JP2010284867A - 罫線形成用溝部材 - Google Patents

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【課題】罫線形成用溝部材の改良により、段ボールを所定の位置で正確に折り曲げられる罫線を入れる。
【解決手段】押罫部材23に対向して凹溝2を形成し、押罫部材23との接近に伴い、押罫部材23に押圧された段ボール51を凹溝2で受けて、段ボール51に罫線を入れる罫線形成用溝部材において、前記凹溝2内の一部に、凹溝2の開口側の上部1aから下方へ低くなる段差を設けて、上部1aと凹溝2の底部2aの中間の高さに段差面を有する中押部3を形成し、この中押部3は、凹溝2の長さ方向に繰り返して一方の側面側から他方の側面側へ延びるものとし、凹溝2内の中押部3を除く部分を凹部2bとする。中芯の波状成形段が折り曲げを誘導するように押し潰されるので、段ボール51の段目53の影響を受けることなく、段ボール51を所定の位置で正確に折り曲げることができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、段ボールに、押罫部材による押圧に伴い、折曲用の罫線を入れる罫線形成用溝部材に関するものである。
段ボールを打ち抜いて罫線を入れ、罫線に沿って折り曲げて箱を形成する場合、段ボールが罫線に沿って正確に折れ曲がらず、不良が発生するおそれがある。特に、段ボールの中芯の段目が延びる方向である段目方向の罫線に沿って段ボールを折り曲げる場合に、段目の影響により、折曲位置が所定の位置からずれる可能性が高くなる。
その対策として、図9に示すように、平型ダイカッタである加工機の上盤11にチェース13を介して長い切刃22及び押罫部材23を備えた型体21を装着し、下盤12にデッドプレート14を介して、長い押罫部材23より幅が広い凹溝32を有する帯状プラスチック製の罫線形成用溝部材31を貼り付けて、段ボール51の打抜及び罫入れ加工を行うことがある。
この場合、上盤11と下盤12の接近に伴い、段ボール51を切刃22で打ち抜く際、図10及び図11に示すように、押罫部材23を段ボール51に押し付けて、段ボール51を凹溝32に押し込むことにより、段ボール51に深くて長い罫線52が形成されるので、段ボール51が罫線52に沿って折れ曲がり易くなる。
また、図12に示すように、押罫部材23を波状とし、押罫部材23の両側にコルク等の弾性を有する押潰部材24を設けた型体21を使用して、図13に示すように、段ボール51に波状の罫線52を入れることも提案されている。
この場合、罫線52が中芯の段目53を断続的に横切って中芯を押し潰し、罫線52の位置における段ボール51の平均的強度を低下させるので、段ボール51が罫線52に誘導されて段目に平行に折れ曲がり易くなる(下記特許文献1参照)。
特開平11−10754号公報
しかしながら、上記のような凹溝32を有する溝部材31を用いて罫線52を入れたとしても、段ボール51の厚さや紙質等の条件によっては、罫線52が十分に深く鮮明に入らない場合があり、所期の効果を得られない場合がある。
特に、長く延びている段目53が長く延びている押罫部材23に対し少しでも平行でない状態で段ボール51が供給された場合、段目53には、押し潰される部分と押し潰されない部分とが生じるため、罫線52に折れ曲がり易い部分と折れ曲がりにくい部分とが生じ、罫線52が不鮮明になって、正確な折り曲げができなくなる。
また、波状の押罫部材23を有する型体21を用いる場合、型体21の製造に際し、押罫部材23を湾曲させ、型体21の木製基板に押罫部材23の湾曲と一致する湾曲溝を正確に形成して、この湾曲溝に押罫部材23を正確に圧入しなければならず、多大な手間とコストがかかるほか、押罫部材23が打込時に破損しやすいという問題がある。
そこで、この発明は、罫線形成用溝部材の改良により、段ボールを所定の位置で正確に折り曲げられる罫線を入れることを課題とする。
上記のような課題を解決するため、この発明では、押罫部材に対向して凹溝を形成し、押罫部材との接近に伴い、押罫部材に押圧された段ボールを凹溝で受けて、段ボールに罫線を入れる罫線形成用溝部材において、前記凹溝内の一部に、凹溝の開口側の上部から下方へ低くなる段差を設けて、上部と凹溝の底部の中間の高さに段差面を有する中押部を形成し、この中押部は、凹溝の長さ方向に繰り返して一方の側面側から他方の側面側へ延びるものとし、凹溝内の中押部を除く部分を凹部としたのである。
この発明に係る罫線形成用溝部材を使用すると、罫線として、段ボールの一面に、押罫部材による溝状部が形成されると共に、段ボールの他面に、溝部材の凹部及び中押部により膨出部及び没入部が形成され、中芯の波状成形段が中押部で押し潰されて、罫線が鮮明に入れられる。
このような罫線を入れると、膨出部及び没入部が溝状部へ向けて折り曲げを誘導するので、段ボールの段目の影響を受けることなく、段ボールを罫線に沿って所定の位置で正確に折り曲げることができる。
また、中押部が凹溝の一方の側面から他方の側面へ達するようにすると、段ボールを押し潰して弱めた没入部を長くすることができる。
この発明に係る罫線形成用溝部材の一実施形態の平面図 同上のII−II線に沿った断面図 同上の加工機への装着状態を示す斜視図 同上の溝部材と押罫部材間への段ボールの供給状態を示す断面図 同上の溝部材と押罫部材による罫入れ状態を示す断面図 同上の溝部材と押罫部材で罫線を入れた段ボールを示す平面図 この発明に係る罫線形成用溝部材の他の実施形態の平面図 同上のVIII−VIII線に沿った断面図 従来の罫線形成用溝部材を加工機に装着した状態を示す断面図 同上の溝部材と押罫部材間への段ボールの供給状態を示す断面図 同上の溝部材と押罫部材による罫入れ状態を示す断面図 従来の波状押罫部材を備えた型体を示す斜視図 同上の押罫部材で罫線を入れた段ボールを示す平面図
以下、この発明の実施形態を図1乃至図8に基づいて説明する。
図1乃至図3に示す罫線形成用の溝部材1は、ベークライト等のプラスチックを素材とし、帯状に一方向に延びる板材とされている。溝部材1の上部1a側の中央部には、押罫部材23の下部先端に対向して長さ方向に延びる凹溝2が形成されている。
この凹溝2内の一部には、溝部材1の上部1aから下方へ低くなる段差を設けて、溝部材1の上部1aと凹溝2の底部2aの中間の高さに上面を有する中押部3が部分的に形成され、凹溝2内の中押部3を除く部分は、底部2aを底面とする凹部2bとなっている。
この中押部3は、凹部2bの平面形状を三角状とし、その底辺を凹溝2の一方の側面側へ位置させ、頂角部分を他方の側面側へ位置させて、隣り合う凹部2bを、斜辺間に間隔を開け、交互に向きを変えつつ、凹溝2の長さ方向に繰り返して配置したような形状とされ、凹溝2の中心線に対して両側均等な形状とされている。
そして、中押部3の上面(段差面)は、凹溝2の一方の側面から他方の側面に達し、凹溝2の長さ方向に連続したものとなっている。
また、図5に示すような罫入れ加工を可能とするため、凹溝2の幅は、押罫部材23の幅に、凹溝2に押し込まれる段ボール51の各ライナと中芯の厚さの和を加えた値より大きく形成されており、押罫部材23と段ボール51とが一緒に凹溝2に入り込むようになっている。
いま、段ボール箱形成用のブランクを製造するため、段ボールを打ち抜くと共に罫線を入れる際には、図9に示すような加工機に、上記のような溝部材1を、溝部材31に代えて装着し、図3及び図4に示すように、加工機のデッドプレート14に貼り付けた溝部材1と押罫部材23とを離反させた状態で、その間に段ボール51を供給する。押罫部材23としては、先端が平坦になった角罫を使用する。
そして、段ボール51の打抜に伴い、図5に示すように、溝部材1と押罫部材23とを接近させると、段ボール51は、押罫部材23の押圧に伴い、凹溝2の底部2aに接するように凹部2bに押し込まれて、下方へ湾曲すると共に、中芯の段目53に交差するように延びている中押部3により、中芯の波状成形段が押し潰される。
このとき、図5及び図6に示すように、罫線52として、段ボール51の上面に、押罫部材23により下方へ湾曲した溝状部52aが形成され、段ボール51の下面に、溝部材1の凹部2b及び中押部3により、膨出部52b及び没入部52cが溝状部52aに対して両側均等な形状に形成される。
また、長く延びている中芯の段目53が長く延びている押罫部材23に平行となるように段ボール51が供給されていない場合であっても、中芯の波状成形段が凹溝2の中押部3で段目53を横切るように押し潰されて、罫線52が鮮明に入れられる。
このような罫線52を入れると、膨出部52b及び没入部52cが溝状部52aへ向けて折り曲げを誘導するので、段ボール51の中芯の波状形成段の段目の影響を受けることなく、段ボール51を罫線52に沿って所定の位置で正確に折り曲げることができ、精度の高い箱を製造することができる。
さらに、膨出部52b及び没入部52cが溝状部52aに対して両側均等な形状に形成されるので、段ボール51を罫線52に沿って所定の位置でより正確に折り曲げることができる。
また、溝部材1は、容易に加工できるプラスチックを材料として形成できるので、コストを抑制しつつ、折曲精度向上の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、凹溝2の底部2aが底壁で閉じられたものを例示したが、中押部3により溝部材1の両側部分が繋がっていれば、凹溝2の底部2aが貫穴となって開放されていてもよい。
また、中押部3は、上記実施形態のように、凹溝2の両側面に達するように設けるのが好ましいが、例えば、図7及び図8に示すように、中押部3の端部が凹溝2の側面に達していなくてもよい。
すなわち、凹溝2内の一部に、溝部材1の上部1aから下方へ低くなる段差面を設け、一方の側面側から他方の側面側へ延びるように、凹溝2の長さ方向に繰り返して中押部3が形成されていれば、各中押部3が不連続であっても、段ボール51は、中芯の段目53が中押部3で押し潰されて弱くなり、段目の影響を受けることなく、罫線52に沿って所定の位置で折り曲げることができる。
また、上記実施形態では、段ボール51の段目53が押罫部材23に対し概ね平行になるように、段ボール51が溝部材1と押罫部材23との間に供給され、溝部材1に載置される例を示したが、段目53と押罫部材23とが概ね直交するように供給・載置される場合においても、同様の効果を得ることができる。
1 溝部材
1a 上部
2 凹溝
2a 底部
2b 凹部
3 中押部
11 上盤
12 下盤
13 チェース
14 デッドプレート
21 型体
22 切刃
23 押罫部材
51 段ボール
52 罫線
52a 溝状部
52b 膨出部
52c 没入部
53 段目

Claims (2)

  1. 押罫部材に対向して凹溝を形成し、押罫部材との接近に伴い、押罫部材に押圧された段ボールを凹溝で受けて、段ボールに罫線を入れる罫線形成用溝部材において、前記凹溝内の一部に、凹溝の開口側の上部から下方へ低くなる段差を設けて、上部と凹溝の底部の中間の高さに段差面を有する中押部を形成し、この中押部は、凹溝の長さ方向に繰り返して一方の側面側から他方の側面側へ延びるものとし、凹溝内の中押部を除く部分を凹部としたことを特徴とする罫線形成用溝部材。
  2. 前記中押部が凹溝の一方の側面から他方の側面へ達していることを特徴とする請求項1に記載の罫線形成用溝部材。
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