JP4216920B2 - 導電装置の部分放電発生位置検出装置 - Google Patents

導電装置の部分放電発生位置検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス絶縁開閉装置や電力ケーブル等の導電装置の部分放電発生位置検出装置、特に筒状体の長さ方向と交差する方向の位置を的確に知ることができる導電装置の部分放電発生位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の導電装置であるガス絶縁機器の部分放電検出装置として、例えば特開平2−31174号公報に記載されたものがある。これは、部分放電の周波数スペクトルの特性から異常を検出するもので、例えば周波数スペクトルに現れる複数のスペクトル強度の山のスペクトル幅を測定または比較して、コンタクトの接触不良、電気フロート、スペーサのクラックとボイド、金属線等の異常原因を診断しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の部分放電検出装置は上記の如きであったが、この方法では部分放電が径方向のどのあたりの位置で発生しているのかを、的確に知ることができなかった。異常の径方向の位置によっては早急に点検を要するものもあり、しばらくは放置しておいても有害ではないものもあることから、径方向の異常位置の判定を的確に行える装置が望まれている。
【0004】
すなわち、例えばガス絶縁開閉装置(以下GISという)の筒状体であるタンク内への異物の混入を考えた場合、同じ形状の異物でもタンク側にある場合は起立→浮上→破壊という段階を踏むのに対し、内部高圧導体側にある場合は直ちに破壊に結び付く可能性がある。よって、異物の径方向の位置を知ることは絶縁診断上重要なことである。
【0005】
本発明の目的とするところは、上記のような問題点を解決して、導電性材料で形成された筒状体とこの筒状体内に収容され筒状体の長さ方向に延伸された導体とを有する導電装置における上記筒状体内で発生する部分放電が、筒状体の長さ方向と交差する方向のどの位置で発生したか、すなわち筒状体が円筒状であればその径方向のどの位置で発生したかを知ることができる導電装置の部分放電発生位置検出装置を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の導電装置の部分放電発生位置検出装置においては、導電性材料で形成された筒状体とこの筒状体内に収容され筒状体の長さ方向に延伸された導体とを有する導電装置における筒状体内で発生する電磁波を検出する電磁波検出部を有し検出された電磁波の、TEMモードの強度と少なくともTEm1モード(但しmは1以上の整数)を含む電磁波モードの強度との比、またはTEp1モードの強度とTEq1モードの強度との比(但しpは2以下の整数、qはpより大きい整数)に基づいて部分放電の筒状体の長さ方向と交差する方向の発生位置を知る検知装置を設けた。
【0007】
筒状体内において放電が発生すると放電のエネルギにより各種の電磁波モードが励起される。一般に励起源の強度、すなわち放電の強度が同じであれば、モード固有の電界強度分布において電界が高くなる場所で励起するとそのモードが強く励起される。すなわち、各モードの電磁波強度は放電源の位置に依存する。TEMモードとTEm1モードは、個々のモードが径方向位置に対してほぼ1対1に対応する電界強度分布をもつ。特に、TEMモードは導体からの距離に反比例する電界分布を示すことから、TEMモードの強度とTEm1モードを含む電磁波モードの強度との比から放電源の位置を知ることができる。なお、少なくともTEm1モードを含む電磁波モードであれば、他の電磁波モードが含まれていても、その割合が小さいので、大きな影響は受けない。また、TEp1モードはその強度が筒状体の軸と直交する方向の位置に依存して中心導体に近くなるに従って、ほぼ単調に増加するか、ほぼ一定で変化しない。一方、TEq1モードは、qをpより大きく選択した場合は、中心導体に近くなるに従ってTEp1モードよりもその強度の増加の割合が小さい。故に、TEp1モードの強度とTEq1モードの強度の比はより強く筒状体の軸と交差する方向の位置に依存する。従って、このようなモード比を選択することによって、より正確な部分放電の発生位置を知ることができる。
【0008】
また、検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度をTEMモードの強度とし、TE11波の遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする。
TEモードあるいはTMモードはTE11波の遮断周波数未満には成分をもたないので、TE11モードの遮断周波数未満の第一の周波数の強さはTEMモードの強さを示すものであり、TEMモードの強さとTE11モードの遮断周波数以上の第二の周波数の強さとの比を求めることにより、その放電がTEMモードをどの程度を含むのかがわかり、放電発生源の位置がわかる。TEモードやTMモードの分離が不要であるので、測定が容易である。なお、少なくともTEm1モードを含む電磁波モードであれば、TMモードやTEm2モード(mは整数)などの電磁波モードが含まれていても、その割合が小さいので、大きな影響は受けない。
【0009】
そして、検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値をTEMモードの強度とし、TE11波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて放電の発生位置を知るものであることを特徴とする。
部分放電によるGIS中でのスペクトルは急峻で複数のピークが発生することが多い。従って、所定の第一の周波数あるいは第二の周波数での強度ではなく、各所定範囲の周波数帯域の強度の積分値を求めることにより検出強度が大きくなる。従って、それぞれの周波数帯域において求めた積分値の比に基づけば、検出感度が良くなる。
【0010】
さらに、検知装置は、TEMモードの強度と、TEm1モード、但しmは1以上の整数、の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする。
TEMモードの強度は筒状体の軸と交差する方向の位置に依存してほぼ単調に増加する。また、TEm1モードの強度は、筒状体の軸と直交する方向の位置に依存して中心導体に近いほど、ほぼ単調にTEMモードよりも少ない割合で増加するか、ほぼ一定で変化しないか、あるいは減少する。すなわち、筒状体の軸と直交する方向の位置と周波数スペクトル強度との関係が1対1となる。従って、TEMモードとTEm1モードを用いることによって、径方向の位置をより正確に判定できる。特に、TEMモードとTEm1モードの境界となる周波数は導電装置の構造から計算できることから、モードを同定するための煩雑な実験的作業をすることなく、容易に部分放電の発生位置を知ることができる。
【0011】
そして、検知装置は、TE31モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度と、TE31モードの遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする。
TE31の遮断周波数より低い周波数にはTEM、TE11、TE21の3種類のモードしか含まれない。これらのモードはタンクに近いほどその強度が小さいモードである。一方、TE31モードの遮断周波数以上の周波数では放電源の位置がタンクに近いほどその強度が大きい。
【0012】
従って、両者の比をとった場合、その値は部分放電の発生位置に極めて敏感となる。さらに、例えば特定のガス絶縁開閉装置の形状に対応する各モードの周波数を知るには、あらかじめ模擬放電源などにより実測する必要がある。これに対し、ガス絶縁開閉装置の形状から理論的に導出可能なTE31モードの遮断周波数を境界周波数とすることで、検知すべき周波数を実験的に探索する必要がなくなるので、測定が容易である。
【0013】
さらに、検知装置は、TE31波の遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値と、TE31波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする。
部分放電によるGIS中でのスペクトルは急峻で複数のピークが発生することが多い。従って、所定の第一の周波数あるいは第二の周波数での強度ではなく、各所定範囲の周波数帯域の強度の積分値を求めることにより検出強度が大きくなる。従って、それぞれの周波数帯域において求めた積分値の比に基づけば、検出感度を良くすることができる。
【0014】
また、電磁波検出部が、外部アンテナであることを特徴とする。
特定の電磁波モードの周波数を知るには、放電源と電磁波検出部との角度を変化させてその強度の周期性を調べる必要がある。この場合外部アンテナを用いることにより角度依存性の測定が容易となる。
【0015】
そして、検知装置は、異なる電磁波モードの強度の比が時間的に変化するとき筒状体内を動く自由異物による放電であると判定する自由異物判定手段を有するものであることを特徴とする。
異なる電磁波モードの強度の比が時間的に変化することは、筒状体内の放電発生位置が筒状体の長さ方向と交差する方向に移動していることを意味する。すなわち、この放電は筒状体内を筒状体の長さ方向と交差する方向に移動する自由異物によるものと判定できる。
【0016】
さらに、導電装置は、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁母線又は電力ケーブルであることを特徴とする。
これら導電装置は、内部放電によりTEM、TEmnモード(m,nは整数)の電磁波を発生し、これらモード間の強度の比から放電源の位置を知ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
ガス絶縁機器等の導電装置の内部異常は、発生する部分放電の周波数スペクトルを検出することで診断できる。相分離母線GISは円筒同軸構造をしているので、電磁波の伝搬に関して同軸導波管と見なすことができる。同軸導波管内を伝搬する電磁波モードには、TEMモード(tansverse electro−magnetic mode)、TEmnモード、TMmnモードの基本的に3種類のモードが存在する。ここで、TEmnモード(transverse electric mode)の場合は、mおよびnは1以上の整数である。TMmnモード(transverse magnetic mode)の場合は、mは0以上の整数、nは1以上の整数である。各電磁波モードはそれぞれのモードに固有の電磁界分布をもつ。
【0018】
図1〜図4は、各モードの電界分布の一例を示す特性図である。図1はTEMモードとTEm1モードの特性を示し、図2はTMm1モードの径方向電界成分の径方向分布を示す。図3は、TE11モードとTM01モードの電界の径方向成分を示す特性図、図4は、各モードの周波数分布図である。
【0019】
TEMモードは、良く知られているように同軸中心からの距離に反比例する電界分布を示すことから、図1のように、電界強度と径方向位置とは1対1に対応する。放電発生源がタンク側にある場合、放電発生源から放射された電磁波は、放電発生源が内部高圧導体側にある場合に比べて内部高圧導体との結合が弱くなる。TEMモードの電磁波が発生するためには導体が2つ必要なことから、タンク側で放電した場合は内部高圧導体側で放電した場合に比べて内部高圧導体との結合が弱い分TEMモードの電磁波が発生しにくくなっている。
【0020】
一方、図2のように、TMm1モードは中心導体とタンク底面との間においてその強度が極小となる位置があり、電界強度と径方向位置は1対1に対応しない。また、図示はしていないが、TEmn、TMmnモードの内nが2以上のモードについては、中心導体とタンクとの間においてその強度が極小となる位置があり、電界強度と径方向の位置とは1対1に対応しない。
【0021】
ところで、部分放電源はGISのタンク内のある位置に偶発的に存在し、例えば中心導体表面や、タンク底面、スペーサ表面などが可能性としてある。それらの放電源において放電が発生すると電磁波が励起される。前述したように、GISのように同軸構造容器内においては放電のエネルギにより各電磁波モードが励起される。励起される電磁波モードそれぞれの強度は放電の大きさや放電源の位置に依存する。
【0022】
一般に励起源の強度、すなわち放電の強度が同じであれば、モード固有の電界強度分布において電界が高くなる場所で励起するとそのモードが強く励起される。すなわち、図1および図2に示した各モードの電界分布は各モードの電磁波強度の放電源位置依存性を示している。従って、例えば、TE11モードの場合はタンク底面に放電源が存在する場合に比較して中心導体側に存在する方が強く励起されることを示している。一方、TE31モードに関しては、タンク底面側に存在する方が強く励起されることを示している。
【0023】
従って、部分放電によって発生するTEM、TEmn、TMmnモードの内、TEMモード、TEm1モードの強度を用いることによって放電源の径方向の位置を知ることができる。
なお、図2に示すようにTMモードは電界分布が中心導体表面とタンク底面の間で極小値をもち径方向の位置とモードの強度が1対1に対応しない。また、図示していないが、TEmnモードの内、nが2以上のモードの場合にもTMモードと同様にモードの強度と径方向の位置が必ずしも1対1に対応しない場合がある。ゆえに、TMモードを単独の指標として用いることは適当でない。但し、図3の特性図に示すようにTEMモードやTE11モードに比べてその値は小さいので、TEMモードやTE11モード等に混在していても、それほど影響を与えない。
【0024】
ところで、部分放電は放電の種類によって、また印加電圧によって決まる放電源周辺の電界によって放電の大きさが異なる。即ち、特定の電磁波モードの強度の違いだけでは、放電の大きさの違いを反映しているのか、あるいは、部分放電発生の径方向位置の違いを反映しているのかを知ることができない。従って、ある特定のモードの強度だけでは、放電源の径方向の位置を同定することは困難である。
【0025】
放電の大きさは発生の都度変化するが、何らかの方法により放電の大きさの影響を除くことができれば、それは放電の大きさには依存せず、径方向だけに依存することになり、特定の電磁波モードの強度の違いは部分放電発生の径方向の位置の違いを反映することになるはずである。そうすれば、TEMモード、TEm1モードの内のいずれかの電磁波モードの強さを検出することにより、放電源の径方向上の位置を知ることができる。
この発明は、上記のような着想に基づいてなされたもので、以下にいくつかの実施の形態について説明する。
【0026】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の一形態を図5〜図10について具体的に説明する。図5は筒状体であるGISのタンク内部に混入した導電性異物と部分放電の検知装置の構成を示す構成図、図6は検知装置の動作を示すフローチャートである。図7は部分放電が内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図、図8は部分放電がタンク側で発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図、図9は検知装置の検知結果を示す特性図、図10は検知結果の時間変化を示す特性図である。
【0027】
ところで、上記で述べたTEM、TE、TMの各モードの周波数域は、図4の周波数分布図に示すような関係にある。例えば、TE11モードの電磁波はある所定の周波数fcTE11未満の区域には存在しない。すなわち各電磁波モードには遮断周波数fcが存在する。遮断周波数fcとはある電磁波モードがその周波数以上でしか存在しないという周波数である。
【0028】
この遮断周波数fcは例えば、GISのような同軸円筒構造の場合には理論的に計算できる。この遮断周波数fcは導波管として働くGIS10の形状で決るもので、内部高圧導体12の外径をx、タンク11の内径をyとすると、TEm1モードの遮断周波数は、近似的に次の(1)式
fc=2c・m/π(x+y) ここに、c:光速 (1)
で与えられる。例えば、内部高圧導体12の外径x=130mm、タンク11の内径y=550mmとすると、TE11モードの遮断周波数fcTE11は約281MHzとなる。ただし、厳密には電磁界の境界条件にもとづいた数値解析により得ることができる。
【0029】
遮断周波数fcから電磁波モードを特定することができる場合がある。例えば、TE11モードの遮断周波数fcTE11以下ではTEMモードしか存在できないので、fcTE11以下のスペクトル強度はTEMモードのものであると判定できる。
従って、遮断周波数fcTE11より小さい所定の周波数における成分の強さを求めれば、それがTEMモードの強さである。そして、放電強度の影響を除くためにこのTEMモードの強度と、TEMモード以外のTEやTMモードの強度との比を求めることにより正規化する。この正規化されたTEMモードの径方向電界成分の強度と放電発生の径方向の位置dとは、1対1に対応するので、正規化されたTEMモードの強さから、その放電の径方向の発生位置を知ることができる。
【0030】
図5において、導電装置としてのGIS10は次のように構成され、この発明の検知装置20が設けられている。円筒状のタンク11の中心部に、断面が中空円形の内部高圧導体12がタンク11と同軸になるようにして設けられている。内部高圧導体12は、タンク11の長さ方向に所定間隔をおいて設けられたコーン状の絶縁スペーサ13により支持固定されている。また、タンク11の内部、すなわち内部高圧導体12の周囲には、絶縁媒体である六弗化硫黄ガス(以下、SF6ガスと表す)が充填されている。
【0031】
タンク11内部の異常状態として、内部高圧導体12の表面に起立して固定された内部高圧導体固定針15、タンク12の内壁面に起立して固定されたタンク固定針16、固定されていない自由異物17、がそれぞれ放電発生源となる場合について考える。
【0032】
検知装置20は、次のように構成されている。電磁波検出器21がタンク11内に設置されている。タンク11内部において部分放電が発生すると電磁波が発生する。この電磁波を電磁波検出器21で検出し、検出した信号を増幅器22で増幅し、高速フーリエ変換装置23に取り込む。電磁波検出器21は、タンク11の内面と面一に形成された平板状のアンテナである。
【0033】
そして、高速フーリエ変換装置23により高速フーリエ変換を行い、周波数スペクトルを求める。さらに、抽出器25によりこの周波数スペクトルのうち、TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の第一の周波数f1の成分の大きさA1(dBV)と、TE11モードの遮断周波数fcTE11以上の第二の周波数f2の成分の大きさA2(dBV)を取出す。
【0034】
割算器26により、比率U=A1/A2を求める。判定装置27は、比率Uの大きさ及び時間変化の有無に基づき、固定異物か自由異物かを判定し、固定異物の場合はタンク11内における径方向の位置を図9の曲線Dに基づいて算出する。表示装置28は、判定装置27の判定結果の文字情報及び比率Uの値を表示する。詳細は、後述する。
なお、図5における高速フーリエ変換装置23、抽出器25、割算器26がこの発明における正規化手段である。
【0035】
第一、第二の周波数f1,f2は、このTE11モードの遮断周波数fcTE11未満の周波数の区域と、fcTE11以上の区域からそれぞれ選ぶ。すると、第一の周波数f1においてはTEMモードの波だけしか含まない。前述のように、例えば内部高圧導体12の外径x=130mm、タンク11の内径y=550mmとすると、TE11モードの遮断周波数fcTE11は約281MHzになる。
【0036】
例えば、f1=80MHz、f2=1GHzに選ぶ。このように選ぶと、第一の周波数f1の成分と第二の周波数f2の成分の各大きさの違いは、電磁波中に含まれるTEM波とTE波との違いを反映するものになる。そして、放電発生源が内部高圧導体12側にあるか、タンク11側にあるかで電磁波中に含まれるTEM波の割合が違ってくる。
【0037】
次に動作について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。タンク11内に、放電発生源としての上記の各種の異物である内部高圧導体固定針15、タンク固定針16、自由異物17のうちの一つを取り付け、電圧を印加する。ステップS11において、その時の部分放電にともなって発生する電磁波を電磁波検出器21にて検出し、ステップS12において電磁波検出器21からの信号を増幅器22で増幅する。
【0038】
ステップS13において、増幅した信号を高速フーリエ変換装置23に取り込み、波形を高速フーリエ変換を行い、周波数スペクトルを求める。放電発生源が内部高圧導体固定針15(図5参照)の場合の周波数スペクトルを図7に、タンク固定針16(図5参照)の場合の周波数スペクトルを図8に示す。なお、図7、図8において、横軸が周波数frequncy(Hz)、縦軸が振幅Ampli(dBV)である。
【0039】
TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の成分に着目すると、放電発生源が内部高圧導体固定針15の場合である図7の方が、放電発生源がタンク固定針16の場合である図8よりもかなり大きくなっている。
【0040】
ステップS14において、高速フーリエ変換装置23により求めた周波数スペクトルから、例えばf1=80MHz、f2=1GHzにおける成分の大きさA1,A2を抽出器25により抽出する。
【0041】
ステップS15において、割算器26により、比率U=A1/A2を求める。上述のように、第一の周波数f1はTEMモードの波だけしか含まないので、比率U=A1/A2は、電磁波中に含まれるTEM波の割合を反映するものになる。なお、比率Uを求めて第一の周波数f1の成分A1の値を第二の周波数f2の成分A2により正規化するのは、放電源が同じ場所にあっても放電発生の都度A1やA2の大きさは変化するが、放電源が同じ場所にあれば放電電磁波中に含まれるTEM波の割合はほとんど変わらないので、正規化することにより放電の大きさが変わることの影響をなくすことができるためである。
【0042】
ステップS16において、判定装置27は比率Uの時間変化の有無を判定する。時間変化があれば、ステップS17において、この放電は自由異物によるものであると判定し、ステップS18において表示装置28に「部分放電発生、自由異物」の表示をする。自由異物の場合は内部高圧導体12とタンク11との間を行き来するので、すなわち径方向に移動していることになり、比率Uが時間的に増減する。この場合、それは自由異物による部分放電により発生した電磁波の信号であると言える。
【0043】
ステップS16において比率Uが時間に対して変化せず一定の場合は、ステップS19において放電発生源は径方向には移動していない、すなわち固定異物であると判定する。
【0044】
ステップS16の判定において、放電発生源が固定異物で内部高圧導体12近傍にある場合は、図10の特性Eのように所定値U1、タンク11近傍にある場合は特性FのようにU1よりも小さい所定値U2を示し、時間的に変化しない。また、自由異物であれば特性Gのように時間的に所定値U1と所定値U2との間を変化する。従って、固定異物か自由異物か判別することができる。なお、図10において、横軸は時間t(ms)、縦軸はUの大きさである。
【0045】
ステップS20において、部分放電の位置を求める。比率Uは、放電発生源が内部高圧導体12側にあるかタンク11側にあるかでその大きさが異なる。図9は、横軸に放電発生源の内部高圧導体12からの距離d、縦軸に比率Uの値をプロットした曲線Dを示すものである。
【0046】
この曲線Dは、GISの寸法により予め想定することができ、放電発生源が内部高圧導体12の近傍にあるとき比率U=U1、タンク11の近くの場合は比率U=U2である。比率Uの値が大きいほど部分放電の位置が内部高圧導体12に近いことが分る。すなわち、放電発生源の径方向、すなわちタンク11の長さ方向と交差する方向の位置を知ることができる。
【0047】
従って、ステップS20において、判定装置27は図9の曲線Dに相当するデータテーブルに基づいて、放電発生源のタンク11内における径方向の位置を求める。
例えばU=U1の場合は、内部高圧導体12近傍で部分放電が発生していることが分る。
【0048】
ステップS21において、表示装置28に「部分放電発生、固定異物」と表示するとともにステップS20において判定装置27により求めた放電発生源のタンク11内における径方向の位置を例えば「内部高圧導体側」と表示する。あわせて、データテーブルに基づき図9の曲線Dを表示し、その上に比率U=U1の値を点Hとして表示する。さらに、比率Uの時間変化を図10の特性E,F,Gと同様に時間軸を横軸にとって表示する。
【0049】
表示装置28により、図9に示すような予め内部高圧導体12から放電発生位置までの距離に対応してU=A1/A2をプロットした曲線D上に比率U=U1を点Hとして表示することにより、異物による部分放電発生の位置を視覚的に捉えることができる。
【0050】
実施の形態2.
図11〜図14は、この発明の他の実施の形態を示すものであり、図11は部分放電が内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトル、図12は部分放電がタンク側に発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。図13は650MHzでのスペクトル強度のセンサと放電源の角度依存性、図14は785MHzでのスペクトル強度のセンサと放電源の角度依存性を示す特性図である。
【0051】
ところで、上述したように図5の実施の形態においては、TE11モードの遮断周波数fcTE11が281MHzであり、第一の周波数f1を80MHz、第二の周波数f2を1GHzに選んだ。従って、第一の周波数f1における成分の強さはTEMモードの電磁波の強さであり、第二の周波数f2における成分の強さは図4のようにTEM、TE、TMモードの電磁波が混在したものの強さである可能性がある。
【0052】
図2あるいは図3に示したように、TMモードは電界分布が中心導体表面とタンク底面(内面)との間で極小値をもち、径方向の位置とモードの強度とが1対1に対応しない。このため、上記TMモードを含まないモード、例えばTEm1モードだけの強さを用いた方が、放電発生の径方向位置を一層感度良く特定できる。以下、具体的に説明する。
【0053】
検地装置20は、図5に示したものと同様のものを用いる。但し、この実施の形態においては、抽出器25が抽出する周波数成分が図5のものとは異なる。
すなわち、高速フーリエ変換装置23により高速フーリェ変換を行い、求められた周波数スペクトルから抽出器25により第1のモードであるTE21モードの成分の大きさA1(dBV)と、第二のモードであるTE31モードの成分の大きさA2(dBV)を取出す。TE21、TE31モードの周波数の検出方法に関しては後述する。
【0054】
割算器26により、比率U=A1/A2を求める。判定装置27は、比率Uの大きさ及び時間変化の有無に基づき、固定異物か自由異物かを判定し、固定異物の場合はタンク11内における径方向の位置を図9の曲線Dと同様の曲線に基づいて算出する。表示装置28は、判定装置27の判定結果の文字情報及び比率Uの値を表示する。
【0055】
ここで、本実施の形態を実現するためには、検出するべきTE21モードとTE31モードの電磁波がいかなる周波数において検出できるかをあらかじめ知っておく必要がある。それぞれのモードの強度を示す周波数は、次のようにして求めることができる。すなわち、TEmnモードの電磁波は理論的にタンク円周回転方向にsin(mθ)あるいはcos(mθ)なる周期性をもつことが知られている。ここで、θは放電源とセンサのタンク円周方向への回転角度である。すなわち、センサをタンク円周方向に移動させると、その強度はsin(mθ)あるいはcos(mθ)なる周期性をもつ。
【0056】
従って、ある特定の周波数成分の円周方向依存性を測定しその強度の周期がπ/mであればその周波数はTEmnモードと判断することができる。このようにして、ある特定の周波数ピークがどの電磁波モードであるかを知ることができる。従って、工場試験時、あるいは、GIS設置場所において模擬放電源等によりセンサと放電源の角度依存性を測定することにより、そのGISにおける各モードの周波数を知ることができる。
【0057】
さて、具体的に電磁波モードと周波数との関係の求め方について述べる。図11は模擬放電源を中心導体上に設置して測定した周波数スペクトル、図12はタンク底面側に設置して測定した周波数スペクトルである。図中には理論的に計算した各モードTE11、TE21、TE31、TE41、TE12、TE22、TM01、TM11、TM21の遮断周波数も記入した。
【0058】
図13と図14は、図12内に示した周波数スペクトル上の周波数f1と周波数f2での強度に関してセンサと放電源の角度位置を相対的に変化させたときの特性である。周波数f1に関しては山が4個、周波数f2に関しては山が6個あることがわかる。従って、先に述べたように、周波数f1はTE21モード、周波数f2はTE31モードのスペクトルピークであることがわかる。このようにして、スペクトルピーク強度の円周位置依存性を測定することにより、各周波数ピークのモードを知ることができる。
【0059】
以上のことから本実施の形態では、例えば第一の周波数としてTE21モードであるf1=650MHzを選択し、第2の周波数としてTE31モードであるf2=785MHzを選ぶ。これらの周波数を選ぶと、第一の周波数f1の成分と第二の周波数f2の成分の大きさの違いは、電磁波中に含まれるTE21モードとTE31モードとの違いになる。
【0060】
次に動作について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。タンク11内に、放電発生源としての上記の各種の異物である内部高圧導体固定針15、タンク固定針16、自由異物17のうちの一つを取り付け、電圧を印加する。ステップS11において、その時の部分放電にともなって発生する電磁波を電磁波検出器21にて検出し、ステップS12において電磁波検出器21からの信号を増幅器22で増幅する。
【0061】
ステップS13において、増幅した信号を高速フーリエ変換装置23に取り込み、波形を高速フーリェ変換を行い、周波数スペクトルを求める。放電発生源が内部高圧導体固定針15の場合の周波数スペクトルが図11、タンク固定針16の場合の周波数スペクトルが図12である。なお、図11、図12において、横軸が周波数frequncy(Hz)、縦軸が振幅Ampli(dBV)である。TE21モードの成分、即ち周波数f1の強度に着目すると、放電発生源が内部高圧導体固定針とタンク固定針16の場合でほとんど変化しないが。TE31モード、即ち周波数f2での強度を見ると、設置タンク固定針の方がその強度は大きい。
【0062】
ステップS14において、高速フーリエ変換装置23により求めた周波数スペクトルから、f1=650MHz、f2=785MHzにおける成分の大きさA1、A2を抽出器25により抽出する。
【0063】
ステップS15において、割算器26により、比率U=A1/A2を求める。上述のように、第一の周波数f1はTE21モードだけしか含まず、第二の周波数f2はTE31モードしか含まないように選んでいるので、比率U=A1/A2は、電磁波中に含まれるTE21波とTE31波の比になる。なお、第一の周波数f1の成分A1の値を第二の周波数f2の成分A2により比率Uを求めるのは、放電発生の都度A1やA2の大きさが変化するが、比によって判定すればこの影響をなくすことができるためである。
【0064】
ステップS19において、判定装置27は比率Uの時間変化の有無を判定する。時間変化があれば、ステップS20において、この放電は自由異物によるものであると判定し、ステップS21において表示装置28に「部分放電発生、自由異物」の表示をする。自由異物の場合は内部高圧導体12とタンク11との間を行き来するので、すなわち径方向に移動していることになり、比率Uが時間的に増減する。この場合、それは自由異物による部分放電により発生した電磁波のスペクトルであると言える。
【0065】
ステップS19において比率Uが時間に対して変化せず一定の場合は、ステップS21において放電発生源は径方向には移動していない、すなわち固定異物であると判定する。
【0066】
ステップS19の判定において、放電発生源が固定異物で内部高圧導体12近傍にある場合は、所定値U3、タンク11近傍にある場合は特性FのようにU3よりも小さい所定値U4を示し、時間的に変化しない。また、自由異物であれば時間的に所定値U3と所定値U4との間を変化する。従って、固定異物か自由異物か判別することができる。
【0067】
ステップS20において、部分放電の位置を求める。比率Uは、放電発生源が内部高圧導体12側にあるかタンク11側にあるかでその大きさが異なる。従って、予め図9の曲線Dと同様の横軸に放電発生源の内部高圧導体12からの距離d、縦軸に比率Uの値をプロットした曲線を求めておく。
【0068】
この曲線は、GISの寸法により予め決るものであり、放電発生源が内部高圧導体12の近傍にあるとき比率U=U3、タンク11の近くの場合は比率U=U4である。比率Uの値が大きいほど部分放電の位置が内部高圧導体12に近いことが分る。すなわち、放電発生源の径方向の位置を知ることができる。
【0069】
従って、ステップS20において、判定装置27は比率Uと距離dとの関係を示すデータテーブルに基づいて、放電発生源のタンク11内における径方向の位置を求める。例えばU=U3の場合は、内部高圧導体12の近傍において部分放電が発生していることが分る。
【0070】
上記実施例では第1のモードとしてTE21モード、第2のモードとしてTE31モードの強度比U=A1(TE21)/A2(TE31)を用いて放電源の径方向位置を推定できるようにしたが、第1のモードとしてTEMモードを用いても強度比U=A1(TEM)/A2(TE21)あるいはU=A1(TEM)/A2(TE31)にて推定するようにしても良い。
【0071】
第1のモードとしてTEMモードを用いると次のような効果がある。TEMモードの最低遮断周波数はTE11モードの遮断周波数であり、本周波数は前述したように理論的に計算できる。TE11モードの遮断周波数以下の周波数ではTEMモードしか存在しないので、TEMモードの周波数は実験的に円周位置依存性を測定することなく特定できる。従って、TEMモードを第1の検知周波数とすることにより、モード間の比を求める手順が容易となる。
【0072】
実施の形態3.
図15は、さらにこの発明の他の実施の形態を示す検知装置の構成図である。この実施の形態では、検知装置20aは電磁波検出器21a以外は図5の検知装置20と同様のものである。電磁波検出器21aをスペーサ13の外周部に設置しスペーサ13から漏れてくる電磁波を検出するようにした。
【0073】
このような電磁波検出器21aとしてはループ型のアンテナを用いることができる。スペーサ13は誘電体であるので、タンク11内部の部分放電によって発生した電磁波はスペーサ部からタンク11外部に漏れてくる。スペーサ外部に設置した電磁波検出器21aをスペーサ外周にそって回転させることによって検出している周波数とモードとの関係が明らかにできる。本構成では電磁波検出器を円周方向に回転させることができるので、模擬放電等によって周波数と電磁波モードの関係を知ることが容易となる。
【0074】
実施の形態4.
ところで、部分放電により発生する電磁波において、TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の区域においてはTE波及びTM波は存在せずTEM波しか存在しない。しかし、TEM波は図4、図11に示したようにTE11モードの遮断周波数fcTE11以上の区域においても存在し、TE波とTM波とTEM波の三者が混在する。
【0075】
前述したように、周波数スペクトルにおいて、ある特定の周波数ピークがどのモードであるかを判定するには、模擬的な部分放電を発せさせ、スペクトル強度のタンク円周位置依存性を測定しなければならない。実際の運転中のGISにおいては、このような模擬的な部分放電を発生させることが困難な場合がある。この場合、ある特定のモードである周波数f2の選定が困難となる。このような場合は、特定の周波数でのスペクトル強度を選ぶのではなく、ある周波数帯でのスペクトル強度の積分値を選べばよい。具体的な区域としては、TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の所定範囲の区域における積分値S1、TE11モードの遮断周波数fcTE11以上の所定範囲の区域における積分値S2を求め、この両者の比率V=S1/S2を求めればよい。
【0076】
図16〜図18は、上記比率Vに基づいて判定するこの発明の他の実施の形態を示すもので、図16は検知装置の構成図である。図17は検知装置の動作を示すフローチャート、図18は図16の検知装置の検知結果を示す特性図である。図16において、検知装置30は、次のように構成されている。増幅器22で電磁波検出器21の信号を増幅し、高速フーリエ変換装置23に供給するのは、図5の検知装置20と同様である。
【0077】
積分装置31は、高速フーリエ変換装置23により高速フーリエ変換を行って求めた周波数スペクトルに基づき、TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の区域における所定範囲のスペクトル強度の積分値S1、TE11モードの遮断周波数fcTE11以上の区域における所定範囲のスペクトル強度の積分値S2を求める。割算器26は、積分値S1とS2の比率V=S1/S2を求める。
【0078】
判定装置27は、比率Vの大きさ及び時間変化の有無に基づき、固定異物か自由異物かを判定し、固定異物の場合はタンク11内における径方向の位置を算出する。
図18に比率V=S1/S2をプロットしたものを示す。横軸は、図9と同様、放電発生源の内部高圧導体12からの距離であり、放電異物が内部高圧導体12近辺にあるときは所定の値V1を、タンク11近傍にあるときは、所定の値V1より小さい別の所定の値V2になる。このように、図18において比率Vの値を曲線J上にプロットすることによっても放電発生源の径方向の位置を知ることができる。
【0079】
表示装置28は、判定装置27の判定結果の文字情報及び比率Vの値を表示する。
なお、図16における高速フーリエ変換装置23、積分器31、割算器26がこの発明における正規化手段である。
【0080】
次に動作を図17のフローチャートによって説明する。
ステップS34において、高速フーリエ変換装置23により求めた周波数スペクトルから、TE11モードの遮断周波数fcTE11を例えば上述のfcTE11=281MHzとし、f=0〜280MHzまでの範囲におけるスペクトル強度の積分値S1、及びf=281〜1200MHzまでの範囲におけるスペクトル強度の積分値S2を積分器31により求める。
【0081】
ステップS35において、割算器26により、比率V=S1/S2を求める。上述のように、得られた周波数スペクトルはfcTE11未満の区域においてはTEMモードだけしか含まず、比率V=S1/S2は、電磁波中に含まれるTEM波の割合を反映するものになる。比率Vを求めて積分値S1を積分値S2により正規化するのは、放電発生の都度S1やS2の大きさが変化するので、この影響を正規化することによりなくすためである。
【0082】
ステップS16において判定装置27は、比率Vの時間変化の有無を判定する。時間変化があれば、ステップS17において、この放電は自由異物によるものであるとして、ステップS18において表示装置28に「部分放電発生、自由異物」の表示をする。
【0083】
ステップS16において比率Vが時間に対して変化せず一定の場合は、ステップS19において放電発生源は径方向には移動していない、すなわち固定異物であるとする。放電発生源が固定異物で内部高圧導体12近傍にある場合は、図18の曲線Jにおける所定値V1、タンク11近傍にある場合は上記V1よりも小さい所定値V2を示し、時間的に変化しない。
【0084】
ステップS36において、部分放電の位置を求める。比率Vは、放電発生源が内部高圧導体12側にあるかタンク11側にあるかでその大きさが異なる。図18は、横軸に放電発生源の内部高圧導体12からの距離d、縦軸に比率Vの値をプロットした曲線Jを示すものである。この曲線Jは、上述の図9の曲線Dと同様にGISの寸法により予め想定することができ、放電発生源が内部高圧導体12近傍にあるとき比率V=V1、タンク11の近くにある場合は比率V=V2である。
【0085】
従って、ステップS36において、判定装置27は図18の曲線Jに相当するデータテーブルに基づいて、放電発生源のタンク11内における径方向の位置を求める。
例えばV=V2の場合は、図18において曲線J上のK点であり、タンク11側で部分放電が発生していることが分る。
【0086】
ステップS21において、表示装置28に「部分放電発生、固定異物」と表示するとともにステップS21において判定装置27により求めた放電発生源のタンク11内における径方向の位置を例えば「タンク側」と表示する。あわせて、データテーブルに基づき図18の曲線Jを表示し、その上に比率V=V2の値を点Kとして表示する。さらに、比率Vの時間変化を図10の特性E,F,Gと同様にして表示する。
【0087】
なお、上記実施の形態では、TE11モードの遮断周波数fcTE11未満の区域のスペクトル強度の積分値S1とTE11モードの遮断周波数fcTE11以上の区域のスペクトル強度の積分値S2という2つの積分値の違いを用いた。しかし、この2つ以外に全周波数域に亘るスペクトル強度の積分値STを用いてもよい。
【0088】
つまり3つの積分値S1,S2,STのうち任意の2つを選んで、すなわちV=S1/S2の代りに、W=S1/STあるいはX=S2/STを求めて、予め求めておいた図18の曲線Jと同様のデータターブルに基づいて放電発生源の径方向の位置を同定できる。また、この比率Wや比率Xの時間変化を追うことによって放電発生源が固定異物なのか自由異物なのかを知ることができる。
【0089】
実施の形態5.
また、実際にGISが稼働している場所においては、センサ位置は固定の場合が多い。また、試験的に部分放電源をGIS内部に設置して、図13、14のようなセンサと放電源の角度依存性を測定することも、困難である。従って、特定の周波数ピークがどのモードであるかを実験的に知るのは困難な場合がある。
【0090】
このような場合は、特定のモードに対応する周波数のスペクトル強度を選ぶのではなく、GISの構造から計算したTE31モードの遮断周波数を境界として、それ以上とそれ以下の周波数スペクトル強度の積分値を選んでも良い。具体的な区域としては、TE31モードの遮断周波数fcTE31未満の所定範囲の区域における積分値S1、TE31モードのfcTE31より大きい所定範囲の区域における積分値S2を求め、この両者の比率V=S1/S2を求めればよい。
【0091】
検知装置は、図16の検知装置30と同様のものであるが、その動作が若干異なる。積分装置31は、高速フーリエ変換装置23により高速フーリェ変換を行って求めた周波数スペクトルに基づき、TE31モードの遮断周波数fcTE31以下の区域における所定範囲のスペクトル強度の積分値S1、fcTE31より大きい区域における所定範囲のスペクトル強度の積分値S2を求める。割算器26は、積分値S1とS2の比率V=S1/S2を求める。
【0092】
判定装置27は、比率Vの大きさ及び時間変化の有無に基づき、固定異物か自由異物かを判定し、固定異物の場合はタンク11内における径方向の位置を算出する。図7と同様に、比率Vの値を曲線J上にプロットすることによっても放電発生源の径方向の位置を知ることができる。表示装置28は、判定装置27の判定結果の文字情報及び比率Vの値を表示する。
【0093】
次に動作は図17のフローチャートと同様であるので、これによって説明する。
ステップS35において、高速フーリエ変換装置23により求めた周波数スペクトルから、f=0〜730MHzまでの範囲におけるスペクトル強度の積分値S1、及びf=730〜1200MHzまでの範囲におけるスペクトル強度の積分値S2を積分器31により求める。730MHzはTE31モードの遮断周波数である。
【0094】
ステップS35において、割算器26により、比率V=S1/S2を求める。上述のように、得られた周波数スペクトルは730MHz以下の区域においてはTEMモード、TE11、TE21だけしか含まない。これらのモードはすべて放電源が中心導体に近いほどその強度が大きくなるモードである。一方、730MHz以上の周波数成分は中心導体に近いほどその強度が弱くなる。従って、比率V=S1/S2は、その大きさが放電源の径方向の位置と1対1に対応する。積分値S1と積分値S2の比率Vを求めて径方向位置の判断基準とするのは、放電発生の都度S1とS2の大きさが比例関係を保ちつつ変化するので、この影響をなくすためである。
【0095】
ステップS16において判定装置27は、比率Vの時間変化の有無を判定する。時間変化があれば、ステップS17において、この放電は自由異物によるものであるとして、ステップS18において表示装置28に「部分放電発生、自由異物」の表示をする。
【0096】
ステップS16において比率Vが時間に対して変化せず一定の場合は、ステップS19において放電発生源は径方向には移動していない、すなわち固定異物であるとする。放電発生源が固定異物で内部高圧導体12近傍にある場合は、所定値V3、タンク11近傍にある場合は上記V3よりも小さい所定値V4を示し、時間的に変化しない。
【0097】
ステップS36において、部分放電の位置を求める。比率Vは、放電発生源が内部高圧導体12側にあるかタンク11側にあるかでその大きさが異なる。横軸に放電発生源の内部高圧導体12からの距離d、縦軸に比率Vの値をプロットした曲線は、上述の図17の曲線Jと同様にGISの寸法により予め決るものであり、放電発生源が内部高圧導体12の近傍にあるとき比率V=V3、タンク11の近くの場合は比率V=V4である。
従って、ステップS36において、判定装置27は比率Uと距離dのデータテーブルに基づいて、放電発生源のタンク11内における径方向の位置を求める。
【0098】
ステップS21において、表示装置28に「部分放電発生、固定異物」と表示するとともにステップS36において判定装置27により求めた放電発生源のタンク11内における径方向の位置を例えば「タンク表面上」と表示する。あわせて、データテーブルに基づき図17の曲線Jと同様の曲線を表示し、その上に比率Vの値を点として表示する。さらに、比率Vの時間変化を図10の特性E、F、Gと同様にして表示する。
【0099】
実施の形態6.
図19〜図24は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すもので、図19は検知装置の構成図、図20は検知装置の動作を示すフローチャートである。図21、図22は内部高圧導体側において部分放電が発生したときに発生する電磁波のそれぞれ低い方の帯域フィルタ、高い方の帯域フィルタを通過した波形である。図23、図24はタンク側において部分放電が発生したときに発生する電磁波のそれぞれ低い方の帯域フィルタ、高い方の帯域フィルタを通過した波形である。
【0100】
この実施の形態は、図5や図16に示した実施の形態のように周波数スペクトルを求めなくとも放電発生源の径方向の位置、及び放電発生源が固定異物なのか自由異物なのかを判断することができるものである。
【0101】
図19において、検知装置40は、次のように構成されている。低い方の帯域フィルタ41は、増幅器22で増幅された電磁波検出器21の信号のうち、TE11モードの遮断周波数fcTE11、例えば上述のfcTE11=281MHz未満の区域における所定の周波数帯域、例えば150〜250MHzの信号を通過させる。低い方の帯域フィルタ41を通過した信号は整流器42に整流され、ピークホールド回路43にてその最大値B1が記憶される。
【0102】
高い方の帯域フィルタ44は、増幅器22で増幅された電磁波検出器21の信号のうち、TE11モードの遮断周波数fcTE11以上の区域における所定の周波数帯域、例えば900〜1000MHzの信号を通過させる。高い方の帯域フィルタ44を通過した信号は整流器45にて整流され、ピークホールド回路46にてその最大値B2が記憶される。
【0103】
割算器26は、各最大値B1,B2の比率Y=B1/B2を求める。判定装置27は、比率Yの大きさ及び時間変化の有無に基づき、固定異物か自由異物かを判定し、固定異物の場合はタンク11内における径方向の位置を算出する。
表示装置28は、判定装置27の判定結果の文字情報及び比率Yの値を表示する。
なお、図19における帯域フィルタ41,44、整流回路42,45、ピークホールド回路43,46、割算器26がこの発明における正規化手段である。
【0104】
次に動作を図20のフローチャートによって説明する。ステップS11において、電磁波検出器21により検出し、ステップS12において増幅する。ステップS53において、低い方の帯域フィルタ41、高い方の帯域フィルタ44でそれぞれの周波数帯域の信号を通過させ、整流する。
ステップS54において、ピークホールド回路43,46に低い方の帯域及び高い方の帯域フィルタ41,44を通過した信号を入力し、各最大値B1,B2を記憶する。
【0105】
ステップS55において、割算器26によりY=B1/B2を求める。ステップS16において、判定装置27は比率Yの時間変化の有無を判定する。時間変化があれば、ステップS17において、この放電は自由異物によるものであると判定し、ステップS18において表示装置28に「部分放電発生、自由異物」の表示をする。
ステップS16において比率Yが時間に対して変化せず一定の場合は、ステップS19において放電発生源は径方向には移動していない、すなわち固定異物であると判定する。
【0106】
ステップS56において、部分放電の位置を求める。比率Yは、放電発生源が内部高圧導体12側にあるかタンク11側にあるかでその大きさが異なる。図6や図17のステップS20,S36と同様にして、比率Yの値と内部高圧導体からの距離に関するデータテーブルに基づき、放電発生源のタンク11内における径方向の位置を求める。このデータテーブルも同様にGISの寸法により予め想定することができ、放電発生源が内部高圧導体12の近くにあるときYの値は大きく、タンク11の近くにある場合はYの値は小さい。
【0107】
放電発生源が内部高圧導体12近傍にある場合、150〜250MHzの低い方の帯域フィルタ41を通過した波形は図21のようになり、900〜1000MHzの高い方の帯域フィルタ44を通過した波形は図22のようになる。このとき、ピークホールド回路43で検出される最大値B1は図21より約6/1000V、ピークホールド回路46で検出される最大値B2は図23より7/1000Vであり、これよりY=6/7=0.86となる。なお、図21、図22において、横軸が時間t(s)、縦軸が振幅Ampli(V)である。
【0108】
また、放電発生源がタンク11近傍にある場合、低い方の帯域フィルタ41を通過した波形は図23のようになり、高い方の帯域フィルタ44を通過した波形は図24のようになる。このとき、ピークホールド回路43で検出される最大値B1は図23より約0.62/1000V、ピークホールド回路46で検出される最大値B2は図24より4/1000Vであり、これよりY=0.62/4=0.16となる。なお、図23、図24において、横軸が時間t(s)、縦軸が振幅Ampli(V)である。
このように、放電発生源の位置により比率Yの値が大きく変化するので、発生位置を容易に求めることができる。
【0109】
そして、ステップS21において、表示装置28に「部分放電発生、固定異物」と表示するとともにステップS56において判定装置27により求めた放電発生源のタンク11内における径方向の位置を例えば「タンク側」と表示する。あわせて、データテーブルに基づき図9の曲線Dと同様の曲線を表示し、その上に比率Yの値を点として表示する。さらに、比率Yの時間変化を図10の特性E,F,Gと同様に表示する。
【0110】
また、図19における帯域フィルタ41,42の通過周波数を他の周波数帯に選んでも、例えば次のように選んでも、同様の結果が得られ、放電発生の位置、自由異物によるものか固定異物によるものかを知ることができる。低い方の帯域フィルタ41の通過帯域を、TE31モードの遮断周波数fcTE31、例えば上述のfcTE31=730MHz未満の区域における所定の周波数帯域、例えば200〜300MHzの信号を通過させるように選定する。高い方の帯域フィルタ44は、TE31モードの遮断周波数fcTE31(730MHz)以上の区域における所定の周波数帯域、例えば900〜1000MHzの信号を通過させるように選ぶ。
【0111】
実施の形態7.
図25、図26は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すもので、図25は検知装置の構成図、図26は内部高圧導体からの距離と二つの検出器出力の比との関係を示す特性図である。この実施の形態も、周波数スペクトルを求めなくとも放電発生源の径方向の位置、及び放電発生源が固定異物なのか自由異物なのかを判断することができるものである。
【0112】
検知装置50は次のように構成されている。図25において、二つの電磁波検出器51,55を準備し、一方の電磁波検出器51にてTEM波を検出し、もう一方の電磁波検出器55にてTE波を検出する。このとき、二つの電磁波検出器51,55から同じタイミングで信号を取り出せるように調整しておく。そして、上記電磁波検出器51,55により検出された信号を増幅器52,56にて増幅する。ピークホールド回路54,58によりTEM,TE各モードの電磁波の最大値C1,C2を記憶する。
【0113】
割算器26により最大値C1,C2の比率Z=C1/C2を求める。
なお、図25における整流回路53,57、ピークホールド回路54,58、割算器26がこの発明における正規化手段である。
【0114】
この2つの電磁波検出器51,55の最大値の比率Z=C1/C2から電磁波に含まれているTEMモードの電磁波の割合がわかる。図26に2つの電磁波検出器51,55からの出力の比率Zをプロットした曲線Mを示す。図9の曲線Dと同様の傾向を有する。このときの横軸dは図9と同様、放電発生源の高圧導体12からの距離である。
図26から放電発生源の径方向の位置を知ることができる。また、この時間変化を追うことによって放電発生源が固定異物なのか自由異物なのかを知ることができる。
【0115】
実施の形態8.
図5の実施の形態では、タンク11内部の異常状態として、内部高圧導体12の表面に起立して固定された内部高圧導体固定針15、タンク12の内壁面に起立して固定されたタンク固定針16、固定されていない自由異物17、がそれぞれ放電発生源となる場合について述べたが、異常状態はこれに限られるものではなく、この発明は他の場合についても適用できる。
【0116】
図27〜図29は、さらにこの発明の他の実施の形態を示すものであり、図27はGISのタンク内部に混入し、絶縁スペーサの表面に付着した導電性異物と部分放電の検知装置の構成を示す構成図、図28は部分放電が絶縁スペーサ上でかつ内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図、図29は部分放電が絶縁スペーサ上でかつタンク側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【0117】
図27において、タンク11内部の異常状態として、絶縁スペーサ13の表面の内部高圧導体12近傍に固定された導電性異物であるスペーサ沿面針18、絶縁スペーサ13の表面のタンク11近傍に固定された導電性異物であるスペーサ沿面針19の2ケースについて考える。
その他の構成については、図5に示したものと同様のものである。
【0118】
内部の部分放電により発生した電磁波を検出し増幅して高速フーリエ変換装置23により高速フーリエ変換を行って、周波数スペクトルを求める。この周波数スペクトルは、絶縁スペーサ13の内部高圧導体12近傍に固定されたスペーサ沿面針18による部分放電の場合は図28に、絶縁スペーサ13のタンク11近傍に固定されたスペーサ沿面針19による部分放電の場合は図29に示すようなものになる。なお、図28、図29において、横軸が周波数frequncy(Hz)、縦軸が振幅Ampli(dBV)である。
【0119】
そこで、図28において、TE11モードの遮断周波数fcTE11(この実施の形態の場合、281MHz)未満の周波数であるf1=80MHz、TE11モードの遮断周波数fcTE11以上の周波数であるf2=1GHzにおける成分の大きさA1,A2を求め、U=A1/A2を計算する。
【0120】
また、図29においても同様にf1=80MHz、f2=1GHzにおける成分の大きさA1,A2を求め、U=A1/A2を計算する。絶縁スペーサ13の表面に付着した導電性異物による部分放電の場合についても、成分A2で正規化されたA1の値は、図5に示した異常の場合と同じ傾向を示し、その大きさから絶縁スペーサ13の径方向のどの位置で部分放電が発生したのかを知ることができる。
【0121】
このように、絶縁スペーサ13の表面における放電の場合においても、正規化された比率Uは、図5における内部高圧導体12やタンク11における部分放電の場合とほぼ同じ傾向を示す。すなわち、放電発生源が内部高圧導体12側にあればUの値は大きくなり、逆にタンク11側にあればUの値は小さくなる。このことからUの値から放電発生の径方向の位置を求めることができる。
【0122】
上記実施の形態では、絶縁スペーサ13の表面において部分放電が発生した場合について説明したが、例えば絶縁スペーサ13の内部にボイドがあって部分放電が発生する場合について全く同様にその位置を検出できる。
また、図15、図16、図19や図25に示した検知装置20a,30,40,50によっても絶縁スペーサ13の表面における放電や内部放電等を検出できる。
【0123】
参考例1.
この発明の参考例1である部分放電強度検出装置の構成を図30に示す。この実施の形態では、図11〜図14の実施の形態2で述べたのと同様な方法にてTE21モードに対応する周波数をあらかじめ決定しておき、TE21モードの周波数でのスペクトル強度を部分放電強度の指標として用いる。
【0124】
図1に示したように、TE21モードの強度は径方向位置にはほとんど依存しない。従って、TE21モードを放電の大きさの指標とすることにより径方向位置の影響が除かれ、放電の大きさの指標として正確な判断ができる。
【0125】
次に強度検知装置である検知装置60の動作について説明する。部分放電にともなって発生する電磁波を電磁波検出器21にて検出し、電磁波検出器21からの信号を増幅器22で増幅する。増幅した信号を高速フーリエ変換装置23に取り込み、波形を高速フーリェ変換を行う。実施の形態2で述べたように、TE21モードに相当する周波数として650MHzを選んでいるので、抽出器25にて、本周波数でのスペクトル強度を求める。
【0126】
最後に表示装置28に650MHzでの強度の経時変化等を表示する。本参考例では径方向依存性をもたないTE21モードの電磁波を放電強度の指標とでき、放電源の径方向位置に無関係に放電の大きさを判断できる。
なお、TEモードの周波数として650MHzでなく、他のTE21モードの周波数を選んでもよい。
【0127】
なお、図5、図15、図16、図19、図25、図27、図30等に示した原理を実現するにはアナログやデジタル演算増巾器等を用いたデイスクリート回路でもよいし、マイクロプロセッサやデジタルシグナルプロッセサによるデジタル制御でソフトウエア処理により実現することもできる。
【0128】
以上の各実施の形態においては、タンク11と同軸に1本の内部高圧導体12が配設された相分離型のものを示したが、三相一括形母線であっても同様の効果を奏する。また、導電装置がGIS以外の、導電性の筒状体とこの筒状体内に収容された導電体を有する他の導電装置、例えばガス絶縁母線や電力ケーブル等であってもよい。
以上のようにして、部分放電が発生した場合に導電装置の径方向の位置検出ができるので内部異常に対して、絶縁破壊事故の未然防止や的確な対応ができる。
【0129】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、次のような効果を奏する。
すなわち、本発明の導電装置の部分放電発生位置検出装置においては、導電性材料で形成された筒状体とこの筒状体内に収容され筒状体の長さ方向に延伸された導体とを有する導電装置における筒状体内で発生する電磁波を検出する電磁波検出部を有し検出された電磁波の、TEMモードの強度と少なくともTEm1モード(但しmは1以上の整数)を含む電磁波モードの強度との比、またはTEp1モードの強度とTEq1モードの強度との比(但しpは2以下の整数、qはpより大きい整数)に基づいて部分放電の筒状体の長さ方向と交差する方向の発生位置を知る検知装置を設けたので、筒状体内において放電が発生すると放電のエネルギにより各種の電磁波モードが励起されるが、一般に励起源の強度、すなわち放電の強度が同じであれば、モード固有の電界強度分布において電界が高くなる場所で励起するとそのモードが強く励起されることとなり、各モードの電界分布は放電源の位置に依存する。TEMモードとTEm1モードは、個々のモードが径方向位置に対してほぼ1対1に対応する電界強度分布をもち、TEMモードは導体からの距離に反比例する電界分布を示すことから、TEMモードの強度とTEm1モードを含む電磁波モードの強度との比から放電源の位置を知ることができ、特にTEMモードとTEm1モードの境界となる周波数は導電装置の構造から計算できることから、煩雑な実験的作業をすることなく、容易に部分放電の発生位置を知ることができる。また、TEp1モードはその強度が筒状体の軸と直交する方向の位置に依存して中心導体に近くなるに従って、ほぼ単調に増加するか、ほぼ一定で変化しない。一方、TEq1モードは、qをpより大きく選択した場合は、中心導体に近くなるに従ってTEp1モードよりもその強度の増加の割合が小さい。従って、TEp1モードの強度とTEq1モードの強度の比はより強く筒状体の軸と交差する方向の位置に依存する。従って、このようなモード比を選択することによって、より正確な部分放電の発生位置を知ることができる。
【0130】
また、検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度をTEMモードの強度とし、TE11波の遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とするが、TEモードあるいはTMモードはTE11波の遮断周波数未満には成分をもたないので、TE11モードの遮断周波数未満の第一の周波数の強さはTEMモードの強さを示すものであり、TEMモードの強さとTE11モードの遮断周波数以上の第二の周波数の強さとの比を求めることにより、その放電がTEMモードをどの程度を含むのかがわかり、放電発生源の位置がわかる。TEモードやTMモードの分離が不要であるので、測定が容易である。
【0131】
そして、検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値をTEMモードの強度とし、TE11波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて放電の発生位置を知るものであることを特徴とする。従って、所定の第一の周波数あるいは第二の周波数での強度を用いる場合に比較して、積分することにより検出強度が大きくなるのでより高感度に放電の発生位置を知ることができる。
【0132】
さらに、検知装置は、TEMモードの強度と、TEm1モード、但しmは1以上の整数、の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とするので、TEMモードの強度は筒状体の軸と直交する方向の位置に依存してほぼ単調に増加する。また、TEm1モードの強度は、筒状体の軸と直交する方向の位置に依存してほぼ単調にTEMモードよりも少ない割合で増加するか、ほぼ一定で変化しないか、あるいは減少する。すなわち、筒状体の軸と直交する方向の位置と周波数スペクトル強度との関係が1対1となる。従って、TEMモードとTEm1モードを用いることによって、部分放電の発生位置をより正確に判定できる。特にTEMモードとTEm1モードの境界となる周波数は導電装置の構造から計算できることから、煩雑な実験的作業をすることなく、容易に部分放電の発生位置を知ることができる位置検出装置を得ることができる。
【0133】
そして、検知装置は、TE31モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度と、TE31モードの遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とするので、TE31の遮断周波数より低い周波数にはTEM、TE11、TE21の3種類のモードしか含まれない。これらのモードはタンクに近いほどその強度が小さいモードである。一方、TE31モードの遮断周波数以上の周波数では放電源の位置がタンクに近いほどその強度が大きい。従って、両者の比をとった場合、その値は部分放電の発生位置に極めて敏感となる。さらに、例えば特定のガス絶縁開閉装置の形状に対応する各モードの周波数を知るには、あらかじめ模擬放電源などにより実測する必要がある。これに対し、ガス絶縁開閉装置の形状から理論的に導出可能なTE31モードの遮断周波数を境界周波数とすることで、検知すべき周波数を実験的に探索する必要がなくなるので、測定が容易である。
【0134】
さらに、検知装置は、TE31波の遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値と、TE31波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする。従って、所定の第一の周波数あるいは第二の周波数での強度を用いる場合に比較して、積分することにより検出強度が大きくなるのでより高感度に放電の発生位置を知ることができる。
【0135】
また、電磁波検出部が、外部アンテナであることを特徴とするので、特定の電磁波モードの周波数を知るには、放電源と電磁波検出部との角度を変化させてその強度の周期性を調べる必要がある。この場合外部アンテナを用いることにより角度依存性の測定が容易となる。
【0136】
そして、検知装置は、異なる電磁波モードの強度の比が時間的に変化するとき筒状体内を動く自由異物による放電であると判定する自由異物判定手段を有するものであることを特徴とするので、異なる電磁波モードの強度の比が時間的に変化することは、筒状体内の放電発生位置が筒状体の長さ方向と交差する方向に移動していることを意味する。すなわち、この放電は筒状体内を筒状体の長さ方向と交差する方向に移動する自由異物によるものと判定できる。
【0137】
さらに、導電装置は、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁母線又は電力ケーブルであることを特徴とするが、これら導電装置は、内部放電によりTEM、TEmnモード(m,nは整数)の電磁波を発生し、これらモード間の強度の比から放電源の位置を知ることができ、それに応じて部分放電に対して適切な対応を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TEMおよびTEm1モードの径方向電界分布を示す特性図である。
【図2】 TMm1モードの径方向電界分布を示す特性図である。
【図3】 TE11モードとTM01モードの電界の径方向成分を示す特性図である。
【図4】 各モードの周波数分布図である。
【図5】 この発明の実施の一形態を示すもので、GISのタンク内部に混入した導電性異物と部分放電の検知装置の構成を示す構成図である。
【図6】 図5の検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】 図5において部分放電が内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図8】 図5において部分放電がタンク側に発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図9】 図5の検知装置の検知結果を示す特性図である。
【図10】 図5の検知装置の検知結果の時間変化を示す特性図である。
【図11】 この発明の実施の形態2を示すもので、図5において部分放電が内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図12】 この発明の実施の形態2を示すもので、図5において部分放電がタンク側に発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図13】 図12に示した周波数スペクトルの650MHzでのスペクトル強度のセンサと放電源の角度依存性を示す特性図である。
【図14】 図12に示した周波数スペクトルの785MHzでのスペクトル強度のセンサと放電源の角度依存性を示す特性図である。
【図15】 さらに、この発明の他の実施の形態を示すもので、外部アンテナを用いる場合の部分放電検出装置の構成図である。
【図16】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す検知装置の構成図である。
【図17】 図16の検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】 図16の検知装置の検知結果を示す特性図である。
【図19】 さらにこの発明の他の実施の形態を示す検知装置の構成図である。
【図20】 図19の検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】 図19の検知装置において、内部高圧導体側において部分放電が発生したときに発生する電磁波の低い方の帯域フィルタを通過した波形である。
【図22】 図19の検知装置において、内部高圧導体側において部分放電が発生したときに発生する電磁波の高い方の帯域フィルタを通過した波形である。
【図23】 図19の検知装置において、タンク側において部分放電が発生したときに発生する電磁波の低い方の帯域フィルタを通過した波形である。
【図24】 図19の検知装置において、タンク側において部分放電が発生したときに発生する電磁波の高い方の帯域フィルタを通過した波形である。
【図25】 さらにこの発明の他の実施の形態を示す検知装置の構成図である。
【図26】 図25における検知装置における内部高圧導体からの距離と二つの検出器出力の比との関係を示す特性図である。
【図27】 さらに、この発明の他の実施の形態を示すもので、GISのタンク内部に混入し、絶縁スペーサの表面に付着した導電性異物と部分放電の検知装置の構成を示す構成図である。
【図28】 図27の検知装置において、部分放電が絶縁スペーサ上でかつ内部高圧導体側にて発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図29】 図27の検知装置において、部分放電が絶縁スペーサ上でかつタンク側に発生した場合に発生する電磁波の周波数スペクトルを示すスペクトル図である。
【図30】 さらに、この発明の参考例1を示すもので、TE21モードを放電強度の指標とする部分放電強度検出装置の構成図である。
【符号の説明】
11 タンク、12 内部高圧導体、
20,20a,30,40,50,60 検知装置、21,21a 電磁波検出器、
23 高速フーリエ変換装置、25 抽出器、26 割算器、27 判定装置、
31 積分器、41,44 帯域フィルタ、42,45 整流回路、
43,46 ピークホールド回路、51,55 電磁波検出器、53,57 整流回路、
54,58 ピークホールド回路。

Claims (9)

  1. 導電性材料で形成された筒状体とこの筒状体内に収容され上記筒状体の長さ方向に延伸された導体とを有する導電装置における上記筒状体内で発生する電磁波を検出する電磁波検出部を有し検出された電磁波の、TEMモードの強度と少なくともTEm1モード(但しmは1以上の整数)を含む電磁波モードの強度との比、またはTEp1モードの強度とTEq1モードの強度との比(但しpは2以下の整数、qはpより大きい整数)に基づいて上記部分放電の上記筒状体の長さ方向と交差する方向の発生位置を知る検知装置を備えた導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  2. 検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度をTEMモードの強度とし、上記TE11波の遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  3. 検知装置は、TE11モードの遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値をTEMモードの強度とし、上記TE11波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  4. 検知装置は、TEMモードの強度と、TEm1モード、但しmは1以上の整数、の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  5. 検知装置は、TE31モードの遮断周波数未満の所定の第一の周波数の強度と、TE31モードの遮断周波数以上の所定の第二の周波数の強度との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  6. 検知装置は、TE31波の遮断周波数未満の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値と、上記TE31波の遮断周波数以上の所定範囲の周波数帯域の強度の積分値との比に基づいて発生位置を知るものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  7. 電磁波検出部が、外部アンテナであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の部分放電位置検出装置。
  8. 検知装置は、異なる電磁波モードの強度の比が時間的に変化するとき筒状体内を動く自由異物による放電であると判定する自由異物判定手段を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
  9. 導電装置は、ガス絶縁開閉装置、ガス絶縁母線又は電力ケーブルであることを特徴とする請求項1に記載の導電装置の部分放電発生位置検出装置。
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