JP2010260824A - 油性組成物及び棒状製品 - Google Patents
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(1)油性組成物が、製剤化工程において、ノズルやチューブを通している間に固化し、そのために、その後の作業に不具合が生じた。
(2)油性組成物が充填される容器として、75℃以上の耐熱性が必要とされる。そのため、容器の材質に制限があった。
(A)下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体と、
(B)上記(A)成分以外の油性ゲル化剤と、
(C)液状油分と、
(D)ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテル、及び脂肪酸ポリグリセリル、からなる群から選択される少なくとも1種と、
を含有していることを特徴としている。
本発明の油性組成物は、下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)の成分を含有している。
(A)成分は、下記式(1)で表されるN−アシルアミノ酸誘導体である。
(B)成分は、上記(A)成分以外の油性ゲル化剤である。
[1-1]下記の式(2)で表されるアミド末端ポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。
具体的には、イソステアリン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、オクタン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、ラウリン酸デキストリンなどを用いることができる。
具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステルなどを用いることができる。
具体的には、イヌリン脂肪酸エステル、ベヘン酸グリセリルなどを用いることができる。
具体的には、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルジステアリルヘクトライト、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライトなどを用いることができる。
具体的には、ミリスチン酸亜鉛、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどを用いることができる。
具体的には、デンプンパルミチン酸エステルなどを用いることができる。
具体的には、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトールなどを用いることができる。
具体的には、無水ケイ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、デカ(ベヘン酸/カプリン酸)ポリグリセリル)などを用いることができる。
(C)成分は、液状油分である。
具体的には、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデカノール、オレイルアルコールなどを用いることができる。
具体的には、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動パラフィン、ポリブテン、スクワラン、α−オレフィンオリゴマー、イソヘキサデカン、イソドデカン、ポリイソブテン、流動イソパラフィンなどを用いることができる。
具体的には、リンゴ酸ジイソステアリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、水添ロジン酸ペンタエリトリット、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2−エチルヘキサン酸セチルなどを用いることができる。
具体的には、液状ラノリンなどを用いることができる。
具体的には、メチルフェニルポリシロキサンなどを用いることができる。
具体的には、マカデミアナッツ油、アボカド油、ローズヒップ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、メドウフォーム油などを用いることができる。
(D)成分は、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテル、及び脂肪酸ポリグリセリル、からなる群から選択される少なくとも1種である。これらの中でも、ダイマー酸エステル、ダイマージオールエステル、ダイマージオールエーテルを好ましく用いることができ、特にダイマー酸エステルを好ましく用いることができる。
具体的には、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマー酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)などを用いることができる。
具体的には、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイルなどを用いることができる。
具体的には、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテルなどを用いることができる。
具体的には、イソステアリン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリルなどを用いることができる。
固形又は半固形油分としては、25℃で固形又は半固形(液状ではない)を呈する油分を用いるのが好ましく、具体的には、本技術分野で通常使用されている、高級アルコール、アミノ酸誘導体、炭化水素、動植物由来の油脂、硬化油、脂肪酸、エステル油、ラノリン・ラノリン誘導体、フッ素油、シリコーン油、ワックス・ロウ類、硬化油、脂肪酸などを用いることができ、これらの中でも、アミノ酸誘導体、炭化水素、ラノリン・ラノリン誘導体、ワックス・ロウ類を好ましく用いることができる。
具体的には、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)などを用いることができる。
具体的には、ワセリンなどを用いることができる。
具体的には、ラノリンなどを用いることができる。
具体的には、キャンデリラロウ樹脂などを用いることができる。
具体的には、次のとおりである。
[2]ビタミン成分:トコフェロール酢酸エステル、ビタミンA油など。
[3]保湿成分:ヒアルロン酸ナトリウム、ハチミツ、ローヤルゼリーエキス、ホエイ、水溶性コラーゲン、セラミドなど。
[4]紫外線吸収成分:パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなど。
[5]鎮痛成分:メントール、カンフル、サリチル酸、ユーカリ油、サリチル酸メチルなど。
[6]抗菌成分:1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなど。
[7]抗ウイルス成分
具体的には、着色剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤(甘味剤を含む)、矯臭剤(香料を含む)などを用いることができる。
製剤化工程における不具合の解消、及び、容器の耐熱性から生じる容器の材質の制限の解消、の観点から、本発明の油性組成物の凝固点は、通常は70℃以下、好ましくは68℃以下、特に好ましくは65℃以下である。なお、凝固点の下限値は、棒状製品として使用する観点から、通常は40℃以上、好ましくは45℃以上、特に好ましくは50℃以上である。
本発明の油性組成物が固化した後の硬度は、通常は10〜100(g/0.5×0.5×3.14mm2)、好ましくは15〜90(g/0.5×0.5×3.14mm2)、より好ましくは25〜85(g/0.5×0.5×3.14mm2)である。
本発明の棒状製品は、本発明の油性組成物が、筒状容器内に充填されて固化されてなるものである。
(1)本発明の油性組成物を調製する工程。
(2)上記油性組成物を、加熱して溶解し、容器40内に充填し、冷却して棒状に固化させる、成形工程。
(1)凝固点
棒状製剤5gを、細かく砕いて、20mlのネジ口瓶に入れた。次に、ステンレス製のバットに、シリコーン油を適量入れ、そのバットを、ホットプレート(商品名「ECHOTPLATE EC-1200N」、ASONE社製)に乗せて加熱し、そのバット内に、上記製剤の入ったネジ口瓶を入れ、上記製剤を、完全に溶解させた後、そのままの状態で室温に放置した。そして、ミクロスパーテルによって製剤が固まったのを確認した時の温度を、凝固点とした。温度計としては、商品名「CUSTOM CT-450WR」(CUSTOM社製)を用いた。
棒状製剤5gを、細かく砕いて、20mlのネジ口瓶に入れた。次に、ステンレス製のバットにシリコーン油を適量入れ、そのバットを、ホットプレート(商品名「ECHOTPLATE EC-1200N」、ASONE社製)に乗せて加熱し、そのバット内に、上記製剤の入ったネジ口瓶を入れ、上記製剤の様子を目視で観察し、上記製剤が溶け始めた温度を融点とした。温度計としては、商品名「CUSTOM CT-450WR」(CUSTOM社製)を用いた。
油性組成物を充填する上記筒状容器として、直径約13mm及び高さ約60mmの円筒型容器を用いた。また、充填後の冷却として、25℃で12時間以上、恒温化した。得られた棒状製剤の上部10mmを切り取り、残りの棒状製剤を、上記筒状容器内に下降させた。これを、測定用試料として用いた。そして、レオメーター(商品名「NRM-2002J」、不動工業株式会社製)を用いて、硬度を測定した。すなわち、直径1mmの円柱状のアダプター(アダプターNo.6)を、上記筒状容器の軸中心と内周面との中間点の位置に、20mm/分の速度で、進入させ、進入から30秒間の最大値を、硬度とした(単位g/0.5×0.5×3.14mm2)。
油性組成物を充填する上記筒状容器として、光路長10mmのセル(セル寸法10×10×45mm、二面透過タイプ、ポリスチレン製)を用いた。冷却固化して得られた棒状製剤を、25℃で1時間放置し、それを測定用試料として用いた。そして、分光光度計(商品名「UV-2450」、株式会社島津製作所製)を用いて、上記セル内の上記製剤に対する600nmの透過率を測定した。表1においては、85以上を「◎」、75以上85未満を「○」、50以上75未満を「△」、50未満を「×」で示した。
(1)「パック感」
上記透明性の評価で「◎」又は「○」であった実施例1、2、5と、比較例1〜3と、についてのみ、評価した。10人のモニターに、5段階で評価してもらった。「すごくある」を5点、「ある」を4点、「普通」を3点、「ない」を2点、「全然ない」を1点として、合計点を求めた。表2は、その結果を示す。
アクリル板表面の10cm2(5cm×2cm)の領域に、上記製剤を、20mg塗布した。そして、静動摩擦測定機であるトライボマスター(商品名「TL201S」、株式会社トリニティーラボ製)を用いて、上記製剤に関する動摩擦係数を測定した。すなわち、摩擦感テスターを、100gの荷重を加えた状態で2.0mm/秒の速度で移動させ、これにより、動摩擦係数を測定した。なお、測定データは、Condition catcher Model(商品名「MPL-10A-128」、株式会社九州共販製)を用いて、コンピュータへ転送し、コンピュータでは、動摩擦係数の平均値を求めた。なお、動摩擦係数の平均値は、上記製剤の「すべり性」を示しており、この「すべり性」と「のび」とは、相関関係にあるので、動摩擦係数の平均値に基づいて、「のび」を評価できる。動摩擦係数の平均値が小さい方が、「すべり性」は良い。表1においては、1.00未満を「◎」、1.00以上1.10未満を「○」、1.10以上1.20未満を「△」、1.20以上を「×」で示した。
(1)実施例1〜6の油性組成物は、いずれも、70℃以下の凝固点を有している。これは、(A)、(B)、(C)、及び(D)の全ての成分を含有しているからである、と考えられる。したがって、本発明の油性組成物によれば、製剤化工程の途中で固化することによる不具合の発生を、防止できる。また、本発明の棒状製品によれば、油性組成物を凝固させる製剤化工程において、耐熱性の低い材質の筒状容器を使用できるので、筒状容器の材質の選択の自由度を向上できる。
Claims (8)
- 70℃以下の凝固点を有している、
請求項1記載の油性組成物。 - 68℃以下の凝固点を有している、
請求項1記載の油性組成物。 - (A)成分として、2種類のN−アシルグルタミン酸ジアルキルアミドを含有しており、
(B)成分として、ポリアミド樹脂を含有している、
請求項1記載の油性組成物。 - (D)成分として、ダイマー酸エステルを含有している、
請求項4記載の油性組成物。 - 口唇用である、
請求項1記載の油性組成物。 - 請求項1〜6のいずれか一つに記載の油性組成物が、筒状容器内に充填されて固化されてなることを特徴とする棒状製品。
- 筒状容器が、ABS樹脂からなっている、
請求項7記載の棒状製品。
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