JP2006316715A - 副室式内燃機関 - Google Patents

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徹 野田
Eiji Takahashi
英二 高橋
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    • F02P23/00Other ignition
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Abstract

【課題】 リーン限界を拡大できる副室式内燃機関を提供する。
【解決手段】 副室式内燃機関は、主燃焼室と、副燃焼室と、連通路と、点火部と、制御部とを備える。副燃焼室は、主燃焼室に隣接する。連通路は、主燃焼室と副燃焼室とを連通する。点火部は、主燃焼室から連通路経由で副燃焼室へ導入された新気混合気を、第1点火位置と第2点火位置とで点火する。第1点火位置は、副燃焼室内であって連通路の近傍である。第2点火位置は、副燃焼室内であって第1点火位置よりも連通路から離れている。制御部は、点火部を制御し、まず、第1点火位置で点火させて第1火炎を生成させる。制御部は、次に、第1火炎が第2点火位置に到達する前に第2点火位置で点火させる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、副室式内燃機関に関する。
従来から、主燃焼室及びその主燃焼室に隣接して設けられる副燃焼室を備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−81321(第1−3頁、第1−15図)
しかし、特許文献1の技術では、主燃焼室の新気混合気の空燃比がリーンなときに、副燃焼室における燃焼期間が長くなる傾向があり、また、未燃燃料が副燃焼室から主燃焼室へ排出されることがある。このため、リーン限界の拡大が困難になる傾向がある。
本発明の課題は、リーン限界を拡大できる副室式内燃機関を提供することにある。
本発明に係る副室式内燃機関は、主燃焼室と、副燃焼室と、連通路と、点火部と、制御部とを備える。副燃焼室は、主燃焼室に隣接する。連通路は、主燃焼室と副燃焼室とを連通する。点火部は、主燃焼室から連通路経由で副燃焼室へ導入された新気混合気を、第1点火位置と第2点火位置とで点火する。第1点火位置は、副燃焼室内であって連通路の近傍である。第2点火位置は、副燃焼室内であって第1点火位置よりも連通路から離れている。制御部は、点火部を制御し、まず、第1点火位置で点火させて第1火炎を生成させる。制御部は、次に、第1火炎が第2点火位置に到達する前に第2点火位置で点火させる。
この副室式内燃機関では、制御部は、点火部を制御し、まず、第1点火位置で点火させて第1火炎を生成させる。制御部は、次に、第1火炎が第2点火位置に到達する前に第2点火位置で点火させる。すなわち、第1火炎が生成された後において第1火炎が第2点火位置に到達する前に、第2点火位置で点火が行われて第2火炎を生成することができる。ここで、第1点火位置と第2点火位置とで点火が行われるので、第1火炎及び第2火炎の伝播距離を短くすることができる。このため、副燃焼室における燃焼期間を短縮することができる。また、第1点火位置で点火が行われた後に第2点火位置で点火が行われるので、未燃燃料が副燃焼室から連通路経由で主燃焼室へ排出されることを低減できる。
本発明に係る副室式内燃機関では、副燃焼室における燃焼期間を短縮することができ、未燃燃料が副燃焼室から主燃焼室へ排出されることを低減できる。このため、リーン限界を拡大できる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図1に示す。
(副室式内燃機関の概略構成)
副室式内燃機関1は、主として、主燃焼室63、吸排気機構、燃料噴射弁27、副燃焼室61、点火装置(点火部)70及びECU(制御部)40を備える。
主燃焼室63は、シリンダヘッド20,シリンダブロック10およびピストン3に囲まれた室である。シリンダヘッド20には、主燃焼室63に新気混合気を供給するための吸気ポート23と、主燃焼室63から既燃ガスを排気ガスとして排出するための排気ポート24とが形成されている。
また、吸排気機構として、吸気コレクタ92及び吸気マニホルド91は、吸気ポート23の上流に位置している。吸気コレクタ92には、スロットルバルブ93a及びスロットル駆動装置93bが上流側に配備されている。吸気ポート23の下流には吸気バルブ21が、排気ポート24の上流には排気バルブ22が配備されている。クランクシャフトの回転に連動して回転する吸気用カム軸21b/排気用カム軸22bに固定された吸気用カム21a/排気用カム22aは、吸気バルブ21/排気バルブ22の上方に配置されており、吸気バルブ21/排気バルブ22を開閉させる。
燃料噴射弁27は、吸気ポート23に燃料を噴射する弁である。燃料配管(図示せず)を介して燃料噴射弁27に燃料を送り出す燃料ポンプ(図示せず)は、吸気用カム軸21bの端部近傍に配備されており、ガソリン燃料を加圧する。
副燃焼室61は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁61cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁61cが配置され、副燃焼室61が形成される。また、副燃焼室壁61cの膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する複数の連通路61bが形成されている。
点火装置70は、主として、第1点火プラグ(第1点火部)71と第2点火プラグ(第2点火部)72とを有する。第1点火プラグ71と第2点火プラグ72とは、それぞれ、その先端が副燃焼室61に突出するように設けられている。
ECU40は、燃料噴射弁27、第1点火プラグ71、第2点火プラグ72、スロットル駆動装置93bなどに電気的に接続されている。
(副室式内燃機関の概略動作)
副室式内燃機関1では、吸気行程において、加圧された燃料が燃料噴射弁27に供給される。燃料噴射弁27は、吸気コレクタ92と吸気マニホルド91とを経由して吸気ポート23に導入された新気空気に、燃料を噴射する。これにより、新気混合気が生成される。そして、吸気行程において、吸気用カム21aにより吸気バルブ21は開状態とされ、新気混合気は吸気ポート23から主燃焼室63へ導入される。
圧縮行程においては、主燃焼室63で新気混合気が圧縮されるとともに、主燃焼室63の新気混合気の一部が、連通路61bを介して主燃焼室63から副燃焼室61へ導入される。これにより、副燃焼室61における新気混合気の空燃比は、主燃焼室63における新気混合気の空燃比と略等しくなる。
点火装置70により、副燃焼室61の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。すなわち、第1点火プラグ71は、副燃焼室61の新気混合気を点火して第1火炎を発生させる。そして、第2点火プラグ72は、第1火炎が連通路61bに到達した後に副燃焼室61の新気混合気を点火して第2火炎を発生させる。第1火炎及び第2火炎は、連通路61bを介して主燃焼室63へトーチ状に放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
膨張行程では、新気混合気が燃焼して発生した燃焼圧力によって、ピストン3が押し下げられる。
排気行程では、排気用カム22aにより排気バルブ22は開状態とされ、主燃焼室63で燃焼された既燃ガスが、排気ガスとして排気ポート24へ排出される。
ECU40は、燃料噴射弁27、第1点火プラグ71、第2点火プラグ72、スロットル駆動装置93bなどに対して、制御の信号を供給し各種の制御を行う。ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行する。例えば、ECU40は、所定のロジックを、電気回路的に、ソフト的に又はその両方により実行する。
(点火装置及び副燃焼室の詳細構成)
図2に、点火装置70及び副燃焼室61の拡大断面図を示す。図2に示す断面図は、副燃焼室61の中心軸CL1を含む面で切った断面図である。
副燃焼室61は、図2に示すように、副燃焼室壁61cに囲まれた室である。副燃焼室61は、軸CL1を中心軸とする略円筒形状である。また、副燃焼室61の底面は、半球状に膨出している。副燃焼室壁61cの膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室61とを連通する複数の連通路61bが形成されている。連通路61bは、副燃焼室61から主燃焼室63へ向かう方向について、中心軸CL1と鋭角を成して下方に傾斜している。これにより、副燃焼室61から主燃焼室63へ効率よく火炎を放射することができるようになっている。
一方、副燃焼室61には、連通路61bと対向する位置であって上部の位置に、点火装置70が設けられている。点火装置70は、主として、第1点火プラグ71と第2点火プラグ72とを有する。第1点火プラグ71及び第2点火プラグ72は、副燃焼室壁61cを上方から下方へ貫通するように配置されており、副燃焼室61の上部から副燃焼室61の容積中心CP1へ向かう方向に延びている。
また、第1点火プラグ71の先端部分71aは、副燃焼室61の内部において副燃焼室61の中心軸CL1の付近で且つ第2点火プラグ72の先端部分72aよりも主燃焼室63に近い位置に配置されている。第1点火プラグ71の先端部分71aは、副燃焼室61に突出している。それに対して、突起部材61dは、副燃焼室61において、副燃焼室壁61cの主燃焼室63に近い部分から主燃焼室63から遠い位置へ(先端部分71aへ向かう方向へ)と延びている。突起部材61dと副燃焼室壁61cとは電気的に接続されており、先端部分71aと突起部材61dとは電気的に絶縁されている。
一方、第2点火プラグ72の先端部分72aは、副燃焼室61の内部において副燃焼室61の中心軸CL1の付近で且つ第1点火プラグ71の先端部分71aよりも主燃焼室63から離れた位置に配置されている。第2点火プラグ72の先端部分72aは、副燃焼室61に突出している。
(点火装置の詳細動作)
第1点火プラグ71は、先端部分71aと突起部材61dとの間にスパーク(図5のS1参照)を発生させて、副燃焼室61の新気混合気を点火する。すなわち、第1点火プラグ71の先端部分71aと突起部材61dとの間の位置は第1点火位置(図5のP1参照)となる。この第1点火位置は、副燃焼室61内であって、連通路61bの近傍である。ここで、「連通路61bの近傍」とは、副燃焼室61の容積中心CP1よりも連通路61bに近いことを意味している。第1点火プラグ71は、副燃焼室61の新気混合気を第1点火位置で点火して、第1火炎(図6のF1参照)を発生させる。
第2点火プラグ72は、先端部分72aにスパーク(図7のS2参照)を発生させて、副燃焼室61の新気混合気を点火する。すなわち、第2点火プラグ72の先端部分72aの位置は第2点火位置(図5のP2参照)となる。この第2点火位置は、副燃焼室61内であって、第1点火位置よりも連通路61bから離れている。また、第2点火位置は、未燃部分R2(図7参照)の容積中心の近傍である。ここで、未燃部分R2は、第2点火位置で点火が行われるとき(第2タイミング)における第1火炎F1の外面F1aと副燃焼室61の境界面61aとで囲まれた部分である。そして、第2点火プラグ72は、副燃焼室61の新気混合気を第2点火位置で点火して、第2火炎(図8のF2参照)を発生させる。
なお、図7に示すように、副燃焼室61は、主として、既燃部分R1と未燃部分R2とを有する。ここで、既燃部分R1は、第1火炎F1の外面F1aが連通路61bに到達したときにおいて第1火炎F1が占有している部分である。
(ECUの詳細構成)
ECU40は、主として、負荷演算部41,速度演算部42,燃料噴射制御部43,スロットル制御部44、第1点火時期制御部45,第2点火時期制御部46,記憶部47及び入出力インターフェース(図示せず)を備える。負荷演算部41,速度演算部42,燃料噴射制御部43,スロットル制御部44、第1点火時期制御部45及び第2点火時期制御部46は、CPUなどで構成されている。記憶部47は、ROM,RAMなどで構成されており、プログラムやマップ情報(図3参照)などを記憶している。入出力インターフェースは、外部から信号を受ける場合や外部へ信号を供給する場合にインターフェースとなる部分である。
ECU40は、各種の制御を行うためのロジックを実行するだけでなく、第1点火プラグ71の点火時期や第2点火プラグ72の点火時期を制御するためのロジックを実行する。
(ECUの詳細動作)
ECU40には、クランク角センサ51で検出されたクランク角信号、水温センサ52で検出された冷却水温信号、アクセル開度センサ53で検出されたアクセル開度信号などが、入出力インターフェースを介して入力される。負荷演算部41及び速度演算部42は、これらの信号を入出力インターフェースから受け取る。負荷演算部41は、これらの信号に基づいて、機関負荷を演算する。速度演算部42は、これらの信号に基づいて、機関速度を演算する。
燃料噴射制御部43は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取り、機関負荷の情報及び機関速度の情報などに基づいて、噴射量制御信号を生成する。これにより、燃料噴射弁27は、噴射量制御信号に基づいて所定の噴射量で燃料を噴射する。
スロットル制御部44は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取り、機関負荷の情報及び機関速度の情報などに基づいて、スロットル制御信号を生成する。これにより、スロットル駆動装置93bは、スロットル制御信号に基づいて所定の開度でスロットルバルブ93aを開閉させる。
第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第1点火時期制御部45は、記憶部47を参照して、マップ情報(図3参照)を受け取る。そして、第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第1点火時期制御信号を生成する。これにより、第1点火プラグ71は、第1点火時期制御信号に基づいて第1タイミング又は第3タイミングでスパークを発生させる。なお、第1タイミング又は第3タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部47のマップ情報に関連づけて記憶されている。
第2点火時期制御部46は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第2点火時期制御部46は、記憶部47を参照して、マップ情報を受け取る。そして、第2点火時期制御部46は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第2点火時期制御信号を生成する。これにより、第2点火プラグ72は、第2点火時期制御信号に基づいて第2タイミングでスパークを発生させる。ここで、第2タイミングは、第1火炎が生成された後すなわち第1タイミングよりも後であって、第1火炎が第2点火位置に到達する前のタイミングである。また、第2タイミングは、第1火炎が連通路61bに到達した後のタイミングである。なお、第2タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部47のマップ情報に関連づけて記憶されている。
(副室式内燃機関の制御)
副室式内燃機関1の制御を、図3,図4を参照して説明する。
ECU40の第1点火時期制御部45や第2点火時期制御部46が参照するマップ情報を、図3に示す。マップ情報には、機関負荷(Te)や機関速度(Ne)と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1制御領域A1及び第2制御領域A2に分けられている。第1制御領域A1は、比較的低負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比がリーンに制御される領域である。第2制御領域A2は、比較的高負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近くなるように制御される領域である。
副室式内燃機関1における制御の流れを、図4に示すフローチャートを用いて説明する。このような制御は、副室式内燃機関1における他の制御とともに行われる。
ステップS1では、センサによる検出が行われる。すなわち、クランク角センサ51、水温センサ52、アクセル開度センサ53などにより検出が行われる。ECU40には、クランク角センサ51で検出されたクランク角信号、水温センサ52で検出された冷却水温信号、アクセル開度センサ53で検出されたアクセル開度信号などが、入出力インターフェースを介して入力される。
ステップS2では、運転状態が演算される。すなわち、負荷演算部41は、ステップS1で入力された信号を入出力インターフェースから受け取る。負荷演算部41は、これらの信号に基づいて、機関負荷を演算する。また、速度演算部42は、ステップS1で入力された信号を入出力インターフェースから受け取る。速度演算部42は、これらの信号に基づいて、機関速度を演算する。
ステップS3では、どの制御領域であるかがECU40により判断される。すなわち、ECU40は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、どの制御領域であるかを判断する。制御領域が第1制御領域A1であると判断された場合、ステップS4へ進められ、制御領域が第2制御領域A2であると判断された場合、ステップS6へ進められる。
ステップS4では、第1点火位置で点火が行われる。すなわち、第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第1点火時期制御部45は、記憶部47を参照して、マップ情報(図3参照)を受け取る。そして、第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第1点火時期制御信号を生成する。これにより、第1点火プラグ71は、第1点火時期制御信号に基づいて、第1タイミングにおいて第1点火位置でスパークを発生させる。これにより、第1火炎が生成される。
ステップS5では、第2点火位置で点火が行われる。すなわち、第2点火時期制御部46は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第2点火時期制御部46は、記憶部47を参照して、マップ情報(図3参照)を受け取る。そして、第2点火時期制御部46は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第2点火時期制御信号を生成する。これにより、第2点火プラグ72は、第2点火時期制御信号に基づいて、第2タイミングにおいて第2点火位置でスパークを発生させる。ここで、第2タイミングは、第1火炎が生成された後すなわち第1タイミングよりも後であって、第1火炎が第2点火位置に到達する前のタイミングである。また、第2タイミングは、第1火炎が連通路61bに到達した後のタイミングである。これにより、第2火炎が生成される。
ステップS6では、第1点火位置で点火が行われる。すなわち、第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第1点火時期制御部45は、記憶部47を参照して、マップ情報(図3参照)を受け取る。そして、第1点火時期制御部45は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第1点火時期制御信号を生成する。第1点火プラグ71は、この第1点火時期制御信号に基づいて、第3タイミングにおいて第1点火位置でスパークを発生させる。これにより、第1火炎が生成される。
このように、制御領域が第2制御領域A2である場合に、第2火炎は生成されない。このため、副燃焼室61の燃焼期間の短縮が抑制されているので、副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度も抑制される。この結果、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近く主燃焼室63における燃焼を促進する必要性が低い場合(制御領域が第2制御領域A2である場合)に、主燃焼室63における燃焼期間の短縮も抑制されるので、主燃焼室63における圧力上昇が急激過ぎることで発生する騒音(燃焼騒音)の発生が低減されている。
ステップS7では、所定期間を経過したか否かがECU40により判断される。所定期間を経過したと判断された場合、ステップS1へ進められ、所定期間を経過していないと判断された場合、ステップS7へ進められる。これにより、ステップS1〜S6の処理は、所定期間ごとに繰り返される。
(副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作)
副室式内燃機関1の副燃焼室61における火炎の動作を、図5〜図8を参照して説明する。図5〜図8では、制御領域が第1制御領域A1である場合における火炎の動作が示されている。また、図5〜図8では、点火装置70の図示が省略されている。
図5に示すように、第1点火プラグ71は、第1点火時期制御信号に基づいて、第1タイミングにおいて第1点火位置P1でスパークS1を発生させる。これにより、副燃焼室61の新気混合気が点火されて、図6に示すように、第1火炎F1が発生する。発生した第1火炎F1は、第1点火位置P1を中心にして、副燃焼室61の境界面61aに到達するまで等方的に伝播される。そして、図7に示すように、第1火炎F1の外面F1aが連通路61bに到達する。これにより、後述の第2タイミングにおいて、未燃部分R2における新気混合気(未燃燃料)と連通路61bとの間には、第1火炎F1が分布する状態になる。
第1火炎F1の外面F1aが連通路61bに到達した後すなわち第2タイミングにおいて、第2点火プラグ72は、第2点火時期制御信号に基づいて、第2点火位置P2でスパークS2を発生させる。これにより、副燃焼室61の未燃部分R2における新気混合気が点火されて、図8に示すように、第2火炎F2が発生する。発生した第2火炎F2は、第2点火位置P2を中心にして、副燃焼室61の境界面61a又は第1火炎F1の外面F1aに到達するまで等方的に伝播される。
これにより、副燃焼室61の容積中心CP1のみで点火されて生成された火炎が伝播される場合に比べて、第1火炎F1及び第2火炎F2の伝播距離が短くなっている。このため、副燃焼室61における燃焼期間は短縮する。
また、第2火炎F2と連通路61bとの間には、第1火炎F1が分布する状態になっている。このため、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路61bへ向かう新気混合気(未燃燃料)が第1火炎F1により燃焼されるので、副燃焼室61の未燃燃料が副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、副燃焼室61の燃焼に用いられる燃料のロスが抑制されており、副燃焼室61の燃焼効率が向上しているので、副燃焼室61における火炎のエネルギーは、主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなる。
一方、第1火炎F1の一部は、火炎F7,F8として、副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へトーチ状に放射される。すなわち、副燃焼室61の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F7,F8が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F7,F8との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。また、副燃焼室61における燃焼期間は短縮しており、副燃焼室61における火炎のエネルギーが主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなっているので、火炎F7,F8の放射速度は、主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなる。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、ECU40は、点火装置70を制御し、まず、第1点火位置P1で点火させて第1火炎F1を生成させる。ECU40は、次に、第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させる。すなわち、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に、第2点火位置P2で点火が行われて第2火炎F2が生成される。
ここで、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火が行われるので、副燃焼室61の容積中心CP1のみで点火が行われる場合に比べて、第1火炎F1及び第2火炎F2の伝播距離は短くなっている。このため、副燃焼室61における燃焼期間は短縮する。
また、第1点火位置P1で点火が行われた後に第2点火位置P2で点火が行われるので、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路61bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により燃焼する。このため、未燃燃料が副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
このように、副燃焼室61における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。このため、主燃焼室63における新気混合気の空燃比がリーンであり、それによって副燃焼室61における新気混合気の空燃比もリーンとなるときでも、副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ放射される火炎F7,F8の放射速度は十分なものとなる。この結果、リーン限界が拡大するので、機関熱効率は向上し、排気ガスは清浄化する。
(2)
ここでは、第1点火位置P1は、第2点火位置P2よりも連通路61bに近い。そして、ECU40は、第2点火位置P2で点火する前に第1点火位置P1で点火させるように、点火装置70を制御する。これにより、第2点火位置P2で第2火炎F2が発生する前に、第1点火位置P1で第1火炎F1は発生する。このため、副燃焼室61の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F7,F8が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F7,F8との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(3)
ここでは、ECU40は、第1火炎F1の外面F1aが連通路61bに到達した後に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置70を制御する。これにより、第2火炎F2が発生したときに、未燃部分R2における新気混合気(未燃燃料)と連通路61bとの間には、第1火炎F1が分布する状態になっている。このため、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路61bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により確実に燃焼する。この結果、副燃焼室61の未燃燃料が副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ排出されることは確実に低減される。
(4)
ここでは、第2点火位置P2は、未燃部分R2の容積中心の近傍である。このため、第2点火位置P2で点火することにより生成した第2火炎F2は、未燃部分R2の容積中心の近傍を中心にして等方的に伝播する。これにより、第2火炎F2の伝播距離が短くなるので、副燃焼室61における燃焼期間は短縮する。
(5)
ここでは、第1点火プラグ71は、副燃焼室61の新気混合気を第1点火位置P1で点火する。また、第2点火プラグ72は、副燃焼室61の新気混合気を第2点火位置P2で点火する。このため、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火するための点火装置70の構成は簡易に実現される。
また、点火装置70の構成は、点火プラグを用いたものであるので、低コストで信頼性高く実現されている。
(6)
ここでは、ECU40は、機関負荷が低い場合(制御領域が第1制御領域A1である場合)に、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで副燃焼室61の新気混合気を点火させるように、点火装置70を制御する。具体的には、ECU40は、機関負荷が低い場合に、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置70を制御する。このため、機関負荷が低い場合に、副燃焼室61における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室61から連通路61b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、主燃焼室63における燃焼期間が短縮され、リーン限界は拡大する。
一方、ECU40は、機関負荷が高い場合(制御領域が第2制御領域A2である場合)に、第1点火位置P1で副燃焼室61の新気混合気を点火させるように、点火装置70を制御する。このため、機関負荷が高い場合に、副燃焼室61における燃焼期間の短縮は抑制される。この結果、主燃焼室63における燃焼期間の短縮が抑制され、主燃焼室63における燃焼騒音の発生が低減される。
このように、副燃焼室61における燃焼期間が運転状態に応じて制御されるので、主燃焼室63における燃焼期間は運転状態に応じた適切なものとなる。
(第1実施形態の変形例)
(A)第2点火位置は、副燃焼室61の容積中心CP1の近傍であっても良い。この場合でも、副燃焼室61の容積中心CP1のみで点火されて生成された火炎が伝播される場合に比べて、第1火炎F1及び第2火炎(図示せず)の伝播距離が短くなる。このため、副燃焼室61における燃焼期間は短縮する。
(B)点火装置70は、第1点火プラグ71や第2点火プラグ72に加えて、第3点火プラグ,・・・をさらに備えても良い。すなわち、点火装置70が点火する位置である点火位置は、第1点火位置P1及び第2点火位置P2に加えて、第3点火位置,・・・を含んでいても良い。この場合でも、第2点火位置P2,第3点火位置,・・・で点火する前に第1点火位置P1で点火させるように、ECU40が点火装置70を制御すれば、副燃焼室61の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F7,F8が放射されることになる。なお、第2点火位置P2,第3点火位置,・・・で点火が行われるタイミングは、同時であっても良いし、異なっていても良い。
(C)ECU40は、機関負荷が高い場合に、第2点火位置P2で副燃焼室61の新気混合気を点火させるように、点火装置70を制御してもよい。この場合でも、機関負荷が高い場合に、副燃焼室61における燃焼期間の短縮は抑制される。この結果、主燃焼室63における燃焼期間の短縮が抑制され、主燃焼室63における燃焼騒音の発生が低減される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図9に示す。
副室式内燃機関100は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、副燃焼室61の代わりに副燃焼室161を備える点と、点火装置70の代わりに点火装置(点火部)170を備える点と、ECU40の代わりにECU(制御部)140を備える点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室161は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁161cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁161cが配置され、副燃焼室161が形成される。また、副燃焼室壁161cの膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室161とを連通する複数の連通路161bが形成されている。
点火装置170は、主として、レーザ点火装置(第1点火部)171と第2点火プラグ72とを有する。レーザ点火装置171と第2点火プラグ72とは、それぞれ、その先端が副燃焼室161に突出するように設けられている。
ECU140は、燃料噴射弁27、レーザ点火装置171、第2点火プラグ72、スロットル駆動装置93bなどに電気的に接続されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
点火装置170により、副燃焼室161の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。すなわち、レーザ点火装置171は、副燃焼室161の新気混合気を点火して第1火炎を発生させる。そして、第2点火プラグ72は、第1火炎が連通路161bに到達した後に副燃焼室161の新気混合気を点火して第2火炎を発生させる。第1火炎及び第2火炎は、連通路161bを介して主燃焼室63へトーチ状に放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置及び副燃焼室の詳細構成)
図10に、点火装置170及び副燃焼室161の拡大断面図を示す。図10に示す断面図は、副燃焼室161の中心軸CL2を含む面で切った断面図である。
点火装置170は、主として、レーザ点火装置171と第2点火プラグ72とを有する。レーザ点火装置171及び第2点火プラグ72は、副燃焼室壁161cを上方から下方へ貫通するように配置されている。
また、レーザ点火装置171の先端部分171aは、副燃焼室161に突出している。レーザ点火装置171は、レーザ発生器及びその集光レンズなどから構成される(特開平9−42138参照)。レーザ点火装置171では、その発生するレーザLS1の焦点位置LS1aが、副燃焼室161の内部において副燃焼室161の中心軸CL2の近傍で且つ第2点火プラグ72の先端部分72aよりも主燃焼室63に近くなる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置の詳細動作)
レーザ点火装置171は、先端部分171aからレーザLS1を発生させて、焦点位置LS1aで集光させることにより、副燃焼室161の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置171の焦点位置LS1aは第1点火位置(図5のP1参照)となる。この第1点火位置は、副燃焼室161内であって、連通路161bの近傍である。レーザ点火装置171は、副燃焼室161の新気混合気を第1点火位置で点火して、第1火炎(図6のF1参照)を発生させる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細構成)
ECU140は、第1点火時期制御部45の代わりに第1点火時期制御部145を備え、記憶部47の代わりに記憶部147を備える。記憶部147は、マップ情報(図3参照)の代わりにマップ情報(図11参照)を記憶している。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
第1点火時期制御部145は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第1点火時期制御部145は、記憶部147を参照して、マップ情報(図11参照)を受け取る。そして、第1点火時期制御部145は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第1点火時期制御信号を生成する。これにより、レーザ点火装置171は、第1点火時期制御信号に基づいて第1タイミング又は第3タイミングでレーザLS1を発生させる。なお、第1タイミング又は第3タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部147のマップ情報に関連づけて記憶されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
ECU140の第1点火時期制御部145や第2点火時期制御部46が参照するマップ情報を、図11に示す。マップ情報には、機関負荷(Te)や機関速度(Ne)と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1制御領域A101及び第2制御領域A102に分けられている。第1制御領域A101は、比較的低負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比がリーンに制御される領域である。第2制御領域A102は、比較的高負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近くなるように制御される領域である。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作)
第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、ECU140は、点火装置70を制御し、まず、第1点火位置P1で点火させて第1火炎F1を生成させる。ECU140は、次に、第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させる。すなわち、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に、第2点火位置P2で点火が行われて第2火炎F2が生成される。
ここで、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火が行われるので、副燃焼室161の容積中心CP2のみで点火が行われる場合に比べて、第1火炎F1及び第2火炎F2の伝播距離は短くなっている。このため、副燃焼室161における燃焼期間は短縮する。
また、第1点火位置P1で点火が行われた後に第2点火位置P2で点火が行われるので、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路161bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により燃焼する。このため、未燃燃料が副燃焼室161から連通路161b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
このように、副燃焼室161における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室161から連通路161b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。このため、主燃焼室63における新気混合気の空燃比がリーンであり、それによって副燃焼室161における新気混合気の空燃比もリーンとなるときでも、副燃焼室161から連通路161b経由で主燃焼室63へ放射される火炎F7,F8の放射速度は十分なものとなる。この結果、リーン限界が拡大するので、機関熱効率は向上し、排気ガスは清浄化する。
(2)
ここでは、第1点火位置P1は、第2点火位置P2よりも連通路161bに近い。そして、ECU140は、第2点火位置P2で点火する前に第1点火位置P1で点火させるように、点火装置170を制御する。これにより、第2点火位置P2で第2火炎F2が発生する前に、第1点火位置P1で第1火炎F1は発生する。このため、副燃焼室161の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F7,F8が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F7,F8との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(3)
ここでは、ECU140は、第1火炎F1の外面F1aが連通路161bに到達した後に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置170を制御する。これにより、第2火炎F2が発生したときに、未燃部分R2における新気混合気(未燃燃料)と連通路161bとの間には、第1火炎F1が分布する状態になっている。このため、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路161bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により確実に燃焼する。この結果、副燃焼室161の未燃燃料が副燃焼室161から連通路161b経由で主燃焼室63へ排出されることは確実に低減される。
(4)
ここでは、第2点火位置P2は、未燃部分R2の容積中心の近傍である。このため、第2点火位置P2で点火することにより生成した第2火炎F2は、未燃部分R2の容積中心の近傍を中心にして等方的に伝播する。これにより、第2火炎F2の伝播距離が短くなるので、副燃焼室161における燃焼期間は短縮する。
(5)
ここでは、レーザ発生装置171は、副燃焼室161の新気混合気を第1点火位置P1で点火する。また、第2点火プラグ72は、副燃焼室161の新気混合気を第2点火位置P2で点火する。このため、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火するための点火装置170の構成は簡易に実現される。
また、点火装置170の構成は、点火プラグを用いたものであるので、低コストで信頼性高く実現されている。
(6)
ここでは、ECU140は、機関負荷が低い場合(制御領域が第1制御領域A101である場合)に、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで副燃焼室161の新気混合気を点火させるように、点火装置170を制御する。具体的には、ECU140は、機関負荷が低い場合に、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置170を制御する。このため、機関負荷が低い場合に、副燃焼室161における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室161から連通路161b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、主燃焼室63における燃焼期間が短縮され、リーン限界は拡大する。
一方、ECU140は、機関負荷が高い場合(制御領域が第2制御領域A102である場合)に、第1点火位置P1で副燃焼室161の新気混合気を点火させるように、点火装置170を制御する。このため、機関負荷が高い場合に、副燃焼室161における燃焼期間の短縮は抑制される。この結果、主燃焼室63における燃焼期間の短縮が抑制され、主燃焼室63における燃焼騒音の発生が低減される。
このように、副燃焼室161における燃焼期間が運転状態に応じて制御されるので、主燃焼室63における燃焼期間は運転状態に応じた適切なものとなる。
(7)
ここでは、レーザ点火装置171は、先端部分171aからレーザLS1を発生させて、焦点位置LS1aで集光させることにより、副燃焼室161の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置171の焦点位置LS1aは第1点火位置(図5のP1参照)となる。このため、副燃焼室161において棒状の部材を連通路161bの近傍まで突出させたり副燃焼室壁161cに突起部材を設けたりしなくても第1点火位置で点火されるので、冷却損失の増大は抑制される。また、棒状の部材の先端部分や突起部材などで熱面着火が発生することも抑制される。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図12に示す。
副室式内燃機関200は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、副燃焼室61の代わりに副燃焼室261を備える点と、点火装置70の代わりに点火装置(点火部)270を備える点と、ECU40の代わりにECU(制御部)240を備える点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室261は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁261cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁261cが配置され、副燃焼室261が形成される。また、副燃焼室壁261cの膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室261とを連通する複数の連通路261bが形成されている。
点火装置270は、主として、レーザ点火装置273を有する。レーザ点火装置273は、その先端が副燃焼室261に突出するように設けられている。
ECU240は、燃料噴射弁27、レーザ点火装置273、スロットル駆動装置93bなどに電気的に接続されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
点火装置270により、副燃焼室261の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。すなわち、レーザ点火装置273は、副燃焼室261の新気混合気を点火して第1火炎を発生させる。そして、レーザ点火装置273は、第1火炎が連通路261bに到達した後に副燃焼室261の新気混合気を点火して第2火炎を発生させる。第1火炎及び第2火炎は、連通路261bを介して主燃焼室63へトーチ状に放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置及び副燃焼室の詳細構成)
図13,図14に、点火装置270及び副燃焼室261の拡大断面図を示す。図13,図14に示す断面図は、副燃焼室261の中心軸CL3を含む面で切った断面図である。
点火装置270は、主として、レーザ点火装置273を有する。レーザ点火装置273は、副燃焼室壁261cを上方から下方へ貫通するように配置されている。
また、レーザ点火装置273の先端部分273aは、副燃焼室261に突出している。レーザ点火装置273は、レーザ発生器及びその集光レンズなどから構成される(特開平9−42138参照)。レーザ点火装置273は、その焦点位置が可変である。すなわち、レーザ点火装置273では、その発生するレーザLS2の焦点位置LS2aが、副燃焼室261の内部において副燃焼室261の中心軸CL3の近傍で且つ焦点位置LS3aよりも主燃焼室63に近くなる。また、レーザ点火装置273では、その発生するレーザLS3の焦点位置LS3aが、副燃焼室261の内部において副燃焼室261の中心軸CL3の近傍で且つ焦点位置LS2aよりも主燃焼室63から離れている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置の詳細動作)
レーザ点火装置273は、先端部分273aからレーザLS2を発生させて、焦点位置LS2aで集光させることにより、副燃焼室261の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置273の焦点位置LS2aは第1点火位置(図5のP1参照)となる。この第1点火位置は、副燃焼室261内であって、連通路261bの近傍である。レーザ点火装置273は、副燃焼室261の新気混合気を第1点火位置で点火して、第1火炎(図6のF1参照)を発生させる。
また、レーザ点火装置273は、先端部分273aからレーザLS3を発生させて、焦点位置LS3aで集光させることにより、副燃焼室261の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置273の焦点位置LS3aは第2点火位置(図5のP2参照)となる。この第2点火位置は、副燃焼室261内であって、第1点火位置よりも連通路261bから離れている。レーザ点火装置273は、副燃焼室261の新気混合気を第2点火位置で点火して、第2火炎(図8のF2参照)を発生させる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細構成)
ECU240は、第1点火時期制御部45の代わりに第1点火時期制御部245を備え、第2点火時期制御部46の代わりに第2点火時期制御部246を備え、記憶部47の代わりに記憶部247を備える。記憶部247は、マップ情報(図3参照)の代わりにマップ情報(図15参照)を記憶している。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
第1点火時期制御部245は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第1点火時期制御部245は、記憶部247を参照して、マップ情報(図15参照)を受け取る。そして、第1点火時期制御部245は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第1点火時期制御信号を生成する。これにより、レーザ点火装置273は、第1点火時期制御信号に基づいて第1タイミング又は第3タイミングでレーザLS2を発生させる。なお、第1タイミング又は第3タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部247のマップ情報に関連づけて記憶されている。
第2点火時期制御部246は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第2点火時期制御部246は、記憶部247を参照して、マップ情報を受け取る。そして、第2点火時期制御部246は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第2点火時期制御信号を生成する。これにより、レーザ点火装置273は、第2点火時期制御信号に基づいて第2タイミングでレーザLS3を発生させる。ここで、第2タイミングは、第1火炎が生成された後すなわち第1タイミングよりも後であって、第1火炎が第2点火位置に到達する前のタイミングである。また、第2タイミングは、第1火炎が連通路261bに到達した後のタイミングである。なお、第2タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部247のマップ情報に関連づけて記憶されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
ECU240の第1点火時期制御部245や第2点火時期制御部246が参照するマップ情報を、図15に示す。マップ情報には、機関負荷(Te)や機関速度(Ne)と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1制御領域A201及び第2制御領域A202に分けられている。第1制御領域A201は、比較的低負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比がリーンに制御される領域である。第2制御領域A202は、比較的高負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近くなるように制御される領域である。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作)
第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、ECU240は、点火装置270を制御し、まず、第1点火位置P1で点火させて第1火炎F1を生成させる。ECU240は、次に、第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させる。すなわち、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に、第2点火位置P2で点火が行われて第2火炎F2が生成される。
ここで、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火が行われるので、副燃焼室261の容積中心CP3のみで点火が行われる場合に比べて、第1火炎F1及び第2火炎F2の伝播距離は短くなっている。このため、副燃焼室261における燃焼期間は短縮する。
また、第1点火位置P1で点火が行われた後に第2点火位置P2で点火が行われるので、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路261bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により燃焼する。このため、未燃燃料が副燃焼室261から連通路261b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
このように、副燃焼室261における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室261から連通路261b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。このため、主燃焼室63における新気混合気の空燃比がリーンであり、それによって副燃焼室261における新気混合気の空燃比もリーンとなるときでも、副燃焼室261から連通路261b経由で主燃焼室63へ放射される火炎F7,F8の放射速度は十分なものとなる。この結果、リーン限界が拡大するので、機関熱効率は向上し、排気ガスは清浄化する。
(2)
ここでは、第1点火位置P1は、第2点火位置P2よりも連通路261bに近い。そして、ECU240は、第2点火位置P2で点火する前に第1点火位置P1で点火させるように、点火装置270を制御する。これにより、第2点火位置P2で第2火炎F2が発生する前に、第1点火位置P1で第1火炎F1は発生する。このため、副燃焼室261の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F7,F8が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F7,F8との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(3)
ここでは、ECU240は、第1火炎F1の外面F1aが連通路261bに到達した後に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置270を制御する。これにより、第2火炎F2が発生したときに、未燃部分R2における新気混合気(未燃燃料)と連通路261bとの間には、第1火炎F1が分布する状態になっている。このため、第2火炎F2による圧力上昇に伴って連通路261bへ向かう未燃燃料は第1火炎F1により確実に燃焼する。この結果、副燃焼室261の未燃燃料が副燃焼室261から連通路261b経由で主燃焼室63へ排出されることは確実に低減される。
(4)
ここでは、第2点火位置P2は、未燃部分R2の容積中心の近傍である。このため、第2点火位置P2で点火することにより生成した第2火炎F2は、未燃部分R2の容積中心の近傍を中心にして等方的に伝播する。これにより、第2火炎F2の伝播距離が短くなるので、副燃焼室261における燃焼期間は短縮する。
(5)
ここでは、レーザ発生装置273は、レーザLS2を発生させて、副燃焼室261の新気混合気を第1点火位置P1で点火する。また、レーザ発生装置273は、レーザLS3を発生させて、副燃焼室261の新気混合気を第2点火位置P2で点火する。このため、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで点火するための点火装置270の構成は簡易に実現される。
(6)
ここでは、ECU240は、機関負荷が低い場合(制御領域が第1制御領域A201である場合)に、第1点火位置P1と第2点火位置P2とで副燃焼室261の新気混合気を点火させるように、点火装置270を制御する。具体的には、ECU240は、機関負荷が低い場合に、第1火炎F1が生成された後において第1火炎F1が第2点火位置P2に到達する前に第2点火位置P2で点火させるように、点火装置270を制御する。このため、機関負荷が低い場合に、副燃焼室261における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室261から連通路261b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、主燃焼室63における燃焼期間が短縮され、リーン限界は拡大する。
一方、ECU240は、機関負荷が高い場合(制御領域が第2制御領域A202である場合)に、第1点火位置P1で副燃焼室261の新気混合気を点火させるように、点火装置270を制御する。このため、機関負荷が高い場合に、副燃焼室261における燃焼期間の短縮は抑制される。この結果、主燃焼室63における燃焼期間の短縮が抑制され、主燃焼室63における燃焼騒音の発生が低減される。
このように、副燃焼室261における燃焼期間が運転状態に応じて制御されるので、主燃焼室63における燃焼期間は運転状態に応じた適切なものとなる。
(7)
ここでは、レーザ点火装置273は、先端部分273aからレーザLS2を発生させて、焦点位置LS2aで集光させることにより、副燃焼室261の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置273の焦点位置LS2aは第1点火位置(図5のP1参照)となる。あるいは、レーザ点火装置273は、先端部分273aからレーザLS3を発生させて、焦点位置LS3aで集光させることにより、副燃焼室261の新気混合気を点火する。すなわち、レーザ点火装置273の焦点位置LS3aは第2点火位置(図5のP2参照)となる。このため、副燃焼室261において棒状の部材を連通路261bの近傍まで突出させたり副燃焼室壁261cに突起部材を設けたりしなくても第1点火位置及び第2点火位置で点火されるので、冷却損失の増大は抑制される。また、棒状の部材の先端部分や突起部材などで熱面着火が発生することも抑制される。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関の断面図を図16に示す。
副室式内燃機関300は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、副燃焼室61の代わりに副燃焼室361を備える点と、点火装置70の代わりに点火装置(点火部)370を備える点と、ECU40の代わりにECU(制御部)340を備える点とで、第1実施形態と異なる。
(副室式内燃機関の概略構成)
副燃焼室361は、主燃焼室63に隣接して設けられる室であり、副燃焼室壁361cに囲まれている。具体的には、シリンダヘッド20において吸気ポート23と排気ポート24との間に形成された空間に、略円筒形状の副燃焼室壁361cが配置され、副燃焼室361が形成される。また、副燃焼室壁361cの膨出した半球状の底面には、主燃焼室63と副燃焼室361とを連通する複数の連通路361bが形成されている。
点火装置370は、主として、レールプラグ点火装置(火花点火装置)374を有する。レールプラグ点火装置374は、副燃焼室361を貫通するように設けられている。
ECU340は、燃料噴射弁27、レールプラグ点火装置374、スロットル駆動装置93bなどに電気的に接続されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の概略動作)
点火装置370により、副燃焼室361の新気混合気は所定のタイミングで着火され燃焼する。すなわち、レールプラグ点火装置374は、副燃焼室361の新気混合気を点火して第1火炎を発生させる。そして、レールプラグ点火装置374は、第1火炎が発生した後も副燃焼室361の新気混合気を連続的に点火して、第4火炎、・・・を発生させる。さらに、レールプラグ点火装置374は、第1火炎が連通路361bに到達した後に副燃焼室361の新気混合気を点火して第2火炎を発生させる。第1火炎、第4火炎、・・・及び第2火炎は、連通路361bを介して主燃焼室63へトーチ状に放射され、主燃焼室63の均質な新気混合気を燃焼させる。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置及び副燃焼室の詳細構成)
図17に、点火装置370及び副燃焼室361の拡大断面図を示す。図17に示す断面図は、副燃焼室361の中心軸CL4を含む面で切った断面図である。
点火装置370は、主として、レールプラグ点火装置374を有する。レールプラグ点火装置374は、副燃焼室壁361cを上方から下方へ貫通するように配置されており、副燃焼室361の上部から副燃焼室361の下部へ向かう方向に延びている。
また、レールプラグ点火装置374は、主として、第1電極部381と第2電極部382と絶縁被覆部材383とを備える(特表平5−508731参照)。第1電極部381の第1電極板381bと第2電極部382の第2電極板382bとは、略平行であり、第1間隔W1を保って対向している。また、第1電極板381bから主燃焼室63側へ続く第1先端部分381aと、第2電極板382bから主燃焼室63側へ続く第2先端部分382aとは、略平行であり、第1間隔W1より小さい第2間隔W2を保って対向している。これにより、レールプラグ点火装置374において、第1電極部381と第2電極部382との間に電圧が印加されたときに、第1電極板381bと第2電極板382bとの間より先に、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で、スパークが発生することになる。
第1電極部381において、第1先端部分381aからさらに主燃焼室63側へ続く接続部分381cは、第1電極板381b及び第1先端部分381aを副燃焼室壁361cへ電気的に接続している。
一方、第2電極部382において、第2先端部分382aからさらに主燃焼室63と反対側(副燃焼室361の上部へ向かう側)へ続く接続部分382cは、第2電極板382b及び第2先端部分382aを本体374dへ電気的に接続している。
ここで、第1先端部分381a及び第2先端部分382aは、第1電極板381b及び第2電極板382bよりも主燃焼室63に近くなっている。第1先端部分381aと第2先端部分382aとは、絶縁被覆部材383を介して電気的に絶縁されている。また、第1電極板381bと第2電極板382bとは、絶縁被覆部材383を介して電気的に絶縁されている。さらに、第1電極板381b及び第1先端部分381aと副燃焼室壁361cとは、絶縁被覆部材383を介して電気的に絶縁されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(点火装置の詳細動作)
レールプラグ点火装置374は、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間でスパークを発生させて、副燃焼室361の新気混合気を点火する。すなわち、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間の位置は第1点火位置(図20のP301参照)となる。この第1点火位置は、副燃焼室361内であって、連通路361bの近傍である。レールプラグ点火装置374は、副燃焼室361の新気混合気を第1点火位置で点火して、第1火炎(図21のF301参照)を発生させる。
第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で発生したスパークは、第1電極板381b及び第2電極板382bを流れる電流が形成する磁場によりローレンツ力を受けて、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を白抜き矢印で示す方向へ移動する。ここで、スパークが移動する速度である移動速度は、第1電極部381と第2電極部382との間に印加される電圧の大きさにより制御される。これにより、レールプラグ点火装置374は、第1火炎が発生した後も副燃焼室361の新気混合気を連続的に点火して、第4火炎、・・・を発生させる。
そして、レールプラグ点火装置374は、第1火炎が連通路361bに到達した後に副燃焼室361の新気混合気を点火して第2火炎を発生させる。すなわち、レールプラグ点火装置374が発生させたスパークの移動先の位置は、第2点火位置(図20のP302参照)となる。この第2点火位置は、副燃焼室361内であって、第1点火位置よりも連通路361bから離れている。また、第2点火位置は、未燃部分R302(図23参照)の容積中心の近傍である。ここで、ここで、未燃部分R302は、第2点火位置で点火が行われるとき(第2タイミング)における第1火炎F301,第4火炎F304,・・・の外面F300aと副燃焼室361の境界面361aとで囲まれた部分である。そして、レールプラグ点火装置374は、副燃焼室361の新気混合気を第2点火位置で点火して、第2火炎(図24のF302参照)を発生させる。
なお、図23に示すように、副燃焼室361は、主として、既燃部分R301と未燃部分R302とを有する。ここで、既燃部分R301は、第1火炎F301の外面F301aが連通路361bに到達したときにおいて第1火炎F301,第4火炎F304,・・・が占有している部分である。
(ECUの詳細構成)
ECU340は、第1点火時期制御部45及び第2点火時期制御部46の代わりに第3点火時期制御部348を備え、記憶部47の代わりに記憶部347を備える。記憶部347は、マップ情報(図3参照)の代わりにマップ情報(図18参照)を記憶している。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(ECUの詳細動作)
第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第3点火時期制御部348は、記憶部347を参照して、マップ情報(図18参照)を受け取る。そして、第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第3点火時期制御信号を生成する。
これにより、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第1タイミングから第2タイミングまで連続的にスパークを発生させる。ここで、第2タイミングは、第1火炎が生成された後すなわち第1タイミングよりも後であって、第1火炎が第2点火位置に到達する前のタイミングである。また、第2タイミングは、第1火炎が連通路361bに到達した後のタイミングである。
あるいは、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第3タイミングにスパークを発生させる。
なお、第1タイミング、第2タイミング又は第3タイミングは、あらかじめ実験的に求められ、記憶部347のマップ情報に関連づけて記憶されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の制御)
ECU340の第3点火時期制御部348が参照するマップ情報を、図18に示す。マップ情報には、機関負荷(Te)や機関速度(Ne)と制御領域との関係が示されている。すなわち、制御領域は、第1制御領域A301及び第2制御領域A302に分けられている。第1制御領域A301は、比較的低負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比がリーンに制御される領域である。第2制御領域A302は、比較的高負荷側の領域であり、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近くなるように制御される領域である。
副室式内燃機関1における制御の流れが、図19に示すように、次の点で第1実施形態と異なる。
ステップS13では、どの制御領域であるかがECU340により判断される。すなわち、ECU340は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、どの制御領域であるかを判断する。制御領域が第1制御領域A301であると判断された場合、ステップS14へ進められ、制御領域が第2制御領域A302であると判断された場合、ステップS16へ進められる。
ステップS14では、第1点火位置で点火が行われる。すなわち、第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第3点火時期制御部348は、記憶部347を参照して、マップ情報(図18参照)を受け取る。そして、第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第3点火時期制御信号を生成する。これにより、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第1タイミングにおいて第1点火位置(第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間)でスパークを発生させる。これにより、第1火炎が生成される。
ステップS17では、第2移動速度で制御が行われる。すなわち、ECU340は、第1火炎が連通路361bに到達するまで、第2移動速度S2で点火ポイントIPが移動させるように、レールプラグ点火装置374を制御する。具体的には、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第2電圧V2を、第1電極部381と第2電極部382との間に印加する。これにより、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で発生したスパークは、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を白抜き矢印(図17参照)で示す方向へ第2移動速度S2で移動する。すなわち、点火ポイントIPは、白抜き矢印で示す方向へ第2移動速度S2で移動する。ここで、第2移動速度S2は、第1伝播速度SP1以下の速度である。第1伝播速度SP1は、第1火炎が第2点火位置へ伝播する速度である。
ステップS18では、第1移動速度で制御が行われる。すなわち、ECU340は、第1火炎が連通路361bに到達した以降に、第1移動速度S1で点火ポイントIPが移動させるように、レールプラグ点火装置374を制御する。具体的には、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第1電圧V1を、第1電極部381と第2電極部382との間に印加する。これにより、第2移動速度S2で移動していたスパークは、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を白抜き矢印(図17参照)で示す方向へ第1移動速度S1で移動させるようになる。すなわち、点火ポイントIPは、白抜き矢印で示す方向へ第1移動速度S1で移動する。ここで、第1移動速度S1は、第1伝播速度SP1よりも大きな速度である。
ステップS15では、第2点火位置で点火が行われる。すなわち、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第2タイミングにおいて第2点火位置でスパークを発生させる。ここで、第2タイミングは、第1火炎が生成された後すなわち第1タイミングよりも後であって、第1火炎が第2点火位置に到達する前のタイミングである。また、第2タイミングは、第1火炎が連通路361bに到達した後のタイミングである。これにより、第2火炎が生成される。
ステップS16では、第1点火位置で点火が行われる。すなわち、第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報を負荷演算部41から受け取り、機関速度の情報を速度演算部42から受け取る。また、第3点火時期制御部348は、記憶部347を参照して、マップ情報(図18参照)を受け取る。そして、第3点火時期制御部348は、機関負荷の情報及び機関速度の情報とマップ情報となどに基づいて、第3点火時期制御信号を生成する。レールプラグ点火装置374は、この第3点火時期制御信号に基づいて、第3タイミングにおいて第1点火位置でスパークを発生させる。これにより、第1火炎が生成される。
このように、制御領域が第2制御領域A302である場合に、第4火炎、・・・、第2火炎は生成されない。このため、副燃焼室361の燃焼期間の短縮が抑制されているので、副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ放射される火炎の速度も抑制される。この結果、主燃焼室63の空燃比が理論空燃比に近く主燃焼室63における燃焼を促進する必要性が低い場合(制御領域が第2制御領域A302である場合)に、主燃焼室63における燃焼期間の短縮も抑制されるので、主燃焼室63における圧力上昇が急激過ぎることで発生する騒音(燃焼騒音)の発生が低減されている。
他の点は、第1実施形態と同様である。
(副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作)
副室式内燃機関300の副燃焼室361における火炎の動作を、図20〜図24を参照して説明する。図20〜図24では、制御領域が第1制御領域A301である場合における火炎の動作が示されている。また、図20〜図24では、点火装置370の図示が省略されている。
図20に示すように、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第1タイミングにおいて第1点火位置P301でスパークS301を発生させる。これにより、副燃焼室361の新気混合気が点火されて、図21に示すように、第1火炎F301が発生する。発生した第1火炎F301は、第1点火位置P301を中心にして、副燃焼室361の境界面361aに到達するまで等方的に伝播される。また、第1火炎F301が図21に示すように伝播しているタイミングにおいても、レールプラグ点火装置374はスパークS303を発生している。このスパークS303は、第1点火位置P301から第2点火位置P302へ向かう方向へ第2移動速度S2で移動しているので、第1火炎F301が伝播している領域の内部に位置している。
そして、図22に示すように、第1火炎F301の外面F301aが連通路361bに到達する。これにより、後述の第2タイミングにおいて、未燃部分R302における新気混合気(未燃燃料)と連通路361bとの間には、第1火炎F301,第4火炎F304,・・・が分布する状態になる。また、スパークS303は、第1火炎F301が伝播している領域で発生したので、新たに火炎を発生させていない。
第1火炎F301の外面F301aが連通路361bに到達した後、レールプラグ点火装置374はスパークS304を発生する。このスパークS304は、第1点火位置P301から第2点火位置P302へ向かう方向へ第1移動速度S1で移動しているので、第1火炎F301が伝播している領域の外部に位置しており、副燃焼室361の新気混合気と接している。
その後、スパークS304により、副燃焼室361の新気混合気が点火されて、第4火炎F304が発生する。発生した第4火炎F304は、図23に示すように、スパークS304が点火した位置を中心にして、副燃焼室361の境界面361a又は第1火炎F301の外面F301aに到達するまで等方的に伝播される。
同様にして、第5火炎F305,・・・が生成される。
第2タイミングにおいて、レールプラグ点火装置374は、第3点火時期制御信号に基づいて、第2点火位置P302でスパークS302を発生させる。これにより、副燃焼室361の未燃部分R302における新気混合気が点火されて、図24に示すように、第2火炎F302が発生する。発生した第2火炎F302は、第2点火位置P302を中心にして、副燃焼室361の境界面361a又は第1火炎F301,第4火炎F304,・・・の外面F300aに到達するまで等方的に伝播される。
これにより、副燃焼室361の容積中心CP4のみで点火されて生成された火炎が伝播される場合に比べて、第1火炎F301,第4火炎F304,・・・及び第2火炎F302の伝播距離が短くなっている。このため、副燃焼室361における燃焼期間は短縮する。
また、第2火炎F302と連通路361bとの間には、第1火炎F301,第4火炎F304,・・・が分布する状態になっている。このため、第2火炎F302による圧力上昇に伴って連通路361bへ向かう新気混合気(未燃燃料)が第1火炎F301,第4火炎F304,・・・により燃焼されるので、副燃焼室361の未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、副燃焼室361の燃焼に用いられる燃料のロスが抑制されており、副燃焼室361の燃焼効率が向上しているので、副燃焼室361における火炎のエネルギーは、主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなる。
一方、第1火炎F301,第4火炎F304,・・・の一部は、火炎F307,F308として、副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へトーチ状に放射される。すなわち、副燃焼室361の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F307,F308が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F307,F308との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。また、副燃焼室361における燃焼期間は短縮しており、副燃焼室361における火炎のエネルギーが主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなっているので、火炎F307,F308の放射速度は、主燃焼室63のリーンな新気混合気を燃焼するのに十分なものとなる。
なお、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間で発生する第4火炎F304,第5火炎F305,・・・は、説明のために、図23に示すような離散的なイメージで示されている。しかし、実際には、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間で発生するスパークが連続的なものであるので、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間で発生する火炎も連続的なものであり、図24に示すように連続的に分布する。図23には、第1火炎F301,第4火炎F304,第5火炎F305,・・・の実際の外面F300aが、破線で示されている。
(副室式内燃機関の特徴)
(1)
ここでは、ECU340は、点火装置370を制御し、まず、第1点火位置P301で点火させて第1火炎F301を生成させる。ECU340は、次に、第1火炎F301が第2点火位置P302に到達する前に第2点火位置P302で点火させる。すなわち、第1火炎F301が生成された後において第1火炎F301が第2点火位置P302に到達する前に、第2点火位置P302で点火が行われて第2火炎F302が生成される。
ここで、第1点火位置P301と第2点火位置P302とで点火が行われるので、副燃焼室361の容積中心CP4のみで点火が行われる場合に比べて、第1火炎F301及び第2火炎F302の伝播距離は短くなっている。このため、副燃焼室361における燃焼期間は短縮する。
また、第1点火位置P301で点火が行われた後に第2点火位置P302で点火が行われるので、第2火炎F302による圧力上昇に伴って連通路361bへ向かう未燃燃料は第1火炎F301により燃焼する。このため、未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
このように、副燃焼室361における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。このため、主燃焼室63における新気混合気の空燃比がリーンであり、それによって副燃焼室361における新気混合気の空燃比もリーンとなるときでも、副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ放射される火炎F307,F308の放射速度は十分なものとなる。この結果、リーン限界が拡大するので、機関熱効率は向上し、排気ガスは清浄化する。
(2)
ここでは、第1点火位置P301は、第2点火位置P302よりも連通路361bに近い。そして、ECU340は、第2点火位置P302で点火する前に第1点火位置P301で点火させるように、点火装置370を制御する。これにより、第2点火位置P302で第2火炎F302が発生する前に、第1点火位置P301で第1火炎F301は発生する。このため、副燃焼室361の全ての新気混合気が燃焼される前のタイミングから主燃焼室63へ火炎F307,F308が放射されている。これにより、主燃焼室63の新気混合気と火炎F307,F308との接触時間が増やされているので、主燃焼室63における燃焼は安定化する。
(3)
ここでは、ECU340は、第1火炎F301の外面F301aが連通路361bに到達した後に第2点火位置P302で点火させるように、点火装置370を制御する。これにより、第2火炎F302が発生したときに、未燃部分R302における新気混合気(未燃燃料)と連通路361bとの間には、第1火炎F301が分布する状態になっている。このため、第2火炎F302による圧力上昇に伴って連通路361bへ向かう未燃燃料は第1火炎F301により確実に燃焼する。この結果、副燃焼室361の未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることは確実に低減される。
(4)
ここでは、第2点火位置P302は、未燃部分R302の容積中心の近傍である。このため、第2点火位置P302で点火することにより生成した第2火炎F302は、未燃部分R302の容積中心の近傍を中心にして等方的に伝播する。これにより、第2火炎F302の伝播距離が短くなるので、副燃焼室361における燃焼期間は短縮する。
(5)
ここでは、ECU340は、第1点火位置P301から第2点火位置P302へ点火ポイントIPが連続的に移動させるように、点火装置370を制御する。このため、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても副燃焼室361の新気混合気は点火される。このため、副燃焼室361における燃焼期間は、第1点火位置P301と第2点火位置P302とのみで点火が行われる場合に比べて、さらに短縮する。
(6)
ここでは、ECU340は、第1火炎F301が連通路361bに到達するまで、第2移動速度S2で点火ポイントIPが移動させるように、点火装置370を制御する。このため、未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
また、ECU340は、第1火炎F301が連通路361bに到達した以降に、第1移動速度S1で点火ポイントIPが移動させるように、点火装置370を制御する。このため、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても、副燃焼室361の新気混合気は確実に点火される。
(7)
ここでは、レールプラグ点火装置374は、スパークの発生位置が連続的に可変である。具体的には、第1電極部381と第2電極部382との間に所定の電圧V1,V2が印加されることにより、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で発生したスパークは、第1電極板381b及び第2電極板382bを流れる電流が形成する磁場によりローレンツ力を受けて、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を、白抜き矢印(図17参照)で示す方向へ移動する。
このように、スパークの発生位置が第1点火位置P301から第2点火位置P302へ連続的に移動するので、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても、副燃焼室361の新気混合気は点火する。
(8)
ここでは、レールプラグ点火装置374は、スパークの移動速度が可変である。具体的には、第1火炎が連通路361bに到達するまで、第1電極部381と第2電極部382との間に第2電圧V2が印加される。これにより、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で発生したスパークは、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を白抜き矢印(図17参照)で示す方向へ第2移動速度S2で移動する。すなわち、点火ポイントIPは、白抜き矢印で示す方向へ第2移動速度S2で移動する。このため、未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることは低減される。
また、第1火炎が連通路361bに到達した以降に、第1電極部381と第2電極部382との間に第1電圧V1が印加される。これにより、第2移動速度S2で移動していたスパークは、第1電極板381bと第2電極板382bとの間を白抜き矢印(図17参照)で示す方向へ第1移動速度S1で移動させるようになる。すなわち、点火ポイントIPは、白抜き矢印で示す方向へ第1移動速度S1で移動する。このため、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても、副燃焼室361の新気混合気は確実に点火される。
(9)
ここでは、ECU340は、機関負荷が低い場合(制御領域が第1制御領域A301である場合)に、第1点火位置P301と第2点火位置P302とで副燃焼室361の新気混合気を点火させるように、点火装置370を制御する。具体的には、ECU340は、機関負荷が低い場合に、第1火炎F301が生成された後において第1火炎F301が第2点火位置P302に到達する前に第2点火位置P302で点火させるように、点火装置370を制御する。このため、機関負荷が低い場合に、副燃焼室361における燃焼期間が短縮され、未燃燃料が副燃焼室361から連通路361b経由で主燃焼室63へ排出されることが低減されている。この結果、主燃焼室63における燃焼期間が短縮され、リーン限界は拡大する。
一方、ECU340は、機関負荷が高い場合に、第1点火位置P301で副燃焼室361の新気混合気を点火させるように、点火装置370を制御する。このため、機関負荷が高い場合に、副燃焼室361における燃焼期間の短縮は抑制される。この結果、主燃焼室63における燃焼期間の短縮が抑制され、主燃焼室63における燃焼騒音の発生が低減される。
このように、副燃焼室361における燃焼期間が運転状態に応じて制御されるので、主燃焼室63における燃焼期間は運転状態に応じた適切なものとなる。
(第4実施形態の変形例)
(A)図19に示すフローチャートにおいて、ステップS17は省略されても良い。すなわち、第1先端部分381aと第2先端部分382aとの間で発生したスパークは、第1点火位置P301から第2点火位置P302へ第1移動速度S1で移動させるように、点火装置370が制御されても良い。この場合、点火ポイントが副燃焼室361の新気混合気に確実に接するようになるので、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても、副燃焼室361の新気混合気は確実に点火する。
(B)副室式内燃機関300iのレールプラグ点火装置374iは、図17に示す構成である代わりに、図25に示すような構成であっても良い。図25に示す断面図は、副燃焼室361の中心軸CL4を含む面で切った断面図である。すなわち、第1電極部381iの第1電極板381biと第2電極部382iの第2電極板382biとは、略平行であり、第1間隔W1iを保って対向している。また、第1電極板381biから主燃焼室63側へ続く第1先端部分381aiと、第2電極板382biから主燃焼室63側へ続く第2先端部分382aiとは、略平行であり、第1間隔W1iより小さい第2間隔W2iを保って対向している。これにより、レールプラグ点火装置374iにおいて、第1電極部381iと第2電極部382iとの間に電圧が印加されたときに、第1電極板381biと第2電極板382biとの間より先に、第1先端部分381aiと第2先端部分382aiとの間で、スパークが発生することになる。
第1電極部381iにおいて、第1先端部分381aiからさらに主燃焼室63側へ続く接続部分381ciは、第1電極板381bi及び第1先端部分381aiを副燃焼室壁361cへ電気的に接続している。
一方、第2電極部382iにおいて、第2先端部分382aiからさらに主燃焼室63と反対側(副燃焼室361の上部へ向かう側)へ続く接続部分382ciは、第2電極板382bi及び第2先端部分382aiを本体374diへ電気的に接続している。
ここで、第1電極板381biを流れる電流の方向は、図面において上から下へ向かう方向である。また、接続部分382ciを流れる電流の方向も、図面において上から下へ向かう方向である。このため、第1電極板381biを流れる電流が発生する磁界の方向と、接続部分382ciを流れる電流が発生する磁界の方向とは一致している。これにより、第1電極板381biを流れる電流の方向と接続部分382ciを流れる電流の方向とが逆である場合に比べて、スパークに働くローレンツ力はさらに強くなる。このため、スパークの移動速度すなわち点火ポイントIPiの移動速度をさらに大きくすることができるようになる。
(C)点火装置370は、レールプラグ点火装置374の代わりに、レーザ点火装置(図13,図14参照)を備えても良い。この場合、レーザ点火装置は、レーザの焦点位置が連続的に可変である。このため、レーザの焦点位置が第1点火位置P301から第2点火位置P302へ連続的に移動させるように制御されれば、第1点火位置P301と第2点火位置P302との間においても、副燃焼室361の新気混合気は点火する。
本発明に係る副室式内燃機関は、リーン限界を拡大できるという効果を有し、副室式内燃機関等として有用である。
本発明の第1実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第1実施形態における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。 第1実施形態におけるマップ情報を示す図。 第1実施形態の副室式内燃機関における制御の流れを示すフローチャート。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 本発明の第2実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第2実施形態における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。 第2実施形態におけるマップ情報を示す図。 本発明の第3実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第3実施形態における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。 本発明の第3実施形態における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。 第3実施形態におけるマップ情報を示す図。 本発明の第4実施形態に係る副室式内燃機関の断面図。 本発明の第4実施形態における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。 第4実施形態におけるマップ情報を示す図。 第4実施形態の副室式内燃機関における制御の流れを示すフローチャート。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 副室式内燃機関の副燃焼室における火炎の動作を示す図。 本発明の第4実施形態の変形例における点火装置及び副燃焼室の拡大断面図。
符号の説明
1,100,200,300 副室式内燃機関
40,140,240,340 ECU(制御部)
61,161,261,361 副燃焼室
61b,161b,261b,361b 連通路
63 主燃焼室
70,170,270,370 点火装置(点火部)
71 第1点火プラグ(第1点火部)
72 第2点火プラグ(第2点火部)
171 レーザ点火装置(第1点火部)
273 レーザ点火装置
374 レールプラグ点火装置(火花点火装置)

Claims (12)

  1. 主燃焼室と、
    前記主燃焼室に隣接する副燃焼室と、
    前記主燃焼室と前記副燃焼室とを連通する連通路と、
    前記主燃焼室から前記連通路経由で前記副燃焼室へ導入された新気混合気を、前記副燃焼室内であって前記連通路の近傍である第1点火位置と、前記副燃焼室内であって前記第1点火位置よりも前記連通路から離れている第2点火位置とで点火する点火部と、
    前記点火部を制御し、まず、前記第1点火位置で点火させて第1火炎を生成させ、次に、前記第1火炎が前記第2点火位置に到達する前に前記第2点火位置で点火させる制御部と、
    を備えた、
    副室式内燃機関。
  2. 前記制御部は、前記第1火炎が前記連通路に到達した後に前記第2点火位置で点火させるように、前記点火部を制御する、
    請求項1に記載の副室式内燃機関。
  3. 前記第2点火位置は、前記副燃焼室の容積中心の近傍である、
    請求項1又は2に記載の副室式内燃機関。
  4. 前記第2点火位置は、点火されるときにおける前記第1火炎の外面と前記副燃焼室の境界面とで囲まれた部分である未燃部分の容積中心の近傍である、
    請求項2に記載の副室式内燃機関。
  5. 前記制御部は、前記第1点火位置から前記第2点火位置へ点火ポイントが連続的に移動させるように、前記点火部を制御する、
    請求項1又は2に記載の副室式内燃機関。
  6. 前記制御部は、前記第1火炎が前記第2点火位置へ伝播する速度である第1伝播速度よりも大きな速度である第1移動速度で点火ポイントが移動させるように、前記点火部を制御する、
    請求項5に記載の副室式内燃機関。
  7. 前記制御部は、前記第1火炎が前記連通路に到達するまで、前記第1火炎が前記第2点火位置へ伝播する速度である第1伝播速度以下の速度である第2移動速度で点火ポイントが移動させるように前記点火部を制御し、前記第1火炎が前記連通路に到達した後は、前記第1伝播速度よりも大きな速度である第1移動速度で点火ポイントが移動させるように前記点火部を制御する、
    請求項5に記載の副室式内燃機関。
  8. 前記点火部は、
    前記副燃焼室の新気混合気を前記第1点火位置で点火する第1点火部と、
    前記副燃焼室の新気混合気を前記第2点火位置で点火する第2点火部と、
    を有する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  9. 前記点火部は、レーザの焦点位置が連続的に可変であるレーザ点火装置を有する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  10. 前記点火部は、火花の発生位置が連続的に可変である火花点火装置を有する、
    請求項5から9のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  11. 前記制御部は、機関負荷が低い場合に、前記第1点火位置と前記第2点火位置とで前記副燃焼室の新気混合気を点火させるように前記点火部を制御し、機関負荷が高い場合に、前記第1点火位置及び前記第2点火位置のいずれか一方で前記副燃焼室の新気混合気を点火させるように前記点火部を制御する、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の副室式内燃機関。
  12. 前記制御部は、機関負荷が高い場合に、前記第1点火位置で前記副燃焼室の新気混合気を点火させるように、前記点火部を制御する、
    請求項11に記載の副室式内燃機関。
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