JP5319824B2 - エンジン及びエンジン用点火プラグ - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載のエンジンでは、複数の連通孔のうち、吸気ポート側に配置されている連通孔は、燃焼室に近い部分の断面積が点火室に近い部分の断面積よりも大きく構成され、逆に、排気ポート側に配置されている連通孔は、燃焼室に近い部分の断面積が点火室に近い部分の断面積よりも小さく構成されている。
ら火炎が噴出される虞がある。その結果、燃焼室に対する火炎の噴出が偏ったものとなり、燃焼室に対する火炎の噴霧状態を均一な所望の状態にできないという問題が生じる。
前記点火プラグは、前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させるように配置され、前記複数の連通孔は、前記軸心方向において、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの先端側に設けられた先端側連通孔と、前記先端側連通孔よりも前記プラグカバーの基端側に設けられた基端側連通孔とから構成され、前記基端側連通孔は、前記燃焼室側から前記点火室側への流体の流れに対する抵抗が前記点火室側から前記燃焼室側への流体の流れに対する抵抗よりも小さくなるように構成され、前記基端側連通孔は、燃焼室側端部の孔径が点火室側端部の孔径よりも大きくなるように構成され、前記基端側連通孔における点火室側端部の孔径は、前記先端側連通孔の点火室側端部の孔径よりも小さく構成されているとともに、前記基端側連通孔における燃焼室側端部の孔径は、前記先端側連通孔における燃焼室側端部の孔径よりも大きく構成されている点にある。
また、本発明に係るエンジンの更なる特徴構成は、前記先端側連通孔は、前記燃焼室の中心軸上となる前記プラグカバーの先端位置に1つ設けられ、その先端位置を中心とする円周上で一定間隔を隔てて複数設けられている点にある。
更に、基端側連通孔において、燃焼室側端部の孔径が点火室側端部の孔径よりも大きいので、燃焼室から点火室へ流体が流入し易く、逆に、点火室から燃焼室へ流体が排出し難くなる。よって、単に、燃焼室端部の孔径と点火室側端部の孔径とを調整するという簡易な構成により、燃焼室から点火室への混合気の流入は、先端側連通孔及び基端側連通孔の双方により行うことができ、点火室から燃焼室への火炎の噴出は、主に先端側連通孔により行うことができる。
更に、基端側連通孔における点火室側端部の孔径が、先端側連通孔における点火室側端部の孔径よりも小さいので、点火室から燃焼室へ火炎を噴出させる際に、基端側連通孔よりも先端側連通孔から火炎が噴出し易くなる。よって、点火室から燃焼室への火炎の噴出は、基端側連通孔からはほとんど行われず、先端側連通孔により行うことができ、燃焼室に対して火炎を均一に的確に噴出させることができる。
前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させるように配置された状態において、前記複数の連通孔は、前記軸心方向において、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの先端側に設けられた先端側連通孔と、前記先端側連通孔よりも前記プラグカバーの基端側に設けられた基端側連通孔とから構成され、前記基端側連通孔は、前記燃焼室側から前記点火室側への流体の流れに対する抵抗が前記点火室側から前記燃焼室側への流体の流れに対する抵抗よりも小さくなるように構成され、前記基端側連通孔は、燃焼室側端部の孔径が点火室側端部の孔径よりも大きくなるように構成され、前記基端側連通孔における点火室側端部の孔径は、前記先端側連通孔の点火室側端部の孔径よりも小さく構成されているとともに、前記基端側連通孔における燃焼室側端部の孔径は、前記先端側連通孔における燃焼室側端部の孔径よりも大きく構成されている点にある。
また、本発明に係るエンジンの更なる特徴構成は、前記先端側連通孔は、前記燃焼室の中心軸上となる前記プラグカバーの先端位置に1つ設けられ、その先端位置を中心とする円周上で一定間隔を隔てて複数設けられている点にある。
エンジン1は、図1に示すように、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の天面2aとともに燃焼室3を形成するシリンダ4と、シリンダヘッド6に装着された点火プラグ10(本発明に係るエンジン用点火プラグ)とを備えている。ピストン2をシリンダ4内で往復運動させるとともに、吸気バルブ5及び排気バルブ(図示を省略)を開閉動作させることにより、燃焼室3において、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程の各行程を順次行う。これにより、図示は省略するが、ピストン2の往復動を連結棒によってクランク軸の回転運動として出力するように構成されている。このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と同様の構成である。
タイミング)においてピストン2に形成された凹部7にプラグカバー13を挿入させるように装着されている。プラグカバー13は、その先端側を底部13aとする有底筒状に形成され、プラグ本体12に一体的に形成されている。ちなみに、プラグカバー13の底部13aは、円弧状になるように形成されている。プラグカバー13内には、点火点11を備えた点火室14が形成されている。
ここで、燃焼室3の軸心方向は、燃焼室3の中心軸Qに沿った方向であり、例えば、ピストン2の上下動方向と同一方向である。
エンジン1は、吸気バルブ5を開動作させた状態でピストン2が上死点から下降することにより、燃焼室3に混合気Mを吸気する吸気行程が行われる。次に、吸気バルブ5を閉動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の混合気Mを圧縮する圧縮行程が行われる。この圧縮行程では、ピストン2の上昇により燃焼室3の容積が減少されるので、燃焼室3の混合気Mが連通孔15を通して点火室14に流入する。
エンジン1は、点火タイミング(例えば、上死点直前)に、点火プラグ10を作動させて、点火点11にて火花点火して点火室14の混合気Mに点火させる。すると、点火室14での燃焼が進み、火炎が連通孔15を通して燃焼室3に噴出する。これにより、燃焼室3の混合気Mが燃焼されて燃焼・膨張行程が行われる。次に、排気バルブを開動作させた状態でピストン2が上昇することにより、燃焼室3の排ガスを排気ポートに排出する排出行程が行われる。
このようにして、エンジン1は、吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程の順に各行程を行う一連の動作を繰り返し行うように構成されている。
図2に基づいて、プラグカバー13に備えられた連通孔15の構成について説明する。
複数の連通孔15は、軸心方向(図2中上下方向)において、プラグカバー13の先端側(図2中下側)に備えられた先端側連通孔16と、先端側連通孔16よりもプラグカバー13の基端側(図2中上側)に備えられた基端側連通孔17とから構成されている。
基端側連通孔17の配置位置については、軸心方向において、シリンダヘッド6の下端部6aからプラグカバー13の先端部までの距離をDとすると、基端側連通孔17は、シリンダヘッド6の下端部6aからD/2の中央位置Pよりもプラグカバー13の基端側に設けられている。これにより、軸心方向において、点火室側端部17a及び燃焼室側端部17bの双方、すなわち基端側連通孔17全体が、中央位置Pよりもプラグカバー13の基端側になるように設けられている。
また、基端側連通孔17は、点火室14への燃焼室3からの混合気Mの流入方向が斜め上方側を向いており、点火点11に向けて混合気Mを流入させるように構成されている。これにより、基端側連通孔17により点火点11に向けて混合気Mを流入させることができ、この点からも、点火点11に対する混合気Mの供給を的確に行えることになる。
ちなみに、図2では、プラグカバー13の先端位置に位置する先端側連通孔16の向き及びその周りに位置する先端側連通孔16の向きを、プラグカバー13を直線的に貫通する形状に形成しているものを示しているが、例えば、プラグカバー13の先端位置の周りに位置する先端側連通孔16の向きを周方向に沿って斜めにプラグカバー13を貫通する形状に形成することもでき、先端側連通孔16の向きについては適宜変更が可能である。
この第2実施形態は、上記第1実施形態における基端側連通孔17の構成についての別実施形態である。図3に基づいて、第2実施形態における基端側連通孔17について説明する。その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
(1)上記第1実施形態では、基端側連通孔17が、点火室14への燃焼室3からの混合気Mの流入方向が斜め上方側を向いており、点火点11に向けて混合気Mを流入させるようにしているが、例えば、図4に示すように、基端側連通孔17が混合気Mの流入方向を横方向に向けるように構成することもできる。
例えば、図5(a)に示すように、燃焼室側端部17bの孔径を最大孔径とし、燃焼室側端部17bと点火室側端部17aとの間の中央位置よりも点火室14側で最小孔径とし、点火室側端部17aの孔径を最小孔径よりも大きく且つ燃焼室側端部17bの孔径よりも小さくするとともに、燃焼室側端部17bと最小孔径となる部位との間及び最小孔径となる部位と点火室側端部17aとの間を直線状とする形状に基端側連通孔17を形成することができる。
さらに、図5(c)に示すように、燃焼室側端部17bの孔径を最大孔径とし、燃焼室側端部17bと点火室側端部17aとの間の中央位置よりも点火室14側で最小孔径とし、点火室側端部17aの孔径を最小孔径よりも大きく且つ燃焼室側端部17bの孔径よりも小さくするとともに、燃焼室側端部17bと最小孔径となる部位との間及び最小孔径となる部位と点火室側端部17aとの間を曲線状とする形状に基端側連通孔17を形成することができる。
また、先端側連通孔16及び基端側連通孔17の配置位置についても、上記第1及び第2実施形態では、軸心方向の同一位置に先端側連通孔16を設けているが、例えば、先端側連通孔16を軸心方向において間隔を隔てて並ぶように設けたり、基端側連通孔17も軸心方向において間隔を隔てて並ぶように設けることもできる。
、燃焼室端部16bと点火室側端部16aとに亘って同一の孔径となる円筒形状としているが、例えば、図6に示すように、先端側連通孔16を、基端側連通孔17と同様に、その孔径が燃焼室側端部16bで最大となり点火室側端部16aで最小となるテーパ状に形成することができる。このように形成することにより、燃焼室側端部16bと点火室側端部16aとが同径の円筒状の場合と比較して、燃焼室3から点火室14への混合気Mの流入が容易になる。ここで、上記第1及び第2実施形態と同様に、基端側連通孔17における点火室側端部17aの孔径は、先端側連通孔16の点火室側端部16aの孔径よりも小さく構成されているとともに、基端側連通孔17における燃焼室側端部17bの孔径は、先端側連通孔16における燃焼室側端部17bの孔径よりも大きく構成されている。
図示は省略するが、基端側連通孔17とは逆に、先端側連通孔16をその孔径が点火室側端部16aで最大となり燃焼室側端部16bで最小となるテーパ状に形成することもできる。このように形成することにより、点火室14から燃焼室3へ火炎を噴出させる際に、基端側連通孔17よりも先端側連通孔16から火炎が噴出し易くなる。
また、第1及び第2実施形態、及び、図7では、プラグカバー13をプラグ本体12に一体的に形成した点火プラグを例示したが、プラグカバー13をプラグ本体12とは別体に形成することもできる。
3 燃焼室
6 シリンダヘッド
10 点火プラグ(エンジン用点火プラグ)
11 点火点
12 プラグ本体
13 プラグカバー
14 点火室
15 連通孔
16 先端側連通孔
16a 点火室側端部
16b 燃焼室側端部
17 基端側連通孔
17a 点火室側端部
17b 燃焼室側端部
Q 中心軸
Claims (12)
- 点火点を覆うプラグカバー内に点火室が形成された点火プラグがシリンダヘッドに装着され、前記点火室とピストンに面する燃焼室とを連通する複数の連通孔が前記プラグカバーに備えられているエンジンであって、
前記点火プラグは、前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させるように配置され、
前記複数の連通孔は、前記軸心方向において、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの先端側に設けられた先端側連通孔と、前記先端側連通孔よりも前記プラグカバーの基端側に設けられた基端側連通孔とから構成され、
前記基端側連通孔は、前記燃焼室側から前記点火室側への流体の流れに対する抵抗が前記点火室側から前記燃焼室側への流体の流れに対する抵抗よりも小さくなるように構成され、
前記基端側連通孔は、燃焼室側端部の孔径が点火室側端部の孔径よりも大きくなるように構成され、
前記基端側連通孔における点火室側端部の孔径は、前記先端側連通孔の点火室側端部の孔径よりも小さく構成されているとともに、
前記基端側連通孔における燃焼室側端部の孔径は、前記先端側連通孔における燃焼室側端部の孔径よりも大きく構成されているエンジン。 - 前記先端側連通孔は、前記燃焼室の中心軸上となる前記プラグカバーの先端位置に1つ設けられ、その先端位置を中心とする円周上で一定間隔を隔てて複数設けられている請求項1に記載のエンジン。
- 前記プラグカバーの先端位置に位置する前記先端側連通孔の向き及びその周りに位置する前記先端側連通孔の向きを、前記プラグカバーを直線的に貫通する形状に形成している請求項2に記載のエンジン。
- 前記プラグカバーの底部は、円弧状に形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。
- 前記基端側連通孔は、その孔径が燃焼室側端部で最大となり点火室側端部で最小となるテーパ状に構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジン。
- 前記点火点が、前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッドの下端部よりも前記シリンダヘッド側に配置され、
前記基端側連通孔は、その点火室側端部が前記軸心方向において前記シリンダヘッドの下端部から前記プラグカバーの先端部までの中央位置よりも前記プラグカバーの基端側になるように設けられている請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン。 - 前記基端側連通孔は、その点火室側端部が前記軸心方向において前記点火点よりも前記プラグカバーの基端側に設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジン。
- 点火点を有するプラグ本体と、前記点火点を覆うように前記プラグ本体に設けられたプラグカバーとを備え、
エンジンのシリンダヘッドに前記プラグ本体及び前記プラグカバーを装着させた状態において、ピストンに面する燃焼室と前記プラグカバー内に形成された点火室とを連通する複数の連通孔が前記プラグカバーに形成されているエンジン用点火プラグであって、
前記燃焼室の軸心方向において、前記シリンダヘッド側から前記燃焼室に前記プラグカバーを突出させるように配置された状態において、
前記複数の連通孔は、前記軸心方向において、前記燃焼室に突出する前記プラグカバーの先端側に設けられた先端側連通孔と、前記先端側連通孔よりも前記プラグカバーの基端側に設けられた基端側連通孔とから構成され、
前記基端側連通孔は、前記燃焼室側から前記点火室側への流体の流れに対する抵抗が前記点火室側から前記燃焼室側への流体の流れに対する抵抗よりも小さくなるように構成され、
前記基端側連通孔は、燃焼室側端部の孔径が点火室側端部の孔径よりも大きくなるように構成され、
前記基端側連通孔における点火室側端部の孔径は、前記先端側連通孔の点火室側端部の孔径よりも小さく構成されているとともに、
前記基端側連通孔における燃焼室側端部の孔径は、前記先端側連通孔における燃焼室側端部の孔径よりも大きく構成されているエンジン用点火プラグ。 - 前記先端側連通孔は、前記燃焼室の中心軸上となる前記プラグカバーの先端位置に1つ設けられ、その先端位置を中心とする円周上で一定間隔を隔てて複数設けられている請求項8に記載のエンジン用点火プラグ。
- 前記プラグカバーの先端位置に位置する先端側連通孔の向き及びその周りに位置する先端側連通孔の向きを、前記プラグカバーを直線的に貫通する形状に形成している請求項9に記載のエンジン用点火プラグ。
- 前記プラグカバーの底部は、円弧状に形成されている請求項8〜10の何れか1項に記載のエンジン用点火プラグ。
- 前記プラグカバーは、前記プラグ本体に一体的に形成されている請求項8〜11の何れか1項に記載のエンジン用点火プラグ。
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