JP4765830B2 - ガス燃料内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、ガス燃料内燃機関に関し、特に、補助燃料による着火補助を受け、水素等のガス燃料による自着火運転が可能なガス燃料内燃機関に関する。
従来、内燃機関の燃料としてガス燃料である水素を使用することが知られている。水素は、その可燃範囲が体積割合で4〜75%とかなり広く、空気過剰率が4以上程度の極めて薄い混合気でも十分に燃焼させることができる。このため、水素を内燃機関の燃料として利用する場合には、極めてリーンな空燃比でも動力を取り出すことができ、いわゆる超リーンバーン運転が可能となる。
超リーンバーン運転によれば、スロットルを略全開にできるので、ポンプ損失を低減することができ、また、燃焼温度が低下することから冷却損失も低減することができる。ポンプ損失及び冷却損失の低減によって、内燃機関の効率は向上し、燃費に優れた高効率での運転が可能となる。更に、燃焼温度の低下によって、NOの発生量を略ゼロまで抑制することができ、また、水素を燃料とすることで、COやCOの発生もない。したがって、水素を用いた超リーンバーン運転によれば、完全なゼロエミッションの実現も可能になる。
そこで、自着火による運転が可能な内燃機関においても、水素を燃料として使用することが考えられる。しかしながら、水素等の自着火温度の高い燃料を使用する場合には圧縮比を高く設定せざるを得ず、機関効率の低下が問題となる。
このため、従来、例えば、特開平7−189848号公報に開示されるように、自着火温度の低い補助燃料を火種として燃焼を行う内燃機関が開示されている。より具体的には、自着火温度の高い主燃料と補助燃料が単一の噴射弁から燃焼室内に噴射される。これにより、補助燃料が火種となり、主燃料を効果的に燃焼させることができる。
特開平7−189848号公報
しかしながら、水素ガスは同発熱量の液体燃料に比べて体積が格段に大きいため、燃料噴射期間を長く設定せざるを得ないが、拡散燃焼期間が長くなるほど燃焼圧が低下してしまうため、効率の低下の問題が顕著となる。特に、上記特許文献1に開示されている装置においては、単一の噴射弁から主燃料および補助燃料が同時に噴射されるため、噴射開始直後に補助燃料を火種とした自着火燃焼が開始されてしまう。このため、予混合燃焼期間がほとんど無く、より拡散燃焼期間が長期化することとなる。
このように、水素を燃料とする自着火運転においては、燃料噴射期間に対する自着火タイミング、すなわち、予混合燃焼と拡散燃焼のバランスが内燃機関の効率に大きな影響を与えることとなる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガス燃料を利用した自着火内燃機関の自着火タイミングの最適化を図り、高効率且つ低エミッションを実現できるようにしたガス燃料内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、圧縮自着火運転が可能なガス燃料内燃機関であって、
ガス燃料を燃焼室内へ噴射するガス燃料噴射弁と、
自着火温度がガス燃料より低い補助燃料を、前記ガス燃料噴射弁によってガス燃料が噴射されている期間中の、前記燃焼室内が当該補助燃料の自着火温度に達している一時期に、前記燃焼室内へ噴射する補助燃料噴射弁と、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射期間を算出するガス燃料噴射期間算出手段と、
前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射開始時期を算出するガス燃料噴射開始時期算出手段と、
前記ガス燃料噴射期間と前記ガス燃料噴射開始時期とに基づいて、補助燃料の噴射開始時期を決定する補助燃料噴射開始時期決定手段と、を備え、
前記補助燃料噴射開始時期決定手段は、前記ガス燃料噴射期間が長いほど、前記補助燃料噴射開始時期が前記ガス燃料噴射開始時期よりも遅くなるように決定することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記内燃機関は、ガス燃料として、水素ガスを使用する水素内燃機関であることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または2の発明において、
前記内燃機関は、補助燃料として、軽油を使用するガス内燃機関であることを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至の何れか1つの発明において、
前記内燃機関の暖機が完了したことを確認する暖機完了確認手段と、
前記暖機完了が確認された場合に、前記補助燃料の噴射を禁止する禁止手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至の何れか1つの発明において、
前記ガス燃料噴射弁は、複数方向にガス燃料を噴射可能に構成され、
前記補助燃料噴射弁は、前記ガス燃料噴射弁の各噴射方向に補助燃料を噴射するように配置されることを特徴とする。
第1の発明によれば、ガス燃料による圧縮自着火運転が可能なガス燃料内燃機関において、内燃機関の運転条件・運転状態に基づいて特定されたガス燃料の噴射期間とガス燃料の噴射開始時期とに基づいて、当該ガス燃料の噴射期間中の、燃焼室内が補助燃料の自着火温度に達している一時期に噴射される補助燃料の噴射開始時期を特定することができる。補助燃料はガス燃料より自着火温度が低い。このため、本発明によれば、補助燃料の噴射時期に基づいて確実に着火時期を制御することができ、燃焼効率の最適化を図ることができる。また、補助燃料による自着火補助を行うことにより、圧縮比を低く設定することができ、機械損失を低減し機関効率を高めることができる。
また、本発明によれば、ガス燃料の噴射期間が長いほど、補助燃料噴射開始時期がガス燃料の燃料噴射開始時期よりも遅くなるように設定される。ガス燃料の噴射期間が長い場合においては、燃焼後期の燃焼圧低下による燃焼効率低下の問題が顕著に表れる。このため、本発明によれば、ガス燃料の噴射期間が長いほど予混合燃焼の割合を増加させることができ、エミッション悪化および効率低下を抑制することができる。

第2の発明によれば、ガス燃料に水素ガスを使用する水素内燃機関により、本発明を実行することができる。
第3の発明によれば、補助燃料に軽油を使用するガス燃料内燃機関により、本発明を実行することができる。
の発明によれば、ガス燃料が特に自着火しにくい冷間時のみ、補助燃料の噴射による着火補助が行われる。暖機完了前はガス燃料が自着火温度に到達し難いため、補助燃料の噴射による着火補助が有効である。一方、補助燃料を燃焼させるとCOが排出されるため、エミッションが悪化する。このため、本発明によれば、ガス燃料が自着火可能な場合には補助燃料の噴射を行わないこととし、COの排出量を抑制することができる。
の発明によれば、ガス燃料が複数方向に噴射される場合において、補助燃料噴射弁は、ガス燃料のすべての噴流に補助燃料が噴射されるように配置される。このため、本発明によれば、すべてのガス燃料の噴流に確実に自着火させることができ、未燃ガスの発生を抑制し、高効率且つ低エミッションを実現することができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[ハードウェア構成]
図1は、本発明の実施の形態の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のガス燃料内燃機関10は、ガス燃料として水素を使用する水素エンジンである。水素エンジン10は、内部にピストン12が配置されたシリンダブロック14と、シリンダブロック14に組み付けられたシリンダヘッド16を備えている。シリンダブロック14およびシリンダヘッド16の内壁とピストン12の上面とで囲まれる空間は、燃焼室18を形成している。尚、図1では一つの燃焼室18のみを示しているが、水素エンジン10は複数の燃焼室18を有する多気筒エンジンとして構成されている。
燃焼室18には、空気を燃焼室18内に導入するための吸気通路20が接続されている。吸気通路20の上流端にはエアクリーナ22が設けられ、空気はエアクリーナ22を介して吸気通路20内に取り込まれる。吸気通路20には燃焼室18へ吸入される空気量を調整するためのスロットル24が配置されている。吸気通路20のスロットル24の上流には、吸入空気量を測定するためのエアフロメータ26が取り付けられている。吸気通路20と燃焼室18との接続部には、吸気通路20と燃焼室18との連通状態を制御する吸気バルブ28が設けられている。
また、燃焼室18には燃焼室内の燃焼ガスを排出するための排気通路30が接続されている。排気通路30には浄化触媒32が配置され、排気ガスは浄化触媒32によって浄化されてから大気中に排出される。浄化触媒32の上流には、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ34が取り付けられている。排気通路30と燃焼室18との接続部には、排気通路30と燃焼室18との連通状態を制御する排気バルブ36が設けられている。
更に、燃焼室18内には筒内水素噴射弁40が配置されている。筒内水素噴射弁40は、水素供給管44を介して水素供給装置42に接続されている。水素供給装置42の具体例としては、水素を蓄えた水素タンク、炭化水素系燃料を改質して水素を生成する改質器、或いは、メタルハイドライド等の水素吸蔵手段を挙げることができる。本実施の形態の水素エンジンにおいては、水素供給装置42の種類には限定はない。水素供給管44には、筒内水素噴射弁40に水素を圧送するポンプ46が配置されている。ポンプ46は、圧縮TDC付近でも十分に噴射できる圧力まで水素を圧縮している。尚、水素供給装置42として高圧水素タンクを用いる場合であって、その貯蔵圧力が噴射圧よりも高い場合には、ポンプ46の代わりにレギュレータを用いてもよい。
また、燃焼室18内には、筒内軽油噴射弁50が配置されている。筒内軽油噴射弁50は、軽油供給管52を介して図示しない軽油供給装置に接続されている。
本実施の形態の水素エンジン10には、その制御装置として、ECU(Electronic Control Unit)70が備えられている。ECU70の出力部には、上述した筒内水素噴射弁40、筒内軽油噴射弁50、スロットル24等の種々の機器が接続されている。また、ECU70の入力部には、上述したエアフロメータ26、酸素センサ34の他、クランク角センサ54、水温センサ56等の種々のセンサ類が接続されている。ECU70は、各センサの出力に基づいて、所定の制御プログラムに従って各機器を駆動する。
[実施の形態1の動作]
(軽油噴射による水素自着火補助動作)
次に、本実施の形態1の動作について説明する。本実施の形態の水素エンジン10は、水素を主燃料、軽油を補助燃料として使用し、水素による混合気を軽油の自着火による火種により燃焼させることのできるエンジンである。
水素を主燃料として自着火による燃焼を行うためには、筒内の水素混合気が燃焼開始タイミングにおいて、水素の自着火温度に到達するように圧縮される必要がある。ここで、水素の自着火温度は他の燃料に比して高い。このため、圧縮比の設定を高く(圧縮比18程度)する必要があり、機械損失による効率低下が懸念される。
そこで、従来から、軽油を用いた着火補助手法が知られている。かかる手法においては、水素に加えて少量の軽油が筒内に噴射される。軽油は水素に比して自着火温度が低いため、容易に自着火させることができる。また、水素は可燃範囲が広いため、火種から容易に火炎が伝播する。したがって、ディーゼルエンジン並みの低圧縮比(圧縮比16程度)にて、水素を効果的に燃焼させることが可能となる。
(軽油噴射タイミング決定動作)
当該水素エンジン10の燃焼形態は、予混合燃焼と拡散燃焼とから成り立っている。より具体的には、先ず、筒内水素噴射弁40から噴射された水素が燃焼室18内で空気と混合され、可燃混合気が生成される。燃焼室18内が圧縮され軽油の自着火温度に達している状態において、筒内軽油噴射弁50から少量の軽油が噴射されると、該軽油から自着火が起こり、火炎が可燃混合気に急速に伝播する予混合燃焼が行われる。次いで、予混合燃焼の後には、燃焼中の火炎に水素ガスが継続的に噴射されるので、水素が空気と拡散混合しながら燃焼する拡散燃焼が行われる。
ここで、水素の噴射期間Af(クランク角)は、水素エンジン10の機関回転数Ne、水素の噴射量Qf、および噴射圧Qpに基づいて決定される。そして、上記噴射期間Afおよび機関回転数Neに基づいて、水素の噴射開始クランク角θsHが決定される。より具体的には、θsHは噴射期間Afが大きいほど、また機関回転数Neが大きいほど進角側のクランク角とされる。
次いで、噴射期間Afおよび水素の噴射開始クランク角θsHに基づいて、軽油の噴射開始クランク角θsKが決定される。水素の噴射開始クランク角θsHに対して、軽油の噴射開始クランク角θsKが遅角側であるほど、予混合燃焼が開始されるまでの水素噴射期間が長期間となる。上述したとおり、拡散燃焼期間を長く設定することとすると、燃焼後期の燃焼圧が低下してしまうため、効率の低下の問題が顕著となる。このため、予混合燃焼までの噴射期間を大きくすることとすれば、その分拡散燃焼期間を短縮することが可能となる。
図2は、噴射開始クランク角θsHと軽油の噴射開始クランク角θsKとの間に成立する関係を示すマップである。図2のマップは、噴射期間Afが大きいほど、θsKがθsHよりも遅角側となる傾向を示している。したがって、かかるマップの傾向に従って、噴射開始クランク角θsHおよび噴射期間Afに対応する軽油の噴射開始クランク角θsKが特定されることにより、拡散燃焼の効率を向上させることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図3は、ECU70が水素エンジン10に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図3に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン10の運転条件および運転状態が入力される(ステップ100)。ここでは、具体的には、機関回転数Ne、噴射量Qf、噴射圧Qpが水素エンジン10における運転条件、或いは運転状態として入力される。
次に、水素の噴射期間Afが算出される(ステップ102)。噴射期間Afは、水素噴射のクランク角期間である。ここでは、具体的には、上記ステップ100にて入力された機関回転数Ne、噴射量Qf、および噴射圧Qpに基づいて算出される。
次に、水素噴射開始クランク角θsHが算出される(ステップ104)。ここでは、具体的には、上記ステップ100にて入力された機関回転数Ne、および上記ステップ102にて算出された噴射期間Afに基づいて算出される。
図3に示すルーチンにおいては、次に、軽油噴射開始クランク角θsKが決定される(ステップ106)。θsKは、上述した図2に示すマップに従い、上記ステップ102にて算出された噴射期間Af、および上記ステップ104にて算出された水素噴射開始クランク角θsHに基づいて決定される。次に、上記ステップ102にて算出された噴射期間Af、上記ステップ104にて算出された水素噴射開始クランク角θsH、および上記ステップ106にて算出された軽油噴射開始クランク角θsKに基づいて噴射制御が実行され(ステップ108)、本ルーチンは終了される。
以上説明したとおり、本実施の形態1によれば、拡散燃焼期間が長くなりすぎないように、軽油噴射開始時期を調整することにより、予混合燃焼の開始時期を制御することができる。したがって、燃焼の最適化が図られることにより高効率での運転を行うことができる。
また、上述した実施の形態1によれば、軽油の自着火温度到達圧縮比は水素の自着火温度到達圧縮比よりも低いため、水素エンジン10の圧縮比を低圧縮比化することができる。これにより、筒内ガス温度が低温化されるので、NOの生成を抑制し低エミッションを実現することができる。また、低圧縮比化により機械損失が低減され、熱効率を向上させることができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、ガス燃料内燃機関として水素エンジンを使用しているが、使用されるガス燃料内燃機関はこれに限られない。すなわち、水素ガス以外のガス燃料を利用するガス燃料内燃機関において、本実施の形態を実行することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施の形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、補助燃料として軽油を使用することとしているが、使用される補助燃料はこれに限られない。すなわち、水素よりも自着火温度が低い燃料であれば、他の補助燃料を使用して本実施の形態を実行することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施の形態においても同様である。
尚、上述した実施の形態1においては、筒内水素噴射弁40が前記第1の発明におけるガス燃料噴射弁に、筒内軽油噴射弁50が前記第1の発明における補助燃料噴射弁に、水素噴射開始クランク角θsHが前記第1の発明における「ガス燃料噴射開始時期」に、軽油噴射開始クランク角θsKが前記第1の発明における「補助燃料噴射開始時期」にそれぞれ相当している。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第1の発明における「ガス燃料噴射期間算出手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「ガス燃料噴射開始時期算出手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第1の発明における「補助燃料噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のガス燃料内燃機関は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU70に後述する図4に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1では、自着火温度が低い軽油を筒内に少量噴射することにより、自着火した軽油を火種として水素を効果的に燃焼させ、機関の低圧縮比化を実現することとしている。
しかしながら、軽油を燃焼させるとCOが排出されるためエミッションが悪化する。このため、噴射される軽油の量は少ないほど好ましい。そこで、本実施の形態2においては、水素が特に自着火しにくい冷間時のみ、軽油の噴射による着火補助が行われることとする。より具体的には、水素エンジン10が暖機完了する前においては、燃焼室18内が水素自着火温度に到達せず、暖機完了後には到達する圧縮比設定とし、暖機完了前は軽油噴射による着火補助を行うこととする。これにより、水素が自着火可能な場合には軽油噴射が行われないため、COの排出量を抑制することができる。
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態2において実行する処理の具体的内容について説明する。図4は、ECU70が水素エンジン10に水素ガスを供給するための処理を実行するルーチンのフローチャートである。
図4に示すルーチンでは、先ず、水素エンジン10の運転条件および運転状態が入力される(ステップ200)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ100の処理と同様の処理に加えて、水素エンジン10の水温Twが入力される。水温Twは、より具体的には、水温センサ56の出力信号に基づいて算出される。
次に、水素の噴射期間Afが算出される(ステップ202)。次に、水素噴射開始クランク角θsHが算出される(ステップ204)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ102乃至104と同様の処理が実行される。
図4に示すルーチンにおいては、次に、水温Twと所定値Tw0とが比較される(ステップ206)。所定値Tw0は、水素エンジン10が暖機完了したか否かを判定するための閾値である。ここでは、具体的には、上記ステップ200において入力された水温Twと閾値Tw0との大小が比較される。
上記ステップ206において、Tw<Tw0の成立が認められた場合には、水素エンジン10が未だ暖機完了していないと判定され、軽油噴射開始クランク角θsKが決定される(ステップ208)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ106と同様の処理が実行される。
一方、上記ステップ206においてTw<Tw0の成立が認められない場合には、水素エンジン10が既に暖機完了していると判定され、軽油噴射が禁止される(ステップ210)。ここでは、具体的には、図3に示すステップ106と同様の処理が実行される。
次に、噴射制御が実行される(ステップ212)。ここでは、具体的には、上記ステップ208の後においては、上記ステップ202にて算出された噴射期間Af、上記ステップ204にて算出された水素噴射開始クランク角θsH、および上記ステップ208にて算出された軽油噴射開始クランク角θsKに基づいて、水素および軽油の噴射制御が実行され、本ルーチンは終了される。一方、上記ステップ210の後においては、軽油噴射が禁止されるため、上記ステップ202にて算出された噴射期間Af、および上記ステップ204にて算出された水素噴射開始クランク角θsHに基づいて、水素のみ噴射が実行され、本ルーチンは終了される。
以上説明したとおり、本実施の形態2によれば、軽油噴射量が多くなりすぎないように、軽油噴射を行う期間を水素が特に自着火しにくい冷間時のみに限定することができる。これにより、水素が自着火可能な場合には軽油噴射が行われないため、COの排出量を抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、水素エンジン10の暖機過程が完了したか否かの判断を水温Twに基づいて実行することとしているが、暖機完了の確認手法はこれに限られない。すなわち、エンジン始動からの経過時間により暖機完了を判定することとしてもよいし、他の公知の手法により判定することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、筒内水素噴射弁40が前記第1の発明におけるガス燃料噴射弁に、筒内軽油噴射弁50が前記第1の発明における補助燃料噴射弁に、水素噴射開始クランク角θsHが前記第1の発明における「ガス燃料噴射開始時期」に、軽油噴射開始クランク角θsKが前記第1の発明における「補助燃料噴射開始時期」にそれぞれ相当している。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ202の処理を実行することにより、前記第1の発明における「ガス燃料噴射期間算出手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第1の発明における「ガス燃料噴射開始時期算出手段」が、上記ステップ208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「補助燃料噴射開始時期決定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第5の発明における「暖機完了確認手段」が、上記ステップ210の処理を実行することにより、前記第の発明における「禁止手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態のガス燃料内燃機関は、実施の形態1と同じくガス燃料として水素を使用する水素エンジンであり、図1に示す水素エンジン10において、燃焼室18の周辺の構成を図5に拡大して示す構成に置き換えることで実現される。図5は、燃焼室18を上方から見た図である。図5において、図1に示す水素エンジン10と同一の部位については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化するものとする。
図5に示すとおり、本実施の形態の水素エンジン10は、図1に示す構成と同じく、燃焼室18に筒内水素噴射弁40と筒内軽油噴射弁50とを備えている。筒内水素噴射弁40は燃焼室18の頂部中央に配置され、筒内軽油噴射弁50は、筒内水素噴射弁40の直ぐそばにオフセットして配置されている。筒内水素噴射弁40は、4方向に向けて水素が噴射されるように4つの噴射口を有している。また、筒内軽油噴射弁50は、筒内水素噴射弁40から噴射される噴流に向けて軽油が噴射されるように4つの噴射口を有している。
図5に示す構成によれば、筒内水素噴射弁40から噴射される水素の噴流と、筒内軽油噴射弁50から噴射される軽油の噴流とが干渉するように各噴射弁が配置されているので、少量の軽油の噴射により確実に水素の噴流に火炎を形成することができる。これにより、すべての水素の噴流が確実に燃焼するため、未燃水素の発生を効果的に抑制することができる。また、軽油の噴射量が低減されるため、COの排出を効果的に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態3における筒内水素噴射弁40および筒内軽油噴射弁50の配置および噴射口の数等は、本実施の形態に示す構成に限られない。すなわち、筒内水素噴射弁40から噴射されるすべての水素噴流に、筒内軽油噴射弁50から噴射される軽油を確実に噴射できるのであれば、両噴射弁が隣接していなくてもよいし、また、噴射口の数も特に制限はない。
尚、上述した実施の形態3においては、筒内水素噴射弁40が前記第1の発明におけるガス燃料噴射弁に、筒内軽油噴射弁50が前記第1の発明における補助燃料噴射弁にそれぞれ相当している。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 水素噴射開始クランク角θsHと軽油噴射開始クランク角θsKとの間に成立する関係を示すマップである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3の水素エンジンにおける燃焼室周辺の構成を拡大して示す図である。
符号の説明
10 ガス燃料内燃機関(水素エンジン)
12 ピストン
14 シリンダブロック
16 シリンダヘッド
18 燃焼室
20 吸気通路
22 エアクリーナ
24 スロットル
26 エアフロメータ
28 吸気バルブ
30 排気通路
32 浄化触媒
34 酸素センサ
36 排気バルブ
40 筒内水素噴射弁
42 水素供給装置
44 水素供給管
46 ポンプ
50 筒内軽油噴射弁
52 軽油供給管
54 クランク角センサ
56 水温センサ
Af 噴射期間
Ne 機関回転数
Qf 噴射量
Qp 噴射圧
Tw 水温
θsH 水素噴射開始クランク角
θsK 軽油噴射開始クランク角
TDC(Top Dead Center) 上死点

Claims (5)

  1. 圧縮自着火運転が可能なガス燃料内燃機関において、
    ガス燃料を燃焼室内へ噴射するガス燃料噴射弁と、
    自着火温度がガス燃料より低い補助燃料を、前記ガス燃料噴射弁によってガス燃料が噴射されている期間中の、前記燃焼室内が当該補助燃料の自着火温度に達している一時期に、前記燃焼室内へ噴射する補助燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射期間を算出するガス燃料噴射期間算出手段と、
    前記内燃機関の運転条件・状態に基づいて、ガス燃料の噴射開始時期を算出するガス燃料噴射開始時期算出手段と、
    前記ガス燃料噴射期間と前記ガス燃料噴射開始時期とに基づいて、補助燃料の噴射開始時期を決定する補助燃料噴射開始時期決定手段と、を備え、
    前記補助燃料噴射開始時期決定手段は、前記ガス燃料噴射期間が長いほど、前記補助燃料噴射開始時期が前記ガス燃料噴射開始時期よりも遅くなるように決定することを特徴とするガス燃料内燃機関。
  2. 前記内燃機関は、ガス燃料として、水素ガスを使用する水素内燃機関であることを特徴とする請求項1記載のガス燃料内燃機関。
  3. 前記内燃機関は、補助燃料として、軽油を使用するガス内燃機関であることを特徴とする請求項1または2記載のガス燃料内燃機関。
  4. 前記内燃機関の暖機が完了したことを確認する暖機完了確認手段と、
    前記暖機完了が確認された場合に、前記補助燃料の噴射を禁止する禁止手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のガス燃料内燃機関。
  5. 前記ガス燃料噴射弁は、複数方向にガス燃料を噴射可能に構成され、
    前記補助燃料噴射弁は、前記ガス燃料噴射弁の各噴射方向に補助燃料を噴射するように配置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のガス燃料内燃機関。
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