JP4415269B2 - 内燃機関のレーザ点火装置 - Google Patents

内燃機関のレーザ点火装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4415269B2
JP4415269B2 JP2005056267A JP2005056267A JP4415269B2 JP 4415269 B2 JP4415269 B2 JP 4415269B2 JP 2005056267 A JP2005056267 A JP 2005056267A JP 2005056267 A JP2005056267 A JP 2005056267A JP 4415269 B2 JP4415269 B2 JP 4415269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
laser
combustion chamber
laser beam
laser light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005056267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006242034A (ja
Inventor
剛史 溝渕
谷  泰臣
則夫 山本
公孝 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2005056267A priority Critical patent/JP4415269B2/ja
Publication of JP2006242034A publication Critical patent/JP2006242034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4415269B2 publication Critical patent/JP4415269B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は内燃機関のレーザ点火装置、特に複数のレーザ光照射手段の焦点位置が変更可能なものに関する。
車両のエンジンなどの内燃機関において、レーザ光で燃焼室内の可燃混合気(混合気)に点火するレーザ点火装置が知られている。即ち、燃料噴射弁により供給された燃料は燃焼室で空気と混合され、燃焼室に混合気が形成されている。燃焼室の混合気をピストンにより圧縮した後、レーザ点火装置のレーザ発振器から照射されレンズにより集光したレーザ光で混合気に点火する。点火により混合気は爆発及び膨張し、その熱エネルギが動力として利用される。
レーザ点火装置による点火直前において、燃焼室に燃料の割合が多いリッチ領域及び燃料の割合が少ないリーン領域が偏在している場合がある。この場合、リッチ領域とリーン領域とで燃焼速度が異なり、燃焼速度が遅い領域(リーン領域)でノッキングが発生する虞がある。ノッキングの発生は、エンジンの出力を低下させる。また、内燃機関の熱効率を向上させるためには、混合気の燃焼速度を向上させること、例えば複数の点火手段を同時に駆動することが望ましい。しかし、燃焼速度を急激に向上させると熱が発生し、燃焼ガスの温度上昇によりNOxの発生量が増加し、排気エミッションが悪化する。
こうした問題に対処するため、従来から種々の技術が開発されている。従来の点火装置(特許文献1参照)では、レーザ光発振器で混合気に点火した後の火炎の伝播挙動を観察している。即ち、燃焼室の周辺領域に配置したファイバで火炎伝播挙動を観察し、その結果に応じてレーザ光発振器による点火位置を調整し、火炎が燃焼室内に均等に伝播するようにしている。これにより燃焼室の各領域での温度差が小さくなり、ノッキングの発生が防止される。
また、従来の点火時期制御装置(特許文献2参照)では、燃焼室に配置した複数の点火プラグの点火時期をずらせている。即ち、燃焼室の中心領域及び周辺領域に複数の点火プラグを設置し、周辺領域の点火プラグを先に、中心領域の点火プラグを後に点火している。このようにすれば、燃焼期間を長くすることなく急激な熱の発生が回避され、NOxの発生が低減される。
特開平5−33755号公報 特開平6−323230号公報
上記第1従来例及び第2従来例には以下の点で改良の余地がある。まず、第1従来例では、燃焼室の中心部の一つの点火手段で一カ所から混合気を加熱すると燃焼温度が急激に上昇し易く、NOxが発生し、排気エミッションの改善を図ることは難しい。また、第2従来例では、燃焼室の周辺部に配置された複数の点火プラグの位置が固定されている。そのため、例えば成層燃焼(燃焼室の中心部に混合気を集中させ、周辺部が着火不可領域までリーンとなる)での運転条件では、リーンな周辺部で点火プラグが失火する虞がある。また、燃焼室の周辺部において円周方向にスワールによる気流を発生させた場合、スワール気流の強度によっては周辺部の点火手段が失火する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ノッキングの発生を防止できNOxを低減でき、しかも運転条件が成層燃焼やスワール気流の場合にも対応できる、内燃機関のレーザ点火装置を提供することを目的とする。
(イ)本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、複数のレーザ光照射手段を混合気の分布状態やエンジンの運転状態に応じて最適な位置及び時期で点火可能とすることを着想し、本発明を完成するに至った。第1発明のレーザ点火装置は、請求項1に記載したように、内燃機関の燃焼室内に配置され混合気にレーザ光を照射し点火する複数のレーザ光照射手段と、燃焼室内の点火可能な位置が記憶された第1マップと、第1マップに基づきレーザ光照射手段のレーザ光の焦点位置を変更する位置変更手段と、点火位置での点火時期が記憶された第2マップに基づきレーザ光照射手段のレーザ光の照射時期を制御する時期制御手段と、を備えている。そして、位置変更手段は、燃焼室の中心部に一つの焦点位置を、周辺部に円周方向に離れた複数の焦点位置を形成する。
第2発明のレーザ光点火装置は請求項2に記載したように、内燃機関の燃焼室内に配置され混合気にレーザ光を照射し点火する複数のレーザ光照射手段と、燃焼室内の混合気の分布を計測する計測手段と、計測手段の計測結果に基づきレーザ光照射手段のレーザ光の焦点位置を変更する位置変更手段と、点火位置での点火時期が記憶された第2マップに基づきレーザ光照射手段のレーザ光の照射時期を制御する時期制御手段と、を備えている。そして、位置変更手段は、燃焼室の中心部に一つの焦点位置を、周辺部に円周方向に離れた複数の焦点位置を形成する。
(ロ)次に、本発明のレーザ点火装置の構成要素の種々の態様につき説明する。燃料の噴射場所は吸気管でも燃焼室でも良い。後者(筒内直接噴射式)では燃焼室内の位置によって混合気の濃度が異なることが多く、特に成層運転の場合はこの傾向が顕著になる。複数のレーザ光照射手段から照射されるレーザ光は、後述する変更手段により燃焼室の周辺部に二つ以上、中心部に一つ合焦されることが望ましい。なお、中心部に合焦されることは不可欠ではない。レーザ光照射手段は具体的にはレーザ光発振器から成る。
a.位置変更手段は燃焼室内において、第1マップ又は計測手段の計測結果に基づき、複数のレーザ照射手段のそれぞれが照射するレーザ光の焦点(点火)位置を変更する。位置の変更には、レーザ光の光軸上における変更と、レーザ光の光軸直角方向における変更との両方が含まれる。なお、最適な点火位置は時間の経過とともに変化する。第1マップは実験を通じて作成され、内燃機関の運転状態に応じて、燃焼室内の点火可能な位置を記憶している。点火位置は適正濃度よりもリッチ過ぎる位置でも良くないし、リーン過ぎる位置でも良くない。
具体的には、燃焼室内の当量比が0.5から2.0となる領域が点火可能位置である。最適位置は当量比が0.8から1.2となる領域である。なお、「当量比」とは、混合気の実空燃比に対する混合気の理論空燃比であり、当量比が1となる位置における混合気は、理論空燃比の状態となる。当量比が1となる領域が最適位置となるが、そのような領域は非常に狭いため、ある程度の幅を持たせて、当量比を0.5〜2.0とした。
また、燃焼室内に照射された濃度計測用レーザ光の強度に基づき混合気の濃度分布を計測しても良い。例えば、濃度計測用レーザ光の波長を燃料の吸収波長付近とすれば、燃焼室内の燃料の濃度に応じて濃度計測用レーザ光の強度が異なり、混合気の濃度分布を計測できる。位置変更手段は例えば集光レンズ及び駆動素子から成り、その個数はレーザ光照射手段の個数と同数である。
b.時期制御手段は、複数のレーザ照射手段のレーザ光によるそれぞれの点火位置における照射時期を決める。周辺部のレーザ光照射手段を先に、中心部のレーザ光照射手段を後に作動させることが望ましい。複数の周辺部のレーザ光照射手段は同時にレーザ光を照射しても良いし、異なる時期(タイミング)でレーザ光を照射しても良い。異なるタイミングとは複数の点火位置で順次点火すること、及びリッチ・リーン等に合わせて任意に点火することを含む。
中心部及び周辺部の複数のレーザ光照射手段の照射時期は、内燃機関の運転状態と点火位置での点火時期との関係が記憶された第2マップに基づき決めることができる。この第2マップは実験を通して作成したもので、エンジンの回転数、燃焼室内でのリッチ・リーン、成層燃焼及びスワール気流なども考慮して、上記点火可能位置での適当な点火時期を記憶している。
第1発明のレーザ点火装置によれば、複数のレーザ光照射手段から第1マップ及び第2マップに基づき燃焼室内の最適位置に最適のタイミングでレーザ光を照射し混合気に点火するので、ノッキングの発生を防止できるとともにNOxを低減できる。また、燃焼室の中心部に一つの点火位置を、周辺部に複数の点火位置を配置したので、燃焼室内の種々のリッチ領域及びリーン領域に対応できる。第2発明のレーザ点火装置によれば、第1発明の効果に加えて、燃焼室内の混合気の分布の計測で正確にできるので、点火の位置及び時期がより正確になる。また、燃焼室の中心部に一つの点火位置を、周辺部に複数の点火位置を配置したので、燃焼室内の種々のリッチ領域及びリーン領域に対応できる。
請求項3のレーザ点火装置によれば、第1マップはエンジンの運転状態に基づき作成しているので、点火位置の決定が正確である。請求項4のレーザ点火装置によれば、周辺部の点火位置で先に混合気に点火し中心部の点火位置で後に点火するので、燃焼室全体の温度上昇が緩やかになる。
請求項5のレーザ点火装置によれば、周辺部の点火位置で先に混合気に点火し中心部の点火位置で後に点火するので、燃焼室全体の温度上昇が緩やかになる。また、周辺部の点火位置で異なる時期に混合気に点火するので、リッチ領域とリーン領域とが円周方向で偏在している場合や、スワール気流を付与した場合に好都合である。請求項6のレーザ点火装置によれば、第2マップは内燃機関の運転状態と点火位置での点火時期との関係で決定したので、最適位置で及び最適時期に混合気に点火できる。
以下、本発明のレーザ点火装置を自動車用筒内直接噴射式内燃機関に適用した最良の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
<第1の最良の形態>
(構成)
図1に筒内直接噴射式内燃機関(以下、「エンジン」という)を示す。このエンジンでは、シリンダブロック10のシリンダボア11にピストン13が摺動可能に滑合されている。シリンダブロック10をシリンダヘッド(不図示)が覆い、燃焼室15を区画している。シリンダヘッド10に吸気管21、排気管24、燃料噴射弁27及びレーザ光照射器30が取り付けられている。燃料噴射弁27は吸気弁22の近傍に配置され、レーザ光照射器30は吸気弁22と排気弁25との間に配置されている。
空気を吸い込む吸気管21の吸気口が吸気弁22により開閉され、燃焼ガス(排気ガス)を排気する排気管24の排気口が排気弁25により開閉される。燃料タンクに接続された燃料噴射弁27は燃料を直接燃焼15室に噴射する。レーザ光照射器30は、燃焼室15内の混合気にレーザ光を照射して点火する。
次に、図2に示すレーザ光照射器30は筒状のハウジング31内に、4つのレーザ光発生器33a,33b,33c及び33d、4つの集光レンズ35、4組の駆動素子37及び保護ガラス36が内蔵されている。ハウジング31は筒状の先端部(図1及び図2の下端部)32が燃焼室15内に突出するようにシリンダヘッドに固定されている。レーザ光発生器33aから33dは制御装置(不図示)により制御されレーザ光を発生する。凸レンズからなる集光レンズ35はハウジング31の先端部32に固定され、駆動素子37により独立して駆動され、各集光位置を変更できる。
ピエゾ素子等から成る駆動素子37は、集光レンズ35の一側及び他側にそれぞれ1つずつ配置されている。具体的には、駆動素子37の一端側が集光レンズ35に接し、他端側がハウジング31の一部に接しており、制御装置により制御される駆動素子37の駆動により集光レンズ35が移動する。集光レンズ35が移動すると、集光レンズ35により集光されたレーザ光の焦点位置が移動する。レーザ光照射器30と制御装置とが本発明のレーザ点火装置を構成する。
(作用)
次に、レーザ点火装置の作動につき説明する。吸気管21から吸入される空気と、燃料噴射弁27から噴射される燃料とで混合気を形成した後、レーザ光照射器30からレーザ光を燃焼室15内に集光し、点火する。つまり、4つのレーザ光発生器33aから33d、4つの集光レンズ35及び4組の駆動素子37により、図3に示すように、4つの照射窓38から燃焼室15に4つの焦点位置(点火位置)a、b、c及びdを形成する。最適焦点位置は制御装置の第1マップにより決定され、この最適焦点位置にレーザ光の焦点位置が一致するように集光レンズ35が駆動素子37により駆動される。ここでは燃焼室15の中心部16a又はその近傍に1つの焦点位置aが配置され、周辺部16bに円周方向に離れて3つの焦点位置b、c及びdが配置されている。
まず周辺部16bの点火位置b、c及びdで同時に混合気に点火し、所定時間経過後に中心部16aの点火位置aで混合気に点火する。点火により燃焼室15内の混合気が燃焼し、その熱エネルギによりピストン13が往復移動し、エンジンの出力軸であるクランクシャフト(不図示)が回転する。混合気が燃焼した後の排気ガスは排気管24から排出される。
(効果)
この最良の形態によれば、燃焼室15の外周部16bの三つの点火位置b、c及びdを第1マップにより最適位置に選択できる。また、外周部16bの点火位置b、c及びdで同時に点火した後中心部16aの点火位置aで点火しており、図4(b)に示すように火炎は燃焼室15の周辺部から中心方向に向かって進むため、時間が経過するほど火炎面積が低下する。その結果、燃焼期間が短縮され、熱発生率のピークを抑えることができる。即ち、熱発生率は図4(a)にiで示すように全体がなだらかになり、それによりノッキングの防止及びNOxの低減を両立させることができる。
これに対して、前記第1従来例では、点火プラグ等は燃焼室の中心部の一ヶ所において混合気に点火する。この場合、図4(c)に示すように燃焼室15の中心部より周辺部に火炎伝播が進むため、火炎面積は時間が経過するほど増大する。その結果、熱発生率は図4(a)にjで示すように一部分が急峻になる。
<第2の最良の形態>
(構成)
第2の最良の形態は、第1の最良の形態と比較して、燃焼室15の周辺部16bでのレーザ光照射時期即ち混合気への点火時期をずらせている。以下、第1の最良の形態と共通部分は簡単に説明し、異なる構成を中心に説明する。
実際の燃焼室15内の混合気では、エンジンの回転数及び負荷により周辺部の円周方向で燃料の割合が多いリッチ領域と、燃料の割合が少ないリーン領域とが偏在している場合がある。この場合、周辺部16bの点火位置b、c及びdで同時に点火すると、リッチ・リーンの程度によっては各点火位置での燃焼速度にばらつきが生じ、熱効率低下を招いたり、燃焼速度の遅い領域ではノッキングが発生する虞がある。
また、図5に示す成層燃焼のように燃焼室15の中心部16aと周辺部16bとで混合気の濃度が異なり、しかも周辺部16bにリッチ領域とリーン領域とが偏在する場合がある。更に、図6に示すように、スワール等で燃焼室15内に強制的に周方向の気流を発生させた場合、中心部16aから周辺部16bに進むにつれて流速が速くなる。
これらを考慮して、第2最良の形態では外周部16bの複数の点火位置での混合気への点火時期をずらせている。まず、図7を参照しつつ、レーザ光照射器30を制御する制御装置40を説明する。制御装置40は時期制御部42と、位置制御部45とを備えている。時期制御部42はエンジンの運転状態等に基づき点火時期を判断し、レーザ光発生器30からのレーザ光の発生時期を制御する。「運転状態」とは、エンジンの回転数や、成層運転モードのオン・オフ、油水温、噴射時期又はスワール弁開度や、エンジン負荷を判定するための吸気管の負圧又は吸入空気量又はスロットル開度である。
位置制御部45は駆動素子37の駆動を制御するもので、エンジンの運転状態に関する情報を入力される情報入力部46、レーザ光の最適焦点位置に関する第1マップ及び最適時期に関する第2マップを記憶しているマップ記憶部47、レーザ光の最適焦点位置を決定する位置決定部48、及びレーザ光の焦点位置を移動させる移動制御部49から構成される。
マップ記憶部47に記憶された第1マップ及び第2マップについて詳述する。上述したように、エンジンの運転条件によって点火直前の燃焼室15内の混合気の状態は大きく異なり、運転条件によっては燃焼室15内にリーン領域やリッチ領域が発生する。そこで、予め実験等でエンジンの運転条件と混合気の濃度分布の関係を計測しておき、回転数に対する点火可能な位置及び時期をマップ化して第1マップ及び第2マップを作成し、マップ記憶部47に記憶しておく。例えば図8(a)に示すように混合気の当量比が異なると、燃焼速度が変化する。また、スワール弁等を用いて燃焼室15内にスワール流等の気流を強制的に発生させる場合、図8(b)に示すように、点火位置によっては火炎が吹き消えてしまう虞がある。そのため、スワール弁開度に対する点火可能な位置及び時期をマップ記憶部47に記憶しておく。
(作用)
次に、第2の最良の形態の作用を説明する。図9に示す制御フローチャートにおいて、まず、ステップS11で情報入力部46からエンジンの運転条件を読み込む。読込む運転条件は、例えば回転数や、成層運転モードのオン・オフや、スワール弁開度等である。次に、ステップS12でマップ記憶部47の第1マップを用いて、位置決定部48によりエンジンの運転条件によって点火可能な最適点火位置を算出する。次に、ステップS13で、移動制御部49によりレーザ光照射器30の駆動素子37により集光レンズ35の傾きを変更して焦点位置を変化させる。
続いて、ステップS14で、マップ記憶部47の第2マップにより複数のレーザ照射器30のそれぞれの点火位置での最適の点火時期を算出する。基本的には当量比が適正濃度よりもリッチ又はリーンである程、またスワール気流の流速が遅い程、点火時期を早くする。次に、ステップS15で時期制御部42により各レーザ光発生器33aから33dより最適焦点位置にレーザ光を照射する。
(効果)
第2の最良の形態によれば、エンジンの運転状態等に応じて、最適場所に最適時期にレーザ光を照射し、混合気に点火できる。例えば、図5に示す成層燃焼の場合は燃焼室15の外周部16bで先に点火し、中心部16aで後に点火し、しかも外周部16bの複数の点火位置の点火時期は必要に応じて時間差を設ける。
また、エンジンの回転数及び負荷により燃焼室15の周辺部16bで円周方向において、純正濃度領域、リッチ領域及びリーン領域が偏在しているときは、リッチ領域又はリーン領域を純正濃度領域よりも先に点火する。リッチ領域とリーン領域とでは、リーン領域を先に、リッチ領域を後に点火する。その結果、NOxの低減及びノッキングの防止が実現できる。
更に、図6に示すスワール気流を考慮して、点火時期を決めることもできる。即ち、燃焼室15の周辺部16bに内にスワール弁により強制的に付与したスワール流に点火した場合、火炎はスワール流に乗って広がる。そこで、周辺部16bの点火位置b、c及びdをスワール流と対向した順番(d→c→b)に点火する。
このように、燃焼室15の周辺部16bの三つの点火位置b、c及びdでの点火時期をずらせることにより、火炎の広がりが燃焼室内で偏ることもなく、常に安定した燃焼が得られるとともに、ノッキングの発生を抑制できる。その結果、第2従来例のような複数の点火プラグ等の固定点火位置では燃焼できない虞があるエンジンの運転条件でも確実に点火可能となり、熱効率向上及び排気エミッション改善の効果が得られる。
<第3の最良の形態>
以下に、各点火位置での混合気の濃度分布の計測方法が変形された第3の最良の形態を示す。上記第1及び第2の最良の形態では、予め実験等で計測した計測結果をマップ化していた。その代わりに、図10及び11に示した第3の最良の形態では、燃焼室15内の混合気の濃度分布を直接計測している。詳述すると、シリンダブロック10とシリンダヘッドとの間に燃焼室15の半径方向内向きに計測用レーザ照射器80が配置され、燃焼室15の上部においてレーザ光をシート状に照射する。レーザ光を受ける計測器82が直径方向でレーザ光照射器80に対向する部分に配置されている。
この変形例の制御フローチャートを図11に示す。ステップS21でエンジンの運転情報を取り込んだ後、ステップS22でレーザ光照射器80から計測用レーザ光を照射する。これに基づきステップS23で混合気の濃度分布を計算する。つまり、点火用レーザ光照射器30による混合気への点火時期の直前に、計測用レーザ光照射器80から燃料の吸収波長に近いレーザ光を燃焼室15にシート状に照射する。照射された計測用レーザ光は燃料により吸収されるため、計測器82での強度は燃料濃度に応じて変化する。
次に、ステップS24で駆動素子37を制御して集光レンズ35焦点位置即ち点火位置を変更する。最後に、ステップS25でマップに基づき各点火位置での点火時期を算出する。つまり、濃度分布を計測器82に取り込み、その結果に基づき点火に最適な燃料濃度の位置及び時期を見出して、点火する。この第3の最良の形態によれば、燃焼室15内の濃度分布を実測しているので、点火位置及び点火時期の判断がより的確になる。また、予め第1マップ及び第2マップを作成する必要がないので、その分手間が省ける。
<変形例>
上記第1から第3の最良の形態は以下のような変形が可能である。例えば、燃焼室15の周辺部16bのみで点火し、中心部16aでは点火しない場合もある。この場合、点火位置の個数は2から8の範囲で変更できる。また、燃焼室15の周辺部16b及び中心部16aで点火する場合、周辺部16bの点火位置の個数は2、4、5・・に変更でき、中心部の点火位置の個数は2、3・・に変更できる。更に、図12に示すように、燃焼室15の外周部16bに4つの点火位置mを配置し、半径方向中間部16cに3つの点火位置nを配置して、二重(同心円)状にしても良い。
なお、何れの場合も、点火位置の個数と同数のレーザ発振器を配置したり、又は点火位置と個数よりも少ないレーザ発振器のレーザ光を、光学系で点火位置と同数のレーザ光に分岐させても良い。
第1の最良の形態の全体説明図である。 (a)は第1の最良の形態のレーザ光照射器の要部縦断面図、(b)は同じく斜視図である。 第1の最良の形態のレーザ光照射器による点火位置の説明図である。 (a)は第1の最良の形態及び従来例における時間と発熱量との関係を示すグラフ、(b)は第1の最良の形態における火炎の伝播の説明図、(c)は従来例における火炎の伝播の説明図である。 第2の最良の形態における成層燃焼の説明図である。 第2の最良の形態におけるスワール気流の説明図である。 第2の最良の形態の制御装置を示すブロック図である。 (a)は第2の最良の形態における当量比と燃焼温度との関係を示すグラフ、(b)は気流の流速と燃焼温度との関係を示すグラフである。 第2の最良の形態の作用を説明するフローチャートである。 第3最良の形態の全体説明図である。 第3の最良の形態の作用を説明するフローチャートである。 変形例における点火位置の説明図である。
符号の説明
10:シリンダ 15:ピストン 16a:中心部
16b:周辺部 22:吸気弁 25:排気弁
30:レーザ光照射器 33aから33d:レーザ光発生器
45:集光レンズ 37:駆動素子 40:制御装置
42:時期制御部 45:位置制御部 47:マップ記憶部

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室(15)内に配置され、混合気にレーザ光を照射し点火する複数のレーザ光照射手段(33aから33d)と、
    前記燃焼室内の点火可能な位置が記憶された第1マップと、
    前記第1マップに基づき、前記レーザ光照射手段のレーザ光の焦点位置を変更する位置変更手段(35,37)と、
    前記点火位置での点火時期が記憶された第2マップに基づき、前記レーザ光照射手段のレーザ光の照射時期を制御する時期制御手段(42)と、
    を備える内燃機関のレーザ点火装置であって、
    前記位置変更手段は、燃焼室の中心部(16a)に一つの焦点位置を、周辺部(16b)に円周方向に離れた複数の焦点位置を形成することを特徴とする内燃機関のレーザ点火装置。
  2. 内燃機関の燃焼室(15)内に配置され、混合気にレーザ光を照射し点火する複数のレーザ光照射手段(33aから33d)と、
    前記燃焼室内の混合気の濃度分布を計測する計測手段(80,82)と、
    前記計測手段の計測結果に基づき、前記レーザ光照射手段のレーザ光の焦点位置を変更する位置変更手段(35,37)と、
    前記点火位置での点火時期が記憶された第2マップに基づき、前記レーザ光照射手段のレーザ光の照射時期を制御する時期制御手段(42)と、
    を備える内燃機関のレーザ点火装置であって、
    前記位置変更手段は、燃焼室の中心部(16a)に一つの焦点位置を、周辺部(16b)に円周方向に離れた複数の焦点位置を形成することを特徴とする内燃機関のレーザ点火装置。
  3. 前記第1マップは内燃機関の運転状態に応じて、燃焼室内の点火可能な位置を記憶している請求項1に記載のレーザ点火装置。
  4. 前記時期制御手段は、周辺部の複数の前記レーザ光照射手段のレーザ光を同時に照射させ、その後中心部の前記レーザ光照射手段のレーザ光を照射させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  5. 前記時期制御手段は、周辺部の複数の前記レーザ光照射手段のレーザ光を異なるタイミングで照射させ、その後中心部の前記レーザ光照射手段のレーザ光を照射させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  6. 前記第2マップは、前記内燃機関の運転状態と前記点火位置での点火時期との関係が記憶されている請求項4又は5に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
JP2005056267A 2005-03-01 2005-03-01 内燃機関のレーザ点火装置 Expired - Fee Related JP4415269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005056267A JP4415269B2 (ja) 2005-03-01 2005-03-01 内燃機関のレーザ点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005056267A JP4415269B2 (ja) 2005-03-01 2005-03-01 内燃機関のレーザ点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006242034A JP2006242034A (ja) 2006-09-14
JP4415269B2 true JP4415269B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=37048695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005056267A Expired - Fee Related JP4415269B2 (ja) 2005-03-01 2005-03-01 内燃機関のレーザ点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4415269B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT506201B1 (de) 2007-12-20 2009-09-15 Ge Jenbacher Gmbh & Co Ohg Laserzündeinrichtung
PL384721A1 (pl) 2008-03-17 2009-09-28 Wiesław Olędzki Urządzenie zapłonu laserowego do silnika spalinowego w szczegółności silnika czterosuwowego, zasilanego alkoholem etylowym, metylowym oraz benzyną, naftą i benzelem(benzenem)
JP5136793B2 (ja) * 2008-12-15 2013-02-06 三菱自動車工業株式会社 エンジンの燃焼制御装置
US8127732B2 (en) * 2009-06-22 2012-03-06 General Electric Company Laser ignition system and method for internal combustion engine
JP6084076B2 (ja) * 2013-03-12 2017-02-22 大阪瓦斯株式会社 多点点火式エンジン
RU2531473C1 (ru) * 2013-07-17 2014-10-20 Николай Борисович Болотин Двигатель внутреннего сгорания и способ работы двигателя внутреннего сгорания
RU2649720C1 (ru) * 2017-01-10 2018-04-04 Николай Борисович Болотин Лазерная свеча зажигания

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006242034A (ja) 2006-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4415269B2 (ja) 内燃機関のレーザ点火装置
JP4374495B2 (ja) 内燃機関
JP6206364B2 (ja) 内燃機関
US20090133655A1 (en) Laser ignition system
JP2006329092A (ja) 副室式内燃機関
JP2016000969A5 (ja)
JP2006242039A (ja) 内燃機関用レーザ点火装置
JP2011058890A (ja) 燃焼室観測装置
JP2006316715A (ja) 副室式内燃機関
JP2006220091A (ja) レーザ着火式エンジン
JP4294603B2 (ja) 内燃機関用レーザ点火装置
JP4911325B2 (ja) エンジンの燃焼制御装置
JP4419788B2 (ja) 内燃機関のレーザ点火装置
JP4731952B2 (ja) レーザ点火装置及び方法
JP3603341B2 (ja) 内燃機関の筒内状態検出装置
JP4349237B2 (ja) レーザ点火装置
JP2004360539A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP2011256722A (ja) レーザ点火装置
JPH01193081A (ja) 内燃機関の着火補助装置
JP6768585B2 (ja) エンジン
JP2006104972A (ja) 導入ガラス体清浄装置を備えたレーザ着火式エンジン及びその運転方法
JP4354301B2 (ja) 二種のターゲット部材を備えたレーザ着火式エンジン
JP2006226193A (ja) 内燃機関用触媒暖機装置
JP2005042591A (ja) 複数パルスレーザ照射レーザ着火式エンジン及びその運転方法
JP2006132492A (ja) レーザ光透過プリズムを備えたレーザ着火式エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070403

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091029

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees