JP2005029483A - 活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 - Google Patents
活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005029483A JP2005029483A JP2003194196A JP2003194196A JP2005029483A JP 2005029483 A JP2005029483 A JP 2005029483A JP 2003194196 A JP2003194196 A JP 2003194196A JP 2003194196 A JP2003194196 A JP 2003194196A JP 2005029483 A JP2005029483 A JP 2005029483A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- extract
- active oxygen
- kalanchoe
- eliminating
- oxygen scavenger
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Abstract
【課題】スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有し、安全性が高く、原料入手容易な天然系活性酸素消去剤、該活性酸素消去剤を配合した化粧料及び飲食物の提供。
【解決手段】ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から抽出される抽出物を含む活性酸素消去剤である。ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、セイロンベンケイ、テンニンノマイ、ベニベンケイ、リュウキュウベンケイ、伽藍菜、ベニヒメチョウチン、ツキトジ及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種である態様、抽出物が、スーパーオキサイド消去物質、過酸化水素消去物質、ラジカル消去物質及び一重項酸素消去物質から選択される少なくとも1種を含有する態様が好ましい。また、該活性酸素消去剤を配合してなる化粧料及び飲食物である。
【選択図】 なし
【解決手段】ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から抽出される抽出物を含む活性酸素消去剤である。ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、セイロンベンケイ、テンニンノマイ、ベニベンケイ、リュウキュウベンケイ、伽藍菜、ベニヒメチョウチン、ツキトジ及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種である態様、抽出物が、スーパーオキサイド消去物質、過酸化水素消去物質、ラジカル消去物質及び一重項酸素消去物質から選択される少なくとも1種を含有する態様が好ましい。また、該活性酸素消去剤を配合してなる化粧料及び飲食物である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有する活性酸素消去剤、及び該活性酸素消去剤を配合した化粧料、並びに飲食物に関する
【0002】
【従来の技術】
活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド〔即ち、酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン(・O2−)〕、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須であり、ウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている。
【0003】
しかしながら、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発するおそれがある。通常、生体内で酸素を基に生産され、他の活性酸素の出発物質ともなっているスーパーオキサイドは、細胞内に含まれるスーパーオキシドディスムターゼ(以下、「SOD」と称することがある)の触媒作用により消去される。しかし、前記SODは老化と共に減少するため、細胞内でのSODが減少すると、スーパーオキサイドの濃度が高くなり、活性酸素の無毒化酵素であるカタラーゼ等の活性を低下させる。例えば、コラーゲン等の生体組織を分解、変性又は架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりするため、皮膚のしわを形成したり、皮膚の弾力性低下等の老化、炎症、肌の色素沈着を引き起こすという問題がある(非特許文献1参照)。
【0004】
このような活性酸素消去作用を有する物質を、化粧料や飲食物などに配合したときの安定性の観点から、天然物から抽出する試みがなされており、例えば、黄杞抽出物、藤茶抽出物、菜の花抽出物等が有効であることが確認されている(特許文献1〜3参照)。
【0005】
しかしながら、現在までのところ、前記黄杞抽出物、前記藤茶抽出物、及び前記菜の花抽出物以外には、安全性が高く、原料入手容易な活性酸素消去作用を有する物質は、未だ提供されていないのが現状である
【0006】
【特許文献1】
特開平6−65074号公報
【特許文献2】
特開2001−97873号公報
【特許文献3】
特開2003−81848号公報
【非特許文献1】
フレグランスジャーナル 臨時増刊 No.14 p156 1995年
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有し、安全性が高く、原料入手容易な天然系活性酸素消去剤、及び該活性酸素消去剤を配合した化粧料並びに飲食物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用を兼ね備え、活性酸素消去剤として有用であるという知見である。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物を含むことを特徴とする活性酸素消去剤である。
<2> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物が、スーパーオキサイド消去作用物質、ラジカル消去作用物質、一重項酸素消去作用物質及び過酸化水素消去作用物質の少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の活性酸素消去剤である。
<3> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)、テンニンノマイ(Kalanchoe beharensis)、ベニベンケイ(Kalanchoe blossfeldiana)、リュウキュウベンケイ(Kalanchoe integra)、伽藍菜(Kalanchoe lanciniata)、ベニヒメチョウチン(Kalanchoe manginii)、及びツキトジ(Kalanchoe tomntosa)から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の活性酸素消去剤である。
<4> セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)の花部、種子、葉部、茎部、根部及びこれらを混合部位のいずれかを、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒のいずれかで抽出して得られる前記<3>に記載の活性酸素消去剤である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする化粧料である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする飲食物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
(活性酸素消去剤)
本発明の活性酸素消去剤は、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から抽出される抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0011】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物は、スーパーオキサイド消去作用物質、ラジカル消去物質、一重項酸素消去作用物質及び過酸化水素消去物質の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物としては、例えば、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)、テンニンノマイ(Kalanchoe beharensis)、ベニベンケイ(Kalanchoe blossfeldiana)、リュウキュウベンケイ(Kalanchoe integra)、伽藍菜(Kalanchoe lanciniata)、ベニヒメチョウチン(Kalanchoe manginii)、ツキトジ(Kalanchoe tomntosa)、などが挙げられる。これらの中でも、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)が好ましい。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物、中でも、前記セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)は、落地生根とも言われ、中国華南地方、雲南省、福建省、台湾などに分布しており、涼血し、腫脹をなおし、吐血・解毒作用があることが知られており、吐血、胃痛、咽喉腫痛、細菌性下痢、打撲の腫痛、乳腺炎、火傷、ねぶと・できものなどの治療に用いられることは知られているが(「世界有用植物辞典」植物編,Kalan,577参照)、該ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有することついては全く知られておらず、このことは本発明者らの新知見である。
【0013】
前記抽出原料であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物に含まれていて、活性酸素消去作用(スーパーオキサイド消去物質、過酸化水素消去物質、ラジカル消去物質及び一重項酸素消去物質)を示すものがいかなる物質であるのかは未だ確認されていないが、前記リュウキュウベンケイ属植物の葉部、茎部、花部、種子、又はこれらを含む地上部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより容易に抽出されるものである。
【0014】
前記抽出原料としてのベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の部位としては、例えば、葉部、茎部、花部、種子、又はこれらを含む地上部、根部等を用いることができるが、これらの中でも、葉部、茎部、花部、種子、及びこれらを含む地上部が、収率が高い点で好ましい。なお、抽出処理に付す抽出原料であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物としては、予め乾燥粉砕又は粗砕することが望ましく、また、ヘキサン等の非極性溶媒で脱脂した後のものを用いても良い。
【0015】
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が挙げられる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0016】
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、前記親水性有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、前記水と前記低級アルコールとの質量比が10:1〜10:90になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族ケトンとの質量比が10:1〜10:40になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合には、前記水と前記多価アルコールとの質量比が10:1〜10:90が好ましい。
【0017】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から前記抽出物を抽出する具体的方法としては、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に、セイロンベンケイ(落地生根)の地上部の乾燥・粉砕物を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過又は遠心分離して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物を得、更にこの濃縮物を乾燥することにより固形の抽出物が得られる。
但し、前記セイロンベンケイ(落地生根)の抽出物は固形の抽出物にしたものである必要はなく、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても構わない。これらは、本発明の目的及び作用効果を妨げない場合、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液―液向流分配などの方法により精製してから用いてもよい。
【0018】
なお、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料としてのベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物に対して通常5〜15倍量(質量比)であることが好ましい。前記抽出条件としては、抽出溶媒として水を用いる場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度であることが好ましく、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度であることが好ましい。
【0019】
得られるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物又はこれを適宜精製したものは、そのままでも本発明の活性酸素消去剤として用いることもできるが、濃縮・乾燥した剤型にすることもできる。乾燥物を得るに当たり、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを加えても良い。
【0020】
上述のようにして得られるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出液又は抽出物は、好ましくない臭いもなく、抽出物特有の色調も有してないため、そのまま活性酸素除去剤として利用可能であるが、必要に応じて、活性酸素消去作用の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化しても良い。
【0021】
本発明の活性酸素除去剤は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。
また、本発明の活性酸素除去剤は、高いスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができると共に、高い安全性をも有し、以下の本発明の化粧料又は飲食物に好適に使用することができる。
【0022】
(化粧料)
本発明の化粧料は、本発明の前記活性酸素消去剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
【0023】
前記化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、リップ、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。本発明の活性酸素消去剤を前記化粧料に配合して、皮膚等に吸収させることにより、活性酸素消去作用を高めるのに役立たせることができる。
【0024】
活性酸素発生防止に優れた化粧料に対する本発明の活性酸素消去剤の好適配合率としては、未精製の標準的な抽出物からなるものの場合、乾燥物に換算して約0.0001〜10質量%である。
【0025】
前記活性酸素消去作用剤を配合する化粧料は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他の成分を使用することができる。
【0026】
前記その他の成分としては、活性酸素消去作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0027】
前記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明の皮膚外用剤においては、美白効果を向上させる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
【0028】
前記収斂剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、酒石酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記殺菌・抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記保湿剤としては、例えば、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記細胞賦活剤としては、例えば、リボフラビン又はその誘導体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、オウバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記消炎・抗アレルギー剤としては、例えば、アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記抗酸化・活性酸素消去剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没子食酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記油脂類としては、例えば、大豆油、アマニ油、ゴマ油、ヌカ油、綿実油、ナタネ油、サフラワー油、トウモロコシ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、ヒマシ油、落花生油、カカオ油、パーム核油、牛脂、ミンク油、ホホバ油、月見草油、馬油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、鯨ロウ、セラックス、ラノリン類、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ポリエチレン末、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
前記脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘベニン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール又はその重合体、ブドウ糖、白糖、コレステロール、フィトステロール、セトステアリルアルコール、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記エステル類としては、例えば、オレイン酸デシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、乳酸セチル、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができるが、これらの中でも皮膚疾患の発生のない、又は軽微な化粧品原料基準に収載された界面活性剤が好ましく、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、サポニン、オリゴ配糖体、リン脂質系バイオサーファクタント、アシルペプチド系バイオサーファクタント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、などの界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記香料としては、例えば、メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、アニス油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明の化粧料は、特に皮膚に使用した場合に高い安全性を有し、優れたスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を有しており、皮膚の老化防止、炎症防止、色素沈着の防止、などに有効なものである。
【0044】
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記活性酸素消去剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
【0045】
前記飲食物とは、人の健康に危害を加える恐れが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
【0046】
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
【0047】
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、本発明の活性酸素消去剤の働きによって生体内の活性酸素を消去することができる。
【0048】
本発明の活性酸素除去剤の前記飲食物に対する添加量としては、添加する飲食物に応じて異なり一概には規定できないが、通常0.01〜50質量%である。添加対象飲食物の一般的摂取量を考慮して、成人一日当たりベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物の摂取量が約1〜1,000mg程度になるように調製することが好ましい。
【0049】
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当り通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
【0050】
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物の働きによって、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を極めて効果的に達成することができる。
【0051】
なお、本発明の活性酸素除去剤、化粧料、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0052】
【実施例】
以下、製造例及び実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
【0053】
(製造例1)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに水2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例1のセイロンベンケイの水抽出物を得た。得られた抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
【0054】
(製造例2)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)2000mLを加え、還流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例2のセイロンベンケイの50質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1のとおりであった。
【0055】
(製造例3)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに90質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:9)2000mLを加え、還流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例3のセイロンベンケイの90質量%エタノール抽出物抽出物を得た。得られた抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例1)
−スーパーオキサイド消去試験−
3mMキサンチン、0.05MNa2CO3緩衝液(pH10.2)、3mM EDTA、BSA溶液、及び0.75mM NBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を、試験管に各々0.1mLずつとり、これに製造例1〜3の各試料溶液0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次に、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から下記数式(1)によりスーパーオキサイド(SOD)消去率(%)を求めた。
【0058】
<数式1>
SOD消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、Aは、酵素溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、酵素溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、酵素溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、酵素溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
【0059】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
(実施例2)
−過酸化水素消去試験−
過酸化水素の標準溶液(濃度1.5mM)10μLに、製造例1〜3の各試料溶液10μLを加え、37℃で20分間インキュベーションした後、発色試薬〔DA−64(和光純薬)を10mM、トライトンX−100を0.5%含む0.1MPIPES緩衝液(pH7.0)にペルオキシダーゼ溶液(100unit/mL,和光純薬)1mLを加え、全量を100mLに調整したもの〕2.98mLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度測定を、過酸化水素の標準溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行い、下記数式(2)により過酸化水素の消去率を求めた。
【0062】
<数式2>
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、Aは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、過酸化水素標準溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、過酸化水素標準溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
【0063】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記過酸化水素消去率の測定を行い、過酸化水素消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表3に示す。
【表3】
【0064】
(実施例3)
−ラジカル消去試験−
1.5×10−4M DPPHエタノール溶液3mLに、製造例1〜3の各試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光を測定した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。測定された各吸光度より、下記数式(3)によりラジカル消去率(%)を算出した。
【0065】
<数式3>
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
但し、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、ブランクの吸光度を表す。
【0066】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記ラジカル消去率の測定を行い、ラジカルの消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
(実施例4)
−一重項酸素消去試験−
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、製造例1〜3の各試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mMヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上で、7.5Wハロゲンランプを35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合した後、4℃、3,000rpmで5分間遠心分離を行った。次に、上清を採取し、波長540nmの吸光度を測定した。これとは別に、赤血球を一部溶血させた前記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、上清液の場合と同様に吸光度測定を行った。測定された吸光度より、下記数式4により一重項酸素消去率(%)を求めた。
【0069】
<数式4>
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
但し、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、反応溶液の上清液の吸光度を表す。
【0070】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素の消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表5に示す。
【表5】
【0071】
(配合実施例1)
−乳液−
表6に示す組成の活性酸素消去作用を有する乳液を常法により製造した。
【表6】
【0072】
(配合実施例2)
−クリーム−
表7に示す組成の活性酸素消去作用を有するクリームを常法により製造した。
【表7】
【0073】
(配合実施例3)
−パック−
表8に示す組成の活性酸素消去作用を有するパックを常法により製造した。
【表8】
【0074】
(配合実施例4)
−カプセル剤−
表9に示す組成の活性酸素消去作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
【表9】
【0075】
(配合実施例5)
−顆粒状製剤−
表10に示す組成の活性酸素消去作用を有する顆粒状製剤を常法により製造した。
【表10】
【0076】
(配合実施例6)
−経口液状製剤−
表11に示す組成の活性酸素消去作用を有する経口液状製剤を常法により製造した。
【表11】
【0077】
【発明の効果】
本発明によると、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく優れた活性酸素消去作用を有し、安全性が高く、原料入手容易な天然系活性酸素消去剤、該活性酸素消去剤を配合した皮膚化粧料及び飲食物を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有する活性酸素消去剤、及び該活性酸素消去剤を配合した化粧料、並びに飲食物に関する
【0002】
【従来の技術】
活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、スーパーオキサイド〔即ち、酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン(・O2−)〕、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)、一重項酸素(1O2)等がある。これら活性酸素は食細胞の殺菌機構にとって必須であり、ウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている。
【0003】
しかしながら、活性酸素の過剰な生成は生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発するおそれがある。通常、生体内で酸素を基に生産され、他の活性酸素の出発物質ともなっているスーパーオキサイドは、細胞内に含まれるスーパーオキシドディスムターゼ(以下、「SOD」と称することがある)の触媒作用により消去される。しかし、前記SODは老化と共に減少するため、細胞内でのSODが減少すると、スーパーオキサイドの濃度が高くなり、活性酸素の無毒化酵素であるカタラーゼ等の活性を低下させる。例えば、コラーゲン等の生体組織を分解、変性又は架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりするため、皮膚のしわを形成したり、皮膚の弾力性低下等の老化、炎症、肌の色素沈着を引き起こすという問題がある(非特許文献1参照)。
【0004】
このような活性酸素消去作用を有する物質を、化粧料や飲食物などに配合したときの安定性の観点から、天然物から抽出する試みがなされており、例えば、黄杞抽出物、藤茶抽出物、菜の花抽出物等が有効であることが確認されている(特許文献1〜3参照)。
【0005】
しかしながら、現在までのところ、前記黄杞抽出物、前記藤茶抽出物、及び前記菜の花抽出物以外には、安全性が高く、原料入手容易な活性酸素消去作用を有する物質は、未だ提供されていないのが現状である
【0006】
【特許文献1】
特開平6−65074号公報
【特許文献2】
特開2001−97873号公報
【特許文献3】
特開2003−81848号公報
【非特許文献1】
フレグランスジャーナル 臨時増刊 No.14 p156 1995年
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有し、安全性が高く、原料入手容易な天然系活性酸素消去剤、及び該活性酸素消去剤を配合した化粧料並びに飲食物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用を兼ね備え、活性酸素消去剤として有用であるという知見である。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物を含むことを特徴とする活性酸素消去剤である。
<2> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物が、スーパーオキサイド消去作用物質、ラジカル消去作用物質、一重項酸素消去作用物質及び過酸化水素消去作用物質の少なくともいずれかを含む前記<1>に記載の活性酸素消去剤である。
<3> ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)、テンニンノマイ(Kalanchoe beharensis)、ベニベンケイ(Kalanchoe blossfeldiana)、リュウキュウベンケイ(Kalanchoe integra)、伽藍菜(Kalanchoe lanciniata)、ベニヒメチョウチン(Kalanchoe manginii)、及びツキトジ(Kalanchoe tomntosa)から選択される少なくとも1種である前記<1>から<2>のいずれかに記載の活性酸素消去剤である。
<4> セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)の花部、種子、葉部、茎部、根部及びこれらを混合部位のいずれかを、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒のいずれかで抽出して得られる前記<3>に記載の活性酸素消去剤である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする化粧料である。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする飲食物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
(活性酸素消去剤)
本発明の活性酸素消去剤は、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から抽出される抽出物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0011】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物は、スーパーオキサイド消去作用物質、ラジカル消去物質、一重項酸素消去作用物質及び過酸化水素消去物質の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物としては、例えば、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)、テンニンノマイ(Kalanchoe beharensis)、ベニベンケイ(Kalanchoe blossfeldiana)、リュウキュウベンケイ(Kalanchoe integra)、伽藍菜(Kalanchoe lanciniata)、ベニヒメチョウチン(Kalanchoe manginii)、ツキトジ(Kalanchoe tomntosa)、などが挙げられる。これらの中でも、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)が好ましい。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物、中でも、前記セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)は、落地生根とも言われ、中国華南地方、雲南省、福建省、台湾などに分布しており、涼血し、腫脹をなおし、吐血・解毒作用があることが知られており、吐血、胃痛、咽喉腫痛、細菌性下痢、打撲の腫痛、乳腺炎、火傷、ねぶと・できものなどの治療に用いられることは知られているが(「世界有用植物辞典」植物編,Kalan,577参照)、該ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく、優れた活性酸素消去作用を有することついては全く知られておらず、このことは本発明者らの新知見である。
【0013】
前記抽出原料であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物に含まれていて、活性酸素消去作用(スーパーオキサイド消去物質、過酸化水素消去物質、ラジカル消去物質及び一重項酸素消去物質)を示すものがいかなる物質であるのかは未だ確認されていないが、前記リュウキュウベンケイ属植物の葉部、茎部、花部、種子、又はこれらを含む地上部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより容易に抽出されるものである。
【0014】
前記抽出原料としてのベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の部位としては、例えば、葉部、茎部、花部、種子、又はこれらを含む地上部、根部等を用いることができるが、これらの中でも、葉部、茎部、花部、種子、及びこれらを含む地上部が、収率が高い点で好ましい。なお、抽出処理に付す抽出原料であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物としては、予め乾燥粉砕又は粗砕することが望ましく、また、ヘキサン等の非極性溶媒で脱脂した後のものを用いても良い。
【0015】
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
前記水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が挙げられる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0016】
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、前記親水性有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、前記水と前記低級アルコールとの質量比が10:1〜10:90になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として低級脂肪族ケトンを用いる場合には、前記水と前記低級脂肪族ケトンとの質量比が10:1〜10:40になるように混合することが好ましい。前記親水性有機溶媒として多価アルコールを用いる場合には、前記水と前記多価アルコールとの質量比が10:1〜10:90が好ましい。
【0017】
前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物から前記抽出物を抽出する具体的方法としては、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に、セイロンベンケイ(落地生根)の地上部の乾燥・粉砕物を投入し、必要に応じて適宜攪拌しながら、30分〜4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過又は遠心分離して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物を得、更にこの濃縮物を乾燥することにより固形の抽出物が得られる。
但し、前記セイロンベンケイ(落地生根)の抽出物は固形の抽出物にしたものである必要はなく、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても構わない。これらは、本発明の目的及び作用効果を妨げない場合、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液―液向流分配などの方法により精製してから用いてもよい。
【0018】
なお、前記抽出溶媒量は、前記抽出原料としてのベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物に対して通常5〜15倍量(質量比)であることが好ましい。前記抽出条件としては、抽出溶媒として水を用いる場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度であることが好ましく、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度であることが好ましい。
【0019】
得られるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物又はこれを適宜精製したものは、そのままでも本発明の活性酸素消去剤として用いることもできるが、濃縮・乾燥した剤型にすることもできる。乾燥物を得るに当たり、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリン等のキャリアーを加えても良い。
【0020】
上述のようにして得られるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出液又は抽出物は、好ましくない臭いもなく、抽出物特有の色調も有してないため、そのまま活性酸素除去剤として利用可能であるが、必要に応じて、活性酸素消去作用の向上や脱色・脱臭を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化しても良い。
【0021】
本発明の活性酸素除去剤は、消化管で消化されるようなものではないことが確認されているので、任意の飲食品や栄養補助食品に配合するのに好適である。
また、本発明の活性酸素除去剤は、高いスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができると共に、高い安全性をも有し、以下の本発明の化粧料又は飲食物に好適に使用することができる。
【0022】
(化粧料)
本発明の化粧料は、本発明の前記活性酸素消去剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
【0023】
前記化粧料としては、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、リップ、入浴剤、ヘアートニック、ヘアーローション、石鹸、ボディシャンプー等が挙げられる。本発明の活性酸素消去剤を前記化粧料に配合して、皮膚等に吸収させることにより、活性酸素消去作用を高めるのに役立たせることができる。
【0024】
活性酸素発生防止に優れた化粧料に対する本発明の活性酸素消去剤の好適配合率としては、未精製の標準的な抽出物からなるものの場合、乾燥物に換算して約0.0001〜10質量%である。
【0025】
前記活性酸素消去作用剤を配合する化粧料は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他の成分を使用することができる。
【0026】
前記その他の成分としては、活性酸素消去作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0027】
前記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明の皮膚外用剤においては、美白効果を向上させる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
【0028】
前記収斂剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、酒石酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
前記殺菌・抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記保湿剤としては、例えば、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記細胞賦活剤としては、例えば、リボフラビン又はその誘導体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、オウバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記消炎・抗アレルギー剤としては、例えば、アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記抗酸化・活性酸素消去剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没子食酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記油脂類としては、例えば、大豆油、アマニ油、ゴマ油、ヌカ油、綿実油、ナタネ油、サフラワー油、トウモロコシ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、ヒマシ油、落花生油、カカオ油、パーム核油、牛脂、ミンク油、ホホバ油、月見草油、馬油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、鯨ロウ、セラックス、ラノリン類、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ポリエチレン末、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
前記脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘベニン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール又はその重合体、ブドウ糖、白糖、コレステロール、フィトステロール、セトステアリルアルコール、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記エステル類としては、例えば、オレイン酸デシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、乳酸セチル、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができるが、これらの中でも皮膚疾患の発生のない、又は軽微な化粧品原料基準に収載された界面活性剤が好ましく、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、サポニン、オリゴ配糖体、リン脂質系バイオサーファクタント、アシルペプチド系バイオサーファクタント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、などの界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記香料としては、例えば、メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、アニス油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明の化粧料は、特に皮膚に使用した場合に高い安全性を有し、優れたスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を有しており、皮膚の老化防止、炎症防止、色素沈着の防止、などに有効なものである。
【0044】
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記活性酸素消去剤を配合してなり、更に必要に応じてその他の成分を配合してなる。
【0045】
前記飲食物とは、人の健康に危害を加える恐れが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
【0046】
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
【0047】
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、本発明の活性酸素消去剤の働きによって生体内の活性酸素を消去することができる。
【0048】
本発明の活性酸素除去剤の前記飲食物に対する添加量としては、添加する飲食物に応じて異なり一概には規定できないが、通常0.01〜50質量%である。添加対象飲食物の一般的摂取量を考慮して、成人一日当たりベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物の摂取量が約1〜1,000mg程度になるように調製することが好ましい。
【0049】
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当り通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
【0050】
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物抽出物の働きによって、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去の少なくともいずれかの作用を極めて効果的に達成することができる。
【0051】
なお、本発明の活性酸素除去剤、化粧料、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0052】
【実施例】
以下、製造例及び実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
【0053】
(製造例1)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに水2000mLを加え、還流抽出器で80℃にて2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例1のセイロンベンケイの水抽出物を得た。得られた抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
【0054】
(製造例2)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)2000mLを加え、還流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例2のセイロンベンケイの50質量%エタノール抽出物を得た。抽出物の収率は表1のとおりであった。
【0055】
(製造例3)
−セイロンベンケイ抽出物の製造−
セイロンベンケイの地上部を細切りしたもの200gに90質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:9)2000mLを加え、還流抽出器で80℃、2時間加熱抽出し、熱時濾過した。残渣についてさらに同様の抽出処理を行った。得られた抽出液を合わせて減圧下に濃縮し、乾燥して製造例3のセイロンベンケイの90質量%エタノール抽出物抽出物を得た。得られた抽出物の収率は表1に示すとおりであった。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例1)
−スーパーオキサイド消去試験−
3mMキサンチン、0.05MNa2CO3緩衝液(pH10.2)、3mM EDTA、BSA溶液、及び0.75mM NBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を、試験管に各々0.1mLずつとり、これに製造例1〜3の各試料溶液0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次に、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mM塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から下記数式(1)によりスーパーオキサイド(SOD)消去率(%)を求めた。
【0058】
<数式1>
SOD消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、Aは、酵素溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、酵素溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、酵素溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、酵素溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
【0059】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
(実施例2)
−過酸化水素消去試験−
過酸化水素の標準溶液(濃度1.5mM)10μLに、製造例1〜3の各試料溶液10μLを加え、37℃で20分間インキュベーションした後、発色試薬〔DA−64(和光純薬)を10mM、トライトンX−100を0.5%含む0.1MPIPES緩衝液(pH7.0)にペルオキシダーゼ溶液(100unit/mL,和光純薬)1mLを加え、全量を100mLに調整したもの〕2.98mLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
同様の操作と吸光度測定を、過酸化水素の標準溶液を添加せずに行った。更に、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行い、下記数式(2)により過酸化水素の消去率を求めた。
【0062】
<数式2>
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
但し、Aは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Bは、過酸化水素標準溶液を添加せず、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、過酸化水素標準溶液を添加し、試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。Dは、過酸化水素標準溶液及び試料溶液を添加しないときの吸光度を表す。
【0063】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記過酸化水素消去率の測定を行い、過酸化水素消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表3に示す。
【表3】
【0064】
(実施例3)
−ラジカル消去試験−
1.5×10−4M DPPHエタノール溶液3mLに、製造例1〜3の各試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光を測定した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えた後、直ちに波長520nmの吸光度を測定した。測定された各吸光度より、下記数式(3)によりラジカル消去率(%)を算出した。
【0065】
<数式3>
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
但し、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、試料溶液を添加したときの吸光度を表す。Cは、ブランクの吸光度を表す。
【0066】
次に、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記ラジカル消去率の測定を行い、ラジカルの消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
(実施例4)
−一重項酸素消去試験−
透明ガラス瓶(10mL容)中で2%赤血球懸濁液5mL、製造例1〜3の各試料を所定濃度で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5mL、及び光増感剤(10mMヘマトポルフイリン−20mM水酸化ナトリウム溶液)0.01mLを混合した。得られた溶液をメリーゴーランド上で、7.5Wハロゲンランプを35分間均一に照射して一重項酸素(1O2)を発生させ、赤血球の溶血を生じさせた。この反応溶液1mLを採取し、等張リン酸緩衝液2mLを加えて混合した後、4℃、3,000rpmで5分間遠心分離を行った。次に、上清を採取し、波長540nmの吸光度を測定した。これとは別に、赤血球を一部溶血させた前記反応溶液1mLをとり、これに蒸留水2mLを加えて完全に溶血させたものをコントロールとし、上清液の場合と同様に吸光度測定を行った。測定された吸光度より、下記数式4により一重項酸素消去率(%)を求めた。
【0069】
<数式4>
一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100
但し、Aは、コントロールの吸光度を表す。Bは、反応溶液の上清液の吸光度を表す。
【0070】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記消去率の測定を行い、一重項酸素の消去率が50%になる試料濃度(ppm)を内挿法により求めた。結果を表5に示す。
【表5】
【0071】
(配合実施例1)
−乳液−
表6に示す組成の活性酸素消去作用を有する乳液を常法により製造した。
【表6】
【0072】
(配合実施例2)
−クリーム−
表7に示す組成の活性酸素消去作用を有するクリームを常法により製造した。
【表7】
【0073】
(配合実施例3)
−パック−
表8に示す組成の活性酸素消去作用を有するパックを常法により製造した。
【表8】
【0074】
(配合実施例4)
−カプセル剤−
表9に示す組成の活性酸素消去作用を有するカプセル剤を常法により製造した。なお、カプセルには、1号ハードゼラチンカプセルを使用した。
【表9】
【0075】
(配合実施例5)
−顆粒状製剤−
表10に示す組成の活性酸素消去作用を有する顆粒状製剤を常法により製造した。
【表10】
【0076】
(配合実施例6)
−経口液状製剤−
表11に示す組成の活性酸素消去作用を有する経口液状製剤を常法により製造した。
【表11】
【0077】
【発明の効果】
本発明によると、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、ラジカル消去作用及び一重項酸素消去作用に基づく優れた活性酸素消去作用を有し、安全性が高く、原料入手容易な天然系活性酸素消去剤、該活性酸素消去剤を配合した皮膚化粧料及び飲食物を提供できる。
Claims (6)
- ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物を含むことを特徴とする活性酸素消去剤。
- ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物の抽出物が、スーパーオキサイド消去作用物質、ラジカル消去作用物質、一重項酸素消去作用物質及び過酸化水素消去作用物質の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の活性酸素消去剤。
- ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物が、セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)、テンニンノマイ(Kalanchoe beharensis)、ベニベンケイ(Kalanchoeblossfeldiana)、リュウキュウベンケイ(Kalanchoeintegra)、伽藍菜(Kalanchoe lanciniata)、ベニヒメチョウチン(Kalanchoe manginii)、及びツキトジ(Kalanchoe tomntosa)から選択される少なくとも1種である請求項1から2のいずれかに記載の活性酸素消去剤。
- セイロンベンケイ(Bryophyllum pinnatum)の花部、種子、葉部、茎部、根部及びこれらを混合部位のいずれかを、水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒のいずれかで抽出して得られる請求項3に記載の活性酸素消去剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項1から4のいずれかに記載の活性酸素消去剤を含有することを特徴とする飲食物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003194196A JP2005029483A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003194196A JP2005029483A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005029483A true JP2005029483A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34205433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003194196A Pending JP2005029483A (ja) | 2003-07-09 | 2003-07-09 | 活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005029483A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060334A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Okinawa Pref Gov | リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤 |
JP2006225342A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Oriza Yuka Kk | 一重項酸素消去剤及びこれを含有する皮膚外用剤 |
JP2013523845A (ja) * | 2010-04-12 | 2013-06-17 | パージェネシス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド | 化粧用組成物における機能的なチラコイドを含む光合成細胞抽出物の使用 |
FR3000390A1 (fr) * | 2012-12-28 | 2014-07-04 | Clarins Lab | Composition cosmetique comprenant un extrait de kalanchoe pinnata |
JP2015086145A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 日本メナード化粧品株式会社 | ヒダカミセバヤエキスを含有する外用剤又は内用剤 |
JP2016052999A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-14 | 株式会社エスジー・ワーム生命科学研究所 | 化粧品の製造方法 |
JP2017508477A (ja) * | 2014-01-27 | 2017-03-30 | クヌド イェプスン アクティーゼルスカブ | 切り花の花束 |
KR20210144725A (ko) | 2019-03-29 | 2021-11-30 | 마루젠세이야쿠 가부시키가이샤 | 항노화제, 항산화제, 항염증제 및 미백제, 그리고 화장료 |
-
2003
- 2003-07-09 JP JP2003194196A patent/JP2005029483A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060334A (ja) * | 2003-08-19 | 2005-03-10 | Okinawa Pref Gov | リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤 |
JP4644787B2 (ja) * | 2003-08-19 | 2011-03-02 | 沖縄県 | リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤 |
JP2006225342A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Oriza Yuka Kk | 一重項酸素消去剤及びこれを含有する皮膚外用剤 |
JP2013523845A (ja) * | 2010-04-12 | 2013-06-17 | パージェネシス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド | 化粧用組成物における機能的なチラコイドを含む光合成細胞抽出物の使用 |
FR3000390A1 (fr) * | 2012-12-28 | 2014-07-04 | Clarins Lab | Composition cosmetique comprenant un extrait de kalanchoe pinnata |
JP2015086145A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 日本メナード化粧品株式会社 | ヒダカミセバヤエキスを含有する外用剤又は内用剤 |
JP2017508477A (ja) * | 2014-01-27 | 2017-03-30 | クヌド イェプスン アクティーゼルスカブ | 切り花の花束 |
JP2016052999A (ja) * | 2014-09-02 | 2016-04-14 | 株式会社エスジー・ワーム生命科学研究所 | 化粧品の製造方法 |
KR20210144725A (ko) | 2019-03-29 | 2021-11-30 | 마루젠세이야쿠 가부시키가이샤 | 항노화제, 항산화제, 항염증제 및 미백제, 그리고 화장료 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4658348B2 (ja) | コラーゲン産生促進剤、コラゲナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤、エラスターゼ阻害剤、エストロゲン様作用剤、並びに皮膚化粧料 | |
JP5024978B2 (ja) | 抗酸化剤 | |
JP2008247839A (ja) | カルコン配糖体を含む抗酸化剤 | |
JP2004131431A (ja) | 紫外線傷害予防又は改善用組成物 | |
JP4675033B2 (ja) | 血小板凝集抑制剤及びヒスタミン遊離抑制剤 | |
KR101740353B1 (ko) | 항산화 조성물 | |
JP2008074816A (ja) | 生体内抗酸化剤 | |
JP3933511B2 (ja) | 皮膚化粧料及び美容用飲食品 | |
JP2005029483A (ja) | 活性酸素消去剤、並びに化粧料及び飲食物 | |
JP2007210962A (ja) | 抗酸化剤及び抗老化剤、並びに皮膚化粧料及び美容用飲食品 | |
JP2011055837A (ja) | 美容用飲食品 | |
JP4350331B2 (ja) | コラーゲン産生促進剤、コラゲナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖作用剤及び皮膚化粧料並びに美容用飲食品 | |
JP2006321730A (ja) | 抗酸化剤及び抗老化剤、並びに皮膚化粧料及び飲食物 | |
JP5095893B2 (ja) | 活性酸素消去剤 | |
JP4722595B2 (ja) | 抗炎症剤、抗酸化剤及び美白剤、並びに皮膚化粧料 | |
JP3827581B2 (ja) | 皮膚化粧料及び美容用飲食品 | |
JP4587647B2 (ja) | 線維芽細胞増殖促進剤及び皮膚化粧料並びに美容用飲食物 | |
JP4084726B2 (ja) | コラーゲン合成促進剤、線維芽細胞増殖促進剤、サイクリックampホスホジエステラーゼ阻害剤、チロシナーゼ阻害剤、及び血小板凝集抑制剤、並びに化粧料及び飲食品。 | |
JP4202638B2 (ja) | コラーゲン産生促進剤、エラスターゼ阻害剤、コラゲナーゼ阻害剤及び老化防止用皮膚化粧料 | |
JP3806015B2 (ja) | 皮膚外用剤および飲食品 | |
JP2005082531A (ja) | 抗炎症剤、並びに化粧料及び飲食物 | |
JP4703829B2 (ja) | 炎症性疾患の予防・治療剤 | |
JP3806014B2 (ja) | 皮膚外用剤および飲食品 | |
JP3830813B2 (ja) | 皮膚外用剤及び美容用飲食品 | |
JP6741401B2 (ja) | セラミド類含有組成物の製造方法 |