JP4730252B2 - ガス燃料内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、ガス燃料内燃機関に関し、特に、水素を燃料として自着火運転可能な水素自着火内燃機関に関する。
従来、内燃機関の燃料としてガス燃料である水素を使用することが知られている。水素は、その可燃範囲が体積割合で4〜75%とかなり広く、空気過剰率が4以上程度の極めて薄い混合気でも十分に燃焼させることができる。このため、水素を内燃機関の燃料として利用する場合には、極めてリーンな空燃比でも動力を取り出すことができ、いわゆる超リーンバーン運転が可能となる。
超リーンバーン運転によれば、スロットルを略全開にできるので、ポンプ損失を低減することができ、また、燃焼温度が低下することから冷却損失も低減することができる。ポンプ損失及び冷却損失の低減によって、内燃機関の効率は向上し、燃費に優れた高効率での運転が可能となる。更に、燃焼温度の低下によって、NOの発生量を略ゼロまで抑制することができ、また、水素を燃料とすることで、COやCOの発生もない。したがって、水素を用いた超リーンバーン運転によれば、完全なゼロエミッションの実現も可能になる。
特開平10−238374号公報 特開2005−139985号公報 特開平7−189848号公報
ところで、水素はガソリンのような液体燃料に比べて可燃範囲が広い。このため、水素を内燃機関の燃料として利用する場合、通常の火花点火方式に代えて、自着火方式とすることも考えられる。
しかしながら、水素を燃料とする自着火運転では、燃料噴射タイミングの制御が難しい。水素ガスは同発熱量の液体燃料に比べて体積が格段に大きいため、燃料噴射期間を長く設定せざるを得ないが、自着火前に多量の燃料が噴射されると、急激な予混合燃焼による燃焼騒音が問題となる。また、多量の水素が燃焼室内に拡散することから、予混合燃焼よる未燃水素が増大してしまう。
一方、拡散燃焼期間を長く設定することとすると、燃焼後期の燃焼圧が低下してしまうため、効率の低下の問題が顕著となる。このように、水素を燃料とする自着火運転においては、燃料噴射タイミングが内燃機関の効率、および燃焼騒音などに大きな影響を与えることとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガス燃料を利用した自着火内燃機関の燃料噴射タイミングの最適化を図り、高効率且つ低騒音を実現できるようにしたガス燃料内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ガス燃料による自着火運転が可能なガス燃料内燃機関であって、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火時期を推定する自着火時期推定手段と、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射期間を算出する噴射期間算出手段と、
前記自着火時期と前記噴射期間とに基づいて、ガス燃料の噴射開始時期を決定する噴射開始時期決定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記内燃機関は、ガス燃料として、水素ガスを使用する水素内燃機関であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または2の発明において、
前記噴射開始時期決定手段は、
前記噴射期間が短いほど、前記噴射開始時期が遅い時期となるように特定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至3の何れか1つの発明において、
前記内燃機関の圧縮比を調整する圧縮比調整手段と、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火目標時期を算出する自着火目標時期算出手段と、
前記自着火時期が前記自着火目標時期となるように、前記圧縮比調整手段を操作する制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記制御手段は、
前記自着火時期と前記自着火目標時期とを比較する第1比較手段を含み、
前記自着火時期が前記自着火目標時期よりも遅い場合に、前記圧縮比が大きくなるように前記圧縮比調整手段を操作することを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、
前記制御手段は、
前記自着火時期と前記自着火目標時期とを比較する第1比較手段を含み、
前記自着火時期が前記自着火目標時期よりも早い場合に、前記圧縮比が小さくなるように前記圧縮比調整手段を操作することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至6の何れか1つの発明において、
前記内燃機関の燃焼室に配置された着火補助装置と、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火許容時期を算出する自着火許容時期算出手段と、
前記自着火許容時期までに自着火しない場合に、前記着火補助装置を作動させる着火補助手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、
前記着火補助手段は、
前記自着火時期と前記自着火許容時期とを比較する第2比較手段を含み、
前記自着火時期が前記自着火許容時期よりも遅い場合に、前記着火補助装置を作動させることを特徴とする。
また、第9の発明は、第7の発明において、
前記着火補助手段は、
前記内燃機関の筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、
前記筒内圧に基づいて、自着火有無を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、ガス燃料による圧縮自着火運転が可能なガス燃料内燃機関において、内燃機関の運転条件・運転状態に基づいて特定された自着火時期と噴射期間とに基づいて、噴射開始時期を特定することができる。機関効率は燃焼形態および燃焼状態によって異なる。このため、本発明によれば、自着火時期と噴射期間とに基づいて、機関効率が最適となる燃焼が行われるように、噴射開始時期を特定することができる。
第2の発明によれば、ガス燃料に水素ガスを使用する水素内燃機関により、本発明を実行することができる。
第3の発明によれば、噴射開始時期は、燃料の噴射期間が短いほど遅い時期に噴射が開始されるように特定される。このため、本発明によれば、着火前に多量の燃料が噴射される事態を回避することができ、急激な予混合燃焼による燃焼騒音および未燃水素の発生を抑制することができる。
第4の発明によれば、内燃機関の運転条件・運転状態に基づいて特定された自着火時期が、自着火目標時期になるように、圧縮比が調整される。このため、本発明によれば、自着火目標時期に確実に自着火させることにより熱発生の時期が常に適切となり、高効率な運転を実現することができる。
第5の発明によれば、圧縮比の調整は、自着火時期と自着火目標時期との比較に基づいて実行される。つまり、自着火時期が自着火目標時期よりも遅い場合には、自着火時期を早めるために、目標圧縮比が高く設定される。このため、本発明によれば、自着火目標時期に確実に自着火させることができる。
第6の発明によれば、圧縮比の調整は、自着火時期と自着火目標時期との比較に基づいて実行される。つまり、自着火時期が自着火目標時期よりも早い場合には、自着火時期を遅らすために、目標圧縮比が低く設定される。このため、本発明によれば、自着火目標時期に確実に自着火させることができる。
第7の発明によれば、自着火許容時期までに自着火しない場合には、着火補助装置により着火が補助される。このため、本発明によれば、自着火しない場合であっても確実に着火させることにより、高効率な運転を実現することができる。
第8の発明によれば、着火補助装置の作動は、自着火時期と自着火許容時期との比較に基づいて実行される。つまり、自着火時期が自着火許容時期よりも遅い場合には、自着火しない可能性が高いため、着火補助装置を作動させる。このため、本発明によれば、自着火しない可能性が高い場合においても確実に着火させることができる。
第9の発明によれば、着火補助装置の作動は、内燃機関の筒内圧に基づいて実行される。自着火した場合には筒内圧が急激に上昇する。このため、本発明によれば、筒内圧に基づいて、自着火有無を確実に検出することができ、自着火していない場合に確実に着火させることができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の実施の形態の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のガス燃料内燃機関10は、ガス燃料として水素を使用する水素エンジンである。水素エンジン10は、内部にピストン12が配置されたシリンダブロック14と、シリンダブロック14に組み付けられたシリンダヘッド16を備えている。シリンダブロック14およびシリンダヘッド16の内壁とピストン12の上面とで囲まれる空間は、燃焼室18を形成している。尚、図1では一つの燃焼室18のみを示しているが、水素エンジン10は複数の燃焼室18を有する多気筒エンジンとして構成されている。
燃焼室18には、空気を燃焼室18内に導入するための吸気通路20が接続されている。吸気通路20の上流端にはエアクリーナ22が設けられ、空気はエアクリーナ22を介して吸気通路20内に取り込まれる。吸気通路20には燃焼室18へ吸入される空気量を調整するためのスロットル24が配置されている。吸気通路20のスロットル24の上流には、吸入空気量を測定するためのエアフロメータ26が取り付けられている。吸気通路20と燃焼室18との接続部には、吸気通路20と燃焼室18との連通状態を制御する吸気バルブ28が設けられている。
また、燃焼室18には燃焼室内の燃焼ガスを排出するための排気通路30が接続されている。排気通路30には浄化触媒32が配置され、排気ガスは浄化触媒32によって浄化されてから大気中に排出される。浄化触媒32の上流には、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ34が取り付けられている。排気通路30と燃焼室18との接続部には、排気通路30と燃焼室18との連通状態を制御する排気バルブ36が設けられている。
更に、燃焼室18内には筒内噴射弁40と筒内圧センサ52とが配置されている。筒内噴射弁40は水素供給管44を介して水素供給装置42に接続されている。水素供給装置42の具体例としては、水素を蓄えた水素タンク、炭化水素系燃料を改質して水素を生成する改質器、或いは、メタルハイドライド等の水素吸蔵手段を挙げることができる。本実施の形態の水素エンジンにおいては、水素供給装置42の種類には限定はない。水素供給管44には、筒内噴射弁40に水素を圧送するポンプ46が配置されている。ポンプ46は、圧縮TDC付近でも十分に噴射できる圧力まで水素を圧縮している。尚、水素供給装置42として高圧水素タンクを用いる場合であって、その貯蔵圧力が噴射圧よりも高い場合には、ポンプ46の代わりにレギュレータを用いてもよい。
本実施の形態の水素エンジン10には、その制御装置として、ECU(Electronic Control Unit)70が備えられている。ECU70の出力部には、上述した筒内噴射弁40、スロットル24等の種々の機器が接続されている。また、ECU70の入力部には、上述したエアフロメータ26、酸素センサ34、筒内圧センサ52の他、クランク角センサ48、水温センサ50等の種々のセンサ類が接続されている。ECU70は、各センサの出力に基づいて、所定の制御プログラムに従って各機器を駆動する。
[実施の形態1の動作]
次に、本実施の形態1の動作について説明する。本実施の形態の水素エンジン10は、水素を燃料として使用し、混合気を自着火により燃焼させることのできるエンジンである。当該水素エンジン10の燃焼形態は、予混合燃焼と拡散燃焼とから成り立っている。具体的には、先ず、筒内噴射弁40から噴射された水素が燃焼室18内で空気と混合され、可燃混合気が生成される。燃焼室18内の可燃混合気が圧縮されて自着火温度に到達すると、該可燃混合気の数ヶ所でほぼ同時に自着火が起こり、可燃混合気が急速に燃焼する予混合燃焼が行われる。次いで、予混合燃焼の後には、燃焼中の火炎に水素ガスが継続的に噴射されるので、水素が空気と拡散混合しながら燃焼する拡散燃焼が行われる。
予混合燃焼までの燃料噴射期間(以下、「予混合期間」と称す)が短いほど、すなわち自着火タイミングが早いほど予混合燃焼前の燃料噴射量が少量となるため、急激な予混合燃焼が抑制され、燃焼騒音を低減することができる。また、燃焼室内に拡散する水素量が少量となるため、未燃水素の発生を抑制することができる。
しかしながら、上述したとおり、水素ガスは同発熱量の液体燃料に比べて体積が格段に大きいため、燃料の噴射期間Afを長く設定せざるを得ないが、予混合期間を長くすることとすると、上述した燃焼騒音および未燃水素が問題となる。
一方、拡散燃焼期間を長く設定することとすると、燃焼後期の燃焼圧が低下してしまうため、効率の低下の問題が顕著となる。このように、水素を燃料とする自着火運転においては、燃料噴射タイミングが内燃機関の効率、および燃焼騒音などに大きな影響を与えることとなる。
つまり、上述した予混合燃焼および拡散燃焼から成る自着火燃焼においては、噴射期間Afに応じて、機関効率が最適な自着火タイミングとなる燃料噴射開始時期が存在する。そこで、本実施の形態1においては、以下の演算式に従って、最適な燃料の噴射開始クランク角θsを算出し、燃料噴射を実行することとする。
噴射開始クランク角θs=自着火温度到達クランク角θai−進角量Δθ・・・(1)
ここで、自着火温度到達クランク角θaiは、燃焼室18内の可燃混合気が自着火し得る温度となる圧縮クランク角であり、水素エンジン10の運転条件及び運転状態に基づいて推定された値である。また、進角量Δθは、自着火温度到達クランク角θaiからの進角量として定義された値である。
図2は、噴射期間Afと進角量Δθとの間に成立する関係を示すマップである。図2のマップは、噴射期間Afが短いほど進角量Δθが小さくなる傾向が、自着火温度到達クランク角θaiの全域において現れる様子を示している。進角量Δθは、かかるマップの傾向に従って、自着火温度到達クランク角θaiおよび噴射期間Afに対応する値が特定される。
上記(1)式によれば、噴射開始クランク角θsは、自着火温度到達クランク角θaiから進角量Δθを差し引くことで算出される。このため、噴射開始クランク角θsは、噴射期間Afが短いほど、すなわち噴射量が少ないほど、θaiからの進角量が減少し、やがてθaiより遅角側のクランク角となる。したがって、予混合燃焼のための噴射量が多すぎないように燃料噴射開始タイミングを調整することができるため、燃焼騒音および未燃水素の発生を抑制することができ、高効率な運転を実現することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図3は、ECU70が水素エンジン10に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン10の運転条件および運転状態が入力される(ステップ100)。ここでは、具体的には、機関回転数Ne、噴射量Qf、噴射圧Qp、吸気温Ti、EGR率Re、水温Tw等が水素エンジン10における運転条件、或いは運転状態として入力される。
次に、自着火温度到達クランク角θaiが推定される(ステップ102)。自着火温度到達クランク角θaiは、水素エンジン10の運転条件及び運転状態に基づいて、燃焼室18内の可燃混合気が自着火し得る温度に到達する圧縮クランク角として推定された値である。ここでは、具体的には、上記ステップ100にて入力された運転条件および運転状態に基づいて、自着火温度到達クランク角θaiが推定される。
次に、噴射期間Afが算出される(ステップ104)。噴射期間Afは、水素噴射のクランク角期間である。ここでは、具体的には、上記ステップ100にて入力された機関回転数Ne、噴射量Qf、および噴射圧Qpに基づいて算出される。
図3に示すルーチンにおいては、次に、噴射開始クランク角θsが算出される(ステップ106)。ここでは、具体的には、先ず、進角量Δθが特定される。進角量Δθは、上述した図2に示すマップに従い、上記ステップ102にて推定された自着火温度到達クランク角θai、および上記ステップ104にて算出された噴射期間Afに対応する進角量Δθから特定される。次に、上記ステップ102にて推定された自着火温度到達クランク角θai、および上記Δθが上記(1)式に代入され、噴射開始クランク角θsが算出される。
以上説明したとおり、本実施の形態1によれば、予混合燃焼前の燃料噴射量が多すぎないように燃料噴射開始タイミングを調整し、予混合燃焼を行うことができる。このため、高効率での運転が可能であり、また、未燃水素の発生を抑制することができる。
また、上述した実施の形態1によれば、噴射期間Afが短くなるにつれて、やがて進角量Δθがマイナス値にて算出される。かかる場合においては、自着火温度到達クランク角θaiよりも遅角側で燃料噴射が開始されることとなり、予混合燃焼による急激な燃焼が抑制され、燃焼騒音を低減することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、ガス燃料内燃機関として水素エンジンを使用しているが、使用されるガス燃料内燃機関はこれに限られない。すなわち、水素ガス以外のガス燃料を利用するガス燃料内燃機関において、本実施の形態を実行することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施の形態においても同様である。
尚、上述した実施の形態1においては、自着火温度到達クランク角θaiが前記第1の発明における「自着火時期」に、噴射開始クランク角θsが前記第1の発明における「噴射開始時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第1の発明における「自着火時期推定手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射期間算出手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に後述する図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1では、噴射開始クランク角θsを算出するために、運転条件等に基づいて推定された自着火温度到達クランク角θaiが使用されている。ここで、θaiは、理論的に熱効率が最適となる燃焼が行われる着火クランク角(以下、「自着火温度到達目標クランク角θaiR」と称す)となることが好ましい。
しかしながら、自着火温度到達クランク角θaiは運転状態に応じて変化する。このため、常にθaiが自着火温度到達目標クランク角θaiRとなるように各種運転条件を設定することは困難である。
そこで、本実施の形態2においては、圧縮比を調整可能な水素エンジンにおいて、自着火温度到達クランク角θaiが、自着火温度到達目標クランク角θaiRとなるように圧縮比を調整することとする。より具体的には、θaiがθaiRよりも遅角側である場合には、圧縮比がより高くなるように調整し、逆にθaiがθaiRよりも進角側である場合には、圧縮比がより低くなるように圧縮比を調整することとする。これにより、常にθaiがθaiRとなるように制御することができるため、熱効率が最適となるクランク角で自着火させることができ、熱発生の時期を常に適切に保ち、高効率な運転を実現することができる。
実圧縮比の調整は、吸気バルブ28の閉じタイミングを変更することにより、実圧縮比を目標圧縮比に調整することができる。尚、バルブタイミングの変更手法に関しては、本発明の主要部ではなく、且つ、公知の手法であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態2において実行する処理の具体的内容について説明する。図4は、ECU70が水素エンジン10に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図4に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン10の運転条件および運転状態が入力される(ステップ200)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ100の処理と同様の処理に加えて、水素エンジン10の実圧縮比εが入力される。実圧縮比εは、より具体的には、筒内圧センサ52の出力信号に基づいて算出される。
次に、自着火温度到達クランク角θaiが推定される(ステップ202)。ここでは、具体的には、上記ステップ200にて入力された運転条件および運転状態に基づいてθaiが推定される。次に、噴射期間Afが算出される(ステップ204)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ104と同様の処理が実行される。次に、噴射開始クランク角θsが算出される(ステップ206)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ106と同様の処理が実行される。
図4に示すルーチンにおいては、次に、自着火温度到達目標クランク角θaiRが算出される(ステップ208)。ここでは、具体的には、噴射期間Afおよび機関回転数Neに基づいてθaiRが算出される。
次に、自着火温度到達クランク角θaiが、自着火温度到達目標クランク角θaiRより遅角側か否かが判定される(ステップ210)。圧縮比が調整されると、θaiを進角側、或いは遅角側に変化させることができる。このため、上記ステップ210において、θaiがθaiRよりも遅角側であると判定された場合には、θaiを進角側に移行させるように圧縮比が調整される(ステップ212)。ここでは、具体的には、上記ステップ200にて入力された実圧縮比εに、θaiの遅角分に相当する圧縮比の変化量Δεが加えられた値が、目標圧縮比εtとして設定される。
一方、上記ステップ210において、θaiがθaiRよりも進角側であると判定された場合には、θaiを遅角側に移行させるように圧縮比が調整される(ステップ214)。ここでは、具体的には、上記ステップ200にて入力された実圧縮比εに、θaiの進角分に相当する圧縮比の変化量Δεが減ぜられた値が、目標圧縮比εtとして設定される。
以上説明したとおり、本実施の形態2によれば、自着火温度到達クランク角θaiが自着火温度到達目標クランク角θaiRとなるように、実圧縮比が調整される。このため、燃焼における熱発生の位置が適切になり、燃料噴射タイミングの最適化を図り、高効率な運転を実現することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態2においては、θaiがθaiRとなるように目標圧縮比εtを設定し、吸気バルブ28の閉じタイミングを変更することにより実圧縮比を目標圧縮比に調整することとしているが、実圧縮比の調整手法はこれに限られない。すなわち、筒内容積を機械的に変更可能な内燃機関において、実圧縮比が目標圧縮比となるように筒内容積を調整することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、自着火温度到達クランク角θaiが前記第1の発明における「自着火時期」に、噴射開始クランク角θsが前記第1の発明における「噴射開始時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ202の処理を実行することにより、前記第1の発明における「自着火時期推定手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射期間算出手段」が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、自着火温度到達目標クランク角θaiRが前記第4の発明における「自着火目標時期」に相当していると共に、ECU70が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第4の発明における「自着火目標時期算出手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第5の発明における「第1比較手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第6の発明における「第1比較手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図5および6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態のシステムは、図5に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に後述する図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施の形態3のガス燃料内燃機関は、実施の形態1と同じくガス燃料として水素を使用する水素エンジンである。図5は本実施の形態の水素エンジン60の概略構成を示す図である。図5において、図1に示す水素エンジン10と同一の部位については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化するものとする。
図5に示すとおり、本実施の形態の水素エンジン60は、燃焼室18に点火プラグ62が配置されている。点火プラグ62はECU70の出力部に接続されている。ECU70は、各センサの出力信号に基づき、所定のプログラムに従って点火プラグ62の点火制御を行うことができる。
[実施の形態3の動作]
上述した実施の形態1では、クランク角が自着火温度到達クランク角θaiに到達したときに自着火が開始されることを前提に、噴射開始クランク角θsを特定することとしている。しかしながら、運転状態等によっては、自着火温度になかなか到達せず、θaiが非常に遅角側となる場合も考えられる。かかる場合においては、自着火しない場合が想定され、また、仮に自着火したとしても、燃焼時期が遅角側にずれることにより、燃焼圧の低下による燃焼効率低下が問題となる。
そこで、本実施の形態3においては、自着火しない可能性がある場合には、点火プラグ62によるスパークアシストを実行することとする。より具体的には、効率低下を許容しうる最遅角の自着火クランク角(以下、「自着火許容最遅角クランク角θaiD」と称す)を算出し、θaiがθaiDより遅角側である場合にスパークアシストを実行することとする。これにより、自着火しない場合においても確実に着火することが可能となり、着火遅れに起因する効率低下を抑制することができる。
[実施の形態3における具体的処理]
次に、図6を参照して、本実施の形態3において実行する処理の具体的内容について説明する。図6は、ECU70が水素エンジン60に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図6に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン60の運転条件および運転状態が入力される(ステップ300)。次に、自着火温度到達クランク角θaiが推定される(ステップ302)。次に、噴射期間Afが算出される(ステップ304)。次に、噴射開始クランク角θsが算出される(ステップ306)ここでは、具体的には、図3に示すステップ100乃至106の処理と同様の処理が実行される。
図6に示すルーチンにおいては、次に、自着火許容最遅角クランク角θaiDが算出される(ステップ308)。ここでは、具体的には、噴射期間Afおよび機関回転数Neに基づいてθaiDが算出される。
次に、自着火温度到達クランク角θaiが、自着火許容最遅角クランク角θaiDより遅角側か否かが判定される(ステップ310)。上述したとおり、自着火温度到達クランク角θaiが遅角側にずれるほど自着火タイミングが遅角側となるため、燃焼圧低下による効率低下の問題が顕著に表れる。このため、上記ステップ310において、θaiがθaiDよりも遅角側であると判定された場合には、次のステップに移行し、スパークアシストが実行される(ステップ312)。ここでは、具体的には、点火プラグ62による点火によって、水素の燃焼がアシストされる。
一方、上記ステップ310において、θaiがθaiDよりも進角側であると判定された場合には、クランク角がθaiに到達した時点で自着火が行われるため、スパークアシストは実行されず、本ルーチンは終了される。
以上説明したとおり、本実施の形態3によれば、効率よく自着火による燃焼を行うことができる自着火許容最遅角クランク角θaiDまでに自着火しないと判定された場合には、点火プラグ62によるスパークアシストが実行される。このため、自着火しない場合においても確実に着火することが可能となり、効率低下を抑制することができる。
また、本実施の形態3によれば、自着火許容最遅角クランク角θaiDまでに自着火する場合には、スパークアシストは実行されない。自着火による燃焼は、燃焼しやすい混合比の部分から着火するため、点火プラグ等を用いた強制的な着火に比べて部分的な酸素不足による未燃水素が発生しにくい。このため、未燃水素の発生を最小限に抑制することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態3においては、点火プラグ62によるスパークアシストを実行することとしているが、アシストに使用される装置は点火プラグに限られない。すなわち、グロープラグやエアヒータ等を使用することにより、燃焼室内の可燃混合気を直接加熱して着火をアシストする構成としてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、自着火温度到達クランク角θaiが前記第1の発明における「自着火時期」に、噴射開始クランク角θsが前記第1の発明における「噴射開始時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ302の処理を実行することにより、前記第1の発明における「自着火時期推定手段」が、上記ステップ304の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射期間算出手段」が、上記ステップ306の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、点火プラグ62が前記第7の発明における「着火補助装置」に、自着火許容最遅角クランク角θaiDが前記第7の発明における「自着火許容時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ308の処理を実行することにより、前記第7の発明における「自着火許容時期算出手段」が、上記ステップ312の処理を実行することにより、前記第7の発明における「着火補助手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態3においては、ECU70が、上記ステップ310の処理を実行することにより、前記第7の発明における「第2比較手段」が実現されている。
実施の形態4.
[実施の形態4の特徴]
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態のシステムは、図5に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態3では、自着火温度到達クランク角θaiが、効率よく自着火による燃焼を行うことができる自着火許容最遅角クランク角θaiDより遅角側である場合に、θaiDより進角側で自着火しないと判定し、点火プラグ62によるスパークアシストが実行されることとしている。
しかしながら、自着火温度到達クランク角θaiは運転条件および運転状態に基づいて算出される推定値であり、現状クランク角θがθaiに到達したときに、常に自着火が開始されるとは限らず、時として自着火しない場合も想定される。
そこで、本実施の形態4においては、水素エンジン60の筒内圧を検出することにより、自着火による燃焼が開始されたか否かを確認することとする。より具体的には、現状のクランク角θが自着火許容最遅角クランク角θaiDより進角側である期間に自着火の開始が認められない場合に(すなわち、筒内圧が燃焼時の圧力パターンとならない場合に)スパークアシストを実行することとする。これにより、自着火しない場合を確実に検出することができ、かかる場合に確実に着火をアシストすることができる。
また、θaiDまでに自着火の開始が認められた場合には、スパークアシストは実行されない。実施の形態3において述べたとおり、自着火による燃焼は、燃焼しやすい混合比の部分から着火するため、点火プラグ等を用いた強制的な着火に比べて部分的な酸素不足による未燃水素が発生しにくい。このため、未燃水素の発生を最小限に抑制することができ、高効率な運転を実現することが可能となる。
[実施の形態4における具体的処理]
次に、図7を参照して、本実施の形態4において実行する処理の具体的内容について説明する。図7は、ECU70が水素エンジン60に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図6に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン60の運転条件および運転状態が入力される(ステップ400)。次に、自着火温度到達クランク角θaiが推定される(ステップ402)。次に、噴射期間Afが算出される(ステップ404)。次に、噴射開始クランク角θsが算出される(ステップ406)ここでは、具体的には、図3に示すステップ100乃至106の処理と同様の処理が実行される。
図7に示すルーチンにおいては、次に、自着火許容最遅角クランク角θaiDが算出される(ステップ408)。ここでは、具体的には、図6に示すステップ308の処理と同様の処理が実行される。
次に、現状のクランク角θが入力される(ステップ410)。ここでは、具体的には、クランク角センサ48の出力信号が入力される。次に、現状クランク角θが、自着火許容最遅角クランク角θaiDより遅角側か否かが判定される(ステップ412)。θがθaiDより遅角側である場合には、次のステップに移行し、自着火による燃焼が開始されているか否かが判定される(ステップ414)。燃焼が開始されると筒内圧は急激に上昇する。このため、筒内圧を監視することにより、自着火有無を精度よく判定することができる。ここでは、具体的には、筒内圧センサ52により検出された筒内圧が、燃焼時の圧力パターン類似か否かが判定される。
上記ステップ414において、自着火による燃焼が確認されない場合には、次のステップに移行し、スパークアシストが実行される(ステップ416)。ここでは、具体的には、図6に示すステップ312の処理と同様の処理が実行される。一方、上記ステップ414において、自着火による燃焼が確認された場合には、スパークアシストは実行されず、本ルーチンは終了される。
以上説明したとおり、本実施の形態4によれば、効率よく自着火による燃焼を行うことができる自着火許容最遅角クランク角θaiDまでに自着火していないと確認された場合には、点火プラグ62によるスパークアシストが実行される。このため、自着火しない場合においても確実に着火することが可能となり、効率低下を効果的に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態4においては、点火プラグ62によるスパークアシストを実行することとしているが、アシストに使用される装置は点火プラグに限られない。すなわち、グロープラグやエアヒータ等を使用することにより、燃焼室内の可燃混合気を直接加熱して着火をアシストする構成としてもよい。
尚、上述した実施の形態4においては、自着火温度到達クランク角θaiが前記第1の発明における「自着火時期」に、噴射開始クランク角θsが前記第1の発明における「噴射開始時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ402の処理を実行することにより、前記第1の発明における「自着火時期推定手段」が、上記ステップ404の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射期間算出手段」が、上記ステップ406の処理を実行することにより、前記第1の発明における「噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態4においては、点火プラグ62が前記第7の発明における「着火補助装置」に、自着火許容最遅角クランク角θaiDが前記第7の発明における「自着火許容時期」にそれぞれ相当している。また、ECU70が、上記ステップ408の処理を実行することにより、前記第7の発明における「自着火許容時期算出手段」が、上記ステップ416の処理を実行することにより、前記第7の発明における「着火補助手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態4においては、ECU70が、上記ステップ414の処理を実行することにより、前記第9の発明における「筒内圧取得手段」および「判定手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 噴射期間Afと進角量Δθとの間に成立する関係を示すマップである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10、60 ガス燃料内燃機関(水素エンジン)
12 ピストン
14 シリンダブロック
16 シリンダヘッド
18 燃焼室
20 吸気通路
22 エアクリーナ
24 スロットル
26 エアフロメータ
28 吸気バルブ
30 排気通路
32 浄化触媒
34 酸素センサ
36 排気バルブ
40 筒内噴射弁
42 水素供給装置
44 水素供給管
46 ポンプ
48 クランク角センサ
50 水温センサ
52 筒内圧センサ
60 水素エンジン
62 点火プラグ
Af 噴射期間
Ne 機関回転数
Qf 噴射量
Qp 噴射圧
Re EGR率
Ti 吸気温
Tw 水温
Δθ 進角量
ε 実圧縮比
εt 目標圧縮比
θai 自着火温度到達クランク角
θaiD 自着火許容最遅角クランク角
θaiR 自着火温度到達目標クランク角
θs 噴射開始クランク角
TDC(Top Dead Center) 上死点

Claims (9)

  1. ガス燃料の圧縮自着火運転が可能なガス燃料内燃機関において、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火時期を推定する自着火時期推定手段と、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射期間を算出する噴射期間算出手段と、
    前記自着火時期と前記噴射期間とに基づいて、ガス燃料の噴射開始時期を決定する噴射開始時期決定手段と、
    を備えることを特徴とするガス燃料内燃機関。
  2. 前記内燃機関は、ガス燃料として、水素ガスを使用する水素内燃機関であることを特徴とする請求項1記載のガス燃料内燃機関。
  3. 前記噴射開始時期決定手段は、
    前記噴射期間が短いほど、前記噴射開始時期が遅い時期となるように特定することを特徴とする請求項1または2記載のガス燃料内燃機関。
  4. 前記内燃機関の圧縮比を調整する圧縮比調整手段と、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火目標時期を算出する自着火目標時期算出手段と、
    前記自着火時期が前記自着火目標時期となるように、前記圧縮比調整手段を操作する制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のガス燃料内燃機関。
  5. 前記制御手段は、
    前記自着火時期と前記自着火目標時期とを比較する第1比較手段を含み、
    前記自着火時期が前記自着火目標時期よりも遅い場合に、前記圧縮比が大きくなるように前記圧縮比調整手段を操作することを特徴とする請求項4記載のガス燃料内燃機関。
  6. 前記制御手段は、
    前記自着火時期と前記自着火目標時期とを比較する第1比較手段を含み、
    前記自着火時期が前記自着火目標時期よりも早い場合に、前記圧縮比が小さくなるように前記圧縮比調整手段を操作することを特徴とする請求項4記載のガス燃料内燃機関。
  7. 前記内燃機関の燃焼室に配置された着火補助装置と、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、前記内燃機関の自着火許容時期を算出する自着火許容時期取得手段と、
    前記自着火許容時期までに自着火しない場合に、前記着火補助装置を作動させる着火補助手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のガス燃料内燃機関。
  8. 前記着火補助手段は、
    前記自着火時期と前記自着火許容時期とを比較する第2比較手段を含み、
    前記自着火時期が前記自着火許容時期よりも遅い場合に、前記着火補助装置を作動させることを特徴とする請求項7記載のガス燃料内燃機関。
  9. 前記着火補助手段は、
    前記内燃機関の筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、
    前記筒内圧に基づいて、自着火有無を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項7記載のガス燃料内燃機関。
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