース端子に接続される接地線と、接地線に流れる電流ノイズと機器本体からの部分放電パルス電流により発生する磁界信号を捕捉する磁界プローブとを設け、この磁界プローブで捕捉された磁界信号を処理して部分放電を検出する方法において、
    前記磁界プローブを接地線に対して線対称に2つ設置した後、
    前記電気機器本体への課電を停止した後、プローブ校正用パルス電流を前記接地線に流して、これにより発生した磁界信号を前記線対称に設置した2つの磁界プローブで捕捉して、両磁界プローブの出力信号を加算し、磁界プローブの校正を行い、
    その後、前記電気機器本体へ課電を行った後に、2つの磁界プローブが、部分放電パルスによる磁界信号を捕捉して両磁界プローブの出力信号を加算し、部分放電の電荷量を求めて部分放電を検出することを特徴とする磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法。
  2. 前記両磁界プローブの出力信号を加算後、フィルタを通して電流ノイズ成分をカットすることを特徴とする請求項1記載の磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法。
  3. 前記フィルタは、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタからなることを特徴とする請求項2記載の磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法。
  4. 前記2つの磁界プローブの距離を一定に保持するように一体化させたことを特徴とする請求項1記載の磁界プローブを用いた電気機器の部分放電検出方法。
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