JP2007170300A - 副室式エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、主室においてピストンにより圧縮された混合気を噴孔を介して副室に流入させ、副室に流入した混合気と副室に供給された燃料との混合気を副室に備えた点火プラグを作動させて火花点火して燃焼させ、副室から噴孔を介して主室に火炎ジェットを噴射する副室式エンジンに関し、その目的は、簡単且つ安価な構成で、副室における失火及び点火プラグの損傷を良好に抑制する点にある。
【解決手段】副室11に、点火プラグ12として、点火性が高い高点火性点火プラグ12aと、耐久性が高い高耐久性点火プラグ12bとを、夫々備え、高点火性点火プラグ12aを作動させる点火性重視運転モードと、高耐久性点火プラグ12bを作動させると共に高点火性点火プラグ12aを停止させる耐久性重視運転モードとを運転モードとして有すると共に、運転状態に基づいて運転モードを択一的に切り換える制御手段40を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、主室に吸気された混合気をピストンの上昇により圧縮して、前記圧縮された混合気を前記主室に開口する噴孔を介して副室に流入させ、前記副室に流入した混合気と前記副室に供給された燃料との混合気を前記副室に備えた点火プラグを作動させて火花点火して燃焼させ、前記副室から前記噴孔を介して前記主室に火炎ジェットを噴射する副室式エンジンに関する。
従来のエンジンは単室式と副室式に大別できる。副室式エンジンは、ピストン頂部に接する主室とその主室と噴孔を介して連通する副室とを燃焼室として備え、主室に吸気された希薄混合気をピストンの上昇により圧縮して、その圧縮された希薄混合気を噴孔を介して副室に流入させ、副室に流入した希薄混合気と副室に供給された燃料との混合気を点火プラグにより火花点火して燃焼させて、主室に開口する噴孔を介して主室に火炎ジェットを噴射するように構成されている(例えば、特許文献1〜4を参照。)。
また、このような副室式エンジンは、単室式エンジンと比較して、燃焼室全体として空気に対して燃料が希薄な状態で燃料を燃焼させる希薄燃焼が実現できるため、高効率化を図ることが可能であり、特に、効率向上が求められるコージェネレーションシステム等に導入されている。
また、温間運転時には成層燃焼を行い、冷間運転時には均一燃焼を行うように構成されているエンジンであって、成層燃焼用の点火プラグを燃料噴射弁の噴射範囲内に設けると共に、この点火プラグとは別に、均一燃焼用の点火プラグを上記噴射範囲外に設けたエンジンが知られている(例えば、特許文献5を参照。)。この特許文献5に記載のエンジンでは、冷間運転時にのみで使用される均一燃焼用の点火プラグは、使用頻度が低いことから、成層燃焼用の点火プラグに対して、中心電極を絶縁支持するための碍子の径を小さくして、耐電圧性の低い小型のものを使用することが可能とされている。
特開2002−276474号公報 特開2001−303958号公報 特開2001−263069号公報 特開2003−317897号公報 特開2004−44434号公報
このような従来の副室式エンジンの副室においては、噴孔を通じて主室から流入する混合気流により、不規則且つ速い混合気の流動が発生する。
そして、その副室において点火プラグの電極間に火花放電して混合気を火花点火しようとしても、上記のような混合気の流動の影響を受けて、その混合気を火花点火することができず、失火が発生する場合がある。
一方、副室において混合気を火花点火できた場合においても、上記のような混合気の流動により、混合気の燃焼火炎が点火プラグの電極側に逆流して、このことにより点火プラグの損傷を招く場合がある。
そこで、上記特許文献4に記載の副室式エンジンにおいては、上記のような失火や点火プラグの損傷を抑制するべく、副室に、点火性及び耐久性の両方において優れた点火プラグが設けられるが、このような点火プラグは、複雑な構造を有すると共に、電極材料として高価な貴金属材料を使用するものであるので、副室式エンジンの複雑化且つ高コスト化の要因となる。
また、上記特許文献5には、均一燃焼と成層燃焼との夫々に適した点火箇所の夫々に夫々の点火プラグの設置し、均一燃焼と成層燃焼との切り換えに伴って作動対象の点火プラグを切り換える点については記載されているものの、単一の燃焼を維持している状態において、複数の点火プラグから作動対象の点火プラグを切り換えることで、その燃焼状態における失火や点火プラグの損傷を抑制する技術については、一切記載されておらず、当然、副室式エンジンについても一切記載されていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単且つ安価な構成で、副室における失火及び点火プラグの損傷を良好に抑制し得ることができる副室式エンジンを実現する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る副室式エンジンは、主室に吸気された混合気をピストンの上昇により圧縮して、前記圧縮された混合気を前記主室に開口する噴孔を介して副室に流入させ、前記副室に流入した混合気と前記副室に供給された燃料との混合気を前記副室に備えた点火プラグを作動させて火花点火して燃焼させ、前記副室から前記噴孔を介して前記主室に火炎ジェットを噴射する副室式エンジンであって、その第一特徴構成は、前記副室に、前記点火プラグとして、点火性が高い高点火性点火プラグと、耐久性が高い高耐久性点火プラグとを、夫々備え、
前記高点火性点火プラグを作動させる点火性重視運転モードと、前記高耐久性点火プラグを作動させる耐久性重視運転モードとを運転モードとして有すると共に、運転状態に基づいて前記運転モードを択一的に切り換える制御手段を備えた点にある。
上記第一特徴構成によれば、副室に、点火性及び耐久性の両方において優れた点火プラグを備えるのではなく、簡単な構成で安価な上記高点火性点火プラグと上記高耐久性点火プラグとの二種の点火プラグを備えることができる。ここで、高点火性点火プラグと高耐久性点火プラグとの関係について説明すると、前者は後者に対して点火性において優れているが、耐久性において劣る関係となる。
そして、上記制御手段により、運転状態に基づいて上記点火性重視運転モードと上記耐久性重視運転モードとで運転モードを切り換えることで、副室における失火及び点火プラグの損傷を良好に抑制することができる。即ち、失火が発生し易い運転状態の場合には、運転モードを上記点火性重視運転モードとすることで、上記高点火性点火プラグを作動させて副室に形成された混合気を良好に火花点火して燃焼させ、失火の発生を抑制することができる。逆に、失火が発生し難い運転状態の場合には、運転モードを上記耐久性重視運転モードとすることで、上記高耐久性点火プラグを作動させて副室に形成された混合気を火花点火して燃焼させながら、前記高点火性点火プラグは停止させて作動頻度を低減し損傷を抑制することができる。
従って、本発明により、簡単且つ安価な構成で、副室における失火及び点火プラグの損傷を良好に抑制し得ることができる副室式エンジンを実現することができる。
尚、本発明に係る副室式エンジンにおいて、主室に吸気された混合気は、副室から噴孔を介して主室に噴射される火炎ジェットにより燃焼可能な当量比を有する混合気であり、当量比が比較的低い希薄混合気とすることができる。
本発明に係る副室式エンジンの第二特徴構成は、前記制御手段が、前記点火性重視運転モードとして、前記高点火性点火プラグを作動させると共に前記高耐久性点火プラグを停止させる第一点火性重視運転モードを有する点にある。
上記第二特徴構成によれば、失火が発生し易い運転状態の場合において、運転モードを上記第一点火性重視運転モードとすることで、上記高点火性点火プラグを作動させて失火の発生を抑制しながら、上記高耐久性点火プラグについては、停止させることで作動頻度を低減して損傷を抑制することができる。
本発明に係る副室式エンジンの第三特徴構成は、前記制御手段が、前記点火性重視運転モードとして、前記高点火性点火プラグと前記高耐久性点火プラグとの両方を作動させる第二点火性重視運転モードを有する点にある。
上記第三特徴構成によれば、失火が発生し易い運転状態の場合において、運転モードを上記第二点火性重視運転モードとすることで、上記高点火性点火プラグと上記高耐久性点火プラグとの両方を作動させて、副室に形成された混合気を一層良好に火花点火して燃焼させることができ、失火の発生を略確実に抑制することができる。
本発明に係る副室式エンジンの第四特徴構成は、前記制御手段が、温間運転時には前記運転モードを前記耐久性重視運転モードとし、冷間運転時には前記運転モードを前記点火性重視運転モードとするように構成されている点にある。
上記第四特徴構成によれば、エンジン冷却水やエンジンオイルの温度等の運転状態から、例えば暖機運転後であって、当該温度が既定値以上に維持されている上記温間運転時であるか、若しくは、例えば運転開始時から暖機運転が完了するまでであって、当該温度が既定値未満である上記冷間運転時であるかを、認識することができる。そして、制御手段により、失火が発生し難い上記温間運転時には、運転モードを上記耐久性重視運転モードとし、点火プラグの損傷を抑制し、一方、失火が発生し易い上記冷間運転時と判別した場合には、運転モードを上記点火性重視運転モードとして、副室における失火の発生を抑制することができ、起動時における冷間運転から温間運転への移行をスムーズに行うことができる。
本発明に係る副室式エンジンの第五特徴構成は、前記制御手段が、安定運転時には前記運転モードを前記耐久性重視運転モードとし、不安定運転時には前記運転モードを前記点火性重視運転モードとするように構成されている点にある。
上記第五特徴構成によれば、エンジン回転数やエンジン出力等の運転状態から、エンジン回転数及びエンジン出力が定格値に対して安定している上記安定運転時であるか、若しくは、エンジン回転数及びエンジン出力が定格値に対して不安定である上記不安定運転時であるかを、認識することができる。そして、制御手段により、失火が発生し難い上記安定運転時には、運転モードを上記耐久性重視運転モードとして、点火プラグの損傷を抑制し、一方、失火に起因すると考えられる上記不安定運転時には、運転モードを上記点火性重視運転モードとして、副室における失火を良好に抑制し、不安定運転から安定運転への移行を迅速且つ確実に行うことができる。
本発明に係る副室式エンジンの第六特徴構成は、前記高点火性点火プラグ及び前記高耐久性点火プラグが、電極径及び電極間ギャップ幅の少なくとも一方を調整して、点火性及び耐久性が設定されたものである点にある。
上記第六特徴構成によれば、電極径及び電極間ギャップ幅の少なくとも一方を調整して、高点火性点火プラグ及び高耐久性点火プラグの点火性及び耐久性を設定することができる。即ち、高点火性点火プラグについては、電極径を、火炎との接触面積が狭くなって消炎作用が小さくなるような小径に設定するか、若しくは、電極間ギャップ幅を、火炎の成長が阻害されにくくなるような適正な幅に設定することで、高い点火性を実現することができる。一方、高耐久性点火プラグについては、電極径を、耐熱性が高くなるような大径に設定するか、若しくは、電極間ギャップ幅を、火花放電に必要な要求電圧が少なくて済んで損耗が少なくなるような狭い幅に設定することで、高い耐久性を実現することができる。
本発明に係る副室式エンジンの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す副室式エンジン100は、ピストン2と、ピストン2を収容してピストン2の頂面と共に主室1を形成するシリンダ3とを備え、ピストン2をシリンダ3内で往復運動させると共に、吸気弁4及び排気弁6を開閉動作させて、主室1において吸気、圧縮、燃焼・膨張、排気の諸行程を行い、ピストン2の往復動を連結棒(図示せず)によってクランク軸(図示せず)の回転運動として出力されるものであり、このような構成は、通常の4ストローク内燃機関と変わるところはない。
尚、この副室式エンジン100は、通常、エンジン回転数が一定の定格回転数となるように定格運転されるように構成されている。
また、副室式エンジン100は、気体燃料である都市ガス(13A)を燃料Gとして利用するものであり、吸気行程において吸気弁4を開状態として、吸気ポート5から主室1に空気と少量の燃料Gとの混合気好ましくは希薄混合気Iを吸入し、圧縮及び燃焼・膨張行程において吸気弁4及び排気弁6を閉状態として、この吸入した希薄混合気Iを圧縮して燃料Gを燃焼・膨張させ、排気行程において排気弁6を開状態として、主室1から排気ポート7に排ガスを排出するように運転される。
副室式エンジン100のシリンダヘッド9には、主室1と共に燃焼室として設けられ、主室1に連通路20及び噴孔21を介して連通する副室11が設けられており、この副室11を有する副室機構10の構造について以下に説明する。
ピストン2の頂面の中央部には、いわゆる深皿型の凹部2aが形成されている。上記のような凹部2aを形成することで、圧縮行程に於いてピストン2が上昇するときに、ピストン2の頂面外周部から凹部2aの中心部に流れるスキッシュが発生することになる。
副室11の上方には、燃料Gを0.2MPa(Gauge)の供給圧力で副室11に供給可能な燃料供給弁30が設けられている。
更にまた、副室11には、副室11の混合気を火花点火可能な点火プラグ12が設けられている。また、この点火プラグ12の作動制御のほか、各種制御を行う制御装置40が設けられている。
この副室式エンジン100は、上記のような構成を採用することにより、主室1に吸気された希薄混合気Iをピストン2の上昇により圧縮して、圧縮された希薄混合気Iを主室1に開口する噴孔21及び連通路20を介して副室11に流入させ、副室11に流入した希薄混合気Iと燃料供給弁30により副室11に供給された燃料Gとの混合気を副室11において点火プラグ12により火花点火して燃焼させて、副室11から連通路20を介して主室1に火炎ジェットFを噴射するように構成されており、その副室式エンジン100における1サイクルの動作状態について以下に説明する。
副室式エンジン100は、先ず、吸気弁4が開状態となり、ピストン2のTDC(上死点)からの下降により、吸気ポート5から主室1に希薄混合気Iが吸入される吸気行程が行われる。
このとき副室11に設置された燃料供給弁30は、吸気弁4の開時期に対して若干遅れた時期に開状態となり、副室11への燃料Gの供給を開始される。
後に、吸気弁4及び燃料供給弁30が略同時期に閉状態となり、ピストン2の上昇により、主室1に吸気された希薄混合気Iを圧縮する、いわゆる圧縮行程が行われる。
尚、圧縮行程初期の副室11がまだ低圧状態のときに、燃料供給弁30を開状態として燃料Gを副室11に供給しても良い。
このように副室11に燃料を供給することにより、副室11に供給された燃料Gの一部は、連通路20を介して主室1に流出するのであるが、上記の連通路20の断面積比が非常に小さく設定されているため、その流出量は、副室11に供給された全副室燃料供給量の数%程度となる。
そして、次の圧縮行程では、ピストン2の上昇により、主室1の容積減少によって、主室1の希薄混合気Iが連通路20介して副室11に流入し、副室11には、連通路20から上方に向かう混合気流が発生し、その混合気流が点火プラグ12の点火領域に到達する。
よって、副室11の上記点火プラグ12の点火領域では、その希薄混合気Iと燃料Gとが混合されて、火花点火可能範囲内(例えば1程度)の当量比の混合気が形成される。
この圧縮行程では、連通路20が所謂絞り弁のように働き、主室1の圧力はほぼ圧縮比どおりの圧力になるが、副室11の最高到達圧力は、主室1の最高到達圧力の圧力よりも低下したものになる。
よって、上記圧縮行程終了時にて、副室11には、比較的低い圧力条件下で当量比が比較的高い混合気が存在するのに対して、主室1には、比較的高い圧力条件下で当量比が比較的低い希薄混合気が存在することになる。
そして、副室式エンジン100は、上死点直前の例えば8°BTDC付近において、点火プラグ12を作動させて、上記副室11に形成された混合気を火花点火して燃焼させる。
すると副室11では、その圧力が通常のSIエンジンなみであるため、急激な圧力上昇を伴わず、燃焼が進み、副室11の燃焼しなかった燃料Gと共に、火炎ジェットFが連通路20を介して主室1に噴出される。
一方、主室1においては、高圧力条件下で、連通路20から噴出された火炎ジェットFにより希薄混合気を燃焼させるので、副室11と同様に急激な圧力上昇を伴わず、高効率且つ低NOxとなる燃焼が行われる。
このような主室1における燃焼状態は、通常のSIエンジンに近い状態であるが、圧縮比を高く設定した場合においてもノッキングが発生しないため、熱効率を向上することができる。また、主室11に吸気される希薄混合気Iの当量比を大きくして、出力を増加させた場合でも、良好にノッキングを回避することができるため、ノッキング限界における当量比を高くすることができ、広い出力調整範囲が確保される。
そして、このように運転される副室式エンジン100において、副室11と主室1とを連通する連通路20は、副室11から主室1の軸心Xと同じ軸心を有する円筒状に主室1側に延出形成されており、更に、その連通路20は、上記主室1の軸心Xを中心に周方向に等間隔で分散配置され主室1に開口する4つの筒状の噴孔21を有し、火炎ジェットFが夫々の噴孔21から主室1に噴射される。
以上が副室燃焼式ガスエンジンの基本構成についての説明であるが、以下に本発明の特徴構成について説明する。
副室11には、上述した点火プラグ12として、点火性が高い高点火性点火プラグ12aと、耐久性が高い高耐久性点火プラグ12bとが、副室11の中心軸を中心に対称に配置されている。
これら高点火性点火プラグ12a及び高耐久性点火プラグ12bは、図2(a),(b)に示すように、夫々の電極15a,15bについて、その電極径Da,Db及び電極間ギャップ幅La,Lbが調整されて、点火性及び耐久性が設定されている。即ち、高点火性点火プラグ12aの電極15aの電極径Daは、高耐久性点火プラグ12bの電極15bの電極径Dbよりも小さく設定され、更に、高点火性点火プラグ12aの電極15aの電極間ギャップ幅Laは、高耐久性点火プラグ12bの電極15bの電極間ギャップ幅Lbよりも大きく設定されることで、高点火性点火プラグ12aは、高耐久性点火プラグ12bよりも点火性が高いものとなっており、一方、高耐久性点火プラグ12bは、高点火性点火プラグ12aよりも耐久性が高いものとなっている。
即ち、上記高耐久性点火プラグ12bについては、電極径Dbが比較的大きく設定されていることから、電極15bの耐熱性が高くなり、更には、電極間ギャップ幅Lbが比較的狭く設定されていることから、電極15bにおいて火花放電に必要な要求電圧が少なくて済んで損耗が少なくなるので、高い耐久性が実現されている。
即ち、高点火性点火プラグ12aと、高耐久性点火プラグ12bとについて、要求電圧の作動経過時間に対する変化状態を比較すると、図3に示すように、高耐久性点火プラグ12bが、高点火性点火プラグ12aよりも、常に要求電圧が低く維持されており、使用限界である要求電圧上限に到達するまでの作動経過時間が長く、電極15bの耐久性が高いことが確認できる。
また、上記高点火性点火プラグ12aについては、電極径Daが比較的小さく設定されていることから、火炎との接触面積が狭くなって消炎作用が小さくなり、更には、電極間ギャップ幅Laが比較的広く設定されていることから、電極15a付近における火炎の成長が阻害されにくくなるので、高い点火性が実現されている。
即ち、図4に示すように、上記高耐久性点火プラグの電極径Dbに対する電極径Dの比率D/Dbについては、小さくなるほど、エンジン回転数偏差が小さくなって、失火の発生が抑制され高い点火性を示すことが確認できる。
一方、図5に示すように、上記高耐久性点火プラグ12bの電極間ギャップ幅Lbに対する電極間ギャップ幅Lの比率L/Lbについては、ある程度大きい(例えば1.5程度)場合に、エンジン回転数偏差が極小になって、失火の発生が抑制され高い点火性を示すことが確認できる。尚、電極間ギャップ幅Lについては、狭すぎる場合及び広すぎる場合には、エンジン回転数の偏差が大きくなって点火性が悪化することから、この高点火性点火プラグ12aの電極間ギャップ幅Laについては、エンジン回転数の偏差が極小となる適正なものに設定することが望ましい。
具体的に、電極径Dについては、上記高耐久性点火プラグ12bの電極径Dbを0.3mm以上且つ3.0mm以下の範囲内に設定するのに対して、上記高点火性点火プラグ12aの電極径Daを、上記電極径Dbの概ね70%以下程度に設定する。
一方、電極間ギャップ幅Lについは、上記高耐久性点火プラグ12bの電極間ギャップ幅Lbを0.15mm以上且つ0.3mm以下の範囲内に設定するのに対して、上記高点火性点火プラグ12aの電極間ギャップ幅Laを上記電極間ギャップ幅Lbの概ね20%増し程度に設定する。
更に、制御装置40は、高点火性点火プラグ12aを作動させる点火性重視運転モードと、高耐久性点火プラグ12bを作動させると共に高点火性点火プラグ12aを停止させる耐久性重視運転モードとを運転モードとして有すると共に、運転状態に基づいて点火性重視運転モードと耐久性重視運転モードとで運転モードを択一的に切り換える制御手段として機能するように構成されおり、この具体的構成について以下に説明を加える。
そして、制御装置40は、上述した運転モードの切り換えを伴う制御として、温間運転時における失火の発生等に起因するエンジン出力の低下を回避する出力低下回避制御や、失火を抑制しながら起動をスムーズに行うための起動運転制御を実行可能に構成されており、夫々の制御構成について順に説明する。
尚、この副室エンジン100には、以下に説明する不安定状態検出手段41と暖機状態検出手段42とが設けられ、各検出手段41,42の検出結果は制御装置40に入力される。
上記不安定状態検出手段41は、失火の発生等に起因するエンジンの状態変動を示すパラメータ、例えば、エンジン回転数の定格回転数に対する偏差、エンジン振幅、又は、排ガス中の未燃成分濃度等が、既定値を越えた場合に、不安定状態として検出するように構成されている。
一方、上記暖機状態検出手段42は、エンジンの暖機状態を示すパラメータ、例えば、エンジン冷却水温度、エンジンオイル温度、起動時からの経過時間、シリンダ3の温度等が、既定値以下である場合に、エンジンが暖機されていない冷間運転状態とし、同パラメータが既定値を越えた場合に、エンジンが完全に暖機されている温間運転状態として、エンジンの暖機状態を検出するように構成されている。
〔出力低下回避制御〕
制御装置10は、図6に示すように、上記暖機状態検出手段42で温間運転状態を検出している間、即ち温間運転時において、上記不安定状態検出手段41により不安定状態を検出していない安定運転時には、副室11において燃料Gを高耐久性点火プラグ12bにより比較的容易に火花点火することができることから、運転モードを上述した耐久性重視運転モードとして、上述した二種の点火プラグ12のうちの高耐久性点火プラグ12bのみを作動させる。よって、高点火性点火プラグ12aについては、停止されることでその作動頻度が低減されて損傷が抑制される。
一方、制御装置40は、この温間運転時において、上記不安定状態検出手段41により不安定状態を検出した場合には、運転モードを耐久性重視運転モードから点火性重視運転モードに切り換えて、これまで停止していた高点火性点火プラグ12aを作動させる。
すると、副室11における失火の発生が抑制されることで、その失火の発生に起因するエンジン出力の低下がなくなり、エンジン回転数が定格回転数付近に安定して維持されるようになる。
また、運転モードを点火性重視運転モードに切り換えて、エンジン回転数が定格回転数付近に安定したとき、即ち、不安定状態検出手段41により不安定状態を検出しなくなったときには、制御装置40は、運転モードを耐久性重視運転モードに切り換えて、再び高点火性点火プラグ12aを停止させる。
〔起動運転制御〕
これまで説明してきた副室式エンジン100の起動運転においては、図6に示すように、先ず、例えばクランク軸の出力を駆動原とする発電機などに対して電力負荷を解列するなどの無負荷状態で、スターターモータによりクランク軸を回転させた状態で、燃料供給弁30による副室11への燃料Gの供給及び点火プラグ12の作動を開始する。すると、副室11において燃料Gの燃焼が開始され、エンジン回転数が定格回転数まで例えば数十秒で上昇し、かかるエンジン回転数が定格回転数付近で維持されるように、燃料Gの供給量等が制御される。このとき、暖機状態検出手段42は、始動直後においては冷間運転状態を検出しているが、始動時から5分程度経過後には暖機が進行して温間運転状態を検出することになる。
そこで、暖機状態検出手段42により温間運転状態を検出したときには、例えばクランク軸の出力を駆動原とする発電機などに対して電力負荷を徐々に接続して負荷状態として定常状態に移行する。
そして、このような起動運転において、制御装置10は、始動直後において上記暖機状態検出手段42で冷間運転状態を検出している間、即ち冷間運転時には、副室11において燃料Gを点火し難く失火が発生する可能性が高いことから、運転モードを上述した点火性重視運転モードとして、高点火性点火プラグ12aを作動させる。よって、高点火性点火プラグ12aにより、副室11において燃料Gが確実に火花点火され失火の発生が抑制される。
一方、制御装置40は、始動時から暖機が充分に進行した後に、上記暖機状態検出手段42で温間運転状態を検出している間、即ち、温間運転時には、副室11において燃料Gを高耐久性点火プラグ12bにより比較的容易に火花点火することができることから、運転モードを上述した耐久性重視運転モードとして、上述した二種の点火プラグ12のうちの高耐久性点火プラグ12bのみを作動させる。よって、高点火性点火プラグ12aについては、停止されることでその作動頻度が低減されて損傷が抑制される。
尚、制御装置40は、これまで説明してきた点火性重視運転モードとして、高点火性点火プラグ12aを作動させると共に高耐久性点火プラグ12bを停止させる第一点火性重視運転モードと、高点火性点火プラグ12aと高耐久性点火プラグ12bとの両方を作動させる第二点火性重視運転モードとを有するように構成されている。
そして、制御装置40は、例えば、起動運転制御における始動直後の冷間運転時には、上記運転モードを、点火性重視運転モードとしての第一点火性重視運転モードとして、高耐久性点火プラグ12bの損傷を抑制し、一方、出力低下回避制御における不安定運転時には、上記運転モードを、点火性重視運転モードとしての第二点火性重視運転モードとして、高点火性点火プラグ12aに加えて高耐久性点火プラグ12bも作動させて、不安定状態をより確実に回避することができる。
尚、本発明に係る副室式エンジンは、前述の実施形態で説明したように、都市ガス等の気体燃料を利用する場合に優れた効果を発揮するものであり、このような気体燃料としては、上記都市ガス以外に水素やプロパン等のCOやHを主成分とする炭化水素以外の気体燃料がある。また、本発明に係る副室式エンジンは、もちろん気体燃料以外の燃料を利用することもでき、例えば、ガソリン、アルコール、メタノール、エタノール、任意の燃料を使用することができる。
本発明に係る副室式エンジンは、簡単且つ安価な構成で、副室における失火及び点火プラグの損傷を良好に抑制し得ることができる副室式エンジンとして有効に利用可能である。
副室式エンジンの概略構成図 高点火性点火プラグ及び高耐久性点火プラグの概略構成図 点火プラグの要求電圧の作動経過時間に対する変化状態を示すグラフ図 エンジン回転数偏差の電極径の比率に対する変化状態を示すグラフ図 エンジン回転数偏差の電極間ギャップ幅の比率に対する変化状態を示すグラフ図 副室式エンジンの運転状態を示すグラフ図
符号の説明
1:主室
11:副室
21:噴孔
12:点火プラグ
12a:高点火性点火プラグ
12b:高耐久性点火プラグ
40:制御装置(制御手段)
100:副室式エンジン

Claims (6)

  1. 主室に吸気された混合気をピストンの上昇により圧縮して、前記圧縮された混合気を前記主室に開口する噴孔を介して副室に流入させ、前記副室に流入した混合気と前記副室に供給された燃料との混合気を前記副室に備えた点火プラグを作動させて火花点火して燃焼させ、前記副室から前記噴孔を介して前記主室に火炎ジェットを噴射する副室式エンジンであって、
    前記副室に、前記点火プラグとして、点火性が高い高点火性点火プラグと、耐久性が高い高耐久性点火プラグとを、夫々備え、
    前記高点火性点火プラグを作動させる点火性重視運転モードと、前記高耐久性点火プラグを作動させる耐久性重視運転モードとを運転モードとして有すると共に、運転状態に基づいて前記運転モードを択一的に切り換える制御手段を備えた副室式エンジン。
  2. 前記制御手段が、前記点火性重視運転モードとして、前記高点火性点火プラグを作動させると共に前記高耐久性点火プラグを停止させる第一点火性重視運転モードを有する請求項1に記載の副室式エンジン。
  3. 前記制御手段が、前記点火性重視運転モードとして、前記高点火性点火プラグと前記高耐久性点火プラグとの両方を作動させる第二点火性重視運転モードを有する請求項1又は2に記載の副室式エンジン。
  4. 前記制御手段が、温間運転時には前記運転モードを前記耐久性重視運転モードとし、冷間運転時には前記運転モードを前記点火性重視運転モードとするように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の副室式エンジン。
  5. 前記制御手段が、安定運転時には前記運転モードを前記耐久性重視運転モードとし、不安定運転時には前記運転モードを前記点火性重視運転モードとするように構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の副室式エンジン。
  6. 前記高点火性点火プラグ及び前記高耐久性点火プラグが、電極径及び電極間ギャップ幅の少なくとも一方を調整して、点火性及び耐久性が設定されたものである請求項1〜5の何れか一項に記載の副室式エンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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