JP2007116073A - 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体を介して基板を露光する液浸露光において、露光不良の発生を抑制し、基板を良好に露光することができる露光方法を提供する。
【解決手段】液体を介して基板を露光する液浸露光において、基板の表面に対する異物の付着を抑えるために、基板の表面エネルギーを調整する所定の処理を行う工程と、表面エネルギーが調整された基板の表面に露光光を照射する工程と、を含む露光方法を提供する。また、基板の基材上に反射防止膜を形成した後、反射防止膜上にHMDS層を形成して、表面エネルギーを調整することにより異物の付着を抑制することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体を介して基板を露光する露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に関するものである。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、下記特許文献に開示されているような、液体を介して基板を露光する液浸露光装置が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット
基板を露光するときに、その基板の表面に異物が付着すると、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。そのため、基板の表面に異物が付着することを抑制する必要がある。
また、露光される基板は、基材(半導体ウエハ等)やその基材上に形成される材料層(感光材層、反射防止層等)で形成されるが、それら基材や材料層に欠陥が生じた場合にも、パターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板の表面に異物が付着したり、材料層等に欠陥が生じることに起因する露光不良の発生を抑制し、基板を良好に露光することができる露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、液体(LQ)を介して基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光方法において、基板(P)の表面に対する異物の付着を抑えるために、基板(P)の表面エネルギーを調整するための所定の処理を行う工程と、調整された基板(P)の表面に露光光(EL)を照射する工程と、を含む露光方法が提供される。
本発明の第1の態様によれば、基板の表面に対する異物の付着を抑えるために、基板の表面エネルギーを調整することで、基板を良好に露光することができる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の露光方法を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、基板を良好に露光することができる露光方法を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第3の態様に従えば、液体(LQ)を介して基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光装置において、基板(P)の表面に対する異物の付着を抑えるために、基板(P)の表面エネルギーを調整する調整装置(80)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第3の態様によれば、基板の表面に対する異物の付着を抑えるために、基板の表面エネルギーを調整する調整装置を設けることで、基板を良好に露光することができる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、基板を良好に露光することができる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第5の態様に従えば、基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する工程を含むデバイス製造方法において、基板(P)の基材(W)上に反射防止層(Ba)を形成した後、反射防止層(Ba)上にHMDS層(Bh)を形成する工程を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、パターンに欠陥が生じるのを抑制してデバイスを製造することができる。
本発明によれば、露光不良の発生を抑え、基板を良好に露光することができ、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る露光装置EXを備えたデバイス製造システムSYSを示す図である。図1において、デバイス製造システムSYSは、露光装置EXと、露光装置EXに接続されたコータ・デベロッパ装置CDとを備えている。
露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有し、基板ホルダ4Hに基板Pを保持して移動可能な基板ステージ4と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板ステージ4に保持された基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成し、液浸領域LRの液体LQを介して基板P上に露光光ELを照射して基板Pを露光する。本実施形態では、液体LQとして、水(純水)を用いる。
コータ・デベロッパ装置CDは、露光処理される前の基板Pの基材上に感光材(フォトレジスト)を塗布するコーティング装置、及び露光処理された後の基板Pを現像するデベロッパ装置を含む。露光装置EXとコータ・デベロッパ装置CDとはインターフェースIFを介して接続されており、基板Pは不図示の搬送装置により、露光装置EXとコータ・デベロッパ装置CDとの間でインターフェースIFを介して搬送可能である。
また、本実施形態においては、コータ・デベロッパ装置CDは、基板Pの表面エネルギーを調整する調整装置80を備えている。調整装置80は、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えるために、基板Pの表面にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の層を形成することによって、基板Pの表面エネルギーを調整する。
調整装置80は、密閉室81と、密閉室81の内部に設けられ、基板Pを保持する保持装置82と、ガス状のHMDSを密閉室81の内部に供給するガス供給装置83とを備えている。保持装置82は保持した基板Pを加熱することができる。調整装置80は、保持装置82で保持した基板Pを加熱した状態で、ガス供給装置83よりガス状のHMDSを密閉室81の内部に供給する。これにより、基板Pの表面とガス状のHMDSとが接触し、基板Pの表面にHMDSの層が形成される。なお、図1に示すように、本実施形態において、保持装置82は、基板Pの下面側に所定の空間が形成されるように、基板Pを保持しており、基板Pの上面、側面だけでなく、基板Pの下面のほぼ全域にHMDSの層を形成することができる。
以下の説明においては、HMDSの層を適宜、HMDS層、と称し、基板P上にHMDS層を形成する処理を適宜、HMDS処理、と称する。
図2はコータ・デベロッパ装置CDのコーティング装置、及び調整装置80によって処理された基板Pの一例を示す図である。図2において、基板Pは、半導体ウエハ等の基材Wと、その基材Wの上面に形成された感光材(フォトレジスト)のレジスト層Rgと、そのレジスト層Rg上に形成されたHMDS層Tcとを有している。レジスト層Rgは、基材Wの上面のうち、周縁領域を除く大部分の領域に形成されている。基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面にはレジスト層Rgは形成されていない。
レジスト層Rgは、例えばスピンコーティング方式によって、基材W上に感光材(フォトレジスト)を塗布することによって形成される。本実施形態においては、感光材として、ポジ型の化学増幅型レジストが用いられている。基材W上に感光材を塗布した後、基材Wの上面の周縁領域や側面などの感光材を、例えば溶剤などを用いて除去する処理(エッジリンス処理)が行われる。これにより、基材Wの上面の周縁領域などから、感光材が除去される。
HMDS層Tcは、レジスト層Rgを覆うように形成されているとともに、基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面を覆うように形成されている。
ここで、基板Pの表面(上面、側面、下面)とは、基材Wの表面(上面、側面、下面)に形成された材料層のうち、最も表層の材料層の表面(露出面)を言う。したがって、本実施形態においては、基板Pの表面(上面、側面、下面)は、HMDS層Tcによって形成されている。液体LQの液浸領域LRは、基板PのHMDS層Tc上に形成されるため、基板Pのうち、HMDS層Tcが、液浸領域LRの液体LQと接触する液体接触面を形成する。
HMDS層Tcは、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えるために、基板Pの表面エネルギーを調整するために設けられている。HMDS層Tcは、液体LQに対して撥液性(撥水性)を有しており、基板Pの表面エネルギーを低下させることができる。基板Pの表面をHMDS層Tcで形成することにより、基板Pの表面をHMDS層Tcで形成せずにレジスト層Rgなどで形成する場合に比べて、その基板Pの表面エネルギーを低下させることができる。基板Pの表面エネルギーを低下させることにより、基板Pの表面に対する異物(パーティクルなど)の付着を抑制することができる。
次に、図3を参照しながら露光装置EXについて説明する。図3は本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。露光装置EXは、投影光学系PLの像面近傍の露光光ELの光路Kを液体LQで満たして液浸領域LRを形成する液浸システム1を備えている。液浸システム1の動作は制御装置7に制御される。液浸システム1は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子FLの下面と、投影光学系PLの像面側に配置された基板ホルダ4H上の基板Pの表面との間の露光光ELの光路Kを液体LQで満たして基板P上に液浸領域LRを形成する。
露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに投影している間、液浸システム1を用いて、露光光ELの光路Kを液体LQで満たす。露光装置EXは、投影光学系PLと露光光ELの光路Kに満たされた液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板ホルダ4Hに保持された基板P上に照射することによって、マスクMのパターン像を基板P上に投影して、基板Pを露光する。また、本実施形態の露光装置EXは、最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路Kに満たされた液体LQが、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。
なお、液浸領域LRは、基板P上だけでなく、投影光学系PLの像面側において、最終光学素子FLの下面と対向する位置に配置された物体上、例えば基板ステージ4の一部などにも形成可能である。
照明光学系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明するものである。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ3は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動装置3Dの駆動により、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3(ひいてはマスクM)の位置情報は、レーザ干渉計3Lによって計測される。レーザ干渉計3Lは、マスクステージ3上に設けられた移動鏡3Kを用いてマスクステージ3の位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計3Lの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置3Dを駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置制御を行う。なお、ここでいうマスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。また、本実施形態においては、マスクとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率で基板Pに投影するものであって、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態では、投影光学系PLの光軸AXはZ軸方向と平行となっている。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ4は、基板Pを保持する基板ホルダ4Hを有しており、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動装置4Dの駆動により、基板ホルダ4Hに基板Pを保持した状態で、ベース部材BP上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ホルダ4Hは、基板ステージ4上に設けられた凹部4Rに配置されており、基板ステージ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。なお、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの表面と、基板ステージ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。
基板ステージ4(ひいては基板P)の位置情報は、レーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは、基板ステージ4に設けられた移動鏡4Kを用いて、基板ステージ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ステージ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置4Dを駆動し、基板ステージ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
次に、液浸システム1について図4を参照しながら説明する。図4は図3の要部を示す拡大図である。液浸システム1は、投影光学系PLの最終光学素子FLと、その最終光学素子FLと対向する位置に配置され、基板ホルダ4Hに保持された基板Pとの間の露光光ELの光路Kを液体LQで満たす。液浸システム1は、最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路Kの近傍に設けられ、その光路Kに対して液体LQを供給するための供給口12及び液体LQを回収するための回収口22を有するノズル部材71と、供給管13、及びノズル部材71の内部に形成された供給流路14を介して供給口12に液体LQを供給する液体供給装置11と、ノズル部材71の回収口22から回収された液体LQを、ノズル部材71の内部に形成された回収流路24、及び回収管23を介して回収する液体回収装置21とを備えている。供給口12と供給管13とは供給流路14を介して接続されており、回収口22と回収管23とは回収流路24を介して接続されている。本実施形態においては、ノズル部材71は、露光光ELの光路Kを囲むように環状に設けられており、液体LQを供給する供給口12は、ノズル部材71のうち、露光光ELの光路Kを向く内側面に設けられ、液体LQを回収する回収口22は、ノズル部材71のうち、基板Pの表面と対向する下面に設けられている。また、本実施形態においては、回収口22には多孔部材(メッシュ)25が配置されている。
液体供給装置11は、供給する液体LQの温度を調整する温度調整装置、液体LQ中の気体成分を低減する脱気装置、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えており、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。また、液体回収装置21は、真空系等を備えており、液体LQを回収可能である。液体供給装置11及び液体回収装置21の動作は制御装置7に制御される。液体供給装置11から送出された液体LQは、供給管13、及びノズル部材71の供給流路14を流れた後、供給口12より露光光ELの光路Kに供給される。また、液体回収装置21を駆動することにより回収口22から回収された液体LQは、ノズル部材71の回収流路24を流れた後、回収管23を介して液体回収装置21に回収される。制御装置7は、液浸システム1を制御して、液体供給装置11による液体供給動作と液体回収装置21による液体回収動作とを並行して行うことで、最終光学素子FLと基板Pとの間の露光光ELの光路Kを液体LQで満たし、基板P上の一部の領域に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について図5のフローチャート図を参照しながら説明する。
コータ・デベロッパ装置CDのコーティング装置において、基材Wの上面に感光材を塗布し、レジスト層Rgを形成する処理が行われる(ステップSA1)。次いで、基材Wの上面の周縁領域や側面などの感光材を除去する処理(エッジリンス処理)が行われた後、ベーク処理を含む所定の処理が施される(ステップSA2)。
次いで、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えるために、基板Pの表面エネルギーを調整するための処理が行われる(ステップSA3)。すなわち、調整装置80により、基板P上にHMDS層Tcを形成する処理(HMDS処理)が行われる。基板P上にHMDS層Tcを形成することにより、基板Pの表面エネルギーを低下させ、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えることができる。
その後、基板Pは所定の搬送装置によって露光装置EXへ搬送される。露光装置EXは、その表面エネルギーが調整された基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成し、その液体LQを介して基板Pの表面に露光光ELを照射する(ステップSA4)。HMDS層Tcを設けて基板Pの表面エネルギーを調整する(低下させる)ことにより、基板Pの露光前及び露光中における基板Pの表面に対する異物の付着を抑えることができる。
露光処理された後の基板Pは、コータ・デベロッパ装置CDに搬送され、ポストベーク処理等の所定の処理を施された後、デベロッパ装置において現像処理を施される(ステップSA5)。そして、ドライエッチング処理等の所定の後処理が行われ、基板P上にパターンが形成される。
以上説明したように、HMDS層Tcを設けて基板Pの表面エネルギーを調整することにより、基板Pの露光前及び露光中に基板Pの表面に対する異物の付着を抑制することができる。したがって、異物に起因して基板Pに形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生することを抑制することができる。
また、HMDS層Tcなどにより基板Pの表面エネルギーが低い場合、基板Pの露光後の現像工程においても有利となる。現像工程においては、基板P上の被露光部分のレジスト層Rgが現像液に溶けて除去されるが、その除去されたレジストの一部が未露光部分に再付着して、いわゆる現像欠陥となる可能性がある。特に、未露光部分が多くなるコンタクトホールのようなパターン像で基板Pを露光する場合には、レジストの再付着が起こりやすく、再付着したレジストによってコンタクトホールが覆われてしまうこともある。これは、ミッシングコンタクトホールと呼ばれている欠陥で、デバイスの製造プロセスにおいて問題である。本実施形態においては、HMDS層Tcなどにより基板Pの表面エネルギーが低い状態となっているので、現像欠陥を引き起こすレジストの再付着も抑えることができる。
また、本実施形態においては、HMDS層Tcは基板Pの上面の周縁領域や側面にも形成されているので、その基板Pを基板ステージ4の基板ホルダ4Hで保持したとき、基板Pの上面とその周囲に設けられた基板ステージ4の上面4Fとのギャップへの液体LQの浸入を抑制することができる。そして、基板ホルダ4Hに保持された基板Pの上面と基板ステージ4の上面4Fとの間のギャップへ液体LQが浸入したり、基板Pの下面側に液体LQが浸入する(回り込む)ことが抑制されるので、例えば、基板Pの下面が濡れたことによって、基板ホルダ4Hで基板Pを良好に保持できなくなったり、あるいは、所定の搬送装置を用いて基板ホルダ4Hから基板Pを搬出(アンロード)する際、その搬送装置が基板Pを良好に保持できなくなる等の不具合の発生を防止することができる。
なお、上述の実施形態では、基材Wの下面の全域にHMDS層Tcが形成されているが、基板Pの下面側に液体LQが浸入する等の不具合の発生を抑制することができるのであれば、HMDS層Tcは、基材Wの下面の周縁領域など、基材Wの下面の一部に形成されていてもよいし、基材Wの下面にはHMDS層Tcを形成しないようにしてもよい。
上述の実施形態においては、基板Pの表面エネルギーを調整するために、HMDSを用いている。HMDSは、半導体の製造工程で使用されているものであり、既存の設備を有効に利用することができる。また、HMDSは比較的安価である。また、HMDSは撥液性(撥水性)を有しているため、HMDS層Tcを基板P上に形成することにより、基板P上に液浸領域LRを良好に形成することができる。また、基板P上に撥液性のHMDS層Tcを形成することにより、液体LQの回収性を高めることができ、基板P上に液体LQが残留したり、付着跡(ウォーターマーク)が形成されるなどといった不具合の発生を抑制することもできる。また、上述のように、HMDS処理においては、一般にHMDSの蒸気化が行われるため、基板P(基材W)の側面や下面にも比較的容易にHMDS層Tcを形成することができる。また、HMDSをガス状にして基板Pの表面にHMDS層Tcを形成することにより、ストリエーションなど成膜むら(成膜欠陥)の発生を抑制することができる。
また、HMDS層Tcは、例えば液体LQからレジスト層Rgや基材Wを保護することができる。撥液性を有するHMDS層Tcにより、レジスト層Rgに対する液浸領域LRの液体LQの浸透を防止できる可能性がある。
なお、基板Pの表面エネルギーを低下させるための処理としては、HMDS処理のみならず、例えばフッ素系材料など、撥液性を有する撥液性材料で基板Pの表面を被覆するようにしてもよい。レジスト層Rgの上面を含む基板P上にフッ素系材料等の撥液性材料を被覆することにより、基板Pの表面エネルギーを低下させることができ、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えることができる。
また、基板Pの表面エネルギーと基板Pの表面の液体LQに対する接触角とが対応する場合、基板Pの表面の液体LQに対する接触角を調整する処理を施すことにより、基板Pの表面エネルギーを調整することができる。また、基板Pの表面エネルギーを調整できることができるのであれば、所定の材料層を設ける処理に限られず、任意の手法を用いることができる。
なお、上述の実施形態において、露光後の基板Pを現像処理する場合(ステップSA5)、基板P上に形成されているHMDS層Tcによって現像液がはじかれ、現像不良が発生する可能性がある。ところが、HMDS層Tcは、露光光(紫外光)ELの照射により、その撥液性が劣化されるので、図6(A)の模式図に示すように、露光処理において、HMDS層Tcのうち露光光ELが照射された領域の撥液性は劣化される。したがって、現像処理においては、HMDS層Tcのうち露光光ELが照射された領域を介して、レジスト層Rgに現像液を浸透させることができる。上述のように、本実施形態においては、レジスト層Rgとしてポジ型レジストが用いられているため、図6(B)に示すように、露光光ELが照射された領域のレジスト層Rgは、浸透された現像液により良好に除去される。また、露光光ELが照射されていない領域のHMDS層Tcの撥液性は維持され、露光光ELが照射されていない領域のHMDS層Tcを介してレジスト層Rgに現像液が良好に浸透されない可能性があるが、ポジ型レジストにおいては、露光光ELが照射されていない領域は現像処理において除去される必要はないため、問題ない。そして、現像処理後において残存しているレジスト層Rg及びその上層のHMDS層Tcは、ドライエッチング処理等の後処理において除去される。
なお、上述のように、現像処理を良好に行うためには、露光光ELの照射によってHMDS層Tcの撥液性を劣化させる必要がある。露光前のHMDS層Tcの膜厚が厚すぎると、露光光ELの照射によってその撥液性が十分に劣化されない可能性がある。そのため、露光前のHMDS層Tcの膜厚は、所望の表面エネルギーを得られる範囲で、露光光ELの照射によりその撥液性が劣化される程度に薄い方が望ましい。したがって、露光前のHMDS処理においては、露光光ELの光量等を含む照射条件、現像条件などを考慮して、HMDS層Tcの膜厚を設定することが望ましい。
なお、露光光ELの照射によりHMDS層Tcの撥液性が劣化した場合、基板Pの表面エネルギーが大きくなって異物が付着し易くなる可能性があるが、露光光ELの照射後(露光後)においては、基板Pの表面エネルギーが大きくなっても、パターンの欠陥(露光不良)の発生は抑制される。
なお、上述の実施形態では、基材Wの上面にレジスト層Rgが形成され、そのレジスト層Rgを覆うようにHMDS層Tcが形成されているが、例えば基材Wの上面にレジスト層Rgを形成した後、そのレジスト層Rg上に所定の材料層(例えばレジスト層Rgを保護するための保護層)を形成し、その材料層の上にHMDS層Tcを形成するようにしてもよい。基板Pの最も表層の材料層をHMDS層Tcで形成することで、異物の付着を抑制することができる。例えば、所定の材料層(保護層)が、アルカリに溶け易い性質(アルカリ可溶性)を有し、液体LQと接触することによってその一部が剥離し易い場合、その剥離した部分が異物として作用する可能性がある。また、そのアルカリ可溶性の保護層の表面エネルギーが高い場合には、異物が基板P上に付着し易くなる可能性がある。そのような保護層を設けた場合、その保護層の上にHMDS層Tcを形成することにより、異物の発生、異物の付着を抑制することができる。もちろん、上述の保護層がアルカリに溶け難い性質(非アルカリ可溶性)を有する場合でも、その保護層上にHMDS層Tcを形成することができる。
また、例えば基材Wの上面にレジスト層Rgを形成した後、そのレジスト層Rg上に、所定の材料層として、反射防止層(top ARC(Anti-Reflective Coating))を形成し、その反射防止層上にHMDS層Tcを形成するようにしてもよい。
なお、上述の実施形態においては、基板Pの表面エネルギーを調整するための調整装置80は、コータ・デベロッパ装置CDに設けられているが、露光装置EXが調整装置80を備えることもできる。調整装置80は、例えば露光装置EXのうち、基板Pを搬送する搬送経路上に設けることができる。調整装置80を例えばコータ・デベロッパ装置CD(コーティング装置)と基板ステージ4との間で基板Pを搬送する搬送装置の搬送経路上に設けることにより、露光処理される前(基板ステージ4にロードされる前)の基板Pの表面エネルギーを調整する処理を、その調整装置80を用いて行うことができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は第2実施形態に係る基板Pを示す図である。図7において、基板Pは、半導体ウエハ等の基材Wと、その基材Wの上面に形成された反射防止層(bottom ARC(Anti-Reflective Coating))Baと、その反射防止層Ba上に形成されたHMDS層Bhと、そのHMDS層Bh上に形成されたレジスト層Rgと、そのレジスト層Rg上に形成されたHMDS層Tcとを有している。反射防止層Ba、及びレジスト層Rgは、基材Wの上面のうち、周縁領域を除く大部分の領域に形成されており、基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面には形成されていない。HMDS層Bhは、反射防止層Baを覆うように形成されているとともに、基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面を覆うように形成されている。HMDS層Tcは、レジスト層Rgを覆うように形成されている。
以下の説明においては、反射防止層Ba上に形成されるHMDS層Bhを適宜、第1HMDS層Bh、と称し、レジスト層Rg上に形成されるHMDS層Tcを適宜、第2HMDS層Tc、と称する。
反射防止層Baは、例えばスピンコーティング法(塗布法)、あるいはCVD(Chemical Vapor Deposition)やPVD(Physical Vapor Deposition)等の蒸着法(成膜法)を用いて、基材W上に形成可能である。本実施形態では、反射防止層Baはスピンコーティング法で形成される。
第1HMDS層Bhは、上述の第1実施形態同様、ガス状のHMDSを基板上(反射防止層上及び基材上)にもたらすことで形成可能である。
レジスト層Rgは、上述の第1実施形態同様、例えばスピンコーティング方式によって、基板上(第1HMDS層上)に感光材(フォトレジスト)を塗布することによって形成可能である。第2HMDS層Tcは、上述の第1実施形態同様、ガス状のHMDSを基板上(レジスト層上)にもたらすことで形成可能である。
基材W上に反射防止層Baを形成する処理、第1HMDS層Bhを形成する処理、レジスト層Rgを形成する処理、及び第2HMDS層Tcを形成する処理は、上述の第1実施形態同様、コータ・デベロッパ装置CD、あるいは所定の周辺装置で実行される。
次に、上述の基板Pを製造する手順について図8の模式図を参照しながら説明する。
図8(A)に示すように、例えばコータ・デベロッパ装置CD(又は所定の周辺装置)において、基材W上に反射防止層Baが形成される。次いで、図8(B)に示すように、反射防止層Baの上面、基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面を覆うように、第1HMDS層Bhが形成される。次いで、図8(C)に示すように、第1HMDS層Bhの上面にレジスト層Rgが形成される。また、反射防止層Ba、第1HMDS層Bh、及びレジスト層Rgのそれぞれを形成する動作に対して所定のタイミングで、必要に応じて、ベーク処理やエッジリンス処理等の所定の処理が実行される。
次いで、図8(D)に示すように、レジスト層Rg上に、表面エネルギーを調整するための第2HMDS層Tcが形成される。基板Pの表面(上面、側面、及び下面)は、第1、第2HMDS層Bh、Tcで形成されるので、基板Pの表面に対する異物の付着を抑えることができる。
その後、基板Pは所定の搬送装置によって露光装置EXへ搬送される。露光装置EXは、その表面エネルギーが調整された基板P上に液体LQの液浸領域LRを形成し、その液体LQを介して基板P上に露光光ELを照射する。第1,第2HMDS層Bh、Tcを設けて基板Pの表面エネルギーを調整する(低下させる)ことにより、基板Pの露光前及び露光中における基板Pの表面に対する異物の付着を抑えることができる。
露光処理された後の基板Pは、コータ・デベロッパ装置CDに搬送され、ポストベーク処理等の所定の処理を施された後、デベロッパ装置において現像処理を施される。そして、ドライエッチング処理等の所定の後処理が行われ、基板P上にパターンが形成される。
本実施形態においては、基材W上に反射防止層Baを形成した後、その反射防止層Ba上に第1HMDS層Bhを形成している。これにより、例えば反射防止層Baに欠陥が生じるのを抑えることができる。反射防止層Baの欠陥とは、反射防止層Baが形成(成膜)されない部分(所謂ピンホール)が形成されること、又は成膜むらが発生することを含む。
基板Pの複数の機能層(基材Wを含む)のうち、互いに隣接する機能層の関係(相性)に応じて、少なくとも一方の機能層に欠陥が生じる可能性がある。例えば、基材Wの表面に第1HMDS層Bhを形成した後、その第1HMDS層Bhの上面に反射防止層Baを形成した場合、反射防止層Baに欠陥が生じる可能性がある。反射防止層Baに欠陥が生じた場合、例えばその上に塗布されるレジスト層Rgが良好に形成(塗布)されなかったり、あるいは反射防止層Baが形成されている部分と反射防止層Baが形成されていない部分(ピンホール部分)とで露光光ELの照射状態が異なる状況が発生する可能性があり、その結果、パターン欠陥(露光不良)が発生する可能性がある。
本実施形態においては、HMDS層等を介在させることなく基材W上に反射防止層Baを形成することで、反射防止層Baを基材W上に良好に形成でき、露光不良が発生するのを抑制することができる。
また、反射防止層Ba上に形成された第1HMDS層Bhにピンホールなどの欠陥が生じても、第1HMDS層Bhは非常に薄く、その第1HMDS層Bhの下には反射防止層Bhが良好に形成されているので、その反射防止層Ba及び第1HMDS層Bhの上にレジスト層Rgを良好に塗布することができる。また、第1HMDS層Bhが形成されていないピンホール部分が発生しても、第1HMDS層が形成されている部分と形成されていないピンホール部分とでの露光光ELの照射状態の差異が小さい場合には、露光不良の発生を抑えることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について図9を参照して説明する。図9は第3実施形態に係る基板Pを製造する手順を示す模式図である。
図9(A)に示すように、基材W上に反射防止層Baが形成される。次いで、図9(B)に示すように、反射防止層Ba上に第1HMDS層Bhが形成される。次いで、図9(C)に示すように、第1HMDS層Bh上にレジスト層Rgが形成される。次いで、図9(D)に示すように、レジスト層Rg上に、表面エネルギーを調整するための第2HMDS層Tcが形成される。本実施形態においては、第2HMDS層Tcは、レジスト層Rgの上面、基材Wの上面の周縁領域、基材Wの側面、及び基材Wの下面のそれぞれを覆うように形成される。
なお、第2、第3実施形態においては、レジスト層Rg上にHMDS層Tcが形成されているが、上述したように、フッ素系の材料で構成された保護層をレジスト層Rg上に形成してもよい。レジスト層Rgを基板Pの最表層とすることもできる。いずれの場合も、上述の第1実施形態のように、表面エネルギーの小さい材料の膜が基板Pの最表層として形成されていることが望ましい。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、説明を簡単にするために、シリコンウエハ等の半導体ウエハを含む基材W上に感光材層Rg(又は反射防止層Ba)が形成される場合、すなわち基材Wの表面(上面)が半導体ウエハの表面である場合について説明したが、基材Wの上面(下地)がSiOなどの酸化膜の場合もある。また、基材Wの上面(下地)が、前のプロセスまでに生成されたSiOなどの酸化膜、SiOやSiNxなどの絶縁膜、CuやAl−Siなどの金属・導体膜、アモルファスSi等の半導体膜である場合やこれらが混在する場合もある。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水により構成されている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44程度と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子FLが取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板のカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面側の光路も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子FLを形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
第1実施形態に係る露光装置を備えたデバイス製造システムを示す概略構成図である。 第1実施形態に係る基板の一例を模式的に示す断面図である。 第1実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 液浸システムを説明するための図である。 第1実施形態に係る露光方法を説明するためのフローチャート図である。 基板の材料層の状態を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る基板の一例を模式的に示す断面図である。 第2実施形態に係る基板の製造手順の一例を示す模式図である。 第3実施形態に係る基板の製造手順の一例を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
1…液浸システム、Ba…反射防止層、Bh…HMDS層、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LR…液浸領域、P…基板、Rg…レジスト層、Tc…HMDS層、W…基材

Claims (13)

  1. 液体を介して基板上に露光光を照射して前記基板を露光する露光方法において、
    前記基板の表面に対する異物の付着を抑えるために、前記基板の表面エネルギーを調整するための所定の処理を行う工程と、
    前記調整された前記基板の表面に前記露光光を照射する工程と、を含む露光方法。
  2. 前記表面エネルギーを低下させる請求項1記載の露光方法。
  3. 前記所定の処理は、前記基板の表面の液体に対する接触角を調整する処理を含む請求項1又は2記載の露光方法。
  4. 前記所定の処理は、前記基板の表面を撥液性材料で被覆する処理を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の露光方法。
  5. 前記所定の処理は、前記基板上にHMDS層を形成する処理を含む請求項1〜4のいずれか一項記載の露光方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の露光方法を用いるデバイス製造方法。
  7. 液体を介して基板上に露光光を照射して前記基板を露光する露光装置において、
    前記基板の表面に対する異物の付着を抑えるために、前記基板の表面エネルギーを調整する調整装置を備えた露光装置。
  8. 請求項7記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
  9. 基板上に露光光を照射して前記基板を露光する工程を含むデバイス製造方法において、
    前記基板の基材上に反射防止層を形成した後、前記反射防止層上にHMDS層を形成する工程を含むデバイス製造方法。
  10. 前記HMDS層上に感光材層を形成する請求項9記載のデバイス製造方法。
  11. 前記感光材層上に表面エネルギーを調整するための材料層を形成する請求項10記載のデバイス製造方法。
  12. 前記基材は半導体ウエハを含む請求項9〜11のいずれか一項記載のデバイス製造方法。
  13. 液体を介して前記基板上に露光光を照射する請求項9〜12のいずれか一項記載のデバイス製造方法。
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