JP2010267808A - 露光装置、クリーニング方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、クリーニング方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、所定部材と、露光光が照射可能な位置に移動可能な物体の表面を所定部材の下面と対向させつつ物体を所定の移動軌跡で移動させる駆動装置と、移動後の物体の表面の汚染状態に基づいて、所定部材の汚染領域を特定する特定装置と、所定部材をクリーニングするクリーニング装置とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置、クリーニング方法、及びデバイス製造方法に関する。
半導体デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、露光光で基板を露光する露光装置が使用される。露光装置の部材、部品が汚染されると、例えば基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生し、その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。そのため、例えば下記特許文献に開示されているような、露光装置内の所定部材をクリーニングする技術が案出されている。
米国特許出願公開第2008/0018867号明細書
露光不良の発生を抑制するために、所定部材をクリーニングすることは有効である。そのため、露光装置内の所定部材の汚染領域を特定できる技術の案出が望まれる。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置、及びクリーニング方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、所定部材と、露光光が照射可能な位置に移動可能な物体の表面を所定部材の下面と対向させつつ物体を所定の移動軌跡で移動させる駆動装置と、移動後の物体の表面の汚染状態に基づいて、所定部材の汚染領域を特定する特定装置と、所定部材をクリーニングするクリーニング装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置内の所定部材をクリーニングするクリーニング方法であって、所定部材の下面と物体の表面とを対向させつつ物体を所定の移動軌跡で移動させることと、移動後の物体の表面に付着した物体の表面における汚染物の分布に基づいて、所定部材の汚染領域を特定することと、を含むクリーニング方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様のクリーニング方法で所定部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、液体を介して、基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
本実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る液浸部材の近傍を示す図である。 本実施形態に係る液浸部材を下面側から見た図である。 本実施形態に係るクリーニングシステムの一例を示す図である。 本実施形態に係る第1クリーニング装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る第2クリーニング装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る第3クリーニング装置の一例を示す図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るクリーニング方法の一例を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測器(計測部材)を搭載して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1を移動する駆動システム4と、基板ステージ2を移動する駆動システム5と、計測ステージ3を移動する駆動システム6と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材7と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8と、制御装置8に接続され、露光処理に関する情報等、各種の情報を記憶する記憶装置60とを備えている。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光装置EX内の所定部材をクリーニング可能なクリーニングシステム40と、露光装置EX内の物体の表面の状態を観察可能な観察装置70とを備えている。
本実施形態において、クリーニングシステム40の少なくとも一部は、計測ステージ3に配置されている。本実施形態において、クリーニングシステム40は、異なる複数のクリーニング動作を実行可能である。複数のクリーニング動作は、所定部材に紫外光を照射する第1クリーニング動作、所定部材と洗浄液とを接触させる第2クリーニング動作、及び所定部材に接触した液体に超音波振動を付与する第3クリーニング動作の少なくとも一つを含む。本実施形態において、クリーニングシステム40は、紫外光LVを射出可能な第1クリーニング装置41と、所定部材に洗浄液を接触可能な第2クリーニング装置42と、所定部材に接触した液体に超音波振動を付与可能な第3クリーニング装置43とを含む。
本実施形態において、観察装置70は、物体の表面の光学像を取得可能な撮像素子を含み、物体の表面の状態を観察可能である。本実施形態において、観察装置70は、光学系を有し、その光学系を介して物体の表面の光学像を撮像素子で取得するカメラである。以下の説明において、観察装置70を適宜、カメラ70、と称する。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持する保持部1Hを有し、その保持部1HでマスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。マスクステージ1は、マスクMの下面(パターン形成面)とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。駆動システム4は、ガイド面9G上でマスクステージ1を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材9に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システム4の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する保持部2Hを有し、その保持部2Hで基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。駆動システム5は、ガイド面10G上で基板ステージ2を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、基板ステージ2は、駆動システム5の作動により、ガイド面10G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、保持部2Hに保持された基板Pの表面の周囲に配置される上面2Uを有する。本実施形態において、上面2Uは、XY平面とほぼ平行である。本実施形態において、保持部2Hに保持された基板Pの表面と上面2Uとは同一平面内に配置される。なお、本実施形態の基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する保持部2Hと、保持部2Hの周囲に配置され、プレート部材Tをリリース可能に保持する保持部2Tとを有する。上面2Uは、プレート部材Tの上面を含む。
計測ステージ3は、計測器(計測部材)、及びクリーニングシステム40の少なくとも一部を搭載した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。駆動システム6は、ガイド面10G上で計測ステージ3を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、計測ステージ3に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、計測ステージ3は、駆動システム6の作動により、ガイド面10G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
本実施形態において、計測ステージ3の上面3Uは、XY平面とほぼ平行である。制御装置8は、駆動システム5,6を制御して、上面2Uと上面3Uとをほぼ同一平面内に配置することができる。
なお、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置の一例は、例えば米国特許第6897963号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されている。
本実施形態において、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置情報は、レーザ干渉計ユニット11A、11Bを含む干渉計システム11によって計測される。レーザ干渉計ユニット11Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測可能である。レーザ干渉計ユニット11Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2R、及び計測ステージ3に配置された計測ミラー3Rを用いて、基板ステージ2及び計測ステージ3それぞれの位置情報を計測可能である。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置8は、干渉計システム11の計測結果に基づいて、駆動システム4,5,6を作動し、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。なお、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方の位置情報を干渉計システム11とは異なる計測システム(例えば、エンコーダシステム)を用いて計測してもよい。この場合、干渉計システム11を用いなくてもよいし、干渉計システム11と併用してもよい。
液浸部材7は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材7は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材7は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材7の少なくとも一部が、終端光学素子12の周囲に配置される。
終端光学素子12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面13を有する。本実施形態において、液浸空間LSは、終端光学素子12と、終端光学素子12から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に移動可能な物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。本実施形態において、投影領域PRに移動可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子12の射出面13側)で投影領域PRに対して移動可能な物体であり、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方を含む。また、投影領域PRに移動可能な物体は、基板ステージ2が保持可能な物体を含む。基板ステージ2が保持可能な物体は、基板P、及び後述するダミー基板DPの少なくとも一方を含む。
なお、投影領域PRに移動可能な物体は、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された物体(基板P、ダミー基板DP等)、及び計測ステージ3の少なくとも一つに限られない。
本実施形態において、液浸部材7は、投影領域PRに移動可能な物体の表面と対向可能な下面14を有する。物体(基板ステージ2、計測ステージ3、基板P、及びダミー基板DP等)は、終端光学素子12の射出面13及び液浸部材7の下面14と対向した状態で移動可能である。液浸部材7は、投影領域PRに移動可能な物体との間で液体LQを保持することができる。液浸部材7は、終端光学素子12と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、物体との間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成可能である。一方側の射出面13及び下面14と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子12と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)の少なくとも一部は、液浸部材7の下面14と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図2は、本実施形態に係る液浸部材7の一例を示す側断面図、図3は、液浸部材7を下面14側から見た平面図である。なお、図2及び図3を用いる説明においては、投影領域PR(終端光学素子12及び液浸部材7と対向する位置)に基板Pが配置される場合を例にして説明するが、上述のように、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方を配置することもできる。
図2及び図3に示すように、液浸部材7は、射出面13と対向する位置に開口7Kを有する。射出面13から射出された露光光ELは、開口7Kを通過して、基板Pに照射可能である。
また、液浸部材7は、液体LQを供給可能な供給口15と、液体LQを回収可能な回収口16とを備えている。供給口15は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように配置されている。供給口15は、流路17を介して、液体供給装置18と接続されている。液体供給装置18は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。流路17は、液浸部材7の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置18とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置18から送出された液体LQは、流路17を介して供給口15に供給される。
回収口16は、液浸部材7の下面14と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、回収口16は、露光光ELが通過する開口7Kの周囲に配置されている。回収口16は、物体の表面と対向する液浸部材7の所定位置に配置されている。
回収口16には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材19が配置されている。なお、回収口16に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。また、回収口16に多孔部材19が配置されていなくてもよい。本実施形態において、液浸部材7の下面14の少なくとも一部は、多孔部材19の下面を含む。回収口16は、流路20を介して、液体回収装置21と接続されている。液体回収装置21は、回収口16を真空システムに接続可能であり、回収口16を介して液体LQを吸引可能である。流路20は、液浸部材7の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と液体回収装置21とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口16から回収された液体LQは、流路20を介して、液体回収装置21に回収される。
本実施形態においては、制御装置8は、供給口15からの液体LQの供給動作と並行して、回収口16からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材7と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材7として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
次に、クリーニングシステム40について説明する。クリーニングシステム40は、露光装置EX内の所定部材をクリーニングする。以下の説明において、クリーニングシステム40によってクリーニングされる所定部材が液浸部材7である場合を例にして説明する。
図4は、本実施形態に係るクリーニングシステム40の一例を示す図である。クリーニングシステム40は、第1クリーニング装置41と、第2クリーニング装置42と、第3クリーニング装置43とを備えている。第1クリーニング装置41は、液浸部材7に紫外光LVを照射して、液浸部材7をクリーニングすることができる。第2クリーニング装置42は、液浸部材7に洗浄液LCを接触させて、液浸部材7をクリーニングすることができる。第3クリーニング装置43は、液浸部材7に接触した液体に超音波振動を付与して、液浸部材7をクリーニングすることができる。なお、上述したように、本実施形態のクリーニングシステム40は、3つのクリーニング装置を備えているが、必ずしも上述の3つのクリーニング装置が必要ではなく、3つのクリーニング装置のうちの1つ、あるいは2つを備えるだけでもよいし、4つ以上のクリーニング装置を備えてもよい。また、クリーニングシステム40が、上述の3つのクリーニング装置とは異なるクリーニング装置を備えていてもよい。
図5は、第1クリーニング装置41を用いて、液浸部材7をクリーニングしている状態を示す図である。図5に示すように、第1クリーニング装置41は、計測ステージ3に配置され、紫外光LVを射出する射出部44を有する。
計測ステージ3の位置が制御されることによって、射出部44は、液浸部材7の下面14と対向可能である。制御装置8は、計測ステージ3を制御して、射出部44と液浸部材7の下面14とを対向させた状態で、射出部44より紫外光LVを射出することによって、その紫外光LVを液浸部材7の下面14に照射することができる。本実施形態において、計測ステージ3は、紫外光LVを透過可能な光学部材45を有する。計測ステージ3の上面3Uは、光学部材45の上面を含む。射出部44は、計測ステージ3の内部に配置されており、光学部材45を介して、液浸部材7に紫外光LVを照射可能である。紫外光LVが液浸部材7に照射されることによって、液浸部材7は、その紫外光LVで光洗浄される。
図5に示すように、本実施形態において、制御装置8は、射出部44から射出される紫外光LVを、液浸空間LSの液体LQを介して液浸部材7に照射する。なお、制御装置8は、液体LQを介さずに、紫外光LVを液浸部材7に照射してもよい。例えば、制御装置8は、気体を介して、紫外光LVを液浸部材7に照射してもよいし、液体LQ(水)以外の液体を介して、紫外光LVを液浸部材7に照射してもよい。
なお、紫外光を照射して液浸部材を光洗浄するクリーニング装置(光洗浄装置)を備えた露光装置EXの一例が、例えば米国特許出願公開第2007/0258072号明細書等に開示されている。なお、本実施形態において、紫外光LVを射出可能な射出部44が基板ステージ2に設けられてもよいし、米国特許出願公開第2007/0258072号明細書に開示されているように、液浸部材に保持される部材、あるいは基板ステージを移動可能に支持するベース部材等、基板ステージ及び計測ステージ以外の部位に配置されてもよい。
図6は、第2クリーニング装置42を用いて、液浸部材7をクリーニングしている状態を示す図である。第2クリーニング装置42は、洗浄液LCを保持可能な容器46と、計測ステージ3に支持され、容器46を上下方向に移動可能(昇降可能)な移動機構47とを備えている。
本実施形態においては、洗浄液LCとして、アルカリ洗浄液を用いる。本実施形態においては、液体LCとして、露光用の液体LQで希釈可能なアルカリ水溶液を用いる。本実施形態において、洗浄液LCは、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:tetramethyl ammonium hydroxide)水溶液を含む。
なお、洗浄液LCとして、オゾンガスを水に溶解させたオゾン水(オゾン溶解水)、窒素ガスを水に溶解させた窒素水(窒素溶解水)、アルゴンガスを水に溶解させたアルゴン水(アルゴン溶解水)、二酸化炭素ガスを水に溶解させた二酸化炭素水(二酸化炭素溶解水)等、所定のガスを水に溶解させた溶解ガス制御水を用いてもよい。また、大気圧下の溶解度以上にガスを溶解させたガス過飽和水でもよい。また、洗浄液LCとして、過酸化水素を水に添加した過酸化水素水、塩酸(次亜塩素酸)を水に添加した塩素添加水、アンモニアを水に添加したアンモニア水、コリンを溶解させたコリン水、及び硫酸を水に添加した硫酸添加水等、所定の薬液を水に添加した薬液添加水を用いてもよい。また、洗浄液LCとして、エタノール、メタノール、及びイソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、エーテル類、ガンマブチロラクトン、シンナー類、界面活性剤、HFE等のフッ素系溶剤を用いてもよい。
計測ステージ3の位置が制御されることによって、洗浄液LCを収容した容器46は、液浸部材7の下面14と対向可能である。制御装置8は、計測ステージ3を制御して、容器46と液浸部材7の下面14とを対向させた状態で、移動機構47で容器46を上昇させることによって、容器46に収容されている洗浄液LCと液浸部材7とを接触させることができる。洗浄液LCが液浸部材7に接触することによって、液浸部材7は、その洗浄液LCで洗浄される。
本実施形態において、第2クリーニング装置42は、容器46の内側に洗浄液LCを供給する供給口48と、容器46の洗浄液LCを回収する回収口49とを備えている。本実施形態において、供給口48及び回収口49は、容器46の底部に設けられている。供給口48は、清浄な洗浄液LCを送出可能な洗浄液供給装置(不図示)と接続され、回収口49は、真空源を含む洗浄液回収装置(不図示)と接続されている。
洗浄液LCを用いるクリーニング動作を実行するとき、制御装置8は、供給口48より容器46の内側に洗浄液LCを供給する。本実施形態において、制御装置8は、供給口48を用いる洗浄液LCの供給動作と並行して、回収口49を用いる洗浄液LCの回収動作を実行して、容器46に洗浄液LCを満たし、その容器46の洗浄液LCと液浸部材7とを接触させる。また、制御装置8は、供給口48を用いる供給動作を停止した状態で、回収口49を用いる回収動作を実行することにより、容器46の内側の洗浄液LCを全て回収することができる。
図7は、第3クリーニング装置43を用いて、液浸部材7をクリーニングしている状態を示す図である。第3クリーニング装置43は、計測ステージ3に搭載された振動部材50と、振動部材50を超音波振動させる超音波発生装置51とを備えている。振動部材50は、ロッド状の部材である。計測ステージ3は、凹部52を有する。振動部材50は、凹部52の内側に配置されている。凹部52の上端の周囲には、計測ステージ3の上面3Uが配置される。振動部材50の上面54と計測ステージ3の上面3Uとの間にはギャップが形成される。
超音波発生装置51は、振動部材50に接続されている。本実施形態においては、超音波発生装置51は、振動部材50の下面55に接続されている。超音波発生装置51は、凹部52の内側に配置されており、その凹部52の内側において、振動部材50の下面55に接続されている。
超音波発生装置51は、振動部材50を超音波振動させる。本実施形態において、超音波発生装置51は、圧電素子を含む。超音波発生装置51は、制御装置8によって制御される。制御装置8は、超音波発生装置51を用いて、振動部材50を超音波振動させる。
本実施形態において、第3クリーニング装置43は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に形成された液浸空間LSの液体LQに超音波振動を付与する。
計測ステージ3の位置が制御されることによって、振動部材50は、液浸部材7の下面14と対向可能である。制御装置8は、計測ステージ3を制御して、液浸空間LSの液体LQが振動部材7及び振動部材50に接触するように、終端光学素子12及び液浸部材7と、計測ステージ3及び振動部材50との間に液体LQで液浸空間LSを形成する。制御装置8は、液浸空間LSの液体LQと振動部材7及び振動部材50とを接触させた状態で、超音波発生装置51を作動して、振動部材50を超音波振動させることによって、液浸部材7に接触した液体LQに、超音波振動を付与することができる。これにより、液浸部材7は、その液体LQで洗浄される。
なお、第2クリーニング装置42において、容器46の洗浄液LCと接触可能な位置に超音波発生装置が配置されてもよい。その場合、第2クリーニング装置42は、洗浄液LCと液浸部材7とを接触させた状態で、超音波発生装置を用いて、洗浄液LCに超音波振動を付与することができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて、基板Pを露光する方法の一例について説明する。
制御装置8は、露光前の基板Pを基板ステージ2に搬入(ロード)するために、液浸部材7から離れた基板交換位置に基板ステージ2を移動する。基板交換位置は、基板Pの交換処理が実行可能な位置である。基板Pの交換処理は、搬送装置を用いて、基板ステージ2に保持された露光後の基板Pを基板ステージ2から搬出(アンロード)する処理、及び基板ステージ2に露光前の基板Pを搬入(ロード)する処理の少なくとも一方を含む。制御装置8は、液浸部材7から離れた基板交換位置に基板ステージ2を移動して、基板Pの交換処理を実行する。
基板ステージ2が液浸部材7から離れている期間の少なくとも一部において、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間で液体LQを保持して、液浸空間LSを形成する。
また、基板ステージ2が液浸部材7から離れた期間の少なくとも一部において、制御装置8は、必要に応じて、計測ステージ3の計測器(計測部材)を用いる計測処理を実行する。例えば、制御装置8は、投影光学系PL及び液体LQを介して計測器に露光光ELを照射して、その計測器を用いる計測処理を実行する。その計測処理の結果は、基板Pの露光処理に反映される。
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測器(計測部材)を用いる計測処理が終了した後、制御装置8は、基板ステージ2を投影領域PRに移動して、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSを形成する。
終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置8は、基板Pの露光処理を開始する。基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2とを対向させ、終端光学素子12と基板Pとの間の光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置8は、照明系ILにより露光光ELで照明されたマスクMからの露光光ELを投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置8は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
基板Pの露光処理が終了した後、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSを形成し、基板ステージ2を基板交換位置に移動する。制御装置8は、基板交換位置に移動した基板ステージ2から露光後の基板Pを搬出し、露光前の基板Pを基板ステージ2に搬入する。
以下、制御装置8は、上述の処理を繰り返して、複数の基板Pを順次露光する。
ところで、基板Pの露光中、基板Pから発生(溶出)した物質(例えば感光材等の有機物)が、汚染物(異物、パーティクル)として液浸空間LSの液体LQ中に混入する可能性がある。また、基板Pから発生する物質のみならず、例えば空中を浮遊する汚染物が、液浸空間LSの液体LQに混入する可能性もある。上述したように、基板Pの交換処理、計測器(計測部材)を用いる計測処理、及び基板Pの露光処理を含む露光シーケンスの少なくとも一部の期間において、液浸空間LSの液体LQは、液浸部材7の少なくとも一部と接触する。したがって、液浸空間LSの液体LQ中に汚染物が混入すると、液浸部材7の下面14等に汚染物が付着する可能性がある。液浸部材7の下面14等、液体LQと接触する液体接触面に汚染物が付着している状態を放置しておくと、その汚染物が露光中に基板Pに付着したり、供給口15から供給された液体LQが汚染されたりする可能性がある。その結果、露光不良が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、制御装置8は、所定のタイミングで、液浸空間LSの液体LQと接触する液浸部材7の汚染領域を特定する特定処理を実行し、その汚染領域をクリーニングするクリーニング処理を実行する。汚染領域は、汚染物が付着している領域、あるいは汚染物によって汚染されている領域を含む。
以下、本実施形態に係る特定処理、及びクリーニング処理を含むメンテナンスシーケンスの一例について説明する。図8のフローチャートに示すように、本実施形態において、特定処理は、ダミー基板DPの表面を液浸部材7の下面14と対向させつつダミー基板DPを所定の移動軌跡で移動させる処理(ステップSP1)と、移動後のダミー基板DPの表面の汚染状態を観察する処理(ステップSP2)と、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布を検出する処理(ステップSP3)と、移動軌跡とダミー基板DPの表面における汚染物の分布とに基づいて液浸部材7の汚染領域を特定する処理(ステップSP4)とを含む。なお、ダミー基板DP表面の汚染状態を観察する処理(ステップSP2)と、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布を検出する処理(ステップSP3)の少なくとも一部とが並行して行われてもよい。
本実施形態において、クリーニング処理は、特定処理の結果、液浸部材7が汚染され、汚染領域が存在すると判断された場合に実行される(ステップSP5,SP6)。本実施形態において、クリーニング処理は、液浸部材7の汚染領域をクリーニングすることを含む。なお、クリーニング処理が、汚染領域のみならず、汚染領域以外の領域(汚染されていないと判断された領域)に対して実行されてもよい。
また、本実施形態において、クリーニング処理は、特定された汚染領域に基づいて、クリーニング動作を選択する処理(ステップSP5)を含み、その選択されたクリーニング動作でクリーニングが実行される(ステップSP6)。
特定処理を実行するために、基板ステージ2にダミー基板DPが保持される。ダミー基板DPは、露光用の基板Pとは別の、汚染物(異物)を放出しにくい高い清浄度を有する(クリーンな)部材である。ダミー基板DPは、基板Pとほぼ同じ外形であり、基板ステージ2(保持部2H)は、ダミー基板DPを保持可能である。ダミー基板DPは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された、汚染物を放出し難い膜とを含む。
制御装置8は、駆動システム5を制御して、基板ステージ2に保持されたダミー基板DPの表面の少なくとも一部を、液浸部材7の下面14と対向させつつ、ダミー基板DPを所定の移動軌跡で移動させる(ステップSP1)。駆動システム5は、基板ステージ2に保持されたダミー基板DPの表面を、投影光学系PLの像面とほぼ平行なXY平面内において所定の移動軌跡で移動可能である。
図9は、ダミー基板DPが所定の移動軌跡R1で移動する状態を示す模式図である。本実施形態において、制御装置8は、液浸部材7に対して、ダミー基板DPが、図8中、矢印で示す移動軌跡R1に沿って移動するように、駆動システム5を制御する。本実施形態においては、液浸空間LSの液体LQが、ダミー基板DPの表面のみに接触し、基板ステージ2の上面2Uには接触しないように、移動軌跡R1が定められている。本実施形態において、移動軌跡R1は、ほぼ矩形状である。なお、液浸空間LSの液体LQが、基板ステージ2の上面2Uに接触してもよい。
本実施形態において、ダミー基板DPの移動は、液浸部材7とダミー基板DPとの間に液体LQで液浸空間LSが形成された状態で実行される。制御装置8は、液浸部材7とダミー基板DPとの間に液体LQで液浸空間LSが形成された状態で、ダミー基板DPの表面を液浸部材7の下面14と対向させつつ、ダミー基板DPを所定の移動軌跡R1で移動させる。
ステップSP1の処理が終了した後、制御装置8は、カメラ70を用いて、ダミー基板DPの表面の汚染状態を観察する(ステップSP2)。制御装置8は、ダミー基板DPを保持した基板ステージ2を移動して、カメラ70の視野(検出領域、観察領域)に、ダミー基板DPの表面を配置する。これにより、カメラ70は、ダミー基板DPの表面の光学像を取得することができ、ダミー基板DPの表面の汚染状態を観察することができる。カメラ70の観察結果(ダミー基板DPの表面の汚染状態)は、制御装置8に出力される。
制御装置8は、カメラ70を用いて取得した、ダミー基板DPの表面の汚染状態に基づいて、液浸部材7の下面14の汚染領域を特定する処理を開始する。
液浸部材7の下面14の汚染領域は、下面14において汚染物が付着している領域を含む。また、ダミー基板DPの表面の汚染状態は、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布を含む。制御装置8は、カメラ70の観察結果に基づいて、ダミー基板DPの表面に付着した、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布を検出する(ステップSP3)。
図10及び図11は、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布の検出結果の一例を示す図である。液浸部材7の下面14が汚染されている場合、換言すれば、液浸部材7の下面14に汚染物が付着している場合、図10及び図11に示すように、その下面14に付着している汚染物がダミー基板DPの表面に付着する。例えば、下面14に付着している汚染物が、液浸空間LSの液体LQ中に放出され、その液体LQを介して、ダミー基板DPの表面に移動して、そのダミー基板DPの表面に付着する。したがって、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布は、移動軌跡R1に応じて変化する。図10及び図11に示すように、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布は、図9を参照して説明した移動軌跡R1に対応する。
また、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布は、液浸部材7の下面14の汚染領域に応じて変化する。図12は、液浸部材7の下面14が第1汚染領域を有する場合を示す。図13は、液浸部材7の下面14が第2汚染領域を有する場合を示す。一例として、図12は、第1汚染領域が多孔部材19の下面のほぼ全部に形成されている状態、すなわち、多孔部材19の下面のほぼ全部の領域に汚染物が付着している状態を示す。図13は、第2汚染領域が多孔部材19の下面の一部に形成されている状態、すなわち、多孔部材19の下面の一部の領域に汚染物が付着している状態を示す。
例えば、多孔部材19の下面のほぼ全部の領域に汚染物が付着している場合、ステップSP1の処理が実行されることによって、ダミー基板DPの表面において、図10に示したような汚染物の分布が形成される可能性が高い。また、多孔部材19の下面の一部の局所領域に汚染物が付着している場合、ステップSP1の処理が実行されることによって、ダミー基板DPの表面において、図11に示したような汚染物の分布が形成される可能性が高い。
このように、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布は、液浸部材7の下面14における汚染領域に応じて変化する。したがって、制御装置8は、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布に基づいて、液浸部材7の下面14の汚染領域を特定することができる。また、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布は、移動軌跡R1に応じて変化する。したがって、制御装置8は、移動軌跡R1とダミー基板DPの表面における汚染物の分布とに基づいて、液浸部材7の下面14の汚染領域を特定することができる。より具体的には、ダミー基板DP表面の汚染物付着部分が、液浸部材7の下面14のいずれの部分の下を通過したかどうかは、ダミー基板DPを保持している基板ステージ2の位置情報(干渉計システム11の出力)から知ることができるので、制御装置8は、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布(位置)と基板ステージ2の位置情報とに基づいて、液浸部材7の下面14の汚染領域を特定することができる。
したがって、カメラ70を用いて取得したダミー基板DPの表面における汚染物の分布が、図10に示す分布である場合、制御装置8は、液浸部材7の下面14の汚染領域が、図12に示したような第1汚染領域であると判断することができる。また、カメラ70を用いて取得したダミー基板DPの表面における汚染物の分布が、図11に示す分布である場合、制御装置8は、液浸部材7の下面14の汚染領域が、図13に示したような第2汚染領域であると判断することができる。
以上により、下面14の汚染領域を特定する特定処理が終了する(ステップSP4)。上述のように、本実施形態においては、下面14の汚染領域の特定処理は、移動軌跡R1(基板ステージ2の位置情報)とダミー基板DPの表面における汚染物の分布(位置)とに基づいて実行される。また、ダミー基板DPの表面における汚染物の分布を検出する処理を含む特定処理は、カメラ70の観察結果に基づいて実行される。
特定処理の結果、液浸部材7が汚染されていると判断された場合、制御装置8は、クリーニングシステム4を用いて、液浸部材7をクリーニングする処理を実行する。制御装置8は、第1,第2,第3クリーニング装置41,42,43の少なくとも一つを用いて、下面14の汚染領域をクリーニングする。
制御装置8は、下面14の汚染領域の特定の結果に基づいて、第1,第2,第3クリーニング動作の少なくとも一つで、液浸部材7をクリーニングする。制御装置8は、下面14の汚染領域の特定の結果に基づいて、第1,第2,第3クリーニング装置41,42,43の少なくとも一つを制御して、第1,第2,第3クリーニング動作の少なくとも一つを実行する。
例えば、下面14が第1汚染領域を有し、その第1汚染領域を第1クリーニング装置41でクリーニングする場合、制御装置8は、第1汚染領域(下面14のほぼ全部の領域)に紫外光LVが照射されるように、液浸部材7に対して第1クリーニング装置41の射出部44を移動する。制御装置8は、射出部44を液浸部材7の下面14と対向させつつ、射出部44を搭載した計測ステージ3をXY平面内で移動しながら、射出部44より紫外光LVを射出する。これにより、下面14の第1汚染領域に紫外光LVが照射され、下面14の第1汚染領域が光洗浄される。
一方、下面14が第2汚染領域を有し、その第2汚染領域を第1クリーニング装置41でクリーニングする場合、制御装置8は、第2汚染領域(下面14の一部の領域)に紫外光LVが照射されるように、液浸部材7に対する第1クリーニング装置41の射出部44の位置を調整する。制御装置8は、射出部44を下面14の第2汚染領域と対向させた状態で、射出部44より紫外光LVを射出する。これにより、下面14の第2汚染領域に紫外光LVが照射され、下面14の第2汚染領域が重点的に光洗浄される。
また、下面14が第1汚染領域を有し、その第1汚染領域を第3クリーニング装置43でクリーニングする場合、制御装置8は、振動部材50を含む計測ステージ3と液浸部材7との間に液浸空間LSを形成した状態で、計測ステージ3をXY平面内で移動しながら、超音波発生装置51を作動する。これにより、下面14の第1汚染領域に液体LQを介して超音波振動が付与され、下面14の第1汚染領域が超音波洗浄される。
一方、下面14が第2汚染領域を有し、その第2汚染領域を第3クリーニング装置43でクリーニングする場合、制御装置8は、第2汚染領域に振動部材50の上面53を対向させ、振動部材50を含む計測ステージ3と液浸部材7の間に液浸空間LSを形成した状態で、超音波発生装置51を作動する。これにより、下面14の第2汚染領域に重点的に超音波振動が付与され、その下面14の第2汚染領域が重点的に超音波洗浄される。
また、下面14が第1汚染領域を有し、その第1汚染領域を第2クリーニング装置42でクリーニングする場合、制御装置8は、第1汚染領域に洗浄液LCを接触させることによって、その下面14の第1汚染領域を良好にクリーニングすることができる。また、下面14が第2汚染領域を有し、その第2汚染領域を第2クリーニング装置42でクリーニングする場合、制御装置8は、第2汚染領域に洗浄液LCを接触させることによって、その下面14の第2汚染領域を良好にクリーニングすることができる。
また、本実施形態においては、制御装置8は、特定された汚染領域に基づいて、第1,第2,第3クリーニング動作の少なくとも一つを選択する(ステップSP5)。制御装置8は、その選択されたクリーニング動作で、液浸部材7の汚染領域をクリーニングする(ステップSP6)。
本実施形態において、制御装置8は、特定された汚染領域に基づいて、汚染物の種類を推定し、その汚染物の種類に応じて、第1,第2,第3クリーニング動作の少なくとも一つを選択する。
例えば、汚染領域を形成する汚染物の種類に応じて、下面14の汚染領域が変化する可能性がある。例えば、下面14が第1汚染領域を有する場合、その汚染の原因は、露光中に基板Pから発生した汚染物(例えば感光材等の有機物)である可能性が高い。一方、下面14が第2汚染領域を有する場合、その汚染の原因は、露光装置EX内の空中を浮遊する汚染物(感光材以外の汚染物)である可能性が高い。
したがって、制御装置8は、下面14が第1汚染領域を有すると判断した場合、その第1汚染領域を形成する汚染物は、基板Pから発生した汚染物であると推定することができる。また、制御装置8は、下面14が第2汚染領域を有すると判断した場合、その第2汚染領域を形成する汚染物は、空中を浮遊する汚染物であると推定することができる。
本実施形態においては、記憶装置60に、下面14の汚染領域と汚染物の種類との関係が記憶されている。その関係は、例えば予備実験、あるいはシミュレーションによって求めることができる。制御装置8は、特定された汚染領域と、記憶装置60の記憶情報とに基づいて、汚染領域を形成する汚染物の種類を判定することができる。
下面14が第1汚染領域を有すると特定した場合、制御装置8は、その特定された第1汚染領域と記憶装置60の記憶情報とに基づいて、第1汚染領域を形成する汚染物の種類が、基板Pから発生した汚染物(例えば感光材等の有機物)であると判断する。また、下面14が第2汚染領域を有すると特定した場合、制御装置8は、その特定された第2汚染領域と記憶装置60の記憶情報とに基づいて、第2汚染領域を形成する汚染物の種類が、空中を浮遊する汚染物であると判断する。
制御装置8は、特定された汚染領域と記憶装置60の記憶情報とに基づいて、クリーニング動作を選択する。すなわち、制御装置8は、特定された汚染領域と記憶装置60の記憶情報とに基づいて推定された汚染物の種類に応じて、第1,第2,第3クリーニング動作の中から、最適なクリーニング動作を選択する。
例えば、汚染物が感光材等の有機物であると判断された場合、制御装置8は、クリーニング動作として、液浸部材7に紫外光LVを照射する第1クリーニング動作、及び液浸部材7と洗浄液LCとを接触させる第2クリーニング動作の少なくとも一方を選択する。第1クリーニング動作及び第2クリーニング動作の少なくとも一方が実行されることによって、液浸部材7に付着している汚染物は効果的に除去される。
また、汚染物が空中を浮遊する汚染物であると判断された場合、制御装置8は、クリーニング動作として、液浸部材7に接触した液体LQに超音波振動を付与する第3クリーニング動作を選択する。第3クリーニング動作が実行されることによって、液浸部材7に付着している汚染物は効果的に除去される。
クリーニング処理が終了した後、基板Pの露光処理を含む通常の露光シーケンスが実行される。
以上説明したように、本実施形態によれば、ダミー基板DPの表面の汚染状態に基づいて、液浸部材7の汚染領域を特定することができる。したがって、その特定された汚染領域に応じて、クリーニング処理を効率良く良好に行うことができる。
また、本実施形態によれば、液浸部材7の汚染領域を形成する汚染物の種類を推定することができる。したがって、その汚染物の種類に応じて、第1,第2,第3クリーニング動作の中から、最適なクリーニング動作を選択することができる。そのため、液浸部材7を良好にクリーニングすることができる。
なお、本実施形態において、ステップSP1の処理を実行する場合、制御装置8は、液浸部材7に対して、ダミー基板DPが、図14中、矢印で示す移動軌跡R2に沿って移動するように、駆動システム5を制御してもよい。また、制御装置8は、液浸部材7に対して、ダミー基板DPが、図15中、矢印で示す移動軌跡R3に沿って移動するように、駆動システム5を制御してもよい。
なお、上述の実施形態においては、ダミー基板DPの表面の汚染状態として、ダミー基板DPの表面に付着したダミー基板DPの表面における汚染物の分布を検出することとしたが、汚染状態として、例えば、ダミー基板DPの表面における単位面積当たりの汚染物の量を検出してもよい。
なお、上述の実施形態においては、下面14に付着する可能性がある汚染物の2種類(感光材等の有機物、空中を浮遊する異物)であり、下面14に第1汚染領域及び第2汚染領域の少なくとも一方が形成されることとしたが、下面14に付着する可能性がある汚染物は3種類以上である可能性もある。また、下面14に第1,第2汚染領域と異なる汚染領域が形成される場合もある。その場合でも、特定された汚染領域に応じて、最適なクリーニング動作を選択することによって、液浸部材7を良好にクリーニングすることができる。
なお、上述の実施形態においては、クリーニングシステム40が第1,第2,第3クリーニング動作を実行可能であることとしたが、もちろん、他のクリーニング動作、例えば、下面14の汚染物を吸引口より吸引するクリーニング動作、あるいは下面14に気体を吹き付けて汚染物を除去するクリーニング動作を実行することとしてもよい。
なお、上述の実施形態においては、ステップSP1の処理は、液浸部材7とダミー基板DPとの間に液浸空間LSが形成された状態で実行されることとしたが、液浸空間LSを形成せずに実行されてもよい。液浸空間LSが形成されていない場合でも、ダミー基板DPの表面を液浸部材7の下面14と対向させつつダミー基板DPを所定の移動軌跡で移動させた場合、下面14に付着している汚染物がダミー基板DPに移動することによって、その移動後のダミー基板DPの表面の汚染状態に基づいて、液浸部材7の汚染状態を特定することができる。
なお、上述の実施形態においては、液浸部材7の下面14とダミー基板DPの表面とを対向させつつダミー基板DPを所定の移動軌跡で移動させ、その移動後のダミー基板DPの表面における汚染状態に基づいて、液浸部材7の汚染領域を特定することとしたが、ダミー基板DPの表面のかわりに、例えば基板ステージ2の上面2Uを使用してもよいし、計測ステージ3の上面3Uを使用してもよい。あるいは、基板ステージ2の保持部2Hに保持される基板Pの表面を使用してもよい。あるいは、保持部2Hに保持されたダミー基板DPの表面及び基板ステージ2の上面2Uの両方を使用してもよい。
なお、上述の実施形態においては、汚染領域の特定処理、及びクリーニング処理される所定部材が液浸部材7であることとしたが、液浸部材7以外の部材でもよい。例えば、液浸部材7の周囲に配置される部材、例えば流路17,20を形成する流路形成部材の汚染領域を特定することもできる。例えば、ダミー基板DPの表面を流路形成部材の下面と対向させつつダミー基板DPを所定の移動軌跡で移動させた場合、流路形成部材の下面に付着している汚染物がダミー基板DPに移動することによって、その移動後のダミー基板DPの表面の汚染状態に基づいて、流路形成部材の下面の汚染状態を特定することができる。また、所定部材として、基板Pの表面の位置を検出するフォーカス・レベリング検出システム、基板Pのアライメントマークを検出するアライメントシステム、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されているようなエンコーダシステムの少なくとも一部、米国特許出願公開第2007/0288121号明細書等に開示されているようなエンコーダシステムの少なくとも一部でもよい。
なお、上述の実施形態において、汚染領域の特定処理、及びクリーニング処理される所定部材が、複数の部材を含んでもよい。また、特定処理として、複数の部材のどの部材が汚染されているかを特定するようにしてもよい。例えば、液浸部材(7)を複数の部材で構成し、それら複数の部材のどの部材が汚染されているかと特定してもよい。また、所定部材を構成する複数の部材が、液浸部材、流路形成部材、フォーカス・レベリング検出システム、アライメントシステム、及びエンコーダシステムの少なくとも一部でもよい。
なお、上述の実施形態においては、露光装置EXが備える観察装置を用いて物体(ダミー基板DP等)の表面の汚染状態を観察することとしたが、露光装置EXの外部に設けられている装置で、物体の表面の汚染状態を観察してもよい。
なお、上述の実施形態においては、汚染領域と汚染物の種類との関係を記憶する記憶装置60の記憶情報と汚染領域とに基づいて、クリーニング動作を選択することとしたが、例えば制御装置8に接続された入力装置に入力された情報と汚染領域とに基づいて、クリーニング動作を選択してもよい。例えば入力装置に入力される入力情報が汚染領域と汚染物の種類との関係を含む場合、入力情報と汚染領域とに基づいて、例えば汚染物の種類を特定し、最適なクリーニング動作を選択することができる。
なお、クリーニング動作を選択するステップ(SP5)を省略してもよい。たとえば、複数のクリーニング装置のうちで使用されるクリーニング装置が予め決まっている場合、あるいはクリーニングシステム40が1つのクリーニング装置のみを備えている場合には、クリーニング動作の選択するステップ(SP5)を省くことができる。
また、クリーニング動作を選択するステップ(SP5)及びクリーニングするステップ(SP6)を省いてもよい。例えば、汚染領域が特定された部材(液浸部材7など)のクリーニングを行わずに、汚染領域を特定する処理(ステップSP4)の結果に基づいて汚染領域が特定された部材(液浸部材7など)の交換を行ってもよい。
なお、上述の実施形態においては、クリーニングシステム40の少なくとも一部が計測ステージに搭載される場合を例にして説明したが、例えば米国特許第6496257号明細書に開示されているように、基板ステージと異なるクリーニング用ステージを設け、そのクリーニング用ステージにクリーニングシステム40の少なくとも一部を搭載してもよい。
なお、上述の実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路も液体で満たされる投影光学系を採用することもできる。なお、終端光学素子12の入射側の光路に満たされる液体は、液体LQと同じ種類の液体でもよいし、異なる種類の液体でもよい。
なお、上述の実施形態のLQとして、水(純水)に限られず、例えばハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。この場合、各基板ステージ上、あるいは複数の基板ステージを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、3…計測ステージ、5…駆動システム、7…液浸部材、8…制御装置、40…クリーニングシステム、41…第1クリーニング装置、42…第2クリーニング装置、43…第3クリーニング装置、60…記憶装置、70…観察装置、DP…ダミー基板、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、P…基板

Claims (17)

  1. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    所定部材と、
    前記露光光が照射可能な位置に移動可能な物体の表面を前記所定部材の下面と対向させつつ前記物体を所定の移動軌跡で移動させる駆動装置と、
    前記移動後の前記物体の表面の汚染状態に基づいて、前記所定部材の汚染領域を特定する特定装置と、
    前記所定部材をクリーニングするクリーニング装置と、
    を備える露光装置。
  2. 前記特定装置は、前記物体の表面における汚染物の分布に基づいて、前記所定部材の汚染領域を特定する請求項1記載の露光装置。
  3. 前記特定装置は、前記移動軌跡と前記物体の表面における汚染物の分布とに基づいて、前記所定部材の汚染領域を特定する請求項2記載の露光装置。
  4. 前記所定部材は、前記露光光の光路の一部が前記液体で満たされるように前記物体との間で前記液体を保持して液浸空間を形成可能な液浸部材を含み、
    前記物体の移動は、前記液浸部材と前記物体との間に前記液浸空間が形成された状態で実行される請求項1〜3のいずれか一項記載の露光装置。
  5. 前記特定装置は、前記物体の表面の状態を観察する観察装置を備え、
    前記観察装置の観察結果に基づいて、前記汚染領域を特定する請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。
  6. 前記クリーニング装置は、異なる複数のクリーニング動作を可能であり、
    前記特定装置の特定結果に基づいて前記複数のクリーニング動作の少なくとも一つで前記所定部材をクリーニングする請求項1〜5のいずれか一項記載の露光装置。
  7. 前記汚染領域と前記汚染物の種類との関係を記憶する記憶装置を備え、
    前記クリーニング装置は、前記特定装置で特定された汚染領域と、前記記憶装置の記憶情報とに基づいて、前記クリーニング動作を選択する請求項6記載の露光装置。
  8. 前記複数のクリーニング動作は、前記所定部材に紫外光を照射するクリーニング動作、前記所定部材と洗浄液とを接触させるクリーニング動作、及び前記所定部材に接触した液体に超音波振動を付与するクリーニング動作の少なくとも一つを含む請求項6又は7記載の露光装置。
  9. 前記物体は、前記基板、前記基板を保持して移動可能な基板ステージ、及び前記基板ステージに保持されるダミー基板の少なくとも一つを含む請求項1〜8のいずれか一項記載の露光装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、
    を含むデバイス製造方法。
  11. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置内の所定部材をクリーニングするクリーニング方法であって、
    前記所定部材の下面と物体の表面とを対向させつつ前記物体を所定の移動軌跡で移動させることと、
    前記移動後の前記物体の表面に付着した前記物体の表面における汚染物の分布に基づいて、前記所定部材の汚染領域を特定することと、
    を含むクリーニング方法。
  12. 前記汚染領域は、前記移動軌跡と前記物体の表面における汚染物の分布とに基づいて特定される請求項11記載のクリーニング方法。
  13. 前記移動後に前記物体の表面における汚染物の分布を検出することをさらに含む請求項11又は12記載のクリーニング方法。
  14. 前記汚染領域をクリーニングすることをさらに含む請求項11〜13のいずれか一項記載のクリーニング方法。
  15. 前記特定の結果に基づいて、異なる複数のクリーニング動作の少なくとも一つを選択し、該選択されたクリーニング動作で前記汚染領域をクリーニングする請求項14記載のクリーニング方法。
  16. 前記所定部材は、前記露光光の光路の一部が前記液体で満たされるように前記物体との間で前記液体を保持して液浸空間を形成可能な液浸部材を含み、
    前記物体の移動は、前記液浸空間が形成された状態で行われる請求項11〜15のいずれか一項記載のクリーニング方法。
  17. 請求項11〜16のいずれか一項記載のクリーニング方法で前記所定部材の少なくとも一部をクリーニングすることと、
    前記液体を介して、前記基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、
    を含むデバイス製造方法。
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