JP2009021498A - 露光装置、液浸システム、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、第1液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、第1液体を供給する第1供給口と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、第1面に対して移動可能な物体と第1面との間で、第1供給口から供給された第1液体を保持可能な液浸部材と、第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】露光装置は、第1液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、第1液体を供給する第1供給口と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、第1面に対して移動可能な物体と第1面との間で、第1供給口から供給された第1液体を保持可能な液浸部材と、第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、露光装置、液浸システム、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。下記特許文献には、基板との間で液体を保持可能な液浸部材を備えた液浸露光装置に関する技術の一例が開示されている。
米国特許公開第2005/0018155A1号公報
液浸露光装置において、液浸部材が汚染される可能性がある。例えば、液浸部材の液体接触面に異物が付着すると、その異物に起因して、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが製造される可能性がある。
本発明は、露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供することを目的とする。また本発明は、汚染の発生を抑制できる液浸システムを提供することを目的とする。また本発明は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、第1液体を供給する第1供給口と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、第1面に対して移動可能な物体と第1面との間で、第1供給口から供給された第1液体を保持可能な液浸部材と、第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置と、を備えた露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、光学部材からの露光光で第1液体を介して基板を露光する液浸露光装置で用いられる液浸システムであって、第1液体を供給する第1供給口と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、第1面に対して移動可能な物体と第1面との間で、第1供給口から供給された第1液体を保持可能な液浸部材と、第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置と、を備えた液浸システムが提供される。
本発明によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを備えている。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置3とを備えている。
なお、ここでいう基板Pは、デバイスを製造するための基板であって、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材に感光膜が形成されたものを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pは、感光膜上に保護膜(トップコート膜)等の各種の膜が形成されていてもよい。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含み、例えばガラス板等の透明板部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成されたものである。この透過型マスクは、遮光膜でパターンが形成されるバイナリーマスクに限られず、例えばハーフトーン型、あるいは空間周波数変調型などの位相シフトマスクも含む。また、本実施形態においては、マスクMとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置であって、露光光ELの光路空間Kの少なくとも一部を液体LQで満たすように液浸空間LSを形成する。なお、露光光ELの光路空間Kは、露光光ELが通過する光路を含む空間である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。
本実施形態においては、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子4の光射出側(投影光学系PLの像面側)の光路空間Kを液体LQで満たすように液浸空間LSが形成される。終端光学素子4は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する光射出面5を有する。液浸空間LSは、終端光学素子4の光射出側の光路空間Kを液体LQで満たすように形成される。具体的には、液浸空間LSは、終端光学素子4とその終端光学素子4の光射出面5と対向する位置に配置された物体との間の光路空間Kを液体LQで満たすように形成される。液浸空間LSの液体LQは、終端光学素子4の光射出面5と接触する。終端光学素子4の光射出面5と対向する位置は、露光光ELが照射可能な位置を含む。
露光装置EXは、露光光ELの光路空間Kを満たすために液体LQを供給する第1供給口31と、終端光学素子4の光射出面5から射出される露光光ELの光路の周囲に配置された液体接触面7を有する液浸部材6とを備えている。液浸部材6は、終端光学素子4の近傍に配置されており、第1供給口31から供給された液体LQで液浸空間LSを形成可能である。液体接触面7は、液浸空間LSの液体LQと接触可能な面である。液浸空間LSの液体LQは、液浸部材6の液体接触面7の少なくとも一部と接触する。本実施形態においては、第1供給口31から供給される液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態において、終端光学素子4の光射出面5と対向可能な物体は、液浸部材6の液体接触面7と対向可能である。終端光学素子4の光射出面5と物体の表面とが対向しているとき、終端光学素子4は、光射出面5と物体の表面との間で液体LQを保持可能である。また、液浸部材6の液体接触面7と物体の表面とが対向しているとき、液浸部材6は、液体接触面7と物体の表面との間で液体LQを保持可能である。終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と物体の表面との間で液体LQを保持することによって、終端光学素子4の光射出面5と物体の表面との間の露光光ELの光路空間Kを液体LQで満たすように液浸空間LSが形成される。
本実施形態において、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向可能な物体は、終端光学素子4の光射出側で移動可能な物体を含み、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に移動可能な物体を含む。すなわち、本実施形態において、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向可能な物体は、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7に対して移動可能である。
本実施形態においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7に対して移動可能な物体は、基板ステージ2、及びその基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。なお、以下においては、説明を簡単にするために、主に、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と基板Pとが対向している場合を例にして説明する。
本実施形態においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に配置された基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pの露光時に、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板P上の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSを形成する局所液浸方式を採用する。本実施形態においては、液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGと基板Pとの交点が、液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に配置される。
また、本実施形態の露光装置EXは、液浸部材6の液体接触面7の少なくとも一部の領域の乾燥を防止する乾燥防止装置50を備えている。液浸部材6の液体接触面7の少なくとも一部の領域が、第1供給口31から供給される液体LQと接触しない可能性がある場合でも、乾燥防止装置50は、その液浸部材6の液体接触面7の少なくとも一部の領域の乾燥を防止するための処理を実行する。
本実施形態においては、乾燥防止装置50は、液浸部材6の液体接触面7の乾燥を防止するために液体LQを供給する第2供給口51を有する。第2供給口51は、液体接触面7と基板Pとの間に液体LQを供給する。乾燥防止装置50は、液体接触面7の所定領域を液体LQで濡らし続けるために、液体接触面7に液体LQを供給する。本実施形態においては、第1供給口31から供給される液体LQと、第2供給口51から供給される液体LQとは同じである。すなわち、第2供給口51から供給される液体LQは、第1供給口31から供給される液体LQと同様、水(純水)である。
照明系ILは、マスクM上の所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第1駆動システム1Dにより、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ1(マスクM)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報はレーザ干渉計1Sによって計測される。レーザ干渉計1Sは、マスクステージ1に設けられた反射ミラー1Rを用いて位置情報を計測する。制御装置3は、レーザ干渉計1Sの計測結果に基づいて第1駆動システム1Dを駆動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒に保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む第2駆動システム2Dにより、基板Pを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。基板ステージ2(基板P)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報はレーザ干渉計2Sによって計測される。レーザ干渉計2Sは、基板ステージ2に設けられた反射ミラー2Rを用いて位置情報を計測する。また、基板ステージ2に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、不図示のフォーカス・レベリング検出システムによって検出される。制御装置3は、レーザ干渉計2Sの計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて第2駆動システム2Dを駆動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を行う。
基板ステージ2は、基板Pを保持する基板ホルダ2Hと、基板ホルダ2Hの周囲に配置され、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向可能な上面2Tとを有する。基板ホルダ2Hは、基板ステージ2上に設けられた凹部2Cに配置されている。基板ホルダ2Hは、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ホルダ2Hに保持された基板Pの表面は、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向可能である。また、基板ステージ2の上面2Tは、XY平面とほぼ平行な平坦面である。基板ホルダ2Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ2の上面2Tとは、ほぼ同一平面内に配置され、ほぼ面一である。上面2Tは、例えばフッ素を含む材料で形成されており、液体LQに対して撥液性を有する。上面2Tと液体LQとの接触角は、例えば80°以上である。
露光装置EXは、基板ステージ2を移動可能に支持するガイド面10を有する定盤11を備えている。本実施形態においては、ガイド面10は、XY平面とほぼ平行である。基板ステージ2は、ガイド面10に沿って、XY方向(二次元方向)に移動可能である。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時において、マスクM及び基板Pは、Z軸とほぼ平行な投影光学系PLの光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動される。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
次に、液浸部材6について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、液浸部材6を示す概略斜視図の一部破断図、図3は、液浸部材6を下側(−Z側)から見た平面図、図4は、YZ平面と平行な側断面図、図5は、XZ平面と平行な側断面図である。
なお、以下の説明においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に基板Pが配置されている場合を例にして説明するが、上述のように、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置には、基板ステージ2等、基板P以外の物体も配置可能である。終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に、複数の物体が配置され得る。
液浸部材6は、環状の部材であって、露光光ELの光路の周囲に配置されている。液体接触面7は、露光光ELの光路の周囲に配置されている。液体接触面7は、基板Pの表面との間に所定の間隙を介して対向するように配置される。
本実施形態においては、液浸部材6は、終端光学素子4の周囲に配置される上板部12と、Z軸方向に関して少なくとも一部が終端光学素子4の光射出面5と基板Pの表面との間に配置される下板部13とを有する。
上板部12は、終端光学素子4の外周面14と対向し、その外周面14に沿って形成された内周面15を有する。液浸部材6の内周面15は、終端光学素子4の外周面14と所定の間隙を介して対向するように配置されている。
下板部13は、中央に開口16を有する。終端光学素子4の光射出面5から射出された露光光ELは、開口16を通過可能である。例えば、基板Pの露光中、終端光学素子4の光射出面5から射出された露光光ELは、開口16を通過し、液体LQを介して基板Pの表面に照射される。本実施形態においては、開口16における露光光ELの断面形状はX軸方向を長手方向とする略矩形状(スリット状)である。開口16は、露光光ELの断面形状に応じて、XY方向において略矩形状(スリット状)に形成されている。また、開口16における露光光ELの断面形状と、基板Pにおける投影光学系PLの投影領域PRの形状とはほぼ同じである。
液浸部材6の液体接触面7は、露光光ELの光路の周囲に配置された第1領域21と、Y軸方向に関して露光光ELの光路に対して第1領域21の外側に配置された第2領域22と、X軸方向に関して露光光ELの光路に対して第1領域21の外側に配置された第3領域23とを有する。
本実施形態において、基板Pの表面と対向するように配置される液浸部材6の液体接触面7は、液体LQを回収可能な液体回収領域17と、液体LQを回収不可能な非液体回収領域18、19とを含む。
本実施形態において、第1領域21は、液体LQを回収不可能な非液体回収領域19である。第2領域22は、液体LQを回収不可能な非液体回収領域18である。第3領域23は、液体LQを回収可能な液体回収領域17である。
本実施形態において、第1領域21は、開口16の周囲に配置された平坦な面を含む。第2領域22は、Y軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置された面を含む。第3領域23は、X軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置された面を含む。
以下の説明において、第1領域21に配置されている面を適宜、ランド面21、と称する。また、第2領域22に配置されている面を適宜、非回収面22、と称する。また、第3領域23に配置されている面を適宜、回収面23、と称する。
ランド面21は、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能である。ランド面21は、平坦であり、開口16の周囲(露光光ELの光路の周囲)に配置されている。本実施形態においては、ランド面21は、基板Pの表面(XY平面)とほぼ平行である。また、本実施形態においては、XY平面内におけるランド面21の外形は、矩形状である。本実施形態においては、ランド面21は、基板Pの表面と対向する下板部13の下面を含む。
非回収面22は、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能である。非回収面22は、露光光ELの光路に対してランド面21の外側に配置されている。非回収面22は、Y軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置されている。すなわち、非回収面22は、ランド面21に対してY軸方向一方側(+Y側)と他方側(−Y側)とのそれぞれに設けられている。
本実施形態においては、非回収面22は、基板Pの表面に対してランド面21よりも離れた位置に配置されている。非回収面22は、Y軸方向に関して、露光光ELの光路から離れる方向において、非回収面22と基板Pの表面との間隔が徐々に大きくなるように傾斜している。
本実施形態においては、露光光ELの光路に対して+Y側に配置された非回収面22の−Y側のエッジとランド面21の+Y側のエッジとは、Z軸方向に関してほぼ同じ位置(高さ)に配置されている。また、露光光ELの光路に対して−Y側に配置された非回収面22の+Y側のエッジとランド面21の−Y側のエッジとは、Z軸方向に関してほぼ同じ位置(高さ)に配置されている。
また、本実施形態においては、XY平面内における非回収面22のそれぞれの外形は、ランド面21の+Y側、−Y側のエッジを上辺とする台形である。
本実施形態において、ランド面21及び非回収面22は、例えばチタンの表面(下面)を含み、液体LQに対して親液性(親水性)を有する。
回収面23は、回収面23と基板Pの表面との間の液体LQを回収可能である。回収面23は、露光光ELの光路に対してランド面21の外側に配置されている。回収面23は、X軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置されている。すなわち、回収面23は、ランド面21に対してX軸方向一方側(+X側)と他方側(−X側)とのそれぞれに設けられている。
本実施形態においては、回収面23は、ランド面21と同一平面内に配置されている。すなわち、ランド面21と回収面23とは面一であり、基板Pの表面(XY平面)と平行である。
本実施形態においては、XY平面内における回収面23のそれぞれの外形は、ランド面21の+X側、−X側のエッジを上辺とする台形である。
本実施形態において、回収面23は、多孔部材(メッシュ部材)24の表面(下面)を含む。回収面23の−Z側に配置された基板P上の液体LQの少なくとも一部は、多孔部材24を介して回収される。回収面23は、回収面23(多孔部材24の表面)に接触した液体LQを回収可能である。
図3に示すように、本実施形態においては、回収面22と非回収面23とは、露光光ELの光路の周囲(ランド面21の周囲)において交互に配置されている。
露光装置EXは、露光光ELの光路空間Kを満たすための液体LQを供給する第1供給口31と、液体LQを回収する回収口32とを備えている。第1供給口31及び回収口32は、液浸部材6に設けられている。
第1供給口31は、光路空間Kの近傍に配置されており、光路空間Kに液体LQを供給可能である。第1供給口31は、光路空間Kを液体LQで満たすために液体LQを供給する。
本実施形態においては、液浸部材6は、露光光ELの光路の周囲に配置され、終端光学素子4の光射出面5と所定の間隙を介して対向する上面33を有する。本実施形態においては、上面33は、ランド面21と反対側の下板部13の上面を含む。上面33は、平坦であり、XY平面とほぼ平行である。上面33は、開口16の周囲に配置されている。
第1供給口31は、終端光学素子4の光射出面5と上面33との間の所定空間34の近傍に配置されている。第1供給口31は、所定空間34に接続するように配置されており、所定空間34に液体LQを供給可能である。第1供給口31からの液体LQは、終端光学素子4の光射出面5と液浸部材6の上面33との間の所定空間34に供給される。また、本実施形態においては、第1供給口31は、光路空間Kに対してY軸方向両側のそれぞれに設けられている。以下の説明において、所定空間34を適宜、内部空間34、と称する。
また、露光装置EXは、液体供給装置35を備えている。液体供給装置35は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。第1供給口31と液体供給装置35とは、流路36を介して接続されている。流路36は、液浸部材6の内部に形成された供給流路36A、及びその供給流路36Aと液体供給装置35とを接続する供給管36Pで形成される供給流路36Bを含む。液体供給装置35から送出された液体LQは、流路36を介して第1供給口31に供給される。第1供給口31は、液体供給装置35からの液体LQを内部空間34に供給する。第1供給口31から内部空間34に供給された液体LQは、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と基板Pの表面との間に供給される。すなわち、第1供給口31から内部空間34に供給された液体LQは、光射出面5と基板Pの表面との間の露光光ELの光路空間Kに供給されるとともに、開口16を介して、液体接触面7と基板Pの表面との間に供給される。
回収口32は、液体LQを吸引して回収可能である。回収口32には複数の孔(openings 或いはpores)を含む多孔部材24が配置されており、回収面23を形成する。本実施形態においては、多孔部材24は、プレート状の部材である。
また、露光装置EXは、液体LQを回収可能な液体回収装置37を備えている。液体回収装置37は、真空システムを含み、液体LQを吸引して回収可能である。回収口32(回収面23)と液体回収装置37とは、流路38を介して接続されている。流路38は、液浸部材6の内部に形成された回収流路38A、及びその回収流路38Aと液体回収装置37とを接続する回収管38Pで形成される回収流路38Bを含む。本実施形態においては、制御装置3は、真空システムを含む液体回収装置37を駆動して、多孔部材24の上面と下面との間に圧力差を発生させることによって、多孔部材24(回収面23)より液体LQを回収する。回収面23から回収された液体LQは、流路38を介して、液体回収装置37に回収される。
回収口32(回収面23)は、基板Pの露光時に、基板P上の液体LQの少なくとも一部を回収する。回収口32より回収された液体LQは、液体回収装置37に送られる。制御装置3は、第1供給口31を用いる液体供給動作と並行して、回収口32を用いる液体回収動作を実行して、終端光学素子4及び液浸部材6と基板Pとの間に、露光光ELの光路を液体LQで満たすように、液体LQで液浸空間LSを形成することができる。液浸部材6は、少なくとも基板Pの露光時に、終端光学素子4の光射出側の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、液浸空間LSを形成する。
乾燥防止装置50は、液体接触面7の少なくとも一部の領域の乾燥を防止するために、第2供給口51より液体LQを供給する。本実施形態においては、乾燥防止装置50は、少なくとも非回収面22の乾燥を防止するために、第2供給口51より液体LQを供給する。
本実施形態において、第2供給口51は、液体接触面7の非回収面22と基板Pとの間に配置されている。第2供給口51は、非回収面22と基板Pとの間に液体LQを供給する。
第2供給口51は、Y軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置されている。すなわち、第2供給口51は、露光光ELの光路に対してY軸方向一方側(+Y側)と他方側(−Y側)とのそれぞれに設けられている。第2供給口51は、Y軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置されている非回収面22のそれぞれに対応するように配置されている。
本実施形態においては、一方の第2供給口51は、露光光ELの光路に対して+Y側に配置された非回収面22の+Y側のエッジの近傍に配置され、他方の第2供給口51は、露光光ELの光路に対して−Y側に配置された非回収面22の−Y側のエッジの近傍に配置されている。上述のように、非回収面22は、露光光ELの光路から離れる方向において、基板Pの表面との間隔が徐々に大きくなるように傾斜しており、第2供給口51は、その基板Pとの間隔が最も大きい非回収面22のY軸方向の端部近傍に配置されている。
本実施形態においては、第1供給口31より供給され、開口16を介した液体LQが、露光光ELの光路の近くから、非回収面22と基板Pとの間に供給されるとともに、第2供給口51より供給された液体LQが、露光光ELの光路に対して遠い非回収面22の外側のエッジ近傍から、非回収面22に供給される。
第2供給口51は、露光光ELの光路側を向いており、非回収面22に対して液体LQを供給する。本実施形態においては、第2供給口51は、X軸方向に長いスリット状である。露光光ELの光路に対して+Y側に配置された非回収面22の+Y側のエッジの近傍に配置されている第2供給口51は、その非回収面22の+Y側のエッジのX軸方向の大きさに対応した大きさを有するスリット状であり、露光光ELの光路に対して−Y側に配置された非回収面22の−Y側のエッジの近傍に配置されている第2供給口51は、その非回収面22の−Y側のエッジのX軸方向の大きさに対応した大きさを有するスリット状である。
本実施形態においては、露光装置EXは、第2供給口51が設けられた供給部材52を備えている。供給部材52は、Y軸方向に関して露光光ELの光路の両側に配置されている。
供給部材52は、内部に形成された供給流路56Aを有する。本実施形態においては、供給部材52の供給流路56Aは、供給管56Pで形成される供給流路56Bを介して、液体供給装置35と接続されている。第2供給口51は、供給部材52の内部に形成された供給流路56A、及び供給管56Pで形成される供給流路56Bを含む流路56を介して、液体供給装置35と接続されている。液体供給装置35から送出された液体LQは、流路56を介して第2供給口51に供給される。第2供給口51は、液体供給装置35からの液体LQを、非回収面22に供給する。
本実施形態においては、供給部材52は、パイプ部60とノズル部61とを有する。パイプ部60の一端は、供給管56Pに接続され、パイプ部60の他端は、ノズル部61の一端に接続されている。第2供給口51は、ノズル部61の他端に配置されている。供給部材52の供給流路56Aは、パイプ部60の内部流路及びノズル部61の内部流路を含む。ノズル部61の内部流路は、パイプ部60との接続部から第2供給口51に向かって除々に大きくなっている。液体供給装置35から送出され、供給管56Pの供給流路56Bを介してパイプ部60の内部流路に供給された液体LQは、ノズル部61の内部流路を流れた後、スリット状の第2供給口51に供給される。なお、例えばノズル部61の内部流路に、液体LQの流れを整えるためのフィン部材を配置することができる。
本実施形態においては、乾燥防止装置50は、第2供給口51からの液体LQで、非回収面22の少なくとも一部に、液体LQの膜を形成する。第2供給口51から供給された液体LQは、非回収面22に沿って、露光光ELの光路に向かって流れる。第2供給口51から供給された液体LQは、露光光ELの光路に向かって非回収面22と接触しながら流れる。
なお、本実施形態においては、供給部材52の少なくとも一部が、液浸部材6の表面(外面)の一部との間で、液体LQが流れる流路を形成しているが、供給部材のみで流路を形成することももちろん可能である。
また、図2及び図5に示すように、液浸部材6は、内部空間34と外部空間39とを連通させるための排気口40を有している。排気口40は、内部空間34の近傍に配置されている。排気口40は、内部空間34に接続するように配置されており、内部空間34の気体を排気可能である。また、本実施形態においては、排気口40は、光路空間Kに対してX軸方向両側のそれぞれに設けられている。
排気口40は、液浸部材6の内部に形成されている排気流路41に接続されている。排気流路41の上端の開口42は、液浸部材6(液浸空間LS)の周囲の外部空間39(周囲環境)の気体と接触可能な位置に配置されている。外部空間39の気体は、開口42に流入可能である。開口42は、排気口41よりも+Z側であって、基板Pの表面と対向しない位置に配置されている。開口42は、液浸空間LSの液体LQと接触不能な位置に配置されており、液浸空間LSの液体LQは開口42には流入しない。
外部空間39の気体は、排気流路41を介して、内部空間34に流入可能であるとともに、内部空間34の気体は、排気流路41を介して、外部空間39に流出可能である。本実施形態においては、内部空間34とその内部空間34の外側の外部空間39(大気空間)との間において、排気流路41を介して、常に気体が出入り可能となっており、内部空間34は、排気流路41を介して、大気開放された状態となっている。
なお、ここでは、第1供給口31が光路空間Kに対してY軸方向両側のそれぞれに設けられ、排気口40が光路空間Kに対してX軸方向両側のそれぞれに設けられているが、第1供給口31が光路空間Kに対してX軸方向両側のそれぞれに設けられ、排気口40が光路空間Kに対してY軸方向両側のそれぞれに設けられていてもよい。
本実施形態においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に基板Pが配置されているとき、終端光学素子4は、光射出面5と基板Pの表面との間に液体LQを保持可能である。本実施形態において、光射出面5は、液体LQに対して親液性を有しており、基板PがXY方向に移動した場合でも、液浸空間LSの液体LQと接触し続けることができる。光射出面5は、少なくとも基板Pの露光中に、液浸空間LSの液体LQと接触し続ける。
また、本実施形態においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に基板Pが配置されているとき、液浸部材6は、少なくともランド面21と基板Pの表面との間に液体LQを保持可能である。本実施形態において、ランド面21は、液体LQに対して親液性を有しており、基板PがXY方向に移動した場合でも、液浸空間LSの液体LQと接触し続けることができる。ランド面21は、少なくとも基板Pの露光中に、液浸空間LSの液体LQと接触し続ける。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを液浸露光する方法について説明する。
露光光ELの光路を液体LQで満たすために、制御装置3は、液体供給装置35から流路36に液体LQを供給する。流路36に供給された液体LQは、流路36を流れて、第1供給口31に供給される。第1供給口31は、液体LQを内部空間34に供給する。第1供給口31から液体LQを供給するとき、制御装置3は、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に、基板P、基板ステージ2、あるいはダミー基板等の物体を配置する。なお、以下の説明においては、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と対向する位置に基板Pが配置される場合を例にして説明する。
第1供給口31から供給された液体LQは、内部空間34を流れ、開口16を介して、ランド面21と基板Pの表面との間の空間に流入し、そのランド面21と基板Pの表面との間に保持される。こうして、内部空間34、及びランド面21と基板Pの表面との間の空間が液体LQで満たされ、終端光学素子4の光射出面5と基板Pの表面との間の光路空間Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
また、液体LQの少なくとも一部は、非回収面22と基板Pの表面との間の空間、及び回収面23と基板Pの表面との間の空間に流入する。制御装置3は、第1供給口31を用いる液体供給動作と並行して、回収面23(回収口32)を用いる液体回収動作を実行する。これにより、非回収面22及び回収面23を含む液体接触面7と基板Pとの間の液体LQの少なくとも一部が、回収面23より回収され、第1供給口31より供給される液体LQによって、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液体LQで液浸空間LSが形成される。
また、制御装置3は、所定のタイミングで、第2供給口51を用いる液体供給動作を開始する。第2供給口51より液体LQを供給するために、制御装置3は、液体供給装置35から流路56に液体LQを供給する。流路56に供給された液体LQは、流路56を流れて、第2供給口51に供給される。第2供給口51は、液体LQを、非回収面22に供給する。第2供給口51から供給された液体LQは、非回収面22に沿って露光光ELの光路に向かって流れる。また、第2供給口51は、非回収面22に液体LQの膜を形成するように、非回収面22に対して液体LQを供給する。これにより、例えば図4に示すように、第2供給口51から供給された液体LQによって、非回収面22に液体LQの膜が形成される。乾燥防止装置50は、第2供給口51からの液体LQで非回収面22に液体LQの膜を形成することによって、その非回収面22の乾燥を防止することができる。
本実施形態においては、第2供給口51からの液体LQの供給は、第1供給口31からの液体LQの供給と並行して行われる。第2供給口51から供給された液体LQは、第1供給口31から供給された液体LQと合体する。すなわち、本実施形態においては、露光光ELの光路を満たすために形成される液浸空間LSは、第1供給口31から供給される液体LQと、第2供給口51から供給される液体LQとによって形成される。このように、本実施形態においては、露光光ELの光路は、第1供給口31から供給される液体LQと、第2供給口51から供給される液体LQとで満たされる。
また、第1供給口31から供給された液体LQ及び第2供給口51から供給された液体LQは、回収面23(回収口32)から回収される。本実施形態においては、制御装置3は、少なくとも基板Pの露光中において、第1供給口31を用いる液体供給動作と、第2供給口51を用いる液体供給動作と、回収面23(回収口32)を用いる液体回収動作とを並行して実行する。これにより、例えば図4に示すように、液浸空間LSの界面LGと基板Pとの交点PXが、液体接触面7と対向する位置に配置され、基板Pを露光するために最適な大きさを有する液浸空間LSが形成されるとともに、液体LQの膜が非回収面22に形成されて、非回収面22の乾燥が防止される。
そして、制御装置3は、基板Pの液浸露光を開始する。制御装置3は、液浸部材6の液体接触面7の−Z側に基板Pを配置して、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と基板Pの表面との間に液浸空間LSを形成する。制御装置3は、第1供給口31を用いる液体供給動作、第2供給口51を用いる液体供給動作、及び回収面23(回収口32)を用いる液体回収動作を実行しながら、基板Pを露光する。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは走査型露光装置である。制御装置3は、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7と基板Pの表面との間に液体LQを保持して液浸空間LSを形成した状態で、終端光学素子4の光射出面5及び液浸部材6の液体接触面7に対して、基板Pの表面をY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液体LQとを介して露光光ELを基板Pに照射する。基板Pは、Y軸方向に移動しながら、投影光学系PL及び液体LQを介したマスクMからの露光光ELで露光される。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態においては、乾燥防止装置50によって、非回収面22の乾燥が防止されているので、液浸空間LSを形成した状態で、液浸部材6の液体接触面7に対して基板Pを移動した場合でも、非回収面22を含む液体接触面7に異物が付着(固着)することが抑制される。したがって、基板Pに形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生することを抑制することができる。このように、乾燥防止装置50を設けたのは、以下のような発明者の知見による。
図6は、比較例に係る露光装置EXJの一部を示す模式図である。図6に示す露光装置EXJには、第2供給口が設けられておらず、第1供給口31Jが設けられている。液浸部材6Jと基板Pとの間に液浸空間LSを形成した状態で、液浸部材6Jに対して基板Pを所定の走査方向(Y軸方向)に移動させた場合、液浸部材6Jの液体接触面7Jの少なくとも一部の領域は、液体LQと接触する状態から、液体LQと接触しない状態へ変化する。例えば、図6(A)に示すように、液浸部材6Jの液体接触面7Jに対して基板Pを−Y方向に移動した場合、その基板Pの移動に伴って、液浸空間LSの液体LQの界面LGが移動する。その場合、図6(A)に示すように、露光光ELの光路(投影光学系PLの光軸AX)に対して−Y側の非回収面22Jの所定領域70Jを含む広い領域が、液体LQと接触する状態となる。
一方、図6(B)に示すように、液浸部材6Jの液体接触面7Jに対して基板Pを+Y方向に移動した場合、その基板Pの移動に伴って、液浸空間LSの液体LQの界面LGが移動し、露光光ELの光路(投影光学系PLの光軸AX)に対して−Y側の非回収面22Jの所定領域70Jが、液体LQと接触しない状態となる。
本発明者は、図6(A)及び図6(B)に示すように、液浸部材6Jの液体接触面7J(非回収面22J)に対して液体LQの界面LGが移動すると、その界面LGが移動する液浸部材6Jの液体接触面7Jの所定領域70Jに、異物が付着する可能性が高くなることを見出した。換言すれば、液浸部材6Jの液体接触面7Jの所定領域70Jにおいて、液浸空間LSの液体LQと接触する状態と、接触しない状態とを繰り返すと、その液体接触面7Jの所定領域70Jに、異物が付着する可能性が高くなることを見出した。
液体接触面7Jの所定領域70Jに異物が付着する原因の1つとして、以下に述べるメカにズムが考えられる。液浸空間LSの液体LQと基板Pとが接触すると、その基板Pから液体LQに異物が混入(溶出)する可能性がある。その異物としては、例えば基板Pから溶出する感光材(あるいは保護膜)の一部である可能性がある。また、異物としては、空中を浮遊するパーティクルが液体LQ中に混入したものである可能性もある。異物が混入している液体LQが液浸部材6Jの液体接触面7Jと接触すると、その液体LQ中の異物が液浸部材6Jの液体接触面7Jに付着する可能性がある。すなわち、液浸部材6Jの液体接触面7Jの所定領域70Jが、異物を含む液体LQと接触した状態から液体LQと接触しない状態へ変化すると、その所定領域70Jに液体LQに含まれていた異物が留まる可能性が高くなる。そして、所定領域70Jに留まっている異物が乾燥され、その所定領域70Jに固着する可能性がある。
そして、所定領域70Jにおいて、液体LQと接触する状態と液体LQと接触しない状態とが繰り返されることによって、所定領域70Jに付着(固着)する異物の数が多くなったり、異物が大きくなったりする可能性がある。
そして、その液体接触面7Jに付着(固着)している異物が基板Pに落下すると、基板Pに形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。
本発明者は、所定領域70Jの乾燥を防止することによって、所定領域70Jに異物が付着(固着)することを抑制できることを見出した。換言すれば、本発明者は、所定領域70Jが液体LQと接触する状態から接触しない状態へ変化する状況が発生することを抑制することによって、所定領域70Jに異物が付着(固着)することを抑制できることを見出した。
そこで、本実施形態においては、乾燥防止装置50を用いて、所定領域70Jが液体LQと接触する状態から接触しない状態へ変化する状況、すなわち、所定領域70Jが乾燥する状況が発生することを抑制する。本実施形態の乾燥防止装置50は、第2供給口51から供給される液体LQで非回収面22Jを濡らし続けて、その非回収面22Jの乾燥を防止する
図7は、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示す模式図である。図7(A)は、液浸空間LSを形成し、第2供給口51より液体LQを供給している状態で、液浸部材6の液体接触面7に対して基板Pを−Y方向に移動している状態の一例を示す図、図7(B)は、基板Pを+Y方向に移動している状態の一例を示す図である。図7(A)及び図7(B)に示すように、基板Pを+Y方向及び−Y方向のいずれに移動した場合でも、乾燥防止装置50は、第2供給口51から非回収面22に対する液体LQの供給を継続する。これにより、非回収面22は、乾燥防止装置50の第2供給口51から供給され続ける液体LQによって濡らし続けられ、非回収面22の乾燥が防止される。これにより、非回収面22に、異物が付着(固着)することが抑制される。
基板Pと接触した液体LQが、非回収面22と接触することによって、非回収面22に異物が付着する可能性があるが、第2供給口51から供給され続ける液体LQによって、非回収面22に付着した異物を、その非回収面22から剥がす(洗い流す)ことができる。非回収面22から剥がれた異物は、第1供給口31から供給された液体LQ、及び第2供給口51から供給された液体LQとともに、回収口32より回収される。
本実施形態において、第2供給口51から供給される液体LQは、表面張力によって、非回収面22に液体LQの膜を形成する。乾燥防止装置50は、第2供給口51からの液体LQで、非回収面22に液体LQの膜を形成するので、第2供給口51から供給された液体LQが、不要に飛散することを抑制できる。
また、本実施形態においては、非回収面22は、露光光ELの光路から離れる方向において、基板Pとの間隔が大きくなるように傾斜しており、第2供給口51から供給された液体LQで、非回収面22に液体LQの膜を円滑に形成することができる。
本実施形態においては、少なくとも基板Pの露光時に、第1供給口31を用いる液体供給動作と並行して、回収口32(回収面23)を用いる液体回収動作が実行されるとともに、第2供給口51を用いる液体供給動作が実行される。したがって、少なくとも基板Pの露光中には、非回収面22は、液体LQで濡れ続ける。また、第2供給口51から供給された液体LQは、第1供給口31から供給された液体LQと合体し、回収口32より回収される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液浸部材6の液体接触面7(非回収面22)の乾燥を防止する乾燥防止装置50を設けたので、液浸部材6の液体接触面7(非回収面22)が汚染されたり、液体接触面7(非回収面22)に異物が固着したりすることを抑制できる。したがって、露光不良の発生を抑制し、不良デバイスの発生を抑制できる。
また、本実施形態においては、基板Pの走査方向(Y軸方向)に関して露光光ELの光路の両側に非回収面22が配置されているので、液浸空間LSを形成した状態で、液浸部材6に対して基板PをY軸方向に移動した場合にも、液浸空間LSを所望状態に維持し、液体LQが漏出したり、基板P上に残留したりすることを抑制することができる。
また、非回収面22は、Y軸方向に関して、露光光ELの光路から離れる方向において、基板Pの表面との間隔が除々に大きくなるように傾斜しているので、液浸空間LSを形成した状態で、液浸部材6に対して基板PをY軸方向に移動した場合でも、液体LQの界面LGの移動距離が大きくなったり、液浸空間LSが拡大することを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、第2実施形態に係る露光装置EXの一部を示す模式図である。図8において、乾燥防止装置50Bは、液体接触面7B(非回収面22B)の乾燥を防止するために液体LQを供給する第2供給口51Bを備えている。第2供給口51Bは、液浸部材6Bに形成されている。第2供給口51Bは、非回収面22Bの外側のエッジ近傍に配置されている。第2供給口51Bは、液体供給装置35Bからの液体LQを供給する。上述の第1実施形態と同様、非回収面22Bは、露光光ELの光路から離れる方向において、基板Pとの間隔が除々に大きくなるように傾斜している。
本実施形態においても、非回収面22Bの乾燥を抑制して、非回収面22Bに異物が付着することを抑制できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第3実施形態に係る露光装置EXの一例を示す模式図である。本実施形態においては、図9に示すように、液浸部材6Cの非回収面22Cは、XY平面とほぼ平行な基板Pの表面(ランド面21)に対して傾斜しておらず、基板Pの表面(ランド面21)とほぼ平行である。
乾燥防止装置50Cは、非回収面22Cの乾燥を防止するために液体LQを供給する第2供給口51Cを備えている。第2供給口51Cは、液浸部材6Cと異なる供給部材52Cに設けられている。供給部材52Cは、非回収面22Cと基板Pの表面との間に配置されている。供給部材52Cは、露光光ELの光路に対して離れた非回収面22Cの外側のエッジ近傍に接続されている。
乾燥防止装置50Cは、非回収面22Cに対して、供給部材52Cの第2供給口51Cより液体LQを供給する。乾燥防止装置50Cは、第2供給口51Cから供給された液体LQで、非回収面22に液体LQの膜を形成する。
本実施形態においても、非回収面22Cの乾燥を抑制して、非回収面22Cに異物が付着することを抑制できる。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、乾燥防止装置50(50B、50C)が、液浸部材6(6B、6C)の非回収面22(22B、22C)の乾燥を防止する場合を例にして説明したが、回収面23の乾燥を防止可能な乾燥防止装置を設けることも可能である。回収面23の乾燥を防止するための乾燥防止装置は、回収面23と基板Pとの間に液体LQを供給する第2供給口を有し、第2供給口から回収面23に液体LQを供給する。回収面23の乾燥は、第2供給口から供給される液体LQによって防止される。回収面23の少なくとも一部が、液体LQと接触する状態から接触しない状態へ変化したり、乾燥したりする可能性がある場合、回収面23の乾燥を防止可能な乾燥防止装置を用いて、その回収面23の乾燥を防止することができる。これにより、回収面23に異物が付着することが抑制され、露光不良の発生を抑制することができる。
なお、上述の各実施形態においては、第1供給口31から供給される液体LQと、第2供給口51(51B、51C)から供給される液体LQとが同じ液体(水)である場合を例にして説明したが、第1供給口31から供給される液体と、第2供給口51(51B、51C)から供給される液体とが、異なっていてもよい。第1供給口31から供給される液体の種類(物性)と、第2供給口51(51B、51C)から供給される液体の種類(物性)とが異なっていてもよい。例えば第1供給口31から純水を供給し、第2供給口51(51B、51C)から純水に物質を添加した液体を供給してもよい。また、第1液体口31から供給される液体と、第2供給口51(51B、51C)から供給される液体とが、種類が同じで、例えば温度が異なっていてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、乾燥防止装置が、第2供給口51(51B、51C)から供給される液体を用いて、液浸部材の液体接触面の乾燥を防止する場合を例にして説明したが、例えば、乾燥防止装置が、湿度が高い湿った気体を液体接触面に供給することによって、その液体接触面の乾燥を防止するようにしてもよい。
また、上述の各実施形態においては、X軸方向における露光光ELの光路の両側にのみ回収口32が配置されている液浸部材を用いているが、例えば、米国特許公開第2006/0231206A1号公報などに開示されている、露光光ELの光路を取り囲むように回収口32が配置されている液浸部材にも、上述の乾燥防止装置を用いることができる。
なお、上述の各実施形態において、投影光学系PLは、終端光学素子4の射出側(像面側)の光路空間を液体LQで満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子4の入射側(物体面側)の光路空間も液体LQで満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、あるいは基板の表面を形成する感光材(フォトレジスト)の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル、セダー油等を用いることも可能である。また、液体LQとして、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英及び蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で、液体LQと接触する投影光学系PLの光学素子(終端光学素子など)を形成してもよい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
また、例えば露光光ELがF2レーザ光である場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能なもの、例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フッ素系オイル等のフッ素系流体を用いることができる。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、露光装置EXとして、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、露光装置EXとして、米国特許6,341,007号、米国特許6,400,441号、米国特許6,549,269号、及び米国特許6,590,634号、米国特許6,208,407号、米国特許6,262,796号等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、米国特許第6,897,963号公報、欧州特許出願公開第1,713,113号公報等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。計測ステージが終端光学素子の光射出面及び液浸部材の液体接触面と対向する位置に配置されることによって、終端光学素子及び液浸部材は、計測ステージとの間で液浸空間を形成することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計1S、2Sを含む干渉計システムを用いてマスクステージ1及び基板ステージ2の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージ1、2に設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、国際公開第1999/46835号パンフレット(対応米国特許7,023,610号)に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、可変成形マスクとしては、DMDに限られるものでなく、DMDに代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで、非発光型画像表示素子は、所定方向へ進行する光の振幅(強度)、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、上述のDMDの他に、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phonetic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。この場合、照明系は不要となる。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、パターン形成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成しても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述のように本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した全ての構成要素を適宜組み合わせて用いることが可能であり、また、一部の構成要素を用いない場合もある。
なお、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
4…終端光学素子、5…光射出面、6…液浸部材、7…液体接触面、17…液体回収領域、18…非液体回収領域、21…ランド面、22…非回収面、23…回収面、31…第1供給口、32…回収口、33…上面、50…乾燥防止装置、51…第2供給口、52…供給部材、EL…露光光、EX…露光装置、K…光路空間、LQ…液体、LS…液浸空間、P…基板
Claims (26)
- 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記第1液体を供給する第1供給口と、
前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、前記第1面に対して移動可能な物体と前記第1面との間で、前記第1供給口から供給された前記第1液体を保持可能な液浸部材と、
前記第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置と、を備えた露光装置。 - 前記乾燥防止装置は、第2液体を供給する第2供給口を有する請求項1記載の露光装置。
- 前記第2供給口は、前記第1面と前記物体との間に前記第2液体を供給する請求項2記載の露光装置。
- 前記乾燥防止装置は、前記第2供給口からの前記第2液体で前記第1面の少なくとも一部に膜を形成する請求項2又は3記載の露光装置。
- 前記第2供給口から供給された第2液体は、前記第1面に沿って前記露光光の光路に向かって流れる請求項2〜4のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2供給口からの前記第2液体の供給は、前記第1供給口からの前記第1液体の供給と並行して行われる請求項2〜5のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2供給口が設けられた供給部材をさらに備える請求項2〜6のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2供給口は、前記液浸部材に形成されている請求項2〜6のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2液体は、前記第1液体と同じであり、
前記露光光の光路は、前記第1液体と前記第2液体で満たされる請求項2〜8のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記第1面は、非液体回収領域を含む請求項2〜9のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記基板は、前記露光光の光路に対して前記光路と交差する所定方向に移動しながら露光され、
前記非液体回収領域は、前記所定方向に関して前記光路の両側に配置されている請求項10記載の露光装置。 - 前記非液体回収領域は、前記露光光の光路から離れる方向において、前記第1面と前記物体の表面との間隔が徐々に大きくなるように傾斜している請求項10又は11記載の露光装置。
- 前記第1面は、液体回収領域を含み、
前記第1液体及び前記第2液体は、前記液体回収領域から回収される請求項10〜12のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記露光光を射出する光学部材をさらに備え、
前記液浸部材は、前記光学部材の光射出面と対向する第2面を有し、
前記第1液体は、前記光学部材の光射出面と前記液浸部材の第2面との間に供給される請求項1〜13のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記物体は、前記基板を含む請求項1〜14のいずれか一項記載の露光装置。
- 請求項1〜15のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 光学部材からの露光光で第1液体を介して基板を露光する液浸露光装置で用いられる液浸システムであって、
前記第1液体を供給する第1供給口と、
前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1面を有し、前記第1面に対して移動可能な物体と前記第1面との間で、前記第1供給口から供給された前記第1液体を保持可能な液浸部材と、
前記第1面の乾燥を防止する乾燥防止装置と、を備えた液浸システム。 - 前記乾燥防止装置は、第2液体を供給可能な第2供給口を有する請求項17記載の液浸システム。
- 前記乾燥防止装置は、前記第2供給口からの前記第2液体で前記第1面の少なくとも一部に液膜を形成する請求項18記載の液浸システム。
- 前記第2供給口から供給された第2液体は、前記第1面に沿って流れる請求項18又は19記載の液浸システム。
- 前記第2供給口からの前記第2液体の供給は、前記第1供給口からの前記第1液体の供給と並行して行われる請求項18〜20のいずれか一項記載の液浸システム。
- 前記第2供給口は、前記液浸部材に形成されている請求項18〜21のいずれか一項記載の液浸システム。
- 前記第2液体は、前記第1液体と同じである請求項18〜22のいずれか一項記載の液浸システム。
- 前記第1面は、非液体回収領域を含む請求項18〜23のいずれか一項記載の液浸システム。
- 前記第1面は、液体回収領域を含み、
前記第1液体及び前記第2液体は、前記液体回収領域から回収される請求項18〜24のいずれか一項記載の液浸システム。 - 前記液浸部材は、前記光学部材の光射出面と対向するように配置される第2面を有し、
前記第1供給口は、前記光学部材の光射出面と前記液浸部材の第2面との間に前記第1液体を供給可能である請求項17〜25のいずれか一項記載の液浸システム。
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