JP2010258341A - ダイシング用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリ塩化ビニルを主成分とする基材シートを備えたダイシング用粘着シートにおいて、バリア層を設けることなく、粘着力の長期保存安定性を向上させたダイシング用粘着シートを提供する。
【解決手段】基材シート11の少なくとも一方の面に紫外線硬化型粘着剤層12を有するダイシング用粘着シート10であって、前記基材シート11は主成分としてのポリ塩化ビニルと、該ポリ塩化ビニルに対する可塑剤としてのエチレン−一酸化炭素共重合体と、熱安定剤とを含み構成されたものであり、該基材シート11が可視光線の全光線透過率が70%以上であり、波長360nmにおける(紫外線)光線透過率が40%以上であることを特徴とするダイシング用粘着シート10を提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシリコン半導体、化合物半導体、半導体パッケージ及びガラスなどの製造工程で好適に使用することができるダイシング用粘着シートに関する。
シリコン、ガリウム、砒素等を材料とする半導体ウエハの製造工程では、回路を形成したウエハに露光−拡散−エッチングなどの前工程処理を施し、必要に応じて裏面研削を行った後、ウエハの一面(回路形成面と反対側)にダイシング用粘着シート(以下「ダイシングシート」という)を貼り付けてダイシング装置に送り、ダイシングブレードと呼ばれる砥石でウエハに研削溝を入れてチップサイズにダイシング(分割)し(ダイシング工程)、ダイシングシートを放射状に引き伸して個々のチップの間隔を広げ(エキスパンド工程)、次いでコレット等で各チップをピックアップし(ピックアップ工程)、各チップをそれぞれリードフレーム等の回路基板に導電性接着剤で貼り付け(マウント工程)、外部接続のためにボンディングを行い、機械的或いは化学的保護のためにモールド材(封止材)で密封し(モールド工程)、リード加工やリードメッキなどの仕上げ工程を経て製造するのが一般的である。
ダイシングテープは、例えば上記のように使用されるため、ダイシング作業で半導体チップが散乱するのを防止することができ、且つチップの現状の位置に保持したまま次の工程へ搬送することができ、且つチップ部品等をダイシングテープから簡単に取り外すことができることなどの特性が要求されるため、一般的に基材シート上に粘着剤からなる粘着剤層が形成された構成のものが使用されている。
この際、エキスパンド工程では、ダイシングシートに優れた伸張性が要求されるため、基材シートの材質として、伸張性に優れたポリ塩化ビニルシートが広く使用されている。
ところが、基材シートにポリ塩化ビニルシートを用いたダイシングシートの場合、基材シートに含まれる添加剤等の成分が粘着剤層に移行し、テープ保管中に粘着力が低下する現象が発生し、その結果、ダイシング時に於けるチップの飛散、作業性及び歩留りの著しい低下を招来するという問題があった。
このような問題を解決するため、基材シートと粘着剤層との間に、各種の高分子材料から形成されたバリア層を介層させてなるダイシング用粘着シートが開示されている(例えば、下記特許文献1〜5参照)。これらのダイシング用粘着シートにおけるバリア層は、ポリ塩化ビニルからなる基材シートと粘着剤層の間に介在することで、ポリ塩化ビニル中の各種添加剤が粘着剤層中に移行するのを防止する機能を果たすものであった。
特公平1−56111号 特公平4−192542号 特開平6−134941号公報 特開平8−112304号公報 特開2002−235055号公報 特開2007−321087号公報
しかしながら、前記のように基材シートと粘着剤層との間に、各種の高分子材料から形成されたバリア層を介層させたダイシング用粘着シートにおいては、バリア層を設けたことにより柔軟性が損なわれ、基材シートにポリ塩化ビニルシートを用いる利点が失われるものがあった。また、バリア層を形成するためには、粘着剤層の形成前にこれを基材シート上に予め形成する必要があり、その形成工程の増加に起因して製造コストが増大するという問題もあった。
そこで本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、バリア層を設けることなく、粘着力の長期保存安定性を向上させたダイシング用粘着シートを提供することにある。
本発明は、基材シートの少なくとも一方の面に紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシング用粘着シートであって、前記基材シートは主成分としてのポリ塩化ビニルと、該ポリ塩化ビニルに対する可塑剤としてのエチレン−一酸化炭素共重合体と、熱安定剤とを含み構成されたものであり、該基材シートが可視光線の全光線透過率が70%以上であり、波長360nmにおける紫外線透過率が40%以上であることを特徴とするダイシング用粘着シートを提案する。
塩化ビニルシートは、押出成形やカレンダーロール成形により塩化ビニル樹脂を十分に軟化し得る熱を加えつつ成形するのが通常である。この際、塩化ビニル樹脂は熱により分解し、塩素ガス等の有毒ガスを発生することがあるため、塩化ビニルシートの成形の際には、熱安定剤を添加することにより、塩化ビニル樹脂の熱分解を抑制して有毒ガスの発生を防止し、安定した成型加工性を確保する場合がある。また、塩化ビニルシートは、シートの軟質性を高めるために可塑剤を添加することが一般的である。
本発明者が、塩化ビニルシートを基材シートに用いたダイシングシートの粘着力の低下について検討した結果、可塑剤と熱安定剤が影響していることが分かった。すなわち、可塑剤自体が粘着剤層へ移行すると共に、熱安定剤成分が可塑剤に溶解し、その可塑剤を通じて粘着剤層中に移行する結果、保管の際に粘着特性が著しく低下するという知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づき、可塑剤自体が粘着剤層へ移行するのを防止すると共に熱安定剤成分が可塑剤に溶解することを防止するため、ポリ塩化ビニルに対する可塑剤としてエチレン−一酸化炭素共重合体を使用したものである。かかる可塑剤は、塩化ビニル樹脂との相溶性が高く、分子量も一般の可塑剤に比べて10倍以上高いことから、可塑剤自体が移行せず、しかも熱安定剤を溶解することもなく熱安定剤の粘着剤層への移行を助長しないので、長期保存を行っても著しい粘着力の低下が起こらない。
よって、本発明によれば、熱安定剤が粘着剤層中に移行せず長期にわたって粘着力を維持することができ、長期保存安定性を優れたものとすることができる。同時に、バリア層を形成する必要が無いので、ダイシング用粘着シート自体の柔軟性が損なわれるのを防止することができ、更に、バリア層の形成の為の工程が不要になるため、製造工程の簡素化及び製造コストの低減が可能になる。
本発明の実施の一形態に係るダイシング用粘着シートを概略的に示した断面模式図である。
本発明の実施の形態について、図1を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施の形態に係るダイシング用粘着シート(以下、「本ダイシングシート」と言う)を概略的に示した断面模式図である。
図1に示す本ダイシングシート10は、基材シート11上に粘着剤層12を積層し、さらに粘着剤層12上にセパレータ13を積層してなる構造を備えたものである。
<基材シート>
基材シート11は、粘着剤層12の支持母体となるものであり、少なくとも、ベース樹脂としてのポリ塩化ビニルと、該ポリ塩化ビニルに対する可塑剤としてのエチレン−一酸化炭素共重合体と、熱安定剤とを含んで形成されるものである。
(ベース樹脂)
基材シート11を構成するポリ塩化ビニルとしては、塩化ビニル単独重合体のほか、塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体(以下、「塩化ビニル共重合体」と称する)、この塩化ビニル共重合体以外の重合体に塩化ビニルをグラフト共重合させたグラフト共重合体等を挙げることができる。これらの共重合体は、共重合体中の塩化ビニル以外の構成単位含有量が多くなると機械的特性が低下するので、共重合体中の塩化ビニルの構成単位含有量は60質量%以上であるのが好ましい。かかる観点から、共重合体中の塩化ビニルの構成単位含有量は70質量%以上であるのがさらに好ましく、中でも80質量%以上であるのがより好ましい。
なお、上記各重合体は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等いずれの重合方法で得られたものでもよく、それぞれ単独または2種以上の重合体の組み合わせで使用することができる。
上記の塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、分子中に反応性二重結合を有するものであればよい。例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類:ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類:アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸類:アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸フェニル等のアクリル酸またはメタクリル酸のエステル類:スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類:塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類:N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等を挙げることができ、これらは単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
また、上記塩化ビニル共重合体以外の重合体としては、塩化ビニルをグラフト共重合できるものであればよく、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等を挙げることができ、これらは1種単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
ポリ塩化ビニルの平均重合度は700〜1,700であるのが好ましい。平均重合度が700未満では耐破断性や他の機械物性に劣り、平均重合度が1,700を越えると溶融粘度の増大が著しく、成形加工温度と分解温度が近くなり、生産安定性に劣る。よって、かかる観点から、ポリ塩化ビニルの平均重合度は800〜1,600であるのがより好ましく、中でも900〜1,400であるのがさらに好ましい。
基材シート11におけるポリ塩化ビニルの含有量は、50〜99質量%であるのが好ましい。ポリ塩化ビニルの含有率が50質量%以上であれば、耐破断性やエキスパンド特性を充分に発揮することができ、99質量%以下であれば、成形加工性の点から優位である。かかる観点から、60〜95質量%であるのがさらに好ましく、中でも65〜90質量%であるのがより好ましい。
(可塑剤)
本ダイシングシートでは、可塑剤としてエチレン−一酸化炭素共重合体を用いる点が重要である。
一般に塩化ビニル樹脂(PVC)の可塑剤として用いられているものは、DOPなどのように低分子量であり、溶媒として作用して添加剤を溶解させる場合がある。これに対し、エチレン−一酸化炭素共重合体は、PVCとの相溶性に優れた高分子量軟質樹脂であることから、PVCを軟質化させる効果を有しつつ、高分子量であるが故に溶媒としての作用が無いため、熱安定剤などを溶解させることが無いという特徴がある。
このようなエチレン−一酸化炭素共重合体としては、例えばエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体、又は、エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素三元共重合体を好適に用いることができる。
但し、これらに限定するものではない。
エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体としては、エチレン単位40〜80質量%、酢酸ビニル単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%からなる三元共重合体を好適に用いることができる。このような三元共重合体であって、且つ商品化されているものとして、例えば三井・デュポンポリケミカル(株)社製の商品名「Elvaloy 741」等を挙げることができる。
なお、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素三元共重合体におけるエチレン単位は、45〜75質量%であるのがさらに好ましく、中でも50〜65質量%であるのがより好ましい。酢酸ビニル単位は、10〜40質量%であるのがさらに好ましく、中でも15〜35質量%であるのがより好ましい。一酸化炭素単位は、5〜25質量%であるのがさらに好ましく、中でも8〜20質量%であるのがより好ましい。
エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素三元共重合体として、例えばエチレン単位40〜80質量%、アルキルアクリレート単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%からなる三元共重合体を好適に用いることができる。このような三元共重合体であって、且つ商品化されているものとして、例えば三井・デュポンポリケミカル(株)社製の商品名「Elvaloy HP441」等を挙げることができる。
なお、エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素三元共重合体におけるエチレン単位は、45〜75質量%であるのがさらに好ましく、中でも50〜65質量%であるのがより好ましい。アルキルアクリレート単位は、10〜40質量%であるのがさらに好ましく、中でも15〜35質量%であるのがより好ましい。一酸化炭素単位は、5〜25質量%であるのがさらに好ましく、中でも8〜20質量%であるのがより好ましい。
このような三元共重合体の中でも特に、エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素三元共重合体は、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体に比べて熱安定性がよく、また粘着剤の主流であるアクリル系粘着剤との親和性も良いことが考えられるのでより一層好ましい。
エチレン−一酸化炭素共重合体の重量平均分子量は、添加剤の粘着剤層への移行防止と成形加工性の観点から、5,000〜500,000であるのが好ましく、特に10,000〜400,000であるのが好ましく、中でも特に20,000〜300,000であるのがさらに好ましい。
このように、エチレン−一酸化炭素共重合体は、塩化ビニル樹脂と相溶性に優れた高分子量の樹脂であって軟質化の効果を有する一方で、その高分子量であるが故に溶媒としての作用が無く、安定剤などを溶解させることが無いものと推測できる。
エチレン−一酸化炭素共重合体は、フィルムに柔軟性を付与して好適なエキスパンド特性を付与するとともに、共重合成分であるエチレンの効果で成形加工時の金属面への貼り付きや減粘効果によるポリ塩化ビニルの分解抑制のために添加するものであり、その添加量はポリ塩化ビニル100質量部に対して1〜80質量部であるのが好ましい。1質量部未満では可塑剤添加量を減らせるまでの柔軟性付与効果が十分に得られない可能性があり、逆に80質量部を越えるとフィルムの腰(剛性)が低下し、エキスパンド工程や、ピックアップ工程での作業性が悪くなる可能性がある。また、第3成分である酢酸ビニル成分特有の酢酸臭やアルキルアクリレート成分特有のアクリル酸臭が強くなる。
よって、このような観点から、5〜70質量部であるのがより好ましく、中でも10〜60質量部であるのがさらに好ましい。
(熱安定剤)
塩化ビニル樹脂は熱により分解し、塩素ガス等の有毒ガスを発生することがあるため、熱安定剤を添加することにより、塩化ビニル樹脂の熱分解を抑えて有毒ガスの発生を防止することができる。
熱安定剤としては、例えば2−エチルヘキシル酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸、クエン酸、グルコン酸、ソルビン酸、安息香酸等のカルシウム塩類、マグネシウム塩類、バリウム塩類、および亜鉛塩類からなるCa−Zn系塩類、Mg−Zn系塩類、およびBa−Zn系塩類、Ca−Mg−Zn系塩類等を挙げることができ、これらは1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
これらの中でも、安全性および電気絶縁性などの観点から、例えばバリウム塩類と亜鉛塩類との混合物からなるBa−Zn系塩類が特に好ましい。
なお、前記の熱安定剤に対して安定化助剤として、トリフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、4,4’イソブチリデンビス−(3−メチル6−tert−ブチルフェニル−ジトリデシルホスファイト)等の有機リン系化合物や、ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)、ジベンゾイルメタン(DBM)、デヒドロ酢酸等のβ−ジケトン化合物、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール化合物、エポキシ化大豆油やエポキシ化亜麻仁油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化合物などを添加することも可能である。
熱安定剤及び安定化助剤の添加量は、本ダイシングシートの特性を損なわない範囲であれば制限は無いが、それぞれ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し5質量部以下とするのが好ましく、特に0.1〜4質量部、中でも特に0.5〜3質量部とするのがさらに好ましい。
(他の成分)
基材シート11には、基材シート11の特性を損なわない範囲内であれば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体等が含まれていてもよい。
また、基材シート11には、前記に加えて特性を損なわない範囲で、他の添加剤として滑剤、防曇剤、衝撃改良剤、加工助剤、紫外線劣化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、光安定剤、着色剤等その他添加剤を配合することができる。
例えば滑剤として、炭化水素系や高級脂肪酸、脂肪族アルコール、高級脂肪酸エステル系、アミド系の滑剤等を挙げることができる。
酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系や含硫黄系などの酸化防止剤を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系やヒンダードアミン系の紫外線吸収剤を挙げることができる。
これらの添加量は、ダイシング用粘着シートの特性を損なわない範囲であれば制限は無いが、それぞれ塩化ビニル系樹脂100質量部に対し5質量部以下が好ましく、特に0.001〜3質量部、中でも特に0.05〜2質量部とするのがさらに好ましい。
(基材シートの製法)
基材シート11は、押出成形やカレンダーロール成形等の従来公知の方法により製造することができる。また、基材シート11としては無延伸のものを用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。また、その表面部分には、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理(化学架橋(シラン結合))等の慣用の物理的又は化学的処理を施すことができる。
(基材シートの厚み)
基材シート11の厚みは、50μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、80μm〜150μmの範囲内であることがより好ましい。基材シート11の厚みが50μm未満では、半導体ウエハを保持するダイシングシートの基材シート内部まで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式において、基材シート11まで切断されてしまいエキスパンド工程で破断してしまう可能性がある。他方、基材シート11の厚みが200μmを超えるとエキスパンド工程での伸ばしやすさが低下する可能性がある。
かかる観点から、基材シート11の厚みは、80μm〜150μmの範囲内であることがより好ましく、中でも90μm〜120μmの範囲内であることがさらに好ましい。
(基材シートの物性)
基材シート11は、可視光線の全光線透過率(JIS−K−7361−1)が70%以上であり、分光光度計にて測定した紫外線透過率が波長360nmで40%以上であることが重要である。
基材シート11の全光線透過率が70%未満ではダイシング状態を確認し得るだけの高透明性が得られない。かかる観点から、基材シート11の全光線透過率は、75%以上であるのが好ましく、特に78〜85%であるのがさらに好ましい。
また、基材シート11の紫外線透過率については、近年、紫外線硬化型粘着剤層を持ったダイシング用粘着シートの要求が高まってきており、その基材シートの特性の1つとして、好適な紫外線透過率が求められるようになって来たため重要なファクターである。すなわち、ウエハのダイシングが終了した後に、ダイシングシートの基材シート側から強い紫外線を照射して紫外線硬化型粘着剤を硬化させて、粘着力を低下させた後、ダイシングシートからチップをピックアップするという用途において、基材シートの紫外線透過率が40%未満では粘着剤層の硬化が不十分でウエハに粘着剤が残ったり、ピックアップできなくなったりする不良が発生する可能性がある。かかる観点から、基材シート11の波長360nmでの紫外線透過率は、45%以上であるのが好ましく、特に50〜80%であるのがさらに好ましい。
なお、全光線透過率及び紫外線透過率を上記範囲に調整するための手段としては、塩化ビニル樹脂に対するエチレン−一酸化炭素共重合体の添加量を調整したり、基材シートの厚みを調整したりすればよい。但し、これらの手段に限定されるものではない。
<粘着剤層>
粘着剤層12は、紫外線硬化型粘着剤層、特に紫外線硬化型アクリル系粘着剤層であるのが好ましい。特に最近のダイシング工程では、半導体ウエハを保持するダイシングシートの内部まで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式が主流となって来ており、被切断体をダイシングシート上で完全に切断して分離するため、ダイシングシートの粘着力が小さ過ぎるとダイシングの際に被切断体小片が飛散することになり、逆に粘着力が大き過ぎると、ピックアップが困難になる。ダイシングシートには、このような観点から適度な粘着力が要求されるため、かかる観点から、粘着特性のコントロールの幅が広く、且つ製造も容易な紫外性硬化型粘着剤、特に紫外線硬化型アクリル系粘着剤、その中でも特にポリ(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする粘着剤から形成するのが好ましい。
但し、ポリ(メタ)アクリル酸エステルに限定するものではない。
ポリ(メタ)アクリル酸エステルは、通常(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体又は共重合性モノマーとの共重合体を用いることができる。このようなポリマーの主モノマーとしては、そのホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下の(メタ)アクリル酸アルキルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基等を挙げることができる。
また、前記共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えばヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アミノアルキル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリロイルモルフォリン等を挙げることができる。
粘着剤層12には、必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、アジリジン化合物、エポキシ樹脂、無水化物、ポリアミンカルボキシル基含有ポリマー等を挙げることができる。
粘着剤層12の厚みは、5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。厚みが5μm未満であると、粘着力が低下し、ダイシングの際に半導体ウェハ(被切断体)を確実に固定できない可能性がある。その一方、厚みが20μmを超えると、半導体ウェハのダイシングの際に生じるが振動が大きくなり過ぎ、半導体チップ(被切断体小片)の欠け(チッピング)が生じる可能性がある。
かかる観点から、粘着剤層12の厚みは、8μm〜18μmの範囲内であることがより好まく、特に10μm〜15μmの範囲内であることがさらに好ましい。
<積層構造>
本ダイシングシート10は、ラベル加工のため、又は粘着剤層12を平滑にする目的のために、粘着剤層12上にセパレータ13を積層してあるが、必ずしもセパレータ13を積層する必要はない。
セパレータ13の材質は、特に制限するものではない。例えば紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等を挙げることができる。
セパレータ13には、粘着剤層12から剥離しやすくするため、シリコン処理、長鎖アクリル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていてもよい。
また、剛性を高める等の目的に応じて、一軸又は二軸の延伸処理や他のプラスチックフィルム等で積層を行なってもよい。
セパレータ13の厚さは、特に限定するものではないが、例えば10μm〜200μmであることが好ましく、25μm〜100μmであることがより好ましく、中でも30μm〜80μmであることがより好ましい。
なお、図1は、基材シート11の片面に粘着剤層12を積層した構成であるが、粘着剤層12は基材シート11の両面に形成することもできる。
また、ダイシングシート10は、巻いたテープ状に形成することもできる。
<製造方法>
ダイシングシート10は、例えば基材シート11の表面に、粘着剤を塗布し乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層12を形成し、必要に応じてこの粘着剤層12の表面にセパレータ13を貼り合せることにより製造することができる。
また、セパレータ13に粘着剤層12を形成した後、これらを基材シート11に貼り合せる方法を採用することもできる。
<使用方法>
ダイシングシート10を半導体ウエハに貼り付ける工程は、例えば両面ダイシングシートを介して支持ウエハ(支持板)に固定された半導体ウエハをダイシングシート10に貼り合わせ、これをダイシングリングに固定すればよい。
当該工程は、半導体ウエハとダイシングシート10とを、粘着剤層12側が貼り合わせ面となる様に重ね合わせ、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行うのがよい。
また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブ等)中で、半導体ウエハとダイシングシート10を前記のように重ね、容器内を加圧することにより貼り付けることもできる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。
また、真空チャンバー内で、前記と同様に貼り付けることもできる。貼り付けの際の貼り付け温度は何ら限定されないが、20〜80℃であることが好ましい。
半導体ウエハを切断(ダイシング)して半導体チップを形成する工程は、半導体ウエハの回路面側から常法に従い行うことができる。ダイシングは、ブレードダイシング、レーザーダイシング、プラズマダイシング、又はブレーキング等の公知の方法を用いることができる。更に、本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
粘着剤層12付きの各半導体チップを基材シート11から剥離する工程に於いては、例えば、個々の半導体チップをダイシングシート10側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップをピックアップ装置によってピックアップする方法等が行われる。
以上の説明に於いては、被切断体として半導体ウエハを用いた場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば半導体パッケージ、ガラス、セラミックス等の被切断体に対しても適用可能である。
<用語の説明>
本発明において「主成分」とは、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)が組成物中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「X以下」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより小さい」の意を包含する。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
<実施例1>
(基材シートの作製)
ベース樹脂としてのポリ塩化ビニル樹脂100質量部、可塑剤としてのエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素系共重合体50質量部、熱安定剤としてのステアリン酸バリウム0.55質量部及びステアリン酸亜鉛0.5質量部、さらに熱安定助剤としてのトリ−(オクチル)−ホスファイト0.5質量部を含む組成物を、カレンダー成形機にて製膜してシートを得(設定温度180℃)、該シートの片面にコロナ処理を施して厚さ100μmの基材シートを作製した。
なお、用いたポリ塩化ビニルは、平均重合度1,050の塩化ビニル単独重合体であり、用いたエチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素系共重合体は、エチレン単位65質量%、酢酸ビニル単位25質量%及び一酸化炭素単位10質量%からなる、重量平均分子量25,000の三元共重合体である。
(ダイシング用粘着シートの作製)
アクリル酸ブチル90質量部及びアクリル酸10質量部をトルエン溶液中で常法により共重合させ、重量平均分子量50万のアクリル系共重合体を得た。このアクリル系共重合体を含有する溶液に、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)5質量部を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。
前記で調製した粘着剤溶液を、前記で得られた基材シートのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋させて厚さ10μmの粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面に厚さ30μmのセパレータを貼り合せて感圧ダイシング用粘着シートを作製した。
<実施例2>
(基材シートの作製)
本実施例に於いては、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素系共重合体に代えて、エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素系共重合体を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして本実施例に係る基材シートを作製した。
なお、用いたエチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素系共重合体は、エチレン単位60質量%、ブチルアクリレート単位30質量%及び一酸化炭素単位10質量%からなる、重量平均分子量100,000の三元共重合体である。
(ダイシング用粘着シートの作製)
実施例1で調製した粘着剤溶液を、前記で得られた基材シートのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋させて厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面に厚さ30μmのセパレータを貼り合せて感圧ダイシング用粘着シートを作製した。
<比較例1>
(基材シートの作製)
本比較例に於いては、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素系共重合体に代えて、ポリエステル系可塑剤を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして本比較例に係る基材シートを作製した。
(ダイシング用粘着シートの作製)
実施例1で調製した粘着剤溶液を、前記で得られた基材シートのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋させて厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面に厚さ30μmのセパレータを貼り合せて感圧ダイシング用粘着シートを作製した。
<比較例2>
(基材シートの作製)
本比較例に於いては、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素系共重合体に代えて、ジオクチルフタレート(DOP)を用いたこと以外は、前記実施例1と同様にして本比較例に係る基材シートを作製した。
(ダイシング用粘着シートの作製)
実施例1で調製した粘着剤溶液を、前記で得られた基材シートのコロナ処理面上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、当該粘着剤層面に厚さ30μmのセパレータを貼り合せて感圧ダイシング用粘着シートを作製した。
<試験評価>
次に、実施例及び比較例で作製した感圧ダイシング用粘着シートの評価方法について説明する。
(シートの外観)
シートの外観シートを目視し、次の基準で評価した
◎:劣化によるブツや着色が見られないもの。
○:若干ブツや着色が見られるが品質上問題ないもの。
△:品質上問題となるもの。
×:サンプルが採取できないもの。
(粘着力の経時変化)
実施例、比較例で得られたダイシング用粘着シートを幅10mm、長さ100mmに切り出し、セパレータを剥がして粘着剤層をアルミ板に貼り合せ、JIS−Z−0237に準拠して、万能引張試験機にて試験速度300mm/minにて初期(貼り合せ後、23℃、30%、72時間経過した後)の180°剥離力と、促進試験(貼り合せ後、40℃、95%、1週間経過後、恒温恒湿槽から取り出して、23℃、30%、78時間経過した後)での180°剥離力を測定し、その変化の割合(促進試験での剥離力/初期の剥離力)を計算し、以下の基準で判定した。
○:粘着力の変化率が1以上
×:粘着力の変化率が1未満
(基材シートの全光線透過率および紫外線透過率)
厚み100μmで採取した基材シートを、JIS−K−7361−1に準拠して全光線透過率を測定し、また分光光度計を用いて波長360nmでの紫外線透過率を測定し、それぞれ全光線透過率、紫外線透過率とした。
Figure 2010258341
表1から分かるように、実施例1、2に係るダイシング用粘着シートに於いては、シート保存に於ける粘着力低下が少なく、かつ、促進試験後も安定した粘着力を示した。その一方、比較例1〜2に係るダイシング用粘着シートに於いては、粘着力の低下が大きく、促進試験後の粘着力の変化率が1よりも小さくなっていることからも分かるように、経時的に粘着力が低下し続けることが分かった。よって、実施例1、2のダイシング用粘着シートは、製造後時間が経過しても安定的に使用できるのに対し、比較例1〜2のダイシング用粘着シートは、製造後時間経過しても、例えば1ヶ月以上経過した後であっても不安定なままであり、各比較例のダイシング用粘着シートを用いた場合にはダイシング時のチップ飛び等が発生すると考えられる。
上記実施例及び比較例の結果と、本明細書には示さなかったこれまでの試験結果とを考慮すると、可塑剤の添加量が少ないと柔軟性付与効果が十分に得られない一方、多過ぎてもフィルムの腰(剛性)が低下することになり、アクリル酸臭も強くなるため、エチレン−一酸化炭素共重合体の量は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して1〜80質量部、特に5〜70質量部、中でも10〜60質量部であるのが好ましいと考えられる。
また、上記実施例及び比較例の結果と、本明細書には示さなかったこれまでの試験結果とを考慮すると、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体における各成分量は、ポリ塩化ビニルとの相溶性や透明性の観点から、エチレン単位40〜80質量%、酢酸ビニル単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%であるのが好ましいと考えられる。
また、エチレン−アルキルアクリレート−一酸化炭素三元共重合体における各成分量は、ポリ塩化ビニルとの相溶性や透明性、および粘着剤との親和性の観点から、エチレン単位40〜80質量%、アルキルアクリレート単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%であるのが好ましいと考えられる。
また、上記実施例及び比較例の結果と、本明細書には示さなかったこれまでの試験結果とを考慮すると、耐破断性やエキスパンド特性付与の観点から、基材シートの厚みが50μm〜200μmであり、かつ粘着剤層の厚みが5μm〜20μmであるのが好ましいと考えられる。
10 ダイシングシート
11 基材シート
12 粘着剤層
13 セパレータ

Claims (6)

  1. 基材シートの少なくとも一方の面に紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシング用粘着シートであって、
    前記基材シートは主成分としてのポリ塩化ビニルと、該ポリ塩化ビニルに対する可塑剤としてのエチレン−一酸化炭素共重合体と、熱安定剤とを含み構成されたものであり、
    該基材シートは、可視光線の全光線透過率が70%以上であり、波長360nmにおける紫外線透過率が40%以上であることを特徴とするダイシング用粘着シート。
  2. 可塑剤としての前記エチレン−一酸化炭素共重合体は、前記ポリ塩化ビニル100質量部に対して1〜80質量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載のダイシング用粘着シート。
  3. 前記エチレン−一酸化炭素共重合体は、エチレン単位40〜80質量%、酢酸ビニル単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%からなる三元共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイシング用粘着シート。
  4. 前記エチレン−一酸化炭素共重合体は、エチレン単位40〜80質量%、アルキルアクリレート単位5〜50質量%及び一酸化炭素単位3〜30質量%からなる三元共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイシング用粘着シート。
  5. 前記紫外線硬化型粘着剤層は、主成分としてポリ(メタ)アクリル酸エステルを含有していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダイシング用粘着シート。
  6. 前記基材シートの厚みは50μm〜200μmであり、かつ前記紫外線硬化型粘着剤層の厚みが5μm〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のダイシング用粘着シート。
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