JP2010254630A - 化粧品類 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来品よりもL−アスコルビン酸の配合量を増やすことができると共に長期間保存してもL−アスコルビン酸の効力を安定に持続させることが可能な美容液、クレンジンングクリーム、化粧水、シャンプー、石鹸など化粧品類の提供。
【解決手段】 L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンとグルコシルヘスペリジンと糸状菌発酵穀物エキスを配合してある化粧品類。グルコシルヘスペリジンの配合量がL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0重量%であり、糸状菌発酵穀物エキスには18種類のアミノ酸が含まれたものであることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンとグルコシルヘスペリジンと糸状菌発酵穀物エキスを配合してある化粧品類。グルコシルヘスペリジンの配合量がL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0重量%であり、糸状菌発酵穀物エキスには18種類のアミノ酸が含まれたものであることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は化粧品類に関する。詳しくは、L−アスコルビン酸を安定した状態で配合してある化粧品類に関する。なお、本発明において化粧品類とは、美容液をはじめ、石鹸、クレンジングオイル、クレンジングクリーム、洗顔フォーム、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、UVクリーム、ローション、クリーム、ボディシャンプー、頭髪用化粧料、化粧水、パック類、クリーム乳液などの皮膚や頭髪用の化粧料・洗浄料の総称である。
従来から、L−アスコルビン酸は、メラニン還元・過酸化脂質還元など強力な生体内還元作用や抗酸化作用を有するが、ヒトの体内では合成されないことが知られている。L−アスコルビン酸は、体内でコラーゲンを生成する過程で必要とされており、肌の老化防止効果を有するので、食事として摂取する他、各種の化粧品に使用されている。
L−アスコルビン酸の常態は、白色の結晶又は粉末であり、この状態では比較的安定である。しかし、本来は水溶性ビタミンの一種であるL−アスコルビン酸は、水に溶解すると非常に不安定となり、光、熱、pHの変動、金属イオンの存在などによって容易に酸化される。
本発明者らは、水に溶解した状態ではきわめて不安定となるL−アスコルビン酸を化粧品類に原料として配合したとき、L−アスコルビン酸の効力を安定に維持する方法を開発すべく、永年にわたって研究を続けた結果、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解すると共に、グルコシルヘスペリジンを配合することによって、L−アスコルビン酸の効力の減少抑制効果が高まることを見出した。また、これらに糸状菌発酵穀物エキスを配合するとアスコルビン酸の安定性がさらに高まると共に、保湿作用が増強することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
本発明者らは、本発明の開発の過程で、特許文献や技術文献を調査し、以下の参考資料を得た。しかし、L−アスコルビン酸をグルコシルヘスペリジンと併用することによってその効力の安定化を図ることに関しては何らの参考資料も入手していない。
特許文献1には、メチルヘスペリジンとアスコルビン酸誘導体と有機酸塩(酒石酸塩、乳酸塩など)からなる皮膚化粧料は長期保存しても外観が安定であり、沈殿物も生じない旨が開示されている。しかしながら、特許文献1には、L−アスコルビン酸そのものをグルコシルヘスペリジンと併用することによってL−アスコルビン酸の量的減少を抑制できることに関しては、何らの説明も記載されていない。また、メチルヘスペリジンは、溶解性がきわめて低いため、化粧品原料としての使用量が限定されてしまう。
特許文献2には、水とエトキシグリコールとプロピレングリコールを含むキャリアーにL−アスコルビン酸を配合してアスコルビン酸を安定化させた局所用溶液について開示されている。しかしながら、特許文献2には、L−アスコルビン酸をグルコシルヘスペリジンと併用することによってL−アスコルビン酸の量的減少を抑制することに関しては、何らの説明も記載されていない。
特許文献3には、グリセリンと1,3−ブチレングリコールとを混和した溶液にL−アスコルビン酸を配合してアスコルビン酸の安定化を図った化粧品について開示してある。しかしながら、特許文献3には、L−アスコルビン酸をグルコシルヘスペリジンと併用することによってL−アスコルビン酸の量的減少を抑制することに関しては、何らの説明も記載されていない。
特許文献4には、ハイドロキシアバタイトにアスコルビン酸及び/又はその塩を配合してアスコルビン酸の経時的劣化を防止するアスコルビン酸組成物について開示してある。しかしながら、特許文献4には、L−アスコルビン酸をグルコシルヘスペリジンと併用することによってL−アスコルビン酸の量的減少を抑制することに関しては、何らの説明も記載されていない。
また、特許文献の全てについて、化粧品類にL−アスコルビン酸と共にグルコシルヘスペリジンと糸状菌発酵穀物エキスとを配合することによって、L−アスコルビン酸の量的及び効力的減少を抑制することに関しては、何らの説明も記載されていない。
上記の状況に鑑み、本発明は、従来品よりもL−アスコルビン酸の配合量を増やすことができると共に、長期間保存してもL−アスコルビン酸の効力を安定に持続させることが可能な化粧品類を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための本発明のうち、特許請求の範囲・請求項1に記載する発明は、L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンとグルコシルヘスペリジンとを配合してある化粧品類である。
同請求項2に記載する発明は、グルコシルヘスペリジンの配合量がL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0重量%である請求項1に記載の化粧品類である。
また、同請求項3に記載する発明は、さらに糸状菌発酵穀物エキスを配合してある請求項1又は2に記載の化粧品類である。
また、同請求項4に記載する発明は、糸状菌発酵穀物エキスに18種類のアミノ酸(アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチン)が含まれたものである請求項3に記載の化粧品類である。
さらに、同請求項5に記載する発明は、18種類のアミノ酸の含量が化粧品類の全量の0.03〜1.00重量%である請求項4に記載の化粧品類である。
また、同請求項6に記載する発明は、化粧品類が、美容液、石鹸、クレンジングオイル、クレンジングクリーム、洗顔フォーム、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、UVクリーム、ローション、クリーム、ボディシャンプー、頭髪用化粧料、化粧水、パック類、クリーム乳液のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の化粧品類である。
本発明に係る化粧品類は、上記の構成からなるので、L−アスコルビン酸の配合量を増やすことができる上、L−アスコルビン酸の減少を抑制する効果が大きい。さらに、本発明に係る化粧品類はグルコシルヘスペリジンの減少も抑制することができる。そのため、本発明に係る化粧品類は、美白作用や抗酸化作用を長期間維持できると共に血流循環改善効果や抗アレルギー効果を長期間維持することができる。その機作は定かではないが、L−アスコルビン酸の抗酸化作用とグルコシルヘスペリジンの血流促進作用が協調して働くためでなはいかと推定される。
特に、本発明者らの知見によれば、L−アスコルビン酸10%を溶解したグリセリンにグルコシルヘスペリジンと18種類のアミノ酸を含む糸状菌発酵穀物エキスとをそれぞれ0.2%(L−アスコルビン酸の2%)配合した場合、40℃の室内に保存して6か月経過後においてもL−アスコルビン酸の減少率は0.37%も留まり、これを3年間保存しても、L−アスコルビン酸の効力はほとんど変化しないことが判明している。
本発明に係る化粧品類に配合するL−アスコルビン酸はビタミンCとも称されており、新鮮な野菜や柑橘類に多く含まれている。熱や水分に対して不安定であり、ヒトの体内で合成できないため、全て外部から摂取する必要がある。工業的には、デンプン由来のソルビトールから発酵法によって生産されている。なお、本発明は、L−アスコルビン酸の誘導体ではなく、L−アスコルビン酸そのもののを配合した化粧品類において、その安定化を図るものである。
本発明に係る化粧品類に配合するグルコシルヘスペリジンは、ビタミンPとしても知られているヘスペリジンに、微生物由来の糖転移酵素を用いて、デンプン由来のグルコースを転移させることにより製造したものであり、ヘスペリジンのグルコース残基にグルコース1分子がα−グルコシド結合をした構造をしている。水や油への溶解性がよく、熱安定性も高い。なお、ヘスペリジンは、血流循環促進剤として知られている。
本発明に係る化粧品類に配合する糸状菌発酵穀物エキスは、吸水させた穀物を煮炊して糸状菌発酵させた発酵生成物のエキスであり、その製法は、以下のとおりである。すなわち、米類(屑米や割米でも可)、麦類(小麦、大麦、ハト麦など)、豆類(大豆、小豆、そら豆など)、コウリャン、キビやとうもろこしなどの任意の穀物を、それぞれ単独か又は適宜に混合して、水に漬けて十分に吸水させ、これを煮炊したものに糸状菌の発酵生成物を添加し、適当な容器に入れて通気孔を備えた蓋を被せ、3〜7日間ほど30〜40℃の室内に静置する。そうすると、発酵液(エキス分)が浮上するので、これを採取して濾過し、そのままか又は必要に応じて適宜希釈して使用する。このようにして製した糸状菌発酵穀物エキスは、微黄色の透明な液体で味は甘く、わずかに特異な臭いがある。なお、糸状菌は、紅こうじ菌とも称されており、味噌や酒類などの醸造食品の製造に広く使用されている。
上記のようにして製した糸状菌発酵穀物エキスには、通常、アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの18種類のアミノ酸が含まれているので、これらアミノ酸がL−アスコルビン酸の安定性に寄与しているものと考えられる。なお、これらアミノ酸の含量は、化粧品類全量の0.03〜1.00%であることが好ましい。
本発明に係る化粧品類では、L−アスコルビン酸は必ずグリセリンに溶解させて使用する。グリセリンを用いない化粧品類の場合、L−アスコルビン酸の配合量はせいぜい全原料の2〜3%が限度であるとされているが、グリセリンに溶解させると、L−アスコルビン酸は15%程度まで配合することができる。
すなわち、本発明に係る化粧品類は、L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンをグルコシルヘスペリジンや糸状菌発酵穀物エキスやその他の原料と混和して製する必要がある。その理由は、L−アスコルビン酸は、グリセリン以外の原料と混和したのでは不安定な状態であり、高温になると分解し、酸化を防止できないからである。なお、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させるとき、グリセリンを基剤として、L−アスコルビン酸と共に他の原料も同時に混和しても差し支えない。
グリセリンは、グリセロールとも称され、3価のアルコールの一つであり、通常は無色透明な粘暢性の液で、味は甘い。非常に吸湿性が高く、水やアルコールとよく混和する。グリセリンは、皮膚の諸細胞を膨潤・柔軟にし、角質の落屑化を防ぎ、皮膚の吸収力を高める働きをする。
本発明に係る化粧品類には、L−アスコルビン酸、グリセリン、グルコシルヘスペリジン、糸状菌発酵穀物エキスと共に、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸塩、ピロリドンカルボン酸、ヒアルロン酸などの、皮膚を柔軟に保持する働きがあり、美容液をはじめ、化粧品類に通常使用されている原料を配合して差し支えない。
本発明に係る化粧品類では、グルコシルヘスペリジンの配合量はL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0%とすることが好ましい。その理由は、この配合割合の場合がL−アスコルビン酸とグルコシルヘスペリジンの協調による美肌効果が最も安定に維持されるからである。
本発明に係る化粧品類では、糸状菌発酵穀物エキスの配合量は任意であるが、化粧品類の総量に対して0.03〜1.00%を配合するのが好ましい。
本発明に係る化粧品類のうち、美容液については、グリセリンを基材とし、これにL−アスコルビン酸を3〜10%程度溶解させ、これにグルコシルヘスペリジンをL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0%配合し、さらに、0.03〜1%程度の糸状菌発酵穀物エキスと必要に応じてアミノ酸少量を添加して製する。すなわち、本発明に係る美容液の場合は、水や水性原料は一切加配しない。また、本発明に係るクレンジングオイル、クレンジングクリーム、石鹸、洗顔フォーム、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、UVクリーム、ローション、クリーム、ボディシャンプー、頭髪用化粧料、化粧水、パック類、クリーム乳液などの場合は、上記の美容液と同じ配合の組成物(アッセンブル)を予め用意しておき、この組成物を総量に対して1%程度配合するときわめて便利である。
本発明に係る化粧品類は、美容液をはじめ、クレンジングクリーム、クレンジングオイル、化粧水、ローション、UVクリーム、クリーム乳液、パック類などの基礎化粧品、石鹸、洗顔フォーム、シャンプー、ボディシャンプー、トリートメント、コンディショナーなどの浴用化粧品、ヘアクリーム、ヘアトニックなどの頭髪・頭皮用化粧品などを含む。また、ベビー用化粧品、ティーンズ用化粧品、成人男性用化粧品、成人女性用化粧品、アンチエイジング用化粧品など、使用者の年代を問わず、幅広く適用できる。
以下、試験例と実施例をもって本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明の全説明において、「%」の表示は重量割合(重量%)を示す。
《試験例1》
<L−アスコルビン酸の安定性の確認試験>
(1)試験方法
L−アスコルビン酸150gをグリセリン850gに溶解させた試料A、試料Aにグルコシルヘスペリジン3gを溶解させた試料B、試料Bに糸状菌発酵穀物エキス3gを溶解させた試料Cを作成した。これらの試料を20mLずつ10本の遮光瓶に分注してAグループ・Bグループ・Cグループとし、40℃の室内に保存してL−アスコルビン酸の変化を測定した。
(2)測定方法
L−アスコルビン酸の量的変化はインドール滴定法を用いて測定した。また、色調の変化は目視で観察した。
(3)試験結果
試料作成時と30日間保存後と3か月間保存後の各グループの性状の変化は「表1」にまとめたとおりである。
<L−アスコルビン酸の安定性の確認試験>
(1)試験方法
L−アスコルビン酸150gをグリセリン850gに溶解させた試料A、試料Aにグルコシルヘスペリジン3gを溶解させた試料B、試料Bに糸状菌発酵穀物エキス3gを溶解させた試料Cを作成した。これらの試料を20mLずつ10本の遮光瓶に分注してAグループ・Bグループ・Cグループとし、40℃の室内に保存してL−アスコルビン酸の変化を測定した。
(2)測定方法
L−アスコルビン酸の量的変化はインドール滴定法を用いて測定した。また、色調の変化は目視で観察した。
(3)試験結果
試料作成時と30日間保存後と3か月間保存後の各グループの性状の変化は「表1」にまとめたとおりである。
(4)考察
表1の数値に基づいて、L−アスコルビン酸の減少率を「作成時の含量に対する30日間保存後の減少率→同3か月間保存後の減少率」で表示すると、Aグループが「6.7%→13.7%」であるのに対して、Bグループは「0.2%→0.34%」に留まり、Cグループでは「0.07%→0.2%」とさらに低くなっている。すなわち、本試験例によって、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると濃度15%を維持できること、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると共にグルコシルヘスペリジンを配合すると、グルコシルヘスペリジンを配合しないものに比べてL−アスコルビン酸を酸化させることなく安定に保存できること、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると共にグルコシルヘスペリジンを配合し、さらに糸状菌発酵穀物エキスを添加すると、糸状菌発酵穀物エキスを添加しないものに比べてL−アスコルビン酸を酸化させることなくさらに安定に保存できることが確認された。
表1の数値に基づいて、L−アスコルビン酸の減少率を「作成時の含量に対する30日間保存後の減少率→同3か月間保存後の減少率」で表示すると、Aグループが「6.7%→13.7%」であるのに対して、Bグループは「0.2%→0.34%」に留まり、Cグループでは「0.07%→0.2%」とさらに低くなっている。すなわち、本試験例によって、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると濃度15%を維持できること、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると共にグルコシルヘスペリジンを配合すると、グルコシルヘスペリジンを配合しないものに比べてL−アスコルビン酸を酸化させることなく安定に保存できること、L−アスコルビン酸をグリセリンに溶解させると共にグルコシルヘスペリジンを配合し、さらに糸状菌発酵穀物エキスを添加すると、糸状菌発酵穀物エキスを添加しないものに比べてL−アスコルビン酸を酸化させることなくさらに安定に保存できることが確認された。
《試験例2》
<糸状菌発酵穀物エキス中に含まれるアミノ酸とその含量の確認試験>
(1)試験方法
日本食品分析センターに依頼して、実施例3で作成した糸状菌発酵穀物エキスに含まれているアミノ酸の種類とその含量を、シスチンについては高速液体クロマトグラフ法により、その他のアミノ酸についてはアミノ酸自動分析法によって分析・測定した。
(2)試験結果
分析・測定の結果は「表2」に示すとおりである。
(3)考察
表2から、糸状菌発酵穀物エキスには18種類のアミノ酸が含まれていることが確認された。
<糸状菌発酵穀物エキス中に含まれるアミノ酸とその含量の確認試験>
(1)試験方法
日本食品分析センターに依頼して、実施例3で作成した糸状菌発酵穀物エキスに含まれているアミノ酸の種類とその含量を、シスチンについては高速液体クロマトグラフ法により、その他のアミノ酸についてはアミノ酸自動分析法によって分析・測定した。
(2)試験結果
分析・測定の結果は「表2」に示すとおりである。
(3)考察
表2から、糸状菌発酵穀物エキスには18種類のアミノ酸が含まれていることが確認された。
<美容液の製造例>
グリセリン200gにL−アスコルビン酸20gを溶解させ、さらにグルコシルヘスペリジン0.4gと糸状菌発酵穀物エキス(実施例4のもの)2gを添加して十分の混練して美容液約220gを製した。この美容液には、水や水性原料は一切加配していない。
グリセリン200gにL−アスコルビン酸20gを溶解させ、さらにグルコシルヘスペリジン0.4gと糸状菌発酵穀物エキス(実施例4のもの)2gを添加して十分の混練して美容液約220gを製した。この美容液には、水や水性原料は一切加配していない。
<アフターシェーブローションの製造例>
(1)配合は「表3」に示す。
(2)製法
エタノールにクロルヒドロキシルアルミニウム、殺菌剤、メントール、香料・色素を加えて溶解する。これに、実施例1で作った美容液を全量の1%添加し、さらに精製水を加えて全体を十分に攪拌・混合して製品とする。
(1)配合は「表3」に示す。
(2)製法
エタノールにクロルヒドロキシルアルミニウム、殺菌剤、メントール、香料・色素を加えて溶解する。これに、実施例1で作った美容液を全量の1%添加し、さらに精製水を加えて全体を十分に攪拌・混合して製品とする。
<ミルクローションの製造例>
(1)配合は「表4」に示す。
(2)製法
ココナッツミルクを耐熱容器に採取し、攪拌しながら加熱して完全に溶解させる。これに精製水を加えてさらに攪拌し、液温が体温程度に下がったら、実施例1で作った美容液を全量の1%添加し、さらに天然防腐剤を加えて混練し、最後にエッセンシャルオイルを滴下して攪拌し、適当な容器に流し込んで製品とする。
(1)配合は「表4」に示す。
(2)製法
ココナッツミルクを耐熱容器に採取し、攪拌しながら加熱して完全に溶解させる。これに精製水を加えてさらに攪拌し、液温が体温程度に下がったら、実施例1で作った美容液を全量の1%添加し、さらに天然防腐剤を加えて混練し、最後にエッセンシャルオイルを滴下して攪拌し、適当な容器に流し込んで製品とする。
<糸状菌発酵穀物エキスの製造例>
屑米1kgと大豆1kgを別々に清水に浸漬して十分に吸水させる。吸水後、両者を混合し、等量の清水を補給して加熱する。十分に火が通って可食状態になったら加熱を止めて、別の容器に移し、糸状菌(リゾプス・オリゼー)の発酵生成物を添加し、通気孔を備えた蓋を被せ、7日間ほど30〜40℃の室内に静置する。7日目に開封すると発酵液が浮上しているので、この上澄み液を採取して遠心分離機にかけて濾過し、糸状菌発酵穀物エキスとする。得られた糸状菌発酵穀物エキスは、微黄色で透明な液体で、味は甘く、わずかに特異な臭いがする。この糸状菌発酵穀物エキスを分析したところ、表2に示すように18種類のアミノ酸が含まれていることが確認された。
屑米1kgと大豆1kgを別々に清水に浸漬して十分に吸水させる。吸水後、両者を混合し、等量の清水を補給して加熱する。十分に火が通って可食状態になったら加熱を止めて、別の容器に移し、糸状菌(リゾプス・オリゼー)の発酵生成物を添加し、通気孔を備えた蓋を被せ、7日間ほど30〜40℃の室内に静置する。7日目に開封すると発酵液が浮上しているので、この上澄み液を採取して遠心分離機にかけて濾過し、糸状菌発酵穀物エキスとする。得られた糸状菌発酵穀物エキスは、微黄色で透明な液体で、味は甘く、わずかに特異な臭いがする。この糸状菌発酵穀物エキスを分析したところ、表2に示すように18種類のアミノ酸が含まれていることが確認された。
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係る化粧品類は、従来の化粧品類に比べて、L−アスコルビン酸を多量かつ安定的に配合することができる。そのため、本発明に係る化粧品類は、従来の化粧品類に比べて、皮膚の老化防止効果がきわめて大きい。
Claims (6)
- L−アスコルビン酸を溶解させたグリセリンとグルコシルヘスペリジンとを配合してある化粧品類。
- グルコシルヘスペリジンの配合量がL−アスコルビン酸の配合量に対して0.3〜2.0重量%である請求項1に記載の化粧品類。
- さらに糸状菌発酵穀物エキスを配合してある請求項1又は2に記載の化粧品類。
- 糸状菌発酵穀物エキスは18種類のアミノ酸(アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチン)が含まれたものである請求項3に記載の化粧品類。
- 18種類のアミノ酸の含量が化粧品類の全量の0.03〜1.00重量%である請求項4に記載の化粧品類。
- 化粧品類が、美容液、石鹸、クレンジングオイル、クレンジングクリーム、洗顔フォーム、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、UVクリーム、ローション、クリーム、ボディシャンプー、頭髪用化粧料、化粧水、パック類、クリーム乳液のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の化粧品類。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102895174A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-01-30 | 王梁琴 | 一种婴儿用天然沐浴露 |
JP2017025034A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 織田 次男 | 化粧品類 |
JP2018186753A (ja) * | 2017-05-03 | 2018-11-29 | 織田 次男 | 米発酵粉状物の製造方法及び化粧品類の製造方法 |
-
2009
- 2009-04-27 JP JP2009107583A patent/JP2010254630A/ja active Pending
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