以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、例えば特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報(対応米国特許第6,590,634号)、特表2000−505958号公報(対応米国特許第5,969,441号)、特表2000−511704号公報(対応米国特許第5,815,246号)、特開2000−323404号公報(対応米国特許第6,674,510号)、特開2000−505958号公報(対応米国特許第5,969,081号)、特表2001−513267号公報(対応米国特許第6,208,407号)、特開2002−158168号公報(対応米国特許第6,710,849号)等に開示されているような、基板Pを保持しながら移動可能な複数(2つ)の基板ステージ1、2を備えたマルチステージ型(ツインステージ型)の露光装置である場合を例にして説明する。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、基板Pを保持しながら移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持しながら移動可能な第2基板ステージ2とを有する。なお、マルチステージ型(ツインステージ型)の露光装置は、米国特許第6,341,007、6,400,441、6,549,269及び6,590,634号に開示されており、指定国又は選択国の法令が許す限りにおいて、これらの米国特許を援用して本文の記載の一部とする。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持ながら移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持しながら移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持しながら移動可能な第2基板ステージ2と、マスクステージ3を移動するマスクステージ駆動システム4と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動する基板ステージ駆動システム5と、各ステージ1、2、3の位置情報を計測するレーザ干渉計6Px、6Py、6Pz、6Mを含む計測システム6と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7と、制御装置7に接続され、露光に関する各種情報を記憶した記憶装置10とを備えている。
なお、ここでいう基板Pは、デバイスを製造するための基板であって、例えば、シリコンウエハのような半導体ウエハ等の基材に感光材(フォトレジスト)、保護膜(トップコート膜)などの各種の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含み、例えばガラス板等の透明板部材上にクロム等の遮光膜を用いて所定のパターンが形成されたものである。また、本実施形態においては、マスクMとして透過型のマスクを用いるが、反射型のマスクを用いることもできる。この透過型マスクは、遮光膜でパターンが形成されるバイナリーマスクに限られず、例えばハーフトーン型、あるいは空間周波数変調型などの位相シフトマスクも含む。
露光装置EXは、基板Pに露光光ELを照射する露光ステーションST1と、露光に関する所定の計測及び基板Pの交換を行う計測ステーションST2とを備えている。露光装置EXは、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれを移動可能に支持するガイド面GFを有するベース部材BPを備えており、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれは、基板Pを保持しながら、ガイド面GF上を、露光ステーションST1と計測ステーションST2との間で移動可能である。本実施形態においては、ガイド面GFは、XY平面とほぼ平行であり、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2は、ガイド面GFに沿って、XY方向(二次元方向)及びθZ方向に移動可能である。
露光ステーションST1には、照明系IL、マスクステージ3、及び投影光学系PL等が配置されている。投影光学系PLは、複数の光学素子を有する。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子8は、露光光ELを射出する光射出面(下面)を有する。第1基板ステージ1は、露光光ELを射出する投影光学系PLの終端光学素子8の光射出側(投影光学系PLの像面側)で移動可能である。第2基板ステージ2は、投影光学系PLの終端光学素子8の光射出側(投影光学系PLの像面側)で、第1基板ステージ1と独立して移動可能である。図示していないが、投影光学系PLは、防振機構を介して3本の支柱で支持される鏡筒定盤に搭載されるが、例えば国際公開第2006/038952号パンフレットに開示されているように、投影光学系PLの上方に配置される不図示のメインフレーム部材、あるいはマスクステージ3が載置されるマスクベースなどに対して投影光学系PLを吊り下げ支持しても良い。
計測ステーションST2には、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の少なくとも一方に保持された基板Pの位置情報を取得するためのアライメント系AL、及びフォーカス・レベリング検出系FL等、基板Pの露光に関する計測を実行可能な各種計測装置が配置されている。アライメント系ALは、複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pの位置情報を取得する。フォーカス・レベリング検出系FLも、複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pの位置情報を取得する。
計測ステーションST2の近傍には、基板Pの交換を行うための搬送システムHが設けられている。制御装置7は、搬送システムHを用いて、計測ステーションST2の基板交換位置(ローディングポジション)に移動した第1基板ステージ1(又は第2基板ステージ2)より露光処理済みの基板Pをアンロード(搬出)するとともに、露光処理されるべき基板Pを第1基板ステージ1(又は第2基板ステージ2)にロード(搬入)する基板交換作業を実行可能である。なお、本実施形態では、計測ステーションST2内でローディングポジションとアンローディングポジションとが同一位置であるものとしたが、異なる位置でロードとアンロードとを行っても良い。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに、焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、露光光ELの光路空間を液体LQで満たすように、液体LQの液浸空間LSを形成可能なノズル部材30を備えている。露光光ELの光路空間は、露光光ELが進行する光路を含む空間である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた空間である。ノズル部材30は、液浸空間形成部材あるいはcontainment member(又はconfinement member)などとも呼ばれる。露光装置EXは、投影光学系PLと液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射して、その基板Pを露光する。
ノズル部材30は、例えば特開2004−289126号公報(対応米国特許第6,952,253号)、特開2004−289128号公報(対応米国特許第7,110,081号)等に開示されているようなシール部材を含み、露光光ELの光路空間に対して液体LQの供給及び回収を行う流路を備えている。なお、図においては、流路の図示を省略してある。流路には、その流路を介して露光光ELの光路空間に液体LQを供給する液体供給装置(不図示)及び液体LQを回収する液体回収装置(不図示)が接続される。液体供給装置は、流路を介して液浸空間LSを形成するための液体LQを露光光ELの光路空間に供給可能であり、液体回収装置は、流路を介して液浸空間LSの液体LQを回収可能である。液体供給装置は、液体LQを送出可能な液体供給部、液体供給部にその一端部を接続する供給管、液体LQを収容するタンク、フィルタ、及び加圧ポンプ等を備える。液体回収装置は、液体LQを回収可能な液体回収部、液体回収部にその一端部を接続する回収管、液体LQを収容するタンク、フィルタ、及び吸引ポンプ等を備える。なお、露光装置EXは、液体供給装置及び液体回収装置並びにそれらを構成するタンク、フィルタ部、ポンプなどのすべてを備えている必要はなく、それらの全てまたは一部を、露光装置EXが設置される工場などの設備で代用してもよい。
本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。純水はArFエキシマレーザ光のみならず、例えば水銀ランプから射出される輝線及びKrFエキシマレーザ光等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。光学素子8は螢石(CaF2)から形成されている。螢石は水との親和性が高いので、光学素子8の液体接触面2aのほぼ全面に液体1を密着させることができる。なお、光学素子8は水との親和性が高い石英であってもよい。
なお、ノズル部材30として、例えば国際公開第2004/086468号パンフレット(対応米国特許出願公開第2005/0280791号)、国際公開第2005/024517号パンフレット、欧州特許出願公開第1420298号明細書、国際公開第2004/055803号パンフレット、国際公開第2004/057589号パンフレット、国際公開第2004/057590号パンフレット、国際公開第2005/029559号パンフレット(対応米国特許出願公開第2006/0231206号)、米国特許第6,952,253号などに開示されているような構造のノズル部材を用いることもできる。
ノズル部材30は、そのノズル部材30と対向する物体との間に液浸空間LSを形成可能である。本実施形態においては、ノズル部材30は、投影光学系PLの終端光学素子8の近傍に配置されており、終端光学素子8の光射出側(投影光学系PLの像面側)において、露光光ELが照射可能な位置に配置された物体との間、すなわち終端光学素子8の光射出面と対向する位置に配置された物体との間に液浸空間LSを形成可能である。ノズル部材30は、その物体との間で液体LQを保持することによって、終端光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間、具体的には終端光学素子8と物体との間の露光光ELの光路空間を液体LQで満たすように、液体LQの液浸空間LSを形成する。
ノズル部材30は、例えば、投影光学系PLの光学素子8と対向する内側面に形成される供給口と、物体が対向して配置される下面(底面)に形成される回収口と、内部に形成されかつ液体供給装置の供給管及び液体回収装置の回収管とそれぞれ接続される供給流路及び回収流路とを備える。供給口は、光学素子8の+X方向側に形成される第1供給口と、光学素子8の−X方向側に形成される第2供給口とを含み、第1、第2供給口は投影領域をX方向に挟むように配置され得る。供給口は、Y方向に細長い矩形状または円弧状等であってもよい。回収口は、投影光学系PLの光学素子8を囲むように配置された矩形(円形等でもよい)の枠状であり、かつ供給口より光学素子8に対して外側に設けられ得る。また、回収口は溝状の凹部であっても良いし、回収口を覆うように網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが嵌め込まれていてもよい。
ノズル部材30は、投影光学系PLを保持するメインフレーム(不図示)に吊り下げ支持されてもよいし、メインフレームとは別のフレーム部材に設けてもよい。あるいは、投影光学系PLが吊り下げ支持される場合は、投影光学系PLと一体にノズル部材30を吊り下げ支持してもよいし、投影光学系PLとは独立に吊り下げ支持される計測フレームなどにノズル部材30を設けてもよい。後者の場合、投影光学系PLを吊り下げ支持していなくてもよい。
ノズル部材30及び終端光学素子8と対向可能な物体は、終端光学素子8と対向可能な対向面を有し、終端光学素子8の光射出側で移動可能な物体を含む。本実施形態においては、ノズル部材30及び終端光学素子8と対向可能な物体は、終端光学素子8の光射出側で移動可能な第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の少なくとも一方を含む。また、ノズル部材30及び終端光学素子8と対向可能な物体は、第1、第2基板ステージ1、2に保持された基板Pも含む。第1、第2基板ステージ1、2(第1、第2基板テーブル12、22)のそれぞれは、ノズル部材30及び終端光学素子8と対向可能な対向面15、25を有し、ノズル部材30及び終端光学素子8と対向する位置に移動可能であり、ノズル部材30及び終端光学素子8と対向面15、25の少なくとも一部との間で、液体LQを保持可能な空間を形成可能である。なお、物体は後述の計測ステージを含んでも良い。また、ノズル部材30及び終端光学素子8と物体との間に形成される液浸空間LSは、その物体上では単に液浸領域などとも呼ばれる。
ノズル部材30は、その第1、第2基板ステージ1、2の対向面15、25の少なくとも一部との間で液体LQを保持することによって、終端光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間を液体LQで満たすように、ノズル部材30及び終端光学素子8と第1、第2基板ステージ1、2との間に液体LQの液浸空間LSを形成可能である。
本実施形態においては、ノズル部材30は、物体の表面の一部の領域(局所的な領域)が液浸空間LSの液体LQで覆われるように、終端光学素子8及びノズル部材30と、物体(第1基板ステージ1、第2基板ステージ2、及び基板Pの少なくとも1つ)との間に液浸空間LSを形成する。すなわち、本実施形態においては、露光装置EXは、少なくとも基板Pの露光中に、基板P上の一部の領域が液浸空間LSの液体LQで覆われるように、終端光学素子8及びノズル部材30と基板Pとの間に液浸空間LSを形成する局所液浸方式を採用する。本実施形態では、液浸空間LSを形成する局所液浸装置(液浸システム)はノズル部材30などを含んで構成される。なお、基板Pの周辺のショット領域の露光では、液浸空間LSが基板Pからはみ出して、対向面15、25の一部も液体LQで覆われる。
また、後述するように、本実施形態においては、露光装置EXは、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれに設けられ、レーザ干渉計6Pzからの位置計測用の計測光MLが照射される斜面(XY平面に対して傾いた面)を有する計測ミラー1Rz、2Rzと、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれに設けられ、計測ミラー1Rz、2RzよりもXY平面内において外側に張り出す端面を有し、計測光MLを透過可能な透過領域を有する所定部材81、82(以下、「透過部材」という)を備えている。透過部材81は、第1基板ステージ1に設けられ、透過部材82は、第2基板ステージ2に設けられている。透過部材81、82は、上面及び下面を有する板状の部材である。透過部材81、82は、ノズル部材30及び終端光学素子8との間で、液体LQを保持可能な空間を形成可能である。なお、第1、第2基板ステージ1、2の一方のみに透過部材を設けてもよい。
計測ステーションST2のアライメント系ALは、物体(第1基板ステージ1、第2基板ステージ2、及び基板Pの少なくとも1つ)と対向可能な光学素子9を有する。第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれは、アライメント系ALの光学素子9と対向する位置に移動可能である。アライメント系ALは、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の少なくとも一方に保持された基板Pの位置情報を取得するために、光学素子9を介して、基板P上のアライメントマーク、第1、第2基板ステージ1、2上の基準マーク等を検出する。
以下の説明において、露光ステーションST1に配置されている露光光ELを射出する投影光学系PLの終端光学素子8を適宜、第1光学素子8、と称し、計測ステーションST2に配置されている基板Pの位置情報を取得するためのアライメント系ALの光学素子9を適宜、第2光学素子9、と称する。また、第1光学素子8と対向し、その第1光学素子8からの露光光ELが照射される位置を適宜、照射位置、と称し、第2光学素子9と対向する位置を適宜、対向位置、と称する。なお、照射位置では基板Pの露光が行われるので、照射位置を露光位置とも呼ぶことができる。また、対向位置ではマークの検出が行われるので、対向位置を検出位置あるいは計測位置とも呼ぶことができる。
従って、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれは、第1光学素子8と対向し、その第1光学素子8からの露光光ELが照射される位置、及び第2光学素子9と対向する位置を含むガイド面GF上の所定領域内で、基板Pを保持しながら移動可能である。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域に対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射して、その基板Pを露光する。これにより、基板PにはマスクMのパターンの像が投影される。
照明系ILは、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージ3は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含むマスクステージ駆動システム4により、マスクMを保持しながら、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。マスクステージ3(マスクM)の位置情報は、計測システム6のレーザ干渉計6Mによって計測される。レーザ干渉計6Mは、マスクステージ3上に設けられた計測ミラー3Rを用いて、マスクステージ3のX軸、Y軸、及びθZ方向に関する位置情報を計測する。制御装置7は、計測システム6の計測結果に基づいてマスクステージ駆動システム4を駆動し、マスクステージ3に保持されているマスクMの位置を制御する。
投影光学系PLは、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLは、複数の光学素子を有しており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸方向と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
照明系ILより射出され、マスクMを通過した露光光ELは、投影光学系PLの物体面側からその投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは、物体面側から入射した露光光ELを、第1光学素子8の光射出面(下面)より射出して、基板Pに照射可能である。
第1基板ステージ2は、ステージ本体11と、ステージ本体11に支持され、基板Pを着脱可能に保持する基板ホルダ13を有する第1基板テーブル12とを有する。ステージ本体11は、例えばエアベアリング14により、ベース部材BPの上面(ガイド面GF)に非接触支持されている。第1基板テーブル12は凹部12Cを有し、基板ホルダ13はその凹部12Cに配置されている。第1基板テーブル12の凹部12Cの周囲の対向面15の一部の領域はほぼ平坦であり、基板ホルダ13に保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)である。すなわち、第1基板テーブル12は、その第1基板テーブル12の基板ホルダ13に保持された基板Pの表面とほぼ面一となる領域を有する対向面15を有する。第1基板ステージ1は、基板ステージ駆動システム5により、基板ホルダ13で基板Pを保持しながら、ベース部材BP上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
第2基板ステージ2は、ステージ本体21と、ステージ本体21に支持され、基板Pを着脱可能に保持する基板ホルダ23を有する第2基板テーブル22とを有する。ステージ本体21は、例えばエアベアリング24により、ベース部材BPの上面(ガイド面GF)に非接触支持されている。第2基板テーブル22は凹部22Cを有し、基板ホルダ23はその凹部22Cに配置されている。第2基板テーブル22の凹部22Cの周囲の対向面25の一部の領域はほぼ平坦であり、基板ホルダ23に保持された基板Pの表面とほぼ同じ高さ(面一)である。すなわち、第2基板テーブル22は、その第2基板テーブル22の基板ホルダ23に保持された基板Pの表面とほぼ面一となる領域を有する対向面25を有する。第2基板ステージ2は、基板ステージ駆動システム5により、基板ホルダ23で基板Pを保持しながら、ベース部材BP上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
また、ステージ本体11及び第1基板テーブル12を含む第1基板ステージ1と、ステージ本体21及び第2基板テーブル22を含む第2基板ステージ2とは、ほぼ同じ形状及び大きさを有し、ほぼ同じ構成である。本実施形態においては、第1、第2基板ステージ1、2の第1、第2基板テーブル12、22のそれぞれは、XY平面内においてほぼ矩形状である。
基板ステージ駆動システム5は、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含み、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれを移動可能である。基板ステージ駆動システム5は、ベース部材BP上で各ステージ本体11、21を移動する粗動システム5Aと、各ステージ本体11、21上で各基板テーブル12、22を移動する微動システム5Bとを備えている。
粗動システム5Aは、例えばリニアモータ等のアクチュエータを含み、ベース部材BP上の各ステージ本体11、21をX軸、Y軸、及びθZ方向に移動可能である。粗動システム5Aによって各ステージ本体11、21がX軸、Y軸、及びθZ方向に移動することによって、その各ステージ本体11、21上に搭載されている各基板テーブル12、22も、各ステージ本体11、21と一緒に、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。
図2は、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を上方から見た図である。図2において、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動するための粗動システム5Aは、複数のリニアモータ42、43、44、45、46、47を備えている。粗動システム5Aは、Y軸方向に延びる一対のY軸ガイド部材31、32を備えている。Y軸ガイド部材31、32のそれぞれは、複数の永久磁石を有する磁石ユニットを備えている。一方のY軸ガイド部材31は、2つのスライド部材35、36をY軸方向に移動可能に支持し、他方のY軸ガイド部材32は、2つのスライド部材37、38をY軸方向に移動可能に支持する。スライド部材35、36、37、38のそれぞれは、電機子コイルを有するコイルユニットを備えている。すなわち、本実施形態においては、コイルユニットを有するスライド部材35、36、37、38、及び磁石ユニットを有するY軸ガイド部材31、32によって、ムービングコイル型のY軸リニアモータ42、43、44、45が形成される。
また、粗動システム5Aは、X軸方向に延びる一対のX軸ガイド部材33、34を備えている。X軸ガイド部材33、34のそれぞれは、電機子コイルを有するコイルユニットを備えている。一方のX軸ガイド部材33は、スライド部材51をX軸方向に移動可能に支持し、他方のX軸ガイド部材34は、スライド部材52をX軸方向に移動可能に支持する。スライド部材51、52のそれぞれは、複数の永久磁石を有する磁石ユニットを備えている。図1及び図2においては、スライド部材51は、第1基板ステージ1のステージ本体11に接続され、スライド部材52は第2基板ステージ2のステージ本体21に接続されている。すなわち、本実施形態においては、磁石ユニットを有するスライド部材51、及びコイルユニットを有するX軸ガイド部材33によって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータ46が形成される。同様に、磁石ユニットを有するスライド部材52、及びコイルユニットを有するX軸ガイド部材34によって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータ47が形成される。図1及び図2においては、X軸リニアモータ46によって第1基板ステージ1(ステージ本体11)がX軸方向に移動し、X軸リニアモータ47によって第2基板ステージ2(ステージ本体21)がX軸方向に移動する。
スライド部材35、37は、X軸ガイド部材33の一端及び他端のそれぞれに固定され、スライド部材36、38は、X軸ガイド部材34の一端及び他端のそれぞれに固定されている。したがって、X軸ガイド部材33は、Y軸リニアモータ42、44によってY軸方向に移動可能であり、X軸ガイド部材34は、Y軸リニアモータ43、45によってY軸方向に移動可能である。図1及び図2においては、Y軸リニアモータ42、44によって第1基板ステージ1(ステージ本体11)がY軸方向に移動し、Y軸リニアモータ43、45によって第2基板ステージ2(ステージ本体21)がY軸方向に移動する。
そして、一対のY軸リニアモータ42、44のそれぞれが発生する推力を僅かに異ならせることで、第1基板ステージ1のθZ方向の位置を制御可能であり、一対のY軸リニアモータ43、45のそれぞれが発生する推力を僅かに異ならせることで、第2基板ステージ2のθZ方向の位置を制御可能である。
本実施形態においては、基板テーブル12、22は、ステージ本体11、21に移動可能に支持されている。
図1に示すように、微動システム5Bは、各ステージ本体11、21と各基板テーブル12、22との間に介在された、例えばボイスコイルモータ等のアクチュエータ11V、21Vと、各アクチュエータの駆動量を計測する不図示の計測装置(例えば、エンコーダシステム等)とを含み、各ステージ本体11、21上の各基板テーブル12、22を、少なくともZ軸、θX、及びθY方向に移動可能である。また、微動システム5Bは、各ステージ本体11、21上の各基板テーブル12、22を、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動(微動)可能である。
このように、粗動システム5A及び微動システム5Bを含む駆動システム5は、第1基板テーブル12及び第2基板テーブル22のそれぞれを、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
また、第1基板ステージ1(ステージ本体11)及び第2基板ステージ2(ステージ本体21)のそれぞれは、例えば特表2000−505958号公報(対応米国特許第5,969,441号)、特表2000−511704号公報(対応米国特許第5,815,246号)、特開2001−223159号公報(対応米国特許第6,498,350号)等に開示されているような継手部材を介して、スライド部材51、52にリリース可能に接続される。
図1及び図2に示すように、第1基板ステージ1は、ステージ本体11の−Y側の側面に設けられた第1継手部材61と、+Y側の側面に設けられた第2継手部材62とを備えている。同様に、第2基板ステージ2は、ステージ本体21の−Y側の側面に設けられた第3継手部材63と、+Y側の側面に設けられた第4継手部材64とを備えている。
また、基板ステージ駆動システム5は、スライド部材51に設けられた継手部材53と、スライド部材52に設けられた継手部材54とを備えている。継手部材53は、計測ステーションST2側(+Y側)を向くように、スライド部材51の+Y側の側面に設けられている。継手部材54は、露光ステーションST1側(−Y側)を向くように、スライド部材52の−Y側の側面に設けられている。
スライド部材51と継手部材53とは、後述するようにリリース可能に連結されており、スライド部材51と継手部材53とは一緒に移動可能である。また、スライド部材52と継手部材54とは固定されており、スライド部材52と継手部材54とは一緒に移動可能である。したがって、リニアモータ42、44、46は、スライド部材51と継手部材53とを一緒に移動可能であり、リニアモータ43、45、47は、スライド部材52と継手部材54とを一緒に移動可能である。
スライド部材51に設けられた継手部材53には、ステージ本体11の第1継手部材61とステージ本体21の第3継手部材63とがリリース可能に順次に接続される。スライド部材52に設けられた継手部材54には、ステージ本体11の第2継手部材62とステージ本体21の第4継手部材64とがリリース可能に順次接続される。
すなわち、スライド部材51に設けられた継手部材53には、第1基板ステージ1のステージ本体11と第2基板ステージ2のステージ本体21とが、第1継手部材61と第3継手部材63とを介してリリース可能に順次接続され、スライド部材52に設けられた継手部材54には、第1基板ステージ1のステージ本体11と第2基板ステージ2のステージ本体21とが、第2継手部材62と第4継手部材64とを介してリリース可能に順次接続される。
以下の説明において、第1基板ステージ1のステージ本体11及び第2基板ステージ2のステージ本体21がリリース可能に順次接続される継手部材53及びその継手部材53に固定されたスライド部材51を合わせて適宜、第1接続部材71、と称する。また、第1基板ステージ1のステージ本体11及び第2基板ステージ2のステージ本体21がリリース可能に順次接続される継手部材54及びその継手部材54に固定されたスライド部材52を合わせて適宜、第2接続部材72、と称する。
したがって、リニアモータ42、44、46は、第1接続部材71を移動可能であり、リニアモータ43、45、47は、第2接続部材72を移動する。
また、図2に示すように、露光装置EXは、ベース部材BP上に設定された第1領域SP1、第2領域SP2、第3領域SP3、及び第4領域SP4を備えている。第1領域SP1は、投影光学系PLの第1光学素子8と対向する位置を含み、露光ステーションST1の少なくとも一部に設定された領域である。第2領域SP2は、第1領域SP1とは異なる領域であって、アライメント系ALの第2光学素子9と対向する位置を含み、計測ステーションST2の少なくとも一部に設定された領域である。第1領域SP1と第2領域SP2とはY軸方向に沿って設定されている。本実施形態においては、第1領域SP1は、第2領域SP2の−Y側に配置されている。第3領域SP3及び第4領域SP4は、第1領域SP1と第2領域SP2との間に配置されている。第3領域SP3と第4領域SP4とはY軸方向と交差するX軸方向に沿って設定されている。本実施形態においては、第3領域SP3は、第4領域SP4の+X側に配置されている。
第1基板ステージ1は、基板ステージ駆動システム5によって、第1領域SP1、及び第2領域SP2を含むベース部材BP上の所定領域内で、基板Pを保持しながら移動可能である。同様に、第2基板ステージ2は、基板ステージ駆動システム5によって、第1領域SP1、及び第2領域SP2を含むベース部材BP上の所定領域内で、第1基板ステージ1は独立して、基板Pを保持しながら移動可能である。
本実施形態においては、第1基板ステージ1は、第2領域SP2から第1領域SP1に移動する際、第2領域SP2から第3領域SP3の少なくとも一部を経て第1領域SP1に移動し、第1領域SP1から第2領域SP2に移動する際、第1領域SP1から第3領域SP3の少なくとも一部を経て第2領域SP2に移動する。第2基板ステージ2は、第2領域SP2から第1領域SP1に移動する際、第2領域SP2から第4領域SP4の少なくとも一部を経て第1領域SP1に移動し、第1領域SP1から第2領域SP2に移動する際、第1領域SP1から第4領域SP4の少なくとも一部を経て第2領域SP2に移動する。
また、制御装置7は、ベース部材BP上において、所定のタイミングで、第1接続部材71と第1基板ステージ1(又は第2基板ステージ2)との接続の解除、及び第2接続部材72と第2基板ステージ2(又は第1基板ステージ1)との接続の解除と、第1接続部材71と第2基板ステージ2(又は第1基板ステージ1)との接続、及び第2接続部材72と第1基板ステージ1(又は第2基板ステージ2)との接続とを実行する。すなわち、制御装置7は、所定のタイミングで、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とに対する第1接続部材71と第2接続部材72との交換動作を実行する。
そして、第1接続部材71は、ステージ本体11の第1継手部材61とステージ本体21の第3継手部材63とに交互に接続され、第2接続部材72は、ステージ本体11の第2継手部材62とステージ本体21の第4継手部材64とに交互に接続される。すなわち、第1接続部材71は、第1継手部材61と第3継手部材63とを介して第1基板ステージ1のステージ本体11と第2基板ステージ2のステージ本体21とに交互に接続され、第2接続部材72は、第2継手部材62と第4継手部材64とを介して第1基板ステージ1のステージ本体11と第2基板ステージ2のステージ本体21とに交互に接続される。
第1接続部材71は、リニアモータ42、44、46の駆動によって、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のうち、接続された一方の基板ステージを移動し、第2接続部材72は、リニアモータ43、45、47の駆動によって、接続された他方の基板ステージを移動する。
なお、本実施形態においては、ステージ本体(11、21)と基板テーブル(12、22)とは、相対的に移動可能であるが、ステージ本体と基板テーブルとを一体的に設けてもよい。この場合、ステージ本体を6自由度の方向に移動可能としてもよい。
次に、図1及び図2を参照しながら、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測する計測システム6の一例について説明する。第1基板ステージ1の第1基板テーブル12及び第2基板ステージ2の第2基板テーブル22のそれぞれは、その第1基板テーブル12及び第2基板テーブル22の位置を計測するための計測システム6からの計測光MLが照射される計測ミラー1Rx、1Ry、1Rz、2Rx、2Ry、2Rzを有する。
計測システム6は、計測ミラー1Rx、1Ry、1Rz、2Rx、2Ry、2Rzのそれぞれに、位置計測用の計測光MLを照射可能なレーザ干渉計6Px、6Py、6Pzを含み、第1、第2基板テーブル12、22の所定位置に設けられた計測ミラー1Rx、1Ry、1Rz、2Rx、2Ry、2Rzのそれぞれに位置計測用の計測光MLを照射して、第1、第2基板テーブル12、22の位置情報を計測可能である。本実施形態においては、計測システム6は、第1、第2基板テーブル12、22の所定位置に設けられた計測ミラー1Rx、1Ry、1Rz、2Rx、2Ry、2Rzを用いて、第1、第2基板テーブル12、22のX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に関する位置情報を計測可能である。
計測ミラー1Rxは、第1基板テーブル12の+X側及び−X側のそれぞれの側面の上部に配置されている。計測ミラー1Ryは、第1基板テーブル12の+Y側及び−Y側のそれぞれの側面の上部に配置されている。計測ミラー1Rzは、第1基板テーブルの+X側、−X側、+Y側、及び−Y側のそれぞれの側面の下部に配置されている。
計測ミラー2Rxは、第2基板テーブル22の+X側及び−X側のそれぞれの側面の上部に配置されている。計測ミラー2Ryは、第2基板テーブル22の+Y側及び−Y側のそれぞれの側面の上部に配置されている。計測ミラー2Rzは、第2基板テーブル22の+X側、−X側、+Y側、及び−Y側のそれぞれの側面の下部に配置されている。
計測システム6は、第1、第2基板ステージ1、2の第1、第2基板テーブル12、22のそれぞれの所定位置に設けられた計測ミラー1Rx、1Ry、1Rz、2Rx、2Ry、2Rzのそれぞれに計測光MLを照射して、第1、第2基板テーブル12、22の位置情報を計測するレーザ干渉計6Px、6Py、6Pzを有している。レーザ干渉計6Px、6Py、6Pzは、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに設けられている。露光ステーションST1に設けられたレーザ干渉計6Px、6Py、6Pzは、露光ステーションST1に存在する第1基板テーブル12(又は第2基板テーブル22)の位置情報を計測し、計測ステーションST2に設けられたレーザ干渉計6Px、6Py、6Pzは、計測ステーションST2に存在する第2基板テーブル22(又は第1基板テーブル12)の位置情報を計測する。
レーザ干渉計6Pxは、X軸方向を計測軸とする計測光MLを計測ミラー1Rx、2Rxに照射可能であり、第1、第2基板テーブル12、22のX軸方向に関する位置を計測する。レーザ干渉計6Pyは、Y軸方向を計測軸とする計測光MLを計測ミラー1Ry、2Ryに照射可能であり、第1、第2基板テーブル12、22のY軸方向に関する位置を計測する。レーザ干渉計6Pzは、Z軸方向を計測軸とする計測光MLを計測ミラー1Rz、2Rzに照射可能であり、第1、第2基板テーブル12、22のZ軸方向に関する位置を計測する。
計測ミラー1Rz、2Rzは、レーザ干渉計6Pzからの位置計測用の計測光MLが照射される斜面1Sz、2Szを有する。この斜面1Sz、2Szは、前述のようにXY平面に対して傾斜しているが、レーザ干渉計6Pzから射出される計測光MLに対しても傾斜している。計測ミラー1Rz、2Rzの斜面1Sz、2Szは、照射された計測光MLを反射する反射面として機能する。以下の説明において、照射された計測光MLを反射可能な計測ミラー1Rz、2Rzの斜面を適宜、反射面、と称する。
計測ミラー1Rz、2Rzは、その反射面(斜面)1Sz、2Szが上方を向くように、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2それぞれの側面に配置されている。計測ミラー1Rz、2Rzの反射面1Sz、2Szは、上方を向くようにXY平面に対して所定角度(例えば45度)傾斜しており、レーザ干渉計6Pzから射出され、計測ミラー1Rz、2Rzに照射された計測光MLは、その計測ミラー1Rz、2Rzの反射面1Sz、2Szで反射し、所定の支持フレーム19に設けられた計測ミラー1K、2Kに照射される。そして、計測ミラー1K、2Kに照射され、その計測ミラー1K、2Kで反射した計測光MLは、第1、第2基板テーブル12、22の計測ミラー1Rz、2Rzの反射面1Sz、2Szを介して、レーザ干渉計6Pzに受光される。レーザ干渉計6Pzは、その受光した計測光MLを用いて、第1、第2基板テーブル12、22のZ軸方向の位置情報を計測可能である。なお、第1、第2基板テーブル12、22のZ軸方向の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(Z干渉計)に関する技術は、例えば特開2000−323404号公報(対応米国特許第7,206,058号)、特表2001−513267号公報(対応米国特許第6,208,407号)等に開示されている。
また、レーザ干渉計6Px及びレーザ干渉計6Pyの少なくとも一方を複数設け、X軸方向を計測軸とする計測光ML及びY軸方向を計測軸とする計測光の少なくとも一方を複数照射することにより、計測システム6は、その複数の計測光MLを用いて、第1、第2基板テーブル12、22のθZ方向の位置情報を計測可能である。また、レーザ干渉計6Pzを複数設け、Z軸方向を計測軸とする計測光MLを複数照射することにより、計測システム6は、その複数の計測光MLを用いて、第1、第2基板テーブル12、22のθX、θY方向の位置情報を計測可能である。
以下の説明において、レーザ干渉計6Px、6Py、6Pzのそれぞれを適宜、X干渉計6Px、Y干渉計6Py、Z干渉計6Pz、と称する。
また、計測システム6は、第2光学素子9を含むアライメント系ALを有する。アライメント系ALは、計測ステーションST2に配置され、基板Pのアライメントマーク、又は第1、第2基板テーブル12、22の対向面15、25に配置されている基準マークを検出可能である。
また、計測システム6は、フォーカス・レベリング検出系FLを有する。フォーカス・レベリング検出系FLは、計測ステーションST2に配置され、第1、第2基板テーブル12、22に保持されている基板Pの表面の面位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)を検出する。フォーカス・レベリング検出系FLは、計測ステーションST2で、第1基板テーブル12に保持された基板Pの表面の面位置情報と、第2基板テーブル22に保持された基板Pの表面の面位置情報とを交互に検出する。
そして、制御装置7は、計測システム6の計測結果に基づいて、基板ステージ駆動システム5を駆動し、第1、第2基板テーブル12、22の位置を制御することによって、第1、第2基板テーブル12、22の基板ホルダ13、23に保持されている基板Pの位置を制御する。
露光ステーションST1においては、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pが露光される。計測ステーションST2においては、露光に関する計測及び基板Pの交換が行われる。第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2のそれぞれは、基板Pを保持しながら、露光ステーションST1の第1領域SP1と、計測ステーションST2の第2領域SP2との間で移動可能である。
次に、透過部材81、82について図2〜図6を参照して説明する。図3は、透過部材81が設けられた第1基板テーブル12の近傍を示す斜視図、図4は、透過部材81、82が設けられた第1、第2基板テーブル12、22を示す平面図、図5は、側面図である。図6は、第1基板テーブル12に設けられた透過部材81の近傍を示す側断面図である。以下の図2〜図6を用いた説明においては、第1基板テーブル12に設けられた透過部材81について主に説明するが、第2基板テーブル22に設けられた透過部材82も同様である。
透過部材81は、計測ミラー1Rzよりも第1基板テーブル12(の側面)からその外側に張り出す張出部分81Sを有する。張出部分81Sは端面81Eを有し、その端面81Eもまた計測ミラー1Rzよりも第1基板テーブル12から外側に張り出す。張出部分81Sは、計測光MLを透過可能な透過領域81Sを画定する。本実施形態においては、透過部材81は、例えば石英等、計測光MLを透過可能なガラス材料で形成されている。計測ミラー1Rzは、第1基板テーブル12の側面から外側(図では−X方向)に張り出すように、その第1基板テーブル12の側面に配置されている。透過部材81の端面81Eは、その端面81Eが計測ミラー1RzよりもXY平面内において外側(図では+X方向)に張り出すように、第1基板テーブル12に配置されている。
計測ミラー1Rzは、その反射面1Szが上方(+Z方向)を向くように、第1基板テーブル12の側面に配置されている。計測ミラー1Rzの反射面1Szは、XY平面に対して所定角度(例えば45度)傾斜している。
透過部材81は、上面及び下面を有する板状の部材(ガラス部材)であり、その透過部材81の上面と第1基板テーブル12の対向面15の一部の領域15Aとがほぼ面一(Z軸方向の位置がほぼ等しい)となるように、第1基板テーブル12に配置されている。透過部材81の透過領域81Sは平行平面板であり、第1基板テーブル12に保持された透過部材81の透過領域81Sの上面及び下面は、XY平面とほぼ平行である。
また、透過部材81は、その透過部材81の下面の少なくとも一部と計測ミラー1Rzの反射面1Szとが対向するように、計測ミラー1Rzの上方に配置されている。透過部材81は、計測ミラー1Rzの上方で、透過領域81Sと計測ミラー1Rzの反射面1Szとが対向するように、第1基板テーブル12の対向面の一部に接続されている。
計測ミラー1Rzと透過部材81とは、それら計測ミラー1Rzの反射面1Sz及び透過部材81の透過領域81Sの一方を介した計測光MLが他方に入射するように、第1基板テーブル12において、所定の位置関係で配置されている。
すなわち、図6に示すように、Z干渉計6Pzから射出され、計測ミラー1Rzに照射された計測光MLは、その計測ミラー1Rzの反射面1Szで反射した後、その計測ミラー1Rzの上方に配置されている透過部材81の透過領域81Sに入射する。透過部材81の透過領域81Sに入射した計測光MLは、その透過領域81Sを透過した後、所定の支持フレーム19に設けられた計測ミラー1Kに照射される。そして、計測ミラー1Kに照射され、その計測ミラー1Kで反射した計測光MLは、透過部材81の透過領域81Sに入射し、その透過領域81Sを透過した後、その透過領域81Sより射出される。透過部材81の透過領域81Sより射出された計測光MLは、計測ミラー1Rzの反射面1Szに入射する。計測ミラー1Rzの反射面1Szに入射した計測光MLは、その反射面1Szで反射した後、Z干渉計6Pzに入射する。Z干渉計6Pzは、計測ミラー1Rzの反射面1Szからの計測光MLを受光する。
また、図6に示すように、第1光学素子8と対向可能な第1基板テーブル12の対向面15には、基板ホルダ13に保持された基板Pの表面とほぼ面一となる領域15Aと、その領域15Aよりも低い領域15Bとが形成されている。領域15Bは、第1基板テーブル12の側面と接続するように形成されており、領域15Aと領域15Bとの間には段差12Dが形成されている。
露光装置EXは、第1基板テーブル12に設けられ、透過部材81の少なくとも一部を着脱可能に保持する保持機構90を備えている。保持機構90の少なくとも一部は、対向面15の領域15Bに設けられている。透過部材81の下面と対向面15の領域15Bとは接触可能である。
透過部材81は、その透過部材81の下面の一部と、第1基板テーブル12の対向面15の領域15Bとが対向するように配置される。保持機構90は、対向面15の領域15Bに形成され、その領域15Bと接触するように配置された透過部材81の下面との間で空間を形成するための溝91と、その溝91の内側に形成された吸引口92と、吸引口92に流路93を介して接続された真空システム94とを備えている。真空システム94は、透過部材81の下面と溝91との間に形成された空間の気体を吸引口92を介して吸引可能である。真空システム94の動作は制御装置7に制御される。透過部材81の下面と第1基板テーブル12の対向面15の領域15Bとが接触し、透過部材81の下面と溝91との間に空間が形成された状態で、保持機構90の真空システム94を駆動して、その空間の気体を吸引口92を介して吸引することによって、制御装置7は、透過部材81の下面を、第1基板テーブル12の対向面15の領域15Bで吸着保持できる。また、制御装置7は、保持機構90の真空システム94の駆動を停止することによって、透過部材81に対する吸着保持を解除できる。すなわち、本実施形態の保持機構90は、所謂真空チャック機構を含む。
保持機構90で保持された透過部材81の上面と、第1基板テーブル12の対向面15の領域15Aとはほぼ面一となる。すなわち、第1基板テーブル12の対向面15の領域15Aは、保持機構90で保持された透過部材81の上面、及び基板ホルダ13で保持された基板Pの表面のそれぞれとほぼ面一となる。
以下の説明においては、基板Pの表面及び透過部材81の上面とほぼ面一となる対向面15の領域15Aを適宜、トップ面15A、と称する。また、透過部材81の下面を保持可能な対向面15の領域15Bを適宜、保持面15B、と称する。
また、保持機構90で保持された透過部材81の端面81Eは、計測ミラー1Rzよりも外側に張り出す。
また、露光装置EXは、第1基板テーブル12に設けられ、透過部材81を介した光が入射する光センサ75を備えている。光センサ75は、保持面15Bの内側に形成された凹部12Hに配置されている。透過部材81は、透過部材81の下面の少なくとも一部と第1基板テーブル12の保持面15Bとが対向するように配置され、凹部12Hに配置された光センサ75には、透過部材81を介した光が入射可能である。
本実施形態においては、透過部材81は、その上面の一部の領域に例えばクロム等で形成された遮光膜76と、その遮光膜76の一部に形成されたスリット状の開口77とを有する。開口77においては、透過部材81が露出しており、光は、開口77を透過可能である。前述の透過領域(第1透過領域)81S(82S)に対して、開口77と対向する透過部材81の領域を適宜、第2透過領域81SS(82SS)と呼ぶ。
第1基板テーブル12のトップ面15Aとほぼ平行なXY平面内における遮光膜76の大きさは、凹部12Hよりも大きい。透過部材81が保持機構90に保持された状態において、光センサ75には、開口77を通過した光のみが入射する。すなわち、光センサ75は、保持機構90に保持された状態の透過部材81の開口77を通過した光のみを受光する。
本実施形態においては、光センサ75は、例えば特開2002−14005号公報(対応米国特許出願公開2002/0041377号明細書)、特開2002−198303号公報(対応米国特許出願公開第2002/0041377号)等に開示されているような、空間像計測システムの少なくとも一部を構成する光センサである。
なお、光センサ75としては、例えば国際公開第2005/074014号パンフレット(対応米国特許出願公開第2007/0127006号)、国際公開第2006/013806号パンフレット(対応欧州特許出願公開第1791164号)等に開示されているような、露光光ELの強度(透過率)を計測可能な光センサであってもよい。光センサ75に代えてまたは光センサとともに、照明むら計測器、照度計、波面収差計測器などの各種検出器または計測器を第1基板テーブル12のトップ面15Aに形成した凹部12Hに配置してもよい。これらの検出器または計測器には、透過部材81に設けられた各種のパターンの開口を透過して光が入射する。
それらの検出器または計測器として、例えば特開昭57−117238号公報(対応する米国特許第4,465,368号)などに開示される照度むらセンサ、例えば特開2002−14005号公報(対応する米国特許出願公開第2002/0041377号明細書)などに開示される、投影光学系PLにより投影されるパターンの空間像(投影像)の光強度を計測する空間像計測器、例えば特開平11−16816号公報(対応する米国特許出願公開第2002/0061469号明細書)などに開示される照度モニタ、及び例えば国際公開第99/60361号パンフレット(対応する欧州特許第1,079,223号明細書)などに開示される波面収差計測器を用い得る。
以上、第1基板テーブル12に設けられる透過部材81について主に説明した。本実施形態においては、第2基板テーブル22にも、第1基板テーブル12に設けられている保持機構90と同様の保持機構90が設けられ、その保持機構90によって、透過部材81と同様の透過部材82が着脱可能に保持される。第2基板テーブル22の保持機構90で保持された透過部材82の端面82Eは、計測ミラー2Rzよりも外側に張り出す。計測ミラー2Rzと透過部材82とは、それら計測ミラー2Rzの反射面2Sz及び透過部材82の透過領域82Sの一方を介した計測光MLが他方に入射するように、第2基板テーブル22において、所定の位置関係で配置されている。また、第2基板テーブル22には、透過部材82に形成された遮光膜76の開口77を透過した光が入射する光センサ75が設けられている。
本実施形態においては、透過部材81は、第1基板テーブル12の−X側の側面に配置された計測ミラー1Rzの反射面1Szと対向するように、第1基板テーブル12の対向面15の−X側のエッジ近傍に1つ配置されている。また、透過部材82は、第2基板テーブル22の+X側の側面に配置された計測ミラー2Rzの反射面2Szと対向するように、第2基板テーブル22の対向面25の+X側のエッジ近傍に1つ配置されている。
また、透過部材81の端面81Eはほぼ直線状であり、透過部材81は、その端面81EとY軸とがほぼ平行となるように、第1基板テーブル12の保持機構90で保持される。同様に、透過部材82の端面82Eはほぼ直線状であり、透過部材82は、その端面82EとY軸とがほぼ平行となるように、第2基板テーブル22の保持機構90で保持される。
また、後述するように、本実施形態においては、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1基板テーブル12の透過部材81−X側の端面81Eと、第2基板テーブル22の透過部材82+X側の端面82Eの少なくとも一部とを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とをX軸方向に同期移動する。本実施形態においては、第1基板テーブル12の透過部材81−X側の端面81Eの一部には、段差81Dが形成されている。第2基板テーブル22の透過部材82+X側の端面82Eの一部には、第1基板テーブル12の透過部材81の段差81Dと対応する(かみ合う)段差82Dが形成されている。
次に、上述の構成を有する露光装置の動作及び露光方法の一例について図7〜図12及び図24を参照して説明する。
本実施形態においては、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の一方の基板ステージが露光ステーションST1の第1領域SP1に配置されているときに、他方の基板ステージが計測ステーションST2の第2領域SP2において所定の処理を実行する。
例えば、露光装置EXは、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の一方の基板ステージを露光ステーションST1の第1光学素子8からの露光光ELが照射される位置に配置して、その一方の基板ステージに保持された基板Pを露光する動作と、他方の基板ステージを計測ステーションST2の第2光学素子9と対向する位置に配置して、その他方の基板ステージに保持された基板Pを計測する動作の少なくとも一部とを並行して行う。また、露光装置EXは、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の一方の基板ステージを露光ステーションST1の第1領域SP1に配置している状態で、他方の基板ステージを計測ステーションST2の第2領域SP2に配置して、搬送システムHを用いて、その他方の基板ステージより露光処理済みの基板Pをアンロード(搬出)するとともに、露光処理されるべき基板Pをその他方の基板ステージにロード(搬入)するといった基板交換作業を行う。
本実施形態においては、露光ステーションST1の第1領域SP1に第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とが順次配置され、第1領域SP1に配置された第1基板ステージ1に保持されている基板Pに露光光ELを照射する動作と、第2基板ステージ2に保持されている基板Pに露光光ELを照射する動作とが順次実行される。
図7に示すように、制御装置7は、計測ステーションST2の基板交換位置に第2基板ステージ2を配置して、搬送システムHを用いて、その第2基板ステージ2に露光処理されるべき基板Pをロードする。そして、制御装置7は、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pに関する所定の計測処理等を開始する(SM1)。
一方、露光ステーションST1の第1領域SP1には、計測ステーションST2における計測処理を既に終えた基板Pを保持した第1基板ステージ1が配置されている。制御装置7は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光を開始する(SE1)。
制御装置7は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。制御装置7は、第1基板ステージ1に保持されている基板Pと投影光学系PLの第1光学素子8とを対向させた状態で、第1光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間を液体LQで満たした状態で、基板Pを露光する。基板P上には複数のショット領域が設定されており、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1領域SP1において第1基板ステージ1を移動しつつ、その第1基板ステージ1に保持されている基板P上の複数のショット領域のそれぞれを、投影光学系PLと液体LQとを介して順次露光する。
露光ステーションST1における第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が実行されている間、計測ステーションST2における第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理等が実行される。例えば、制御装置7は、計測ステーションST2に配置されている第2基板ステージ2に保持されている基板Pの位置情報を計測する。ここで、基板Pの位置情報とは、所定の基準位置に対する基板Pのアライメント情報(基板P上の複数のショット領域のX、Y、θZ方向の位置情報)、及び所定の基準面に対する基板Pの面位置情報(Z、θX、θY方向の位置情報)の少なくとも一方を含む。
すなわち、制御装置7は、上述のアライメント系ALを用いた検出動作、及びフォーカス・レベリング検出系FLを用いた検出動作を実行する。例えば、フォーカス・レベリング検出系FLを用いた検出動作では、制御装置7は、計測ステーションST2において、Z干渉計6Pzで第2基板ステージ2のZ軸方向の位置情報を計測しつつ、フォーカス・レベリング検出系FLを用いて、所定の基準面、及び基板Pの表面の面位置情報を検出する。そして、制御装置7は、Z干渉計6Pzを含む計測システム6によって規定される座標系内における、基準面を基準とした基板Pの表面(各ショット領域)の近似平面(近似表面)を求める。
第2基板ステージ2には、その第2基板ステージ2の4つの側面のそれぞれに、計測ミラー2Rzが配置されている。計測ステーションST2において、第2基板ステージ2の基板Pの計測処理を実行する際、計測システム6は、その4つの側面のうち、少なくとも3つの側面のそれぞれに配置された計測ミラー2Pzのそれぞれに、Z干渉計6Pzより計測光MLを照射して、第2基板ステージ2のZ軸方向の位置情報を計測する。本実施形態においては、計測ステーションST2には、第2光学素子9に対して+X側、−X側、及び+Y側に3つのZ干渉計6Pzが配置されており、それらZ干渉計6Pzより、第2基板ステージ2の計測ミラー2Rzに計測光MLが照射される。Z干渉計6Pzから射出される計測光MLの少なくとも一部は、第2基板ステージ2の透過部材82を透過する。
また、アライメント系ALを用いた検出動作では、制御装置7は、計測ステーションST2において、X干渉計6Px及びY干渉計6Pyで、基板Pを保持した第2基板ステージ2のX軸方向及びY軸方向の位置情報を計測しつつ、アライメント系ALを用いて、第2基板ステージ2の一部に形成された基準マーク、及び基板P上の各ショット領域に対応して基板Pに設けられたアライメントマークを検出する。これにより、アライメントマーク(ひいてはショット領域)、及び基準マークの位置情報が計測される。なお、アライメント系ALによるアライメントマークの検出が行われるショット領域は、基板P上の全てのショット領域でもよいが、本実施形態では一部のショット領域のみとする。そして、制御装置7は、その計測されたショット領域の位置情報に基づき、所定の基準位置に対する基板P上の複数のショット領域のそれぞれの位置情報を演算処理によって求める。
露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が完了し、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が完了した後、制御装置7は、計測ステーションST2の第2領域SP2から露光ステーションST1の第1領域SP1への第2基板ステージ2の移動を開始する。なお、露光ステーションST1での基板Pの露光処理の完了前に、第2基板ステージ2の移動を開始してもよい。
本実施形態においては、制御装置7は、第2基板ステージ2を第2領域SP2から第1領域SP1へ移動しているときにも、第1基板ステージ1を第1光学素子8と対向する位置に配置する。これにより、第2基板ステージ2が第2領域SP2から第1領域SP1へ移動する動作を実行中においても、液浸空間LSの液体LQは、第1光学素子8と第1基板ステージ1(基板P)との間に保持され続ける。以上の動作により、図8に示すように、露光ステーションST1の第1領域SP1に、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2との両方が配置される。なお、第1基板ステージ1に保持された基板Pの露光処理が完了した時点で、第1基板ステージ1は第1光学素子との間に液体LQを保持しつつ、接続部材の交換動作が行われる、図8に示される第1領域SP1内の所定位置に移動される。
次に、制御装置7は、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態を維持しつつ、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とに対する第1接続部材71と第2接続部材72との交換動作を実行する。すなわち、制御装置7は、第1接続部材71と第1基板ステージ1の第1継手部材61との接続を解除して、第1接続部材71から第1基板ステージ1をリリースするとともに、第2接続部材72と第2基板ステージ2の第4継手部材64との接続を解除して、第2接続部材72から第2基板ステージ2をリリースする。
その後、図9に示すように、制御装置7は、第1接続部材71を−X方向に移動して、第2基板ステージ2の第3継手部材63に接続するとともに、第2接続部材72を+X方向に移動して、第1基板ステージ1の第2継手部材62に接続する。
このように、交換動作において、第1基板ステージ1に接続されていた第1接続部材71が第2基板ステージ2に接続され、第2基板ステージ2に接続されていた第2接続部材72が第1基板ステージ1に接続される。
次に、制御装置7は、第2基板ステージ2の基板Pを液浸露光するために、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態(すなわち、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態)から、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態(すなわち、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態)に変化させる。
本実施形態においては、例えば国際公開第2005/074014号パンフレット(対応米国特許出願公開第2007/0127006号)などに開示されているように、基板ステージ駆動システム5は、第1光学素子8からの露光光ELが照射される位置を含むガイド面GFの第1領域SP1において、第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと、第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動させる。第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと、第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとを接近するとは、第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとの間から液体LQが漏れ出さないか、あるいは液体LQの漏れ出しが露光装置の運転に影響がないほど少ない量であることを意味する。
基板ステージ駆動システム5は、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動させる際に、透過部材81、透過部材82、第1基板ステージ1、及び第2基板ステージ2の少なくとも1つが、第1光学素子8との間で、液体LQを保持可能な空間を形成するために、第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させる(SE2)。
制御装置7は、透過部材81、透過部材82、第1基板ステージ1、及び第2基板ステージ2の少なくとも1つが、第1光学素子8との間で液体LQを保持可能な空間を形成し続けるようにする。すなわち、透過部材81の端面81Eと透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1光学素子8と対向する位置を含むガイド面GFの第1領域SP1で、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1光学素子8に対して、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とをXY平面内で同期移動する(SE3)。本実施形態においては、制御装置7は、第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを+X方向に同期移動する。これにより、図9に示すような、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態から、図10に示すような、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態に変化させることができる。すなわち、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態から、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に変化させることができる。なお、図示はしていないが、図9に示す状態から図10に示す状態に変化する過程で、制御装置7は、まず、第1基板ステージ1の透過部材81の端面81Eと第2基板ステージ2の透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを−Y方向に同期移動して、液浸空間LSがY方向において透過部材81の端面81Eに形成されている段差81Dの位置に至るまで移動する。次いで、制御装置は、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを+X方向に同期移動して、液浸空間LSが透過部材81、82の端面81E、82Eに形成されている段差81D、82Dの上を通過して第2基板ステージ2上に移動することができる。そして、制御装置は、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを+Y方向に同期移動して図10に示すような配置に第1光学素子8を位置づけることができる。ここで、液浸空間LSが第1基板ステージ1(または透過部材81)から第2基板ステージ2(または透過部材82)に移動した後、第1、第2基板ステージ1、2を図10に示す配置にすることなく、第1基板ステージ1の第2領域SP2への移動、及び第2基板ステージ2の第1領域SP1内の所定位置、例えば光センサ75による計測が行われる位置、あるいは露光開始位置への移動を開始しても良い。また、第1、第2基板ステージ1、2を図8、図9に示す配置にした時点で、Y軸方向に関して第1光学素子8が透過部材81、82の段差81D、82Dとほぼ同一位置となるように第1、第2基板ステージ1、2を位置決めしても良い。
本実施形態においては、第1基板テーブル12の4つの側面のそれぞれに、その側面から張り出すように(突出するように)計測ミラー1Rzが配置され、第2基板テーブル22の4つの側面のそれぞれに、その側面から張り出すように(突出するように)計測ミラー2Rzが配置されている。そして、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態から、第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に変化させる際、計測ミラー1Rzよりも−X方向に外側に張り出す透過部材81の端面81Eと、計測ミラー2Rzよりも+X方向に外側に張り出す透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させる。これにより、第1基板ステージ1の計測ミラー1Rzと、第2基板ステージ2及び計測ミラー2Rzの少なくとも一方とが接触(衝突)したり、第2基板ステージ2の計測ミラー2Rzと、第1基板ステージ1及び計測ミラー1Rzの少なくとも一方とが接触(衝突)したりすることを抑制しつつ、透過部材81の端面81Eと透過部材82の端面81Eとを良好に接近又は接触させることができる。したがって、液体LQの液浸空間LSを形成した状態で、液体LQの漏出を抑制しつつ、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されていた状態から、第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に円滑に変化させることができる。すなわち、第1光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間を液体LQで満たし続けた状態で、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態から、第2基板ステージ2と第1光学素子8とが対向する状態に変化させることができる。
また、本実施形態においては、透過部材81、82の端面81E、82Eのそれぞれには、互いにかみ合う段差81D、82Dが形成されている。したがって、図12の模式図に示すように、段差81D、82Dをかみ合わせた状態で、例えば、液浸空間LSが段差81D、82Dの上の透過部材81、82の上面を通過するように、第1、第2基板ステージ1、2の移動が制御されることにより、液体LQの漏出がより効果的に抑制される。
その後、制御装置7は、第2基板ステージ2と第1光学素子8とを対向させた状態を維持しつつ、基板ステージ駆動システム5を制御して、第1基板ステージ1を計測ステーションST2に移動する(SE4)。
そして、図11に示すように、第2基板ステージ2が露光ステーションST1の第1領域SP1に配置されるとともに、第1基板ステージ1が計測ステーションST2の第2領域SP2に配置される。計測ステーションST2に移動した第1基板ステージ1に保持されている基板Pは、基板交換位置において、搬送システムHによってアンロードされ、露光されるべき新たな基板Pが第1基板ステージ1にロードされる(SM3)。制御装置7は、計測ステーションST2において、第1基板ステージ1にロードされた基板Pの計測処理等を開始する(SM4)。
第1基板ステージ1には、その第1基板ステージ1の4つの側面のそれぞれに、計測ミラー1Rzが配置されている。計測ステーションST2において、第1基板ステージ1の基板Pの計測処理を実行する際、計測システム6は、その4つの側面のうち、少なくとも3つの側面のそれぞれに配置された計測ミラー1Pzのそれぞれに、Z干渉計6Pzより計測光MLを照射して、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を計測する。本実施形態においては、計測ステーションST2には、第2光学素子9に対して+X側、−X側、及び+Y側に3つのZ干渉計6Pzが配置されており、それらZ干渉計6Pzより、第1基板ステージ1の計測ミラー1Rzに計測光MLが照射される。Z干渉計6Pzから射出される計測光MLの少なくとも一部は、第1基板ステージ1の透過部材81を透過する。
制御装置7は、露光ステーションST1において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの液浸露光を実行する(SE5)。制御装置7は、第2基板ステージ2に保持されている基板Pと投影光学系PLの第1光学素子8とを対向させた状態で、第1光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間を液体LQで満たした状態で、基板Pを露光する。基板P上には複数のショット領域が設定されており、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1領域SP1において第2基板ステージ2を移動しつつ、その第2基板ステージ2に保持されている基板P上の複数のショット領域のそれぞれを、投影光学系PLと液体LQとを介して順次露光する。
なお、制御装置7は、必要に応じて、基板Pの露光を開始する前に、第1光学素子8と開口77とを対向させ、液体LQを介して開口77に露光光ELを照射することができる。第1光学素子8から射出され、液体LQを介して開口77に照射された露光光ELは、光センサ75に入射する。制御装置7は、光センサ75の検出結果に基づいて、例えば投影光学系PLのキャリブレーションを実行する等、所定の処理を実行することができる。
基板Pを露光するに際し、制御装置7は、計測ステーションST2での計測結果を用いて、露光ステーションST1において、第2基板ステージ2に保持された基板Pの位置を調整しつつ、基板Pを露光する。
例えば、制御装置7は、露光ステーションST1に配置された第2基板ステージ2のZ軸方向の位置をZ干渉計6Pzで計測し、Z干渉計6Pzを含む計測システム6によって規定される座標系内における、基板Pの表面の近似平面と、投影光学系PLの像面との位置関係を求める。Z干渉計6Pzを含む計測システム6によって規定される座標系内における、基準面のZ軸方向の位置情報及びその基準面を基準とした基板Pの表面の近似平面は、計測ステーションST2で既に計測されている。また、制御装置7には、基準面に対する投影光学系PLの像面の位置情報が予め記憶されている。したがって、制御装置7は、露光ステーションST1に配置された第2基板ステージ2のZ軸方向の位置をZ干渉計6Pzで計測することにより、その計測結果に基づいて、Z干渉計6Pzを含む計測システム6によって規定される座標系内における、基板Pの表面の近似平面と、投影光学系PLの像面との位置関係を求めることができる。そして、制御装置7は、基板Pの表面と投影光学系PLの像面とが所定の位置関係となるように(基板Pの表面と投影光学系PLの像面とが合致するように)、Z干渉計6Pzを含む計測システム6で計測される位置情報に基づいて第2基板ステージ2の位置を制御しつつ、基板Pを露光する。
第2基板ステージ2には、その第2基板ステージ2の4つの側面のそれぞれに、計測ミラー2Rzが配置されている。露光ステーションST1において、第2基板ステージ2の位置情報の計測を実行する際、計測システム6は、その4つの側面のうち、少なくとも3つの側面のそれぞれに配置された計測ミラー2Pzのそれぞれに、Z干渉計6Pzより計測光MLを照射して、第2基板ステージ2のZ軸方向の位置情報を計測する。本実施形態においては、露光ステーションST1には、第1光学素子8に対して+X側、−X側、及び−Y側に3つのZ干渉計6Pzが配置されており、それらZ干渉計6Pzより、第2基板ステージ2の計測ミラー2Rzに計測光MLが照射される。Z干渉計6Pzから射出される計測光MLの少なくとも一部は、第2基板ステージ2の透過部材82を透過する。なお、基板Pの露光に先立ち、例えば光センサ75によってマスクMのマークを検出する、あるいは基準マークとマスクMのマークとを不図示のアライメント系で検出し、この検出結果をも用いて第2基板ステージ2の位置を制御しつつ基板Pの露光が行われる。
以下、上述した処理が繰り返される。すなわち、露光ステーションST1において第2基板ステージ2に保持された基板Pの露光処理が実行されるとともに、計測ステーションST2において第1基板ステージ1に保持された基板Pの計測処理が実行される。そして、露光ステーションST1における第2基板ステージ2に保持された基板Pの露光処理、及び計測ステーションST2における第1基板ステージ1に保持された基板Pの計測処理の完了後、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、計測ステーションST2の第2領域SP2に配置されている第1基板ステージ1を、露光ステーションST1の第1領域SP1に移動させる。そして、第1接続部材71と第2接続部材72との交換動作が実行され、第1接続部材71は第2基板ステージ2からリリースされて第1基板ステージ1に接続され、第2接続部材72は第1基板ステージ1からリリースされて第2基板ステージ2に接続される。そして、制御装置7は、第2基板ステージ2と第1光学素子8とが対向する状態から、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態に変化させた後、基板ステージ駆動システム5を用いて、露光ステーションSP1の第1領域SP1に配置されている第2基板ステージ2を、計測ステーションST2の第2領域SP2に移動させる。そして、制御装置7は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1を移動しつつ、その第1基板ステージ1に保持されている基板Pの複数のショット領域を順次露光するとともに、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2の基板Pの交換、計測処理等の所定の処理を実行する。
また、計測ステーションST2における計測処理を終えた基板Pを保持した第1基板ステージ1を露光ステーションST1に移動した後、その基板Pの露光処理を露光ステーションST1において実行するに際し、制御装置7は、露光ステーションST1に配置された第1基板ステージ1のZ軸方向の位置を、Z干渉計6Pzで計測し、その計測結果に基づいて、基板Pの表面の近似平面と、投影光学系PLの像面との位置関係を求める。
第1基板ステージ1には、その第1基板ステージ1の4つの側面のそれぞれに、計測ミラー1Rzが配置されている。露光ステーションST1において、第1基板ステージ1の位置情報の計測を実行する際、計測システム6は、その4つの側面のうち、少なくとも3つの側面のそれぞれに配置された計測ミラー1Pzのそれぞれに、Z干渉計6Pzより計測光MLを照射して、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を計測する。本実施形態においては、露光ステーションST1には、第1光学素子8に対して+X側、−X側、及び−Y側に3つのZ干渉計6Pzが配置されており、それらZ干渉計6Pzより、第1基板ステージ1の計測ミラー2Rzに計測光MLが照射される。Z干渉計6Pzから射出される計測光MLの少なくとも一部は、第1基板ステージ1の透過部材81を透過する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれに、計測ミラー1Rz、2Rzよりも外側に張り出す端面81E、82Eを有し、Z干渉計6Pzの計測光が透過可能な透過領域81S、82Sを有する透過部材81、82を配置した。それにより、Z干渉計6Pzの計測動作を妨げることなく、第1光学素子8と対向する位置に、透過部材81、透過部材82、第1基板ステージ1、及び第2基板ステージ2の少なくとも1つを配置して、液体LQを全て回収する動作を実行することなく、第1光学素子8の光射出側の露光光ELの光路空間を常に液体LQで満たし続けることができる。したがって、露光装置EXのスループットの低下を抑制しつつ、第1基板ステージ1に保持された基板Pの露光と、第2基板ステージ2に保持された露光とを実行できる。また、液体LQが無くなることに起因するウォーターマークの発生、気化熱による温度変化の発生等を抑制し、露光精度の劣化を抑制できる。
本実施形態においては、第1基板ステージ1(第1基板テーブル12)の側面及び第2基板ステージ2(第2基板テーブル22)の側面には、第1、第2基板テーブル12、22の位置を計測するための計測ミラー1Pz、1Pzが外側に突出しており、第1基板ステージ1の対向面(トップ面)15と第2基板ステージ2の対向面(トップ面)25とを接近又は接触させることは困難である。本実施形態によれば、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の一方から他方への液浸空間LSの移動は、計測ミラー1Rz、2Rzよりも外側に張り出す端面81E、82Eを有し、計測光MLを透過可能な透過部材81、82を用いて実行される。したがって、Z干渉計6Pzの計測動作を妨げることなく、且つ、第1、第2基板ステージ1、2の計測ミラー1Rz、2Rzの衝突等を抑制しつつ、液体LQを保持可能な空間を形成し続けた状態で、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態、及び第2基板ステージと第1光学素子8とが対向する状態の一方から他方に変化させることができる。
また、本実施形態によれば、透過部材81、82は、保持機構90によって、第1、第2基板ステージ1、2に着脱可能に保持されるので、例えば劣化した透過部材81、82を、新たなものと容易に交換できる。
また、本実施形態によれば、透過部材81、82には、光センサ75に入射する光を整形する開口77が設けられているので、光センサ75に入射する光を整形するための新たな光学部材を設けなくてもすむ。したがって、部品点数の低減を図ることができる。
本実施形態においては、透過部材81は、第1基板テーブル12の−X側の側面に配置された計測ミラー1Rzの反射面1Szと対向するように配置されており、その第1基板テーブル12の−X側の側面に配置された計測ミラー1Rzに照射される計測光MLは、透過部材81の少なくとも一部を透過する。透過部材81は、例えば平行平面板であって、保持機構90に保持された透過部材81の透過領域81Sの上面及び下面は、XY平面とほぼ平行である。ここで、透過部材81の厚みがY軸方向に関して不均一であったり、あるいは透過部材81に撓みが生じていると、透過部材81の透過領域81SのY軸方向の位置に応じて、計測光MLの光路長が変化し、Z干渉計6Pzの計測精度に影響を与える可能性がある。第2基板テーブル22に設けられた計測ミラー2Rzに関しても同様である。
そこで、制御装置7は、必要に応じて、透過部材81の厚みむら、撓み等に起因するZ干渉計6Pzの計測値の誤差等を補正することができる。以下、透過部材81に起因するZ干渉計6Pzの計測値を補正する方法の一例について説明する。
まず、制御装置7は、基板Pを露光する前に、予め、Z干渉計6Pzを用いて、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を取得する動作を実行する。すなわち、制御装置7は、Z干渉計6Pzから計測光MLを射出し、計測ミラー1Rzの反射面1Sz及び透過部材81の透過領域81Sを介した計測光MLをZ干渉計6Pzで受光して、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を取得する。このとき、制御装置7は、図13の模式図に示すように、例えば上述のアクチュエータ11Vの駆動量をエンコーダシステム等でモニタして、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を変化させないように、第1基板テーブル12(第1基板ステージ1)をY軸方向に移動しつつ、Z干渉計6Pzより計測光MLを射出するとともに、計測ミラー1Rzの反射面1Sz及び透過部材81の透過領域81Sを介した計測光MLをZ干渉計6Pzで受光する。これにより、Z干渉計6Pzは、透過部材81のY軸方向の各位置を介した計測光MLを順次受光することになる。
このとき、Y軸方向に関して透過部材81に厚みむらがあったり、撓みが生じていると、その厚みむら等に起因する光路長の変化に応じて、図14の模式図に示すように、Z干渉計6Pzの計測値はY軸方向に関して変化する。
制御装置7は、その透過部材81の透過領域81SのY軸方向の位置に対応したZ干渉計6Pzの計測値に関する補正量を導出する。すなわち、透過部材81に厚みむら等がある場合、実際の第1基板テーブル12の位置(Z位置)と、Z干渉計6Pzによって計測される第1基板テーブル12の位置との間には、透過部材81の厚みむら等に起因する誤差が生じる。制御装置7は、その誤差をキャンセルするための補正量を、透過部材81の透過領域81SのY軸方向の位置に対応付けて導出する。制御装置7は、導出した補正量を記憶装置10に記憶する。
そして、制御装置7は、例えば基板Pを露光する際に、Z干渉計6Pzで第1基板テーブル12の位置情報を計測する場合、Z干渉計6Pzの計測結果と、記憶装置10の記憶情報とに基づいて、Z干渉計6Pzの計測値を調整する。すなわち、制御装置7は、透過部材81の厚みむら等に起因する誤差を含んでいる可能性のあるZ干渉計6Pzの計測値を、予め求めて記憶装置10に記憶してある補正量に基づいて調整(補正)する。そして、制御装置7は、その調整後(補正後)のZ干渉計6Pzの計測値に基づいて、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を、基板ステージ駆動システム5(主に微動システム5B)を用いて制御する。これにより、透過部材81の厚みむら等に起因する誤差がキャンセルされたZ干渉計6Pzの計測値に基づいて、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を良好に調整できる。
また、制御装置7は、Z干渉計6Pzの計測値を、記憶装置10に記憶してある補正量に基づいて調整(補正)しないで、Z干渉計6Pzの計測値と、記憶装置10に記憶してある補正量とに基づいて、第1基板テーブル12を所望の位置に移動するための基板ステージ駆動システム5(主に微動システム5B)の駆動量を決定し、その決定された駆動量に基づいて、基板ステージ駆動システム5を駆動して、第1基板テーブル12の位置を調整することもできる。
なお、ここでは、第1基板テーブル12の位置を調整する場合について説明したが、第2基板テーブル22についても同様である。また、この実施形態においては、透過部材81,82は、全部がガラスなどの透過性材料から形成された部材であったが、透過領域81S(82S)(第1透過領域)と、前述の開口と対向する第2の透過領域だけが透過性材料から形成されている複合部材を用いてもよい。あるいは、透過部材81,82の強化または液体Qとの撥液性を向上させるために、透過部材81,82上に金属膜やフッ化物膜を部分的に形成してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図15は、第2実施形態に係る第1、第2基板テーブル12、22の斜視図である。上述の第1実施形態においては、透過部材81は、第1基板テーブル12の−X側の側面に配置された計測ミラー1Rzの反射面1Szのほぼ全域と対向する下面を有するように、換言すれば、Y軸方向に関して計測ミラー2Rzとほぼ同じ大きさ(長さ)を有するように形成されているが、図15に示すように、計測ミラー1Rzの反射面1Szの一部の領域と対向する下面を有するように形成されても良い。同様に、透過部材82も、第2基板テーブル22の+X側の側面に配置された計測ミラー2Rzの反射面2Szの一部の領域と対向するように形成されてもよい。透過部材81、82を、計測ミラー1Rz、2Rzよりも小さく形成した場合でも、それら透過部材81の端面81Eと透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させ、その透過部材81、82上を液浸空間LSが通過するように、第1、第2基板ステージ1、2の移動を制御する。これにより、計測ミラー1Rzと計測ミラー2Rzとの衝突等を抑制しつつ、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態、及び第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態の一方から他方へ円滑に変化させることができる。
ここで、図15に示す実施形態においては、第1基板ステージ1(第2基板ステージ2)の移動に伴って、Z干渉計6Pzからの計測光MLが、透過部材81(82)を通過する第1の状態と、透過部材81(82)を通過しない第2の状態との両方が発生する。その場合、第1の状態と第2の状態との間に、透過部材81(82)の有無に起因する光路長の変化に応じて、Z干渉計6Pzの計測結果に誤差が生じる可能性がある。
そこで、制御装置7は、必要に応じて、透過部材81(又は透過部材82)の有無に起因するZ干渉計6Pzの計測値の誤差等を補正することができる。以下、透過部材81の有無に起因するZ干渉計6Pzの計測値を補正する方法の一例について説明する。
まず、制御装置7は、基板Pを露光する前に、予め、Z干渉計6Pzを用いて、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を取得する動作を実行する。制御装置7は、例えば上述のアクチュエータ11Vの駆動量をエンコーダシステム等でモニタして、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を変化させないように、第1基板テーブル12(第1基板ステージ1)をY軸方向に移動しつつ、Z干渉計6Pzより計測光MLを射出する。これにより、Z干渉計6Pzには、計測ミラー1Rzの反射面1Sz及び透過部材81の透過領域81Sを介した計測光MLと、計測ミラー1Rzの反射面1Szを介し、透過部材81の透過領域81Sを介さない計測光MLとが順次入射する。すなわち、制御装置7は、Z干渉計6Pzから計測光MLを射出し、透過部材81の透過領域81Sを介した計測光又は透過領域81Sを介さない計測光MLをZ干渉計6Pzで受光して、第1基板ステージ1のZ軸方向の位置情報を取得する。
このとき、Y軸方向に関する透過部材81の有無に起因する光路長の変化に応じて、Z干渉計6Pzの計測値はY軸方向に関して変化する。
制御装置7は、計測ミラー1Rzの反射面1SzのY軸方向の位置に対応したZ干渉計6Pzの計測値に関する補正量を導出する。すなわち、透過部材81が存在する位置と存在しない位置との間には、Z干渉計6Pzの計測値に差が生じる。制御装置7は、その差をキャンセルするための補正量を導出する。制御装置7は、導出した補正量を記憶装置10に記憶する。
そして、制御装置7は、例えば基板Pを露光する際に、Z干渉計6Pzで第1基板テーブル12の位置情報を計測する場合、Z干渉計6Pzの計測結果と、記憶装置10の記憶情報とに基づいて、Z干渉計6Pzの計測値を調整する。すなわち、制御装置7は、透過部材81の存在によって誤差を含んでいる可能性のあるZ干渉計6Pzの計測値を、予め求めて記憶装置10に記憶してある補正量に基づいて調整(補正)する。そして、制御装置7は、その調整後(補正後)のZ干渉計6Pzの計測値に基づいて、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を、基板ステージ駆動システム5(主に微動システム5B)を用いて制御する。これにより、透過部材81の存在に起因する誤差がキャンセルされたZ干渉計6Pzの計測値に基づいて、第1基板テーブル12のZ軸方向の位置を良好に調整できる。
また、制御装置7は、Z干渉計6Pzの計測値を、記憶装置10に記憶してある補正量に基づいて調整(補正)しないで、Z干渉計6Pzの計測値と、記憶装置10に記憶してある補正量とに基づいて、第1基板テーブル12を所望の位置に移動するための基板ステージ駆動システム5(主に微動システム5B)の駆動量を決定し、その決定された駆動量に基づいて、基板ステージ駆動システム5を駆動して、第1基板テーブル12の位置を調整することもできる。
なお、ここでは、第1基板テーブル12の位置を調整する場合について説明したが、第2基板テーブル22についても同様である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図16は、第3実施形態に係る第1基板テーブル12の斜視図である。上述の第1実施形態においては、透過部材81は、第1基板テーブル12の−X側の側面に配置された計測ミラー1Rzと対向するように1つ配置されているが、図16に示すように、第1基板テーブル12の4つの側面のそれぞれに配置された計測ミラー1Rzのそれぞれと対向するように、4つ配置されてもよい。同様に、第2基板テーブル22にも、4つの透過部材82が設けられてもよい。
こうすることにより、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態、及び第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態の一方から他方へ変化させる際、例えば第1基板テーブル12の+X側に配置されている透過部材81の端面81Eと、第2基板テーブル22の−X側に配置されている透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動したり、あるいは、第1基板テーブル12の+Y側に配置されている透過部材81の端面81Eと、第2基板テーブル22の−Y側に配置されている部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動することができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
第4実施形態の特徴的な部分は、透過部材(移動部材)81、82が、第1、第2基板テーブル12、22に対して移動可能に支持されている点にある。そして、透過部材81、82が、その端面81E、82Eが計測ミラー1Rz、2Rzよりも外側に張り出す第1の位置、及び少なくとも計測ミラー1Rz、2Rzの反射面2Szからの計測光MLの進行を妨げない第2の位置のそれぞれに移動される点にある。なお、「計測光(ビーム)の進行を妨げない」とは、「ビームの光路に影響を与えない」、すなわち、計測光MLが、部材81、82に対して透過、屈折、反射のいずれもせず、それにより計測光の光路長が変化しないという意味である。
図17は、第4実施形態に係る第1基板テーブル12を−X側から見た側面図、図18は第1基板テーブル12の一部を示す平面図、図19は、第1基板テーブル12の一部を示す側断面図である。以下、第1基板テーブル12及び透過部材81について主に説明するが、第2基板テーブル22及び透過部材82も同様である。
上述の各実施形態と同様、透過部材81は、上面及び下面を有する板状の部材であり、端面81Eを有する。本実施形態においては、透過部材81は、第1基板テーブル12に対して、図中、少なくともX軸方向に移動可能に支持され、透過部材81の端面81Eは、計測ミラー1Rzの反射面1Szに対して所定の位置関係で配置される。
本実施形態においては、第1基板テーブル12と対向する透過部材81の下面には、X軸方向に延びる複数(本実施形態では3つ)の被ガイド部材83が接続されている。また、透過部材81の下面と対向する第1基板テーブル12の対向面15の保持面15Bの内側には、X軸方向に延び、被ガイド部材83のそれぞれが配置されるガイド溝84が形成されている。X軸方向に関するガイド溝84の大きさ(長さ)は、被ガイド部材83の大きさ(長さ)よりも大きい(長い)。また、Y軸方向に関するガイド溝84の大きさ(幅)は、被ガイド部材83の大きさ(幅)よりも大きい。
また、被ガイド部材83の側面と対向するガイド溝84の内側面には、被ガイド部材83の側面とガイド溝84の内側面との間に気体を供給する給気口85が形成されている。給気口85から供給される気体によって、被ガイド部材83の側面と対向するガイド溝84の内側面とのギャップが維持される。
図20及び図21は、図17の断面図である。第1基板テーブル12は、透過部材81を下面側から非接触で支持する支持機構86を備えている。本実施形態においては、被ガイド部材83の下面に磁石(例えばN極)が配置されており、支持機構86は、被ガイド部材83の下面と対向するガイド溝84の底面に配置された磁石(例えばN極)を含む。被ガイド部材83の磁石とガイド溝84の磁石とは同じ極同士である。したがって、その磁石同士が反発し合うことによって、図21に示すように、被ガイド部材83に接続された透過部材81は、その透過部材81の下面と対向する第1基板テーブル12の保持面15Bに対して非接触で支持される。
また、支持機構86は、上述の給気口85も含み、磁石によって、ガイド溝84の底面に対して被ガイド部材83が浮いた状態でも、給気口85から供給される気体によって、被ガイド部材83の側面と対向するガイド溝84の内側面とのギャップが維持される。
支持機構86によって第1基板テーブル12の保持面15Bに対して非接触で支持された被ガイド部材83を有する透過部材81は、ガイド溝84に案内されつつ、X軸方向に移動可能である。透過部材81は、ガイド溝84に案内されつつX軸方向に移動することによって、その端面81Eが計測ミラー1Rzよりも外側に張り出す第1の位置、及び少なくとも計測ミラー1Rzの反射面1Szからの計測光MLの進行を妨げない第2の位置のそれぞれに移動可能である。
本実施形態においては、ノズル部材30は、透過部材81を上面側から保持可能である。上述のように、本実施形態のノズル部材30は、例えば特開2004−289126号公報(対応米国特許第6,952,253号)、特開2004−289128号公報(対応米国特許第7,110,081号)等に開示されているようなシール部材を含み、ガス導入口とガス導出口とを有する。制御装置7は、支持機構86によって第1基板テーブル12の保持面15Bに対して非接触で支持された透過部材81とノズル部材30とを対向させ、ノズル部材30のガス導入口を介したガス導入(供給)動作、及びガス導出口を介したガス導出(吸引)動作により、ノズル部材30の下面と透過部材81の上面との間に、ガスベアリングを形成可能である。ノズル部材30の下面と透過部材81の上面との間には、与圧真空型のガスベアリングが形成される。ガスベアリングにより、ノズル部材30の下面と透過部材81の上面とのギャップG(例えば、0.1〜1.0mm)が維持される。ノズル部材30は、透過部材81との間で液体LQの液浸空間LSを形成可能であるとともに、液浸空間LSの外側で、透過部材81との間でガスベアリングを形成することによって、透過部材81の上面を保持可能である。すなわち、ノズル部材30は、透過部材81との間にガスベアリングを形成することによって生じる吸着作用を利用して、ノズル部材30の下面と透過部材81の上面との間に所定のギャップを維持した状態で、透過部材81を保持する。
また、本実施形態においては、露光装置EXは、第1基板テーブル12に設けられ、第1の位置及び第2の位置の少なくとも一方に配置された透過部材81の下面を吸着することでその透過部材81を保持可能な第2保持機構87を備えている。第2保持機構87は、透過部材81の下面と対向する第1基板テーブル12の保持面15Bの所定位置に形成され、気体を吸引可能な吸引口88と、その吸引口88に流路を介して接続された真空システム(不図示)とを含む。
透過部材81の下面と第1基板テーブル12の保持面15Bとが対向した状態で、第2保持機構87の真空システムを駆動して、透過部材81の下面と保持面15Bとの間の空間の気体を吸引口88を介して吸引することによって、制御装置7は、透過部材81の下面を、保持面15Bで吸着保持できる。また、制御装置7は、第2保持機構87の真空システムの駆動を停止することによって、透過部材81に対する吸着保持を解除できる。
制御装置7は、第2保持機構87を制御して、第2保持機構87による保持力、すなわち、吸引口88による透過部材81の下面と保持面15Bとの間の気体の吸引動作によって発生する、透過部材81を保持面15Bに向かって引き寄せる力(吸引力)が、被ガイド部材83の磁石とガイド溝84の磁石との間で発生する反発力よりも強くなるように、真空システムを制御して、吸引口88を用いた吸引動作を実行可能である。制御装置7は、吸引口88の吸引動作によって発生する、透過部材81を保持面15Bに向かって引き寄せる力(吸引力)が、被ガイド部材83の磁石とガイド溝84の磁石との間で発生する反発力よりも強くなるように、吸引口88を用いた吸引動作を実行することによって、図20に示すように、第1基板テーブル12の保持面15Bと透過部材81の下面とが接触するように、第1基板テーブル12の保持面15Bで透過部材81を保持(吸着保持)することができる。
次に、第4実施形態に係る露光装置EXの動作の一例について図22の模式図を参照して説明する。本実施形態においては、少なくとも第1基板テーブル12に保持されている基板Pに露光光ELを照射している間は、制御装置7は、図19等に示すように、透過部材81を、計測ミラー1Rzの反射面1Szからの計測光の進行を妨げない第2の位置に移動させておく。すなわち、本実施形態においては、少なくとも第1基板テーブル12に保持されている基板Pの露光中においては、透過部材81は、少なくとも計測ミラー1Rzの反射面1Szからの計測光の進行を妨げない第2の位置に配置される。制御装置7は、第2保持機構87を用いて、第2の位置に配置されている透過部材81の下面を第1基板テーブル12の保持面15Bに吸着するように保持する。本実施形態においては、透過部材81は、その端面81Eが第1基板テーブル12の側面よりも外側に張り出さない位置に、第2保持機構87によって保持される。
露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が完了し、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が完了した後、制御装置7は、計測ステーションST2の第2領域SP2から露光ステーションST1の第1領域SP1へ第2基板ステージ2を移動する。そして、制御装置7は、第1基板ステージ1と第1光学素子8とが対向する状態を維持しつつ、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とに対する第1接続部材71と第2接続部材72との交換動作を実行する。
次に、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態(すなわち、第1基板ステージ1及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態)から、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向する状態(すなわち、第2基板ステージ2及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態)に変化させる。これにより、第2基板ステージ2の基板Pを液浸露光することが可能となる。
まず、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて、第1基板ステージ1の位置を制御して、ノズル部材30と透過部材81とを対向させる。これにより、ノズル部材30と透過部材81との間には液浸空間LSが形成されるとともに、その液浸空間LSの外側に、ガスベアリングが形成される。本実施形態においては、透過部材81のX軸方向の大きさは、少なくとも液浸空間LSのX軸方向の大きさよりも大きい。本実施形態においては、透過部材81の上面とほぼ平行なXY平面における、その透過部材81の上面の大きさは、少なくとも液浸空間LSよりも大きい。したがって、液浸空間LSは、ノズル部材30と透過部材81との間に形成可能である。
そして、制御装置7は、第2保持機構87の吸引口88の吸引動作を停止する。これにより、図22(A)に示すように、透過部材81は、磁石を含む支持機構86の作用によって、第1基板テーブル12の保持面15Bに対して非接触で支持される。
ノズル部材30と透過部材81の上面との間にはガスベアリングが形成されており、ノズル部材30は、支持機構86によって第1基板テーブル12の保持面15Bに対して非接触で支持された透過部材81を上面側から保持する。
ノズル部材30で透過部材81の上面を保持した後、制御装置7は、ノズル部材30に保持された透過部材81と第1基板テーブル12とを相対的に移動する。本実施形態においては、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を制御して、ノズル部材30に保持された透過部材81に対して、第1基板テーブル12(第1基板ステージ1)を+X方向に移動する。ノズル部材30に保持された被ガイド部材83を有する透過部材81は、ガイド溝84に案内されつつ、第1基板テーブル12に対して−X方向に移動する。これにより、図22(B)に示すように、透過部材81は、その端面81Eが計測ミラー1Rzよりも外側に張り出す第1の位置に移動される。
また、本実施形態においては、露光装置EXは、第2基板テーブル22の透過部材82を上面側から保持可能な第3保持機構100を有している。第3保持機構100は、透過部材82の上面との間でガスベアリングを形成することによって、その透過部材82の上面を保持する。制御装置7は、第2基板テーブル22に対して非接触で支持されている透過部材82の上面を第3保持機構100で保持した状態で、基板ステージ駆動システム5を制御して、第2基板テーブル22を−X方向に移動する。これにより、図22(B)に示すように、透過部材82は、その端面82Eが計測ミラー2Rzよりも外側に張り出す第1の位置に移動される。
そして、図22(C)に示すように、透過部材81が第1の位置に移動された後、制御装置7は、第1基板テーブル12の第2保持機構87を用いて、第1の位置に配置された透過部材81の下面を第1基板テーブル12の保持面15Bに吸着させるように保持する。同様に、制御装置7は、第2基板テーブル22の第2保持機構を用いて、第1の位置に配置された透過部材82を第2基板テーブル22の保持面に吸着させるように保持する。
そして、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を制御して、第1の位置に移動された第1基板テーブル12の透過部材81の端面81Eと、第1の位置に移動された第2基板テーブル22の透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動する。
制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とを同期移動させる際に、透過部材81及び透過部材82のそれぞれを第1の位置に移動し、第1基板テーブル12の透過部材81の端面81Eと第2基板テーブル22の透過部材82の端面82SEを接近又は接触させる。こうすることによって、透過部材81、透過部材82、第1基板ステージ1、及び第2基板ステージ2の少なくとも1つが、第1光学素子8との間で液体LQを保持可能な空間を形成する。
すなわち、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を用いて第1基板テーブル12と第2基板テーブル22とを同期移動させるときに、ノズル部材30、第3保持機構100、及び基板ステージ駆動システム5等を用いて、透過部材81、82を第1の位置に移動する。
そして、基板ステージ駆動システム5を用いて、透過部材81の端面81Eと透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させた状態で、第1光学素子8と対向し、第1光学素子8からの露光光ELが照射される位置を含むガイド面GFの第1領域SP1において、第1光学素子8に対して、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とをXY平面内で同期移動する。これにより、制御装置7は、第1基板テーブル12及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向し、第1基板テーブル12及び透過部材81の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態から、第2基板テーブル22及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8とが対向し、第2基板テーブル22及び透過部材82の少なくとも一方と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に変化させることができる。
本実施形態においては、第1基板テーブル12と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態から、第2基板テーブル22と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に変化させる際、透過部材81の端面81Eを計測ミラー1Rzよりも外側に張り出す第1の位置に移動させるとともに、透過部材82の端面82Eを計測ミラー2Rzよりも外側に張り出す第1の位置に移動させる。そして、透過部材81の端面81Eと透過部材82の端面82Eとを接近又は接触させるので、第1基板テーブル12の計測ミラー1Rzと、第2基板テーブル22及び計測ミラー2Rzの少なくとも一方とが接触(衝突)したり、第2基板テーブル22の計測ミラー2Rzと、第1基板テーブル12及び計測ミラー1Rzの少なくとも一方とが接触(衝突)したりすることを抑制できる。これにより、液体LQの漏出を抑制しつつ、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されていた状態から、第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態に円滑に変化させることができる。
ノズル部材30と透過部材82とが対向した後、制御装置7は、第2基板テーブル22の第2保持機構による透過部材82に対する保持動作を解除する。これにより、透過部材82は、第2基板テーブル22の保持面15Bに対して非接触で支持される。
ノズル部材30は、透過部材82の上面との間に液浸空間LSを形成するとともに、その液浸空間LSの外側で、透過部材82との間にガスベアリングを形成することによって、透過部材82の上面を保持する。本実施形態においては、透過部材82のX軸方向の大きさは、少なくとも液浸空間LSのX軸方向の大きさよりも大きい。本実施形態においては、透過部材82の上面とほぼ平行なXY平面における、その透過部材82の上面の大きさは、少なくとも液浸空間LSよりも大きい。したがって、液浸空間LSは、ノズル部材30と透過部材82との間に形成可能である。
ノズル部材30で透過部材82の上面を保持した後、制御装置7は、ノズル部材30に保持された透過部材82と第2基板テーブル22とを相対的に移動する。本実施形態においては、制御装置7は、基板ステージ駆動システム5を制御して、ノズル部材30に保持された透過部材82に対して、第2基板テーブル22(第2基板ステージ2)を+X方向に移動する。これにより、図22(D)に示すように、透過部材82は、計測ミラー2Rzの反射面2Szからの計測光の進行を妨げない、すなわち、計測光が透過部材82に照射されない第2の位置に移動される。
そして、透過部材82が第2の位置に移動された後、制御装置7は、第2基板テーブル22の第2保持機構を用いて、透過部材82の下面が第2基板テーブル22の保持面に吸着するように保持する。透過部材82が第2の位置に移動した後、制御装置7は、その第2基板テーブル22に保持されている基板Pの露光を開始する。
また、本実施形態においては、図22(D)に示すように、露光装置EXは、第1基板テーブル12の透過部材81を上面側から保持可能な第4保持機構101を有している。第4保持機構101は、透過部材81の上面との間でガスベアリングを形成することによって、その透過部材81の上面を保持する。制御装置7は、第1基板テーブル12に対して非接触で支持されている透過部材81の上面を第4保持機構101で保持した状態で、第1基板テーブル12を−X方向に移動する。これにより、図22(D)に示すように、透過部材81は、計測ミラー1Rzの反射面1Szからの計測光の進行を妨げない第2の位置に移動される。透過部材81が第2の位置に移動された後、制御装置7は、第1基板テーブル12の第2保持機構87を用いて、透過部材81の下面が第1基板テーブル12の保持面15Bに吸着するように保持する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1基板ステージ1と第1光学素子8との間に液体LQが保持されている状態、及び第2基板ステージ2と第1光学素子8との間に液体LQが保持される状態の一方から他方に変化させるときにのみ、透過部材81、82の端面81E、82Eが計測ミラー1Rz、2Rzよりも外側に張り出すように、それら透過部材81、82を第1の位置に移動させる。そして、少なくとも基板Pの露光を行うときには、透過部材81、82がZ干渉計6Pzの計測光の進行を妨げないように、それら透過部材81、82を第2の位置に移動するようにしたので、第1基板テーブル12と第2基板テーブル22との間における液浸空間LSの移動を円滑に実行可能であるとともに、少なくとも基板Pの露光中におけるZ干渉計6Pzの計測精度を維持することができる。したがって、基板Pを良好に露光できる。
なお、第4実施形態においては、少なくとも基板Pの露光中には、透過部材81、82は、Z干渉計6Pzの計測光の進行を妨げない位置に移動されるので、透過部材81、82は、必ずしも光を透過する機能を有していなくてもよい。すなわち、第1実施形態で用いた透過部材81、82に代えて、非透過性部材を用い得る。例えば、ステンレス鋼、チタン等の金属、あるいはポリ四フッ化エチレン等の撥液性を有する合成樹脂で形成された部材を用い得る。あるいは、光センサ75を覆う部分だけを光透過性とし他の部分を非透過性部材から形成し得る。
なお、上述の第1〜第4実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面(射出面)側の光路空間を液体で満たしているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレット(対応米国特許出願公開第2005/0248856号)などに開示されているように、先端の光学素子の物体面(入射面)側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。さらに、終端光学素子8の表面の一部(少なくとも液体との接触面を含む)又は全部に、親液性及び/又は溶解防止機能を有する薄膜を形成してもよい。なお、石英は液体との親和性が高く、かつ溶解防止膜も不要であるが、蛍石は少なくとも溶解防止膜を形成することが好ましい。
また、計測ステーションST2での計測作業を、基板P上あるいは第1、第2基板テーブル12、22上に液浸空間LSを形成した状態で行うようにしてもよい。計測ステーションST2で液浸空間LSを形成するために液体LQの供給及び回収作業が必要になるかもしれないが、もう一方の基板Pの露光を行っている間にそれらの動作を行えばよいので、スループットに与える影響はほとんどない。
また、上述の各実施形態では、第1基板テーブル12に透過部材81が、第2基板テーブル22に透過部材82がそれぞれ設けられている例を示したが、いずれか一方の基板テーブルだけに透過部材が設けられてもよい。この場合、透過部材の長さは、一つの計測ミラー、例えば、計測ミラー1Rzの基板テーブル12から外側に張り出す長さの2倍以上の長さを有することにより、第1基板テーブル12から第2基板テーブル22へ液浸空間LSが受け渡しされるときに、計測ミラー1Rz、2Rz同士が衝突することが防止される。さらに、上述の各実施形態では、各基板テーブル(12、22)の4つの側面にそれぞれ干渉計ミラー(反射面)を設けるものとしたが、これに限らず、例えば2つ又は3つの側面に干渉計ミラーを設けるだけでも良い。また、上述の各実施形態では、干渉計ミラーが設けられる基板テーブルの端部に透過部材を設けるものとしたが、これに限らず、干渉計ミラーが設けられていない基板テーブルの端部に透過部材を設けても良い。
また、上述の各実施形態では、液浸法を用いたマルチステージ型の露光装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されることはない。ステージが1つの露光装置でもよいし、液浸法を用いない露光装置でもよい。Z干渉計のための計測光の通過位置と基板テーブルとの位置との関係によっては、本発明を用いることが可能である。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとして、例えば過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体を用いてもよい。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油など)を用いることも可能である。また、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。純水よりも屈折率が高い(例えば1.5以上の)液体LQとしては、例えば、屈折率が約1.50のイソプロパノール、屈折率が約1.61のグリセロール(グリセリン)といったC−H結合あるいはO−H結合を持つ所定液体、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の所定液体(有機溶剤)、あるいは屈折率が約1.60のデカリン(Decalin: Decahydronaphthalene)などが挙げられる。また、液体LQは、これら液体のうち任意の2種類以上の液体を混合したものでもよいし、純水にこれら液体の少なくとも1つを添加(混合)したものでもよい。さらに、液体LQは、純水にH+、Cs+、K+、Cl−、SO4 2−、PO4 2−等の塩基又は酸を添加(混合)したものでもよいし、純水にAl酸化物等の微粒子を添加(混合)したものでもよい。なお、液体LQとしては、光の吸収係数が小さく、温度依存性が少なく、投影光学系PL、及び/又は基板Pの表面に塗布されている感光材(又はトップコート膜あるいは反射防止膜など)に対して安定なものであることが好ましい。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上記各実施形態においては、干渉計システムを用いてマスクステージ及び基板ステージの各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば国際公開第2007/083758号パンフレット(対応米国特許出願番号11/655082)、国際公開第2007/097379号パンフレット(対応米国特許出願番号11/708533)などに開示されているように、各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。あるいは、例えば米国特許出願公開第2006/0227309号などに開示されているように、基板テーブルにエンコーダヘッドが設けられ、かつ基板テーブルの上方にスケールが配置されるエンコーダシステムを用いても良い。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。さらに、上記各実施形態では、第1、第2基板ステージを駆動するアクチュエータとして平面モータを用いても良い。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)、またはフィルム部材等が適用される。また、基板Pの形状は円形のみならず、矩形など他の形状でもよい。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい。すなわち、露光装置EXはスティッチ方式の一括露光装置などでも良い。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。なお、スティッチ方式の露光装置は、走査露光によって各パターンを転写する走査型露光装置でも良い。
また、例えば特開平11−135400号公報(対応国際公開第1999/23692号パンフレット)、特開2000−164504号公報(対応米国特許第6,897,963号)等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。指定国及び選択国の国内法令が許す限りにおいて、米国特許6,897,963号などの開示を援用して本文の記載の一部とする。例えば、基板ステージ及び計測ステージの少なくとも一方に、側面より張り出す計測ミラー(ミラー面が斜面)が設けられている場合、本発明を適用することによって、基板Pを効率良く露光できる。この場合、基板ステージと計測ステージとを近接又は接触させた状態で移動して、一方のステージとの交換で他方のステージを光学素子8と対向して配置することで、基板ステージと計測ステージとの間で液浸空間を移動することができる。計測ステージ上では液浸空間を形成した状態で計測ステージに搭載されている計測器(計測部材)を使って、露光に関する計測(例えば、ベースライン計測)を実行することができる。これにより、基板Pの液浸露光に必要な情報(例えば、ベースライン量、あるいは露光光ELの照度など)が取得できる。液浸空間を、基板ステージと計測ステージとの間で移動する動作、及び基板の交換中における計測ステージの計測動作の詳細は、国際公開第2005/074014号パンフレット(対応する欧州特許出願公開第1713113号明細書)、国際公開第2006/013806号パンフレットなどに開示されている。また、計測ステージを有する露光装置は複数の基板ステージを備えていても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。また、マスクステージを前述のような露光方式に応じて省略することもできる。
なお、上述の各実施形態においては、露光光ELの光路空間を液体LQで満たした状態で基板Pを露光する液浸法を適用した場合を例にして説明したが、露光光ELの光路空間を液体LQで満たさずに、気体のみを満たす、通常のドライ型露光装置にも、本発明を適用可能である。
また、投影光学系PLの光学素子(終端光学素子)8を、フッ化カルシウム(蛍石)に代えて、例えば石英(シリカ)、あるいは、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化リチウム、及びフッ化ナトリウム等のフッ化化合物の単結晶材料で形成してもよいし、石英や蛍石よりも屈折率が高い(例えば1.6以上)材料で形成してもよい。屈折率が1.6以上の材料としては、例えば、国際公開第2005/059617号パンフレットに開示される、サファイア、二酸化ゲルマニウム等、あるいは、国際公開第2005/059618号パンフレットに開示される、塩化カリウム(屈折率は約1.75)等を用いることができる。
上記各実施形態では、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザを用いたが、例えば米国特許第7,023,610号などに開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記各実施形態では、投影領域(露光領域)が矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状、台形状、平行四辺形状、あるいは菱形状などでもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれ、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)などを含む)を用いてもよい。なお、DMDを用いた露光装置は、上記米国特許のほかに、例えば特開平8−313842号公報、特開2004−304135号公報に開示されている。指定国または選択国の法令が許す範囲において米国特許第6,778,257号公報の開示を援用して本文の記載の一部とする。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
また、例えば特表2004−519850号公報(対応米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。本国際出願の指定国又は選択の法令が許す限りにおいて、米国特許第6,611,316号を援用して本文の記載の一部とする。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図23に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述した実施形態に従って、基板Pを露光し、露光した基板Pを現像する処理を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本願明細書に掲げた種々の米国特許及び米国特許出願公開などについては、特に援用表示をしたもの以外についても、指定国または選択国の法令が許す範囲においてそれらの開示を援用して本文の一部とする。