JP2020133394A - エンジンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】副室式のエンジンにおいて、レーザー光を集光して形成する点火点の位置の制御により、運転範囲としてのノッキング限界を広げることができ、更には熱効率の向上も図る。【解決手段】ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側から主室3の側へ変更調整する点火点位置調整部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼室として、ピストンに面する主室と、当該主室に噴孔を介して連通する副室と、ガス通路を通じて供給された燃料ガスを前記副室に供給する燃料供給機構とを備え、前記副室内の前記ピストンに対向するシリンダヘッド側に設けられるレーザー光透過窓を介して前記副室内にレーザー光を集光して点火点を形成するレーザー光照射部を、前記レーザー光の光軸が前記主室と前記副室とを通る状態で備えるエンジンシステムに関する。
従来、火花点火エンジンは、希薄混合気の希薄限界を拡大し高効率化を図る目的で、希薄混合気の安定した着火を確保するべく、燃焼室として、ピストンに面する主室と、当該主室に噴孔を介して連通する副室と、ガス通路を通じて供給された燃料ガスを副室に供給する燃料供給機構とを備える副室式のエンジンが知られている(特許文献1を参照)。
当該副室式のエンジンは、主室においてピストンの上昇により圧縮された希薄混合気等の新気が噴孔を介して副室に流入し、その副室において、上記噴孔から流入した新気と燃料供給機構から供給された燃料ガスとの混合気が、点火プラグにより火花点火されて燃焼し、副室から噴孔を介して主室に火炎ジェットが噴射されるように構成されている。
一方、特許文献2に記載の如く、主室と連通する副室の点火点にレーザー光を集光可能なレーザー点火型エンジンが知られている。当該レーザー点火型エンジンでは、所望の点火タイミングにおいて、高密度のレーザー光を点火点に集光することで、所望の点火タイミングにて副室の点火点にて点火するものである。
特開2012−193747号公報 特表2012−518120号公報
特許文献1に開示されるような副室式のエンジンにあっては、エンジンの運転可能範囲の拡大や熱効率の向上を図るべく、種々の運転条件の研究が進められている。例えば、図示平均有効圧の高い側の運転範囲の限界として、ノッキング限界があるが、当該ノッキング限界の拡大を図ることができると共に、高い熱効率で運転可能なエンジンシステムの開発が望まれていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、副室式のエンジンにおいて、レーザー光を集光して形成する点火点の位置の制御により、運転範囲としてのノッキング限界を広げることができ、更には熱効率の向上も図り得るエンジンシステムを提供する。
上記目的を達成するためのエンジンシステムは、
燃焼室として、ピストンに面する主室と、当該主室に噴孔を介して連通する副室と、ガス通路を通じて供給された燃料ガスを前記副室に供給する燃料供給機構とを備え、前記副室内の前記ピストンに対向するシリンダヘッド側に設けられるレーザー光透過窓を介して前記副室内にレーザー光を集光して点火点を形成するレーザー光照射部を、前記レーザー光の光軸が前記主室と前記副室とを通る状態で備えるエンジンシステムであって、その特徴構成は、
ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点火点位置調整部を備える点にある。
本発明の発明者らは、研究の結果、特に、副室に対して噴孔から流入する新気とは別に、直接燃料ガスが供給される副室式のエンジンにおいて、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側(レーザー光照射部に近接する側)よりも主室の側(レーザー光照射部から離間する側)とした方が、主室での点火後の熱発生速度が緩慢になるという知見を得た。一方で、図3(b)に示すように、上死点近傍の点火タイミングにおいて、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側よりも主室の側とした方が、筒内圧力振動(ノック平均値)を低く抑えられるという知見を得た。
当該知見により、本発明の発明者らは、点火位置調整部により、熱発生速度を急峻にすることでノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側から主室の側へ変更調整することで、ノッキングの発生し易い運転状態であっても、良好にノッキングを抑制することができるエンジンシステムを完成させた。
このように、上記特徴構成によれば、当該点火位置調整によりノッキングの抑制を図ることができるから、他のエンジンの運転指標である空気過剰率等を変更することなく、ノッキングを抑制でき、運転の制約条件を緩和することができる。
結果、副室式のエンジンにおいて、レーザー光を集光して形成する点火点の位置の制御により、運転範囲としてのノッキング限界を広げるエンジンシステムを実現できる。
エンジンシステムの更なる特徴構成は、
前記点火点位置調整部は、前記運転状態として点火時期が進角化するに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点にある。
本発明の発明者らは、図3(b)に示すように、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側よりも主室の側とした方が、点火進角限界を広げることができることを新たに発見した。
更に、図3(a)に示されるように、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓の側よりも主室の側とした方が、同一筒内圧力振動において図示熱効率の最大値が高くなるという知見を得た。
即ち、上記特徴構成の如く、運転状態として点火時期が進角化するに従って、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内においてレーザー光透過窓の側から主室の側へ変更調整することで、進角側の運転可能範囲を広げることができると共に、図示熱効率を高くすることができるエンジンシステムを実現できる。
エンジンシステムの更なる特徴構成は、
前記点火点位置調整部は、前記運転状態として空気過剰率が低くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点にある。
運転状態として空気過剰率が低くなると、燃焼室での混合気の燃料が希薄側から過濃側にシフトするため、ノッキングの発生頻度が高くなる。
上記特徴構成の如く、運転状態として空気過剰率が低くなるに従って、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内においてレーザー光透過窓の側から主室の側へ変更調整ことで、図3(b)の実験結果に示すように、筒内圧力振動(ノック平均値)が抑制され、ノッキングの発生頻度が高くなることを抑制しつつも、空気過剰率を低くして所望の運転状態を実現できる。
エンジンシステムの更なる特徴構成は、
前記燃焼室での圧力を計測する圧力センサを備え、
前記点火点位置調整部は、前記圧力センサにて計測される筒内圧力振動が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定圧力に近くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点にある。
上記特徴構成によれば、圧力センサにて計測される筒内圧力振動が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定圧力に近くなるに従って、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内においてレーザー光透過窓の側から主室の側へ変更調整するから、エンジンの運転に関わる空気過剰率等の各種パラメータを変更して熱効率の低下等を招くことなく、ノッキングの発生を良好に抑制できる。
エンジンシステムの更なる特徴構成は、
前記点火点位置調整部は、前記運転状態として負荷が高くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点にある。
運転状態としての負荷が高くなるに従って、即ち、ノッキングの発生頻度が高くなるため、点火点としてのレーザー光の焦点位置を、副室内においてレーザー光透過窓の側から主室の側へ変更調整することで、ノッキングの発生を良好に抑制することができる。
エンジンシステムの更なる特徴構成として、
前記燃焼室での圧力を計測する加速度センサを備え、
前記点火点位置調整部は、前記加速度センサにて計測される加速度が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定加速度に近くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する構成を採用しても構わない。
これまで説明してきたエンジンシステムとしては、
前記点火点位置調整部は、前記レーザー光透過窓と前記主室との間において、前記レーザー光透過窓と前記主室との中間位置よりも前記レーザー光透過窓に近い側で、前記レーザー光の焦点位置を調整することが好ましい。
実施形態に係るエンジンシステムの概略構成図。 副室及びレーザー光照射部に係る構成の拡大図。 異なる焦点位置に点火点を調整した夫々の場合において、点火時期θigを変化させたときの図示熱効率及び筒内圧力振動(ノック平均値)の関係を示すグラフ図。 異なる焦点位置に点火点を調整した夫々の場合におけるTDC近傍での熱発生速度の変化を示すグラフ図。
本発明の実施形態に係るエンジンシステム100は、副室式のエンジンにおいて、レーザー光を集光して形成する点火点の位置の制御により、運転範囲としてのノッキング限界を広げることができ、更には熱効率の向上も図り得るものに関する。
以下、図面に基づいて、当該実施形態に係るエンジンシステム100を説明する。
当該実施形態に係るエンジンシステム100は、図1、2に示すように、燃焼室として、ピストン2に面する主室3と、当該主室3に噴孔15を介して連通する副室14と、ガス通路71を通じて供給される燃料ガスFを副室14に噴射する燃料噴射孔70(燃料供給機構の一例)とを備えた副室式のエンジンとして構成されている。
即ち、エンジンシステム100は、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の頂面と共に主室3を形成するシリンダ4とを備え、ピストン2をシリンダ4内で往復運動させると共に、吸気バルブ(図示せず)と排気バルブ(図示せず)を開閉動作させて、主室3において吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を行い、ピストン2の往復動を連結棒(図示せず)によってクランク軸(図示せず)の回転運動として出力されるものであり、このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と変わるところはない。
また、エンジンシステム100は、気体燃料である都市ガス(13A)を燃料ガスFとして利用するものであり、吸気行程において吸気バルブを開状態として、吸気ポート8から主室3に空気と少量の燃料ガスFとの混合気好ましくは希薄混合気である新気を吸入し、圧縮及び燃焼・膨張行程において吸気バルブ及び排気バルブを閉状態として、この吸入した新気を圧縮して燃焼・膨張させ、排気行程において排気バルブを開状態として、主室3から排気ポート9に排ガスEを排出するように運転される。
吸気ポート8の上流側の吸気路40には、空気Aを浄化するエアクリーナ41、空気Aに燃料ガスFを適切な比率(空燃比)で混合するミキサ64、及び開度調整により燃焼室への混合気Mの吸気量を調整可能なスロットル弁44が、その上流側から記載の順に設けられている。
即ち、吸気路40において、ミキサ64で燃料ガスFと空気Aとを混合して生成された混合気Mは、スロットル弁44を介して所定の流量に調整されて、エンジン本体の燃焼室に導入される。
ミキサ64に燃料ガスFを導く燃料ガス供給路61には、ミキサ64の上流側の吸気路40における空気Aの圧力と燃料ガス供給路61における燃料ガスFの圧力差を一定に保つ差圧レギュレータ62、ミキサ64を介して燃焼室に供給される燃料ガスFの供給量を調整する燃料制御弁63が設けられている。
エンジンコントロールユニットCの機能部位としての出力制御部C1は、例えば、回転数センサ(図示せず)にて計測されるエンジン回転数や、発電機の出力により計算されるエンジン出力が、目標出力となるように、燃料制御弁63やスロットル弁44の開度を制御する出力維持制御を実行するように構成されている。
エンジンシステム100のシリンダヘッド6には、主室3と共に燃焼室として設けられ、主室3に噴孔15を介して連通する副室14が設けられている。
説明を追加すると、当該副室14は、上述したガス通路71及び燃料噴射孔70が形成される副室基部51と、噴孔15が形成される副室頭部23とに外囲される形態で設けられ、副室基部51と副室頭部23とは、副室基部51の外周に形成される雄螺子部位51bと副室頭部23の雌螺子部位23aとが螺合する形態で接続されている。そして、副室頭部23は、副室頭部23の外周部位がシリンダヘッド6に固設されている。
副室基部51に形成される燃料噴射孔70に通じるガス通路71には、燃料ガスFが例えば230kPaG程度の供給圧力で供給され、その供給された燃料ガスFを副室14に断続的に供給可能な逆止弁72が設けられている。この逆止弁72は、燃料噴射孔70側の圧力低下に伴って開状態となり燃料噴射孔70側の圧力上昇に伴って閉状態となるように構成されている。
即ち、逆止弁72の下流側に位置する燃料噴射孔70の圧力、即ちそれが開口する副室14の圧力が低下して所定の作動圧力以下になると、逆止弁72の上流側の圧力(以下、「燃料ガス供給圧」と呼ぶ。)が、副室14の圧力及び逆止弁72の付勢力に打ち勝って逆止弁72の弁体が弁座から離間し開状態となることで、ガス通路71から燃料噴射孔70を通じて副室14に燃料ガスFが供給されることになる。
一方、副室14の圧力が上昇して所定の作動圧力よりも高くなると、上記副室14の圧力及び逆止弁72の付勢力が燃料ガス供給圧に打ち勝って逆止弁72の弁体が弁座に当接し閉状態となることで、ガス通路71から副室14への燃料ガスFの供給が停止される。
更に、上記圧力応動式の逆止弁72の作動圧力は、上記逆止弁72の付勢力と燃料ガス供給圧力とを調整することにより決定することができるが、その作動圧力は給気圧力よりも低い圧力(例えば、225kPaG)に設定されている。
よって、この圧力応動式の逆止弁72は、排気行程において排気バルブ(図示せず)が開状態となり、燃焼室としての副室14の圧力が上記排気圧力に略相当する圧力となった場合でも、閉状態を維持することになり、同排気行程において燃料ガスFが無用に副室14に流出して排気ポート9に排出されることが防止されている。
副室基部51には、副室14内のピストン2に対向するシリンダヘッド6側にレーザー光透過窓33が形成されており、更に、当該レーザー光透過窓33には、レーザー光の出力部位が位置する形態で、当該点火点位置調整部20が螺合接続されている。レーザー光照射部30は、レーザー光を透過する耐熱性の透過部材34に高出力のパルスレーザー光を透過させ、副室14の内部にレーザー光を集光する形態で備えられている。また、レーザー光照射部30は、レーザー光の光軸L2が主室3と副室14とを通る状態、換言すると、光軸L2を副室14の全体としての副室軸心L1に沿わせる状態で配設されている。
点火点位置調整機構20は、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する形態で備えられ、当該点火点位置調整機構20に対して上述のレーザー光照射部30が固定されている。
点火点位置調整機構20は、レーザー光照射部30から照射されたレーザー光を集光する光学素子としての光学レンズ35と、当該光学レンズ35を光軸L2に沿う方向で移動させるアクチュエータ36とを備え、エンジンコントロールユニットCの点火点位置制御部C2による制御に基づいて、アクチュエータ36により光学レンズ35の光軸L2に沿う方向での位置を調整する形態で、レーザー光の焦点位置(点火点P)を調整可能に構成されている。
尚、副室基部51の副室14の近傍には、副室14の内部に連通する状態で、筒内圧力を計測する圧力センサSが設けられており、当該圧力センサSの出力に従って、エンジンコントロールユニットCによる各種制御が実行される。
本発明の発明者らは、ノッキングを効果的に抑制しながら、ノッキング限界を拡大しつつ熱効率の向上を図るべく、以下の構成を有する。
エンジンコントロールユニットCの機能部位としての点火点位置制御部C2は、ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、点火点位置調整機構20により調整することで、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する。即ち、点火点位置制御部C2及び点火点位置調整機構20が、点火点位置調整部として機能する。
これまで説明してきたエンジンシステム100において、点火時期を6degBTDC、空気過剰率を1.6とし、図示平均有効圧力が1.4MPaである場合の熱発生速度を示す。
図4に示すように、副室14に対して噴孔から流入する新気とは別に、燃料噴射孔70から直接燃料ガスが供給される副室式のエンジンにおいて、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側(レーザー光照射部30に近接する側)よりも主室3の側(レーザー光照射部30から離間する側)にした方が、燃焼室での点火後の熱発生速度が緩慢になり、熱発生速度のピーク速度も低くなる。更に、図3(b)に示すように、上死点近傍の点火タイミングにおいて、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側よりも主室3の側とした方が、筒内圧力振動(ノック平均値)を低く抑えられる。
即ち、点火点位置制御部C2及び点火点位置調整機構20により、ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整することで、ノッキングの発生し易い運転状態であっても、良好にノッキングを抑制できる。
ここで、副室14内における点火点Pとしての焦点位置について、以下に説明を加える。
点火点位置制御部C2及び点火点位置調整機構20にて調整される点火点Pとしての焦点位置は、副室14のうち、光軸L2に沿う方向で、レーザー光透過窓33(より詳細には、透過部材34の副室側端面)と主室3との中間位置よりもレーザー光透過窓33に近い位置で調整される。当該実施形態に係る試験においては、点火点Pとしての焦点位置は、光軸L2に沿う方向で、レーザー光透過窓33(透過部材34の副室側端面)からの距離を焦点位置として示すこととし、レーザー光透過窓33に近い位置をP1、主室3に近い位置をP3、P1とP3の中央位置をP2として、各種データを取得している。
副室14は、図2に示すように、レーザー光透過窓33に接する基部側副室14bと、主室3側で噴孔15が設けられる頭頂部側副室14aとを有し、点火点Pとしての焦点位置は、基部側副室14bにて調整される。
図3(b)に示すように、上死点近傍の点火タイミングにおいて、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓33に近い位置P1よりも主室3に近い位置P3に近づけた方が、筒内圧力(ノック平均値)を低く抑えられ、点火進角限界を広げることができることを確かめた。
そして、図3(a)に示されるように、上死点近傍の点火タイミングにおいて、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸に沿う方向でレーザー光透過窓33に近い位置P1よりも主室3に近い位置P3に近づけた方が、同一筒内圧力振動において図示熱効率の最大値を高くできることを確認した。
そこで、当該実施形態に係るエンジンシステム100にあっては、点火点位置制御部C2は、ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態として点火時期が進角化するに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33に近い位置P1よりも主室3に近い位置P3に近づけるように変更調整し、進角化限界を広げると共に熱効率の向上を図ることができる。
記憶部C3には、種々の運転条件毎の点火点Pの位置と点火時期との関係が記憶されており、点火点位置制御部C2は、当該関係に基づいて点火点Pの位置を制御する。
〔別実施形態〕
(1)点火点位置制御部C2は、ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態として空気過剰率が低くなるに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する制御を行う構成を採用しても構わない。
記憶部C3には、種々の運転条件毎の点火点Pの位置と空気過剰率との関係が記憶されており、点火点位置制御部C2は、当該関係に基づいて点火点Pの位置を制御する。
(2)点火点位置制御部C2は、圧力センサSにて計測される筒内圧力が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定圧力に近くなるに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する制御を行う構成を採用しても構わない。
記憶部C3には、種々の運転条件毎の点火点Pの位置と筒内圧力との関係が記憶されており、点火点位置制御部C2は、当該関係に基づいて点火点Pの位置を制御する。
(3)点火点位置制御部C2は、運転状態として負荷が高くなるに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する制御を行う構成を採用しても構わない。
記憶部C3には、種々の運転条件毎の点火点Pの位置と負荷との関係が記憶されており、点火点位置制御部C2は、当該関係に基づいて点火点Pの位置を制御する。
(4)点火点位置制御部C2は、加速度センサ(図示せず)にて計測される加速度が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定加速度に近くなるに従って、点火点Pとしてのレーザー光の焦点位置を、副室14内において光軸L2に沿う方向でレーザー光透過窓33の側から主室3の側へ変更調整する制御を行う構成を採用しても構わない。
記憶部C3には、種々の運転条件毎の点火点Pの位置と加速度との関係が記憶されており、点火点位置制御部C2は、当該関係に基づいて点火点Pの位置を制御する。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明のエンジンシステムは、副室式のエンジンにおいて、レーザー光を集光して形成する点火点の位置の制御により、運転範囲としてのノッキング限界を広げることができ、更には熱効率の向上も図り得るエンジンシステムとして、有効に利用可能である。
2 :ピストン
3 :主室
6 :シリンダヘッド
14 :副室
15 :噴孔
20 :点火点位置調整部
30 :レーザー光照射機構
33 :レーザー光透過窓
70 :燃料噴射孔
71 :ガス通路
72 :逆止弁
100 :エンジンシステム
A :空気
F :燃料ガス
L2 :光軸
P :点火点

Claims (7)

  1. 燃焼室として、ピストンに面する主室と、当該主室に噴孔を介して連通する副室と、ガス通路を通じて供給された燃料ガスを前記副室に供給する燃料供給機構とを備え、前記副室内の前記ピストンに対向するシリンダヘッド側に設けられるレーザー光透過窓を介して前記副室内にレーザー光を集光して点火点を形成するレーザー光照射部を、前記レーザー光の光軸が前記主室と前記副室とを通る状態で備えるエンジンシステムであって、
    ノッキングの発生頻度が高くなる運転状態へ移行するに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する点火点位置調整部を備えるエンジンシステム。
  2. 前記点火点位置調整部は、前記運転状態として点火時期が進角化するに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する請求項1に記載のエンジンシステム。
  3. 前記点火点位置調整部は、前記運転状態として空気過剰率が低くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する請求項1又は2に記載のエンジンシステム。
  4. 前記燃焼室での圧力を計測する圧力センサを備え、
    前記点火点位置調整部は、前記圧力センサにて計測される筒内圧力が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定圧力に近くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  5. 前記点火点位置調整部は、前記運転状態として負荷が高くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する請求項1〜4の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  6. 前記燃焼室での圧力を計測する加速度センサを備え、
    前記点火点位置調整部は、前記加速度センサにて計測される加速度が徐々に高くなりノッキングが発生するノッキング判定加速度に近くなるに従って、前記点火点としての前記レーザー光の焦点位置を、前記副室内において前記光軸に沿う方向で前記レーザー光透過窓の側から前記主室の側へ変更調整する請求項1〜5の何れか一項に記載のエンジンシステム。
  7. 前記点火点位置調整部は、前記レーザー光透過窓と前記主室との間において、前記レーザー光透過窓と前記主室との中間位置よりも前記レーザー光透過窓に近い側で、前記レーザー光の焦点位置を調整する請求項1〜6の何れか一項に記載のエンジンシステム。
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