JP2018186753A - 米発酵粉状物の製造方法及び化粧品類の製造方法 - Google Patents

米発酵粉状物の製造方法及び化粧品類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚の保湿や美白に高い効果を示すとともに、皮膚に対する安全性が高く、また、加熱殺菌されており淡黄色又は淡褐色を呈する米発酵粉状物の製造方法と、かかる米発酵粉状物及びそのグリセリン抽出エキスを配合した化粧品類の製造方法とを提供する。【解決手段】蒸煮した精白米に糸状菌を添加し発酵させて米発酵懸濁液とし、該米発酵懸濁液を110〜118℃の温度で加熱殺菌した後、凍結乾燥させて粉砕することで米発酵粉状物を製造する。また、かかる米発酵粉状物、又はそのグリセリン抽出エキスを原料として配合して化粧品類を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、主に化粧品の原料として有用な米発酵粉状物の製造方法と、かかる米発酵粉状物又はそのエキスを配合した化粧品類の製造方法に関する。
従来から、皮膚を保湿して、皮膚の弾力性やみずみずしさを維持及び回復する皮膚化粧料や、皮膚を美白して、皮膚のくすみやシミを消失させ、あるいはくすみやシミの生成を防ぐ皮膚化粧料が存在している。そのような皮膚化粧料に配合する原料には、皮膚の保湿や美白について高い効果を示すのみならず人体に対する安全性の高さが求められている。
米を発酵させて得られる米発酵物は、皮膚の保湿や美白に高い効果を示すことが知られており、また、人体に対する安全性も高いことが知られている。
特開2016−84303号公報(特許文献1)には、玄米、精米、発芽玄米等を乳酸菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分として含む抗酸化剤と、その抗酸化剤を配合した皮膚化粧料が記載されている。
この皮膚化粧料は、皮膚の老化防止、健全化、脱毛防止効果を奏し、安全性に優れたものであるとされている。
特開2006−45075号公報(特許文献2)には、玄米又は白米の麹菌発酵エキスを必須成分とする美白作用を有する組成物と、その組成物を配合した美白化粧料が記載されている。
この美白化粧料は、皮膚のくすみやシミを消失させる美白効果に優れたものであるとされている。
特開2016−84303号公報 特開2006−45075号公報
上記特許文献1又は2に記載されているような米の発酵物は、米を特定の細菌を用いて発酵させて製造するものであるため、製造後に長期保管する場合には、品質を安定化するために加熱殺菌して発酵が過剰に進まないようにする必要がある。また、米発酵物に雑菌が混入していた場合に、その雑菌が増殖しないようにするために加熱殺菌が必要である。
さらに、米発酵物を長期保管しない場合でも、例えば、米発酵物を化粧品類に配合した場合に、化粧品類の中で再度発酵が始まったり、雑菌が増殖したりする恐れがあるため、加熱殺菌しておくことが望ましい。
しかしながら、米発酵物を加熱殺菌する場合に、発酵に寄与する細菌及び他の雑菌のほぼ全てを死滅させようとすると、高温で殺菌しなければならないため、殺菌中に米発酵物が暗褐色に変色(以下、「褐変」と称する。)してしまい、化粧品原料として化粧品に配合できない状態になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、多種類の有効成分を含み、皮膚の保湿や美白に高い効果を示すとともに、皮膚に対する安全性が高く、また、十分な加熱殺菌が施されているにも拘らず、色が明るい色調の淡黄色又は淡褐色であって褐変しておらず、化粧品類の原料として最適な米発酵粉状物の製造方法と、かかる米発酵粉状物及びそのグリセリン抽出エキスを配合した化粧品類の製造方法とを提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決された。
〔1〕 蒸煮した精白米に糸状菌を添加し発酵させて米発酵懸濁液とし、該米発酵懸濁液を110〜118℃の温度で15〜35分間加熱殺菌した後、凍結乾燥させて粉砕することを特徴とする米発酵粉状物の製造方法。
〔2〕 糸状菌がリゾプスオリゼ(Rhizopus oryzae)であることを特徴とする上記〔1〕に記載の米発酵粉状物の製造方法。
〔3〕 上記〔1〕又は〔2〕に記載の米発酵粉状物の製造方法によって製造された米発酵粉状物を配合することを特徴とする化粧品類の製造方法。
〔4〕 上記〔1〕又は〔2〕に記載の米発酵粉状物の製造方法によって製造された米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを配合することを特徴とする化粧品類の製造方法。
本発明における上記〔1〕に記載の米発酵粉状物の製造方法によれば、ビタミン類とアミノ酸を豊富に含み、皮膚の保湿効果及び美白効果に優れており、加熱殺菌によって発酵に寄与した糸状菌やその他の雑菌のほぼ全てを死滅させてあるにもかかわらず、明るい色調の淡黄色又は淡褐色を呈する米発酵粉状物を製造することができる。
本発明における上記〔2〕に記載の米発酵粉状物の製造方法によれば、精白米を発酵させる糸状菌としてリゾプスオリゼ(Rhizopus oryzae)を用いることで、ビタミンB1やB2のほか18種類ものアミノ酸を豊富に含み、皮膚の保湿効果及び美白効果に特に優れた米発酵粉状物を製造することができる。
本発明における上記〔3〕に記載の化粧品類の製造方法によれば、化粧品類の原料として上記〔1〕又は〔2〕によって製造された米発酵粉状物を配合することで、ビタミン類とアミノ酸を豊富に含み、皮膚の保湿効果及び美白効果に優れており、明るい色調の淡黄色などの液状、ゲル状、クリーム状、固形状、又は粉状の化粧品類を製造することができる。
なお、本発明における化粧品類は、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、ボディ化粧品、頭髪用化粧品、頭皮用化粧品、芳香用化粧品及び洗浄用化粧品等の総称である。
本発明における上記〔4〕に記載の化粧品類の製造方法によれば、化粧品類の原料として上記〔1〕又は〔2〕によって製造された米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを配合することで、ビタミン類とアミノ酸を豊富に含み、皮膚の保湿効果及び美白効果に優れており、無色透明あるいは光透過性が高く透明感のある液状、ゲル状又は固形状の化粧品類を製造することができる。
なお、本発明における米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスとは、米発酵粉状物から、ビタミン類やアミノ酸等の有効成分をグリセリンで抽出して得られる組成物である。
以下、本発明の米発酵粉状物の製造方法及び化粧品類の製造方法の実施形態を説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
また、本発明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
〔1.米発酵粉状物の製造方法〕
米発酵粉状物を製造するには、まずは精白米を用意する。ここで精白米とは、玄米をとう精して糠と胚芽の部分を取り除いたいわゆる白米であり、精白米であれば、屑米や割米であってもよく、古米や古々米のように長期保存後のものであってもよい。また、米の種類としては、粳米、餅米又は低アミロース米等のいずれを使用しても良く、ジャポニカ種だけでなくインディカ種を使用することも可能である。
本発明において精白米を使用する理由は、米発酵粉状物を明るい色調の淡黄色又は淡褐色に仕上げるためである。原料として玄米を使用すると、玄米には糠や胚芽が含まれるため、米発酵粉状物が褐変し易いという問題がある。
次に、精白米を水に浸漬して吸水させる。浸漬時間は米の種類や水温にもよるが、十分に吸水させるには6〜18時間程度が好ましい。精白米に吸水させた後、蒸し器を用いて蒸す。なお、精白米を蒸す代わりに炊いて炊飯米としても良い。
以下、説明の便宜のため、蒸すことと炊くことをまとめて「蒸煮」と称し、蒸米と炊飯米をまとめて「蒸煮米」と称する。
次に、蒸し上がった蒸煮米に対し糸状菌(Rhizopus oryzae)の培養物を添加した後、発酵用タンクに5〜12kg程度ずつ収納して発酵させる。
発酵は、発酵用タンク内の温度を30〜45℃に保つように制御して3〜7日間かけて行う。発酵用タンク内の温度は、発酵開始時は低温とし、発酵が進むにつれて徐々に温度を上げるように調節することが望ましい。また、発酵の際には、蒸煮米を撹拌することなく静置させて行う静置発酵法が好ましい。
発酵が十分に進むと、蒸煮米は液状の米発酵懸濁液になる。
次に、得られた米発酵懸濁液を、1〜8L程度ずつ殺菌用容器に収納して密閉し、加圧加熱殺菌装置を用いて殺菌する。殺菌温度は110〜118℃とする。110℃よりも低温であると、十分に殺菌できずに糸状菌等の細菌が残存する可能性がある。他方118℃を超えると、米発酵懸濁液が褐変してしまい化粧品原料として使用し難いものとなる。
また、殺菌時間は15〜35分間とする。殺菌時間が15分間よりも短いと、殺菌不足になる場合があり、他方35分間を超えると米発酵懸濁液が褐変してしまう場合がある。
ここで殺菌時間とは、加圧加熱殺菌装置の殺菌室内に熱媒体(蒸気等)の導入を開始してから所定の殺菌温度に到達するまでの時間(カムアップタイム)と、殺菌後に温度を下降させるための時間(カムダウンタイム)を含まず、所定の殺菌温度が維持されている時間である。なお、カムアップタイムとカムダウンタイムは、いずれも一般的な範囲で任意に設定することができる。
次に、加熱殺菌を終えた米発酵懸濁液を凍結乾燥する。凍結乾燥は常法によって行うことができるが、真空凍結乾燥機を使用して-40℃以下で凍結乾燥することが望ましい。
凍結乾燥後はハンマーミル等を用いて粉砕して米発酵粉状物にする。粉状物にすることで、米発酵粉状物を化粧品類の原料とする場合に、溶媒や他の原料と混和し易くなり、また、米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを製造する場合に、抽出時間を短縮することができる。
以上のようにして製造された米発酵粉状物は、吸湿による変性・劣化を防ぐため、水蒸気バリア性の高い樹脂製・ガラス製、又は金属製の容器に充填密封しておくことが望ましい。
本発明によって製造された米発酵粉状物には、ビタミンB1やB2の他、アルギニン、リシン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの18種類のアミノ酸が含まれており、皮膚の保湿効果及び美白効果に優れている。
また、米発酵粉状物は明るい色調の淡黄色又は淡褐色を呈しており、そのまま化粧品原料として化粧品類に配合しても化粧品類の色調を暗くすることがない。また、米発酵粉状物から有効成分をグリセリンで抽出して得られるグリセリン抽出エキスは、ほぼ無色透明であるため、このグリセリン抽出エキスを化粧品類に配合した場合にも、化粧品類の透明性を阻害したり、色調を暗くしたりすることはない。
〔2.米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスの製造方法〕
上記1に記載した米発酵粉状物の製造方法によって製造した米発酵粉状物は、そのまま化粧品原料として化粧品類に配合することができるが、グリセリン、エタノール又は1,3−ブチレングリコール等によって、米発酵粉状物に含まれるアミノ酸等の有効成分を抽出したエキスとして化粧品類に配合することもできる。このようなエキスは、ほぼ無色透明であるため、透明感が必要な化粧品類の原料として適しており、特にグリセリンは、水で希釈せず直接皮膚に塗布することができるため、米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスは、水を配合しない化粧品類の原料としても好適に使用できる。
米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを製造するには常法によれば良く、例えば、米発酵粉状物を、グリセリン、ビタミン類及びアミノ酸は透過できるが、澱粉やデキストリン等の多糖類は透過できない半透膜の袋に封入し、その半透膜袋をグリセリンに浸漬することで、半透膜袋を介して米発酵粉状物に含まれるビタミンB1、B2及びアミノ酸等の有効成分をグリセリンに溶解させて抽出することによって、米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを製造することができる。
〔3.化粧品類の製造方法〕
上記1に記載の製造方法によって得られる米発酵粉状物と、上記2に記載の製造方法によって得られる米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスは、いずれも、グリセリン、水、エタノール又は1,3−ブチレングリコール等の溶媒に混和することで、容易に化粧品類に配合することができる。
ここで化粧品類とは、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、ボディ化粧品、頭髪用化粧品、頭皮用化粧品、芳香用化粧品及び洗浄用化粧品などの総称であり、具体的には、美容液、石けん、クレンジングオイル、クレンジングクリーム、洗顔フォーム、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、UVクリーム、ローション、クリーム、ボディシャンプー、頭髪用化粧料、化粧水、パック類、クリーム乳液等である。
発酵粉状物や発酵粉状物のグリセリン抽出エキスの化粧品類への配合割合は、製造する化粧品類の種類・用途によって適宜に調節すれば良いが、一般に、アミノ酸の含有割合が化粧品類全体の0.03〜1.00質量%になるように調節することが望ましい。
〔実施例1:米発酵粉状物の製造例〕
ジャポニカ種の粳米をとう精して得られた精白米10kgを水に12時間浸漬して吸水させた。吸水後の精白米を、蒸し器を用いて約35分間蒸した。蒸し上がった蒸煮米の質量は約16kgであった。
次に、得られた蒸煮米約16kgを約30℃に冷却した後、糸状菌(Rhizopus oryzae)の培養物を数十グラム添加し、ステンレス製の発酵用タンクに収納して4日間静置発酵させた。発酵用タンク内の温度を、発酵開始時は約35℃に調節して徐々に上昇させ、発酵終了時には45℃に到達するように制御した。4日後の発酵終了時には、蒸煮米は液状化して米発酵懸濁液の状態になった。
次に、この米発酵懸濁液を、約5Lずつ殺菌用容器に収納して密封し、加圧加熱殺菌装置を用いて殺菌した。殺菌温度は118℃とし殺菌時間は15分間とした。
得られた殺菌済みの米発酵懸濁液を、真空凍結乾燥機を使用して約-40℃で凍結乾燥した後、ハンマーミルを用いて粉砕して米発酵粉状物約6.5kgを製造した。
得られた米発酵粉状物の水分含量は約5%であった。
また、米発酵粉状物を高速液体クロマトグラフ法等により分析したところ、上記の18種類のアミノ酸が含まれていることが確認できた。
さらに、米発酵粉状物に含まれる細菌数を検査したところ、一般細菌数は100/g以下(SCDLP寒天平板培養法)、大腸菌群は陰性/1g(LB培地接種法)、カビ数は陰性/0.1g(GPLP寒天平板培養法)、酵母数は陰性/0.1g(GPLP寒天平板培養法)であり、ほぼ無菌の状態であることが確認できた。
〔実施例2:米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスの製造例〕
上記の実施例1の製造例による米発酵粉状物100gを半透膜袋に収納して密封する。次に、その米発酵粉状物を封入した半透膜袋をグリセリン(濃度99質量%以上)1kgに7日間浸漬して、米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを製造した。
得られたグリセリン抽出エキスは、無色透明の液体であり、米発酵粉状物と同様に、上記の18種類のアミノ酸等の有効成分を含むものである。
〔実施例3:化粧品類の製造例1〕
上記実施例1の製造例による米発酵粉状物20gをグリセリン(濃度99%以上)200gと精製水150gに混和して溶解させた。次に、オリーブ油350gにミツロウ30gとレシチン30gを溶解させた。これらを60℃に加熱して、少量ずつ混和した。乳化したら、粉末状のL―アスコルビン酸30gをグリセリン(濃度99%以上)200gに溶かしたものを、乳化している原料に加えて、さらに混和した。十分に冷めたらティーツリー油1gを加えて混和して均一化し、クリーム約1kgを製造した。
得られたクリームは、わずかに黄色を呈する性状であった。
〔実施例4:化粧品類の製造例2〕
上記実施例2の製造例による米発酵粉状物のグリセリン抽出エキス5gをグリセリン(濃度99%以上)400gに混和して溶解させた。次に、粉末状のL−アスコルビン酸100gを別のグリセリン(濃度99%以上)500gに混和して溶解させた。続いて、上記の米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを溶解させたグリセリン液と、上記のL−アスコルビン酸を溶解させたグリセリン液とを混和させ、このグリセリン混合液に粉末状のグルコシルヘスペリジン4gと粉末状のカンゾウ根エキス2gを混和して溶解させ、さらに、少量のアスタキサンチンと少量のカラギーナンを加えて均一化し、美容液約1kgを製造した。
得られた美容液は、わずかに赤色を呈する透明な液体であった。
〔試験例1:米発酵懸濁液に対する加熱が米発酵粉状物に与える影響の確認〕
米発酵粉状物の製造過程で調製する米発酵懸濁液を殺菌処理する際の加熱条件が、米発酵粉状物の外観・性状にどのような影響を与えるかを確認する試験を行った。
(1)米発酵粉状物のサンプルの作成方法
上記の実施例1に準じて「米発酵懸濁液」を作成し、6本の殺菌用容器に5Lずつ収納して密閉し、懸濁液サンプルa〜fとした。次に、各懸濁液サンプルを、加圧加熱殺菌装置を用いて表1に示す温度と時間によって加熱処理した。得られた加熱処理済みの米発酵懸濁液サンプルa〜fを、真空凍結乾燥機を使用して約-40℃で凍結乾燥した後、ハンマーミルを用いて粉砕して米発酵粉状物サンプルa〜fを得た。
(2)米発酵粉状物のサンプルの評価方法
6種類の米発酵粉状物サンプルa〜fの外観及び性状を目視によって評価した。また、米発酵粉状物サンプルa〜fのカラーデータを下記の方法で検出して評価した。試験結果は表1に示すとおりである。
なお、表1に示すサンプルb、c、dは、本発明の要件を満たす実施例のサンプルであり、サンプルa、e、fは、本発明の要件を満たさない比較例のサンプルである。
《米発酵粉状物サンプルのカラーデータの検出方法》
米発酵物サンプルa〜fについて、各々の適量を縦120mm、横70mmの大きさのポリエチレン製の透明袋に収納した。次に、各サンプルを透明袋の外側からスキャン機能付きカラープリンター(セイコーエプソン株式会社製:PX−M840F)でスキャンして、デジタル画像データとして読み取った。かかるスキャン時のカラープリンターの設定は、データ形式:JPG(カラー)、解像度:600bpi、原稿タイプ:写真、スキャン範囲:A4、圧縮率:低い、とした。
取得した各サンプルのデジタル画像データをパソコン(OS:windows10)に取り込み、グラフィック制作ソフト(アドビ社製:IllustratorCS4)を用いてカラーデータを検出した。具体的には、デジタル画像データの各サンプルの画像部分における任意の箇所について、スポイトツールを用いてカラーデータ(CMYK)を検出した。
なお、CMYKとは減法混色に基づく色の表現方法であり、Cはシアン(Cyan)、Mはマゼンタ(Magenta)、Yはイエロー(Yellow)、Kは黒色(Black)を意味する。
Figure 2018186753
表1から、米発酵懸濁液を105℃で加熱殺菌した場合には、殺菌不足となって細菌が残存してしまうことが分かる(比較例のサンプルa)。また、120℃以上の温度で加熱殺菌した場合には、得られる米発酵粉状物が暗く濃い褐色を呈し、粉状に粉砕することが困難な状態になることが分かる(比較例のサンプルe、f)。
これらに対し、米発酵懸濁液を110〜118℃で15〜35分間加熱殺菌した場合には、得られる米発酵粉状物が、色調の明るい淡黄色又は淡褐色を呈する微細な粉状物になることが分かる(実施例のサンプルb、c、d)。
〔試験例2:米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスの効果の確認〕
米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスの皮膚に対する効果を確認する試験を行った。
(1)試験方法
上記実施例2の製造例による米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを用いて、皮膚の弾力性の向上効果やその他の皮膚に対する効果を調べるため、35歳以上59歳以下の女性パネラー35名を対象にして、日本香粧品学会の「抗シワ製品評価ガイドライン」に基づいて、4週間にわたって皮膚への塗布試験を行った。
各パネラーは、1日に2回、朝晩の洗顔後にサンプル品を塗布して、その評価を記録した。
(2)試験結果
ほとんどのパネラーについて、皮膚の弾力性、みずみずしさ、シワ、キメ、くすみ、シミ、ツヤのいずれかに改善効果があるという評価が得られ、米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスが、皮膚の保湿と美白において優れた効果を有することが確認された。また、安全性に関しても問題がないことが確認された。
本願発明に係る米発酵粉状物の製造方法及び化粧品類の製造方法は、皮膚の保湿効果及び美白効果の高い化粧品類を製造する産業分野において利用される。


Claims (4)

  1. 蒸煮した精白米に糸状菌を添加し発酵させて米発酵懸濁液とし、該米発酵懸濁液を110〜118℃の温度で15〜35分間加熱殺菌した後、凍結乾燥させて粉砕することを特徴とする米発酵粉状物の製造方法。
  2. 糸状菌がリゾプスオリゼ(Rhizopus oryzae)であることを特徴とする請求項1に記載の米発酵粉状物の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の米発酵粉状物の製造方法によって製造された米発酵粉状物を配合することを特徴とする化粧品類の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の米発酵粉状物の製造方法によって製造された米発酵粉状物のグリセリン抽出エキスを配合することを特徴とする化粧品類の製造方法。


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