JP2008205460A - 決定方法、評価方法、露光方法、評価装置、液浸露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

決定方法、評価方法、露光方法、評価装置、液浸露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液浸露光用の膜を評価するためのリファレンス情報を適切に決定できる決定方法を提供する。
【解決手段】液浸露光用の第1膜を評価するためのリファレンス情報を決定する決定方法は、液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、第1液体保持部材と基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、その移動させたときの第2膜上の液体の状態を検出することと、第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、第2液体保持部材と基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、その移動させたときの第2膜上の液体の状態を検出することと、検出の結果と、第1液体保持部材と基板との相対的な移動条件と、第2液体保持部材と基板との相対的な移動条件とに基づいてリファレンス情報を決定することと、を含む。
【選択図】図11

Description

本発明は、液浸露光用の膜を評価するためのリファレンス情報を決定する決定方法、液浸露光用の膜の評価方法、露光方法、液浸露光用の膜を評価する評価装置、液浸露光装置、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、下記特許文献1に開示されているような、液体を介して基板を露光する液浸露光装置が知られている。
国際公開第99/49504号パンフレット
液体と接触する基板の表面は、例えば感光膜、保護膜、あるいは反射防止膜等の膜で形成されている。液体に対して基板を移動する場合、膜に応じて液体の状態が変化する可能性がある。例えば、液体に対して基板を所定の速度で移動した場合、膜によっては、液体が良好に保持されず、漏出する可能性がある。そのような不具合の発生を未然に防ぐために、膜と液体の状態との関係を予め評価しておくことが望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光用の膜を評価するためのリファレンス情報を適切に決定できる決定方法を提供することを目的とする。また、液浸露光用の膜の評価を適切に実行できる評価方法及び評価装置を提供することを目的とする。また、評価した結果を用いて基板を良好に露光できる露光方法及び露光装置を提供することを目的とする。また、基板を良好に露光できる露光装置を用いたデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す以下の構成を採用している。
本発明の第1の態様に従えば、液浸露光用の第1膜を評価するためのリファレンス情報を決定する決定方法であって、液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、第1液体保持部材と基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、第1液体保持部材と基板とを相対的に移動させたときの第2膜上の液体の状態を検出することと、液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、第2液体保持部材と基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、第2液体保持部材と基板とを相対的に移動させたときの第2膜上の液体の状態を検出することと、検出の結果と、第1液体保持部材と基板との相対的な移動条件と、第2液体保持部材と基板との相対的な移動条件とに基づいてリファレンス情報を決定することと、を含む決定方法が提供される。
本発明の第1の態様によれば、液浸露光用の膜を評価するためのリファレンス情報を適切に決定できる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の方法を用いて決定されたリファレンス情報に基づいて、第1膜を評価する評価方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、膜の評価を適切に実行できる。
本発明の第3の態様に従えば、液浸露光用の第1膜の評価方法であって、液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と第1膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、第2液体保持部材と基板とを所定の移動条件で相対的に移動させることと、第2液体保持部材と基板とを相対的に移動させたときの第1膜上の液体の状態を検出することと、第2液体保持部材と基板との相対的な移動条件、及び検出の結果に基づいて、液浸露光装置における第1膜の使用の可否、又は液浸露光装置における第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測することと、を含む評価方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、膜の評価を適切に実行できる。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の評価方法を用いて膜を評価することと;評価された膜が形成された基板を液浸露光装置に搬入することと;液浸露光装置に搬入された基板の膜と第1液体保持部材との間に液体を保持することと;評価結果に基づいて設定された露光条件の下で、液浸露光装置に搬入された基板上の膜に液体を介して露光光を照射することと;を含む露光方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、基板を良好に露光できる。
本発明の第5の態様に従えば、液浸露光用の第1膜を評価する評価装置であって、液浸露光装置で使用される第1液体保持部材とは異なる第2液体保持部材と、第1膜が形成された基板を保持する基板保持部材と、基板保持部材に保持された基板の第1膜の一部と第2液体保持部材との間に液体を保持した状態で、第2液体保持部材と基板とを相対的に移動させる移動装置と、第2液体保持部材と基板とを相対的に移動させたときの第1膜上での液体の状態を検出する検出装置と、を備え、移動条件と検出の結果とに基づいて、液浸露光装置における第1膜の使用の可否、又は液浸露光装置における膜の使用可能条件、又はその両方を推測する評価装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、膜の評価を適切に実行できる。
本発明の第6の態様に従えば、液浸露光装置であって、露光光が通過する光学素子と、光学素子と対向する物体と光学素子との間の光路を第1液体で満たすための第1液体保持部材と、第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と、第1膜が形成された基板を保持する基板保持部材と、基板保持部材に保持された基板の第1膜の一部と第2液体保持部材との間に第2液体を保持した状態で、基板と第2液体保持部材とを相対的に移動させる移動装置と、第2液体保持部材と基板とを相対的に移動させたときの第1膜上での第2液体の状態を検出する検出装置と、を備え、移動条件と検出の結果とに基づいて、第1膜の使用の可否、又は液浸露光装置における第1膜の使用可能条件、又はその両方を決定する液浸露光装置が提供される。
本発明の第6の態様によれば、基板を良好に露光できる。
本発明の第7の態様に従えば、上記態様の液浸露光装置で、光学素子と基板との間を第1液体で満たしながら基板を露光することと、該露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、基板を良好に露光できる液浸露光装置を用いてデバイスを製造できる。
本発明によれば、液浸露光用の膜を評価するためのリファレンス情報を適切に決定でき、膜の評価を適切に実行できる。したがって、その膜を有する基板を良好に液浸露光でき、所望の性能を有するデバイスを製造できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1を移動するマスクステージ駆動システム3と、基板ステージ2を移動する基板ステージ駆動システム4と、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
なお、ここでいう基板Pは、半導体ウエハ等の基材Wf上に感光膜Rgが形成されたものを含み、マスクMは、基板P上に投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。なお、本実施形態においては、マスクMとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いてもよい。
本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して基板Pに露光光ELを照射して、基板Pを露光する液浸露光装置であって、露光光ELの光路を液体LQで満たすためのノズル部材6を備えている。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態のノズル部材6は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子7の近傍に配置されており、終端光学素子7と、その終端光学素子7と対向する物体(例えば、基板P)との間の露光光ELの光路を液体LQで満たすためのものである。
ノズル部材6は、下面15を有し、下面15と対向する位置に配置された物体の表面との間で液体LQを保持可能である。ノズル部材6と物体との間、及び終端光学素子7と物体との間に液体LQを保持することによって、終端光学素子7の射出面(下面)8と基板の表面との間の露光光ELの光路を液体LQで満たすように、液浸空間LS1が形成される。
本実施形態においては、基板Pの表面に露光光ELが照射されるとき、基板Pの表面には、液浸空間LS1の液体LQが接触する。
本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pの露光中、基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように、液浸空間LS1が形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、基板Pの露光中に、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように、液浸空間LS1を形成する局所液浸方式を採用している。
なお、ノズル部材6は、露光光ELが射出される終端光学素子7の下面8と対向する位置に基板Pと異なる物体が配置された状態で液浸空間LS1を形成可能である。例えば、終端光学素子7の下面8と基板ステージ2の上面2Fとが対向している状態で液浸空間LS1を形成可能である。
照明系ILは、マスクM上の所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動システム3により、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ1(マスクM)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報は、レーザ干渉計9Mによって計測される。レーザ干渉計9Mは、マスクステージ1上の反射ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置情報を計測する。制御装置5は、レーザ干渉計9Mの計測結果に基づいて、マスクステージ駆動システム3を用いてマスクステージ1を移動して、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、露光光ELが照射される基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。基板ステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む基板ステージ駆動システム4により、基板Pを保持した状態で、定盤10上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージ2(基板P)のX軸、Y軸、及びθZ方向の位置情報は、レーザ干渉計9Pによって計測される。レーザ干渉計9Pは、基板ステージ2の反射ミラー2Rを用いて、基板ステージ2の位置情報を計測する。また、基板ステージ2に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)は、フォーカス・レベリング検出システム(不図示)によって検出される。制御装置5は、レーザ干渉計9Pの計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、基板ステージ駆動システム4を用いて基板ステージ2を移動して、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を行う。
図2は、ノズル部材6の近傍を示す断面図である。ノズル部材6は、液浸空間LS1を形成するために液体LQを供給する供給口11と、液浸空間LS1の液体LQを回収する回収口12とを有している。供給口11は、流路11Rを介して、液体供給装置(不図示)と接続されている。液体供給装置は、清浄で温度調整された液体LQを供給口11に供給可能である。回収口12は、流路12Rを介して、真空システムを含む液体回収装置(不図示)に接続されている。液体回収装置は、回収口12を介して、液浸空間LS1の液体LQを回収可能である。回収口12には、メッシュ部材(多孔部材)13が配置されている。
ノズル部材6は、終端光学素子7の下面8と対向する位置に、露光光ELを通過させる開口14を有している。ノズル部材6の下面15は、開口14の周囲に配置された平坦面16と、回収口12に配置されたメッシュ部材13の下面13Bとを含む。本実施形態においては、メッシュ部材13の下面13Bは、平坦面16を囲むように配置されている。本実施形態においては、下面15は、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、例えば、基板Pに露光ELが照射されているとき、ノズル部材6の下面15の少なくとも一部と基板Pの表面とが対向する。
露光装置EXは、液浸空間LS1を形成するために、供給口11の液体供給動作と回収口12の液体回収動作とを並行して行う。ノズル部材6は、終端光学素子7の下面8と基板Pの表面との間の露光光ELの光路を供給口11から供給された液体LQで満たすように液浸空間LS1を形成する。
露光装置EXは、少なくともマスクMのパターンの像を基板Pに投影している間、ノズル部材6を用いて、露光光ELの光路を液体LQで満たす。照明系ILより射出され、マスクMを照明した露光光ELは、マスクMを通過した後、投影光学系PLの物体面側より投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、投影光学系PLの最も像面側に配置されている終端光学素子7を通過した後、下面8より射出され、液浸空間LS1の液体LQを通過した後、液体LQと接触した状態の基板Pに入射する。これにより、基板Pは、露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板P上に投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLを介して基板Pに露光光ELを照射して、その基板Pを露光する。
本実施形態においては、図3に示すように、基板P上に露光対象領域である複数のショット領域Sがマトリクス状に設定されている。露光装置EXは、マスクMと基板PとをY軸方向に同期移動しつつ基板Pに露光光ELを照射して、基板Pの表面の各ショット領域Sを露光する。本実施形態においては、一例として、制御装置5は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、図3に示す矢印R1に沿って相対的に移動するように、基板ステージ駆動システム4を用いて基板ステージ2を移動しつつ、基板Pの複数のショット領域Sを順次露光する。
図4は、本実施形態に係る基板Pを示す模式図である。図4に示すように、本実施形態の基板Pは、半導体ウエハ等の基材Wfと、基板Wf上に形成された感光膜Rgと、感光膜Rg上に形成される撥液性の膜Tcとを有する。感光膜Rgは、感光材(フォトレジスト)の膜である。撥液性の膜Tcは、トップコート膜と呼ばれる膜であって、例えば液体LQから感光膜Rg、基材Wf等を保護する機能を有する。本実施形態においては、膜Tcの液体LQとの接触角は、90度以上である。撥液性の膜Tcによって、液体LQの回収性を高めることができ、基板P上に液体LQが残留することが抑制される。以下の説明において、撥液性の膜Tcを適宜、撥液膜Tc、と称する。
本実施形態においては、基板Pの表面は撥液膜Tcで形成され、基板Pの液浸露光中には、撥液膜Tcと液浸空間LS1の液体LQとが接触する。
次に、本実施形態に係る評価装置について説明する。図5は、本実施形態に係る評価装置ESの一例を示す概略構成図である。評価装置ESは、液浸空間LS1の液体LQと接触する基板Pの表面を形成する撥液膜Tcを評価するものであって、液浸露光装置EXで使用されるノズル部材6とは異なるノズル部材17と、撥液膜Tcが形成された基板Pを保持する基板ステージ18と、基板ステージ18を移動する基板ステージ駆動システム19と、評価装置ES全体の動作を制御する制御装置20とを備えている。また、評価装置ESは、ノズル部材17及び基板ステージ18等を収容可能な空間を形成するチャンバ装置CHを備えている。チャンバ装置CHの内部空間の環境(温度、湿度、及び清浄度を含む)は、HEPAフィルタ等のフィルタユニットを備えた空調ユニットCKによって調整されている。
評価装置ESのノズル部材17は、液体LQを供給する供給口21と、供給口21の周囲に設けられた親液性の下面22とを有している。本実施形態においては、下面22を含むノズル部材17は、親液性(親水性)を有する部材(例えば、チタン)で形成されている。基板ステージ18は、下面22と対向可能な位置に基板Pを配置可能である。ノズル部材17は、下面22と対向する位置に配置された基板Pの表面との間で液体LQを保持可能である。ノズル部材17は、基板Pとの間で液体LQを保持して、下面22と基板Pの表面との間に液浸空間LS2を形成可能である。
供給口21は、下面22と基板Pの表面との間に液浸空間LS2を形成するための液体LQを供給可能であり、ノズル部材17の下面22と基板表面との間に、供給口21より供給された液体LQが保持される。供給口21は、ノズル部材17の内部に形成された流路17Rを介して、液体供給装置17Sに接続されている。液体供給装置17Sは、所定量の液体LQを、流路17Rを介して供給口21に供給する。
また、評価装置ESのノズル部材17は、不図示の支持機構で支持されている。本実施形態においては、支持機構は、第2ノズル部材17を移動可能な駆動機構を備えている。第2ノズル部材17の位置は、駆動機構で制御される。駆動機構は、例えば第2ノズル部材17のZ軸方向の位置を調整して、下面22と基板Pの表面との間の距離を調整可能である。
ここで、以下の説明において、液浸露光装置EXで使用され、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能なノズル部材6を適宜、第1ノズル部材6、と称し、評価装置ESで使用され、基板Pの表面との間で液体LQを保持可能なノズル部材17を適宜、第2ノズル部材17、と称する。また、第1ノズル部材6で形成される液浸空間LS1を適宜、第1液浸空間LS1、と称し、第2ノズル部材17で形成される液浸空間LS2を適宜、第2液浸空間LS2、と称する。
評価装置ESの制御装置20は、基板ステージ18に保持された基板Pの撥液膜Tcの一部と第2ノズル部材17との間に液体LQを保持した状態で、基板ステージ駆動システム19を用いて、基板ステージ18に保持された基板Pを第2ノズル部材17に対して移動可能である。本実施形態においては、基板ステージ18に保持された基板Pの撥液膜Tcの一部と第2ノズル部材17との間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板PがY軸方向に移動する。
また、評価装置ESは、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動させたときの撥液膜Tc上での液体LQの状態を検出する検出装置23を備えている。本実施形態においては、検出装置23は、基板PがY軸方向に移動するときの撥液膜Tc上での液体LQの状態を検出する。
本実施形態においては、評価装置ESは、基板Pの撥液膜Tcの一部と第2ノズル部材17の下面22との間に液体LQを保持して、第2液浸空間LS2を形成する。第2ノズル部材17は、基板Pの表面(撥液膜Tc)の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように、基板Pとの間に第2液浸空間LS2を形成する。すなわち、本実施形態の評価装置ESは、検出装置23による液体LQの状態の検出中に、基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように、第2ノズル部材17と基板Pとの間に第2液浸空間LS2を形成する。
検出装置23は、液体LQの状態を光学的に検出するものであって、第2ノズル部材17で形成される第2液浸空間LS2に対して−X方向に配置され、第2液浸空間LS2の液体LQを照明光で照明可能な照明装置24と、第2液浸空間LS2に対して+X方向に配置され、第2液浸空間LS2の光学像を取得可能な撮像装置25とを備えている。撮像装置25は、例えば高速度カメラを含む。検出装置23(撮像装置25)の検出結果は、制御装置20に出力される。
評価装置ESは、検出装置23(撮像装置25)の検出結果から、撥液膜Tcを評価する。評価装置ESは、検出装置23を用いて、第2ノズル部材17に対して基板PをY軸方向に移動させたときの撥液膜Tc上での液体LQの状態を検出する。撮像装置25を含む検出装置23は、第2ノズル部材17に対して基板PをY軸方向に移動させたときの撥液膜Tc上での液体LQの界面LGの状態を検出可能である。
評価装置ESは、検出装置23の検出結果を出力する出力装置26を備えている。出力装置26は、検出装置23の撮像装置25で取得された第2液浸空間LS2の光学像(画像)を表示可能な表示装置26Aを含む。
図6は、表示装置26Aの一例を示す模式図である。表示装置26Aは、制御装置20に接続されている。制御装置20は、検出装置23の撮像装置25から出力された画像情報を表示装置26Aで表示する。また、制御装置20は、検出装置23の検出結果を用いて所定の演算処理を実行した後、その結果を表示装置26Aで表示可能である。
図7は、第2ノズル部材17の下面22と基板Pの撥液膜Tcとの間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板PをY軸方向に移動させたときの液体LQの状態の一例を示す模式図である。図7には、一例として、第2ノズル部材17に対して基板Pを+Y方向に移動させたときの状態が示されている。
本実施形態の評価装置ESは、撮像装置25を含む検出装置23を使って、第2液浸空間LS2の液体空間とその外側の気体空間との界面LGの状態を検出可能である。以下の説明においては、簡単のため、液体空間とその外側の気体空間との界面LGを適宜、液体LQの界面LG、と称する。なお、液体LQの界面LGは、+Y側の界面LG1と−Y側の界面LG2とを含む。
液体LQの界面LGの状態は、界面LGの形状、撥液膜Tcに対する液体LQの接触角θ、及び界面LGの位置情報の少なくとも1つを含む。検出装置23は、液体LQの界面LGの形状、撥液膜Tcに対する液体LQの接触角θ、及び液体LQの界面LGの位置情報の少なくとも1つを検出可能である。
第2ノズル部材17に対して基板Pを+Y方向に移動させることによって、第2液浸空間LS2の液体LQの界面LGの状態が変化する。図7に示すように、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動させることによって、液体LQの界面LGの形状が変化する。撮像装置25を含む検出装置23は、液体LQの界面LGの形状(形状の変化)を検出可能である。
また、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動させることによって、撥液膜Tcに対する液体LQの接触角θが変化する。本実施形態においては、撥液膜Tcに対する液体LQの接触角θは、基板Pの移動方向前方側(+Y側)の界面LG1と撥液膜Tcとがなす接触角θ1、及び基板Pの移動方向後方側(−Y側)の界面LG2と撥液膜Tcとがなす接触角θ2の少なくとも一方を含む。検出装置23は、基板Pの移動時における接触角θ1及び接触角θ2の少なくとも一方を検出可能である。
また、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動させることによって、液体LQの界面LGの位置が変化する。基板Pの移動が停止中における液体LQの界面LGの位置に対して、基板Pを移動させたときの液体LQの界面LGの位置は変化する。例えば、図7に示すように、基板Pの移動が停止中における液体LQの界面LG1の端部の位置(g2)と、基板Pを+Y方向に移動させたときの液体LQの界面LG1の端部の位置(g1)とは異なっている。換言すれば、基板Pの+Y方向への移動に伴って、液体LQの界面LG1の端部の位置が、+Y方向に移動する。以下の説明においては、基板Pを所定の一方向(ここでは+Y方向)に移動したときの液体LQの界面LG1の端部の位置(図7中、位置g1)と、基板Pが停止しているときの液体LQの界面LG1の端部の位置(図7中、位置g2)との距離Lを適宜、界面LGの移動距離L、と称する。検出装置23は、位置g1、位置g2、及び界面LGの移動距離Lの少なくとも一つを含む界面LG(LG1)の位置情報を検出可能である。なお、界面LG(LG1)の移動距離は、第2ノズル部材17の+Y側の端部の位置と、基板Pを+Y方向に移動したときの液体LQの界面LG(GL1)の端部の位置との距離で規定してもよい。
また、第2ノズル部材17に対する基板Pの移動条件に応じて、液体LQの界面LGの状態が変化する。ノズル部材に対する基板Pの移動条件は、ノズル部材に対する基板Pの移動速度、加速度(減速度)、及び所定の一方向への移動距離の少なくとも1つを含む。
図8は、第2ノズル部材17に対する基板Pの移動条件に応じて液体LQの界面LGの状態が変化する様子を説明するための模式図である。図8を用いた説明においては、簡単のため、基板Pの移動条件として、基板Pを+Y方向に移動させるときの移動速度を変化させたときの液体LQの界面LGの状態が変化する場合を例にして説明する。
図8(A)は、基板Pを+Y方向に第1の速度V1で移動させたときの液体LQの界面LGの状態を示す模式図である。図8(B)は、基板Pを+Y方向に第1の速度V1よりも速い第2の移動速度V2で移動させたときの液体LQの界面LGの状態を示す模式図である。図8(C)は、基板Pを+Y方向に第2の速度V2よりも早い第3の移動速度V3移動させたときの液体LQの界面LGの状態を示す模式図である。図8に示すように、第2ノズル部材17に対する基板Pの移動速度に応じて、液体LQの界面LGの形状、接触角θ、及び移動距離L等が変化する。基板Pの移動速度が高速になると、移動距離Lが大きくなり、液体LQの一部が膜になる。そして、図8(C)に示すように、基板Pの移動速度がさらに高速になると、基板Pの撥液膜Tc上において、液体LQの一部が分離する。
このように、基板Pを所定の一方向(+Y方向)に移動するときの移動速度を変化させることによって、その基板Pの移動速度に応じて、界面LGの状態が変化したり、液体LQの一部が分離したりする。
同様に、基板Pを所定の一方向に移動するときの加速度を変化させることによっても、その基板Pの加速度に応じて、界面LGの状態が変化したり、液体LQの一部が分離したりする。また、基板Pの所定の一方向への移動距離を変化させることによっても、その基板Pの一方向への移動距離に応じて、界面LGの状態が変化したり、液体LQの一部が分離したりする。
以下の説明において、基板P上において、液体LQの一部が分離を開始するノズル部材に対する基板Pの移動条件を適宜、臨界条件、と称する。また、基板P上において、液体LQの一部が分離を開始する基板Pの移動速度を適宜、臨界速度、と称し、加速度を適宜、臨界加速度、と称し、所定の一方向への移動距離を適宜、臨界移動距離、と称する。
ここで、以下の説明においては、簡単のため、基板Pの移動条件が、基板Pの移動速度である場合を例にして説明する。
本実施形態の評価装置ESは、液浸露光装置EXで使用される第1ノズル部材6と第2ノズル部材17とを交換することができる。
したがって、図9に示すように、本実施形態の評価装置ESでは、液浸露光装置EXで使用される第1ノズル部材6と、基板ステージ18に保持された基板Pの表面との間に第1液浸空間LS1を形成可能である。なお、評価装置ESに取り付けられる第1ノズル部材6は、液浸露光装置EXから取り外したものであってもよいし、液浸露光装置EXに取り付けられている第1ノズル部材6と同じ材料、同じ構造のものであってもよい。
評価装置ESに配置された第1ノズル部材6は、基板ステージ18に保持された基板Pとの間で液体LQを保持して、下面15と基板Pの表面との間に第1液浸空間LS1を形成可能である。また、本実施形態の評価装置ESにおいては、第1ノズル部材6の下面15と基板Pの表面との間に第1液浸空間LS1を良好に形成するために、第1ノズル部材6と一緒に、終端光学素子7と同等の材料、及び構造を有する部材(ダミーの先端光学素子)7Dが配置されている。
第1液浸空間LS1は、撥液膜Tcの一部と第1ノズル部材6との間に形成され、第1ノズル部材6は、撥液膜Tcの一部を覆うように局所的な液浸領域を形成する。評価装置ESの制御装置20は、基板ステージ18に保持された基板Pの撥液膜Tcの一部と第1ノズル部材6との間に液体LQを保持した状態で、基板ステージ駆動システム19を用いて、基板ステージ18に保持された基板Pを第1ノズル部材6に対して移動可能である。撮像装置25を含む検出装置23は、第1ノズル部材6に対して基板Pを移動させたときの撥液膜Tc上での液体LQの状態を検出可能である。検出装置23の検出結果は、制御装置20に出力される。第1ノズル部材6に対して基板Pを移動させたときの第1液浸空間LS1の画像は、表示装置26Aに表示される。
図10は、第1ノズル部材6の下面15と基板Pの撥液膜Tcとの間に液体LQを保持した状態で、第1ノズル部材6に対して基板PをY軸方向に移動させたときの液体LQの状態の一例を示す模式図である。図10には、一例として、第1ノズル部材6に対して基板Pを+Y方向に移動させたときの状態が示されている。
第1ノズル部材6を用いた場合においても、第1ノズル部材6に対する基板Pの移動条件に応じて、第1液浸空間LS1の液体LQの界面LG(LG1)の状態が変化したり、第1液浸空間LS1の液体LQの一部が分離したりする。
次に、撥液膜Tcの評価方法、及び基板Pの露光方法の一例について、図11〜図13のフローチャート図を参照して説明する。本実施形態においては、撥液膜Tcを評価するためのリファレンス情報を決定する処理(ステップSA1〜SA10)と、その決定されたリファレンス情報に基づいて撥液膜Tcを評価する処理(ステップSB1〜SB5)と、評価した結果に基づいて設定された露光条件の下で基板Pを液浸露光する処理(ステップSC1〜SC6)とが実行される。
リファレンス情報の決定処理は、撥液膜Tcとは異なるサンプル膜Tcnが形成された基板Pnが使用される。本実施形態においては、互いに異なるサンプル膜Tcnが形成された複数の基板Pnが使用される。本実施形態においては、撥液膜Tcを評価するためのリファレンス情報を取得するために、N種類のサンプル膜Tc1〜TcNが形成された基板P1〜PNが使用される。
リファレンス情報の決定処理の開始が指令されると(ステップSA1)、第1のサンプル膜Tc1が形成された基板P1が評価装置ESの基板ステージ18に搬入される(ステップSA2)。
評価装置ESは、液浸露光装置EXで使用される第1ノズル部材6と第1のサンプル膜Tc1が形成された基板P1との間に液体LQを保持した状態で、第1ノズル部材6に対して基板P1を複数の移動速度で移動させる。評価装置ESは、各移動速度での第1のサンプル膜Tc1上の液体LQの状態を検出装置23を用いて検出する(ステップSA3)。
評価装置ESは、検出装置23の検出結果に基づいて、第1ノズル部材6に対する第1のサンプル膜Tc1の臨界速度Vc11を導出する(ステップSA4)。第1ノズル部材6に対する基板P1の移動速度に応じて、第1のサンプル膜Tc1上における液体LQの状態が変化し、所定の移動速度(臨界速度Vc11)になると、第1のサンプル膜Tc1上において液体LQの一部が分離を開始する。評価装置EXは、検出装置23の検出結果に基づいて、第1ノズル部材6に対する第1のサンプル膜Tc1の臨界速度Vc11を導出可能である。
次に、評価装置ESは、第2ノズル部材17と第1のサンプル膜Tc1が形成された基板P1との間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板P1を複数の移動速度で移動させる。評価装置ESは、各移動速度での第1のサンプル膜Tc1上の液体LQの状態を検出装置23を用いて検出する(ステップSA5)。
評価装置ESは、検出装置23の検出結果に基づいて、第2ノズル部材17に対する第1のサンプル膜Tc1の臨界速度Vc21を導出する(ステップSA6)。図8等を参照して説明したように、第2ノズル部材17に対する基板P1の移動速度に応じて、第1のサンプル膜Tc1上における液体LQの状態が変化し、所定の移動速度(臨界速度Vc21)になると、第1のサンプル膜Tc1上において液体LQの一部が分離を開始する。評価装置EXは、検出装置23の検出結果に基づいて、第2ノズル部材17に対する第1のサンプル膜Tc1の臨界速度Vc21を導出可能である。
評価装置ESは、上述のステップSA2〜SA7の処理を、N種類のサンプル膜Tc1〜TcNのそれぞれについて実行する。すなわち、評価装置ESは、検出装置23を用いて、第1ノズル部材6を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc11〜Vc1N、及び第2ノズル部材17を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc21〜Vc2Nを取得する(ステップSA7)。
評価装置EXは、取得した臨界速度に基づいて、撥液膜Tcを評価するためのリファレンス情報を決定する(ステップSA8)。
図14は、決定されたリファレンス情報の一例を示す模式図である。本発明者は、第1ノズル部材6を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc11〜Vc1Nと、第2ノズル部材17を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc21〜Vc2Nとに基づいて、例えばフィッティング処理等の演算処理を実行することによって、図14に示すような、第1ノズル部材6を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc11〜Vc1Nと、第2ノズル部材17を用いたときの第1〜第Nのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc21〜Vc2Nとの相関関係を取得できることを見出した。図14には、一例として、第1ノズル部材6を用いたときの各サンプル膜Tc1〜TcNの臨界速度Vc11〜Vc1Nと第2ノズル部材17を用いたときの各サンプル膜Tc1〜TcNの臨界速度Vc21〜Vc2Nとの相関関係が線形の関係にある場合が示されている。本実施形態においては、図14に示すような相関関係を示すグラフが、リファレンス情報として決定される。決定されたリファレンス情報は、制御装置20に記憶される。また、図14に示すグラフは、表示装置26Aに表示される。以上により、リファレンス情報の決定処理が終了する(ステップSA9)。
次に、撥液膜Tcの評価処理が開始される(ステップSB1)。撥液膜Tcが形成された基板Pが評価装置ESの基板ステージ18に搬入される(ステップSB2)。
評価装置ESは、図5に示したように、第2ノズル部材17と撥液膜Tcが形成された基板Pとの間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板Pを所定の移動速度で移動させる。評価装置ESは、その移動速度での撥液膜Tc上の液体LQの状態を検出装置23を用いて検出する(ステップSB3)。
評価装置ESは、ステップSA9で決定されたリファレンス情報と、検出装置23で検出した、所定の移動速度で基板Pを移動したときの撥液膜Tc上での液体LQの状態とに基づいて、撥液膜Tcを評価する(ステップSB4)。
撥液膜Tcの評価は、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件を推測することを含む。本実施形態においては、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件は、液浸露光装置EXにおいて撥液膜Tcが形成された基板Pを第1ノズル部材6に対して移動するときの、基板Pの移動速度を含む。液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件(移動速度)の推測は、第1ノズル部材6と撥液膜Tcとの間に保持されていた液体LQの一部が分離を開始する臨界速度Vc1sを推測することを含む。
本実施形態においては、評価装置ESは、第2ノズル部材17と撥液膜Tcが形成された基板Pとの間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板Pを複数の移動速度で移動させ、各移動速度での撥液膜Tc上における液体LQの状態を検出装置23を用いて検出する。
評価装置ESは、第2ノズル部材17に対して基板Pを複数の移動速度で移動させ、各移動速度での撥液膜Tc上における液体LQの状態を検出装置23で検出して、撥液膜Tc上での液体LQの状態が所定状態となるときの第2ノズル部材17に対する基板Pの移動速度を導出する。所定状態は、液体LQの一部が分離を開始する状態を含む。評価装置ESは、検出装置23で検出された撥液膜Tc上での液体LQの状態が液体LQの一部が分離を開始するときの第2ノズル部材17に対する基板Pの移動速度(臨界速度Vc2s)を、ステップSA9で決定されたリファレンス情報と比較する。図14に示すように、第1ノズル部材6に対する臨界速度Vc1と第2ノズル部材17に対する臨界速度Vc2とは相関関係にあるので、検出装置23を用いて検出した、第2ノズル部材17に対する撥液膜Tcの臨界速度Vc2sと、リファレンス情報とを比較することによって、第1ノズル部材6に対する撥液膜Tcの臨界速度Vc1sを導出(推定)することができる。
以上により、第2ノズル部材17に対する基板P(撥液膜Tc)の移動速度と、その移動速度における液体LQの状態を検出装置23で検出した結果と、ステップSA9で決定されたリファレンス情報とに基づいて、第1ノズル部材6の臨界速度Vc1sを導出することができる。これにより、撥液膜Tcの評価処理が終了する(ステップSB5)。
次に、評価された撥液膜Tcが形成された基板Pの液浸露光処理が開始される(ステップSC1)。評価された撥液膜Tcが形成された基板Pが液浸露光装置EXの基板ステージ2に搬入される(ステップSC2)。次いで、露光装置EXは、搬入された基板Pの撥液膜Tcと第1ノズル部材6との間に液体LQを保持して第1液浸空間LS1を形成する(ステップSC3)。
図15の模式図に示すように、本実施形態の評価装置ESは、評価結果を露光装置EXに出力可能な出力装置30Aを含む通信装置30を備えており、検出装置23の検出結果とリファレンス情報とに基づく撥液膜Tcの評価結果、具体的には、臨界速度Tc1sに関する情報は、通信装置30を介して、露光装置EXに出力される。
露光装置EXは、評価装置ESでの評価結果に基づいて、露光条件を設定する(ステップSC4)。具体的には、露光装置EXは、基板Pを液浸露光するときの基板Pの移動速度が、評価装置ESで求めた臨界速度Vc1s以上にならないように、基板Pを液浸露光するときの基板Pの移動速度を設定する。なお、この場合、基板Pを液浸露光するときは、基板Pに露光光ELが照射されている期間だけでなく、一つのショット領域の露光終了後、次のショット領域の露光を開始するまでの期間も含む。
そして、露光装置EXは、評価装置ESの評価結果に基づいて設定された露光条件の下で、露光装置EXに搬入された基板P上の撥液膜Tcに液体LQを介して露光光ELを照射する(ステップSC5)。これにより、基板Pは液浸露光される。そして、複数のショット領域のそれぞれを、設定した露光条件の下で露光することによって、液浸露光処理が終了する(ステップSC6)。
本実施形態においては、液浸露光装置EX内において、基板Pを液浸露光するとき、第1ノズル部材6に対する基板Pの移動速度が臨界速度Vc1s以下に抑えられているので、第1液浸空間LS1の液体LQの一部が分離することを抑制しつつ、基板Pを液浸露光できる。液体LQの一部が分離すると、その分離した液体LQが、基板Pの外側に流出したり、基板P上に残留したりする可能性がある。その場合、パターン欠陥が生じる等、露光不良が発生する可能性がある。本実施形態においては、液体LQの一部が分離することを抑制しつつ、基板Pを良好に露光できる。
なお、ここでは、撥液膜Tcの評価が、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件(例えば、臨界速度Vc1s)を推測することである場合を例にして説明したが、撥液膜Tcの評価が、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用の可否を推測することであってもよい。例えば、第2ノズル部材17に対して撥液膜Tcが形成された基板Pを所定の移動速度で移動した場合、液体LQを良好に保持することができない場合、又は液体LQの一部が分離してしまう場合には、その撥液膜Tcは、液浸露光装置EXで使用不可であると評価される。
このように、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用の可否の推測は、基板Pを所定の移動速度で移動したときに、撥液膜Tcが液体LQの界面LGを所望状態に維持できるかどうか、具体的には、液体LQの一部が分離を開始しないかどうかを推測することを含む。
また、撥液膜Tcの評価が、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用の可否、及び液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件の両方を推測するものであってもよい。
なお、ここでは、基板Pの移動条件が、基板Pの移動速度である場合を例にして説明したが、上述のように、基板Pの移動条件は、基板Pの加速度(減速度)、及び所定の一方向への移動距離の少なくとも1つを含む。例えば、基板Pの加速度が大きいと、液体LQの一部が分離する可能性が高くなる。また、所定の一方向(例えば+Y方向)への移動距離が長くなると、液体LQの一部が分離する可能性が高くなる。評価装置ESは、上述のステップSA1〜SA10と同様の手順で、加速度、移動距離に関するリファレンス情報を取得でき、上述のステップSB1〜SB6と同様の手順で、臨界加速度、臨界移動距離を導出し、撥液膜Tcを評価できる。露光装置EXは、上述のステップSC1〜SC6と同様の手順で、臨界加速度、臨界移動距離に応じて設定された露光条件の下で、基板Pを液浸露光できる。
なお、ここでは、リファレンス情報を取得するとき、あるいは撥液膜Tcの評価をするときに、基板ステージ18(基板P)を所定の一方向(例えば+Y方向)に直線移動しているが、基板PをθZ方向に回転させてもよい。この場合、基板ステージ18は、保持した基板Pを回転可能な回転機構を有する。また、この場合の基板Pの移動条件は、基板Pの回転速度、回転加速度、及び基板Pの回転中心と基板P上の液浸空間との距離を含む。リファレンス情報を取得するとき、あるいは撥液膜Tcの評価をするときには、これら回転速度、回転加速度、及び基板Pの回転中心と基板P上の液浸空間との距離を含む基板Pの移動条件(回転条件)が適宜変更される。
以上説明したように、本実施形態によれば、液浸露光用の撥液膜Tcを評価するためのリファレンス情報を適切に決定できる。そして、そのリファレンス情報を用いて、液浸露光用の撥液膜Tcの評価を適切に実行できる。そして、評価結果に基づいて、液浸露光するときの撥液膜Tcの使用条件を適切に設定できるので、例えば液体LQが漏出する等の不具合の発生を抑制しつつ、基板Pを効率良く良好に露光できる。本実施形態によれば、液体LQの漏出が発生しない範囲で、基板Pの移動速度、加速度等を高速にできるので、所望の性能を有するデバイスを高い生産性で製造できる。
なお、第1ノズル部材6を用いるステップSA3、SA4を行った後に、基板Pを基板ステージ18からアンロードし、同じサンプル膜(例えばTc1)が形成された基板Pを基板ステージ18にロードして、第2ノズル部材17を用いるステップSA5、SA6を行ってもよい。
また、第1ノズル部材6を用いるステップSA3,SA4を、すべてのサンプル膜Tc1〜TcNに対して実行した後に、第2ノズル部材17を用いるステップSA5,SA6をすべてのサンプル膜Tc1〜TcNに対して実行してもよい。
また、以上の説明において、第2ノズル部材17を用いるステップSA5,SA6を行った後に、第1ノズル部材6を用いるステップSA3,SA4を実行してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。なお、以下の説明においても、基板Pの移動条件が、基板Pの移動速度である場合を例にして説明するが、基板Pの移動条件が、加速度、所定の一方向への移動距離の場合も同様である。
上述の第1実施形態においては、リファレンス情報を決定するために、評価装置ESに第1ノズル部材6を配置し、評価装置ESにおいて第1ノズル部材6とサンプル膜Tc1〜TcNのそれぞれとの間に液体LQを保持した状態で、第1ノズル部材6に対して基板P1〜PNのそれぞれを複数の移動速度で移動させたときの液体LQの状態を検出している。第2実施形態の特徴的な部分は、露光装置EXにおいて第1ノズル部材6とサンプル膜Tc1〜TcNのそれぞれとの間に液体LQを保持した状態で、第1ノズル部材6に対して基板P1〜PNのそれぞれを複数の移動速度で移動させたときの液体LQの状態を検出する点にある。この場合、図16の模式図に示すように、上述の検出装置23と同様の検出装置23Eが露光装置EXに配置される。
本実施形態においては、露光装置EXの基板ステージ2にサンプル膜Tc1〜TcNが形成された基板P1〜PNが搬入される。そして、露光装置EXは、図11のステップSA3、SA4で説明した手順と同等の手順で、第1ノズル部材6を用いたときのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc11〜Vc1Nを検出する。
図16の模式図に示すように、本実施形態の評価装置ESは、入力装置30Bを含む通信装置30を備えており、露光装置EXで検出された、第1ノズル部材6を用いたときのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc11〜Vc1Nに関する情報は、通信装置30の入力装置30Bを介して、評価装置ESに入力される。また、評価装置ESは、図11のステップSA5、SA6で説明した手順と同等の手順で、第2ノズル部材17を用いたときのサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれの臨界速度Vc21〜Vc2Nを検出する。
評価装置ESの制御装置20は、露光装置EXより供給された、第1ノズル部材6とサンプル膜Tc1〜TcNのそれぞれとの間に液体LQを保持した状態で第1ノズル部材6に対して基板P1〜PNのそれぞれを移動させたときのサンプル膜Tc1〜TcN上の液体LQの状態の検出結果と、評価装置ESで検出した、第2ノズル部材17とサンプル膜Tc1〜TcNのそれぞれとの間に液体LQを保持した状態で第2ノズル部材17に対して基板P1〜PNのそれぞれを移動させたときのサンプル膜Tc1〜TcN上の液体LQの状態の検出結果とに基づいて、リファレンス情報を決定する。
その後、評価装置ESは、上述の第1実施形態の図12を参照して説明した手順と同様の手順で、撥液膜Tcの評価処理を実行する。評価結果は、通信装置30の出力装置30Aを介して露光装置EXに出力される。露光装置EXは、評価結果に基づいて設定された露光条件の下で、撥液膜Tcが形成された基板Pを液浸露光する。
なお、上述の第2実施形態においては、液浸露光装置EX内で、第1ノズル部材6を用いたときのサンプル膜それぞれの臨界速度を求めているが、第1ノズル部材6を用いたときのサンプル膜それぞれの臨界速度を求めるための評価装置と、第2ノズル部材17を用いたときのサンプル膜それぞれの臨界速度を求めるための評価装置とをそれぞれ用意してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
本実施形態においては、図17の模式図に示すように、評価装置ESは、第1ノズル部材6を使って決定されたリファレンス情報を予め記憶した記憶装置31を備えている。評価装置ESは、第2ノズル部材17と撥液膜Tcが形成された基板Pとの間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板Pを所定の移動速度で移動させ、そのときの撥液膜Tc上の液体LQの状態を検出装置23で検出する。評価装置ESは、検出装置23で検出された撥液膜Tc上での液体LQの状態が所定状態(液体LQの一部が分離を開始する状態)となるときの第2ノズル部材17に対する基板Pの移動速度(臨界速度Vc2s)を、記憶装置31に記憶されているリファレンス情報と比較する。
評価装置ESは、その比較の結果に基づいて、液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用の可否、又は液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件(臨界速度Vc1s)を推測し、決定する。
このように、リファレンス情報の決定処理を実行することなく、例えば記憶装置31に予め記憶されているリファレンス情報に基づいて、液浸露光装置EXで撥液膜Tcが形成された基板Pを使用可能か否か、又は液浸露光装置EXで撥液膜Tcが形成された基板Pを液浸露光するときの使用可能条件(例えば、臨界速度Vc1s)を決定することができる。
なお、上述の第1〜第3実施形態において、第1液浸空間LS1の液体LQ、及び第2液浸空間LS2の液体LQのそれぞれは、水(純水)であるが、第1液浸空間LS1の液体LQと第2液浸空間LS2の液体LQとが異なる液体であってもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図18は、第4実施形態に係る露光装置EXの一例を示す模式図である。本実施形態の特徴的な部分は、露光装置EXが、撥液膜Tcの評価を実行するための第2ノズル部材17を備えている点にある。図18において、露光装置EXは、露光光ELが通過する終端光学素子7と、終端光学素子7と対向する物体と終端光学素子7との間の露光光ELの光路を液体LQで満たすための第1ノズル部材6と、第1ノズル部材6と異なる第2ノズル部材17と、撥液膜Tcが形成された基板Pを保持する基板ステージ2と、基板ステージ2に保持された基板Pの撥液膜Tcの一部と第2ノズル部材17との間に液体LQを保持した状態で、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動可能な基板ステージ駆動システム4と、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動させたときの撥液膜Tc上での液体LQの状態を検出する検出装置23Eとを備えている。なお、図18においては、検出装置23Eの図示を省略してある。
本実施形態の露光装置EXは、例えば特開2000−164504号公報(対応米国特許第6,897,963号)等に開示されているような、基板Pを保持する基板ステージ2と計測器を搭載した計測ステージ40とを備えた露光装置である。終端光学素子7と対向する位置には、基板ステージ2、計測ステージ40、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも1つが配置可能である。
本実施形態においては、露光装置EXの制御装置5には、撥液膜Tcを評価するためのリファレンス情報が予め記憶されている。制御装置5は、基板ステージ2に搬入された撥液膜Tcが形成された基板Pの評価処理を、第2ノズル部材17を使って、図12のステップSB3、SB4と同等の手順で実行する。制御装置5は、第2ノズル部材17に対する基板Pの移動速度と、検出装置23の検出の結果とに基づいて、撥液膜Tcの使用の可否、又は液浸露光装置EXにおける撥液膜Tcの使用可能条件(例えば、臨界速度Vc1s)を決定する。制御装置5は、その決定された使用可能条件に基づく露光条件の下で、基板ステージ2に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。
また、本実施形態においては、第1ノズル部材6で形成される第1液浸空間LS1の液体LQと、第2ノズル部材17で形成される第2液浸空間LS2の液体LQとは、同一である事が望ましいが、異なっていてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。図19(A)は、第5実施形態に係る第2ノズル部材171を示す模式図である。図19(A)に示すように、第2ノズル部材171は、下面22の外側に設けられた撥液性の第2下面42を有している。具体的には、本実施形態の第2ノズル部材171は、供給口21が形成された下面22を有し、例えばチタン等の親液性を有する材料で形成された筒状の第1部材17Aと、第1部材17Aの周囲に配置された第2下面42を有し、例えばポリ四フッ化エチレン等の撥液性を有する材料で形成された筒状の第2部材17Bとを含む。本実施形態においては、第2下面42の液体LQとの接触角は、80度以上である。
図19(B)は、第2ノズル部材171に対して基板Pを+Y方向に移動したときの状態を示す模式図である。本実施形態においては、下面22の周囲に、撥液性の第2下面42が配置されているので、第2液浸空間LS2をより一層、良好に形成できる。したがって、複数のサンプル膜Tc1〜TcNそれぞれとの間に第2液浸空間LS2を形成したり、複数の移動速度で移動する基板Pとの間に第2液浸空間LS2を形成したりするときの再現性を向上することができる。したがって、撥液膜Tcの評価、リファレンス情報の決定を良好に実行できる。
なお、上述の第1〜第5実施形態においては、液体LQの一部が分離を開始するとき臨界速度に基づいて、リファレンス情報を決定したり、基板Pの表面を形成する膜の評価を行っているが、上述したように、液体LQの界面LGの移動距離、及び/または液体LGと膜との接触角θに基づいてリファレンス情報を決定したり、膜の評価を行ってもよい。
また、上述の第1〜第5実施形態においては、撥水膜Tcを評価する場合を例にして説明したが、例えば図20に示すような、撥液膜Tcが無く、表面が感光膜Rgで形成された基板Pを、上述の各実施形態で説明した評価方法を用いて評価することができる。また、評価対象である基板Pの表面を形成する膜は、例えば反射防止膜であってもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第2ノズル部材17に対して基板Pを移動して、その基板Pの評価を実行したり、リファレンス情報を決定したりしているが、第2ノズル部材17を可動とし、基板Pに対して第2ノズル部材17を移動するようにしてもよい。また、第2ノズル部材17と基板Pとの両方を移動するようにしてもよい。同様に、第1ノズル部材6を稼動とし、基板Pに対して第1ノズル部材6を移動するようにしてもよいし、第1ノズル部材6と基板Pとの両方を移動するようにしてもよい。
なお、上述の各実施形態において、投影光学系PLの終端光学素子7の像面(射出面)側の光路が液体LQで満たされているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子7の物体面(入射面)側の光路も液体で満たすことができる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系、あるいは基板の表面を形成する感光材(フォトレジスト)の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル、セダー油等を用いることも可能である。また、液体LQとして、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。更に、石英及び蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で、液体LQと接触する投影光学系PLの光学素子(最終光学素子FLなど)を形成してもよい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
また、例えば露光光ELがFレーザ光である場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能なもの、例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フッ素系オイル等のフッ素系流体を用いることができる。
また、上述の実施形態において、第1ノズル部材など液浸露光装置EXに用いられる液浸システムの構成は上述のものに限られず、例えば国際公開第2004/086468号パンフレット、国際公開第2005/024517号パンフレット、米国特許公開第2004/0207824A1などに開示されている液浸システムを用いることもできる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。例えば、第1のショット領域を露光した後、次の第2のショット領域を露光するときのステッピング動作において、上述の各実施形態で説明したような評価方法を用いて、臨界条件(臨界速度等)を超えないように、基板Pの移動条件が設定される。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば特表2004−519850号公報(対応米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報、米国特許6,341,007号、米国特許6,400,441号、米国特許6,549,269号、及び米国特許6,590,634号、米国特許6,208,407号、米国特許6,262,796号などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、上述したように、例えば特開2000−164504号公報(対応米国特許第6,897,963号)等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、干渉計システム(9M、9P)を用いてマスクステージ1及び基板ステージ2の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、国際公開第1999/46835号パンフレット(対応米国特許7,023,610号)に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上述の実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、可変成形マスクとしては、DMDに限られるものでなく、DMDに代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで、非発光型画像表示素子は、所定方向へ進行する光の振幅(強度)、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、上述のDMDの他に、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electro Phonetic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。この場合、照明系は不要となる。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、パターン形成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成しても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
また、上述の各実施形態の構成要件は適宜組み合わせることができる。
なお、法令で許容される限りにおいて、上記各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図21に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態に従って、終端光学素子7と基板Pとの間を液体LQで満たしながらマスクMのパターンの像で基板Pを露光し、露光された基板を現像する基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1ノズル部材の近傍を示す図である。 露光される基板の移動軌跡の一例を示す図である。 第1実施形態に係る基板の一例を示す図である。 第1実施形態に係る評価装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る評価装置の一例を示す模式図である。 第2ノズル部材で形成される第2液浸空間の状態の一例を示す模式図である。 第2ノズル部材で形成される第2液浸空間の状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る評価装置の一例を示す概略構成図である。 第1ノズル部材で形成される第1液浸空間の状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係るリファレンス情報の決定処理の手順の一例を示すフローチャート図である。 第1実施形態に係る評価処理の手順の一例を示すフローチャート図である。 第1実施形態に係る露光処理の手順の一例を示すフローチャート図である。 決定されたリファレンス情報の一例を示す図である。 第1実施形態に係る評価装置と露光装置との関係の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る評価装置と露光装置との関係の一例を示す模式図である。 第3実施形態に係る評価装置と露光装置との関係の一例を示す模式図である。 第4実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第5実施形態に係る第2ノズル部材の一例を示す図である。 基板の別の実施形態を示す図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
2…基板ステージ、4…基板ステージ駆動システム、5…制御装置、6…第1ノズル部材、7…終端光学素子、17…第2ノズル部材、18…基板ステージ、19…基板ステージ駆動システム、20…制御装置、21…供給口、22…下面、23…検出装置、25…撮像装置、26A…表示装置、30…通信装置、30A…出力装置、30B…入力装置、31…記憶装置、42…第2下面、ES…評価装置、EX…露光装置、LG…界面、LQ…液体、LS1…第1液浸空間、LS2…第2液浸空間、P…基板、P1〜PN…基板、Rg…感光膜、Tc…撥液膜、Tc1〜TcN…サンプル膜

Claims (47)

  1. 液浸露光用の第1膜を評価するためのリファレンス情報を決定する決定方法であって、
    液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記第1液体保持部材と前記基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、
    前記第1液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第2膜上の液体の状態を検出することと、
    前記液浸露光装置で使用される前記第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と前記第2膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記第2液体保持部材と前記基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第2膜上の液体の状態を検出することと、
    前記検出の結果と、前記第1液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と、前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件とに基づいて前記リファレンス情報を決定することと、を含む決定方法。
  2. 前記第1液体保持部材と前記第2膜と異なる第3膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記第1液体保持部材と前記基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、
    前記第1液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第3膜上の液体の状態を検出することと、
    前記第2液体保持部材と前記第3膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記第2液体保持部材と前記基板とを複数の移動条件で相対的に移動させることと、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第3膜上の液体の状態を検出することと、をさらに含み、
    前記リファレンス情報は、前記第2膜を用いたときの、前記検出の結果と、前記第1液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と、前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件、及び前記第3膜を用いたときの、前記検出の結果と、前記第1液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と、前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件に基づいて決定される請求項1記載の決定方法。
  3. 前記リファレンス情報は、前記第2膜上において前記液体の一部が分離を開始する前記第1液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と、前記第2膜上において前記液体の一部が分離を開始する前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件とに基づいて決定される請求項1又は2記載の決定方法。
  4. 前記膜は、感光膜を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の決定方法。
  5. 前記膜は、感光膜上に形成される撥液性の膜を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の決定方法。
  6. 前記第2液体保持部材は、前記液体を供給する供給口を有する請求項1〜5のいずれか一項記載の決定方法。
  7. 前記検出は、光学的に行われる請求項1〜6のいずれか一項記載の決定方法。
  8. 前記検出は、前記液体の光学像の取得を含む請求項7記載の決定方法。
  9. 前記検出は、前記液体の界面の状態の検出を含む請求項1〜8のいずれか一項記載の決定方法。
  10. 前記検出は、前記液体の界面の形状の検出を含む請求項9記載の決定方法。
  11. 前記検出は、前記液体の界面の位置情報の検出を含む請求項1〜10のいずれか一項記載の決定方法。
  12. 前記検出は、前記第2膜に対する前記液体の接触角の検出を含む請求項1〜11のいずれか一項記載の決定方法。
  13. 前記移動条件は、速度、加速度、所定の一方向への距離の少なくとも1つを含む請求項1〜12のいずれか一項記載の決定方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項記載の方法を用いて決定されたリファレンス情報に基づいて、前記第1膜を評価する評価方法。
  15. 前記第2液体保持部材と前記第1膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記基板と前記第2液体保持部材とを所定の移動条件で相対的に移動することと、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動したときの前記第1膜上での前記液体の状態を検出することと、
    前記第1膜上での前記液体の状態に基づいて前記第1膜を評価する請求項14記載の評価方法。
  16. 前記第1膜の評価は、前記液浸露光装置における前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測することを含む請求項14又は15記載の評価方法。
  17. 前記使用可能条件は、前記液浸露光装置において前記第1膜が形成された基板を前記第1液体保持部材に対して移動するときの、前記基板の速度、加速度、所定の一方向への距離の少なくとも1つを含む請求項16記載の評価方法。
  18. 液浸露光用の第1膜の評価方法であって、
    液浸露光装置で使用される第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と前記第1膜が形成された基板との間に液体を保持した状態で、前記第2液体保持部材と前記基板とを所定の移動条件で相対的に移動させることと、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第1膜上の液体の状態を検出することと、
    前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件、及び前記検出の結果に基づいて、前記液浸露光装置における前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測することと、を含む評価方法。
  19. 前記検出された第1膜上での液体の状態が所定状態となるときの前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件を、前記第1液体保持部材を使って決定されたリファレンス情報と比較することをさらに含み、
    該比較の結果に基づいて、前記液浸露光装置における前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測する請求項18記載の評価方法。
  20. 前記比較は、前記第1膜上で前記液体の一部が分離を開始するときの前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と前記リファレンス情報との比較を含む請求項19記載の評価方法。
  21. 前記第1膜は、感光膜を含む請求項18〜20のいずれか一項記載の評価方法。
  22. 前記第1膜は、感光膜上に形成される撥液性の膜を含む請求項18〜20のいずれか一項記載の評価方法。
  23. 前記第2液体保持部材は、前記液体を供給する供給口を有する請求項18〜22のいずれか一項記載の評価方法。
  24. 前記検出は、光学的に行われる請求項18〜23のいずれか一項記載の評価方法。
  25. 前記検出は、前記液体の光学像の取得を含む請求項24記載の評価方法。
  26. 前記検出は、前記液体の界面の状態の検出を含む請求項18〜25のいずれか一項記載の評価方法。
  27. 前記検出は、前記液体の界面の形状の検出を含む請求項26記載の評価方法。
  28. 前記検出は、前記液体の界面の位置情報の検出を含む請求項18〜27のいずれか一項記載の評価方法。
  29. 前記検出は、前記第1膜に対する前記液体の接触角の検出を含む請求項18〜28のいずれか一項記載の評価方法。
  30. 前記移動条件は、速度、加速度、所定の一方向への距離の少なくとも1つを含む請求項18〜29のいずれか一項記載の評価方法。
  31. 前記検出は、複数の移動条件で実行される請求項18〜30のいずれか一項記載の評価方法。
  32. 前記使用可能条件は、前記液浸露光装置において前記第1膜が形成された基板を移動するときの、前記基板の速度、加速度、所定の一方向への距離の少なくとも1つを含む請求項18〜31のいずれか一項記載の評価方法。
  33. 請求項18〜32のいずれか一項記載の評価方法を用いて膜を評価することと;
    前記評価された膜が形成された基板を前記液浸露光装置に搬入することと;
    前記液浸露光装置に搬入された前記基板の膜と前記第1液体保持部材との間に液体を保持することと;
    前記評価結果に基づいて設定された露光条件の下で、前記液浸露光装置に搬入された前記基板上の膜に前記液体を介して露光光を照射することと;
    を含む露光方法。
  34. 液浸露光用の第1膜を評価する評価装置であって、
    液浸露光装置で使用される第1液体保持部材とは異なる第2液体保持部材と、
    前記第1膜が形成された基板を保持する基板保持部材と、
    前記基板保持部材に保持された前記基板の第1膜の一部と前記第2液体保持部材との間に液体を保持した状態で、前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させる移動装置と、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第1膜上での液体の状態を検出する検出装置と、を備え、
    前記移動条件と前記検出の結果とに基づいて、前記液浸露光装置における前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測する評価装置。
  35. 前記第2液体保持部材は前記液体を供給する供給口を有する請求項34記載の評価装置。
  36. 前記第2液体保持部材は、前記供給口の周囲に設けられた親液性の第1面を有し、
    前記検出を行うときに、前記基板保持部材に保持された前記基板の第1膜と前記第2液体保持部材の第1面との間に前記液体が保持される請求項35記載の評価装置。
  37. 前記第2液体保持部材は、前記第1面の外側に設けられた撥液性の第2面を有する請求項36記載の評価装置。
  38. 前記第2面の前記液体との接触角は、80度以上である請求項37記載の評価装置。
  39. 前記検出装置は、前記液体の光学像を取得する撮像装置を含む請求項34〜38のいずれか一項記載の評価装置。
  40. 前記検出装置の検出結果を出力する出力装置を備えた請求項34〜39のいずれか一項記載の評価装置。
  41. 前記移動条件は、移動速度、加速度、及び所定の一方向に移動するときの移動距離の少なくとも1つを含む請求項34〜40のいずれか一項記載の評価装置。
  42. 前記使用可能条件は、前記液浸露光装置において前記第1膜が形成された基板を移動するときの、前記基板の速度、加速度、所定の一方向への距離の少なくとも1つを含む請求項34〜41のいずれか一項記載の評価装置。
  43. 前記第1液体保持部材を使って決定されたリファレンス情報を記憶する記憶装置をさらに備え、
    前記検出装置を使って検出される前記第1膜上での液体の状態が所定状態となるときの前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件を、前記リファレンス情報と比較することによって、前記液浸露光装置における前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を推測する請求項34〜42のいずれか一項記載の評価装置。
  44. 前記比較は、前記第1膜上で前記液体の一部が分離を開始するときの前記第2液体保持部材と前記基板との相対的な移動条件と前記リファレンス情報との比較を含む請求項43記載の評価装置。
  45. 液浸露光装置であって、
    露光光が通過する光学素子と、
    前記光学素子と対向する物体と前記光学素子との間の光路を第1液体で満たすための第1液体保持部材と、
    前記第1液体保持部材と異なる第2液体保持部材と、
    前記第1膜が形成された基板を保持する基板保持部材と、
    前記基板保持部材に保持された前記基板の第1膜の一部と前記第2液体保持部材との間に第2液体を保持した状態で、前記基板と前記第2液体保持部材とを相対的に移動させる移動装置と、
    前記第2液体保持部材と前記基板とを相対的に移動させたときの前記第1膜上での第2液体の状態を検出する検出装置と、を備え、
    前記移動条件と前記検出の結果とに基づいて、前記第1膜の使用の可否、又は前記液浸露光装置における前記第1膜の使用可能条件、又はその両方を決定する液浸露光装置。
  46. 前記第1液体と前記第2液体とは同一である請求項45記載の液浸露光装置。
  47. 請求項45又は46記載の液浸露光装置で、前記光学素子と基板との間を前記第1液体で満たしながら前記基板を露光することと、
    該露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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