JP5045008B2 - 液浸露光用基板、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

液浸露光用基板、露光方法及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を介して露光光が照射される液浸露光用基板、露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
マイクロデバイスを製造するための基板の情報を識別するために、例えば下記特許文献1に開示されているような、基板の裏面に文字や記号等を識別子として刻印する技術が案出されている。また、マイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、下記特許文献2に開示されているような、液体を介して基板を露光する液浸法が案出されている。
特開2004−235249号公報 特開2004−289127号公報
基板の裏面を基板ホルダで保持した状態で、その基板を液浸露光する場合、基板の裏面の状態によっては、基板裏面の液体で濡れた領域が拡大する可能性がある。例えば基板の裏面が濡れると、基板ホルダで基板を良好に保持できなくなる虞がある。あるいは、所定の搬送系を用いて基板ホルダから基板を搬出(アンロード)する際、濡れた基板の裏面を保持した搬送系に液体が付着したり、搬送経路に液体が飛散する等、被害が拡大する虞もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板の裏面の濡れた領域の拡がりを抑制することができる液浸露光用基板、露光方法及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、周壁(31)を有する基板ホルダ(4)により保持されつつ液体(LQ)を介して露光光(EL)が照射される液浸露光用基板であって、前記基板ホルダ(4)に保持される裏面(Pb)と、前記露光光(EL)が照射され、且つ液体が供給される表面(Pa)とを備え、前記基板ホルダに保持されたときに前記周壁(31)の上面(31A)と対向する前記裏面(Pb)の所定領域(A3)は平坦である基板(P)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、基板の裏面のうち、基板ホルダに設けられた周壁の上面と対向する所定領域を平坦にすることで、基板の裏面での液体の濡れ拡がりを抑制できる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の基板(P)の表面(Pa)に液体(LQ)の液浸領域(LR)を形成し、液体(LQ)を介して基板(P)上に露光光(EL)を照射して基板(P)を露光する露光方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、基板の裏面での液体の濡れ拡がりを抑制できるので、基板を良好に露光することができる。
本発明の第3の態様に従えば、液体(LQ)を介して基板(P)を露光する露光方法であって、前記基板の表面(Pa)に膜(Rg)を形成することと、前記基板(P)の裏面(Pb)の研磨された所定領域(A3)の少なくとも一部を保持しながら、基板(P)の表面上に液体(LQ)を供給することと、前記液体(LQ)を介して基板(P)を露光することを含む露光方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、基板ホルダと接触する基板裏面の所定領域を研磨しているので、基板ホルダに保持された基板上に液体が供給されても基板の裏面での液体の濡れ拡がりを抑制できる。
本発明の第4の態様に従えば、第2または第3の態様の露光方法を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、基板を良好に露光することができ、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
本発明によれば、基板の裏面での液体の拡がりを抑制でき、基板を良好に露光することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1(A)は本実施形態に係る基板Pを裏面側から見た図、図1(B)は基板Pを表面側から見た図、図1(C)は基板Pの断面図である。図1において、円板状の基板Pは、基材Wと、その基材Wの上面Waに形成された第1膜Rgとを備えている。本実施形態においては、基材Wは半導体ウエハを含み、第1膜Rgは基材Wの上面Waの一部に被覆された感光材(フォトレジスト)の膜を含む。基材Wは、この実施形態では、外径12インチ、厚さ0.775mmのシリコン基板を用いた。第1膜Rgは、基材Wの上面Waの周縁領域Ew以外の大部分の領域に所定の厚さ(例えば200nm程度)で形成されている。一方、基材Wの上面Waと反対側の下面Wbには膜が形成されていない。感光材は、例えばスピンコート法等の所定の塗布方法によって基材W上に塗布されるが、その基材Wの周縁部に塗布された感光材は剥離し易く、剥離した感光材は異物として作用する。そこで、基材W上に所定の塗布方法で感光材を塗布した後、上面Waの周縁領域Ewや側面Wcの感光材を除去する処理であるエッジリンス処理が行われる。これにより、第1膜Rgは、基材Wの上面Waの周縁領域Ew以外の領域に形成される。
後述するように、基板Pの表面Paには液体LQを介して露光光ELが照射される。ここで、基板Pの表面Paとは、基材Wの上面Wa、あるいはその上面Waに形成された膜のうち、その最表層(最上層)の表面(露出面)を言う。したがって、本実施形態においては、基板Pの表面Paとは、第1膜Rgの表面及び基材Wの上面Waの周縁領域Ewを含む。一方、基板Pの裏面Pbとは、基板Pの表面Paと反対側の面を言う。したがって、本実施形態においては、基板Pの裏面Pbとは、基材Wの下面Wbを含む。
図1(A)及び図1(C)に示すように、基板Pの裏面Pb(基材Wの下面Wb)には刻印60が形成されている。この刻印60は、例えば基板Pの処理工程の管理等に用いられる。刻印60は、基板Pの裏面Pbのうち、その裏面Pbのエッジから第1の幅H1の第1領域A1に形成されている。本実施形態においては、基板Pは平面視においてほぼ円形状であり、第1領域A1は基板Pの裏面Pbの周縁部の円環状の領域である。円環状の領域は基板中心と同軸である。刻印60は、例えば基板Pを識別するためにレーザビーム等によって形成された文字や記号等を含む識別子であり、基板Pの裏面Pbの第1領域A1に凹状又は凸状に形成されている。
基板Pの裏面Pbのうち、第1領域A1よりも内側の所定領域A3は平坦である。後述するように、基板Pの裏面Pbの所定領域A3は、この基板Pの裏面Pbを保持する基板ホルダ4に設けられた周壁部31の上面31Aと対向する領域となっている。基板Pの裏面Pbの所定領域A3は基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aに応じた大きさ及び形状を有しており、本実施形態では所定幅で且つ基板と同軸の円環状の領域である。
基板Pの裏面Pbの所定領域A3は、研磨処理(鏡面加工)された研磨面となっており、良好な平坦度を有している。また、本実施形態においては、所定領域A3を含む基板Pの裏面Pbのエッジから第2の幅H2の第2領域A2が研磨処理された研磨面となっている。すなわち、本実施形態においては、基板Pの裏面Pbの第1領域A1も研磨処理された研磨面となっており、その研磨面である第1領域A1に刻印60が形成されている。例えば、この実施形態のように外径12インチのシリコン基板(ウエハ)では、幅H1は、1.0〜3.0mm、幅H3は、0.1〜0.5mm、幅H2は、1.1mm以上にし得る。なお、外径8インチのシリコン基板(ウエハ)でも、幅H1、H2、H3を上記範囲に設定し得る。
また、本実施形態においては、基材Wの上面Waも研磨処理(鏡面加工)された研磨面となっており、ほぼ平坦である。そして、その研磨処理された基材Wの上面Waに第1膜Rgが形成されている。
基材Wの上面Wa又は下面Wbを研磨処理する場合には、例えば図2の模式図に示すような、CMP装置(化学的機械的研磨装置)100を用いることができる。CMP装置100は、研磨パッド101を保持するとともに、その保持した研磨パッド101を回転する第1回転機構102と、基材Wを保持するとともに、その保持した基材Wを回転する第2回転機構103とを有し、基材Wの研磨対象面(上面Wa又は下面Wb)と研磨パッド101とを接触させた状態で、スラリーを供給しつつ、研磨パッド101と基材Wとの少なくとも一方を回転することによって、基材Wの研磨対象面を研磨する。
なお、図2に示した研磨装置は一例であって、基材Wを研磨処理することができるのであれば任意の構成を有する装置を用いることができる。
次に、上述の基板Pを露光するための露光装置EXの一例について図3を参照しながら説明する。図3において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pの裏面Pbを保持する基板ホルダ4と、基板ホルダ4を移動可能な基板ステージ5と、マスクステージ3に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7とを備えている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLの像面側の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たす液浸機構1を備えている。露光装置EXは、少なくともマスクMのパターン像を基板Pに露光している間、液浸機構1を用いて、露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たす。露光装置EXは、投影光学系PLと光路空間Kに満たされた液体LQとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pの表面Paに照射することによって、マスクMのパターン像を基板Pに露光する。また、本実施形態の露光装置EXは、光路空間Kに満たされた液体LQが、投影光学系PLの投影領域ARを含む基板Pの表面Paの一部の領域に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液浸領域LRを局所的に形成する局所液浸方式を採用している。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンを基板Pに露光する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、X軸方向をマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)、Y軸方向を非走査方向とする。なお、ここでいう基板は、図1を参照して説明したような、半導体ウエハ等の基材W上に感光材(フォトレジスト)を塗布したものを含み、マスクは基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明するものである。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態においては、液体LQとして純水を用いる。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。なお、液体LQとして、水以外のものを用いてもよい。
マスクステージ3は、マスクステージ駆動装置3Dの駆動により、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3(ひいてはマスクM)の位置情報はレーザ干渉計3Lによって計測される。レーザ干渉計3Lはマスクステージ3上に設けられた移動鏡3Kを用いてマスクステージ3の位置情報を計測する。制御装置7は、レーザ干渉計3Lの計測結果に基づいてマスクステージ駆動装置3Dを駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターン像を所定の投影倍率で基板Pに投影するものであって、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い最終光学素子FLのみが光路空間Kの液体LQと接触する。
基板ステージ5は、基板Pの裏面Pbを保持する基板ホルダ4を保持した状態で、ベース部材6上で移動可能である。基板ステージ5は、基板ステージ駆動装置5Dの駆動により、基板ホルダ4を保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージ5上の基板ホルダ4(ひいては基板P)の位置情報はレーザ干渉計4Lによって計測される。レーザ干渉計4Lは基板ホルダ4に設けられた移動鏡4Kを用いて基板ステージ5上の基板ホルダ4のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。また、基板ホルダ4に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出系によって検出される。制御装置7は、レーザ干渉計4Lの計測結果及びフォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて基板ステージ駆動装置5Dを駆動し、基板ステージ5上の基板ホルダ4に保持されている基板Pの位置制御を行う。
次に、液浸機構1について説明する。液浸機構1は、基板ステージ5上の基板ホルダ4に保持された基板Pの表面Paと、その基板Pの表面Paと対向する位置に設けられ、露光光ELが通過する投影光学系PLの最終光学素子FLとの間の光路空間Kを液体LQで満たす。液浸機構1は、光路空間Kの近傍に設けられ、光路空間Kに対して液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材70と、供給管13、及びノズル部材70の供給口12を介して液体LQを供給する液体供給装置11と、ノズル部材70の回収口22、及び回収管23を介して液体LQを回収する液体回収装置21とを備えている。本実施形態においては、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22はノズル部材70の下面70Aに形成されている。また、ノズル部材70の内部には、供給口12と供給管13とを接続する流路、及び回収口22と回収管23とを接続する流路が形成されている。液体供給装置11及び液体回収装置21の動作は制御装置7に制御される。液体供給装置11は清浄で温度調整された液体LQを送出可能であり、真空系等を含む液体回収装置21は液体LQを回収可能である。制御装置7は、液浸機構1を制御して、液体供給装置11による液体供給動作と液体回収装置21による液体回収動作とを並行して行うことで、光路空間Kを液体LQで満たし、基板Pの表面Paの一部の領域に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。
次に、基板Pを保持する基板ホルダ4について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5において、基板ホルダ4は、凹部4Rと、凹部4Rの内側に設けられ、基板Pの裏面Pbを保持する保持機構PHとを有しており、基板Pを着脱(交換)可能に保持する。また、基板ホルダ4のうち凹部4R以外の上面4Fは、基板ホルダ4の保持機構PHに保持された基板Pの表面Paとほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。
なお、基板ホルダ4の保持機構PHに保持された基板Pの表面Paと基板ホルダ4の上面4Fとの間に段差があってもよい。
基板ホルダ4の凹部4Rの内側には、+Z方向を向き、XY平面とほぼ平行な支持面4Bが設けられている。保持機構PHは、支持面4B上に形成され、基板Pの裏面Pbを支持する支持部(支持部材)30と、支持面4B上に形成され、基板Pの裏面Pbと対向し、支持部30を囲むように環状に設けられた周壁部(環状部材)31とを備えている。支持部30は、周壁部31の内側に設けられた複数の凸状部材(支持ピン)によって構成されている。
周壁部31は、基板Pの形状に応じて平面視略円環状に形成されており、その周壁部31の上面31Aは、基板Pの裏面Pbの周縁部に設定された所定領域A3と対向するように設けられている。そして、基板ホルダ4の保持機構PHに保持された基板Pの裏面Pb側には、基板Pの裏面Pbと周壁部31と支持面4Bとで囲まれた第1空間V1が形成される。
支持面4Bのうち周壁部31の内側には吸引口33が形成されている。吸引口33は基板Pを吸着保持するためのものであって、周壁部31の内側において支持面4Bのうち支持部30以外の複数の所定位置のそれぞれに設けられている。吸引口33のそれぞれは、不図示の真空系に接続されている。制御装置7は、真空系を駆動し、基板Pと周壁部31と支持面4Bとで囲まれた第1空間V1内部のガス(空気)を吸引してこの第1空間V1を負圧にすることによって、基板Pの裏面Pbを支持部30で吸着保持する。また、真空系による吸引動作を解除することにより、基板ホルダ4の保持機構PHより基板Pを外すことができる。本実施形態における基板ホルダ4の保持機構PHは、所謂ピンチャック機構を構成している。
また、本実施形態においては、周壁部31の上面31Aは、支持部30の凸状部材の上面とほぼ同じ高さに設けられており、基板Pの裏面Pbを支持部30で吸着保持したとき、基板Pの裏面Pbの所定領域A3と周壁部31の上面31Aとは密着する。
また、基板ホルダ4の保持機構PHで基板Pの裏面Pbを保持したとき、基板Pの裏面Pbのうち、所定領域A3の外側の第1領域A1は、周壁部31よりも外側に配置される。
上述のように、保持機構PHは、基板ホルダ4の凹部4Rの内側に配置されており、保持機構PHに保持された基板Pの周囲には、基板ホルダ4の上面4Fが配置される。そして、保持機構PHに保持された基板Pの側面Pcと、その基板Pの外側に配置された凹部4Rの内側面4Cとの間には、0.1〜1.0mm程度の所定のギャップG1が形成される。
基板ホルダ4は、周壁部31と内側面4Cと支持面4Bと基板Pの下面Pbの第1領域A1とで囲まれた第2空間V2の流体を吸引する吸引口52を備えている。吸引口52は、基板ホルダ4のうち、周壁部31と内側面4Cとの間の支持面4B上に設けられている。また、吸引口52は、周壁部31に沿った複数の所定位置のそれぞれに設けられている。吸引口52には、流路53を介して吸引装置51が接続されている。吸引装置51は、吸引口52を介して第2空間V2の流体を吸引可能である。第2空間V2の流体は、第2空間V2の気体、及び第2空間V2に浸入した液体LQを含み、吸引装置51は、気体を吸引可能であるとともに、液体LQを吸引回収可能である。吸引装置51は、真空ポンプ等の真空系、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。吸引装置51の吸引動作は制御装置7により制御される。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
基板ホルダ4に保持された基板Pを液浸露光するために、制御装置7は、不図示の搬送系を用いて基板Pを基板ホルダ4に搬入(ロード)した後、基板ホルダ4の周壁部31で囲まれた第1空間V1を負圧にすることによって基板Pの裏面Pbを支持部30で吸着保持する。次いで、制御装置7は、液浸機構1を用いて、基板ホルダ4に保持された状態の基板Pの表面Paに液体LQの液浸領域LRを形成する。そして、制御装置7は、基板ホルダ4で基板Pの裏面Pbを保持した状態で、液浸領域LRの液体LQを介して基板Pの表面Paに露光光ELを照射する。
例えば基板Pの表面Paの周縁領域を液浸露光するとき、投影光学系PLの像面側に形成された液浸領域LRの一部が基板Pの外側に形成される状態が生じ、その状態においては、ギャップG1の上に液体LQの液浸領域LRが形成される。その場合、基板ホルダ4の保持機構PHで保持された基板Pとその周囲の上面4F(内側面4C)とのギャップG1は、0.1〜1.0mm程度に設定されているので、液体LQの表面張力によって、ギャップG1に液体LQが浸入することが抑制されている。また、基板ホルダ4の上面4Fや内側面4Cに撥液性を付与しておくことにより、ギャップG1に液体LQが浸入することをより確実に抑制することができる。したがって、基板Pの表面Paの周縁領域を露光する場合にも、投影光学系PLの下に液体LQを保持することができる。
このように、ギャップG1を小さくしたり、基板ホルダ4の上面4Fや内側面4Cを撥液性にするなどして、ギャップG1からの液体LQの浸入を抑制するようにしているが、基板ホルダ4(基板ステージ5)の移動や液浸領域LRを形成している液体LQの圧力変化などに起因して、基板Pの周囲に形成されているギャップG1を介して、基板ホルダ4の第2空間V2に液体LQが浸入する可能性がある。
本実施形態においては、基板Pの裏面Pbの刻印60は、基板Pの裏面Pbのうち所定領域A3以外の第1領域A1に形成されており、基板Pの裏面Pbの所定領域A3は研磨処理(鏡面加工)された研磨面(平坦面)であるため、周壁部31で囲まれた第1空間V1を負圧にすることによって、基板Pの裏面Pbの所定領域A3と基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aとを密着させることができる。したがって、ギャップG1を介して第2空間V2に液体LQが浸入したとしても、その液体LQが、基板Pの裏面Pbの所定領域A3と周壁部31の上面31Aとの間から第1空間V1側に移動することを抑制することができる。したがって、基板Pの裏面Pbでの液体LQの拡がりを抑制することができ、基板Pの裏面Pbの広範囲が濡れることを防止することができる。
基板Pの液浸露光処理が終了後、すなわち、露光光ELの照射を停止した後、制御装置7は、液浸領域LRを基板P上及び基板ホルダ4上から取り除くとともに、基板ホルダ4に基板Pを保持した状態で、吸引装置51の駆動を開始する。制御装置7は、露光光ELの照射が停止されているときに、吸引装置51を駆動することによって、その吸引装置51により、吸引口52を介して、第2空間V2の流体を吸引する。吸引装置51が駆動されると、吸引口52の周囲の気体(すなわち第2空間V2の気体)は、吸引口52に吸引される。すなわち、吸引装置51が吸引口52を介して、第2空間V2の気体を吸引することによって、基板Pの側面Pcと基板ホルダ4の内側面4Cとの間のギャップG1には、外部空間から第2空間V2へ向かう気体の流れが生成されるとともに、周壁部31の側面と基板ホルダ4の内側面4Cとの間の第2空間V2には、吸引口52に向かう気体の流れが生成される。これにより、仮にギャップG1を介して第2空間V2に液体LQが浸入したり、あるいは、基板Pの裏面Pbのうち、周壁部31よりも外側にオーバーハングした第1領域A1に液体LQが付着しても、上述の気体の流れによって液体LQを吸引口52まで移動することができ、その吸引口52を介して液体LQを吸引装置51によって吸引回収することができる。
そして、液体LQの回収を行った後、制御装置7は、不図示の搬送系を用いて、露光処理後の基板Pを基板ホルダ4より搬出(アンロード)する。
以上説明したように、基板Pの裏面Pbのうち、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3を平坦にしたので、周壁部31で囲まれた第1空間V1を負圧にすることによって基板Pを吸着保持した際、基板Pの裏面Pbの第1領域A3と周壁部31の上面31Aとを密着させることができる。したがって、仮に、ギャップG1を介して第2空間V2に液体LQが浸入したとしても、その液体LQが第1空間V1へ浸入、すなわち基板Pの裏面Pbで濡れ拡がることを抑制することができる。
また、本実施形態では、所定領域A3を含む基板Pの裏面Pbのエッジから第2の幅H2の第2領域A2が研磨面であり、第2の幅H2は第1の幅H1と幅H3との和よりも大きくなっている。すなわち、基板Pの裏面Pbのうち、少なくとも周壁部31の内側の領域まで研磨面となっている。これにより、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbの研磨面(平坦面)とを確実に対向させ、周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbとを密着させることができる。また、基板Pの裏面Pb(基材Wの下面Wb)の全域を研磨処理された研磨面とすることもできる。
あるいは、基板Pの裏面Pbのうち、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3及びその外側の第1領域A1のみを研磨処理された研磨面としてもよい。
あるいは、所定領域A3のみを研磨処理された研磨面とし、第1領域A1は研磨処理されていなくてもよい。
なお、本実施形態においては、刻印60は、基板Pの裏面Pbのうち、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3の外側の第1領域A1に形成されているが、所定領域A3の内側の領域に形成されてもよい。すなわち、刻印60は、基板ホルダ4で基板Pの裏面Pbを保持したとき、周壁部31よりも内側に設けられてもよい。刻印60は、基板Pの裏面Pbのうち、基板ホルダ4に設けられた周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3以外の領域に形成されていればよい。
なお、上述の実施形態においては、基板Pの裏面Pbに刻印60を形成しているが、刻印60を設けないようにすることもできる。刻印60を設けないことにより、基板Pの裏面Pbの凹凸部を無くす、あるいは減らすことができるので、基板Pの裏面Pbを基板ホルダ4で保持したとき、基板Pの裏面Pb側に液体LQが浸入することをより確実に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について図6を参照しながら説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。上述の第1実施形態においては、基板Pの裏面Pbに形成される凹部又は凸部として、刻印60を例にして説明したが、基板Pの裏面Pbの凹部又は凸部として、刻印60以外のものもある。例えば、基板Pの裏面Pbに研磨処理を施さないことで、図6(A)に示すように、基板Pの裏面Pbが粗面(いわゆる梨地)となる可能性がある。あるいは、基板Pの裏面Pbに所定の処理を施すことによって、基板Pの裏面Pbが粗面となる可能性もある。基板Pの裏面Pbのうち、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3が粗面(梨地)の場合、ギャップG1を介して第2空間V2に浸入した液体LQが、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbの所定領域A3との間から第1空間V1に入り込む可能性がある。図6(B)に示すように、その粗面(梨地)の領域を研磨処理して平坦にすることで、基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbとを密着させ、第1空間V1側に液体LQが入り込む不都合を防止できる。
第2実施形態においても、基板Pの裏面Pbの全域を研磨処理して研磨面としてもよいし、所定領域A3を含む基板Pの裏面Pbのエッジから第2の幅H2の第2領域A2を研磨処理して研磨面としてもよいし、所定領域A3及びその外側の第1領域A1のみを研磨処理して研磨面としてもよいし、所定領域A3のみを研磨処理して研磨面としてもよい。
なお、上述の第1、第2実施形態においては、基板Pの裏面Pbを研磨処理しているが、周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbとを対向させた状態で、第1空間V1を負圧にしたとき、第2空間V2の液体LQが周壁部31の上面31Aと基板Pの裏面Pbとの間から第1空間V1に浸入することを阻止することができる程度に、基板Pの裏面Pbが平坦であるならば、基板Pの裏面Pbに対する研磨処理を省略してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pの裏面Pbは基材(半導体ウエハ)Wの裏面Wbであるが、基材Wの裏面Wbに所定の材料膜が形成されてもよい。この場合、その材料膜の表面(露出面)が基板Pの裏面Pbとなる。また、基材Wの裏面Wbに複数の材料膜が積層される場合、その再表層(再下層)の材料膜の表面(露出面)が基板Pの裏面bとなる。そして、その材料膜の表面(露出面)のうち、少なくとも基板ホルダ4の周壁部31の上面31Aと対向する所定領域A3を平坦にすることにより、基板ホルダ4で基板Pの裏面Pbを保持したとき、基板Pの裏面Pb側への液体LQの浸入を抑制することができる。そのような材料膜として、例えば、撥液性膜を用いることができる。撥液性膜としては、例えば、ポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素系樹脂材料、アクリル系樹脂材料、シリコン系樹脂材料等を用い得る。あるいは、半導体製造工程で用いられることがあるHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を撥液性膜として用い得る。これらの材料で形成される撥液性膜は、基板Pのみならず、前述のように基板ホルダ4の上面4Fや内側面4Cに設け得る。
なお、上述の実施形態においては、基板Pbの所定領域A3に刻印などの凹凸がない基板Pを用いる場合について説明したが、露光装置EXに搬入される前に、所定領域A3にキズなどの凹凸が形成される可能性がある工程を省いておくことが望ましい。また、露光装置EXに搬入される前に、不慮の事故等により、所定領域A3にキズなどの凹凸が発生してしまった基板Pは、露光装置EXでの露光処理から除外することが望ましい。
また、基板ホルダ4に保持される前に、基板Pの裏面Pbの所定領域A3が平坦になっているか否かを検査するための検査装置を露光装置EXの内部又は外部に設けてもよい。
例えば、基板Pを基板ホルダ4に保持する前に、基板Pの裏面Pbに検出光を照射して、その裏面Pbからの光を受光することによって、所定領域A3に刻印やキズなどの凹凸が形成されていないかどうか、すなわち所定領域A3の凹凸が許容できるか否かを検査する検査装置を用いることができる。このような検査装置を設けておくことによって、基板Pbの所定領域A3に許容できない凹凸がある基板P、すなわち周壁部31の内側への液体LQの浸入を起こしそうな基板Pを露光装置EXでの露光処理から確実に除外することができる。
また、上述の各実施形態においては、基板Pの表面Paを、感光材からなる第1膜Rgの表面として説明したが、この第1膜Rgの上に他の材料膜が形成された場合、その材料膜の表面(露出面)が基板Pの表面Paとなる。例えば、感光材からなる第1膜Rgを覆うように、トップコート膜と呼ばれる保護膜が設けられた場合、そのトップコート膜の表面が、基板Pの表面Paとなる。なお、トップコート膜は、感光材を液体LQから保護する機能と、液体LQの回収性を向上するために液体LQとの接触角を調整する機能とを有している。例えば、液体LQの接触角は、90°以上でなるようなトップコート膜を設け得る。そのようなトップコート膜として、東京応化工業株式会社製「TSP−3A」が挙げられる。また、感光材からなる第1膜Rgやトップコート膜を覆うように、反射防止膜が設けられた場合、その反射防止膜の表面(露出面)が基板Pの表面となる。
また、上述の実施形態においては、説明を簡単にするために、基材Wの表面がシリコン基板の表面である場合について説明したが、基材Wの表面(下地)がSiO2等の酸化膜の場合もある。また、基材Wの表面(下地)が、前のプロセスまでに生成されたSiO2等の酸化膜、SiO2やSiNx等の絶縁膜、CuやAl−Siなどの金属・導体膜、アモルファスSiなどの半導体膜である場合やこれらが混合する場合もある。したがって、エッジリンス処理をした後、基板Pの周縁領域においては、これらの膜表面が基板Pの表面となる場合もある。
また、上述の実施形態においては、基板ホルダ4の周壁の上面と対向する領域を平坦化した基板Pを用いるようにしているが、基板Pの裏面Pbの平坦部の位置(あるいは刻印などの凹凸がある位置)に応じて、基板ホルダ4の周壁の位置を調整してもよい。例えば、基板Pの裏面Pbの平坦部と基板ホルダ4の周壁の上面とが対向するように、基板Pの平坦部の位置に応じて基板ホルダ4を交換するようにしてもよい。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水を用いている。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの表面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子FLが取り付けられており、この光学素子により投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板P表面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの表面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また、上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路空間を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子の物体面側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。
また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で光学素子FLを形成してもよい。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。この場合、投影光学系、例えば、1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系が用いられる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、その投影光学系を用いて、第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系と基板との間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような、基板の表面に液体を供給して、基板表面全体を液浸した状態で基板の露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズなどの光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸領域が形成される。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、レチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスクとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro−mirror Device)などを含む)を用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。さらに、例えば特表2004−519850号公報(対応米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図7に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、前述した研磨プロセスを含むデバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光し、露光した基板を現像する基板処理(露光処理)ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
第1実施形態に係る基板を説明するための図である。 基板を研磨処理している様子を示す模式図である。 露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。 基板ホルダを説明するための図である。 基板ホルダを説明するための要部拡大図である。 第2実施形態に係る基板を説明するための図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
1…液浸機構、4…基板ホルダ、30…支持部、31…周壁部、31A…上面、60…刻印(凹凸部)、A1…第1領域、A2…第2領域、A3…所定領域、EL…露光光、LQ…液体、P…基板、Pa…表面、Pb…裏面、PH…保持機構、V1…第1空間

Claims (22)

  1. 周壁を有する基板ホルダにより保持されつつ液体を介して露光光が照射される液浸露光用基板であって、
    前記基板ホルダに保持される裏面と、
    前記露光光が照射され、且つ液体が供給される表面とを備え、
    前記基板ホルダに保持されたときに前記周壁の上面と対向する前記裏面の所定領域が平坦であり、
    前記裏面に凹凸部を有し、
    前記凹凸部は、前記裏面のうち前記所定領域以外の領域に形成される基板。
  2. 周壁を有する基板ホルダにより保持されつつ液体を介して露光光が照射される液浸露光用基板であって、
    前記基板ホルダに保持される裏面と、
    前記露光光が照射され、且つ液体が供給される表面とを備え、
    前記基板ホルダに保持されたときに前記周壁の上面と対向する前記裏面の所定領域が平坦であり、
    前記裏面に凹凸部を有し、
    前記凹凸部は、前記裏面のエッジから第1の幅の第1領域に形成される基板
  3. 周壁を有する基板ホルダにより保持されつつ液体を介して露光光が照射される液浸露光用基板であって、
    前記基板ホルダに保持される裏面と、
    前記露光光が照射され、且つ液体が供給される表面とを備え、
    前記基板ホルダに保持されたときに前記周壁の上面と対向する前記裏面の所定領域が平坦であり、
    前記基板が円板状であり、前記所定領域が基板の所定半径領域に位置する環状領域である基板。
  4. 前記基板ホルダは前記周壁の内側に前記裏面を支持する支持部を有し、
    前記周壁で囲まれた空間が負圧にされることによって前記支持部に保持される請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板。
  5. 前記裏面に凹凸部を有し、
    前記凹凸部は、前記裏面のうち前記所定領域以外の領域に形成される請求項2または3に記載の基板。
  6. 前記凹凸部は、前記裏面のエッジから第1の幅の第1領域に形成される請求項1または3に記載の基板。
  7. 前記凹凸部は刻印を含む請求項1、2、5および6のいずれか一項に記載の基板。
  8. 前記所定領域は研磨処理された研磨面である請求項1〜のいずれか一項記載の基板。
  9. 前記所定領域を含む前記裏面のエッジから第2の幅の第2領域が前記研磨面である請求項8記載の基板。
  10. 前記基板の裏面が粗面であり、前記所定領域のみが研磨処理されている請求項8または9に記載の基板。
  11. 前記基板が円板状であり、前記所定領域が基板の所定半径領域に位置する環状領域である請求項1または2に記載の基板。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の基板の表面に液体の液浸領域を形成し、前記液体を介して前記基板上に露光光を照射して前記基板を露光する露光方法。
  13. 請求項12記載の露光方法により基板を露光することと、
    露光した基板を現像することと、
    現像した基板を加工することを含むデバイス製造方法。
  14. 液体を介して基板を露光する露光方法であって、
    前記基板の表面に膜を形成することと、
    前記基板の裏面の研磨された所定領域の少なくとも一部を保持しながら、基板の表面上に液体を供給することと、
    前記液体を介して基板を露光することを含み、
    前記基板が円板状であり、基板の前記所定領域が環状領域であり、環状領域を環状部材で支持しつつ環状領域と環状部材で形成される空間を減圧することによって環状領域を環状部材で密着させる露光方法。
  15. 液体を介して基板を露光する露光方法であって、
    前記基板の表面に膜を形成することと、
    前記基板の裏面の研磨された所定領域の少なくとも一部を保持しながら、基板の表面上に液体を供給することと、
    前記液体を介して基板を露光することを含み、
    前記裏面の所定領域とは異なる領域に凹凸部が形成されている露光方法。
  16. 環状領域と環状部材で形成される空間において、基板の裏面を複数の支持部材で支持する請求項14または15に記載の露光方法。
  17. 前記基板が、周壁を有する基板ホルダにより保持され、基板の裏面の周壁の上面と対向する領域が研磨されている請求項14〜16のいずれか一項に記載の露光方法。
  18. さらに、前記基板ホルダは前記周壁の内側に前記裏面を支持する支持部を有する請求項14〜17のいずれか一項に記載の露光方法。
  19. さらに、前記裏面の所定領域とは異なる領域に凹凸部が形成されている請求項14に記載の露光方法。
  20. 前記基板の表面に液体を供給する前に、前記所定領域の状態を検査することを含む請求項14〜19のいずれか一項記載の露光方法。
  21. 前記所定領域の凹凸が許容範囲か否かを検査する請求項20記載の露光方法。
  22. 請求項14〜21のいずれか一項に規定された露光方法により基板を露光することと、
    露光した基板を現像することと、
    現像した基板を加工することを含むデバイス製造方法。
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