JP2009044089A - 露光方法、デバイス製造方法、及びデバイス製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良の発生を抑制できる露光方法を提供する。
【解決手段】露光方法は、液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む。露光方法は、基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、第2露光光で露光された周縁領域の少なくとも一部に液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、第1膜を形成した後に、基板上に感光膜を形成することと、感光膜を形成した後に、液浸露光処理を実行することと、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】露光方法は、液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む。露光方法は、基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、第2露光光で露光された周縁領域の少なくとも一部に液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、第1膜を形成した後に、基板上に感光膜を形成することと、感光膜を形成した後に、液浸露光処理を実行することと、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体を介して基板を露光する露光方法、デバイス製造方法、及びデバイス製造システムに関する。
半導体デバイス等のマイクロデバイスを製造する技術の一つとして、フォトリソグラフィ技術が知られている。フォトリソグラフィ技術は、例えば半導体ウエハ等の基板上に感光膜を形成する処理、その基板上の感光膜を露光する処理、及び露光された基板を現像する処理等を含む。基板上の感光膜を露光する技術として、例えば下記特許文献1に開示されているような、液体を介して基板上の感光膜を露光する液浸露光技術が知られている。
国際公開第99/49504号パンフレット
基板を液浸露光する際、基板の周縁領域の状態によっては、液体が基板の下面に付着する可能性がある。基板の下面に付着した液体が気化すると、例えば、液体の気化熱によって基板が熱変形したり、基板の下面に液体の付着跡(以下、ウォーターマーク、と称する)が形成されたりする可能性がある。そのような不具合が生じると、基板上に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明は、露光不良の発生を抑制できる露光方法を提供することを目的とする。また本発明は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む露光方法において、基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、第2露光光で露光された周縁領域の少なくとも一部に液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、第1膜を形成した後に、基板上に感光膜を形成することと、感光膜を形成した後に、液浸露光処理を実行することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む露光方法において、基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、周縁領域を第2露光光で露光した後に、基板上に感光膜を形成することと、基板上に感光膜を形成した後に、基板の周縁領域の感光膜を除去することと、周縁領域の感光膜を除去した後に、液浸露光処理を実行することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、上記第1及び第2の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、基板上に感光膜を形成する第1膜形成装置を有する基板処理装置と、基板上に形成された感光膜を液体を介して第1露光光で露光する露光装置と、を有するデバイス製造システムであって、基板処理装置は、基板の周縁領域に第2露光光を照射して周縁領域を洗浄する洗浄装置と、第2露光光が照射された周縁領域の少なくとも一部に液体に対して撥液性の第1膜を形成する第2膜形成装置とを有し、基板処理装置の第1膜形成装置は、第2膜形成装置で基板上に第1膜を形成した後に基板上に感光膜を形成し、基板上に感光膜を形成した後に、露光装置で基板上の感光膜を露光するデバイス製造システムが提供される。
本発明によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る基板の露光方法の一例を示すフローチャート、図2〜図6は、図1の各ステップSA1〜SA6のそれぞれにおける基板の状態を示す模式図である。また、図2(B)〜図6(B)のそれぞれは、図2(A)〜図6(A)に示す基板の周縁領域の近傍を拡大した図である。
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る基板の露光方法の一例を示すフローチャート、図2〜図6は、図1の各ステップSA1〜SA6のそれぞれにおける基板の状態を示す模式図である。また、図2(B)〜図6(B)のそれぞれは、図2(A)〜図6(A)に示す基板の周縁領域の近傍を拡大した図である。
基板は、デバイス(デバイスパターン)を形成するために所定の処理が実行される基板である。基板は、半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成される所定の材料膜とを含む。以下の説明において、基材の表面(上面、側面、下面)に形成された材料膜のうち、最も表層の材料膜の表面(露出面)を適宜、基板の表面(上面、側面、下面)と言う。本実施形態においては、基板Pが、シリコンウエハのような半導体ウエハ等の円形の基材Wと、その基材W上に形成される感光膜Rgとを含む場合を例にして説明する。また、基材Wは、少なくとも1回のリソグラフィ工程(露光工程)を経ていてもよいが、本実施形態においては、説明を簡単にするために、基材に最初のリソグラフィ処理を施す場合について説明する。
本実施形態の露光方法は、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理を含む。図1に示すように、本実施形態の露光方法は、基材Wの周縁領域を第2露光光EL2で露光する周縁露光処理(ステップSA1)と、第2露光光EL2で露光された基材Wの周縁領域の少なくとも一部に、液体LQに対して撥液性の第1膜Mhを形成する処理(ステップSA2)と、第1膜Mhを形成した後に、基板上に感光膜Rgを形成する処理(ステップSA3)と、感光膜Rgを形成した後に、基板の周縁領域の感光膜Rgの少なくとも一部を除去する処理(ステップSA4)と、基板上に形成された感光膜Rgを加熱する処理(ステップSA5)と、感光膜Rgを加熱した後に、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理(ステップSA6)とを含む。液浸露光された後の基板Pは、現像処理される。
本実施形態においては、液浸露光で使用する液体LQとして、水(純水)を用いる。また、本実施形態においては、基材Wの周縁領域を第2露光光EL2で露光した後に、基板上に感光膜Rgを形成する処理が実行される。また、本実施形態においては、液浸露光処理を実行する前に、基板の周縁領域の感光膜Rgの少なくとも一部を除去する処理が実行される。すなわち、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去した後に、液浸露光処理が実行される。また、本実施形態において、基板の周縁領域は、基板の上面の輪帯状(環状)の周縁領域、基板の側面、及び基板の下面の輪帯状(環状)の周縁領域を含む。
以下、各ステップSA1〜SA6について説明する。
まず、ステップSA1について説明する。ステップSA1は、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光する処理を含む。基材Wの周縁領域EAには、第2露光光EL2が照射される。本実施形態においては、基材Wは、シリコンウエハを含む。すなわち、基材Wは、シリコン基板を含み、基材Wの表面は、シリコン基板の表面を含む。
第2露光光EL2は、基材Wの上面の輪帯状の周縁領域EA1、基材Wの側面EA2に照射される。第2露光光EL2は、パターンを介さないで、基材Wの周縁領域EAに照射される。本実施形態においては、図2に示すように、基材Wの上面の周縁領域EA1、及び基材Wの側面EA2が、第2露光光EL2によって露光される。
図7は、基材Wの周縁領域EAに第2露光光EL2を照射可能な第1処理装置1の一例を示す図である。第1処理装置1は、例えば米国特許第5,420,663号明細書等に開示されているような、基材W(基板)の周縁領域に所定の露光光を照射可能な周縁露光装置を含む。図7において、第1処理装置1は、基板Pの下面を保持可能な保持部材2と、保持部材2を回転する回転モータ3と、回転モータ3の回転位置に応じた信号を出力する回転位置検出器4とを備える。また、第1処理装置1は、第2露光光EL2を射出する光源装置5と、光源装置5からの第2露光光EL2を保持部材2に保持された基材Wの周縁領域EAに導く光学系を含む照射部6とを備える。照射部6の射出面7から射出された第2露光光EL2は、第2露光光EL2を整形する絞り部材8を介して、基材Wの周縁領域EAに照射される。照射部6の射出面7と対向する位置には、照射部6から射出された第2露光光EL2を受光可能な受光面9を有し、受光状態に応じた信号を出力する受光部10が配置されている。第1処理装置1は、照射部6の射出面7と受光部10の受光面9との間に基材Wの周縁領域EAを配置した状態で、受光部10の受光結果をモニタしながら、基材Wの下面を保持した保持部材2を回転しつつ、基材Wの周縁領域EAに第2露光光EL2を照射することによって、基材Wの周縁領域EAを露光する。本実施形態においては、射出面7から射出される第2露光光EL2として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。すなわち、本実施形態においては、第2露光光EL2の波長は、193nmを含む。
第2露光光EL2は、光洗浄効果を有する。第1処理装置1は、第2露光光EL2を用いて、基材Wの周縁領域EAを洗浄(光洗浄)する。紫外光である第2露光光EL2を基材Wの周縁領域EAに照射することによって、基材Wの周縁領域EAに付着していた有機物等の不純物が酸化分解され、除去される。すなわち、本実施形態の第1処理装置1は、基材Wの周縁領域EAの少なくとも一部に第2露光光EL2を照射して、その周縁領域EAを洗浄する洗浄装置として機能する。本実施形態において、第1処理装置1は、例えば米国特許第5420663号明細書に開示されているような、基板の周縁領域を露光する周縁露光装置を含む。
次に、ステップSA2について説明する。ステップSA2は、第2露光光EL2で露光された基材Wの周縁領域EAの少なくとも一部に、液体LQに対して撥液性の第1膜Mhを形成する処理を含む。第1膜Mhを形成する処理は、第2露光光EL2で露光する処理が終了した後に実行される。
本実施形態においては、第1膜Mhは、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)の膜を含む。以下の説明において、第1膜Mhを適宜、HMDS膜Mh、と称し、基材W(基板)上にHMDS膜Mhを形成する処理を適宜、HMDS処理、と称する。
HMDS膜Mhは、液体LQ(水)に対して撥液性(撥水性)である。本実施形態においては、HMDS膜Mhは、少なくとも第2露光光EL2が照射された基材Wの周縁領域の少なくとも一部に形成される。本実施形態においては、HMDS膜Mhが、基材Wの上面の全域、側面EA2の全域、及び下面の周縁領域EA3のそれぞれに形成される。
図8は、基材W(基板)上にHMDS膜Mhを形成可能な第2処理装置11の一例を示す図である。図8において、第2処理装置11は、密閉室12と、密閉室12の内部に設けられ、基材W(基板)を保持する保持装置13と、ガス状のHMDSを密閉室12の内部に供給するガス供給装置14とを備える。保持装置13は、保持した基材Wを加熱可能である。第2処理装置11は、保持装置13で保持した基材Wを加熱した状態で、ガス供給装置14よりガス状のHMDSを密閉室12の内部に供給する。これにより、基材Wの表面とガス状のHMDSとが接触し、基材Wの表面にHMDS膜Mhが形成される。図8に示すように、本実施形態においては、保持装置13は、基材Wの下面側に所定の空間が形成されるように基材Wを保持する。したがって、第2処理装置11は、基材Wの上面、側面、及び下面のそれぞれにHMDS膜Mhを形成可能である。
シリコン基板を含む基材Wと、HMDS膜Mhとの密着性は良好である。また、本実施形態においては、HMDS処理を実行する前に、基材Wの周縁領域EAが第2露光光EL2によって洗浄(光洗浄)されているので、基材Wの周縁領域EAにより良好なHMDS膜Mh形成することができる。
次に、ステップSA3について説明する。ステップSA3は、HMDS膜Mhが形成された基板上に感光膜Rgを形成する処理を含む。感光膜Rgを形成する処理は、HMDS膜Mhを形成する処理が終了した後に実行される。
本実施形態において、感光膜Rgは、液体LQ(水)に対して撥液性(撥水性)である。例えば、感光膜Rgと液体LQとの接触角は70°以上、好ましくは90°以上である。本実施形態においては、感光膜Rgとして、液体LQ(水)に対して撥液性(撥水性)の化学増幅型レジストを用いる。また、本実施形態の感光膜Rgは、露光光(第1露光光EL1、第2露光光EL2を含む)が照射された部分が現像処理によって除去されるポジ型レジストで形成される。
本実施形態においては、スピンコーティング法を用いて、感光膜Rgが形成される。図4に示すように、基板(HMDS膜Mh)上には、スピンコーティング法に基づいて、感光膜Rgが形成される。本実施形態においては、感光膜Rgは、基板の上面、及び側面を含む一部の領域(周縁領域)に形成される。
次に、ステップSA4について説明する。ステップSA4は、基板の周縁領域に形成された感光膜Rgの少なくとも一部を除去する処理を含む。本実施形態では、基板の側面の感光膜Rg、及び基板の上面の周縁領域の感光膜Rgが除去される。なお、ステップSA3において、基板の下面の一部にも感光膜Rgが形成される場合、ステップSA4において基板の下面の感光膜Rgも除去すればよい。
感光膜Rgを除去する処理は、基板の周縁領域に向けてアセトン、又はシンナー等を含む溶剤を吹き付けるリンス処理、所謂エッジリンス処理を含む。これにより、図5に示すように、基板の上面の周縁領域を除く大部分の領域(中央領域)の感光膜Rgは除去されず、基板の上面の中央領域が感光膜Rgによって形成される。また、感光膜Rgが除去されることによって、基板の下面の周縁領域、基板の側面、及び基板の上面の周縁領域において、HMDS膜Mhが露出する。以下の説明において、基板の周縁領域の感光膜Rgの少なくとも一部を除去する処理を適宜、エッジリンス処理、と称する。
図9は、基板上に感光膜Rgを形成可能であり、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去可能な第3処理装置15の一例を示す図である。第3処理装置15は、例えば米国特許出願公開第2006/0068110号明細書等に開示されているような、感光材の溶液をスピンコーティング法に基づいて塗布する塗布装置16、及びエッジリンス処理を実行可能なエッジリンス装置17を含む。図9において、第3処理装置15は、基板の下面を保持可能な保持部材18と、保持部材18を回転する回転モータ19と、保持部材18に保持された基板の上面に感光材の溶液を供給可能な供給口20を有する第1ノズル21と、保持部材18に保持された基板の周縁領域にエッジリンス用液体(溶剤)を供給可能な供給口22を有する第2ノズル23と、保持部材18の周囲に配置され、感光材の溶液、エッジリンス用液体を受けるカップ24とを備えている。カップ24の底には、飛散した感光材の溶液、エッジリンス用液体を集めて排出する排液口25と、飛散した感光材の溶液、エッジリンス用液体の微粒子が基板に再付着することを抑制するために、カップ24の内側の気体を排出する排気口26とが形成されている。
基板上に感光膜Rgを形成するとき、保持部材18に保持された基板の上面の中央と対向するように、第1ノズル21の供給口20が配置される。第3処理装置15は、回転モータ19を駆動して、保持部材18に保持された基板を回転しつつ、第1ノズル21の供給口20より感光材の溶液を基板の上面に供給することによって、基板上に感光膜Rgを形成する。
また、エッジリンス処理を実行するとき、保持部材18に保持された基板の周縁領域と対向するように、第2ノズル23の供給口22が配置される。第3処理装置15は、回転モータ19を駆動して、保持部材18に保持された基板を回転しつつ、第2ノズル23の供給口22よりエッジリンス用液体を基板の周縁領域に向けて供給することによって、少なくとも基板の周縁領域の感光膜Rgを除去する。
感光膜Rgと、HMDS膜Mhとの密着性は良好である。したがって、HMDS膜Mh上に形成される感光膜Rgの剥離を防止することができる。
なお、本実施形態においては、第3処理装置15が、塗布装置16及びエッジリンス装置17を備えており、保持部材18に基板を保持したまま、感光膜Rgを形成する処理と、感光膜Rgの一部を除去する処理とを実行しているが、塗布装置の保持部材とエッジリンス装置の保持部材とを異なる位置に設け、感光膜Rgを形成した後、塗布装置の保持部材から基板をアンロードして、エッジリンス装置の保持部材にロードし、感光膜Rgの一部を除去する処理を実行することもできる。
次に、ステップSA5について説明する。ステップSA5は、基板上に形成された感光膜Rgを加熱する処理(ベーク処理)を含む。加熱する処理によって、例えば感光膜Rg中の溶剤が蒸発し、感光膜Rgが固化され、感光膜RgとHMDS膜Mhとの密着性を更に高めることができる。これにより、基材W、HMDS膜Mh、及び感光膜Rgを含む、本実施形態に係る基板Pが形成される。
次に、ステップSA6について説明する。ステップSA6は、基板Pの感光膜Rgを液体LQを介して第1露光光EL1で露光する処理を含む。
図6に示すように、ステップSA6においては、基板Pの上面の感光膜Rgが、第1露光光EL1によって露光される。本実施形態においては、第1露光光EL1は、パターンを介して基板Pの上面の中央領域に配置されている感光膜Rgに照射される。基板Pの感光膜Rgは、パターン化された第1露光光EL1によって照射される。
本実施形態においては、液体LQと基板P(感光膜Rg)とを接触させた状態で、液体LQを介して第1露光光EL1が感光膜Rgに照射される。本実施形態においては、感光膜Rgに照射される第1露光光EL1として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。すなわち、本実施形態においては、第1露光光EL1の波長と、第2露光光EL2の波長とが同じである。
図10は、液浸露光処理に用いる第4処理装置27の一例を示す図である。第4処理装置27は、例えば国際公開第99/49504号パンフレット、米国特許公開第2005/0280791号明細書、国際公開第2005/024517号パンフレット等に開示されているような、液体LQを介して基板Pに露光光を照射して、基板Pの感光膜Rgを露光する液浸露光装置を含む。図10において、第4処理装置27は、デバイスを製造するためのパターンを有するマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ28と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ29と、マスクステージ28に保持されているマスクMを第1露光光EL1で照明する照明系ILと、第1露光光EL1で照明されたマスクMのパターンの像を基板P上に投影する投影光学系PLとを備えている。マスクMは、基板P上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。本実施形態においては、マスクMとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。
第4処理装置27は、第1露光光EL1の光路を液体LQで満たすことができる液浸部材30を備えている。例えば、基板Pに第1露光光EL1が照射されているとき、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子31の下面(光射出面)32と、その終端光学素子31の下面32と対向する位置に配置された基板Pの上面との間の第1露光光EL1の光路が液体LQで満たされるように、液浸部材30と基板Pの上面との間に液体LQの液浸部LSが形成される。液浸部は、液体で満たされた空間である。
本実施形態においては、基板Pの上面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように、液浸部材30によって液浸部LSが形成され、基板Pの上面と液浸部材30の下面33との間に液体LQの気液界面(メニスカス、エッジ)が形成される。例えば、基板Pの露光時には、投影光学系PLの投影領域を含む基板P上の一部の領域が液体LQで覆われるように、液体LQで液浸部LSが形成される。すなわち、本実施形態の第4処理装置27(液浸露光装置)は、局所液浸方式を採用する。
なお、液浸部材30は、基板Pのみならず、第1露光光EL1が射出される終端光学素子31の下面32と対向する位置に配置された物体の上面との間で液浸部LSを形成可能である。例えば、液浸部LSは、終端光学素子31及び液浸部材30と、基板ステージ29の上面29Fとの間に形成可能である。
照明系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の第1露光光EL1で照明する。本実施形態においては、照明系ILから射出される第1露光光EL1として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
マスクステージ28は、リニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システムにより、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ28(マスクM)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報は不図示のレーザ干渉計によって計測される。駆動システムは、レーザ干渉計の計測結果に基づいてマスクステージ28を駆動し、マスクステージ28に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ29は、基板Pを保持する基板ホルダ34を有する。基板ステージ29の上面29Fは、基板ホルダ34の周囲に配置され、終端光学素子31の下面32及び液浸部材30の下面33と対向可能である。基板ステージ29の上面29Fは、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。基板ホルダ34は、基板ステージ29に設けられた凹部に配置されている。基板ホルダ34は、基板Pの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ホルダ34に保持された基板Pの上面と基板ステージ29の上面29Fとは、同一平面内に配置される(面一である)。上面29Fは、例えばフッ素を含む材料で形成されており、液体LQに対して撥液性である。上面29Fと液体LQとの接触角は、例えば90°以上である。上述のように、液浸部材30は、基板Pのみならず、基板ステージ29の上面29Fとの間に液浸部LSを形成可能である。例えば、基板Pの周縁領域の近傍の感光膜Rgを第1露光光EL1で露光するとき、液浸部LSは、終端光学素子31及び液浸部材30と、基板P及び上面29Fとの間に形成され、液体LQは、上面29Fに接触する。
基板ステージ29は、リニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システムにより、基板ホルダ34に基板Pを保持した状態で、定盤35上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。基板ステージ29(基板P)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報は不図示のレーザ干渉計によって計測される。基板ステージ29に保持されている基板Pの上面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出システムによって検出される。駆動システムは、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、基板ステージ29に保持されている基板Pの位置制御を行う。
図11は、液浸部材30の近傍を示す断面図である。液浸部材30は、終端光学素子31と基板Pとの間の露光光ELの光路に液体LQを供給する供給口36と、液体LQを回収する回収口37とを有している。供給口36は、流路を介して液体供給装置と接続されている。液体供給装置は、清浄で温度調整された液体LQを供給口36に供給可能である。回収口37は、流路を介して真空システムを含む液体回収装置に接続されている。液体回収装置は、回収口37を介して、液浸部LSの液体LQを回収可能である。本実施形態においては、回収口37には多孔部材(メッシュ)38が配置されている。
第4処理装置27は、液浸部LSを形成するために、供給口36を用いる液体供給動作と並行して、回収口37を用いる液体回収動作を実行する。これにより、終端光学素子31の射出面32と基板Pの上面との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、液浸部LSが形成される。
第4処理装置27は、少なくともマスクMのパターンの像を基板Pに投影している間、液浸部材30を用いて、液浸部LSを形成する。第4処理装置27は、基板Pの感光膜Rgと液体LQとを接触させながら、基板Pの上面の中央領域の感光膜Rgに、マスクMからの第1露光光EL1を、投影光学系PLと液浸部LSの液体LQとを介して照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板P上に投影され、基板Pの感光膜Rgが露光される。
基板Pの周縁領域の近傍の感光膜Rgを第1露光光EL1で露光するとき、あるいは液浸部LSを基板Pの上面から基板ステージ29の上面29Fに移動するとき等においては、図11に示すように、液浸部LSが、基板ホルダ34に保持された基板Pの上面と、その基板Pの周囲に配置された基板ステージ29の上面29Fとの間のギャップG上に配置される。本実施形態においては、基板ステージ29の上面29Fが、液体LQに対して撥液性であり、基板Pの上面の周縁領域、及び側面を含む基板Pの周縁領域が、液体LQに対して撥液性であるHMDS膜Mhによって形成されているので、ギャップGへの液体LQの浸入を抑制できる。
また、本実施形態の基板ホルダ34は、真空チャック機構(ピンチャック機構)を含み、基板Pの下面と対向可能な上面を有する周壁(シール部材)39と、周壁39の内側に配置され、基板Pの下面を支持可能な凸部材(支持部材)40とを備えている。基板ホルダ34は、周壁39で囲まれた基板Pの下面側の空間を負圧にすることで、基板Pを凸部材40に吸着保持する。本実施形態においては、周壁33の上面と基板Pの下面とが接触するように、基板Pが基板ホルダ34に保持される。なお、本実施形態においては、エッジリンス処理によって、基板ホルダ34の周壁39の上面と接触する基板Pの下面から感光膜Rgが除去されており、基板ホルダ34の周壁39の上面と接触する基板Pの下面には感光膜Rgが無いので、感光膜Rgに起因するパーティクルの発生を抑制できる。
基板Pの液浸露光が終了した後、所定の搬送装置(不図示)によって、液浸露光後の基板Pが基板ステージ29から搬出(アンロード)される。基板ステージ29から搬出された基板Pは、必要に応じて、例えば、液体除去処理、加熱処理(PEB処理)等、所定の処理を実行された後、現像装置に搬送される。基板Pは、その現像装置によって現像処理される。現像処理によって、マスクMのパターンに応じた基板Pの感光膜Rgの一部分が除去される。現像処理後、ポストベーク処理、エッチング処理等を含む所定の処理が実行されることにより、基板P上には、マスクMのパターンに応じたパターン(デバイスパターン)が形成される。
図12は、上述の第1処理装置1、第2処理装置11、第3処理装置15、及び第4処理装置27を備えたデバイス製造システムSYSの一例を示す模式図である。各処理装置間においては、基板は搬送装置によって搬送される。
図12において、デバイス製造システムSYSは、第4処理装置(液浸露光装置)27と、その第4処理装置27に接続され、上述の第1処理装置1、第2処理装置11、第3処理装置15、及び現像装置を含むコータ・デベロッパ装置CDとを含む。第4処理装置27とコータ・デベロッパ装置CDとはインターフェースIFを介して接続されており、基板Pは不図示の搬送装置により、第4処理装置27とコータ・デベロッパ装置CDとの間でインターフェースIFを介して搬送可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、液浸露光処理される基板Pの周縁領域の表面が、液体LQに対して撥液性のHMDS膜Mhで形成されているので、基板Pを液浸露光する際、例えば基板Pの周囲に形成されるギャップGを介して、液体LQが基板Pの下面側に浸入することを抑制することができる。したがって、基板Pの下面側に浸入した液体LQの気化による温度変化の発生、液体LQの付着跡(ウォーターマーク)等の発生を抑制することができる。したがって、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
また、本実施形態によれば、基材Wの周縁領域に第2露光光EL2を照射した後、その第2露光光EL2が照射された基材Wの周縁領域にHMDS膜Mhが形成され、第2露光光EL2によって洗浄(光洗浄)された基材Wの周縁領域EAの表面に、HMDS膜Mhが形成される。これにより、基材Wの周縁領域EAにより良好なHMDS膜Mhを形成することができる。したがって、HMDS膜Mhの撥液能力を最大限に発揮させることができる。したがって、基板Pの周縁領域は、液体LQに対して高い撥液性を有することとなり、ギャップGを介して基板Pの下面側に液体LQが浸入することを抑制することができる。
例えば、基材Wの周縁領域EAに不純物が付着している状態(周縁領域EAが汚染されている状態)で、その周縁領域EAにHMDS膜Mhを形成すると、HMDS膜Mhの表面の撥液性が低下する可能性がある。その場合、液体LQに対する基板Pの周縁領域の撥液性が低くなってしまうため、基板Pの周囲のギャップGを介して、基板Pの下面側に液体LQが浸入する可能性が高くなる。
本実施形態によれば、第2露光光EL2を用いて基材Wの周縁領域EAを洗浄(光洗浄)した後、その基材Wの周縁領域EAにHMDS膜Mhを形成するとので、HMDS膜Mhの撥液性の低下を抑えることができる。
なお、本実施形態においては、第2露光光EL2が、基材Wの上面の周縁領域EA1、及び基材Wの側面EA2に照射される場合を例にして説明したが、基材Wの下面の周縁領域EA3など、基材Wの下面においてHMDS膜Mhが形成される領域に、第2露光光EL2を照射するようにしてもよい。例えば基材W(基板)の下面の全域、あるいはHMDS膜Mhが形成される基材Wの下面の周縁領域EA3に第2露光光EL2を照射するようにしてもよい。また、基材Wの上面の周縁領域EA1のみに第2露光光EL2を照射してもよい。
なお、第2露光光EL2が照射される領域と、エッジリンス処理によって感光膜Rgが除去される領域とは、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、図13に示すように、第2露光光EL2が照射された領域の少なくとも一部が感光膜Rgで覆われたままであってもよい。この場合も、基板Pの周縁領域が撥液性なので、液浸露光処理において、基板Pの周囲のギャップGからの液体LQの浸入を抑制することができる。また、第2露光光EL2で照射された領域上のHMDS膜Mh上に感光膜Rgのエッジが形成されるので、基板Pの周縁領域における感光膜Rgの剥離をより効果的に防止できる。したがって、感光膜Rgの剥離に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第1実施形態においては、HMDS膜Mhを有する基板P上に感光膜Rgを形成した後、その感光膜Rgの一部を除去するエッジリンス処理が実行される場合を例にして説明したが、第2実施形態の特徴的な部分は、感光膜Rgのエッジリンス処理を省略する点にある。
図14のフローチャートに示すように、本実施形態の露光方法は、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光する周縁露光処理(ステップSA1)と、第2露光光EL2で露光された基材Wの周縁領域EAの少なくとも一部に、液体LQに対して撥液性のHMDS膜Mhを形成するHMDS処理(ステップSA2)と、HMDS膜Mhを形成した後に、基板上に感光膜Rgを形成する処理(ステップSA3)と、基板上に形成された感光膜Rgを加熱するベーク処理(ステップSA5)と、感光膜Rgを加熱した後に、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理(ステップSA6)とを含む。
本実施形態においては、エッジリンス処理を実行しないので、例えば図4に示したように、基板Pの周縁領域の表面(上面、及び側面の一部)は、撥液性の感光膜Rgで形成される。上述の第1実施形態と同様、感光膜Rgは、液体LQに対して撥液性なので、基板Pの周縁領域の表面が感光膜Rgで形成されることによって、液浸露光処理において、基板Pの周囲のギャップGを介して基板Pの下面側に液体LQが浸入することを抑制することができる。
また、第2露光光EL2が照射された領域上のHMDS膜Mh上に感光膜Rgのエッジが形成されるので、基板Pの周縁領域における感光膜Rgの剥離をより効果的に防止することができる。したがって、感光膜Rgの剥離に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
第3実施形態の特徴的な部分は、液浸露光処理を実行する前に、感光膜Rgを液体LQから保護するための保護膜Tcを基板上に形成する点にある。
図15は、第3実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、本実施形態の露光方法は、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光する周縁露光処理(ステップSB1)と、第2露光光EL2で露光された基材Wの周縁領域EAにHMDS膜Mhを形成するHMDS処理(ステップSB2)と、HMDS膜Mhを形成した後に、基板上に感光膜Rgを形成する処理(ステップSB3)と、感光膜Rgを形成した後に、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去するエッジリンス処理(ステップSB4)と、基板上に形成された感光膜Rgを加熱するベーク処理(ステップSB5)と、感光膜Rgを加熱した後に、感光膜Rgを保護するための保護膜Tcを基板上に形成する処理(ステップSB6)と、保護膜Tcを形成した後に、基板の周縁領域の保護膜Tcを除去するエッジリンス処理(ステップSB7)と、基板上に形成された保護膜Tcを加熱するベーク処理(ステップSB8)と、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理(ステップSB9)とを含む。
本実施形態において、液浸露光処理を実行する前に、保護膜Tcを基板上に形成する処理が実行される。また、液浸露光処理を実行する前に、基板の周縁領域の保護膜Tcを除去する処理が実行される。
ステップSB1〜ステップSB5は、上述の実施形態で説明したステップSA1〜SA5と同様であるため、ステップSB1〜ステップSB5についての説明を省略する。
ステップSB6は、保護膜Tcを基板上に形成する処理を含む。保護膜Tcは、感光膜Rg上に形成される。保護膜Tcは、感光膜Rgを覆うように形成される。
保護膜Tcは、液体LQ(水)に対して撥液性(撥水性)である。保護膜Tcと液体LQとの接触角は、例えば90°以上である。一例として、本実施形態においては、保護膜Tcとして、東京応化工業株式会社製「TSP-3A」を用いる。
図16(A)は、保護膜Tcが形成された基板を示す断面図、図16(B)は、図16(A)に示す基板の周縁領域の近傍を拡大した図である。本実施形態においては、保護膜Tcは、スピンコーティング法を用いて形成される。図16に示すように、基板上には、スピンコーティング法に基づいて、保護膜Tcが形成される。保護膜Tcは、基板の上面、及び側面の一部に形成される。
ステップSB7は、基板の周縁領域に形成された保護膜Tcを除去するエッジリンス処理を含む。エッジリンス処理は、基板の周縁領域に向けてアセトン、又はシンナー等を含む溶剤を吹き付ける処理を含む。本実施形態では、基板の側面の保護膜Tc、及び基板の上面の周縁領域の保護膜Tcが除去される。なお、ステップSB6において、基板の下面に周縁領域にも保護膜Tcが形成される場合には、ステップSB7において、基板の下面の保護膜Tcも除去すればよい。
図17(A)は、保護膜Tcがエッジリンス処理された後の基板を示す断面図、図17(B)は、図17(A)に示す基板の周縁領域の近傍を拡大した図である。基板の周縁領域の保護膜Tcを除去するエッジリンス処理を実行することによって、図17に示すように、基板Pの上面の周縁領域を除く大部分の領域(中央領域)の保護膜Tcは除去されず、基板Pの上面の大部分の領域が保護膜Tcによって形成される。本実施形態においては、感光膜Rgの全域が保護膜Tcによって覆われる。また、保護膜Tcが除去されることによって、基板Pの下面の周縁領域、基板Pの側面、及び基板Pの上面の周縁領域において、HMDS膜Mhが露出する。
なお、保護膜Tcを形成する処理は、図9を参照して説明したような、スピンコーティング法に基づいて塗布する塗布装置によって形成可能である。塗布装置は、保護膜Tcを形成する保護材の溶液をスピンコーティング法によって基板上に形成する。また、保護膜Tcの一部を除去するエッジリンス処理は、図9を参照して説明したような、エッジリンス処理を実行可能なエッジリンス装置によって実行可能である。
本実施形態において、感光膜Rgと保護膜Tcとの密着性は良好である。
ステップSB8は、基板上に形成された保護膜Tcを加熱するベーク処理を含む。ベーク処理によって、例えば保護膜Tc中の溶剤が蒸発し、保護膜Tcが固化され、保護膜Tcと感光膜Rgとの密着性を更に高めることができる。
ステップSB9は、基板P上に形成された感光膜Rgを液体LQを介して第1露光光EL1で露光する処理を含む。本実施形態においては、液体LQと基板P(保護膜Tc)とを接触させた状態で、液体LQを介して第1露光光EL1が感光膜Rgに照射される。基板Pの上面の感光膜Rgは、第1露光光EL1によって露光される。基板Pの液浸露光処理は、上述の液浸露光装置を含む第4処理装置27によって実行可能である。液浸露光後の基板Pは、基板ステージ29からアンロードされた後、現像処理を実行される。
以上説明したように、本実施形態においても、液浸露光処理される基板Pの周縁領域の表面が、液体LQに対して撥液性のHMDS膜Mhで形成されているので、基板Pを液浸露光する際、例えば基板Pの周囲に形成されるギャップGを介して、液体LQが基板Pの下面側に浸入することを抑制することができる。したがって、基板Pの下面側に浸入した液体LQの気化による温度変化の発生、液体LQの付着跡(ウォーターマーク)等の発生を抑制することができる。したがって、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
また、本実施形態においても、基材Wの周縁領域EAに第2露光光EL2を照射した後、その第2露光光EL2が照射された基材Wの周縁領域EAにHMDS膜Mhが形成されるので、基材Wの周縁領域EAにHMDS膜Mhを良好に形成できる。したがって、HMDS膜Mhの撥液能力を最大限に発揮させることができる。したがって、基板Pの周縁領域は、液体LQに対して高い撥液性を有することとなり、ギャップGを介して基板Pの下面側に液体LQが浸入することを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、保護膜Tcによって、感光膜Rgを保護することができる。また、液体LQに対する保護膜Tcの撥液性(接触角)が、液体LQに対する感光膜Rgの撥液性(接触角)よりも大きい場合、保護膜Tc上の液体LQの回収性を高めることができる。
なお、本実施形態においても、基材Wの下面の周縁領域EA3等、基材Wの下面においてHMDS膜が形成される領域に、第2露光光EL2を照射するようにしてもよい。また、基材Wの上面の周縁領域EA1のみに第2露光光ELを照射してもよい。
なお、第2露光光EL2が照射される領域と、エッジリンス処理によって保護膜Tcが除去される領域とは、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、図18に示すように、第2露光光EL2が照射された領域の少なくとも一部が保護膜Tcで覆われたままであってもよい。この場合も、基板Pの周縁領域が撥液性なので、液浸露光処理において、基板Pの周囲のギャップGからの液体LQの浸入を抑制することができる。また、第2露光光ELで照射された領域上のHMDS膜Mh上に保護膜Tcのエッジが形成されるので、基板Pの周縁領域における保護膜Tcの剥離をより効果的に防止できる。したがって、保護膜Tcの剥離に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第3実施形態においては、基板上に保護膜Tcを形成した後、その保護膜Tcの一部を除去するエッジリンス処理が実行される場合を例にして説明したが、第3実施形態と異なる第4実施形態の特徴的な部分は、保護膜Tcのエッジリンス処理を省略する点にある。
図19のフローチャートに示すように、本実施形態の露光方法は、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光する周縁露光処理(ステップSB1)と、第2露光光EL2で露光された基材Wの周縁領域EAにHMDS膜Mhを形成するHMDS処理(ステップSB2)と、基板上に感光膜Rgを形成する処理(ステップSB3)と、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去するエッジリンス処理(ステップSB4)と、基板上に形成された感光膜Rgを加熱するベーク処理(ステップSB5)と、感光膜Rgを保護するための保護膜Tcを基板上に形成する処理(ステップSB6)と、基板上に形成された保護膜Tcを加熱するベーク処理(ステップSB8)と、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理(ステップSB9)とを含む。
本実施形態においては、保護膜Tcのエッジリンス処理を実行しないので、例えば図16に示したように、基板Pの周縁領域の表面(上面、及び側面の一部)は、撥液性の保護膜Tcで形成される。上述の第3実施形態と同様、本実施形態の保護膜Tcは、液体LQに対して撥液性である。したがって、基板Pの周縁領域の表面が保護膜Tcで形成されることによって、液浸露光処理において、基板Pの周囲のギャップGを介して基板Pの下面側に液体LQが浸入することを抑制することができる。
また、第2露光光EL2が照射された領域上のHMDS膜Mh上に保護膜Tcのエッジが形成されるので、基板Pの周縁領域における保護膜Tcの剥離を防止する。したがって、保護膜Tcの剥離に起因するパーティクルの発生を抑制することができる。
なお、上述の第1〜第4実施形態においては、基材W上に形成される、液体LQに対して撥液性の第1膜としてHMDS膜を用いる場合を例にして説明したが、液体LQに対して撥液性であり、感光膜Rg(あるいは保護膜Tc)の剥離を抑制可能であるならば、第1膜は、HMDS膜に限られず、例えばフッ素を含む材料膜等、他の材料膜であってもよい。
なお、上述の第1〜第4実施形態において、第1膜(HMDS膜)と基材Wとの間、及び/又は第1膜(HMDS膜)と感光膜Rgとの間に、所定の機能を有する第2膜(例えば反射防止膜)を形成してもよい。この場合、第2膜は単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。また、第3、第4実施形態においては、感光膜Rgと保護膜Tcとの間に所定の機能を有する第3膜(例えば反射防止膜)を形成してもよい。この場合、第3膜は上述の第2膜と併用してもよいし、第2膜を形成しなくてもよい。また、第3膜も単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の第1〜第4実施形態においては、基材W上に第1膜Mhを形成し、その第1膜Mh上に感光膜Rg、保護膜Tc等を形成する場合を例にして説明したが、本実施形態の特徴的な部分は、第1膜が省略され、感光膜Rgが、シリコン基板等の基材W上に直接的に形成される点にある。
図20は、第5実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャートである。図20に示すように、本実施形態の露光方法は、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光する周縁露光処理(ステップSC1)と、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光した後に、基材W上に感光膜Rgを形成する処理(ステップSC2)と、感光膜Rgを形成した後に、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去するエッジリンス処理(ステップSC3)と、基板の周縁領域の感光膜Rgを除去した後に、基板上に形成された感光膜Rgを加熱する処理(ステップSC4)と、感光膜Rgを保護するために撥液性の保護膜Tcを基板上に形成する処理(ステップSC5)と、基板上に形成された保護膜Tcを加熱するベーク処理(ステップSC6)と、液体LQを介して基板Pの感光膜Rgを第1露光光EL1で露光する液浸露光処理(ステップSC7)とを含む。
本実施形態においては、保護膜Tcのエッジリンス処理を実行しないので、例えば図21に示すように、基板Pの周縁領域の表面(上面、及び側面の一部)は、撥液性の保護膜Tcで形成される。
本実施形態によれば、基板Pの周縁領域の表面が第1膜で形成されないものの、第2露光光EL2の照射によって基板Pの周縁領域の表面が洗浄(光洗浄)されているので、その周縁領域からの異物の発生を抑制できる。また第2露光光EL2が照射された領域上に保護膜Tcのエッジが形成されるので、基板Pの周辺における保護膜Tcの剥離を抑制することができる。また、液浸露光処理において、基板Pの周囲のギャップGを介して液体LQが基板Pの下面側に浸入することを抑制できることが期待できる。
なお、第5実施形態において、基材Wと感光膜Rgとの間、及び/又は感光膜Rgと保護膜Tcとの間に所定機能を有する機能膜(例えば反射防止膜など)を形成してもよい。この場合、基材Wと感光膜Rgとの間の機能膜が保護膜Tcと基材Wとの間に形成されていてもよい。基材Wの周縁領域EAに第2露光光ELが照射されているので、基材W上に機能膜が良好な状態で形成されるので、基板Pの周縁領域において機能膜上に形成された保護膜Tcの剥離を抑制することができる。この場合、その機能膜は単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。
なお、第5実施形態においては、基板Pの周縁領域の表面(上面、及び側面の一部)は、撥液性の保護膜Tcで形成されるが、保護膜Tcを設けずに、基板Pの周縁領域の表面(上面、及び側面の一部)を撥液性の感光膜Rgで形成してもよい。この場合は、感光膜Rgのエッジリンスを省略してもよい。この場合も、基材Wと感光膜Rgとの間に所定機能を有する機能膜(例えば反射防止膜など)を形成してもよい。基材Wの周縁領域EAに第2露光光EL2が照射されているので、基材W上に機能膜が良好な状態で形成されるので、基板Pの周縁領域において機能膜上に形成された感光膜Rgの剥離を抑制することができる。この場合も、その機能膜は単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。
なお、上述の第1〜第5実施形態においては、説明を簡単にするために、基材Wがシリコン基板であり、そのシリコン基板上に第1膜Mh、あるいは感光膜Rgを形成する場合を例にして説明したが、基材Wの表面(下地)がSiO2等の酸化膜の場合もある。また、基材Wの表面(下地)が、前のプロセスまでに形成されたSiO2等の酸化膜、SiO2及びSiNx等の絶縁膜、Cu及びAl−Si等の金属・導体膜、アモルファスSi等の半導体膜の少なくとも1つの表面である場合もある。いずれの場合も、基材Wの周縁領域EAを第2露光光EL2で露光することによって、その周縁領域EAの表面を洗浄(光洗浄)することができる。
なお、上述の各実施形態においては、基材Wの周縁領域EAに第2露光光EL2を照射する場合を例にして説明したが、例えば基材Wの上面の中央領域及び周縁領域EA1を含む全域に第2露光光EL2を照射してもよい。基材Wの上面の全域に第2露光光EL2を照射した後、その基材Wの上面に、HMDS膜等の第1膜Mh、あるいは感光膜Rg等、各種の膜を形成することができる。
なお、上述の各実施形態においては、第1露光光EL1として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いる場合を例にして説明したが、例えば、第1露光光EL1として、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、F2レーザ光(波長157nm)等を用いてもよい。また、例えば、第1露光光EL1として、i線(365nm)を用いる場合、第2露光光EL2の波長が、365nmであってもよい。また、第1露光光EL1として、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)を用いる場合、第2露光光EL2の波長が、248nmであってもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第2露光光EL2の波長が、第1露光光EL1の波長と同じである場合を例にして説明したが、第2露光光EL2の波長が、第1露光光EL1の波長と異なっていてもよい。例えば、第2露光光EL2の波長が、第1露光光EL1の波長よりも長くてもよい。例えば、第1露光光EL1の波長が193nmである場合において、第2露光光EL2の波長が、365nm、あるいは254nmであってもよい。
また、第2露光光EL2の波長が、第1露光光EL1の波長よりも短くてもよい。例えば、第1露光光EL1の波長が193nmである場合において、第2露光光EL2の波長が、185nm、あるいは172nmであってもよい。
なお、上述の各実施形態において、第2露光光EL2を発生する光源としては、上述の記載と一部重複するが、Ar2エキシマランプ(波長126nm)、Ar2エキシマレーザ(波長126nm)、Kr2エキシマランプ(波長146nm)、Kr2エキシマレーザ(波長146nm)、F2ダイマランプ(波長157nm)、F2ダイマレーザ(波長157nm)、Xe2エキシマランプ(波長172nm)、Xe2エキシマレーザ(波長172nm)、ArFエキシマランプ(波長193nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、KrClエキシマランプ(波長222nm)、KrClエキシマレーザ(波長222nm)、KrFエキシマランプ(波長248nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、XeClエキシマランプ(波長308nm)、XeClエキシマレーザ(波長308nm)、低圧水銀ランプ(波長185nmと254nmとの光を同時に発光)、重水素ランプ(真空紫外〜可視まで広域な波長を有する光)などを使用することができる。
なお、上述の実施形態の投影光学系は、終端光学素子の像面側(射出側)の光路を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子の物体面側(入射側)の光路も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、あるいは基板の表面を形成する感光材(フォトレジスト)の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル、セダー油等を用いることも可能である。感光膜Rgを形成する材料としては、使用される液体LQに対して撥液性を有するものが使用される。また、液体LQとして、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英及び蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で、液体LQと接触する投影光学系PLの光学素子(最終光学素子FLなど)を形成してもよい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
また、例えば露光光ELがF2レーザ光である場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能なもの、例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フッ素系オイル等のフッ素系流体を用いることができる。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。
なお、上述の実施形態において、液浸部材など液浸システムの構成は上述のものに限られず、例えば国際公開第2004/086468号パンフレット、国際公開第2005/024517号パンフレットに開示されている液浸システムを用いることもできる。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、露光装置EXとして、米国特許6,341,007号明細書、米国特許6,400,441号明細書、米国特許6,549,269号明細書、米国特許6,590,634号明細書、米国特許6,208,407号明細書、米国特許6,262,796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置を採用することもできる。
更に、例えば米国特許第6,897,963号明細書、欧州特許出願公開第1,713,113号明細書などに開示されているような、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態は、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いてマスクステージ、基板ステージの各ステージの各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許7,023,610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であってもよいし、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、可変成形マスクとしては、DMDに限られるものでなく、DMDに代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで、非発光型画像表示素子は、所定方向へ進行する光の振幅(強度)、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、上述のDMDの他に、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phonetic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。この場合、照明光学系は不要となる。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、パターン形成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成しても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に採用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸部が形成される。
また、露光装置EXとして、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)を採用することができる。
本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図22に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板Pを製造するステップ203、前述した実施形態に従って、マスクMからの露光光ELで基板Pを露光すること、及び露光した基板Pを現像することを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。ステップ204は、上述の実施形態で説明したステップSA1〜SA6、SB1〜SB10、SC1〜SC6等を含む。
なお、上述のように本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した全ての構成要素を適宜組み合わせて用いることが可能であり、また、一部の構成要素を用いない場合もある。
なお、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…第1処理装置、11…第2処理装置、15…第3処理装置、27…第4処理装置、EA…周縁領域、EL1…第1露光光、EL2…第2露光光、LQ…液体、Mh…第1膜、P…基板、Rg…感光膜、SYS…デバイス製造システム、Tc…保護膜、W…基材
Claims (24)
- 液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む露光方法において、
前記基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、
前記第2露光光で露光された前記周縁領域の少なくとも一部に前記液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、
前記第1膜を形成した後に、前記基板上に前記感光膜を形成することと、
前記感光膜を形成した後に、前記液浸露光処理を実行することと、を含む露光方法。 - 前記第2露光光を用いて、前記周縁領域を洗浄する請求項1記載の露光方法。
- 前記第1膜は、HMDS膜を含む請求項1又は2記載の露光方法。
- 前記液浸露光処理を実行する前に、前記基板の周縁領域の感光膜の少なくとも一部を除去することをさらに含む請求項1〜3のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記液浸露光処理を実行する前に、前記感光膜を保護するための保護膜を前記基板上に形成することをさらに含む請求項1〜4のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記液浸露光処理を実行する前に、前記基板の周縁領域の前記保護膜を除去することをさらに含む請求項5記載の露光方法。
- 前記保護膜は、前記液体に対して撥液性である請求項5又は6記載の露光方法。
- 液体を介して基板上の感光膜を第1露光光で露光する液浸露光処理を含む露光方法において、
前記基板の周縁領域を第2露光光で露光することと、
前記周縁領域を前記第2露光光で露光した後に、前記基板上に前記感光膜を形成することと、
前記基板上に感光膜を形成した後に、前記基板の周縁領域の前記感光膜を除去することと、
前記周縁領域の前記感光膜を除去した後に、前記液浸露光処理を実行することと、を含む露光方法。 - 前記第2露光光を用いて、前記周縁領域を洗浄する請求項8記載の露光方法。
- 前記第2露光光の波長は、前記第1露光光の波長と異なる請求項1〜9のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記第2露光光の波長は、365nm及び254nmの少なくとも一方を含む請求項10記載の露光方法。
- 前記第2露光光の波長は、前記第1露光光の波長と同じ、もしくは前記第1露光光の波長よりも短い請求項10記載の露光方法。
- 前記第2露光光の波長は、193nm、185nm、及び172nmの少なくとも一つを含む請求項12記載の露光方法。
- 前記基板は、シリコン基板を含む請求項1〜13のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記感光膜は、前記液体に対して撥液性である請求項1〜14のいずれか一項記載の露光方法。
- 前記第1膜は、前記第1膜上に形成される前記感光膜の剥離を防止する請求項1〜15のいずれか一項記載の露光方法。
- 請求項1〜16のいずれか一項記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 基板上に感光膜を形成する第1膜形成装置を有する基板処理装置と、前記基板上に形成された前記感光膜を液体を介して第1露光光で露光する露光装置と、を有するデバイス製造システムであって、
前記基板処理装置は、前記基板の周縁領域に第2露光光を照射して前記周縁領域を洗浄する洗浄装置と、前記第2露光光が照射された前記周縁領域の少なくとも一部に前記液体に対して撥液性の第1膜を形成する第2膜形成装置とを有し、
前記基板処理装置の第1膜形成装置は、前記第2膜形成装置で前記基板上に前記第1膜を形成した後に前記基板上に前記感光膜を形成し、
前記基板上に前記感光膜を形成した後に、前記露光装置で前記基板上の感光膜を露光するデバイス製造システム。 - 前記基板処理装置は、前記第1膜形成装置によって形成された前記基板の周縁領域の前記感光膜の少なくとも一部を除去する除去装置をさらに含み、
前記除去装置で前記感光膜の除去処理を実行した後に、前記露光装置で前記基板上の感光膜を露光する請求項18記載のデバイス製造システム。 - 前記第2露光光の波長は、前記第1露光光の波長と異なる請求項18又は19記載のデバイス製造システム。
- 前記第2露光光の波長は、365nm及び254nmの少なくとも一方を含む請求項20記載のデバイス製造システム。
- 前記第2露光光の波長は、前記第1露光光の波長と同じ、もしくは前記第1露光光の波長よりも短い請求項20記載のデバイス製造システム。
- 前記第2露光光の波長は、193nm、185nm、及び172nmの少なくとも一つを含む請求項22記載のデバイス製造システム。
- 前記第1膜は、前記第1膜上に形成される前記感光膜の剥離を防止する請求項18〜23のいずれか一項記載のデバイス製造システム。
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