JP2005344639A - 気体燃料直噴エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】 噴射速度に起因する噴射必要時間の問題や拡散および乱流混合の不充分さを解消し、エンジン性能を向上させることのできる気体燃料直噴エンジンを提供する。
【解決手段】 筒内にインジェクタ22から気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジン10において、インジェクタの噴孔形状が、気体燃料の噴出速度が超音速となるように設定されている。さらに、他の形態では、筒内に超音速で気体燃料を噴射可能なインジェクタ22と、筒内の少なくとも最高圧縮圧を含む筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、該筒内圧取得手段により取得された筒内圧に基づき、インジェクタ22からの気体燃料噴出速度が超音速となるように、気体燃料の噴射圧力を設定する噴射圧力設定手段と、該噴射圧力設定手段により設定された噴射圧力により、所定期間、気体燃料の噴射を実行する噴射実行手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気体燃料を筒内に直接噴射させる気体燃料直噴エンジンに関する。
従来、気体燃料を筒内に直接噴射する内燃機関に関するものとして、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載のものは、筒内に直接気体燃料を噴射するインジェクタを備え、高負荷・高回転時などの必要とされる燃料供給量が多いとき、換言すると、噴射必要時間が噴射可能時間よりも長いときには、圧縮行程における筒内直接噴射に加えて、吸気行程噴射をも行うようにすることにより、気体燃料直噴エンジンの性能低下の軽減を図ろうとするものである。
特開2000−345884号公報
ところで、かかる特許文献1に記載のものは、筒内に直接気体燃料を噴射するインジェクタの噴孔が普通のオリフィスノズル形式のものであるために、その噴射速度が音速に制限されている。その結果、必要噴射量を確保するためには噴射必要時間が長くなることから、高負荷・高回転時などの必要とされる燃料供給量が多いときに生ずる供給の困難性を避けるべく、圧縮行程噴射に加えて吸気行程噴射をも行うようにしたものである。しかしながら、このように一時的であれ、吸気行程噴射をも行うようにすると、気体燃料の場合には筒内に導入される吸入空気の充填効率が低下するので、エンジンの性能を十分に発揮できないおそれがある。
また、インジェクタの噴孔が普通のオリフィスノズル形式のものであるときには、筒内へ噴射される気体燃料の噴射速度が音速に制限される。音速に制限された噴射速度では、その運動量が小さく、筒内において拡散および乱流混合が十分に行えず、エンジンの性能を向上させるには限界がある。このために、気体燃料直噴エンジンにおいて、このような不都合を解消し得る技術の開発が切望されている。
そこで本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、噴射速度に起因する噴射必要時間の問題や拡散および乱流混合の不充分さを解消し、エンジン性能を向上させることのできる気体燃料直噴エンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一形態に係る気体燃料直噴エンジンは、筒内にインジェクタから気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、前記インジェクタの噴孔形状を、気体燃料の噴出速度が超音速となるように設定したことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明の他の形態に係る気体燃料直噴エンジンは、筒内に気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、筒内に超音速で気体燃料を噴射可能なインジェクタと、気体燃料が噴射される前記筒内の少なくとも最高圧縮圧を含む筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、該筒内圧取得手段により取得された筒内圧に基づき、前記インジェクタからの気体燃料噴出速度が超音速となるように、気体燃料の噴射圧力を設定する噴射圧力設定手段と、該噴射圧力設定手段により設定された噴射圧力により、所定期間、気体燃料の噴射を実行する噴射実行手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、前記インジェクタの噴孔形状がラバール形状であることが好ましい。
上記本発明の一形態に係る気体燃料直噴エンジンによれば、筒内にインジェクタから気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、前記インジェクタの噴孔形状が、気体燃料の噴出速度が超音速となるように設定されているので、その運動量が大きく、拡散および乱流混合が十分に行われ、エンジンの性能を向上させることができる。
また、本発明の他の形態に係る気体燃料直噴エンジンによれば、筒内に気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、気体燃料の噴射圧力が筒内圧取得手段により取得された筒内の少なくとも最高圧縮圧を含む筒内圧に基づいて、気体燃料噴出速度が超音速となるように設定され、その設定された噴射圧力によって超音速で気体燃料を噴射可能なインジェクタから所定期間、気体燃料の噴射が実行されるので、前一形態と同様に、拡散および乱流混合が十分に行われ、エンジンの性能を向上させることができる。さらに、気体燃料の噴射圧力を筒内圧に基づいて適切に設定できるので、気体燃料を効率よく消尽することができ、該エンジンが搭載された車両の航続距離を伸ばすことができる。
以下、本発明に係る気体燃料直噴エンジンの実施形態について添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される気体燃料直噴エンジン(以下、エンジンと称す)10の概略構成を示す要部断面図である。図1に示すエンジン10は、気体燃料として水素を用いた4サイクルの水冷式水素エンジンである。エンジン10は、複数の気筒および冷却水路が形成されたシリンダブロック12と、このシリンダブロック12の上部に固定されたシリンダヘッド14とを備えている。シリンダブロック12には、エンジン出力軸たるクランクシャフト16が回転自在に支持され、このクランクシャフトは、各気筒内に摺動自在に装填されたピストン18とコネクティングロッドを介して連結されている。
クランクシャフト16の端部には、その周縁に複数の歯が形成されたタイミングロータが取り付けられ、タイミングロータ近傍のシリンダブロック12には、電磁ピックアップが取り付けられている。これらタイミングロータと電磁ピックアップは、機関回転数センサ20を構成している。
また、各気筒のピストン18の上方には、ピストン18の頂面とシリンダヘッド14の内壁面とに囲まれた燃焼室が形成されている。シリンダヘッド14には、各気筒の燃焼室のほぼ中央に噴孔が向けられてインジェクタ22が取り付けられており、この各インジェクタ22は、共通のサージタンク24に連通して接続されている。そして、このサージタンク24には高応答性電子制御式のプレッシャレギュレータ26を介して、燃料タンク28が接続されている。燃料タンク28は、高圧ガスボンベにより構成されており、例えば、70〜80MPaの高圧水素ガスが充填されている。
さらに、シリンダヘッド14において各気筒の燃焼室に臨む部位には、吸気ポート30の開口端が2個並列して形成されると共に、排気ポート32の開口端も同じく2個並列して形成されている。そして、シリンダヘッド14には、吸気ポート30の各開口端を開閉する吸気弁34と、排気ポート32の各開口端を開閉する排気弁36とが進退自在に設けられている。さらに、シリンダヘッド14において各気筒の燃焼室の上部に臨む部位に点火ギャップが位置された着火源としての点火プラグ38がほぼシリンダ軸線上に配置されている。
また、上述のサージタンク24には燃料圧力センサ42が設けられている。この燃料圧力センサ42は、サージタンク24内の気体燃料の圧力を検出する燃圧検出手段であり、インジェクタ22に供給される燃料の噴射圧力を得るのに用いられる。なお、吸気ポート30の上流側に設置される吸気管44には、スロットルバルブ46が配置されており、スロットルバルブ46は、スロットルモータ48の駆動により、その開閉状態が操作される。また、スロットルバルブ46の開度は、スロットルポジションセンサ50により検出される。また、エアクリーナの上流には大気圧を検出する大気圧センサ52、スロットルバルブ46の下流には吸気温度を検出する吸気温センサ54がそれぞれ設けられている。さらに、上述のシリンダブロック12には、エンジン10の冷却水温を検出する水温センサ56が設けられ、また、アクセルペダル58にはその操作状態が検出されるアクセル開度センサ60が設けられている。
上述のように構成されたエンジン10には、該エンジン10の運転を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)100が併設されている。ECU100には、周知の如く運転状態の把握に必要なパラメータ用の各種センサ、例えば、回転数センサ20、燃料圧力センサ42、スロットルポジションセンサ50、大気圧センサ52、吸気温センサ54、水温センサ56、アクセル開度センサ60等が電気配線を介して接続され、各センサの出力信号がECU100に入力されるようになっている。ここで、ECU100は、双方向性バスによって相互に接続されたCPU、ROM、RAM、バックアップRAM、入力ポート、出力ポート等を備えると共に、入力ポートに接続されたA/Dコンバータ(A/D)を備えたマイクロコンピュータ等で構成されている。A/Dコンバータは、アナログ信号形式の信号を出力するセンサと電気配線を介して接続されており、上記各センサの出力信号をアナログ信号形式からデジタル信号形式に変換した後に入力ポートへ送信する。また、出力ポートは、インジェクタ22、プレッシャレギュレータ26、点火プラグ38、スロットルモータ48等と電気配線を介して接続され、その制御信号をそれぞれへ送信する。
なお、ROMには、燃料噴射量を決定するための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定するための燃料噴射時期制御ルーチン、点火プラグ38への通電時間を制御するための通電時間制御ルーチン等、エンジン10を制御するに必要な制御ルーチンや、それらに用いられる制御値を含むマップが記憶されている。RAMには、各センサの出力信号やCPUの演算結果等が記憶される。該演算結果は、例えば、機関回転数センサ20の出力信号に基づいて算出されるエンジン回転数や機関負荷等である。RAMに記憶される各種のデータは、機関回転数センサ20が信号を出力する度に最新のデータに書き換えられる。なお、バックアップRAMは、エンジン10の運転停止後もデータを保持する不揮発性のメモリであり、各種制御に係る学習値や、異常を発生した箇所を特定する情報等を記憶する。CPUは、ROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作し、燃料噴射制御や点火時期制御等を実行する。
ここで、本発明に用いられる上述のインジェクタ22の構造について、図2ないし図5を参照して説明する。まず、図2(A)および(B)に、それぞれ、従来の噴孔形状を有するインジェクタおよび本発明による噴孔形状を有するインジェクタの先端のノズル部220を示す。該ノズル部220は、基本構成要素として、中空のノズルキャップ222とその中空部内を不図示のソレノイドにより駆動されて進退動する弁体としてのニードル224とを備えている。ニードル224の先端部は円錐形に形成され、その円錐面がノズルキャップ222の中空部に形成された肩部(弁座)226に接離することにより弁を構成している。そして、図2(A)の従来のオリフィスノズルの噴孔形状を有するインジェクタにおいては、噴孔228が全長に亘り断面積が一定の円柱状に形成されているのに対し、図2(B)の本発明による噴孔形状を有するインジェクタにおいては、噴孔230が、入口部で断面積が絞られたスロート部230aとそこから出口部に向かい断面積が緩やかに拡げられたディフューザ部230bとを備えた、いわゆる「ラバール」形状、換言すると「ラバールノズル」に形成されている。
なお、このような「ラバール」形状の噴孔230を備えるインジェクタ22としては、図2(B)に示す形態の他に種々の形態が可能であり、それらを図2(C)、図3(A)ないし(C)、図4(A)ないし(C)および図5(A)ないし(C)に示す。いずれにおいても、基本構成要素は図2(B)に示す形態と同じであり、噴孔230の個数や、その「ラバール」形状、あるいはノズルキャップ222の外形状が異なるのみである。従って、以下では同一機能部位には同一符号を付して重複説明を避け、その異なる点についてのみ説明する。
図2(C)に示す形態は、図2(B)に示す形態に対し、噴孔230の数が増加されている点が異なる。
図3(A)に示す形態は、図2(B)に示す形態に対して、「ラバール」形状のスロート部230aからディフューザ部230bへの連なりをより滑らかにして、積極的に剥離防止を図っている点が異なる。また、図3(B)に示す形態は、図3(A)に示す形態に対して、ノズルキャップ222の肉厚を減少させることにより外形状を変えた点が異なる。さらに、図3(C)に示す形態は、図3(A)に示す形態に対し、噴孔230の数が増加されている点が異なる。
図4(A)に示す形態は、図3(A)に示す形態に対して、「ラバール」形状のスロート部230aに至るまでの形状を滑らかにしてより積極的に剥離防止を図っている点が異なる。また、図4(B)および(C)に示す形態は、図4(A)に示す形態に対して、噴孔230の数が増加されている点が異なる。
さらに、図5(A)に示す形態は、図4(A)に示す形態に対して、ノズルキャップ222の肉厚を減少することにより外形状を変えた点が異なる。また、図5(B)および(C)に示す形態は、図5(A)に示す形態に対して、噴孔230の数が増加されている点が異なる。
このようにして形成された「ラバール」形状を有する噴孔230、すなわちラバールノズルは、以下のような特性を有することが知られている。これを、図6を参照しつつ説明する。図6(A)は、ラバールノズルをモデル化して示す断面図であり、ノズル入口とノズル出口との間の入口寄りにスロート部を有している。図6(B)および(C)は、ラバールノズル内を流れる気体の圧力と流速との関係を示し、これらの図において、太線イはノズルの入口における圧力と出口における圧力との差が所定値「D」以上あり、ノズル出口における流速が超音速となることを示している。一方、点線ロはノズル入口における圧力とノズル出口における圧力とにほとんど差がなく、スロート部において圧力の低下、換言すると流速の増加はあるものの、その流速は音速にも至らないことを示している。さらに、細線ハはノズルの入口における圧力と出口における圧力との差が、上述の所定値「D」に至らない場合であり、スロート部においては流速が音速まで達するが、ディフューザ部において衝撃波が発生するなどして超音速が得られないことを示している。このように、ラバールノズルでそのノズル出口で超音速を得るには、ノズルの入口における圧力と出口における圧力との差が所定値「D」以上なければならない。
ここで、上述の構成を有する気体燃料直噴エンジン10を制御するECU100による制御ルーチンの一例について図7のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、この制御ルーチンは所定時間(例えば、1ms)毎に実行される。そこで制御が開始されると、まず、ステップS701において、要求トルク算出ルーチンが実行される。このステップS701では、例えば、アクセル開度センサ60によるアクセルペダル58の踏込み量(エンジン負荷)が読み込まれ、これに基づき、要求トルクが算出される。そして、次のステップS702において、必要噴射量算出ルーチンが実行される。この必要噴射量算出ルーチンでは、上述のステップS701で算出された要求トルクを満たすのに必要な気体燃料噴射量が、上記エンジン負荷およびエンジン回転数センサ20から出力されるエンジン回転検出信号に基づくエンジン回転数をパラメータとして、予め実験等により求められたマップ値から求められる。
次に、ステップS703に進み、大気圧センサ52、吸気温センサ54および水温センサ56から出力される検出信号に基づいて、大気圧、吸気温およびエンジン冷却水温が検出される。そして、次のステップS704において、これらの検出値に対応した少なくとも最高圧縮圧を含む筒内圧の算出ないしは取得ルーチンが実行される。以下、これについて図8ないし図10をも参照しつつ詳述する。
図8は、エンジン1の吸気行程において絞られずに、すなわち、スロットルバルブ46が全開状態で筒内に吸入され、圧縮行程において圧縮のみが行われる、換言すると、モータリングされる吸入空気について、大気圧が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。大気圧が高いときには、圧縮の結果の筒内圧もそれに対応して高くなるのが分かる。
また、図9は、同じくエンジン1の筒内に吸気行程において吸入され、圧縮行程において圧縮される吸入空気の温度、すなわち、吸気温が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。吸気温が低くなるにつれ、圧縮の結果の筒内圧がそれに対応して高くなるのが分かる。
さらに、図10は、エンジン1の筒内に吸入された吸入空気を、圧縮行程において圧縮する際に、冷却水温が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。冷却水温が高いときには、圧縮の結果の筒内圧もそれに対応して高くなるのが分かる。
従って、このステップS704においては、運転時点においてステップS703において求められた、エンジン1の筒内に吸入される吸入空気の吸入前の圧力(大気圧)および温度(吸気温)と、エンジン1の冷却水温とのそれぞれの検出値に対応した筒内圧が算出ないしは取得されることになる。大気圧、吸気温および冷却水温、それぞれの状態量に対応し、上死点における最高圧を含む筒内圧は、予め実験等により求められたマップ値としてROMに保存されており、これらに基づいて現運転状態における圧縮による最高圧を含む筒内圧が求められる。
そして、次のステップS705において、上記の求められた最高圧を含む筒内圧に基づき噴射圧力が設定される。この噴射圧力の設定は、上述のように気体燃料噴出速度が超音速となる噴孔230の入口圧力と出口圧力との差が所定値「D」以上となるように行われる。すなわち、噴孔230の入口圧力に対応するサージタンク24内の圧力が、例えば、噴孔230の出口圧力に対応する筒内圧の最高圧に対し、この所定値「D」以上となるように、プレッシャレギュレータ26が制御される。なお、この噴射圧力の設定が筒内圧の最高圧に対して所定値「D」以上となるようにされるのは、要求トルクを満たすのに必要な気体燃料噴射量を圧縮行程のみにおいて完全に噴射するのに必要な噴射時間が長引いた場合であっても、噴出速度が超音速での噴射を確実に行わせるためである。よって、必要噴射時間が短い高容量のインジェクタを用いる場合には、この最高圧よりも低い圧力に対して、所定値「D」以上となるように噴射圧力を設定してもよい。また、このプレッシャレギュレータ26の制御に際しては、燃料圧力センサ42によりサージタンク24内の圧力が検出されて、プレッシャレギュレータ26がフィードバック制御される。
次に、ステップS706に進み、噴射時期とそのときの筒内圧算出ルーチンが実行される。この噴射時期は、エンジン10の運転状態と最大の燃焼効率が得られる噴射時期との関係を示す図11のマップにより求められる。このマップでは、縦軸に前述のエンジン負荷および横軸にエンジン回転数を取り、これらのパラメータに対応する噴射時期が上死点前(BTDC)のクランク角(°CA)で示されており、エンジン10が低速低負荷状態から高速高負荷状態となるに従って、その噴射時期が早められる。そこで、上述のステップS702において用いたアクセル開度センサ60によるエンジン負荷とエンジン回転数センサ20からのエンジン回転数に基づき、噴射時期が求められ、同時に、その噴射時期における筒内圧が算出される。この噴射時期における筒内圧は、上述のステップS704において求められていた現運転状態における圧縮による筒内圧から、対応する噴射時期における筒内圧として求められる。
そして、次のステップS707において、ステップS702で算出されていた必要噴射量を噴射し得る噴射期間を算出するルーチンが実行される。詳述すると、必要噴射量を噴射し得る噴射期間の算出ルーチンでは、上述のステップS705で設定された噴射圧と上記ステップS706において求められた噴射時期に対応する筒内圧とを考慮して、噴射期間が求められる。これは、噴射量は噴射圧と筒内圧との差圧に左右されるからである。ここで、この噴射期間は図12に示すマップにより求められる。このマップでは、縦軸に噴射量および横軸に噴射圧と噴射時筒内圧との差を取り、これらのパラメータに対応する噴射期間(ms)が示されており、差が大きく、噴射量が少ないときは、噴射期間が短くなる。そして、ここで算出して設定された所定の噴射期間、ステップS705で設定された噴射圧力によって気体燃料の噴射が実行される。
かくて、本実施の形態では、圧縮行程において気体燃料である水素が筒内圧に応じインジェクタ22から超音速で噴射されるので、拡散および乱流混合が十分に行われ、エンジンの性能を向上させることができる。また、プレッシャレギュレータ26による水素燃料の噴射圧が筒内圧に基づいて適切に設定されるので、高圧ガスボンベである燃料タンク28に充填されている水素燃料を効率よく消尽することができ、エンジン10が搭載された車両の航続距離を伸ばすことができる。また、本実施形態によれば、噴射圧が筒内圧に基づいて適切に設定されるので、インジェクタ22を大型化することなく、エンジン10の性能の低下を抑制しつつその駆動が行える。
また、上述の実施形態においては、水素を燃料とするエンジンにつき説明したが、燃料の形態はこれに限定されず、CNG(圧縮天然ガス)や石油ガス等を含む他の気体燃料を用いることができる。
本発明の気体燃料直噴エンジンの一実施形態を示す要部断面図である。 本発明の気体燃料直噴エンジンに用いられるインジェクタの噴孔形状を説明するための断面図であり、(A)は従来の噴孔形状、(B)は本発明による噴孔形状の一例、(C)は同じくその多孔例である。 本発明の気体燃料直噴エンジンに用いられるインジェクタの他の噴孔形状を説明するための断面図であり、(A)は他の実施形態、(B)はさらに他の実施形態、(C)は(A)の多孔例である。 本発明の気体燃料直噴エンジンに用いられるインジェクタのさらに他の噴孔形状を説明するための図であり、(A)は他の実施形態の断面図、(B)はその多孔例を示す断面図、(C)は(B)の正面図である。 本発明の気体燃料直噴エンジンに用いられるインジェクタのさらに他の噴孔形状を説明するための図であり、(A)は他の実施形態の断面図、(B)はその多孔例を示す断面図、(C)は(B)の正面図である。 本発明に用いられるラバールノズルの特性を説明するための図であり、(A)はラバールノズルをモデル化して示す断面図、(B)および(C)は、ラバールノズル内を流れる気体の圧力と流速との関係を示すグラフである。 本発明の気体燃料直噴エンジンの実施形態における燃料噴射制御の一例を示すフローチャートである。 モータリングされる吸入空気について、大気圧が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。 圧縮行程において圧縮される吸入空気の温度、すなわち、吸気温が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。 筒内に吸入された吸入空気を、圧縮行程において圧縮する際に、冷却水温が変化したときの、筒内圧の変化の様子を示すグラフである。 運転状態と最大の燃焼効率が得られる噴射時期との関係を示すマップである。 噴射量および噴射圧と噴射時筒内圧との差をパラメータとし、所定の噴射量を実現する噴射期間を示すマップである。
符号の説明
10 エンジン
20 回転数センサ
22 インジェクタ
26 プレッシャレギュレータ
42 燃料圧力センサ
52 大気圧センサ
54 吸気温センサ
56 水温センサ
60 アクセル開度センサ
222 ノズルキャップ
224 ニードル
230 噴孔(ラバールノズル)

Claims (4)

  1. 筒内にインジェクタから気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、
    前記インジェクタの噴孔形状を、気体燃料の噴出速度が超音速となるように設定したことを特徴とする気体燃料直噴エンジン。
  2. 前記インジェクタの噴孔形状がラバール形状であることを特徴とする請求項1に記載の気体燃料直噴エンジン。
  3. 筒内に気体燃料を噴射し、燃焼させるようにした気体燃料直噴エンジンにおいて、
    筒内に超音速で気体燃料を噴射可能なインジェクタと、
    気体燃料が噴射される前記筒内の少なくとも最高圧縮圧を含む筒内圧を取得する筒内圧取得手段と、
    該筒内圧取得手段により取得された筒内圧に基づき、前記インジェクタからの気体燃料噴出速度が超音速となるように、気体燃料の噴射圧力を設定する噴射圧力設定手段と、
    該噴射圧力設定手段により設定された噴射圧力により、所定期間、気体燃料の噴射を実行する噴射実行手段と、
    を備えることを特徴とする気体燃料直噴エンジン。
  4. 前記インジェクタの噴孔形状がラバール形状であることを特徴とする請求項3に記載の気体燃料直噴エンジン。
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