JP2011026231A - 棒状組成物及び棒状製品 - Google Patents

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Yosuke Kobayashi
洋介 小林
Akiyori Fujiwara
聡頼 藤原
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Abstract

【課題】 本発明は、保湿性がより高い棒状組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 棒状組成物の横断面を非円形形状(特に楕円形状)とすることにより、口唇に塗布した際の該組成物の口唇への付着量を増やすことができる。それによって、口唇へ与える水分量が増えると共に、口唇からの水分蒸散を低減し、棒状組成物を口唇に適用した場合の保湿性を効果的に向上することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、口紅、リップライナー、リップクリーム等の口唇用の棒状組成物に関し、特に、横断面非円形形状を有する棒状組成物に関する。
口唇は皮脂腺や汗腺がないため乾燥しやすく、その保湿は重要である。口紅、リップライナー、リップクリーム等の口唇用組成物において、保湿性を向上させる方法として、水やグリセリン等の保湿剤を配合して乳化製剤とすること等が知られている(特許文献1)。
また、棒状組成物は、一般に、棒状組成物用の繰り出し容器の筒体内に収容されて、棒状製品として使用される。ところで、近年では、使用の便宜性の観点から、横断面非円形形状、特に横断面楕円形状、横断面多角形状の、棒状組成物が使用されるようになってきている(特許文献2、3)。
特開2001−199841号公報 特開2007−176900号公報 特開2008−278976号公報
本発明は、保湿性がより高い棒状組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、水を配合して保湿性を向上させた棒状組成物において、棒状組成物の横断面を非円形形状(特に楕円形状)とすることにより、当該組成物を塗布した際の付着量を増やすことができることを見出した。
従って、本発明は以下を提供する。
〔1〕(A)油分、
(B)界面活性剤、及び
(C)水
を含有する、横断面非円形形状の口唇用棒状組成物。
〔2〕非円形形状が楕円形状である、上記〔1〕に記載の棒状組成物。
〔3〕棒状組成物が乳化組成物である、上記〔1〕又は〔2〕に記載の棒状組成物。
〔4〕棒状組成物が油中水型乳化組成物である、上記〔3〕に記載の棒状組成物。
〔5〕棒状組成物1gあたりの抱水量が、0.5〜25gである、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の棒状組成物。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の棒状組成物と、該棒状組成物を収容するための、横断面非円形形状の筒体と、筒体内に収容された棒状組成物を筒体から繰り出すための繰り出し機構と、を備えた繰り出し容器とからなる棒状製品。
更に、本発明は以下も提供する。
〔7〕 口唇用棒状組成物の横断面形状を非円形形状とする、口唇用棒状組成物の口唇への付着量を増加させる方法。
〔8〕 口唇用棒状組成物の横断面形状を非円形形状とする、口唇用棒状組成物の保湿性向上方法。
棒状組成物の横断面を非円形形状(特に楕円形状)とすることにより、該組成物を塗布した際の付着量を増やすことができ、口唇からの水分蒸散量を低減できる。さらに本発明の棒状組成物には水が含まれているので口唇へ与える水分量を増やすことができるので、該組成物を口唇に適用した場合の保湿性をより効果的に向上できると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
横断面形状
本発明における「横断面非円形形状」とは、横断面における断面形状が、真円以外の形状、例えば、楕円形状、四角形や三角形等の多角形状、星形状、その他の変形形状であることを意味する。
なお、横断面非円形形状としては、付着量(保湿性)、並びに棒状組成物(製品)の操作性や使用性等を考慮して、横断面楕円形状が好ましい。
棒状組成物の楕円形状は、図2に示されるように、長径寸法L及び短径寸法Sを有している。そして、楕円形状の扁平率は、式(A)によって算出した場合に、0.05〜0.8であり、好ましくは0.1〜0.6であり、より好ましくは0.2〜0.5である。
扁平率=(長径寸法L−短径寸法S)/長径寸法L … 式(A)
(A)油分(以下、単に(A)成分ともいう)
油分としては、少なくとも固形油分と、必要に応じて液状又は半固形油分とが使用される。
固形油分としては、固体油脂、ロウ類、炭化水素系ワックス、高級アルコール、シリコーンワックス等を使用できる。
・固体油脂の具体例としては、モクロウ、カカオ脂、硬化ヒマシ油、硬化油、パーム油、硬化ヤシ油、モクロウ核油、水添ホホバ油等が挙げられる。
・ロウ類の具体例としては、カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、ジョジョバロウ、セラックロウ、コメヌカロウ等が挙げられる。
・炭化水素系ワックスの具体例としては、ポリエチレンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、オゾケライトワックス等が挙げられる。
・高級アルコールの具体例としては、ベヘニルアルコール、セタノール、バチルアルコール等が挙げられる。
液状又は半固形油分としては、液体又は半固形油脂類、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、多価アルコール、鎖状シリコーン油、環状シリコーン油、トリグリセリン、フッ素変性油等を使用できる。
・液体又は半固形油脂類の具体例としては、アボカド油、シア脂、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、月見草油、ホホバ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、茶実油、コメヌカ油、米胚芽油、小麦胚芽油、落花生油、ヒマワリ油、アーモンド油、トウモロコシ油、ヤシ油、オレンジ油、セージ油、パーム油、ミンク油、メドウフォーム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローズヒップ油、牛脂、羊脂等が挙げられる。また、これらに水素添加等の処理を施したものは、形状が液体から半固形や固形に変わるものもあるが、液体油脂類と同様に利用できる。
・炭化水素油の具体例としては、スクワラン、流動パラフィン、ポリブテン、ワセリン、水添ポリブテン、軽質流動パラフィン、ポリイソブチレン、ボリイソブテン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、テトラデセン、α−オレフィンオリゴマー、イソヘキサデカン、イソドデカン、(エチレン/プロピレン)コポリマー、エチレンホモポリマー等が挙げられる。
・エステル油の具体例としては、ラノリン、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸2−ヘキシルデシル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、リンゴ酸ジイソステアリル、イソプロピルミリステート、2−オクチルドデシルオレエート、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキシルパルミテート、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、ドデシルオレエート、オレイン酸オレイル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ホホバエステル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、リンゴ酸ジオクチルドデシル、リンゴ酸ジデシルテトラデカノール、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシアルキル(C16-18)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)等が挙げられる。
・高級アルコールの具体例としては、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデカノール、オレイルアルコール等が挙げられる。
・多価アルコールの具体例としては、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
・鎖状シリコーン油の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
・環状シリコーン油の具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
本発明の棒状組成物において、(A)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは30〜99.9重量%、より好ましくは50〜99.9重量%、さらに好ましくは70〜99.9重量%である。(A)成分の含有量が30重量%未満の場合、使用感の悪い製剤となる場合がある。
(B)界面活性剤(以下、単に(B)成分ともいう)
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用できるが、刺激性の観点から非イオン性界面活性剤がより好ましい。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、シリコン系界面活性剤等を使用できる。
・ポリグリセリン脂肪酸エステル類の具体例としては、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル、オレイン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等が挙げられる。
・ジグリセリン脂肪酸エステル類の具体例としては、トリイソステアリン酸ジグリセリル
・グリセリン脂肪酸エステル類の具体例としては、モノステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類の具体例としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジメチルエーテル等が挙げられる。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル類の具体例としては、、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられる。
・ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類の具体例としては、、ポリオキシエチレン(20)ステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。
・ソルビタン脂肪酸エステル類の具体例としては、モノパルミチン酸ソルビタン等が挙げられる。
・シリコン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
本発明の棒状組成物において、(B)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。(A)成分の含有量が0.01重量%未満の場合、十分な抱水性を得ることができない場合があり、(A)成分の含有量が20重量%を超えると、使用感の悪い製剤となる場合がある。
(C)水(以下、単に(C)成分ともいう)
本発明の棒状組成物において、(C)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜20重量%、より好ましくは0.01〜15重量%、さらに好ましくは0.05〜10重量%である。(A)成分の含有量が0.001重量%未満の場合、不安定になる場合があり、(A)成分の含有量が20重量%を超えると、使用感が悪くなる場合がある。
その他成分
なお、本発明の棒状組成物は、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の他に、用途に応じた有効成分や種々の添加剤を含有してもよい。
有効成分とは、口唇皮膚に対して所望の作用効果を期待して配合される成分を言う。ここで、所望の作用効果としては、(a)口唇のひびわれ、口唇のただれ、口唇炎、口角炎等を、治療すること、(b)日焼けによるしみ・そばかすを防止すること、(c)日やけ・雪やけ後のほてりを鎮静化すること、(d)口唇を清浄にすること、(e)口唇を保護すること、(f)口唇の乾燥を防止すること、(g)口唇の荒れを防止すること、(h)キメを整えること、(i)口唇に潤いを与えること、(j)口唇を滑らかにすること、(k)口唇を健やかに保つことが挙げられる。
有効成分の具体例としては、抗炎症成分(グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸、アラントイン等)、ビタミン成分(トコフェロール酢酸エステル、ビタミンA油、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、リボフラビン酪酸等)、保湿成分(ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ハチミツ、ローヤルゼリーエキス、ホエイ、水溶性コラーゲン、MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)等)、アロエベラ葉エキス、アロエエキス、海藻エキス、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等)、紫外線吸収成分(パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等)、紫外線散乱成分(酸化チタン、酸化亜鉛等)、鎮痛成分(メントール、カンフル、サリチル酸、ユーカリ油、サリチル酸メチル、テレピン油、ハッカ水等)、血行促進成分(ニンジンエキス等)、その他抗菌成分(1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等)、エタノール、抗ウイルス成分等が挙げられる。
添加剤としては、本発明の棒状組成物の効果を損なわない限り、種々の、着色剤(顔料を含む)、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤(甘味剤を含む)、矯臭剤(香料を含む)等を使用できる。
棒状組成物
棒状組成物は、上記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有し、その横断面が非真円形状であることを特徴とする。本発明の棒状組成物は、用途に応じた有効成分や種々の添加剤を含有してもよい。
本発明の棒状組成物は、口唇へ十分な量の水分を補給し、かつ保水する観点から、高い抱水力を有することが望ましい。組成物1gあたりの抱水量は、0.5〜25gが好ましく、0.5〜15gがより好ましい。
本発明の棒状組成物の剤形は特に制限されず、配合成分の種類やその配合量により可溶化系、マイクロエマルション、乳化系の各種剤形をとり得る。より多くの水分を口唇へ補給する観点から本発明の棒状組成物に含有される(C)成分の量は多いほうが望ましく、その観点から、本発明の棒状組成物はより多量の水を配合できる乳化系(乳化組成物、より詳細には油中水型乳化組成物)であることが好ましい。
棒状組成物は、次の工程(1)、(2)をこの順に経て製造される。
(1)(A)成分〜(C)成分を混合(場合により乳化、可溶化等)して液状組成物を製造する、液状組成物製造工程。
(2)液状組成物を、横断面楕円形状の筒状の型内に充填し、冷却して棒状に固化させる、成形工程。
なお、液状組成物製造工程では、必要に応じて、上述した有効成分や添加剤を含有させてもよい。
棒状製品
上述した本発明の棒状組成物は、一般に、繰り出し容器に収容されて、棒状製品として使用される。図3は、横断面楕円形状の本発明の棒状製品100の外観斜視図である。図4は、棒状製品100の使用状態の斜視図である。図5は、図3のV−V断面矢視図である。図6は、図3のVI−VI断面矢視図である。図7は、図3の平面図である。図8は、図3の底面図である。棒状製品100は、一般に、棒状組成物2と繰り出し容器3とを備えている。繰り出し容器3は、棒状組成物2を収容するための筒体40と、筒体40内に収容された棒状組成物2を筒体40から繰り出すための繰り出し機構50と、筒体40を塞ぐキャップ60と、を備えている。キャップ60は、筒体40に対して着脱可能である。なお、繰り出し容器3は、一般的には、ABS、AS、ポリプロピレン等の硬質の合成樹脂で構成されるが、具体的には、棒状組成物2の構成成分との相互作用等の製剤的特徴や、生産性等も、考慮して適宜選択された、材料で、構成される。また、本発明の製造方法を採用する場合においては、繰り出し容器3は、耐熱性等を考慮して、ポリプロピレンで構成されることが好ましい。
筒体40は、横断面楕円形状を有している。棒状組成物2は、筒体40内に摺接可能に嵌合している。
繰り出し機構50は、基台51及び回転軸52を備えている。基台51は、棒状組成物2が充填される凹部511を有している。回転軸52は、底部に露出しているダイヤル521と、筒体40内にダイヤル521から真っ直ぐに延びた中軸522と、を有している。中軸522は、表面に多数の溝523を有している。基台51は、中軸522の溝523に螺合しており、中軸522が回転すると、中軸522に沿って上下動するようになっている。したがって、繰り出し機構50によれば、ダイヤル521が回転されることによって、中軸522が回転し、それに伴って、基台51が棒状組成物2を伴って筒体40内を上下動し、それにより、棒状組成物2が繰り出される。
棒状製品100は、図4に示されるように、筒体40内の棒状組成物2を、繰り出し機構50によって筒体40から繰り出しながら使用に供されるようになっている。ここで、「繰り出す」とは、棒状組成物2を筒体40に対して「出し入れする」ことを意味する。
棒状製品の製造方法
上述した棒状製品100は、次の工程(1)、(2)をこの順に経て製造される。
(1)(A)成分〜(C)成分を混合(場合により乳化、可溶化等)して液状組成物を製造する、液状組成物製造工程。
(2)液状組成物を、横断面楕円形状の筒体40内に充填し、冷却して棒状に固化させる、成形工程。
なお、液状組成物製造工程では、必要に応じて、上述した有効成分や添加剤を含有させてもよい。
上述した棒状製品100の製造方法によれば、筒体40内に棒状組成物2が直接に形成されるので、棒状製品100の生産性を向上できる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、表中の成分の配合量の単位は、特に記載のない場合には、全て重量%(w/w%)である。
棒状製品の製造
以下の表1に示す各成分のうち(A)成分に該当する成分に、(B)成分及び(C)成分を混合、乳化して乳化液状組成物を得た。乳化液状組成物を横断面が楕円形状である繰り出し容器に充填し固化することにより実施例1の棒状製品を得た。同様に、乳化組成物を横断面が真円形状である繰り出し容器に充填し固化することにより比較例1の棒状製品を得た。
横断面が楕円形状である実施例1の棒状組成物は、長径寸法L:18mm、短径寸法S:10mm(扁平率:0.44)、高さ:35mmであり、横断面が真円形状である比較例1の棒状組成物は、直径:12mm、高さ39.5mmであった。
Figure 2011026231
棒状組成物の抱水力は以下の方法で測定した。
実施例1の棒状組成物4.0gを正確に計り取り、すり鉢内で組成物を練りながら0.1gずつ水を添加した。水が抱水できなくなった時、その前までに添加した水分量をその製剤の抱水量とした。抱水できているかどうかは目視により判定した。
試験例1 付着量の評価
実施例1(横断面形状が楕円)及び比較例1(横断面形状が真円)を、各々、人工皮革(商品名:サプラーレ、出光テクノファイン(株))の5cm×1cmの枠に10回ずつ塗布し、塗布後の人工皮革の重量を測定した。試験を3回行ない平均値を求め、実施例1及び比較例1の皮膚への付着量(g)を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2011026231
同じ組成であっても、横断面が真円の場合に比べて楕円の方がより皮膚への付着量が多いことを確認した(実施例1/比較例1=1.55)。皮膚への付着量が多くなることにより、口唇へ与える水分量が増えると共に、口唇からの水分蒸散を低減し、棒状組成物を口唇に適用した場合の保湿性を効果的に向上することができると推定される。
なお、上述したように、棒状組成物は、「油分」、「界面活性剤」及び「水」以外に、「有効成分」や「添加剤」を含有してもよく、そのような実施例を表3に示す。これらの実施例の、棒状組成物及び棒状製品も、表1の例と同様に製造できる。すなわち、表3に示される配合成分を混合(場合により乳化、可溶化等)して、液状組成物を製造し、この液状組成物を、繰り出し容器3の筒体40内に充填し、冷却して棒状に固化させることにより、棒状化粧料2及び棒状化粧品100を同時に得る。
Figure 2011026231
本発明の棒状組成物の外観斜視図である。 図1のII−II断面矢視図である。 本発明の棒状製品の外観斜視図である。 図3の棒状製品の使用状態の斜視図である。 図3のV−V断面矢視図である。 図3のVI−VI断面矢視図である。 図3の平面図である。 図3の底面図である。
100 棒状製品 2 棒状組成物 21 横断面 3 繰り出し容器 40 筒体 50 繰り出し機構

Claims (6)

  1. (A)油分、
    (B)界面活性剤、及び
    (C)水
    を含有する、横断面非円形形状の口唇用棒状組成物。
  2. 非円形形状が楕円形状である、請求項1に記載の棒状組成物。
  3. 棒状組成物が乳化組成物である、請求項1又は2に記載の棒状組成物。
  4. 棒状組成物が油中水型乳化組成物である、請求項3に記載の棒状組成物。
  5. 棒状組成物1gあたりの抱水量が、0.5〜25gである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の棒状組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の棒状組成物と、該棒状組成物を収容するための、横断面非円形形状の筒体と、筒体内に収容された棒状組成物を筒体から繰り出すための繰り出し機構と、を備えた繰り出し容器とからなる棒状製品。

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