JP2014163293A - 副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法 - Google Patents

副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】希薄混合気においても、火炎伝播燃焼の効率を高め、低エミッションを可能とした、副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法を提供する。
【解決手段】副室式ガスエンジンにおいて、副燃焼室にレーザ点火プラグを設ける。圧縮行程で主燃焼室内の希薄予混合気を噴孔を介して副燃焼室内へ流入させる。このとき、副燃焼室内と主燃焼室内における混合気の空気過剰率λ’を量論混合比以下の2.0とする。副燃焼室の容積を空気過剰率λ’(2.0)に基づいて算出した、12ccとする。これにより、レーザ点火プラグにより希薄混合気に着火させ、円滑なトーチ燃焼、火炎伝播燃焼へとつなげることができ、安定した燃焼を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、副室式ガスエンジンに関し、特には、副室式ガスエンジンにおいて、レーザ点火プラグを用いることで希薄混合気においても、火炎伝播燃焼の効率を高め、低エミッションを可能とした、副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法に関するものである。
従来より、一般的なガスエンジンとして、燃焼室に点火プラグが配置され、点火プラグの着火により火炎伝播が行われている。
しかし、希薄予混合燃焼、またある程度ボア径が大きくなると、点火プラグの着火では、限られた時間内での火炎伝播燃焼は困難であり、効率向上が見込めない。かかる火炎伝播燃焼の効率を高めるためには、例えば、多点プラグ化、また副室式ガスエンジンが考えられる。
副室式ガスエンジンは、特に大口径希薄予混合燃焼のエンジンに用いられており、燃焼フローの一例として、以下のとおりの手順で実行される。
吸気行程付近で、副室ガス供給ラインより副室に燃料供給を行う。
圧縮行程で主室内の希薄予混合気が副室噴孔から流入し、副室内でミキシングされ、着火直前で、副室内はストイキ(量論混合比)近傍の混合気を形成する。
副室内で点火プラグがスパークし、副室内で火炎伝播燃焼が生じる。
副室噴孔より燃焼ガスがトーチとなって主室に流出する。
トーチ燃焼および火炎伝播燃焼で主室内の希薄予混合気が燃焼する。
以上のような副室式ガスエンジンによれば、主室内は希薄予混合気であるため、低エミッション(低NOx排出量)を図ることができ、また希薄予混合気であっても、ある程度エネルギーのあるトーチが噴流されるため、主室も十分な速度で燃焼を完了させることができる。
一方で副室内は点火プラグに適したストイキ近傍の状態にあるため、NOxが発生しやすい環境にある。実際に副室式エンジンのエミッション(NOx)のほとんどは副室起因と考えられている。
このため、トーチのエネルギーを確保できる最小限まで副室容積を小さくする工夫を行っている。しかしながら、副室容積は、バルブの大きさ、噴孔間距離確保などの制約から、最小化するには、限界がある。
最も、副室内もリーン化を図ることができれば、副室起因のNOxの発生を低減させることができるが、副室内をリーンにすると、プラグ点火による火炎核の形成が十分でなく、火炎伝播に至らず失火する。また、サイクルごとの燃焼のばらつきが大きく燃焼安定性に繋がらないといった問題に直面することになる。
そこで、近年、自動車エンジン用の着火手段として提案、開発が進められている、レーザ着火方式が注目されている(非特許文献1)。
かかるレーザ着火方式によれば、当量比が、従来のスパークプラグ点火方式が0.58だったのに対し、レーザ着火方式では、0.52となり、より当量比を下げた場合でも、効率を十分保てることがわかり、レーザ着火により、希薄可燃限界が拡大することができる。
そこで、特許文献1において、自動車の内燃機関に用いられるレーザ点火プラグが開示されている。ここでは、レーザ点火プラグの燃焼室寄りの端部領域に、レーザ点火プラグと副室モジュールとの結合を可能にする結合手段が設けられていることにより、これにより、一方では、副室を備える点火プラグを製造するに際して、例えば種々異なるタイプの副室モジュールが本発明に係るレーザ点火プラグに結合可能であるので、有利には広い自由度が提供されているとしている。
ガスエンジンの新しい着火方式の試み(三井造船技報 No.199(2010−2))
特表2012‐518120号公報
しかしながら、上述の非特許文献1においても、特許文献1においても、レーザ着火方式の構造は開示されているものの、レーザ点火プラグが配置される副室と主室との関係や、配置のための具体的構造を開示するものではない。
本発明は、以上のような背景から提案されたものであって、点火プラグの代わりに、レーザ点火プラグを用いることで、より希薄な混合気の燃焼が可能でしかも低エミッションである、副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明では、シリンダとピストンと、該ピストンの上面とシリンダ内壁面とで閉鎖された主燃焼室と、シリンダのヘッド部に、主燃焼室と複数の噴孔を介して連通する副燃焼室を備えた副室式ガスエンジンにおいて、副燃焼室には、レーザ着火部のみが配置され、ガス燃料を供給するガス燃料の供給系は、主燃焼室向けのみに配置され、副燃焼室には配置されていない、ことを特徴とする。
これにより、副燃焼室内へのガス燃料供給弁を配置しなくても、主燃焼室側から副燃焼室内に導入された希薄混合気であっても、レーザ着火部により、失火することなく着火することができ、噴孔を通過して主燃焼室に燃焼トーチとして噴出させ、主燃焼室内の火炎伝播燃焼へとつなげることができる。
また、請求項2にかかる本発明では、副燃焼室の容積は、副燃焼室内の混合気を、用いられる燃料の量論混合比未満の空気過剰率に設定するように下記式
V’=λ’/λ×V、(ただし、V’:副燃焼室の容積、λ’:副燃焼室内の空気過剰率、V:量論混合比で燃焼が行われる副燃焼室の容積、λ:副燃焼室内の量論混合比である空気過剰率)に基づいて算出された容積である、ことを特徴とする。
これにより、副燃焼室内は、副燃焼室内の燃焼による発熱量が主燃焼室内の火炎伝播燃焼へとつなげるための必要な発熱量を確保することができる。
また、請求項3にかかる本発明では、シリンダとピストンと、ピストンの上面とシリンダ内壁面とで閉鎖された主燃焼室と、シリンダのヘッド部に、主燃焼室と複数の噴孔を介して連通する副燃焼室を備えた副室式ガスエンジンの運転制御方法において、定格運転時には主燃焼室に導入されるガス燃料と空気の、量論混合比に比較して低い希薄混合気により燃焼サイクル動作を行い、部分負荷運転時における負荷増大時には、希薄混合気に新たなガス燃料を導入して燃料リッチの混合気により燃焼サイクル動作を行う、ことを特徴とする。
これにより、定格運転時には主燃焼室側からの希薄混合気による燃焼がなされ、負荷増大時には新たなガス燃料を導入して燃料リッチの混合気により燃焼サイクル動作を行う。負荷増大時、一時的に燃料リッチな混合気の燃焼は伴うものの、NOxの発生を抑制することができる。
さらに、請求項4にかかる本発明では、新たなガス燃料は、副燃焼室内に導入されるガス燃料である、ことを特徴とする。
これにより、副燃焼室内において、主燃焼室側からの希薄混合気と副燃焼室内に導入される新たなガス燃料との混合で得られる燃料リッチな混合気を燃焼することで、部分負荷運転時における負荷増大時においても、対応することができる。
本発明によれば、副燃焼室内のガス燃料と空気との混合気が、主燃焼室内に導入された希薄混合気であっても、レーザ点火プラグにより、失火することなく混合気を着火することができ、噴孔を通過して主燃焼室に燃焼トーチとして噴出させ、主燃焼室内の火炎伝播燃焼へとつなげることができる。
副燃焼室内の燃焼が、量論混合比以下の空気過剰率における燃焼であるため、低エミッションを実現することができる。
本発明にかかる副室式ガスエンジンの第1実施形態の、シリンダヘッド部の断面を示す図である。 第1実施形態の副室式ガスエンジンの上死点における主燃焼室と副燃焼室との容積と、空気過剰率と、副燃焼室内の発熱量の算出例を対比して示した表である。 本発明にかかる副室式ガスエンジンの第2実施形態の、シリンダヘッド部の断面を示す図である。 第2実施形態において、起動時の運転制御方法の一例を示した、タイムチャートである。
以下、本発明にかかる副室式ガスエンジンおよびその運転制御方法を実施するための実施形態を挙げ、添付図に基づいて、詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の副室式ガスエンジン1におけるシリンダヘッド部の要部を示す。
図1に示す副室式ガスエンジン1では、シリンダ2内を昇降するピストン3の上方に、ピストン3の上面とシリンダ2内壁面とで閉鎖された主燃焼室S1が形成されている。
シリンダ2のヘッド中央部には、先細り形状の副燃焼室部材4が、先細り先端側を、ピストン3の上面とシリンダ2内壁面とで閉鎖された主燃焼室S1内に臨入する形で設けられている。副燃焼室部材4の先細り先端側には、複数の噴孔5が放射状に適宜角度ごとに設けられる。
この副燃焼室部材4の内部には副燃焼室S2が形成されている。副燃焼室部材4の上部には、副燃焼室S2内に向かって斜め上方から、副燃焼室S2のガス燃料と空気との混合気(以下、混合気)に着火するためのレーザ着火部を構成するレーザ点火プラグ6が設けられている。
主燃焼室S1と副燃焼室部材4内の副燃焼室S2とは、複数の噴孔5により連通状態にある。
また、シリンダ2のヘッド部には、ガス燃料と空気の混合気を主燃焼室S1に送り込むための吸気管7が接続されている。この吸気管7とシリンダ2のヘッド部との境には、吸気弁8の傘部8aが配設されている。この吸気弁8は、図示しないカムによってばね力に抗して下方に押圧されたり、ばねによる復元力で上方に付勢されたりすることで昇降する。吸気管7の途中には、ガス燃料を吸気管7に供給するためのガス燃料供給管(図示省略)が設けられる。なお、かかるガス燃料供給管には、主燃焼室S1へのガス燃料の量を調整するための主室燃料供給弁(図示省略)が設けられる。また主室燃料のガス供給系には、ガス燃料の量を連続的に調整できるように比例電磁弁や、ベンチュリ式弁が用いられる。
さらに、シリンダ2のヘッド部には、排気管9が接続されている。この排気管9とシリンダ2のヘッド部との境には、排気弁10の傘部10aが配設されている。この排気弁10も吸気弁8と同様に、カムによってばね力に抗して下方に押圧されたり、ばねによる復元力で上方に付勢されたりすることで昇降する。
以上のような構成の副室式ガスエンジン1において、吸気管7を介して主燃焼室S1へ流入したガス燃料と空気の混合気は、上死点に達するまで上昇するピストン3に圧縮され、複数の噴孔5を介して、主燃焼室S1から副燃焼室部材4内の副燃焼室S2に流入する。
ここで、副燃焼室部材4内に向けて配置されたレーザ点火プラグ6により、レーザを混合気に向けて出射することで、ブレークダウンを起こして高温のプラズマを生成する。
その熱エネルギーにより、混合気に着火し副燃焼室S2内で火炎伝播燃焼が生じる。これにより、複数の噴孔5を介して燃焼ガスがトーチとなって、主燃焼室S1に流出し、トーチ燃焼および火炎伝播燃焼で主燃焼室S1が燃焼する。
主燃焼室S1が燃焼することで、ピストン3を押し下げた後に、クランク軸によって上昇するピストン3に押圧されて、シリンダ2のヘッド部に接続された排気管9から排気される燃焼サイクル動作が行われるようになっている。
次に、主燃焼室S1と副燃焼室部材4内の副燃焼室S2とについて説明する。
主燃焼室S1と副燃焼室S2とは、上述のレーザ点火プラグ6を用いた燃焼サイクル動作を行わせるために、詳しくは後述するが、容積が設定されている。
主燃焼室S1の容積、すなわち、ピストン3が上死点に達した際の容積はここでは400ccで、副燃焼室S2の容積は従来の点火プラグ使用時の容積が6ccに対し、ここでは12ccとなっている。すなわち、副燃焼室S2の容積は、レーザ点火プラグ6によって副燃焼室S2内の希薄混合気での燃焼を可能とするための要件として、次式により求められる。
V’=λ’/λ×V:(ただし、V’が副燃焼室の容積で、λ’が副燃焼室内の空気過剰率で、量論混合比で燃焼が行われる副燃焼室の容積をV、副燃焼室内の量論混合比である空気過剰率をλとし、副燃焼室内の発熱量を従来と同等とした場合)
ここで、レーザ点火プラグ6について概略説明する。レーザ点火プラグ6は、レーザ光を出力するレーザ発振器と、レーザ発振器から出力されるレーザ光を導入して副燃焼室S2内においてレーザ光を集束するレンズ系が内蔵されている。レーザ発振器には、図示しないレーザ制御部からの点火時期に同期する信号を導入して、レーザ光を出力するように構成されている。
さらに、副室式ガスエンジン1においては、上述のレーザ点火プラグ6によって燃焼サイクル動作を可能とするための要件が設定されている。
ガス燃料には、例えばメタン(CH)が用いられる。メタンの空気過剰率λは、1.0(空気:燃料=10:1)となっており、ストイキ状態のための要件である。通常の点火プラグを用いている場合は、ピストン3が上死点に達した際の副燃焼室S2内の空気過剰率λが、失火しないようにするために、1.0となるようにしている。
一方、レーザ点火プラグ6を用いるときは、空気過剰率λ’=2.0(空気:燃料=20:1)となるように、希薄混合気を調整している。レーザ点火プラグ6を用いれば希薄混合気においても着火が可能であるからである。
また、副燃焼室S2の容積は、V’=λ’/λ×Vから設定するようにしている。
以上のような副室式ガスエンジン1において、レーザ点火プラグ6を用いた燃焼サイクル動作について説明する。
運転開始で、吸気行程で吸気弁8の傘部8aを作動させて吸気管7の吸気口Inを開口し、吸気管7を介して主燃焼室S1へガス燃料と空気との混合気を流入させる。このとき、吸気管7には、主室燃料供給弁によって連続的に調整された量のガス燃料が予め所定量の空気と混合された状態で、ガス燃料供給管を通じて供給される。
次いで、吸気行程から圧縮行程において、主燃焼室S1に流入したガス燃料と空気との混合気は、ピストン3が上死点に達するまで圧縮される。このとき、かかる混合気は、ピストン3の上昇によって複数の噴孔5を介して、主燃焼室S1から副燃焼室部材4内の副燃焼室S2に流入する。
ピストンが上死点に達した時点で、混合気は、主燃焼室S1の容積(400cc)と副燃焼室S2の容積(12cc)とを合わせた容積の空間に閉じ込められた状態となる。かかる状態で、空気過剰率λ’は2.0となるように設定される。
ここで、副燃焼室部材4に、副燃焼室S2内に向けて配置されたレーザ点火プラグ6におけるレーザ発振器が、レーザ制御部からの点火時期に同期する信号を導入してレーザ光を出力し、レンズ系により副燃焼室S2内の混合気に向けてレーザ光の集束光を出射することで、ブレークダウンを起こして高温のプラズマを生成することができる。
その熱エネルギーにより、空気過剰率λ’(2.0)の混合気に着火し副燃焼室S2内で火炎伝播燃焼が生じる。これにより、複数の噴孔5を介して燃焼ガスがトーチとなって、主燃焼室S1に流出し、トーチ燃焼および火炎伝播燃焼で主燃焼室S1内の希薄混合気が燃焼する(爆発行程)。
かかる行程で主燃焼室S1内の希薄混合気が燃焼することで、ピストン3を押し下げた後に、クランク軸によって上昇するピストン3に押圧されて、シリンダ2のヘッド部に接続された排気管9から排気される排気行程へとつながり、燃焼サイクル動作を完遂することができる。
ここで、図2に、ピストン3の上死点での主燃焼室S1と副燃焼室S2の容積と、空気と燃料との比、すなわち空気過剰率λとを、本実施形態と通常の点火プラグを用いた副室式ガスエンジンについて示し、レーザ点火プラグ6を用いることの有効性を検証する。
ここでは、通常の点火プラグを用いた副室式ガスエンジンについては従来技術とし、本実施形態の副室式ガスエンジンと対比することとする。なお、ガス燃料としては、CHとする。
図2に示すように、従来では、ピストンの上死点の位置での主燃焼室S1の容積は400ccに対し、副燃焼室S2の容積は6cc(主燃焼室S1の容積の略1.5%)、副燃焼室S2の空気過剰率λは量論混合比である1.0で、主燃焼室S1内の空気過剰率λは、2.0である。
一方、本実施形態の副室式ガスエンジンでは、主燃焼室S1の容積は従来の副室式ガスエンジンと同じ400ccである。
副燃焼室S2の容積は、V’=λ’/λ×Vから、12ccで、副燃焼室S2内および、主燃焼室S1内の空気過剰率λ’は2.0となっている。
そして、副燃焼室S2内の発熱量Qを算出すると、従来では、
Q=10000kcal/m×6cc×1/10、これは、ガス燃料がストイキ状態のときの発熱量であり、安定した燃焼が行われるときの発熱量を示している。
これに対し、本実施形態の副燃焼室S2で行われる希薄燃焼のように、従来の副燃焼室S2の容積は6ccで行われる空気過剰率λ’が2.0で行われる燃焼の発熱量Q’は、
Q’=10000kcal/m×6cc×1/20=1/2Qであるから、安定した燃焼が行われるときの発熱量の略半分であることがわかる。
したがって、空気過剰率λ’が2.0で、安定した燃焼が達成するためには、副燃焼室S2の容積が倍の12ccであれば、ガス燃料がストイキ状態のときの発熱量Qと同等となり、空気過剰率λ’が2.0であっても、レーザ点火プラグ6を用いることが有効であることがわかる。
以上のように、本実施形態では、副燃焼室S2および主燃焼室S1共に、空気過剰率λ’が2.0で、安定した燃焼を達成することができ、量論混合比である1.0より低い空気過剰率λ’が2.0での燃焼であるからNOx排出量を低減することができる。
また、上述のように、本実施形態では、副燃焼室S2へのガス燃料供給弁を配置しない構成であるので、構造を単純化することができ、余分な燃料供給ラインが不要であるので、通常の点火プラグを用いた副室式ガスエンジンに比較して安全面でも有利である。
さらに、副燃焼室S2へのガス燃料の供給系統が不要になった分、レーザ点火プラグ6の配置自由度が高まる。例えば、レーザ点火プラグ6は副燃焼室S2を構成する副燃焼室部材4の上部センターに配置することができ、副燃焼室S2でのプラズマから発生する燃焼核を中心に持っていくことができる。
したがって、副燃焼室S2での燃焼が対称的に伝播させることができ、円滑なトーチ燃焼、火炎伝播燃焼へとつなげることができ、安定した燃焼を行うことができる。
本発明は、以下のような第2実施形態として実施することもできる。
(第2実施形態)
図3に第2実施形態にかかる副室式ガスエンジンを示す。なお、第2実施形態において、前述の第1実施形態と同様の構成要素に対しては、同符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態にかかる副室式ガスエンジン1では、副燃焼室S2を構成する副燃焼室部材4の上部センターに、副燃焼室S2内に、ガス燃料を供給する副室内燃料供給バルブ20が設けられている。
さらに、第2実施形態では、副燃焼室S2にレーザ点火プラグ6の他に、通常のスパークプラグ30を配置することもできる。
副燃焼室S2内に、ガス燃料を供給する副室内燃料供給バルブ20を設けることにより、部分負荷運転時における負荷増大時(例えば負荷が急に変動するとき、回転数、起動時等、一時的に空気過剰率λが変動するとき)など、様々な運転状況、環境に即応した燃焼が可能となり、NOx排出量が増大しないように適切な燃焼を確保することができ、好適な運転が可能となる。
ここで図4に、部分負荷運転時における負荷増大時、例えば起動時に、副室内燃料供給バルブ20により副燃焼室S2内に、ガス燃料を供給して運転するタイムチャートの一例を示し、運転制御方法を説明する。
運転開始で、吸気行程で吸気弁8の傘部8aを作動させて吸気管7の吸気口Inを開口し、吸気管7を介して主燃焼室S1へガス燃料と空気との混合気を流入させる。このとき、吸気管7には、主室燃料供給弁によって連続的に調整された量のガス燃料が予め所定量の空気と混合された状態で、所定の希薄混合気がガス燃料供給管を通じて供給される。主燃焼室S1に流入したガス燃料と空気との混合気は、ピストン3が上死点に達するまで圧縮される。このとき、かかる混合気は、ピストン3の上昇によって複数の噴孔5を介して、主燃焼室S1から副燃焼室部材4内の副燃焼室S2に流入する。
一方、運転開始で、同時に、副室内燃料供給バルブ20を開として、副燃焼室S2内にガス燃料を供給し、主燃焼室S1から副燃焼室S2に流入した希薄混合気と副燃焼室S2内で混合され、燃料リッチな混合気となる。
次いで、レーザ点火プラグ6により燃料リッチな混合気に着火され、副燃焼室S2内で火炎伝播燃焼が生じる。これにより、複数の噴孔5を介して燃焼ガスがトーチとなって、主燃焼室S1に流出し、トーチ燃焼および火炎伝播燃焼で主燃焼室S1内の希薄混合気が燃焼する。
そして主燃焼室S1内の希薄混合気が燃焼することで、ピストン3を押し下げた後に、クランク軸によって上昇するピストン3に押圧されて、シリンダ2のヘッド部に接続された排気管9から排気される排気行程へと燃焼サイクル動作が開始される。
運転開始で燃焼サイクル動作が開始されてから、t1経過時に定格運転(例えば1500rpm)に達し、さらにt2経過時に負荷運転が開始されると、副室内燃料供給バルブ20をONとして、主燃焼室S1側の吸気弁8の傘部8aを作動させて吸気管7の吸気口Inを開口し、吸気管7を介して主燃焼室S1へガス燃料と空気との混合気を流入させ、副燃焼室S2まで希薄混合気を送り込んでレーザ点火プラグ6による着火で、トーチ燃焼および火炎伝播燃焼を続行し、燃焼サイクル動作を行うことができる。
このように、起動時に燃料リッチな混合気の燃焼は伴うものの、定格運転(例えば1500rpm)に達すれば、主燃焼室S1側からの希薄混合気による燃焼がなされるので、NOxの発生を抑制することができる。
さらに、副燃焼室S2にレーザ点火プラグ6の他に、通常のスパークプラグ30を配置することで、例えば、レーザ着火部に不具合が発生したようなときでも、バックアップとして、スパークプラグ30によって運転を続行することができる。
以上、本発明について第1、第2実施形態を挙げ、説明した。
いずれにしても、本発明によれば、レーザ着火部を用いることで、これまでのようなストイキ状態の燃焼によって発生するNOxの量を減らすことができる。しかも、レーザ着火部を用いることで、希薄燃焼が可能であり、また、副燃焼室へのガス燃料供給系統を減らすことができ、構造を単純化、且つ、安全度も高めることができる。
また、第2実施形態において、部分負荷運転時における起動時に、副室内燃料供給バルブ20を用いた運転制御方法を説明したが、副室内燃料供給バルブ20を用いることなく、主燃焼室S1へのガス燃料と空気との混合気を燃料リッチに調整して、運転制御することも可能である。
このように、部分負荷運転時における負荷増大時の運転においても、極力、NOxの発生量を抑えた、燃焼サイクル動作を行うことができる。
副室式ガスエンジンは、レーザ着火部を用いることで、ストイキ状態にならない、安定した希薄燃焼が可能であるので、公害の少ない、あらゆるエンジンに対し、適用することができる。
1 副室式ガスエンジン
2 シリンダ
3 ピストン
4 副燃焼室部材
5 噴孔
6 レーザ点火プラグ
7 吸気管
8 吸気弁
8a 傘部
9 排気管
10 排気弁
10a傘部
20 副室内燃料供給バルブ
30 スパークプラグ
S1 主燃焼室
S2 副燃焼室
tj トーチジェット
In 吸気口
Ex 排気口

Claims (4)

  1. シリンダとピストンと、該ピストンの上面と前記シリンダ内壁面とで閉鎖された主燃焼室と、前記シリンダのヘッド部に、前記主燃焼室と複数の噴孔を介して連通する副燃焼室を備えた副室式ガスエンジンにおいて、
    前記副燃焼室には、レーザ着火部のみが配置され、
    ガス燃料を供給するガス燃料の供給系は、前記主燃焼室向けのみに配置され、前記副燃焼室には配置されていない、
    ことを特徴とする副室式ガスエンジン。
  2. 前記副燃焼室の容積は、副燃焼室内の混合気を、用いられる燃料の量論混合比未満の空気過剰率に設定するように下記式
    V’=λ’/λ×V、(ただし、V’:副燃焼室の容積、λ’:副燃焼室内の空気過剰率、V:量論混合比で燃焼が行われる副燃焼室の容積、λ:副燃焼室内の量論混合比である空気過剰率)
    に基づいて算出された容積である、ことを特徴とする請求項1に記載の副室式ガスエンジン。
  3. シリンダとピストンと、該ピストンの上面と前記シリンダ内壁面とで閉鎖された主燃焼室と、前記シリンダのヘッド部に、前記主燃焼室と複数の噴孔を介して連通する副燃焼室を備えた副室式ガスエンジンの運転制御方法において、
    定格運転時には前記主燃焼室に導入されるガス燃料と空気の、量論混合比に比較して低い希薄混合気により燃焼サイクル動作を行い、
    部分負荷運転時における負荷増大時には、前記希薄混合気に新たなガス燃料を導入して燃料リッチの混合気により燃焼サイクル動作を行う、ことを特徴とする副室式ガスエンジンの運転制御方法。
  4. 前記新たなガス燃料は、前記副燃焼室内に導入されるガス燃料である、ことを特徴とする請求項3に記載の副室式ガスエンジンの運転制御方法。
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