JP2010260834A - 苦味の低減方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、口唇用油性組成物に含まれるN−アシルアミノ酸誘導体に起因する苦味を低減すること。
【解決手段】N−アシルアミノ酸誘導体を含有する口唇用油性組成物の硬度を特定の範囲内とすることにより、当該口唇用油性組成物の苦味を低減し得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、口唇用油性組成物の苦味を低減させる方法に関し、特にN−アシルアミノ酸誘導体に起因する苦味を低減させる方法に関する。
口紅、リップライナー、リップグロス、リップクリーム等の口唇用組成物は、唇に色やツヤを与えたり、唇を乾燥や荒れから保護する目的で広く使用されている。
これらの口唇用組成物は、口唇に塗布して使用されるが、使用時に口内に入り、配合されている成分に起因する不快味(例えば、苦味)によって使用者に不快感を与える場合がある。
そのため、口唇用組成物の使用時の不快味(例えば、苦味)を改善する方法も種々検討されている。例えば、特定のフレーバー成分を用いて香りと味を改善する方法(特許文献1)、甘味料を用いて味を改善する方法(特許文献2〜4)等が知られている。
特開平09−208429号公報 特開2000−7547号公報 特開2004−300090号公報 特開2008−214280号公報
本発明は、口唇用油性組成物の苦味、特に口唇用油性組成物に含まれるN−アシルアミノ酸誘導体に起因する苦味の低減方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、従来のようにマスキング成分を添加することにより苦味を低減するのではなく、口唇用油性組成物の硬度を特定の範囲内とすることにより、当該口唇用油性組成物の苦味が低減し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は以下を提供する。
[1](A)式(1):
(式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体、及び
(B)液状油分
を含有する口唇用油性組成物の硬度を、26〜85(g/0.5×0.5×3.14mm)とすることを特徴とする、苦味の低減方法。
[2](A)成分として、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを含有する、上記[1]に記載の方法。
[3]口唇用油性組成物が、さらに(C)(A)以外の油性ゲル化剤を含有する、上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4](C)成分としてポリアミド樹脂を含有する、上記[3]記載の方法。
[5](A)式(1):
(式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体、及び
(B)液状油分
を含有し、硬度が26〜85(g/0.5×0.5×3.14mm)である口唇用油性組成物が、筒状容器内に充填されて固化されてなることを特徴とする棒状製品。
[6](A)成分として、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを含有している、上記[5]に記載の棒状製品。
[7]口唇用油性組成物が、さらに(C)(A)以外の油性ゲル化剤を含有する、上記[5]又は[6]に記載の棒状製品。
[8](C)成分としてポリアミド樹脂を含有する、上記[7]に記載の棒状製品。
苦味の原因となる成分(例えば、N−アシルアミノ酸誘導体)を含有する口唇用油性組成物の硬度を特定の範囲内とする本発明の方法によれば、当該口唇用油性組成物の苦味が低減できる。これにより、当該口唇用油性組成物を使用する使用者に不快感を与えることがない。
本発明の棒状製品の縦断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
本発明の苦味の抑制方法は、苦味の原因となる成分(例えば、N−アシルアミノ酸誘導体)を含有する口唇用油性組成物の硬度を特定の範囲内とすることを特徴とする。
(油性組成物)
本発明の油性組成物は、下記の(A)及び(B)の成分を含有している。
[(A)成分について]
(A)成分は、下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体である。
なお、式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である。
また、R及びRの炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせ、の内のいずれであってもよい。R及びRの炭化水素基としては、不飽和結合を含む炭化水素基を用いてもよいが、アルキル基を用いることが好ましい。R及びRの炭化水素基としては、炭素原子数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2〜6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基がより好ましく、炭素原子数3〜5の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基が更に好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
の炭化水素基としては、不飽和結合を含む炭化水素基を用いてもよいが、飽和炭化水素基を用いることが好ましい。製造のしやすさの観点から、Rの炭化水素基としては、炭素原子数7〜15の炭化水素基が好ましくは、炭素原子数7〜12の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
nは、2が好ましい。したがって、(A)成分としては、N−アシルグルタミン酸誘導体が好ましい。
(A)成分としては、具体的には、N−オクタノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−パルミトイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどを用いることができ、これらの中でも、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L―グルタミン酸ジブチルアミドを用いるのが好ましく、十分な透明性を確保して製品の美観を向上させる観点から、特にこの両者を併用するのが好ましい。なお、このうち、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは特にその苦味が強いため、本発明の方法を適用することが好ましい。
本発明の油性組成物において、(A)成分の含有量は、通常は0.1〜25重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。また、(A)成分の含有量が0.1重量%未満の場合、ゲル強度が不十分になる場合があり、(A)成分の含有量が25重量%を超えた場合、十分な透明性を確保できない場合がある。
[(B)成分について]
(B)成分は、液状油分である。
液状油分としては、25℃で液状を呈する油分を用いるのが好ましく、具体的には、本技術分野で通常使用されている、高級アルコール、アミノ酸誘導体、炭化水素、動植物由来の油脂、硬化油、脂肪酸、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、低級アルコール、多価アルコール、フッ素油、シリコーン油、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテル、脂肪酸ポリグリセリルなどを用いることができ、これらの中でも、高級アルコール、炭化水素、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、シリコーン油、動植物由来の油脂、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテルを好ましく用いることができる。
より具体的には、次のとおりである。
[1]高級アルコール
具体的には、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデカノール、オレイルアルコールなどを用いることができる。
[2]炭化水素
具体的には、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、ポリブテン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、イソヘキサデカン、イソドデカン、ポリイソブテン、流動イソパラフィンなどを用いることができる。
[3]エステル油
具体的には、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、水添ロジン酸ペンタエリトリット、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ポリグリセリルなどを用いることができる。
[4]ラノリン・ラノリン誘導体
具体的には、液状ラノリンなどを用いることができる。
[5]シリコーン油
具体的には、メチルフェニルポリシロキサンなどを用いることができる。
[6]動植物由来の油脂
具体的には、マカデミアナッツ油、アボカド油、ローズヒップ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、メドウフォーム油などを用いることができる。
[7]ダイマー酸エステル
具体的には、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)などを用いることができる。
[8]ダイマージオールエステル
具体的には、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイルなどを用いることができる。
[9]ダイマージオールエーテル
具体的には、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテルなどを用いることができる。
本発明の油性組成物において、透明性及び使用感の観点から、(B)成分の含有量は、通常は40〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは65〜90重量%である。
本発明の油性組成物は、上記(A)及び(B)の成分に加えて、(C)上記(A)成分以外の油性ゲル化剤を、任意に含有してもよい。
[(C)成分について]
(C)成分としては、具体的には、ポリアミド樹脂、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、粘土鉱物、金属セッケン、デンプン脂肪酸エステル、ソルビトールのベンジリデン誘導体、ケイ酸類、12−ヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどを用いることができ、これらの中でも、ポリアミド樹脂、デキストリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく用いられ、十分な透明性を確保する観点から、ポリアミド樹脂が特に好ましく用いられる。
より具体的には、次のとおりである。
[1]ポリアミド樹脂
[1-1]下記の式(2)で表されるアミド末端ポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。
具体的には、商品名「ハイマレートPAM」(高級アルコール工業社製)を用いることができ、これは、(ダイマージリノール酸ビスジオクタデシルアミド/エチレンジアミン)コポリマーであり、式(2)において、Rが、相互に同一又は異なる、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素原子数8〜22のアルキル基であり、Rが、ダイマー酸残基又は二塩基酸残基であり、nが、2〜4である。
また、商品名「シルバクリアA200V」(アリゾナ ケミカル社製)又は商品名「シルバクリアA2614V」(アリゾナ ケミカル社製)を用いることができ、これは、式(2)において、Rが、炭素原子数14〜18のアルキルアミン基残基であり、Rが、ダイマージリノール酸残基であり、nが、2〜4である。
[1-2]下記式(3)で表されるエステル末端ポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。
具体的には、商品名「ユニクリア100VG」(アリゾナ ケミカル社製)を用いることができ、これは、式(3)において、Rが、ステアリルアルコール残基であり、Rが、ダイマージリノール酸残基であり、nが、3又は4である。
[1-3]他のポリアミド樹脂として、例えば、商品名「バーサミド930」(コグニス社製)を用いることができる。
なお、特に、(C)成分としては、アミド末端ポリアミド樹脂が好ましく、十分な透明性を確保し、優れた使用感を付与する観点から、式(2)で表されるポリアミド樹脂(例えば、商品名「ハイマレートPAM」(高級アルコール工業社製))を用いるのがより好ましい。
[2]デキストリン脂肪酸エステル
具体的には、イソステアリン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、オクタン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、ラウリン酸デキストリンなどを用いることができる。
[3]ショ糖脂肪酸エステル
具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステルなどを用いることができる。
[4]脂肪酸エステル
具体的には、イヌリン脂肪酸エステル、ベヘン酸グリセリルなどを用いることができる。
[5]粘土鉱物
具体的には、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルジステアリルヘクトライト、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトなどを用いることができる。
[6]金属セッケン
具体的には、ミリスチン酸亜鉛、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどを用いることができる。
[7]デンプン脂肪酸エステル
具体的には、デンプンパルミチン酸エステルなどを用いることができる。
[8]ソルビトールのベンジリデン誘導体
具体的には、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトールなどを用いることができる。
[9]その他
具体的には、無水ケイ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、デカ(ベヘン酸/カプリン酸)ポリグリセリル)などを用いることができる。
本発明の油性組成物において、(C)成分の含有量は、通常は0.01〜40重量%、好ましくは0.05〜30重量%、より好ましくは0.1〜25重量%である。(C)成分の含有量が0.01重量%未満の場合、ゲル強度が不十分となったりパック感が弱くなる場合があり、(C)成分の含有量が40重量%を超えた場合、十分な透明性を確保できなかったり、のびが悪くなる場合がある。
本発明の油性組成物における(A)成分と(C)成分との配合比に関しては、(A)成分1重量部に対して、(C)成分は、通常は0.0004〜400重量部、好ましくは0.0033〜60重量部、より好ましくは0.0067〜50重量部である。上記範囲を超えた場合、十分な透明性を確保することが困難となる傾向があり、また、製剤とした場合の使用感も悪くなる傾向がある。
なお、本発明の油性組成物は、上記の(A)、(B)、及び(C)の成分に加えて、さらに、固形又は半固形油分、用途に応じた有効成分、及び添加成分を、任意に含有してもよい。
[固形又は半固形油分について]
固形又は半固形油分としては、25℃で固形又は半固形(液状ではない)を呈する油分を用いるのが好ましく、具体的には、本技術分野で通常使用されている、高級アルコール、アミノ酸誘導体、炭化水素、動植物由来の油脂、硬化油、脂肪酸、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、フッ素油、シリコーン油、ワックス・ロウ類、硬化油、脂肪酸、ダイマー酸エステルなどを用いることができ、これらの中でも、アミノ酸誘導体、炭化水素、ラノリン・ラノリン誘導体、ワックス・ロウ類、ダイマー酸エステルを好ましく用いることができる。
より具体的には、次のとおりである。
[1]アミノ酸誘導体
具体的には、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)などを用いることができる。
[2]炭化水素
具体的には、ワセリンなどを用いることができる。
[3]ラノリン・ラノリン誘導体
具体的には、ラノリンなどを用いることができる。
[4]ワックス・ロウ類
具体的には、キャンデリラロウ樹脂などを用いることができる。
[5]ダイマー酸エステル
具体的には、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油などを用いることができる。
但し、十分な透明性を確保する観点から、本発明の油性組成物は、固形油分を実質的に含有しないことが好ましい。
[有効成分について]
具体的には、次のとおりである。
[1]抗炎症成分:グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸、アラントインなど。
[2]ビタミン成分:トコフェロール酢酸エステル、ビタミンA油など。
[3]保湿成分:ヒアルロン酸ナトリウム、ハチミツ、ローヤルゼリーエキス、ホエイ、水溶性コラーゲン、セラミドなど。
[4]紫外線吸収成分:パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなど。
[5]鎮痛成分:メントール、カンフル、サリチル酸、ユーカリ油、サリチル酸メチルなど。
[6]抗菌成分:1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなど。
[7]抗ウイルス成分
[添加成分について]
具体的には、着色剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤(甘味剤を含む)、矯臭剤(香料を含む)などを用いることができる。
[油性組成物の硬度について]
本発明の油性組成物の硬度を26〜85(g/0.5×0.5×3.14mm)とすることにより、後述の試験例に示すように、(A)成分に起因する苦味を効果的に低減することができる。
本発明における硬度とは、レオメーター(商品名「NRM-2002J」、不動工業株式会社製)を用いて、直径1mmの円柱状のアダプター(アダプターNo.6)を、筒状容器の軸中心と内周面との中間点の位置に、20mm/分の速度で、進入させ、進入から30秒間の最大値を、を意味する(単位g/0.5×0.5×3.14mm)。
十分な苦味の低減効果を奏し、かつ使用感及び使用時の折れ(特に繰り出し容器に充填した油性組成物の繰り出し時に発生する折れ)を防止する観点から、本発明の油性組成物の硬度は28〜60(g/0.5×0.5×3.14mm)であることが好ましく、30〜55(g/0.5×0.5×3.14mm)であることがより好ましい。
(棒状製品)
本発明の棒状製品は、本発明の油性組成物が、筒状容器内に充填されて固化されてなるものである。
本発明の棒状製品に使用される筒状容器としては、公知の筒状容器を特に限定なく使用できるが、使用者の利便性の観点から、口紅やリップクリームなどに汎用されている繰り出し容器を使用することが好ましい。
図1は、本発明の棒状製品の断面図である。この棒状製品100は、一般に、棒状製剤2と繰り出し容器3とを備えている。繰り出し容器3は、棒状製剤2を収容するための筒状容器40と、容器40内に収容された棒状製剤2を容器40から繰り出すための繰り出し機構50と、容器40を塞ぐキャップ60と、を備えている。キャップ60は、容器40に対して着脱可能である。
容器40は、横断面円形状を有している。棒状製剤2は、容器40内に摺接可能に嵌合している。
繰り出し機構50は、バケット51及び回転軸52を備えている。バケット51は、棒状製剤2が充填される凹部511を有している。回転軸52は、底部に露出しているダイヤル521と、容器40内にダイヤル521から真っ直ぐに延びた中軸522と、を有している。中軸522は、表面に多数の溝523を有している。バケット51は、中軸522の溝523に螺合しており、中軸522が回転すると、中軸522に沿って上下動するようになっている。したがって、繰り出し機構50によれば、ダイヤル521が回転されることによって、中軸522が回転し、それに伴って、バケット51が棒状製剤2を伴って容器40内を上下動し、それにより、棒状製剤2が繰り出される。
棒状製品100は、容器40内の棒状製剤2を、繰り出し機構50によって容器40から繰り出しながら使用に供されるようになっている。ここで、「繰り出す」とは、棒状製剤2を容器40に対して「出し入れする」ことを意味する。
上述した棒状製品100は、次の工程(1)、(2)をこの順に経て製造される。
(1)本発明の油性組成物を調製する工程。
(2)上記油性組成物を、加熱して溶解し、容器40内に充填し、冷却して棒状に固化させる、成形工程。
ところで、バケット51は、内周面に、螺旋状に延びたリブ512を有している。図では、リブ512は、4条に形成されている。成形された棒状製剤2は、リブ512によって、バケット51から抜けにくくなっている。したがって、棒状製剤2は、容器40から安定して繰り出される。なお、リブ512は、バケット51の内周面の全部ではなく上部のみに形成されている。仮に、リブ512がバケット51の内周面の全部に形成されている場合には、バケット51内の棒状製剤2が脆弱になってしまう。しかしながら、棒状製品100では、リブ512がバケット51の内周面の上部のみに形成されているので、バケット51内の棒状製剤2が脆弱になるのを抑制できる。なお、形成されるリブの条数は、特に限定されない。
上述した棒状製品100の製造方法によれば、容器40内に棒状製剤2が直接に形成されるので、棒状製品100の生産性を向上できる。
本発明の棒状製品に使用される筒状容器、繰り出し機構(バケット及び回転軸)、及びキャップは、一般的には、ABS、AS、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の、硬質の合成樹脂で、構成されるが、75℃以上の耐熱性を有する硬質の合成樹脂を用いるのが好ましい。このような75℃以上の耐熱性を有する硬質の合成樹脂としては、具体的には、ABS、AS、ポリプロピレン等を用いることができる。
特に、本発明の油性組成物が優れた透明性を有する場合には、筒状容器としては、透明性の高いABS樹脂(例えば、全光線透過率(JIS K 7361/2mmt)が90%以上)からなるものが好ましい。繰り出し機構としては、バケットとしてはポリプロピレン、回転軸としてはポリプロピレンや透明性の高いABS樹脂からなるものが好ましい。キャップとしては、ポリプロピレンからなるものが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表中の成分の配合量の単位は、特に記載のない場合には、全て重量%(w/w%)である。
油性組成物の製造
以下の表1に示す成分を加熱溶解し、繰り出し容器の筒体内に充填し、冷却して棒状に固化させ、実施例1〜10及び比較例1〜3の油性組成物を得た。そして、当該組成物を用いて、硬度、苦味及び使用感を測定した。
[硬度について]
油性組成物を充填する上記筒状容器として、直径約13mm及び高さ約60mmの円筒型容器を用いた。また、充填後の冷却として、25℃で12時間以上、恒温化した。得られた棒状製剤の上部10mmを切り取り、残りの棒状製剤を、上記筒状容器内に下降させた。これを、測定用試料として用いた。そして、レオメーター(商品名「NRM-2002J」、不動工業株式会社製)を用いて、硬度を測定した。すなわち、直径1mmの円柱状のアダプター(アダプターNo.6)を、上記筒状容器の軸中心と内周面との中間点の位置に、20mm/分の速度で、進入させ、進入から30秒間の最大値を、硬度とした(単位g/0.5×0.5×3.14mm)。
[苦味について]
実施例1〜10及び比較例1〜3の油性組成物を、口唇に適用しその苦味を評価した。苦味の評価は、○:不快な苦味を感じない、×:不快な苦味を感じる、の基準で行なった。
[使用感について]
(1)「パック感」
実施例1〜10及び比較例1〜3の油性組成物を、口唇に適用し、そのパック感を評価した。パック感の評価は、○:パック感を感じる、△:パック感を少し感じる、×:パック感を感じない、の基準で行なった。
(2)「のび」
実施例1〜10及び比較例1〜3の油性組成物を、口唇に適用し、そののびを評価した。のびの評価は、○:のびがよい、△:のびが少し悪い、×:のびが悪い、の基準で行なった。
特定の範囲外の硬度を有する比較例1〜3は不快な苦味を感じるのに対して、硬度が特定の範囲内にある実施例1〜10は不快な苦味を感じなかった。
なお、本発明の油性組成物を固化してなる棒状製剤の具体例を表2及び表3に示す。
100 棒状製品 2 棒状製剤 40 筒状容器


Claims (8)

  1. (A)式(1):
    (式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体、及び
    (B)液状油分
    を含有する口唇用油性組成物の硬度を、26〜85(g/0.5×0.5×3.14mm)とすることを特徴とする、苦味の低減方法。
  2. (A)成分として、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 口唇用油性組成物が、さらに(C)(A)以外の油性ゲル化剤を含有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (C)成分としてポリアミド樹脂を含有する、請求項3記載の方法。
  5. (A)式(1):
    (式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜26の炭化水素基であり、Rは、炭素原子数7〜18の炭化水素基であり、nは、1又は2である)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体、及び
    (B)液状油分
    を含有し、硬度が26〜85(g/0.5×0.5×3.14mm)である口唇用油性組成物が、筒状容器内に充填されて固化されてなることを特徴とする棒状製品。
  6. (A)成分として、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを含有している、請求項5に記載の棒状製品。
  7. 口唇用油性組成物が、さらに(C)(A)以外の油性ゲル化剤を含有する、請求項5又は6に記載の棒状製品。
  8. (C)成分としてポリアミド樹脂を含有する、請求項7に記載の棒状製品。
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