JP2009203952A - 副室式ガスエンジン及び発電設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の副室式ガスエンジンでは、出力向上や熱効率向上を図る上でノッキングや失火の発生が問題となっていた。
【解決手段】そのために、本発明の副室式ガスエンジンは、副室式ガスエンジンにおいて、副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、副室内ガス圧力に基づき副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、副室ガス供給コントローラは、副室式ガスエンジンの圧縮工程における副室内ガス圧力のピーク値を選出し、ピーク値が目標圧力の許容範囲外のときに副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする。これにより、副室内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、副室内に燃料ガスの一部を供給し着火装置により着火を行い、副室内で着火した燃焼ガスが副室噴孔を介して主燃焼室に噴出することで主燃焼室の混合気を燃焼させる、副室式ガスエンジン及び発電設備に関する。
従来から、気薄混合ガス燃料をエンジンの主室に導入し、主室に隣接して設けられた副室内に、ガス燃料及び主室内の気薄混合ガス燃料を着火しやすい濃度になるように導入して混合し、副室内で混合ガス燃料を着火し、複数の噴孔から噴出する火炎により主室に向けてトーチを形成して、主室内の気薄混合ガス燃料を燃焼させる副室式ガスエンジンが知られている。
この副室式ガスエンジンにおいては、出力向上や熱効率向上を図る上でノッキングや失火の発生が問題となる。
そして、本願の出願人は、ノッキング、失火、消炎、及び主室の筒内圧力の過昇等の燃焼診断を行うべく、主室の筒内圧力検出器から入力される筒内圧力検出値及びクランク軸角度検出器から入力されるクランク角検出値に基づき、燃焼診断装置によって、主室の筒内圧力の検出値と吸気圧力を含む圧縮始め以前の基準圧力との差圧をクランク角に対応させて算出し、各クランク角における前記差圧と圧縮行程における一又は複数の任意点の差圧との筒内圧力比を用いて主室内における筒内圧力状態等の燃焼状態の診断を行うものを提案した(例えば、特許文献1。)。
ノッキング、失火、消炎を防止するためには、主室内の状態を検出し適正に制御する必要があるが、副室内の状態を検出し適正に制御することも必要である。
そして、特許文献1に記載のものは、ガスエンジンの全行程において、基本的な主室の筒内圧力検出器の有無を判断し制御できるものの、副室については言及していなかった。
また、副室内の状態を検出すべく、本願の出願人は、副燃焼室に導かれたトーチ点火用燃料ガスに点火プラグによって着火、燃焼せしめ、この燃料トーチを主燃焼室内の混合気中に噴出して、これを燃焼するようにしたガスエンジンにおいて、副燃焼室内の燃料ガス濃度あるいは酸素濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手段にて検出された燃料ガス濃度、あるいは検出された酸素濃度に基づき算出された燃料ガス濃度に基づいて前記副燃焼室へのトーチ用燃料ガスの圧力を制御するガス圧力制御手段とを備えるとともに、前記濃度検出手段が、前記副燃焼室内に入射したレーザ光を受光して光学的計測を行なう手段を備えて構成されるものを提案した(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に記載のものでは、ガス濃度を算出するに当たり検出器としてレーザー光を使用しており、検出装置が高価になるという問題があった。
更に、適正ガス濃度との比較及び副室ガス圧力の調整についての具体的な構成については何等記載されていない。
また、本願の出願人は、副室式ガスエンジンにおける副室内の失火を検知する失火検知手段と、該失火検知手段からの信号に基づいて副室燃料ガスの供給量を調整する副室燃料ガス供給量調整手段とを備え、失火検知手段が、副室式ガスエンジンのシリンダ(主室)内の圧力に基づいて失火を検知するもの、或いは、失火検知手段が、副室内の失火を光学センサにて検知するものを提案した(例えば、特許文献3。)。
しかしながら、特許文献3に記載のものは、副室内の失火を光学センサにて検知するに留まっており、副室内の着火状況を的確に把握していないという問題があった。
特開2007−170405号公報 特開平10−266880号公報 特開2000−320369号公報
本発明は、上記の従来の各特許文献に記載のものが有していた問題を解決しようとするものであり、副室内の燃焼状態を安価な圧力検出器により検知し、副室内に供給する燃料ガス供給量を適正に制御するようにした副室式ガスエンジン及び発電設備を提供することを目的とする。
また、別の発明は、主室にも安価な圧力検出器を設け、副室内の圧力と主室内の圧力との圧力差に基づき副室内の燃焼状態を検知し、副室内に供給する燃料ガス供給量を適正に制御するようにした副室式ガスエンジン及び発電設備を提供することを目的とする。
上記の問題点に対し本発明は、以下の各手段を以って課題の解決を図る。
第1の手段の副室式ガスエンジンは、
シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
前記副室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
前記副室ガス供給コントローラは、
前記副室式ガスエンジンの圧縮工程における前記副室内ガス圧力のピーク値を選出し、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする。
第2の手段の副室式ガスエンジンは、
シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
前記主室の主室内ガス圧力を検出する主室圧力検出器と、
前記副室内ガス圧力及び前記主室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
前記副室ガス供給コントローラは、
前記副室内ガス圧力と前記主室内ガス圧力との差のピーク値を選出し、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする。
第3の手段は、第1又は2の手段の副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室ガス供給コントローラは、
着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より小さくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭め、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げるものであることを特徴とする。
第4の手段は、第1又は2の手段の副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室ガス供給コントローラは、
着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より大きくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げ、
前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭めるものであることを特徴とする。
第5の手段の副室式ガスエンジンは、
シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
前記副室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
前記副室ガス供給コントローラは、
前記副室式ガスエンジンの圧縮工程の演算対象期間における前記副室内ガス圧力を積分して圧力積分値を演算し、
前記積分値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする副室式ガスエンジン。
第6の手段の副室式ガスエンジンは、
シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
前記主室の主室内ガス圧力を検出する主室圧力検出器と、
前記副室内ガス圧力及び前記主室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
前記副室ガス供給コントローラは、
前記副室内ガス圧力と前記主室内ガス圧力との圧力差を積分して圧力差積分値を演算し、
前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする。
第7の手段は、第5又は6の手段の副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室ガス供給コントローラは、
着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より小さくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭め、
前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げるものであることを特徴とする。
第8の手段は、第5又は6の手段の副室式ガスエンジンにおいて、
前記副室ガス供給コントローラは、
着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より大きくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げ、
前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭めるものであることを特徴とする。
第9の手段の発電設備は、第1乃至8のいずれかの手段の前記副室式ガスエンジンを複数台備えると共に、前記副室ガス供給コントローラを中央監視制御室に備えたことを特徴とする。
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、上記の各手段を採用しており、以下の効果を奏する。
第1〜4の手段の副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器により、副室内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値を含む所定の演算対象期間中の副室内ガス圧力を検出し、副室ガス供給コントローラにより、着火後における副室圧力のピーク値を選出し、このピーク値を元に、副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室に供給する燃料ガス量を調整することで、副室内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
また、第5〜8の手段の副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器により、副室内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値を含む所定の演算対象期間中の副室内ガス圧力を検出し、副室ガス供給コントローラにより、圧力の積分値を演算し、この圧力の積分値を元に、副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室に供給する燃料ガス量を調整することで、副室内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
また、第2、6の手段の副室付ガスエンジンによれば、副室の圧力と主室の圧力の差圧を演算することで、副室圧力検出器及び主室圧力検出器のドリフトの影響を排除することができる。
以下、本発明の各実施の形態に係る副室式ガスエンジン副室式ガスエンジン及び発電設備につき説明する。
<<本発明の第1の実施の形態>>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成図、図2は、図1の変形例を示す構成図である。
図3は、図1及び図2における副室の検出圧力値推移図、図4は、図1及び図2における副室内燃料ガス濃度と着火直後の副室圧力ピーク値との関係を示す図である。
図5は、図1及び図2におけるピーク圧力に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図6は、図1及び図2におけるピーク圧力に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図7は、図1及び図2における圧力積分値に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図8は、図1及び図2における圧力積分値に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。
先ず、図1に基づき、本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成につき説明する。
図1に示すように、副室式ガスエンジンは、シリンダ1と、シリンダ1内に収納され往復運動するピストン2と、シリンダ1のシリンダヘッドの周囲に接続された給気ポート4及び排気ポート5と、給気ポート4を開閉する給気弁と、排気ポート5を開閉する排気弁とを備えている。
そして、シリンダ1のヘッド内面上部とピストン2の上面との空間に、燃焼室である主室6が形成されている。
シリンダ1のシリンダヘッドの中央のエンジンブロック(シリンダヘッド)7には、副室8が設けられており、主室6と副室8とは、複数個(例えば4〜10個)の副室噴孔により連通されている。
副室8の上部には、副室8内の混合気を火花点火するための着火装置としての点火プラグ9aが設けられ、副室8内に燃料ガスを供給するためのトーチガス導入通路(点火用補助ガス通路)11が接続されている。
なお、副室8の下端部はシリンダ1のヘッド内面上部より下方に突出しており、ピストン2の上面中央には凹部が形成されている。
ピストン2の上面中央に凹部を形成することで、圧縮工程の上死点において、ピストン2の上面周囲はシリンダ1のヘッド内面上部の周囲に近接する。
従って、主室6は、ほぼピストン2の上面中央の凹部のみなり、圧縮率を高めると共に、燃焼率を向上させている。
この副室式エンジンは吸気行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程を行う4サイクルエンジンであり、吸気行程においては、給気弁を開いて希薄燃料ガスが主室6内に給気される。
このとき、希薄燃料ガスは、この希薄燃料ガスのみでは点火プラグ9aにより燃焼させることは難しい。
そこで、副室式エンジンでは、副室8を設け、圧縮行程において、主室6から複数個の副室噴孔を経由して流入した希薄燃料ガスにトーチガス導入通路11から燃料ガスを噴出し混合して、点火プラグ9aにより着火可能な濃度になるようにしている。
給気ポート4には、主室ガス供給弁22及び主室ガス圧力調整弁23が介装された燃料ガス供給管が接続されている。
そして、図示略の過給機から供給された空気と主室ガス供給弁22及び主室ガス圧力調整弁23により流量及び/又は圧力が調整された燃料ガスが給気ポート4内で混合され、混合された希薄燃料ガスは主室6内に給気されるようになっている。
また、トーチガス導入通路11には、副室ガス供給弁20及び副室ガス圧力調整弁21(或いは、副室ガス流量調整弁)が介装された燃料ガス供給管が接続されている。
そして、副室ガス供給弁20及び副室ガス圧力調整弁21により流量及び/又は圧力が調整された燃料ガスは副室8内に給気されるようになっている。
副室8には、副室8内の圧力を検出する副室圧力検出器25が設けられている。
副室圧力検出器25により検出された副室内ガス圧力Psは、後述する副室ガス供給コントローラ32aに送信されるようになっている。
また、ピストン2により回転駆動されるクランク軸3には、クランク軸3のクランク角度θを検出するクランク軸角度検出器24が設けられている。
クランク軸角度検出器24により検出されたクランク角度θは、後述する主室ガス供給コントローラ31及び副室ガス供給コントローラ32aに送信されるようになっている。
そして、例えば、複数台の発電用の副室式ガスエンジン、各種の周辺機器を備えた発電設備の中央監視制御室には、各副室式ガスエンジンを制御監視するためのガスエンジン制御監視盤30(或いは、発電設備中央制御監視盤)が備えられている。
ガスエンジン制御監視盤30は、各副室式ガスエンジン毎に、各シリンダの、主室ガス供給弁22及び主室ガス圧力調整弁23を制御する主室ガス供給コントローラ31と、副室ガス圧力調整弁21及び副室ガス供給弁20を制御する副室ガス供給コントローラ32aと、点火コイル10aを介して点火プラグ9aを制御する点火コントローラ33とを備えている。
ガスエンジン制御監視盤30は大型コンピュータを備えており、主室ガス供給コントローラ31、副室ガス供給コントローラ32a、点火コントローラ33、演算器、設定器等は、各弁類等を制御するためのサブプログラム(シーケンス)の形態をなしている。
しかしながら、上記の形態に限定されるものではなく、主室ガス供給コントローラ31、副室ガス供給コントローラ32a及び点火コントローラ33、演算器、設定器等を、個々の分散型の小型コンピュータ或いは電子制御回路により構成するようにしても良い。
即ち、本発明及び各実施の形態において、コントローラ、演算器、設定器等とは、(サブ)プログラム、シーケンサー、個々の分散型の小型コンピュータ或いは電子制御回路等、各種の形態のものを意味するものとする。
また、着火装置としては、図1に図示の点火プラグ9a、点火コイル10aに代えて、図2に示すように、レーザ光照射器9b及びレーザ光発信器10bを採用しても良い。
次に、図3に基づき、副室式ガスエンジンの圧縮工程における副室8内の混合ガスの圧力推移につき説明する。
図3に示すように、圧縮工程において、ピストンの上昇、圧縮に伴い、主室6内の主室内ガス圧力Pm(点線で図示)及び副室8内の副室内ガス圧力Ps(実線で図示)は上昇する。
そして、着火装置により副室8内の混合ガスが燃焼を開始すると、図3中の斜線或いは網線の部分のように副室8内の副室内ガス圧力Psは急上昇する。
副室内ガス圧力Psの上昇に伴い、副室8内の燃焼ガスは、複数個の副室噴孔から主室6内に火炎ジェットとして噴出される。
このとき、副室内ガス圧力Psは、副室圧力のピーク値P1(又はP2)に達した後、急低下する。
その後、主室内ガス圧力Pm及び副室8内の副室内ガス圧力Psは、上昇し、膨張行程において降下する。
なお、図3において、副室圧力のピーク値P1とは、副室圧力検出器25からの副室内ガス圧力Psそのもの(副室圧力検出器25に、補正値が設定されている場合は、その補正値を減じた値)におけるピーク値である。
また、副室圧力のピーク値P2とは、着火時期付近の演算開始クランク角度θsにおける計測圧力を圧力補正値Pcとし、演算対象期間T2中の副室内ガス圧力Psから圧力補正値Pcを減じた差圧におけるピーク値である。
なお、演算対象期間T1、T2は、予め設定された一定の固定の期間としても良く、負荷等に応じて変化させるようにしても良い。
また、演算開始クランク角度θsは、予め設定された所定の固定の着火開始前のクランク角度としても良く、点火コントローラ33から着火を開始したという信号(着火開始信号)を受信したときのクランク角度としても良い。
更には、クランク軸角度検出器24からのクランク角度θを微分し、或いは、主室ガス供給コントローラ31から副室式ガスエンジンの負荷率を受信し、着火期間の変化(タイミング)に応じて着火開始前の演算開始クランク角度θsを演算するようにしても良い。
このように、演算開始クランク角度θsは任意に設定することができるが、演算開始クランク角度θsを上記の圧力最大値に近いようにすれば、副室内ガス圧力Psに発生するノイズを除くことができると共に正確な圧力最大値を得ることができるものの、演算が複雑になる。
副室式ガスエンジンにおいて、ノッキングや失火の発生を防止するためには、副室8内の着火直後の副室圧力のピーク値P1(又はP2)を所定の目標圧力の範囲内(目標下限値Pmin〜目標上限値Pmax)とする必要がある。
本実施の形態においては、圧縮工程において、副室圧力検出器25により副室内ガス圧力Psを連続的に計測し、副室内の燃焼状態を検知するようにしている。
そして、副室8内の着火直後の副室圧力のピーク値P1(又はP2)が所定の目標圧力の範囲内(目標下限値Pmin〜目標上限値Pmax)となるように、副室8内に供給する燃料ガス供給量を適正に制御する。
なお、副室8内における着火状態は、図4に示すように、副室8内の燃料ガス濃度によって変化する。
着火直後の副室8内の圧力のピーク値P1(又はP2)が最も高くなる濃度(過燃焼領域)は、燃料ガスの組成によって異なるが、通常は当量比1(燃料が完全燃焼する空燃比)付近の濃度である。
着火直後の副室8内の圧力のピーク値P1(又はP2)が最も高くなる濃度に設定すると、副室6内各部の温度が上昇し、点火プラグ9a等の寿命短縮、部材高温部での表面着火、またはトーチ火炎が強すぎることによるノッキング等が発生する可能性が高くなる。
そのため、特に高出力、高効率を狙う副室式ガスエンジンにおいては、一般的に、燃料ガスの濃度を、図3の点a或いは点bのように、着火直後の副室8内の圧力のピーク値P1(又はP2)が最も高くなる濃度からずらした濃度に設定される。
以下、過燃焼の領域(当量比が1)より常時少ない濃度(点a)を基準として制御するものを薄濃度着火制御と称し、常時濃い濃度(点b)を基準として制御するものを高濃度着火制御と称する。
また、以下に、各圧力の計測、各演算、処理、副室ガス圧力調整弁21の増減制御を、副室式ガスエンジンの1サイクル毎に行う場合について説明する。
しかしながら、これに限定されるものではなく、圧縮工程において、各圧力及びクランク角度を連続的に計測、記憶しておき、圧縮工程が終了した時点で、各演算(各目標値の演算、演算対象期間T1、T2の設定も含む)、処理、記憶を行い、数サイクル以降において、副室ガス圧力調整弁21の増減制御を行う場合も含むものである。
<ピーク圧力に基づく薄濃度着火制御>
次に、図3、図5に基づき、副室ガス供給コントローラ32aによる副室内のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御につき説明する。
先ず、制御スタート(ステップS1)後、クランク軸角度検出器24からクランク角度θを受信する(ステップS2)。
次に、目標値設定器40において、主室ガス供給コントローラ31等から、副室式ガスエンジンの負荷率(稼動率)を入手し、この負荷率に応じた副室圧力目標値を演算する(ステップS3)。
そして、副室圧力目標値を基準として、所定の目標圧力の許容範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)を演算する(ステップS4)。
なお、基準の圧力目標値、目標圧力の許容範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)は予め設定された固定の値としても良い。
また、演算開始クランク角度θs及び演算対象期間T1(又はT2)も設定する。
演算開始クランク角度θs及び演算対象期間T1(又はT2)は、予め設定された固定の期間としても良く、負荷等に応じて変化させるようにしても良い。
演算対象期間T1の開始点は、演算開始クランク角度θsが圧縮工程開始時である。
演算対象期間T2の開始点は、演算開始クランク角度θsが着火開始時点(或いは、近傍)である。
また、演算対象期間T1、T2の終了点は、主室圧力がピークに達する前(例えば、上死点)とすることができる。
次に、ピーク値演算器41において、副室圧力検出器25から副室内ガス圧力Psを受信する(ステップS5a)。
そして、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの信号を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T1中における副室内ガス圧力Psを監視し、その中の最大値のものを副室圧力のピーク値P1として選出する(ステップS6a)。
或いは、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの情報を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T2中における副室内ガス圧力Psを監視し、着火時期付近の演算開始クランク角度θsにおける計測圧力(初期値)を圧力補正値Pcとし、これらの演算対象期間T2中の副室内ガス圧力Psから圧力補正値Pcを減じることにより差圧を演算して、その差圧の中の最大値のものを副室圧力のピーク値P2として選出する(ステップS6a)。
このように、着火時期付近からピーク値P1(P2)の選出を開始することにより、下死点から演算開始クランク角度θs迄の間に発生する副室内ガス圧力Psの外乱(ノイズ)を排除することができる。
次に、副室ガス量増減器42において、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7a)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点aを基準とする薄濃度着火制御の場合、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量(例えば、数%)狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9a)。
そして、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量(例えば、数%)広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、副室ガス圧力調整弁21を狭め或いは広げる開度の所定量(例えば、数%)とは、固定の一定の値であり、ピーク値P1(或いはP2)と目標上限値Pmax或いは目標下限値Pminとの差に応じてこの所定量を変化させる必要はない。
即ち、1回目のステップ1〜ステップ12の処理で納まらなくても、数回繰り返す内に目標値の許容範囲内に納まるようになるからである。
しかしながら、上記の差に応じてこの所定量を変化させるようにすることも可能である。
上記のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器25により、副室8内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値P1(又はP2)を含む所定の演算対象期間T2(又はT1)中の副室内ガス圧力Psを検出し、副室ガス供給コントローラ32aのピーク値演算器41により、着火後における副室圧力のピーク値P1(又はP2)を選出し、副室ガス量増減器42により、このピーク値P1(又はP2)を元に、副室ガス圧力調整弁21又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室8に供給する燃料ガス量を調整することで、副室8内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室8内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
<ピーク圧力に基づく高濃度着火制御>
次に、図3、図6に基づき、副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合につき説明する。
図6において、目標値設定器40及びピーク値演算器41における、ステップS1〜ステップS6aの演算・処理は、図5に示すものと同一である。
ピーク値演算器41において、ステップS6aにて副室圧力のピーク値P1(又はP2)を選出した後、副室ガス量増減器42において、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7a)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
副室圧力のピーク値P1(或いはP2)>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9a)。
そして、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、副室圧力のピーク値P1(或いはP2)<目標下限値Pminと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記のピーク圧力に基づく高濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、上記のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンと同様の作用効果を奏する。
<圧力積分値に基づく薄濃度着火制御>
次に、図3、図7に基づき、副室ガス供給コントローラ32aによる副室内圧力積分値に基づく薄濃度着火制御につき説明する。
なお、図5、6に示すものは、着火付近における副室圧力のピーク値P1(或いはP2)そのものを選出するものであるが、図7に示すものは、ピーク値演算器41において、着火後の副室圧力のピークP2を含む演算対象期間T2中の副室内ガス圧力Psを積分することにより、実質的(或いは間接的)にピーク値を選出し、演算、処理を行うものである。
先ず、制御スタート(ステップS1)後、クランク軸角度検出器24からクランク角度θを受信する(ステップS2)。
次に、目標値設定器40において、主室ガス供給コントローラ31等から、副室式ガスエンジンの負荷率(稼動率)を入手し、この負荷率に応じた副室圧力目標値を演算する(ステップS3)。
そして、副室圧力目標値に基づき演算対象期間T2中における、所定の目標積分値の範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)を演算する(ステップS4)。
次に、副室圧力検出器25から副室内ガス圧力Psを受信する(ステップS5a)。
そして、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの信号を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T2中における副室内ガス圧力Psを受信して、図3に図示の圧力の積分値Ps1(P1の範囲)を演算する(ステップS6b)。
或いは、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの情報を受信後、演算開始クランク角度θsから予め設定された演算対象期間T2中における副室内ガス圧力Psを受信し、着火時期付近の演算開始クランク角度θsにおける計測圧力(初期値)を圧力補正値Pcとし、これらの演算対象期間T2中の副室内ガス圧力Psから圧力補正値Pcを減じることにより差圧を演算して、その差圧を積分して、図3に図示の圧力の積分値Ps2(P2の範囲)を演算する(ステップS6b)。
このように、積分値を演算することにより、多少の副室内ガス圧力Psの外乱(ノイズ)による影響を低減することができる。
次に、副室ガス量増減器42において、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7b)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点aを基準とする薄濃度着火制御の場合、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭めて(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9b)。
そして、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器25により、副室8内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値を含む所定の演算対象期間T2中の副室内ガス圧力Psを検出し、副室ガス供給コントローラ32aのピーク値演算器41により、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)を演算することにより実質的(或いは間接的)にピーク値を選出し、副室ガス量増減器42により、この圧力の積分値Ps1(或いはPs2)を元に、副室ガス圧力調整弁21又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室8に供給する燃料ガス量を調整することで、副室8内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室8内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
更に、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)を演算することにより、副室圧力検出器25のノイズによる影響を低減することが可能となる。
<圧力積分値に基づく高濃度着火制御>
次に、図3、図8に基づき、副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合につき説明する。
図8において、目標値設定器40及びピーク値演算器41におけるステップS1〜ステップS6bの演算・処理は、図7に示すものと同一である。
なお、図5、6に示すものは、着火付近における副室圧力のピーク値P1(或いはP2)そのものを選出するものであるが、図8に示すものも、ピーク値演算器41において、着火後の副室圧力のピーク値P1(或いはP2)を含む演算対象期間T2、T1の副室内ガス圧力Psを積分することにより、実質的(或いは間接的)にピーク値を選出し、演算、処理を行うものである。
ピーク値演算器41において、ステップS6bで圧力の積分値Ps1(或いはPs2)を演算した後、副室ガス量増減器42において、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7b)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力の積分値Ps1(或いはPs2)>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9b)。
そして、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力の積分値Ps1(或いはPs2)<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力積分値に基づく高濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、上記の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンと同様の作用効果を奏する。
<<本発明の第2の実施の形態>>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る副室式ガスエンジンにつき説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成図、図10は、図9の変形例を示す構成図である。
図11は、図9及び図10における副室の検出圧力積分値推移図である。
図12は、図9及び図10におけるピーク圧力に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図13は、図9及び図10におけるピーク圧力に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図14は、図9及び図10における圧力積分値に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャート、図15は、図9及び図10における圧力積分値に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。
先ず、図9、図10に基づき、本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成につき説明する。
本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンは、図1、図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンに対し、更に、主室6の圧力を検出する主室圧力検出器26が設けられている。
その他の構成である、シリンダ1、ピストン2、クランク軸3、給気ポート4、排気ポート5、主室6、エンジンブロック7、副室8、着火装置、トーチガス導入通路11、副室ガス供給弁20、副室ガス圧力調整弁21、主室ガス供給弁22、主室ガス圧力調整弁23、クランク軸角度検出器24、副室圧力検出器25、ガスエンジン制御監視盤30、主室ガス供給コントローラ31、副室ガス供給コントローラ32b、点火コントローラ33等は、本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンと同様に設けられている。
そして、副室ガス供給コントローラ32bは、副室圧力検出器25から受信した副室内ガス圧力Psと、主室圧力検出器26から受信した主室内ガス圧力Pmとに基づき演算処理を行うようになっている。
次に、図11に基づき、副室式ガスエンジンの圧縮工程における副室8内の混合ガスの圧力と主室6内の希薄燃料ガスの圧力との圧力差の推移につき説明する。
図11に示すように、圧縮工程において、着火前における副室8内の混合ガスの圧力と主室6内の希薄燃料ガスの圧力との圧力差(Ps−Pm)はほぼ0(ゼロ)である。
また、着火し、複数個(例えば4〜10個)の副室噴孔から、主室6に火炎は噴出し終わった以降もこの圧力差(Ps−Pm)はほぼ0(ゼロ)である。
しなしながら、着火前後の所定の期間においては、副室8内の副室内ガス圧力Psは主室6内の主室内ガス圧力Pmよりも大きく、この圧力差(Ps−Pm)は、図3に示すものと同様に、急激に上昇する。
副室内ガス圧力Psの上昇に伴い、副室8内の燃焼ガスは、複数個の副室噴孔から主室6内に火炎ジェットとして噴出される。
このとき、圧力差(Ps−Pm)は、ピーク値P3に達するが、副室8内の燃焼ガスが主室6内に噴出されることにより、急激に低下する。
<圧力差のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御>
次に、図11、図12に基づき、副室ガス供給コントローラ32bによる圧力差のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御につき説明する。
先ず、制御スタート(ステップS1)後、クランク軸角度検出器24からクランク角度θを受信する(ステップS2)。
次に、目標値設定器40において、主室ガス供給コントローラ31等から、副室式ガスエンジンの負荷率(稼動率)を入手し、この負荷率に応じた副室圧力目標値、主室圧力目標値及び圧力差目標値を演算する(ステップS3)。
そして、圧力差目標値を基準として、所定の目標圧力の許容範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)を演算する(ステップS4)。
なお、基準の圧力差目標値、目標圧力の許容範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)は予め設定された固定の値としても良い。
次に、ピーク値演算器41において、副室圧力検出器25から副室内ガス圧力Psを受信する(ステップS5a)。
また、主室圧力検出器26から主室内ガス圧力Pmを受信する(ステップS5b)。
そして、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの信号を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T1(或いはT2)中における副室内ガス圧力Ps及び主室内ガス圧力Pmを受信し、圧力差(Ps−Pm)を演算する(ステップS5c)。
その中の最大値のものを圧力差のピーク値P3として選出する(ステップS6c)。
なお、本実施の形態においては、副室内ガス圧力Psと主室内ガス圧力Pmとの圧力差に基づくものであるため、演算対象期間T1(或いはT2)は、圧縮工程の全期間(下死点から上死点まで)としても良い。
次に、副室ガス量増減器42において、圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7a)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点aを基準とする薄濃度着火制御の場合、圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9c)。
そして、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力差のピーク圧力に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器25及び主室圧力検出器26により、副室8内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値P3を含む所定の演算対象期間T1(或いはT2)中の副室内ガス圧力Ps及び主室内ガス圧力Pmを検出し、副室ガス供給コントローラ32bのピーク値演算器41により、副室内ガス圧力Psと主室内ガス圧力Pmとの差に基づき着火直後の圧力差ピーク値P3を選出し、副室ガス量増減器42により、この圧力差ピーク値P3を元に、副室ガス圧力調整弁21又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室8に供給する燃料ガス量を調整することで、副室8内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室8内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
また、圧縮工程において副室8の圧力と主室6の圧力の差圧を演算することで、副室圧力検出器25及び主室圧力検出器26のドリフトの影響を排除することができる。
<圧力差のピーク圧力に基づく高濃度着火制御>
次に、図11、図13に基づき、副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合につき説明する。
図13において、目標値設定器40及びピーク値演算器41における、ステップS1〜ステップS6cの演算・処理は、図12に示すものと同一である。
ピーク値演算器41において、ステップS6cにて圧力差のピーク値P3を選出した後、副室ガス量増減器42において、圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7c)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合、圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力差のピーク値P3>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9c)。
そして、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力差のピーク値P3<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力差のピーク圧力に基づく高濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、上記の圧力差のピーク圧力P3に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンと同様の作用効果を奏する。
<圧力差の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御>
次に、図11、図14に基づき、副室ガス供給コントローラ32bによる圧力差の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御につき説明する。
なお、図12、13に示すものは、着火付近における圧力差のピーク値P3そのものを選出するものであるが、図14に示すものは、ピーク値演算器41において、着火後の圧力差のピーク値P3を含む演算対象期間T1(又はT2)の圧力差(Ps−Pm)を積分することにより、実質的(或いは間接的)にピーク値を選出し、演算、処理を行うものである。
先ず、制御スタート(ステップS1)後、クランク軸角度検出器24からクランク角度θを受信する(ステップS2)。
次に、目標値設定器40において、主室ガス供給コントローラ31等から、副室式ガスエンジンの負荷率(稼動率)を入手し、この負荷率に応じた副室圧力目標値、主室圧力目標値及び圧力差目標値を演算する(ステップS3)。
そして、圧力差目標値に基づき演算対象期間T1(又はT2)中における、所定の目標積分値の範囲(目標上限値Pmax及び目標下限値Pmin)を演算する(ステップS4)。
なお、基準の圧力差目標値、目標上限値Pmax及び目標下限値Pminは予め設定された固定の値としても良い。
次に、副室圧力検出器25から副室内ガス圧力Psを受信する(ステップS5a)。
また、主室圧力検出器26から主室内ガス圧力Pmを受信する(ステップS5b)。
そして、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの信号を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T1(又はT2)中における副室内ガス圧力Ps及び主室内ガス圧力Pmに基づき、圧力差(Ps−Pm)を演算する(ステップS5c)。
そして、主室ガス供給コントローラ31等から圧縮工程であるとの信号を受信後、演算開始クランク角度θsから演算対象期間T1(又はT2)中における図11に図示の圧力差の積分値Ps3(P3の範囲)を演算する(ステップS6d)。
次に、副室ガス量増減器42において、圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7d)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点aを基準とする薄濃度着火制御の場合、圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9d)。
そして、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力差の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、副室圧力検出器25及び主室圧力検出器26により、副室8内の燃焼状態を表す副室圧力のピーク値P3を含む所定の演算対象期間T2(又はT1)の副室内ガス圧力Ps及び主室内ガス圧力Pmを検出し、副室ガス供給コントローラ32bのピーク値演算器41により、副室内ガス圧力Psと主室内ガス圧力Pmとの圧力差(Ps−Pm)を積分して差圧の積分値Ps3を演算し、副室ガス量増減器42により、この差圧の積分値Ps3を元に、副室ガス圧力調整弁21又は副室ガス流量調整弁の開度を増減して副室8に供給する燃料ガス量を調整することで、副室8内の燃料ガス濃度を常に適正濃度に保ち、副室8内での燃焼のばらつきを押さえ安定燃焼を可能とする。
また、圧縮工程において副室8の圧力と主室6の圧力の差圧を演算することで、副室圧力検出器25及び主室圧力検出器26のドリフトの影響を排除することができる。
更に、差圧の積分値Ps3を演算することにより、副室圧力検出器25のノイズによる影響を低減することが可能となる。
<圧力差の圧力積分値に基づく高濃度着火制御>
次に、図11、図15に基づき、副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする圧力差の圧力積分値に基づく高濃度着火制御の場合につき説明する。
図15において、目標値設定器40及びピーク値演算器41におけるステップS1〜ステップS6dの演算・処理は、図14に示すものと同一である。
ピーク値演算器41において、ステップS6dで圧力差の積分値Ps3を演算した後、副室ガス量増減器42において、圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxか否かを判定する(ステップS7d)。
副室式ガスエンジンが、図4に示す副室内燃料ガス濃度点bを基準とする高濃度着火制御の場合、圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量増加させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量広げ(ステップS10)、終了(リターン)する(ステップS12)。
圧力差の積分値Ps3>目標上限値Pmaxではないと判定された場合(NO)には、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminか否かを判定する(ステップS9d)。
そして、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminと判定された場合(YES)には、副室ガス量を所定量減少させるべく副室ガス圧力調整弁21の開度を所定量狭め(ステップS8)、終了(リターン)する(ステップS12)。
なお、圧力差の積分値Ps3<目標下限値Pminではないと判定された場合(NO)には、副室ガス圧力調整弁21の開度を増減させることなく現状を維持し(ステップS11)、終了(リターン)する(ステップS12)。
上記の圧力差の圧力積分値Ps3に基づく高濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンによれば、上記の圧力差の圧力積分値に基づく薄濃度着火制御を行う本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンと同様の作用効果を奏する。
<<その他の実施の形態>>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限定されず、本発明の各実施の形態のものを組み合わせても良く、更には、本発明の範囲内で種々の変更を加えても良いことは言うまでもない。
例えば、目標値設定器40において目標値、及び目標圧力の許容範囲として目標上限値Pmax、目標下限値Pminを設定し、副室ガス量増減器42において計測値(ピーク値、積分値)と目標上限値Pmax或いは目標下限値Pminとの差を判断するのに代えて、目標値設定器40において目標値と、目標圧力の許容範囲として増減値(±α)を設定し、計測値(ピーク値、積分値)が目標値−α〜目標値+αの範囲にあるか否かを判定するようにしても良い。
また、各圧力及びクランク角度を連続的に計測、記憶しておき、圧縮工程が終了した時点で、各演算(各目標値の演算、演算対象期間T1、T2の設定も含む)、処理、記憶を行い、数サイクル以降において、副室ガス圧力調整弁21の増減制御を行う場合には、次のように処理される。
即ち、副室内ガス圧力Ps、主室内ガス圧力Pmを、計測時のクランク角度θと共に全工程について常時計測し、例えば、0.1秒間隔で、メモリーに記憶しておく。
そして、圧縮工程において上死点に達した後に、図5〜図8、図12〜図15の演算処理を行う。
この場合、ステップS5a、S5bの「検出圧力Ps(Pm)受信」は、「(メモリーから)検出圧力Ps(Pm)抽出」と読み替える或いは置き換えるものとする。
本発明の第1の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成図である。 図1の変形例を示す構成図である。 図1及び図2における副室の検出圧力値推移図である。 図1及び図2における副室内燃料ガス濃度と着火直後の副室圧力ピーク値との関係を示す図である。 図1及び図2におけるピーク圧力に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図1及び図2におけるピーク圧力に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図1及び図2における圧力積分値に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図1及び図2における圧力積分値に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る副室付ガスエンジンの構成図である。 図9の変形例を示す構成図である。 図9及び図10における副室の検出圧力積分値推移図である。 図9及び図10におけるピーク圧力に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図9及び図10におけるピーク圧力に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図9及び図10における圧力積分値に基づく薄濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。 図9及び図10における圧力積分値に基づく高濃度着火制御の場合の制御フローチャートである。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3 クランク軸
4 給気ポート
5 排気ポート
6 主室
7 エンジンブロック(シリンダヘッド)
8 副室
9a 点火プラグ(着火装置)
9b レーザ光照射器(着火装置)
10a 点火コイル
10b レーザ光発信器
11 トーチガス導入通路(点火用補助ガス通路)
20 副室ガス供給弁
21 副室ガス圧力調整弁
22 主室ガス供給弁
23 主室ガス圧力調整弁
24 クランク軸角度検出器
25 副室圧力検出器
26 主室圧力検出器
30 ガスエンジン制御監視盤
31 主室ガス供給コントローラ
32a、32b 副室ガス供給コントローラ
33 点火コントローラ
40 目標値設定器
41 ピーク値演算器
42 副室ガス量増減器
Ps 副室内ガス圧力
Pm 主室内ガス圧力
P1、P2、P3 ピーク値
Ps1、Ps2、Ps3 積分値
Pmax 目標上限値
Pmin 目標下限値
Pc 圧力補正値
T1、T2 演算対象期間
θ クランク角度
θs 演算開始クランク角度

Claims (9)

  1. シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
    前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
    前記副室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
    前記副室ガス供給コントローラは、
    前記副室式ガスエンジンの圧縮工程における前記副室内ガス圧力のピーク値を選出し、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする副室式ガスエンジン。
  2. シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
    前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
    前記主室の主室内ガス圧力を検出する主室圧力検出器と、
    前記副室内ガス圧力及び前記主室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
    前記副室ガス供給コントローラは、
    前記副室内ガス圧力と前記主室内ガス圧力との差のピーク値を選出し、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする副室式ガスエンジン。
  3. 前記副室ガス供給コントローラは、
    着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より小さくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭め、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の副室式ガスエンジン。
  4. 前記副室ガス供給コントローラは、
    着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より大きくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げ、
    前記ピーク値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭めるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の副室式ガスエンジン。
  5. シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
    前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
    前記副室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
    前記副室ガス供給コントローラは、
    前記副室式ガスエンジンの圧縮工程の演算対象期間における前記副室内ガス圧力を積分して圧力積分値を演算し、
    前記積分値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする副室式ガスエンジン。
  6. シリンダと、前記シリンダ内に収納され往復運動するピストンと、前記ピストンにより回転駆動されるクランク軸と、前記シリンダのヘッドに設けられた副室と、前記シリンダのヘッド内面上部と前記ピストンの上面との空間に形成された主室と、前記副室に供給する燃料ガス量を調整する副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁とを備えた副室式ガスエンジンにおいて、
    前記副室の副室内ガス圧力を検出する副室圧力検出器と、
    前記主室の主室内ガス圧力を検出する主室圧力検出器と、
    前記副室内ガス圧力及び前記主室内ガス圧力に基づき前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御する副室ガス供給コントローラとを備え、
    前記副室ガス供給コントローラは、
    前記副室内ガス圧力と前記主室内ガス圧力との圧力差を積分して圧力差積分値を演算し、
    前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲外のときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量変化させるものであることを特徴とする副室式ガスエンジン。
  7. 前記副室ガス供給コントローラは、
    着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より小さくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
    前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭め、
    前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げるものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の副室式ガスエンジン。
  8. 前記副室ガス供給コントローラは、
    着火時の前記副室内の燃料ガスの当量比が常時1より大きくなるように前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を制御すると共に、
    前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より大きいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量広げ、
    前記圧力差積分値が目標圧力の許容範囲より小さいときに前記副室ガス圧力調整弁又は副室ガス流量調整弁の開度を所定量狭めるものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の副室式ガスエンジン。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の前記副室式ガスエンジンを複数台備えると共に、前記副室ガス供給コントローラを中央監視制御室に備えたことを特徴とする発電設備。
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