JP5325019B2 - 副室式エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンに面する主室と、その主室に噴孔を介して連通する副室とを有する燃焼室を備え、副室に形成された混合気を火花点火する副室式エンジンに関する。
近年、環境性・経済性から天然ガスを燃料としたコージェネレーションシステムの導入が進められている。その中でも、ガスエンジンを用いたシステムは発電効率が高いことから主流となってきている。ガスエンジンコージェネレーションシステムは、1kWクラスの小型のものから数MWの大型のものまで実用化されており、エンジンのサイズにより異なったエンジン形式・燃焼室形式が採用されている。
1〜2MWクラスの中型コージェネレーションシステムにおいては、高効率を実現できることから、副室式エンジンを採用することが主流となってきている。副室式エンジンでは、主室と呼ばれる通常の燃焼室と、その主室に噴孔を介して連通する副室と呼ばれる燃焼室を備える。そして、吸気行程では、主室の吸気路に設けられる吸気弁を開弁して主室に希薄混合気を導入するとともに、副室に濃い混合気を形成して着火性を確保することにより、従来よりも希薄な混合気の燃焼を行っている。
特許文献1には、副室へ燃料ガスを導入するために、副室燃料ガス通路の最下流の副室に繋がる部位に逆止弁を設けている副室式エンジンが記載されている。逆止弁は、その上流側の圧力が下流側の圧力よりも設定開弁圧以上高くなると開弁するように構成されている。このような逆止弁を採用することで、順方向(即ち、副室燃料ガス通路から副室へ向かう方向)へは、逆止弁の上流側の圧力が下流側の圧力よりも設定開弁圧以上高くなると燃料ガスが流れるようにでき、且つ、逆方向(即ち、副室から副室燃料ガス通路へ向かう方向)へは燃料ガスが流れないようにできる。つまり、燃焼室(主室及び副室)の圧力(即ち、逆止弁の下流側の圧力)が高くなる圧縮行程及び膨張行程では、逆止弁は閉じられている。また、吸気行程では、通常は、燃料ガスの供給圧力を制御する供給圧力調整部が、吸気行程における逆止弁の上流側の圧力が下流側(燃焼室)の圧力よりも設定差圧(上記設定開弁圧以上高い圧力)だけ高くなるような制御を行っているので、副室への燃料ガスの導入が行われる。
特開平10−184462号公報
特許文献1に記載の副室式エンジンでは、逆止弁の開閉タイミングが逆止弁の上流側の圧力と下流側の圧力とによって決まるため、副室への燃料ガスの供給タイミングが燃焼室の圧力変動に影響されるという問題がある。例えば、図5は、膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。図5に示すように、排気行程では燃焼室の圧力が大きく低下するため、逆止弁の上流側の圧力が下流側の燃焼室の圧力よりも設定開弁圧:ΔP以上高くなって、逆止弁が開弁する。この場合、排気行程中に燃料ガスが副室に流入し、その一部は主室へ流出して、主室から排気路を介して外部に排出される。その結果、未燃炭化水素排出量の増加と熱効率の低下が引き起こされる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気行程において燃料ガスが排気路から排出されない副室式エンジンを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る副室式エンジンの特徴構成は、ピストンに面する主室と、前記主室に噴孔を介して連通する副室とを有する燃焼室と、
前記主室の吸気路に設けられる吸気弁及び排気路に設けられる排気弁と、
前記副室に燃料ガスを供給する副室燃料ガス通路と、
前記副室に形成された混合気を火花点火する点火部と、
前記副室燃料ガス通路における前記燃料ガスの流通を遮断可能な開閉弁と、
前記開閉弁よりも下流側の前記副室燃料ガス通路に設けられる逆止弁と、を備え、
前記逆止弁は、前記開閉弁から前記逆止弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記副室の圧力よりも設定開弁圧以上高いときに開弁し、前記開閉弁から前記逆止弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記副室の圧力よりも前記設定開弁圧未満だけ高い又は前記副室の圧力以下になると閉弁するように構成されている副室式エンジンであって、
前記主室の吸気行程において、前記吸気弁を前記吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる吸気弁開閉時期調整手段と、
前記開閉弁を前記吸気行程の開始とともに開弁させ且つ前記吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる開閉弁開閉時期調整手段と、を備え
前記吸気行程の下死点付近において前記逆止弁が閉弁した時の前記逆止弁から前記開閉弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記主室の排気行程における前記副室の圧力よりも前記設定開弁圧未満だけ高い又は前記排気行程における前記副室の圧力以下となるように、前記吸気行程における前記吸気弁及び前記開閉弁の閉弁タイミングが設定されている点にある。
上記特徴構成によれば、ミラーサイクルを採用したことで、吸気弁と開閉弁とが閉弁した後の吸気行程では、ピストンが下死点まで移動する間、開閉弁から逆止弁までの間の副室燃料ガス通路及び燃焼室の圧力は共に大きく低下する。そして、圧力が低下した結果、吸気行程の下死点付近において、開閉弁から逆止弁までの副室燃料ガス通路の圧力が、副室の圧力よりも設定開弁圧未満だけ高い又は副室の圧力以下になると、逆止弁が閉弁する。
吸気行程の後の圧縮行程及び膨張行程では、逆止弁の下流側の燃焼室の圧力は非常に高くなるため、逆止弁は閉弁状態のままである。よって、開閉弁から逆止弁までの副室燃料ガス通路の圧力は、吸気行程の最終段階での圧力を維持している。
その後の排気行程でも、開閉弁と逆止弁との間の副室燃料ガス通路の圧力は、吸気行程におけるミラーサイクルにより大きく低下したままである。よって、排気行程において排気弁を開弁状態として、ピストンの下死点からの上昇に伴って燃焼室に存在する排ガスを排気路に排出するときも、逆止弁の下流側の燃焼室の圧力は開閉弁と逆止弁との間の副室燃料ガス通路の圧力よりも大きくなるため、逆止弁は閉弁状態のままである。
その後、開閉弁は吸気行程の開始とともに開弁するので、それと共に開閉弁と逆止弁との間の副室燃料ガス通路の圧力は上昇する。その結果、開閉弁から逆止弁までの副室燃料ガス通路の圧力が副室の圧力よりも設定開弁圧以上高くなって、逆止弁が開弁する。つまり、吸気行程の開始とともに燃焼室への燃料ガスの供給が開始される。
従って、排気行程において燃料ガスが排気路から排出されない副室式エンジンを提供できる。
本発明に係る副室式エンジンの別の特徴構成は、前記吸気行程における前記吸気弁の閉弁タイミングと前記開閉弁の閉弁タイミングとは同期している点にある。
上記特徴構成によれば、吸気行程における吸気弁の開閉タイミングと開閉弁の開閉タイミングとは同期しているので、吸気弁と開閉弁とを同じカムシャフトなどの動弁機構を用いて作動させることができる。
副室式エンジンの構成を説明する図である。 吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを説明する図である。 本実施形態の膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。 比較例の膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。 従来例の膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。
以下に図面を参照して本発明に係る副室式エンジンについて説明する。
図1は、副室式エンジンの構成を説明する図である。図1に示すように、副室式エンジン100は、ピストン2に面する主室10及びその主室10に噴孔21を介して連通する副室11を有する燃焼室1と、主室10の吸気路5に設けられる吸気弁4及び排気路7に設けられる排気弁6と、副室11に燃料ガスGを供給する副室燃料ガス通路14と、副室11に形成された混合気を火花点火する点火部12と、副室燃料ガス通路14における燃料ガスGの流通を遮断可能な開閉弁39と、開閉弁39よりも下流側の副室燃料ガス通路14に設けられる逆止弁30と、を備える。上記副室11の容積は、燃焼室1全体の容積の数%(例えば3%)程度である。
本実施形態の副室式エンジン100は、気体燃料である都市ガス(13A)を燃料ガスGとして利用するものである。上記燃料ガスGは、副室燃料ガス通路14から逆止弁30を通じて副室11に供給される。上述のように、副室燃料ガス通路14には、燃料ガスGの流通を遮断可能な開閉弁39が設けられ、開閉弁39よりも下流側の副室燃料ガス通路14には逆止弁30が設けられる。
副室式エンジン100は、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の頂面と共に主室10を形成するシリンダ3とを備える。ピストン2がシリンダ3内で往復運動し、それと共に吸気弁4及び排気弁6が開閉動作して、主室10において吸気、圧縮、膨張(燃焼)、排気の各行程が行われる。そして、ピストン2の往復運動が、連結棒15によってクランク軸16の回転運動として出力される。また、ピストン2の頂面の中央部には、いわゆる深皿型の凹部2aが形成されている。
更に、副室式エンジン100は、ターボ過給機23を備える。ターボ過給機23は、排気路7を流通する排ガスの運動エネルギによりタービン23bを回転させ、当該タービン23bと同軸のコンプレッサ23aにより吸気路5を流通する新気Iを過給する。
以上のような構成の副室式エンジン100は、吸気行程において吸気弁4を開弁状態として、吸気路5から主室10に空気と少量の燃料ガスGとの混合気好ましくは希薄混合気である新気Iを吸入し、圧縮及び膨張(燃焼)行程において吸気弁4及び排気弁6を閉弁状態として、この吸入した新気Iを圧縮した後に膨張(燃焼)させ、排気行程において排気弁6を開弁状態として、主室10から排気路7に排ガスを排出するように運転される。
また、吸気行程において吸気弁4が開弁状態となると、燃焼室1と吸気路5とが連通状態となることから、燃焼室1の圧力も上記吸気圧力に略相当するものとなる。本実施形態では、燃焼室1を構成する主室10と副室11とは噴孔21を介して連通しているので、主室10の圧力及び副室11の圧力は互いに等しい。よって、以下の説明で「燃焼室1の圧力」と記載するとき、それは主室10の圧力及び副室11の圧力と同じものを指す。
更に、排気行程において排気弁6が開弁状態となると、燃焼室1と排気路7とが連通状態となることから、燃焼室1の圧力も上記排気圧力に略相当するものとなる。尚、上記吸気圧力及び排気圧力については、吸気路5及び排気路7に発生する脈動により変化する場合があるが、その場合には、後述する圧力応動式に構成される逆止弁30の不意の開弁を防止するべく、その圧力変化の最低圧力を夫々の圧力として取り扱う。
〔逆止弁の構成〕
次に、逆止弁30の構成について説明する。
シリンダヘッド9に形成された副室11を形成する円柱状の凹部の上方開口部には、当該開口部に嵌合する形態で有底筒状の口金31が取り付けられている。また、当該口金31の上方開口部には、当該開口部に嵌合する形態で内部に副室燃料ガス通路14を形成する燃料供給管33が取り付けられている。更に、口金31の底部には、副室11と上記口金31内とを連通する燃料供給口32が形成されている。
上記口金31内には、弁体35が設けられている。また、この弁体35は、上記燃料供給管33に形成された弁座部34に当接して燃料供給管33の先端開口部を封鎖する状態(即ち、逆止弁30の閉弁状態)と、当該弁座部34から下方に離間して燃料供給管33の先端開口部を開放する状態(即ち、逆止弁30の開弁状態)とを切り換える形態で、上下方向に摺動自在に配置されている。また、口金31内の弁体35の下方部には、上記弁体35を下方から弁座部34へ向けて付勢する状態で配置されたコイルバネ等からなる付勢部材36が設けられており、その付勢力は後述する設定差圧よりも低い適切な設定開弁圧:ΔPに設定されている。
そして、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の圧力(逆止弁30の上流側の圧力)が、副室11の圧力(逆止弁30の下流側の圧力)よりも設定開弁圧:ΔP以上高くなると、逆止弁30が開弁する。つまり、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の圧力が副室11の圧力と付勢部材36の付勢力との和に打ち勝ち、弁体35が下方に移動して弁座部34から離間すると、燃料供給管33の先端開口部が開放される。その結果、副室燃料ガス通路14から燃料供給口32を通じて副室11に燃料ガスGが供給される。
一方で、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の圧力が、副室11の圧力よりも設定開弁圧:ΔP未満だけ高い又は副室11の圧力以下になると、逆止弁30が閉弁する。つまり、副室11の圧力と付勢部材36の付勢力との和が、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の圧力に打ち勝ち、弁体35が上方に移動して弁座部34に当接すると、燃料供給管33の先端開口部が閉鎖される。その結果、副室燃料ガス通路14から副室11への燃料ガスGの供給が逆止弁30で停止される。
〔供給圧力調整部の構成〕
次に、供給圧力調整部38の構成について説明する。
本実施形態の副室式エンジン100は、副室燃料ガス通路14の開閉弁39の上流側における燃料ガスGの供給圧力が吸気路5における吸気圧力よりも設定差圧(上記設定開弁圧:ΔP以上高い圧力)だけ高くなるように燃料ガスGの供給圧力を制御する供給圧力調整部38を備える。また、開閉弁39よりも上流側の副室燃料ガス通路14には、燃料ガスGの供給圧力を調整する圧力調整弁37が設けられている。そして、供給圧力調整部38は、吸気行程において、吸気路5に設けられた圧力センサ25で計測された吸気圧力(燃焼室1の圧力に相当)と、副室燃料ガス通路14の開閉弁39よりも上流側の圧力センサ26で計測された燃料ガスGの供給圧力との差圧(即ち、「燃料ガスGの供給圧力−吸気圧力」で導出される圧力)が上記設定差圧になるように、燃料ガスGの供給圧力を調整する圧力調整弁37の作動を制御する。その結果、開閉弁39が開弁されていれば、逆止弁30の上流側の圧力は下流側の副室11の圧力よりも上記設定開弁圧:ΔP以上高くなり、逆止弁30が開弁状態となる。即ち、供給圧力調整部38は、吸気圧力が変動した場合でも、その吸気圧力の変動に応じて圧力調整弁37により燃料ガス供給圧力を変化させて、上記差圧を上記設定差圧に安定して維持できる。
よって、吸気行程において、上記逆止弁30は開弁状態となり、適切な流量の燃料ガスGが副室11に供給される。
〔開閉弁開閉時期調整部及び弁開閉時期調整部の構成〕
次に、開閉弁開閉時期調整部40及び弁開閉時期調整部50の構成について説明する。
副室式エンジン100は、上記開閉弁39の開閉時期を調整する開閉弁開閉時期調整部40を備える。開閉弁39は、例えば電磁弁により構成される弁機構であり、通電状態を変えることで開弁状態と閉弁状態との切り換えが行われる。この開閉弁開閉時期調整部40は、クランク軸16の回転角を検出するクランク角センサ46の検出結果に基づいて、後述するような適切なタイミングで開閉弁39の開閉状態を調整する。具体的には、開閉弁開閉時期調整部40は、開閉弁39を主室10の吸気行程の開始と共に開弁させ且つ吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる。
また、副室式エンジン100は、吸気弁4の開閉時期を調整する吸気弁開閉時期調整部51と排気弁6の開閉時期を調整する排気弁開閉時期調整部52とを有する弁開閉時期調整部50を備える。吸気弁開閉時期調整部51及び排気弁開閉時期調整部52のそれぞれは、クランク軸16と連動するカムシャフト等の動弁機構によって実現される。そして、それぞれの動弁機構を用いて、吸気弁4及び排気弁6の開閉時期及びリフト量が調整される。
以上のように、上記吸気弁開閉時期調整部51は本発明における「吸気弁開閉時期調整手段」に相当し、上記開閉弁開閉時期調整部40は本発明における「開閉弁開閉時期調整手段」に相当する。
〔逆止弁の動作〕
次に、図2及び図3を参照して、副室式エンジンの膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における逆止弁の動作について説明する。図2は、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを説明する図である。図3は、本実施形態の副室式エンジンの膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。
図2に示すように、本実施形態の副室式エンジン100では、公知のミラーサイクルエンジンと同様に、吸気弁開閉時期調整部51は、吸気弁4を、通常時(図2中で破線で示す)に比べて早い時期に閉弁する。具体的には、吸気行程における吸気弁4の閉弁タイミングは、主室10の下死点よりも早い時期(例えば、90°ATDC)に設定される。
そして、この副室式エンジン100は、上記のような構成を採用することにより、圧縮行程において圧縮された混合気を副室11に備えた点火プラグ(点火部の一例)12を作動させて火花点火して燃焼させ、副室11から噴孔21を介して主室10に火炎ジェットFを噴射する形態で作動することができる。
図3に示すように、吸気行程の開始と共に、ピストン2の下降に伴って、吸気路5から主室1に開弁状態である吸気弁4を通じて新気Iが吸気される。開閉弁39も吸気行程の開始と共に開弁する。図3の例では吸気弁4の開閉タイミングと開閉弁39の開閉タイミングとは同期しているが、開閉弁39の開閉タイミングを吸気弁4の開閉タイミングと非同期にしてもよい。
また、上述したように、供給圧力調整部38が圧力調整弁37の作動を制御することで、副室燃料ガス通路14の開閉弁39の上流側における燃料ガスGの供給圧力が吸気路5における吸気圧力よりも設定差圧だけ高く、即ち、逆止弁30の上流側の圧力が下流側の副室11の圧力よりも設定開弁圧:ΔP以上高くなり、逆止弁30は開弁状態となる。その結果、吸気行程の開始と共に、適切な流量の燃料ガスGが副室11に供給される。
更に、吸気弁開閉時期調整部51は主室10の吸気行程において吸気弁4を吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させ、開閉弁開閉時期調整部40は主室10の吸気行程において開閉弁39を吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる。本実施形態において、吸気弁4の閉弁タイミングと開閉弁39の閉弁タイミングとは同期している。その結果、図3に示すように、ミラーサイクルを採用したことで、吸気弁4と開閉弁39とが閉弁した後の吸気行程では、ピストン2が下死点まで移動する間、開閉弁39から逆止弁30までの間の副室燃料ガス通路14及び燃焼室1の圧力は共に低下する。そして、圧力が低下した結果、吸気行程の下死点付近において、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の圧力が、副室11の圧力よりも設定開弁圧:ΔP未満だけ高い又は副室11の圧力以下になると、逆止弁30が閉弁する。
図3に示すように、吸気行程の後の圧縮行程及び膨張行程において、燃焼室1の圧力は変動を繰り返す。また、燃焼室1の圧力は、圧縮行程及び膨張行程において非常に高くなるため、逆止弁13は閉弁状態のまま維持される。それにより、圧縮行程及び膨張行程において、開閉弁39から逆止弁30までの間の副室燃料ガス通路14の圧力は、吸気行程の下死点付近において逆止弁30が閉弁したときの圧力を維持している。
具体的には、圧縮行程では、ピストン2の上昇により、主室10の容積減少によって、主室10の新気Iが連通路20介して副室11に流入し、副室11には、連通路20から上方に向かう混合気流が発生し、その混合気流が点火プラグ12の点火領域に到達する。よって、副室11の上記点火プラグ12の点火領域では、その新気Iと燃料ガスGとが混合されて、火花点火可能範囲内(例えば1程度)の当量比の混合気が形成される。
そして、上記圧縮行程終了時にて、副室11には、当量比が比較的高い混合気が存在するのに対して、主室10には、当量比が比較的低い希薄混合気が存在することになる。副室式エンジン100は、膨張(燃焼)行程において、上死点直前の例えば10°BTDC付近において、点火プラグ12を作動させて、上記副室11に形成された混合気を火花点火して燃焼させ、ピストン2を下降させる。
すると副室11では、燃焼が進み、副室11の燃焼しなかった燃料ガスGと共に、火炎ジェットFが連通路20を介して主室10に噴出される。一方、主室10においては、連通路20から噴出された火炎ジェットFにより希薄混合気を燃焼させるので、高効率且つ低NOxとなる燃焼が行われる。
そして、このように運転される副室式エンジン100において、副室11と主室10とを連通する連通路20は、副室11から主室10の軸心Xと同じ軸心を有する円筒状に主室10側に延出形成されており、更に、その連通路20は、上記主室10の軸心Xを中心に周方向に等間隔で分散配置され主室10に開口する例えば8つの筒状の噴孔21を有し、火炎ジェットFが夫々の噴孔21から主室10に噴射される。
次に、副室式エンジン100は、排気行程において、排気弁6を開弁状態として、ピストン2の下死点からの上昇に伴って、燃焼室1に存在する排ガスを排気路7に排出する。
更に、排気行程でも、開閉弁39と逆止弁30との間の副室燃料ガス通路14の圧力は、吸気行程におけるミラーサイクルにより大きく低下したままである。よって、排気行程において排気弁6を開弁状態として、ピストン2の下死点からの上昇に伴って燃焼室1に存在する排ガスを排気路7に排出するときも、逆止弁30の下流側の燃焼室1の圧力は開閉弁39と逆止弁30との間の副室燃料ガス通路14の圧力よりも大きくなるため、逆止弁30は閉弁状態のままである。
言い換えると、本実施形態では、排気行程において、開閉弁39と逆止弁30との間の副室燃料ガス通路14の圧力が副室11の圧力よりも設定開弁圧:ΔP未満だけ高い又は副室11の圧力以下となるように、吸気行程における吸気弁4及び開閉弁39の閉弁タイミングを設定している。
以上のように、本実施形態の副室式エンジン100では、排気行程において燃焼室1の圧力が大きく低下したとしても、逆止弁30の上流側の圧力が、下流側の燃焼室1の圧力よりも設定開弁圧:ΔP未満だけ高い又は副室11の圧力以下となるため、逆止弁30が開弁することはない。そのため、排気行程中に燃料ガスGが副室11及び主室10に流入し、主室10からその燃料ガスGが排気路7を介して外部に排出されるような問題も発生しない。
以下に本願発明の比較例を図4を参照して説明する。
図4は、比較例の膨張行程、排気行程、吸気行程及び圧縮行程における燃焼室内の圧力と逆止弁の上流側の圧力との推移を説明する図である。この比較例におけるエンジンは、ミラーサイクルを採用していない点で上記実施形態と異なるだけであり、エンジンの構成は図1に示した副室式エンジン100の構成と同様である。
図4に示すように、この比較例の副室式エンジンは所謂ミラーサイクルを採用していない。よって、吸気行程の後半段階では、図3に示したようなミラーサイクルによる、開閉弁39から逆止弁30までの間の副室燃料ガス通路14及び燃焼室1の圧力の低下は発生しない。そのため、圧縮行程及び膨張行程において、開閉弁39から逆止弁30までの間の副室燃料ガス通路14の圧力は、吸気行程の下死点付近において開閉弁39及び逆止弁30が閉弁したときの圧力を維持しているものの、その圧力は比較的高いままである。
その結果、排気行程において燃焼室1の圧力が大きく低下したとき、開閉弁39が閉弁されていたとしても、開閉弁39から逆止弁30の間の副室燃料ガス通路14の圧力は、逆止弁30の下流側の燃焼室1の圧力よりも設定開弁圧:ΔP以上高くなり、逆止弁30は開弁する。そして、開閉弁39と逆止弁30との間の副室燃料ガス通路14に残留していた燃料ガスGが逆止弁30を介して副室11に流入し、最終的には、排気路7を介して外部に排出されるという問題が生じ得る。更に、エンジンレイアウトの関係上、開閉弁39と逆止弁30とを接近して設置することが困難である場合、開閉弁39から逆止弁30までの副室燃料ガス通路14の距離が長くなる。つまり、開閉弁39と逆止弁30との間の副室燃料ガス通路14に残留している燃料ガス量が多くなる。その結果、排気路7を介して外部に排出される燃料ガス量が多くなるという問題が生じる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、上記ターボ過給機23のような過給機を設置したが、このような過給機を省略しても構わない。
<2>
上記実施形態において、開閉弁39を機械式の弁に改変してもよい。例えば、吸気弁4及び排気弁6の開閉に用いているのと同じカムシャフトなどの動弁機構(即ち、開閉弁開閉時期調整部40)を用いて開閉弁39を作動させてもよい。この場合、吸気弁4及び排気弁6に用いているのと同じカムシャフトなどの動弁機構を開閉弁39にも用いれば、吸気弁4の開閉タイミングと開閉弁39の開閉タイミングとは同期する。
本発明は、ピストンに面する主室と、その主室に噴孔を介して連通する副室とを有する燃焼室を備え、副室に形成された混合気を火花点火する副室式エンジンにおいて利用可能である。
1 燃焼室
2 ピストン
4 吸気弁
5 吸気路
6 排気弁
7 排気路
10 主室
11 副室
12 点火部(点火プラグ)
14 副室燃料ガス通路
30 逆止弁
39 開閉弁
40 開閉弁開閉時期調整部(開閉弁開閉時期調整手段)
51 吸気弁開閉時期調整部(吸気弁開閉時期調整手段)
G 燃料ガス

Claims (2)

  1. ピストンに面する主室と、前記主室に噴孔を介して連通する副室とを有する燃焼室と、
    前記主室の吸気路に設けられる吸気弁及び排気路に設けられる排気弁と、
    前記副室に燃料ガスを供給する副室燃料ガス通路と、
    前記副室に形成された混合気を火花点火する点火部と、
    前記副室燃料ガス通路における前記燃料ガスの流通を遮断可能な開閉弁と、
    前記開閉弁よりも下流側の前記副室燃料ガス通路に設けられる逆止弁と、を備え、
    前記逆止弁は、前記開閉弁から前記逆止弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記副室の圧力よりも設定開弁圧以上高いときに開弁し、前記開閉弁から前記逆止弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記副室の圧力よりも前記設定開弁圧未満だけ高い又は前記副室の圧力以下になると閉弁するように構成されている副室式エンジンであって、
    前記主室の吸気行程において、前記吸気弁を前記吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる吸気弁開閉時期調整手段と、
    前記開閉弁を前記吸気行程の開始とともに開弁させ且つ前記吸気行程の下死点よりも早い時期に閉弁させる開閉弁開閉時期調整手段と、を備え
    前記吸気行程の下死点付近において前記逆止弁が閉弁した時の前記逆止弁から前記開閉弁までの前記副室燃料ガス通路の圧力が、前記主室の排気行程における前記副室の圧力よりも前記設定開弁圧未満だけ高い又は前記排気行程における前記副室の圧力以下となるように、前記吸気行程における前記吸気弁及び前記開閉弁の閉弁タイミングが設定されている副室式エンジン。
  2. 前記吸気行程における前記吸気弁の閉弁タイミングと前記開閉弁の閉弁タイミングとは同期している請求項1記載の副室式エンジン。
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