JP2011099402A - 点火プラグ及びその点火プラグを備えたエンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火点12を有するプラグ本体13と、点火点12を覆う点火室15を形成するプラグカバー14とを備え、点火室15とプラグカバー14の外側とを連通する複数の連通孔16がプラグカバー14に形成され、プラグ本体13が、プラグカバー14に対して移動自在に設けられ、プラグカバー14に対するプラグ本体13の移動により点火室15の容積が変更自在に構成されている。
【選択図】図1
Description
前記プラグ本体が、前記プラグカバーに対して移動自在に設けられ、前記プラグカバーに対する前記プラグ本体の移動により前記点火室の容積が変更自在に構成されている点にある。
以上のことから、点火室に十分な混合気を流入させることができながら、点火点にも十分な混合気を供給させることができ、連通孔にて点火室に流入される混合気の火花点火を安定して行うことができる点火プラグを実現できる。
ここで、点火プラグにおいてプラグ本体がプラグカバーに対して移動自在とは、プラグカバーに対してプラグ本体を移動可能とする構造を有することを意味する。
ここで、点火プラグにおいてシリンダヘッドに装着自在とは、シリンダヘッドに装着可能とする構造を有することを意味する。
〔エンジンの全体構成〕
エンジン1は、図1に示すように、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の天面2aとともに燃焼室3を形成するシリンダ4と、シリンダヘッド6に装着された点火プラグ7(本発明に係る点火プラグ)とを備えている。ピストン2をシリンダ4内で往復運動させるとともに、吸気バルブ8及び排気バルブ(図示を省略)を開閉動作させることにより、燃焼室3において、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の各行程を順次行う。これにより、図示は省略するが、ピストン2の往復動を連結棒によってクランク軸の回転運動として出力するように構成されている。このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と同様の構成である。ここでは、4ストローク内燃機関について説明するが、2ストローク内燃機関に本発明に係る点火プラグを採用してもよい。
点火プラグ7は、先端部(図1及び図2中の下端部)に点火点12を有するプラグ本体13と、点火点12を覆うように設けられたプラグカバー14とから構成されている。点火プラグ7は、シリンダヘッド6側から燃焼室3側にプラグカバー14を突出させて、シリンダヘッド6に装着されている。そして、点火プラグ7は、点火タイミング(例えば、ピストン2が上死点直前に位置するタイミング)においてピストン2に形成された凹部10にプラグカバー14を挿入させるように装着されている。点火プラグ7は、その中心軸が燃焼室3の中心軸Qと同軸上となるように設けられている。
エンジン1は、吸気バルブ8を開動作させた状態でピストン2が上死点から下降することにより、燃焼室3に混合気Mを吸気する吸気行程が行われる。次に、吸気バルブ8を閉動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の混合気Mを圧縮する圧縮行程が行われる。この圧縮行程では、ピストン2の上昇により燃焼室3の容積が減少されるので、燃焼室3の混合気Mが連通孔16を通して点火室15に流入する。
エンジン1は、点火タイミング(例えば、上死点直前)に、点火プラグ7を作動させて、点火点12にて火花点火して点火室15の混合気Mに点火させる。すると、点火室15での燃焼が進み、火炎が連通孔16を通して燃焼室3に噴出する。これにより、燃焼室3の混合気Mが燃焼されて膨張行程が行われる。次に、排気バルブを開動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の排ガスを排気ポートに排出する排出行程が行われる。
このようにして、エンジン1は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の順に各行程を行う一連の動作を繰り返し行うように構成されている。
本発明に係る点火プラグ7では、弾性体20の付勢力が、圧縮行程の途中にて点火室15の圧力よりも小さくなり、且つ、膨張行程の途中にて点火室15の圧力よりも大きくなるように設定されており、点火室15の容積が、圧縮行程及び膨張行程において増減されるように構成されている。そこで、図3に基づいて、圧縮行程及び膨張行程での点火室15の容積の変化について説明する。
P0は、図1に示すように、規制部23が段部14cに当接しているときの弾性体20の付勢力を示しており、この付勢力が圧縮行程の途中にて点火室15の圧力よりも小さくなり、且つ、膨張行程の途中にて点火室15の圧力よりも大きくなるように設定されている。これにより、この付勢力P0が点火室15内の圧力よりも大きいと、図1に示すように、規制部23が段部14cに当接して点火室15の容積が最小容積となり、付勢力P0が点火室15内の圧力よりも小さくなると、点火プラグ13が上方側に移動して点火室15の容積が増加する。また、P1は、図2に示すように、弾性体20が最大限に圧縮されて点火室15の容積が最大容積となったときの弾性体20の付勢力を示している。これにより、この付勢力P1よりも点火室15内の圧力が大きくなっても、弾性体20に縮みしろが殆どないことにも起因して点火プラグ13が上方側に移動せず、点火室15の容積が一定の容積に保たれることになる。よって、付勢力P1を設定することで、点火室15の容積増加を規制して点火室15の最大容積を設定している。
圧縮行程では、ピストン2の上昇による燃焼室3の容積の減少に伴って燃焼室3の混合気Mが連通孔16を通して点火室15に流入する。このとき、点火室15内の圧力PがP0よりも小さくなっているので、点火室15の容積が最小容積となっている(図1参照)。この状態で、プラグ本体13は燃焼室3に接近して点火室15の容積を小さくする燃焼室3に接近した接近位置を取っている。
圧縮された混合気Mが点火室15へ流入することにより点火室15内の圧力が上昇し、点火室15内の圧力PがP0よりも大きくなると、点火プラグ13が弾性体20の付勢力に抗して上方側に移動して点火室15の容積が増加する。これにより、点火室15に十分な混合気Mを流入させることができるので、点火点12に十分な混合気Mを供給して連通孔16にて点火室15に流入される混合気Mの火花点火を安定して行うことができる。
点火タイミングT(例えば、上死点直前)にて点火プラグ7を作動させて点火室15の混合気Mに着火させて燃焼させる。これにより、点火室15内の圧力Pが更に上昇して点火室15の容積が増加するとともに、火炎が連通孔16を通して燃焼室3に噴出される。
点火室15内の圧力Pが上昇することにより点火室15の容積が増加するが、点火室15内の圧力PがP1に達すると、点火室15の容積が最大容積となる(図2参照)。この状態で、プラグ本体13は燃焼室3から離間して点火室15の容積を大きくする燃焼室3から離間した離間位置を取っている。よって、点火室15内の圧力PがP1よりも大きくなっても、点火室15の容積が増加せず、最大容積の状態が維持される。
膨張行程によりピストン2が下降して燃焼室3及び点火室15内の圧力が低下し、点火室15内の圧力PがP1よりも小さくなると、弾性体20の付勢力によりプラグ本体13が下方側に移動して点火室15の容積が減少する。これに伴って点火室15内の既燃ガスを連通孔16を通して燃焼室3に積極的に排気することができ、点火室15内に残留する既燃ガスの量を極力少なくすることができる。そして、点火室15内の圧力PがP0に低下するまで、プラグ本体13が下方側に移動して点火室15の容積の減少が継続され、点火室15内の圧力PがP0よりも小さくなると、点火室15の容積が最小容積となる(図1参照)。
(1)上記実施形態では、点火室15の圧力の変化及び弾性体20の付勢力によりプラグカバー14に対してプラグ本体13を移動させているが、例えば、アクチュエータ等の駆動部を備えて、駆動部の駆動によりプラグカバー14に対してプラグ本体13を移動させることもできる。
2 ピストン
3 燃焼室
6 シリンダヘッド
7 点火プラグ
12 点火点
13 プラグ本体
14 プラグカバー
15 点火室
16 連通孔
20 弾性手段(弾性体)
23 規制部
Claims (9)
- 点火点を有するプラグ本体と、前記点火点を覆う点火室を形成するプラグカバーとを備え、前記点火室と前記プラグカバーの外側とを連通する連通孔が前記プラグカバーに形成されている点火プラグであって、
前記プラグ本体が、前記プラグカバーに対して移動自在に設けられ、前記プラグカバーに対する前記プラグ本体の移動により前記点火室の容積が変更自在に構成されている点火プラグ。 - 前記プラグ本体は、前記点火室の圧力変化により前記プラグカバーに対して移動自在に構成され、前記点火室の容積が減少する側に前記プラグ本体を付勢する付勢手段が設けられている請求項1に記載の点火プラグ。
- 前記点火室の容積が最小容積より減少する側への前記プラグ本体の移動を規制する規制部が備えられている請求項2に記載の点火プラグ。
- シリンダヘッド側からピストンに面する燃焼室に前記プラグカバーを突出させて前記点火室と前記燃焼室とを前記連通孔にて連通させるように装着対象のエンジンの前記シリンダヘッドに装着自在に構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の点火プラグ。
- 前記プラグ本体は、前記点火室の圧力変化により前記プラグカバーに対して移動自在に構成され、前記点火室の容積が減少する側に前記プラグ本体を付勢する付勢手段が設けられている構成において、前記付勢手段の付勢力が、前記装着対象のエンジンにおける圧縮行程の途中にて前記点火室の圧力よりも小さくなり、且つ、前記装着対象のエンジンにおける膨張行程の途中にて前記点火室の圧力よりも大きくなるように設定されている請求項4に記載の点火プラグ。
- 請求項1に記載の点火プラグを備えたエンジンであって、
前記点火プラグが、シリンダヘッド側からピストンに面する燃焼室に前記プラグカバーを突出させて前記点火室と前記燃焼室とを前記連通孔にて連通させるように前記シリンダヘッドに装着されているエンジン。 - 前記プラグ本体は、前記点火室の圧力変化により前記プラグカバーに対して移動自在に構成され、前記点火室の容積が減少する側に前記プラグ本体を付勢する付勢手段が設けられている請求項6に記載のエンジン。
- 前記点火プラグは、前記付勢手段の付勢力が、圧縮行程の途中にて前記点火室の圧力よりも小さくなり、且つ、膨張行程の途中にて前記点火室の圧力よりも大きくなるように設定されている請求項7に記載のエンジン。
- 前記点火プラグには、前記点火室の容積が最小容積より減少する側への前記プラグ本体の移動を規制する規制部が備えられている請求項6〜8の何れか1項に記載のエンジン。
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