JP2010261407A - 副燃焼室式点火装置 - Google Patents

副燃焼室式点火装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の主燃焼室に連通する副燃焼室内から主燃焼室内に火炎を噴射させて点火を行う副燃焼室式点火装置であって、難着火性内燃機関においても優れた着火性を発揮すると共に、液体燃料の付着によって失火の起こり難い信頼性の高い副燃焼室式点火装置の提供を目的とする。
【解決手段】副燃焼室式点火装置1は、点火手段として副燃焼室付レーザ点火プラグ10を具備し、副燃焼室付レーザ点火プラグ10の先端側には、内燃機関の主燃焼室500に露出する副燃焼室100が区画され、副燃焼室100の底部110には、主燃焼室500に連通する連通孔111が穿設され、高エネルギ供給手段として電源20から供給された電気エネルギをレーザ光に変換して発振するレーザ発振器30を具備し、レーザ発振器30から発振されたレーザ光を集光手段34によって副燃焼室100の容積重心Gよりも連通孔111に近い位置に集光して起爆点FPとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の点火に用いられる副燃焼室式点火装置の着火性の向上及び液体燃料の付着による失火の防止に関する。
近年、自動車エンジン等の内燃機関において、燃焼排気中に含まれる、窒素酸化物や二酸化炭素、未燃炭化水素化合物等の排出量低減やさらなる燃費の向上を図るべく、内燃機関の極希薄化、高過給化について種々と提案されており、また、極希薄内燃機関や高過給内燃機関等の難着火性機関においても良好な点火が実現可能な点火装置について種々と提案されている。
特許文献1には、主燃焼室と、前記燃焼室に隣接し、連通孔を介して前記燃焼室に連通されている副燃焼室と、前記副燃焼室に設けられた点火部と、前記主燃焼室に導入される新気混合気を旋回させて、前記主燃焼室に前記新気混合気の旋回流を形成させる旋回流形成部と、少なくとも気体燃料を前記主燃焼室へ噴射する気体燃料噴射部と、前記新気混合気の旋回流を介して前記主燃焼室から前記副燃焼室へ前記気体燃料が導入されるように、前記気体燃料噴射部を制御する第1制御部と、を備えた副燃焼室式内燃機関が開示されている。
特許文献1にあるような、従来の副燃焼室式内燃機関では、液体燃料に比べて層流燃焼速度の大きい気体燃料を副燃焼室内に導入して、点火プラグの火花放電によって、副燃焼室内の気体燃料に点火し、短い燃焼期間でトーチ状の火炎を発生させ、主燃焼室内に噴射することによってリーン限界の拡大を図っている。
特許文献2には、レーザ発信装置からのレーザ光を、シリンダヘッドに装着されて該レーザ光を集光するレーザ光集光装置に伝送し、該レーザ光集光装置から集光レーザ光を燃焼室内に照射して発生させたプラズマにより前記燃焼室内のガスに着火するように構成されたレーザ着火式エンジンにおいて、前記レーザ発信装置に、前記燃焼室内におけるレーザ正常着火を可能とするパルス時間間隔にて複数パルスのレーザ光を発信せしめるレーザ光発信制御手段を備えたことを特徴とする複数パルスレーザ照射レーザ着火式エンジンが開示されている。
特許文献3には、開口部と該開口部に対向した底面とをもち軸方向に伸びる断面が円形のチャンバーを区画するハウジングと、該ハウジングの表面に設けられ該チャンバーの開口部と外部とを連通する外部電極孔をもつ外部電極と、該チャンバーの該底面に配置された中心電極と、を有し、該中心電極と該外部電極との間に電圧を印加して該チャンバー内にプラズマを発生させ、該チャンバーの開口部からプラズマジェットを噴射する内燃機関用点火装置であって、該チャンバーの容積が10mm以下であり、かつ該チャンバーの軸方向の長さと内径の長さとの比が2以上であることを特徴とする内燃機関用点火装置が開示されている。
ところが、本発明者等の鋭意試験により、特許文献1にあるような従来の副燃焼室式内燃機関においては、副燃焼室内における起爆位置が主燃焼室と副燃焼室とを連通する連通孔から副燃焼室の容積重心以上に離れている場合には、副燃焼室内で発生した高温ガスの低温部が先に主燃焼室内に噴射され、着火タイミングに遅れが生じる虞があることが判明した。
さらに、液体燃料を主燃焼室内に直接噴射する直噴式内燃機関において、このような副燃焼室式内燃機関を実現しようとした場合、液体燃料が上記連通孔に液滴状となって付着したり、長期の使用によって未燃炭化水素化合物等からなるデポジットが蓄積したりして、トーチ状火炎の噴出経路が塞がれ、着火性の低下を招く虞もある。
また、特許文献2にあるように燃焼室内に強力なレーザ光を集光させて点火を行う場合、さらなる希薄化を実現すべく燃焼室内に強い気流を形成すると、レーザ光の集光により発生した火炎核が十分な大きさに成長しないうちに、強い筒内気流に晒されるため、火炎核が吹き消されるように燃焼速度の低下を招き、不安定な着火となる虞がある。
さらに、従来のレーザ点火装置を燃焼室内に直接高圧燃料が噴射される直噴式内燃機関の点火に用いた場合、特に低温始動時においては、噴射された燃料が液滴状に凝縮して、レーザ光の集光経路に付着するため、焦点に乱れを生じ、着火に必要なエネルギ密度まで安定して集光することができなくなり不安定な着火となる虞もある。
特許文献3にあるようなプラズマ点火装置では、チャンバー内に高電圧の印加と大電流の供給とを行うことにより、チャンバー内の気体が電離して高温高圧のプラズマ状態となって噴射され、優れた着火性を発揮できるものと期待されている。
しかし、燃焼室内に強い筒内気流が形成されていると、チャンバーから噴射されたプラズマ状態となった電離気体が混合気と反応して形成された火炎核が十分な大きさに燃焼成長しないうちに、この気流に流されて燃焼速度の低下を招き、不安定な着火となる虞がある。
また、燃焼室内に直接高圧燃料が噴射される直噴式内燃機関の点火にプラズマ点火装置を用いた場合、特に低温始動時においては、噴射された燃料が液滴状に凝縮して付着し、チャンバー開口部が塞がれてプラズマ状態となった電離気体の噴射が抑制されたり、放電経路に燃料の液滴が滞留することによって放電電圧の上昇を招いたりして、不安定な着火となる虞もある。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、内燃機関の主燃焼室に連通する副燃焼室内から主燃焼室内に火炎を噴射させて点火を行う副燃焼室式点火装置であって、難着火性内燃機関においても優れた着火性を発揮すると共に、液体燃料の付着によって失火の起こり難い信頼性の高い副燃焼室式点火装置の提供を目的とするものである。
第1の発明では、内燃機関の主燃焼室に連通する副燃焼室内から主燃焼室内に火炎を噴射させて点火を行う副燃焼室式点火装置であって、副燃焼室式点火装置は、点火手段として先端側に上記副燃焼室が区画され、該副燃焼室の底部近傍に主燃焼室に連通する少なくとも1つ以上の連通孔が穿設された副燃焼室付点火手段と、該副燃焼室付点火手段に電源から供給される電気エネルギを高エネルギに変換して供給する高エネルギ供給手段と、上記内燃機関の運転状況に応じた点火信号を発信して上記高エネルギ供給手段の駆動を制御する電子制御装置と、を具備し、上記副燃焼室付点火手段の起爆点を上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置となす(請求項1)。
第2の発明では、上記副燃焼室付点火手段は、電源から供給された電気エネルギをレーザ光に変換し発振するレーザ発振器を上記高エネルギ供給手段とし、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって、上記レーザ発振器から発振されたレーザ光を上記副燃焼室内の容積重心よりも上記連通孔に近い位置に集光する集光手段を具備する副燃焼室付レーザ点火プラグである(請求項2)。
第3の発明では、上記副燃焼室付点火手段は、電源から供給された電気エネルギを高電圧に昇圧して印加する点火コイルと該点火コイルを開閉するイグナイタとを上記高エネルギ供給手段とし、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって、所定の放電ギャップを設けて対向し、絶縁体を介して配設された中心電極と接地電極との間に上記点火コイルから供給された高電圧を印加して、上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置で火花放電を発生させる副燃焼室付スパークプラグである(請求項3)。
第4の発明では、上記点火手段は、電源から供給された電気エネルギを高電圧に昇圧して印加すると共に大電流として供給するプラズマ電源を上記高エネルギ供給手段とし、絶縁体を介して対向せしめた中心電極と接地電極との間に所定の容積を有する放電空間を設けて、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって上記放電空間内に上記プラズマ電源から高電圧の印加と大電流の供給とを行って上記放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態とし上記放電空間から上記副燃焼室内に噴出せしめ、上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置でプラズマ火炎核を発生させる副燃焼室付プラズマ点火プラグである(請求項4)。
第5の発明では、上記連通孔を複数穿設せしめる(請求項5)。
第6の発明では、上記連通孔は、上記副燃焼室底部の中心軸に対して上記主燃焼室の特定の位置に向かう方向に穿設せしめると共に、上記起爆点は、上記副燃焼室の容積重心よりも先端側で、かつ、上記連通孔の穿設された特定の方向へ偏心せしめる(請求項6)。
第1の発明によれば、上記連通孔の近傍に起爆点が形成されるので、上記副燃焼室内に導入された混合気が着火され、燃焼成長が進む過程で燃焼気体の高温部が上記連通孔から上記主燃焼室内に噴射される。また、上記副燃焼室内に導入された混合気のうち、未燃焼部分が上記燃焼気体の高温部よりも先に上記主燃焼室内に噴出することがなく、上記副燃焼室内の混合気が効率よく燃焼される。したがって、着火性に優れ、信頼性の高い副燃焼室点火装置が実現できる。
第2の発明によれば、上記内燃機関の圧縮行程において、上記副燃焼室内に導入された混合気に上記電子制御装置0の点火信号にしたがって上記レーザ発振器から発振されたレーザ光が集光手段によって、上記副燃焼室の容積重心よりも先端側の連通孔に近い位置にレーザ光が集光され、その位置を起爆点として、副燃焼室内の混合気が着火され、副燃焼室内の未燃混合気あるいは燃焼気体低温部に次々と引火し、燃焼気体高温部が燃焼成長しながら容積を拡大し、その一部が上記連通孔を通って主燃焼室内に噴出する。
このとき、上記主燃焼室内に強力な筒内気流が発生していても、上記副燃焼室内に発生した燃焼気体の高温部に直接触れることはないので、燃焼初期に火炎が消失する虞がなく、適度に燃焼成長し安定した状態で主燃焼内に噴射されることになる。したがって、着火性に優れ、信頼性の高い副燃焼室点火装置が実現できる。
第3の発明によれば、上記イグナイタの開閉により、上記点火コイルに高い2次電圧が発生し、上記放電ギャップの耐電圧を超えると上記中心電極と接地電極との間に火花放電が発生し、このとき、上記起爆点が上記連通孔に近い位置であるため、上記副燃焼室内で成長した火炎核が速やかに主燃焼室内に噴射され、早期に燃焼が拡大する。
また、本発明を直噴式内燃機関に適用した場合、燃料の液滴が直接上記中心電極及び上記接地電極を汚染することがないので、低温始動時のくすぶりが起こり難く、電極表面にデポジットが形成され難くなるのでの点火装置としての信頼性がさらに向上する。
第4の発明によれば、上記内燃機関の運転状態に応じて上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって、上記中心電極と上記接地電極との間の上記放電空間に高電圧が印加され、該放電空間の絶縁耐圧を超えると、上記中心電極と上記接地電極との間の絶縁が破壊され、上記絶縁体の表面を這うように延面放電が発生し、この延面放電をトリガとして上記プラズマ電源から供給された大電流が上記放電空間内に放出され、上記放電空間内の気体が電離され高温高圧のプラズマ状態となって上記放電空間から噴出する。
さらに、プラズマ状態となった気体は、上記副燃焼室内の上記容量重心よりも上記連通孔に近い位置を起爆点として、副燃焼室内に導入された混合気と反応してプラズマ火炎核を形成する。
このとき、上記起爆点が上記連通孔に近い位置であるため、副燃焼室内で成長したプラズマ火炎核が速やかに主燃焼室内に噴射され、早期に燃焼が拡大する。
また、本発明を直噴式内燃機関に用いた場合、燃料の液滴が直接上記中心電極及び上記接地電極を汚染することがないので、低温始動時のくすぶりが起こりがたく、電極表面にデポジットが形成され難くなるのでの点火装置としての信頼性がさらに向上する。
加えて、上記放電空間から噴射された寿命の短いプラズマ状態の電離気体が直接上記主燃焼室内に噴射されるのではなく、筒内に強力な気流が発生している場合であっても、その影響の少ない上記副燃焼室内の混合気に接触してプラズマ火炎核が形成され、上記副燃焼室内の混合気を効率よく燃焼しながら火炎核成長して上記主燃焼室内に噴射されるので、強力な筒内気流に吹き消される虞がない。
したがって、着火性に優れ信頼性の高い副燃焼室式点火装置が実現できる。
第5の発明によれば、上記主燃焼室内に上記複数の連通孔から火炎が噴射されるので、点火タイミングのバラツキが生じても、上記主燃焼室内の燃料リッチな部分への燃焼気体の高温部が噴出され接触する確率が高くなり、より安定した点火の実現も期待できる。
第6の発明によれば、上記主燃焼室のノッキングを発生し易い特定の位置に向かって火炎を噴射させることが可能となり、ノッキングを抑制し、さらに信頼性の高い副燃焼室式点火装置が実現できる。
本発明の第1の実施形態における点火装置の概要を示す断面図。 本発明の副燃焼室式点火装置の実施例における効果を示し、(a)は、圧縮行程における要部断面図、(b)は、点火時の状態を示す要部断面図。 比較例として示す従来の副燃焼室式点火装置の問題点を示し、(a)は、圧縮行程における要部断面図、(b)は、点火時の状態を示す要部断面図。 本発明の効果を確認するために用いた試験装置の概要を示し、(a)は、上面から見た半断面図、(b)は、側面から見た半断面図。 本発明の実施例における効果を示す図面代用シュリーレン写真。 比較例における図面代用シュリーレン写真。 比較例と共に示す本発明の効果を示す特性図。 本発明の第2の実施形態における副燃焼室式点火装置の概要を示す断面図。 本発明の第3の実施形態における副燃焼室式点火装置の概要を示し、(a)は全体図、(b)は要部断面図。 本発明の第4の実施形態における副燃焼室式点火装置の概要を示し、(a)は全体図、(b)は要部断面図。 本発明の第5の実施形態における副燃焼室式点火装置の概要を示し、(a)は全体図、(b)は要部断面図。 本発明の第6の実施形態における副燃焼室式点火装置の概要を示し、(a)は全体図、(b)は要部断面図。 (a)、(b)は、本発明の第6の実施形態における副燃焼室式点火装置の変形例を示す要部断面図。
本発明の副燃焼室式点火装置は、自動車エンジン等の内燃機関の点火に使用され、副燃焼室内の混合気を効率よく燃焼させ、主燃焼室内にトーチ状の火炎を噴射して、内燃機関の点火を行うものである。
本発明の第1の実施形態における点火装置1について、図1を参照して説明する。なお、以下の説明において、図の上方を基端側、下方を先端側と称す。
本実施形態における点火装置1は、自動車エンジン等の内燃機関50の点火に用いられ、点火手段として、レーザ光を集光して火炎核を発生させると共に、先端側には、内燃機関50の主燃焼室500と連通孔111を介して連通する副燃焼室100が区画され、副燃焼室100内の容積重心よりも連通孔111に近い位置において起爆点FPが発生するようにレーザ光を集光して、点火後早期に高温の火炎を副燃焼室100内に形成し、連通孔111から主燃焼室500内に噴射して内燃機関50の点火を行う副燃焼室付レーザ点火プラグ10を有することを最大の特徴としている。
点火装置1は、点火手段である副燃焼室付レーザ点火プラグ10と、副燃焼室付レーザ点火プラグ10にエネルギを供給する高エネルギ供給手段であり、電源20から供給された電気エネルギをレーザ光に変換して発振するレーザ発振器30と、内燃機関50の運転状況に応じて、レーザ発振器30を駆動制御する電子制御装置ECU40とによって構成されている。イグニションスイッチ21が入れられると車載バッテリ、オルタネータ等の電源20からレーザ発振器30にエネルギが供給されると共に運転状況に応じた点火信号がECU30から発信される。
副燃焼室付レーザ点火プラグ10は、有底筒状に形成されたハウジング120を具備し、ハウジング120の外周に形成されたネジ部121等によって、内燃機関50のシリンダヘッド51に穿設されたプラグホール540に先端側が主燃焼室500に露出するように固定されている。
ハウジング120の基端側には、レーザ発振器30から発振されたレーザ光が導入される光ファイバ等のレーザ光伝送手段33が設けられている。
ハウジング120内には、ハウジング120の先端側に区画された副燃焼室100内の所定の位置にレーザ光を集光する集光手段34が載置されている。
集光手段34の先端側には、レーザ光を透過しつつ、集光手段34を保護する保護カバー35が載置されている。
ハウジング120の先端側には、主燃焼室500側に向かって略半球状に膨出する底部110が形成され、ハウジング120の内周と保護カバー34と底部110とによって所定の容積を有する副燃焼室100が区画されている。
ハウジング120の底部110には、主燃焼室500と副燃焼室100とを連通する連通孔111が穿設されている。
なお、本発明において、レーザ発振器30を限定するものではなく、内燃機関の点火に利用可能な公知のレーザ発振器を適宜採用し得るものである。
例えば、レーザ発振器30は、半導体レーザ等のレーザ媒質と、このレーザ媒質にエネルギを与え励起する励起源とからなるレーザ発振源31と、発振されたレーザ光を増幅するレーザ増幅部32とを含んでいる。
レーザ媒質として、半導体レーザ、固体レーザ等を用いることができる。
また、レーザ増幅部は、シャッタ素子(Qスイッチ)と、反射鏡と、出力鏡とを具備し、励起用半導体レーザから発振されたレーザ光により、固体レーザとシャッタ素子が共に励起され、シャッタ素子内のエネルギが、そのシャッタ素子自身の物性によって決定されるある閾値を超えた瞬間にシャッタが開き、レーザ光が反射鏡と出力鏡との間を往復する毎に共振し、増幅され、瞬間的にエネルギ密度の高いレーザ光を取り出すことができる。
内燃機関50は、シリンダヘッド51と略筒状のシリンダ52とシリンダ52内を自在に昇降するピストン53とによって構成され、シリンダヘッド51の内壁とシリンダ52の内周壁とピストン53の頂面とによって主燃焼室500が区画されている。
シリンダヘッド51には、吸気筒510と排気筒520とが設けられ、それぞれ吸気バルブ511と排気バルブ521とによって開閉されている。
主燃焼室500内に吸気筒510から導入された空気と図略の燃料噴射装置によって燃料室500内に供給された燃料とが混合され、ピストン53によって主燃焼室500内の混合気が圧縮されると、連通孔111を通って副燃焼室100内に混合気が圧入される。
所定のクランク角においてECU30から発信される点火信号にしたがって、レーザ発振器30からレーザ光が発振され、集光手段34によって副燃焼室100内の所定の位置に定められた起爆点FPにおいて極めて高いエネルギ密度に集光され、副燃焼室100内の混合気が着火され、高温ガスが連通孔111の近くで発生し、この高温ガスの成長と共に、連通孔111を通って主燃焼室500内に噴射され、主燃焼室500内の混合気の燃焼・爆発が誘発され、主燃焼室500内の圧力PCYLが一気に上昇し、その圧力によってピストン53が押下げられ内燃機関50の動力が得られる。
なお、内燃機関50の主燃焼室500内にはタンブル渦等の強い筒内気流TMBが形成されている。
ここで、図2及び図3を参照し、本発明の副燃焼室点火装置1を用いて、副燃焼室100の容積重心よりも先端側に近づいた位置を起爆点FPとする実施例と、副燃焼室100の容積重心よりも基端側に離れた位置を起爆点FPzとする比較例との燃焼速度の違いについて説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態における副燃焼室式点火装置1では、副燃焼室100の容積重心Gよりも先端側の連通孔111に近い位置にレーザ光が集光されるように集光手段34の焦点を設定してある。
内燃機関50の圧縮行程において、ピストン53の上昇に伴い、主燃焼室500内の混合気の一部が連通孔111を通って副燃焼室100内に導入される。
ECU40の点火信号にしたがって発振されたレーザ光が集光手段34によって副燃焼室100内に集光され、図2(b)に示すように、副燃焼室100の容積重心Gよりも先端側の連通孔111に近い位置を起爆点FPとして、副燃焼室100内の混合気が着火され、副燃焼室100内の未燃混合気あるいは燃焼気体低温部LGに次々と引火し、燃焼気体高温部HGが燃焼成長しながら容積を拡大し、その一部HGが連通孔111を通って主燃焼室500内に噴出する。
このとき、主燃焼室500内に強力な筒内気流TMBが発生していても、副燃焼室100内に発生した燃焼気体高温部HGに直接触れることはないので、燃焼初期に火炎が消失する虞がなく、適度に燃焼成長し安定した状態で主燃焼室500内に噴射されることになる。
一方、比較例においては、図3(a)に示すように、レーザ光の集光位置が連通孔111に対して副燃焼室100内の容積重心Gよりも基端側に離れている。このような構成においては、ECU40の点火信号にしたがって発振されたレーザ光が集光手段34zによって副燃焼室100z内に集光されたときに、図2(b)に示すように、副燃焼室100の容積重心Gよりも基端側の連通孔111zから離れた位置を起爆点FPzとして、副燃焼室100z内の混合気の着火が起こる。このため、点火直後においては連通孔111zからは、燃焼気体高温部HGzが噴出されることなく、その外側に存在する未燃混合気や燃焼気体低温部LGzが噴出される。したがって、副燃焼室100z内で燃焼成長が進み主燃焼室500内に燃焼気体高温部HGzが噴出するまでの時間が長くなり、燃焼バラツキを生じ易くなる。
さらに、副燃焼室100z内で燃焼成長するときに燃焼気体高温部HGzによって未燃混合気が先に押し出されてしまうため副燃焼室100z内で発生する熱エネルギの総量が低下して失火に至る虞もある。
ここで、本発明の効果を検証するために行った試験について、図4、図5、図6を参照して説明する。図4に示す試験装置は、内燃機関50のシリンダヘッド51を模した蓋部51aと、シリンダ52を模した筒部52aと、ピストン53を模した底部53aとによって、燃焼室500を模した燃焼室500aを区画し、耐圧性の圧力容器50aとから構成されている。
筒部52aの側面に点火時の様子を観察すべく耐圧性の観察窓を設けてある。
蓋部51aには、ハウジング120を模して、略半円柱状の溝を穿設した上側ブロック120aと、底部110を模して、略半円柱状の溝を穿設した下側ブロック110aとを合わせて副燃焼室100を模して一定容量の副燃焼室100aを区画し、副燃焼室100aの両側面には、耐圧性の観察窓が設けてある。
さらに、上側ブロック120aの中心には、レーザ式発振装置30から発振され集光手段34、34zによって副燃焼室100a内の所定の位置に集光するための略円柱状の孔が穿設されている。
下側ブロック110aの中心には、連通孔111を模して副燃焼室100aと主燃焼室500aとを連通する連通孔111aが穿設されている。蓋部51の中心には、本発明の副燃焼室式点火装置1を模して副燃焼室100aの容積重心Gよりも先端側に集光する集光手段35、又は比較例として示した従来の副燃焼室式点火装置1zを模して副燃焼室100aの容積重心Gよりも基端側に集光する集光手段35zを固定するためのプラグホール540aが穿設されている。
圧力容器50aには、図略の燃料供給装置が接続され所定圧力で燃料が導入され、さらに図略の圧力調整装置が接続され所定圧力の圧縮空気が導入され、圧力容器50a内は所定の空燃比及び圧力に調整できる。
圧力容器50a内にプロパンと空気とを用いて混合比A/F=12.8の割合で混合した混合気を導入し、主燃焼室500a内の圧力が2気圧となるよう調整し、レーザ発振器30によって、波長λ532nm、ビーム径φ4mm、焦点距離22mm、エネルギ20mJのレーザ光を発振し、上述した実施例の起爆点FPと比較例の起爆点FPzとに対応する位置にレーザ光を集光させ、点火から1.0ms後の状態をシュリーレン撮影し、その結果をそれぞれ図5、図6に示す。
図5に示すように、本発明の実施例を模して副燃焼室100aと主燃焼室500aとを連通する連通孔111aに近い位置に起爆点FPを設定した場合、起爆点FPの周囲に形成された火炎を含む燃焼気体高温部HG1が形成され、連通孔111aから主燃焼室500a内に燃焼気体高温部HGが噴射されることが確認された。
一方、図6に示すように、比較例を模して副燃焼室100aと主燃焼室500aとを連通する連通孔111aから離れた位置に起爆点FPzを設定した場合、起爆点FPzの周囲に火炎を含む燃焼気体高温部HGzが形成されるものの、連通孔111aからは燃焼気体高温部HGzは噴射されず、燃焼気体高温部HGzの燃焼拡大に伴って、その周囲の未燃焼混合又は燃焼気体低温部LGzの一部が燃焼されることなく排出されてしまうので、燃焼気体高温部HGzの燃焼拡大速度が低下し、連通孔111aから噴出されるまでの時間が遅れることが確認された。
さらに、本発明の第1の実施形態に示した副燃焼室式点火装置1を用いた場合における主燃焼室500内の圧力PCYLの変化と、比較例に示した副燃焼室式点火装置1zを用いた場合における主燃焼室500内の圧力PCYLの変化とを測定し、その結果を図7に示す。
図7に示すように、比較例は主燃焼室500内の圧力PCYL上昇に遅れが生じ、本発明の実施例の方が早期に主燃焼室内の圧力PCYLが上昇し良好な着火性を実現できることが確認された。
図8を参照して本発明の第2の実施形態における副燃焼室式点火装置1bについて説明する。なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付したので説明を省略し、相違点についてのみ説明をする(以下の実施形態についても同様とする)。
本実施形態においては、燃料噴射弁60を用いて副燃焼室100b内に直接燃料を噴射し、副燃焼室100b内の空燃比をリッチとし、主燃焼室500内の空燃比をリーンとすることによって、さらに着火性を向上させることも可能となる。
また、このような構成とすることによって全体の空燃比としてはよりリーンとしてさらなる燃費の向上を図ることも可能となると期待される。
図9を参照して本発明の第3の実施形態における副燃焼室式点火装置1cについて説明する。本実施形態においては、燃料噴射弁60cを主燃焼室500内に燃料FLを直接噴射する位置に設けてある。さらに、副燃焼室100cの底部110cには、副燃焼室100c内で形成された燃焼気体高温部HGを噴出する連通孔111に加えて、燃料噴射弁60cから噴射された燃料FLを副燃焼室500c内に導入する燃料導入用連通孔112cが穿設されている。
このような構成とすることによって副燃焼室500c内への燃料FLの導入を容易にし、副燃焼室500c内の空燃比をリッチにして着火を容易となる。さらに、副燃焼室500c自体が保護カバー35を保護する覆いの役割を果たし、燃料FLの液滴が直接保護カバー35を汚染することがないため安定して副燃焼室500c内の所定の位置にレーザ光が集光される。したがって、副燃焼室式点火装置の信頼性がさらに向上する。
図10を参照して本発明の第4の実施形態における副燃焼室式点火装置1dについて説明する。本実施形態においては、副燃焼室100d内に形成された燃焼気体高温部HGを主燃焼室500内の特定の方向に噴射させるように、副燃焼室付レーザ点火プラグ10dをシリンダ52の中心軸に対して斜めに配設してある。
このような構成とすることによって、図10(a)に示すように、燃料噴射弁60dから噴射された燃料FLによって連通孔111dが汚染されるのを抑制すると共に、図11(b)に示すように点火時には、主燃焼室500内のノッキングの発生しやすい特定の位置に向けて燃焼気体高温部HGを優先的に噴射させ、ノッキングを抑制することも可能となる。
さらに、底部110dに複数の連通孔111d、112dが穿設されていても、集光手段35dを副燃焼室500dの中心軸からズレ対置で集光するように配設すると共に連通孔111dを底部中心から偏心させた位置に穿設することによって、起爆点FPdを特定の連通孔111dに近づけることが可能となり、選択的に連通孔111dから燃焼気体高温部HGを噴射させることもできる。
図11を参照して、本発明の第5の実施形態における副燃焼室式点火装置1eについて説明する。上記実施形態においては、点火手段として副燃焼室付レーザ点火プラグを用いた例について説明したが、本実施形態のように点火手段として副燃焼室付スパークプラグ10eを用いた構成としても良い。
副燃焼室付スパークプラグ10eは、略長軸状に形成された中心電極141と、中心電極141を覆う略筒状の絶縁体142と絶縁体142を覆いつつ、副燃焼室100eを区画する有底筒状に形成されたハウジング120eとによって構成されている。
ハウジング120の外周にはネジ部121が形成され、火副燃焼室付花放電プラグ10eの先端が主燃焼室500内に露出するようにシリンダヘッド51に固定されている。ハウジング120eの先端側には底部110eが形成され、副燃焼室100eと主燃焼室500とを連通する連通孔111eが穿設されている。
底部110eに穿設された連通孔111eの近傍に所定の放電ギャップGPを隔てて、中心電極141に対向する接地電極143が設けられている。
絶縁体142は、火花放電が副燃焼室100eの容積重心Gよりも連通孔111eに近い位置で起爆点FPeを形成するように連通孔111eに向かって伸びるように延設されている。
本実施形態における高エネルギ供給手段30eは、電源20の電圧を昇圧する点火コイル32とECU40の点火信号にしたがって点火コイル32を駆動するイグナイタ31とによって構成され、点火コイル32は筒状のケーシング33内に収納され、スパークプラグ10に接続されている。
イグナイタ31のスイッチングにより、点火コイル32に高い2次電圧が発生し、放電ギャップGPの耐電圧を超えると中心電極141と接地電極143との間に火花放電が発生する。
このとき、起爆点FPeが連通孔111eに近い位置であるため上記実施形態と同様に、副燃焼室100e内で成長した火炎核が速やかに主燃焼室500内に噴射され、早期に燃焼が拡大する。
また、上記実施形態と同様に、燃料の液滴が直接中心電極141及び接地電極143を汚染することがないので、低温始動時のくすぶりが起こりがたく、電極表面にデポジットが形成され難くなるのでの点火装置としての信頼性がさらに向上する。
図12を参照して、本発明の第6の実施形態における副燃焼室式点火装置1fについて説明する。本実施形態においては、点火手段として、中心電極141fと、中心電極141fの周囲を覆いつつ中心電極141fの先端面よりも先端側下方に延設され内部に放電空間150fを区画する略円筒状の絶縁体142fと、絶縁体142fを覆いつつ、放電空間150fに連通する内周壁を有して中心電極141fに対向する略円環状の接地電極143fと、接地電極143fに延設して副燃焼室100fを区画する有底筒状に形成されたハウジング120fとからなる副燃焼室付プラズマ点火プラグ10fと、電源20から供給される電気エネルギを高電圧に昇圧して印加すると共に大電流を供給するプラズマ電源装置30fと、内燃機関50の運転状況に応じてプラズマ電源装置30fを制御するECU40とによって構成されている。
プラズマ電源30fのより具体的な構成として、例えば、ECU40から発振される点火信号にしたがって開閉駆動されるイグナイタ31fと、イグナイタ31fの開閉によって電源20の電圧を高電圧に昇圧して副燃焼室付プラズマ点火プラグ10fに印加する点火コイル32fと、点火コイル32から流れる電リュを整流する整流素子33fと、点火時に発生する点火ノイズを吸収するノイズ吸収抵抗34fと、電源20の電圧を所定の電圧に昇圧するDC−Dcコンバータ35fと、DC−DCコンバータ35fによって充電されるコンデンサ36fと、コンデンサ36fから流れる放電電流を整流する大容量整流素子37fとによって構成したものを用いても良い。
ECU40の点火信号にしたがってイグナイタ31fが開閉されると、点火コイル32fの2次側に高電圧が発生し、中心電極141fと接地電極143fとの間の放電空間150fの絶縁耐圧を超えると、中心電極141fと接地電極143fとの間の絶縁が破壊され、絶縁体142fの表面を這うように延面放電が発生し、この延面放電をトリガとしてコンデンサ36fに蓄積された電荷が大電流となって放電空間150f内に放出され、放電空間150f内の気体が電離され高温高圧のプラズマ状態となって放電空間150fから噴出する。さらに、プラズマ状態となった電離気体は、副燃焼室100f内の容量重心Gよりも連通孔111fに近い位置を起爆点FPfとして、副燃焼室100f内に導入された混合気と反応してプラズマ火炎核を形成する。
このとき、起爆点FPfが連通孔111fに近い位置であるため、上記実施形態と同様に、副燃焼室100f内で成長したプラズマ火炎核が速やかに主燃焼室500内に噴射され、早期に燃焼が拡大する。
また、上記実施形態と同様に、燃料の液滴が直接中心電極141f及び接地電極143fを汚染することがないので、低温始動時のくすぶりが起こりがたく、電極表面にデポジットが形成され難くなるのでの点火装置としての信頼性がさらに向上する。
加えて、放電空間150fから噴射された寿命の短い電離気体が直接主燃焼室内に噴射されるのではなく、強力な筒内気流TMBの影響の少ない副燃焼室100f内の混合気に接触してプラズマ火炎核が形成され、副燃焼室100f内の混合気を効率よく燃焼しながら火炎核成長して主燃焼室500内に噴射されるので、強力な筒内気流TMBに吹き消される虞がない。
したがって、着火性に優れ信頼性の高い副燃焼室式点火装置が実現できる。
なお、本実施形態において、供給するエネルギ、放電空間150fの大きさ、放電空間150fから噴射される電離気体の噴射距離Lf等により、副燃焼室100fの大きさは適宜変更可能である。
図13(a)、(b)に、本発明の第6の実施形態の変形例を示す。本図(a)に示すように、底部110gに複数の連通孔111gを穿設して副燃焼室付プラズマ点火プラグ10gとしても良い。このように構成することによって、上記実施形態と同様の効果に加え、主燃焼室500内に複数の連通孔111gから火炎が噴射されるので点火タイミングのバラツキが生じても、主燃焼室500内の燃料リッチな部分への燃焼気体高温部HGの噴出確率が高くなりより安定した点火の実現も期待できる。
図13(b)に示すように、放電空間150hを絶縁体142hの内側に形成するのではなく、接地電極143hに延設したハウジング120hの一部を利用し、噴出孔144hを形成して絶縁体142hの下端面が露出する放電空間150hを区画しても良い。このような構成とすることによって、上記実施形態と同様の効果に加え、絶縁体142hの下端面を這うように延面放電が起こり、放電電圧がより安定し、点火装置としての信頼性を向上できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではなく、点火手段として先端側に副燃焼室が区画され、該副燃焼室の底部近傍に主燃焼室に連通する少なくとも1つ以上の連通孔が穿設された副燃焼室付点火手段と、該副燃焼室付点火手段に電源から供給される電気エネルギを高エネルギに変換して供給する高エネルギ供給手段と、内燃機関の運転状況に応じた点火信号を発信して上記高エネルギ供給手段の駆動を制御する電子制御装置と、を具備し、副燃焼室付点火手段の起爆点を副燃焼室の容積重心よりも連通孔に近い位置となすことによって、副燃焼室から効率よく高温ガスを主燃焼室内に噴射させ着火性の向上を図る本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 副燃焼室式点火装置
10 副燃焼室付レーザ点火プラグ(副燃焼室付点火手段)
100 副燃焼室
110 底部
111 連通孔
20 電源
30 レーザ発振器(高エネルギ供給手段)
40 ECU(電子制御装置)
50 内燃機関
500 主燃焼室
FP 起爆点(集光点)
G 副燃焼室容積重心
特開2007−192204号公報 特開2005−42591号公報 特開2006−294257号公報

Claims (6)

  1. 内燃機関の主燃焼室に連通する副燃焼室内から主燃焼室内に火炎を噴射させて点火を行う副燃焼室式点火装置であって、
    副燃焼室式点火装置は、点火手段として先端側に上記副燃焼室が区画され、該副燃焼室の底部近傍に主燃焼室に連通する少なくとも1つ以上の連通孔が穿設された副燃焼室付点火手段と、該副燃焼室付点火手段に電源から供給される電気エネルギを高エネルギに変換して供給する高エネルギ供給手段と、上記内燃機関の運転状況に応じた点火信号を発信して上記高エネルギ供給手段の駆動を制御する電子制御装置と、を具備し、上記副燃焼室付点火手段の起爆点を上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置となすことを特徴とする副燃焼室式点火装置。
  2. 上記副燃焼室付点火手段は、電源から供給された電気エネルギをレーザ光に変換し発振するレーザ発振器を上記高エネルギ供給手段とし、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって、上記レーザ発振器から発振されたレーザ光を上記副燃焼室内の容積重心よりも上記連通孔に近い位置に集光する集光手段を具備する副燃焼室付レーザ点火プラグであることを特徴とする請求項1に記載の副燃焼室式点火装置。
  3. 上記副燃焼室付点火手段は、電源から供給された電気エネルギを高電圧に昇圧して印加する点火コイルと該点火コイルを開閉するイグナイタとを上記高エネルギ供給手段とし、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって、所定の放電ギャップを設けて対向し、絶縁体を介して配設された中心電極と接地電極との間に上記点火コイルから供給された高電圧を印加して、上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置で火花放電を発生させる副燃焼室付スパークプラグであることを特徴とする請求項1に記載の副燃焼室式点火装置。
  4. 上記点火手段は、電源から供給された電気エネルギを高電圧に昇圧して印加すると共に大電流として供給するプラズマ電源を上記高エネルギ供給手段とし、絶縁体を介して対向せしめた中心電極と接地電極との間に所定の容積を有する放電空間を設けて、上記電子制御装置から発信された点火信号にしたがって上記放電空間内に上記プラズマ電源から高電圧の印加と大電流の供給とを行って上記放電空間内の気体を高温高圧のプラズマ状態とし上記放電空間から上記副燃焼室内に噴出せしめ、上記副燃焼室の容積重心よりも上記連通孔に近い位置でプラズマ火炎核を発生させる副燃焼室付プラズマ点火プラグであることを特徴とする請求項1に記載の副燃焼室式点火装置。
  5. 上記連通孔を複数穿設せしめたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の副燃焼室式点火装置。
  6. 上記連通孔は、上記副燃焼室の底部の中心軸に対して上記主燃焼室の特定の位置に向かう方向に穿設せしめると共に、上記起爆点は、上記副燃焼室の容積重心よりも先端側で、かつ、上記連通孔の穿設された特定の方向へ偏心せしめることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の副燃焼室式点火装置。
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