JP4675033B2 - 血小板凝集抑制剤及びヒスタミン遊離抑制剤 - Google Patents

血小板凝集抑制剤及びヒスタミン遊離抑制剤 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、マンノシルエリスリトールリピッドを含む皮膚の炎症防止及びアレルギーの防止に有用な抗炎症剤及び抗アレルギー剤、並びに、皮膚外用剤及び飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炎症及びアレルギー性の疾患の原因や発症機構は多種多様であるが、その主な原因として、体内における血小板凝集、ヒスタミン遊離などによるものが知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
前記血小板の働きは、凝集して活性化することにより、生理的には止血、病的には血栓形成のほか、動脈硬化症の進展やガン転移・炎症などに関与していると考えられている。したがって、血小板の凝集を阻害する物質により上記障害に対処する試みがなされ、アスピリン、チクロピジン、スルフィピラゾンなどが使用されている(非特許文献2参照)。
【0004】
前記ヒスタミンは、マスト細胞(肥満細胞)内に存在し、マスト細胞が刺激を受けると脱顆粒反応により放出され、起炎・アレルギー物質として作用する。また、活性化されたマスト細胞から放出されたヒスタミンは、血管透過性亢進、平滑筋収縮、粘液分泌亢進等をもたらし、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんま疹等のアレルギー疾患を生じさせる。このため、ヒスタミンの遊離を抑制することにより上記疾患に対処する試みがなされており、ヒスタミン遊離抑制物質として、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、塩酸プロメタジン等の化合物が挙げられる(非特許文献3参照)。
【0005】
しかし、この場合、前記血小板凝集抑制剤及びヒスタミン遊離抑制作用剤に使用する化合物には副作用があり、一般的な皮膚外用剤や飲食物に配合するには安全性の点で問題がある。
そこで、安全性の高い天然物質を原料とした抗炎症剤又は抗アレルギー剤としては、例えば、ランタナの抽出物(特許文献1参照)、コウサンフウの抽出物(特許文献2参照)、カナリウム属ウーランの抽出物(特許文献3参照)、等が提案されている。
【0006】
一方、マンノシルエリスリトールリピッドは、酵母Candida sp.等が産生し、抗菌作用(特許文献4参照)、表面張力低下能等の作用(特許文献5参照)を有することが知られているにすぎず、また、酵母Candida sp.等による製造は生産効率が低いものであった。
【0007】
しかしながら、安価であり、安全性の高い天然物系のものであって味や匂いの点でも添加対象物の品質に悪影響を及ぼさず、皮膚外用剤及び飲食物に広く使用可能な抗炎症剤又は抗アレルギー剤は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−179583号公報
【特許文献2】
特開2002−53477号公報
【特許文献3】
特開2002−53478号公報
【特許文献4】
特開昭57−145896号公報
【特許文献5】
特開昭61−205450号公報
【非特許文献1】
齋藤洋、野村靖幸編、医薬品の開発9−III(広川書店) 1990年
【非特許文献2】
和久敬蔵、井上圭三編、現代化学増刊17 血小板活性化因子(東京化学同人) 1989年
【非特許文献3】
水島裕著、炎症・アレルギーと治療薬(南江堂) 1975年
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、マンノシルエリスリトールリピッドを含む皮膚の炎症防止及びアレルギーの防止に有用な抗炎症剤及び抗アレルギー剤、並びに、該抗炎症剤又は抗アレルギー剤を含有する皮膚外用剤及び飲食物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、酵母が産生する糖脂質であるマンノシルエリスリトールリピッドが、優れた血小板凝集抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用の少なくともいずれかを有し、抗炎症剤又は抗アレルギー剤として有用であることを知見した。また、該マンノシルエリスリトールリピッドを含有する皮膚外用剤が、優れた抗炎症作用及び抗アレルギー作用の少なくともいずれかを有すること知見した。また、該マンノシルエリスリトールリピッドを含有する飲食物が、経口摂取によっても優れた抗炎症作用及び抗アレルギー作用の少なくともいずれかを有すること知見した。
【0011】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド(Mannosyl erythritol lipid)の混合物を含むことを特徴とする血小板凝集抑制剤である。
【化3】
Figure 0004675033
ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、いずれも脂肪族アシル基の混合物を表し、該脂肪酸アシル基は、RCOで表され、前記Rは、炭素数5〜13の飽和又は不飽和の脂肪族基である。Rは、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
<2> 構造式(1)中のR及びRが、いずれも下記表Aに記載の脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である前記<1>に記載の血小板凝集抑制剤である。
【表A】
Figure 0004675033
<3> マンノシルエリスリトールリピッドが、植物油脂と栄養素を含む培養液中でクルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母を培養させて得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤である。
<4> クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母が、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)である前記<3>に記載の血小板凝集抑制剤である。
<5> 下記構造式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド(Mannosyl erythritol lipid)の混合物を含むことを特徴とするヒスタミン遊離抑制剤である。
【化4】
Figure 0004675033
ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、いずれも脂肪族アシル基の混合物を表し、該脂肪酸アシル基は、RCOで表され、前記Rは、炭素数5〜13の飽和又は不飽和の脂肪族基である。Rは、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
<6> 構造式(1)中のR及びRが、いずれも下記表Aに記載の脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である前記<5>に記載のヒスタミン遊離抑制剤である。
【表A】
Figure 0004675033
<7> マンノシルエリスリトールリピッドが、植物油脂と栄養素を含む培養液中でクルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母を培養させて得られる前記<5>から<6>のいずれかに記載のヒスタミン遊離抑制剤である。
<8> クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母が、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)である前記<7>に記載のヒスタミン遊離抑制剤である。
【0012】
【発明の実施の形態】
(抗炎症剤又は抗アレルギー剤)
本発明抗炎症剤又は抗アレルギー剤は、マンノシルエリスリトールリピッド(Mannosyl erythritol lipid)を含み、必要に応じてその他の成分を含有してなる。
なお、前記マンノシルエリスリトールリピッドが、抗菌作用、表面張力低下能等の作用を有することは知られているが、マンノシルエリスリトールリピッドが、優れた血小板凝集抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用の少なくともいずれかを有し、抗炎症剤又は抗アレルギー剤として有用であることは全く知られておらず、これらのことは、本発明者らによる新知見である。
【0013】
前記マンノシルエリスリトールリピッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、4−O−β−D−マンノピラノシル−メソ−エリスリトールのマンノース部分の水酸基に、アセチル基、脂肪酸アシル基がエステル結合している糖脂質が挙げられ、特に、下記構造式(1)で表されるものが好ましい。
【0014】
【化5】
Figure 0004675033
【0015】
前記構造式(1)中、RからRは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、アセチル基、又は脂肪酸アシル基を表す。なお、RからRのうちアセチル基が1又は2個結合し、脂肪族アシル基が1〜3個結合しているものが好ましい。
【0016】
前記脂肪酸アシル基は、RCOで表される。前記Rは、炭素数5〜23、好ましくは5〜19の飽和又は不飽和の脂肪族基を表し、例えば、CH(CH、CH(CH、CH(CH10、CH(CH12、CH(CH14、CH(CH16、CH(CH18、CH(CHCHCH(CH、CHCHCH=CH(CH、CH(CHCH=CH(CH、CH(CHCH=CH(CH、CH(CH(CH=CHCH(CH、CHCH(CH=CHCH(CH、CH(CH(CH=CHCH(CH、CH(CH(CH=CHCH(CH、などが挙げられる。
【0017】
なお、前記マンノシルエリスリトールリピッドは、脂肪族アシル基の種類により多少構造が異なり、その化合物の組成は炭素源の相違又は発酵条件の相違により変化するが、血小板凝集抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用を有する点についてはほとんど差異はなく、前記構造式(1)で表される化合物が総て本発明の抗炎症及び抗アレルギー剤として含まれる。
【0018】
前記構造式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッドの具体例としては、特に制限はされないが、以下のものが好適に挙げられる。
【0019】
【化6】
Figure 0004675033
前記構造式(1)において、R及びRは、炭素数5〜13の脂肪族アシル基であり、具体的には、下記表1に示す脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である。
は、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
【0020】
【表1】
Figure 0004675033
【0021】
前記マンノシルエリスリトールリピッドは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属、カンジダ(Candida)属等の酵母を培養させることにより得ることができ、これらの中でも、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属が好ましく、特にクルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)が生産効率(生産速度、対原料収率、及び収率)が高い点で好ましい。
【0022】
前記マンノシルエリスリトールリピッドの発酵生産法については、本願出願人により、既に詳細に開示されている(特願2003−48822号参照)。
ここで、前記マンノシルエリスリトールリピッドの発酵生産法について、説明する。
まず、グルコース20g/L、酵母エキス1g/L、硝酸アンモニウム1g/L、リン酸2水素カリウム0.5g/L、及び硫酸マグネシウム0.5g/Lの組成の液体培地4mLが入った試験管に1白金耳接種し、30℃で1日間振とう培養を行う。
これを同じ組成の培地100mLの入った坂口フラスコに接種して、30℃で2日間培養を行う。更に、これを所定量の植物油脂と酵母エキス1g/L、硝酸アンモニウム1g/L、リン酸2水素カリウム0.5g/L、及び硫酸マグネシウム0.5g/Lの組成の液体培地1.4Lが入ったジャーファメンターに接種して、30℃で1.5L/分の通気速度と800rpmの撹拌速度で本培養を開始する。
なお、pHは、pHメーターで測定できる。溶存酸素濃度は、溶存酸素濃度メーターで測定できる。
【0023】
−回分培養−
前記回分培養では、培養途中で植物油脂の供給は行わないで、1日に1乃至2回培養液を無菌的に採取して、培養液中の各成分を経時的に測定する。MEL、トリグリセリド、ジグリセリド、及び脂肪酸は、採取した培養液に酢酸エチルを加えて激しく振とうした後に静置し、上清の酢酸エチル層を回収する。この酢酸エチル溶液をイアトロスキャン(ヤトロン社製)のロッドにチャージして所定の方法により各成分を定量分析する。
一般的に、微生物による発酵生産においては、原料が無くなって最高濃度に達するまで生産物の増加の程度が緩やかとなることが多い。MEL生産でも同様の現象が観察されたので、MEL生産速度は、培養の経時変化よりMELがほぼ直線的に増加する部分の傾きより最小自乗法で計算する。
【0024】
ここで、前記回分培養においては、培養液のpHを5.2〜5.8の範囲に制御し、培養液中に無機窒素源を含有させ、該無機窒素源が、硝酸アンモニウム及び尿素のいずれかであることが好ましい。この場合、初発植物油脂濃度が10〜20質量%の範囲で培養を行うことが好ましく、14〜20質量%の範囲で培養を行うことがより好ましい。
【0025】
−流加培養−
前記流加培養では、前記回分培養と同様の方法で培養を開始し、培養途中から培養液に植物油脂を定量送液システムを用いて供給する。該定量送液システムは、流量コントローラーと、電子天秤と、ポンプとから構成されている。
具体的には、電子天秤に乗せられた植物油脂の質量を常時測定し、設定した流量に応じた流量コントローラーの信号により送液ポンプを駆動させて、植物油脂を培養液に供給する。流量は0.1g/h刻みで設定でき、1時間当たり10回程度ポンプを駆動する。供給した植物油脂の質量は、流量コントローラーに表示され、予め設定した時間(=設定した供給量)までポンプが植物油脂を供給する。
【0026】
ここで、前記流加培養においては、初発植物油脂濃度を14〜20質量%で培養を開始し、該培養開始して6〜7日後より植物油脂を0.9〜1.1g/L/hの速度で供給することが好ましい。
また、植物油脂を流加後における培養液中の初発植物油脂量と流加植物油脂量とを合わせた全植物油脂濃度が25質量%以上となる条件で培養を行うことが好ましく、30〜35質量%で培養を行うことがより好ましい。
【0027】
−マンノシルエリスリトールリピッドの回収方法−
本発明のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法は、培養液中のマンノシルエリスリトールリピッド濃度を7質量%以上とした状態で該培養液を室温で1〜2日間静置し、マンノシルエリスリトールリピッドを沈殿させて、該培養液からマンノシルエリスリトールリピッドを回収する。
また、本発明のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法は、培養液中のマンノシルエリスリトールリピッド濃度を7質量%以上とした状態で該培養液を遠心分離してマンノシルエリスリトールリピッドを沈殿させて、該培養液からマンノシルエリスリトールリピッドを回収する。
【0028】
以上説明したマンノシルエリスリトールリピッドの製造方法によれば、前記マンノシルエリスリトールリピッドを好ましくは20質量%以上(200g/L以上)、より好ましくは20〜40質量%(200〜400g/L)の高濃度に生産することができる。
【0029】
本発明の抗炎症剤及び抗アレルギー剤は、高い抗炎症作用及び抗アレルギー作用を有しており、特に、血小板凝集抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができると共に、高い安全性をも有し、以下の本発明の皮膚外用剤又は飲食物に好適に使用することができる。
【0030】
(皮膚外用剤)
本発明の皮膚外用剤は、本発明の前記抗炎症剤及び抗アレルギー剤の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
ここで、前記皮膚外用剤としては、皮膚に適用される各種薬剤を意味し、例えば、化粧料、医薬部外品、医薬品、などが含まれる。
前記皮膚外用剤の用途としては、特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、トニック、リンス、シャンプー、アストリンゼント、などが挙げられる。
【0031】
前記抗炎症剤又は抗アレルギー剤の前記皮膚外用剤全体に対する配合量は、皮膚外用剤の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、前記マンノシルエリスリトールリピッドに換算して0.001〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。なお、前記マンノシルエリスリトールリピッドの配合形態は自由であり、例えば、マンノシルエリスリトールリピッドを培養液からの抽出物のまま、又は水に懸濁後使用しても構わない。
【0032】
前記抗炎症剤及び抗アレルギー剤を配合する本発明の前記皮膚外用剤は、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その皮膚外用剤の製造に通常使用されるその他の成分を使用することができる。
【0033】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、抗炎症作用又は抗アレルギー作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、美白剤、収斂剤、殺菌・抗菌剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、前記マンノシルエリスリトールリピッドと共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた使用効果をもたらすことがある。
【0034】
前記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸又はその誘導体、イオウ、胎盤加水分解物、エラグ酸又はその誘導体、コウジ酸又はその誘導体、グルコサミン又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸又はその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、オウゴンエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物又はその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス(カンゾウ疎水性フラボン、グラブリジン、グラブレン、リコカルコンA)、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明の皮膚外用剤においては、美白効果を向上させる観点から、アスコルビン酸又はその誘導体、プラセンタエキス、カミツレエキス、アルブチン、エラグ酸、ルシノール及びコウジ酸から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
【0035】
前記収斂剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、酒石酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジユエキス、エイジツエキス、ハマメリスエキス、ゲンノショウコエキス、チャカテキン類、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、ダイオウエキス、ヤグルマソウエキス、キズタエキス、キューカンバーエキス、マロニエエキス、サルビアエキス、メリッサエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記殺菌・抗菌剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、感光素101号、感光素201号、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ハロカルバン、レゾルシン、パラクロロフェノール、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、メントール、キトサン、キトサン分解物、ジユエキス、クジンエキス、エンメイソウエキス、ビワエキス、ユッカエキス、アロエエキス、ケイヒエキス、ガジュツエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、β−イソプロピルフラノン誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイヒ酸メチル、メトキシケイヒ酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチル安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、酸化チタン、β−カロチン、γ−オリザノール、コメヌカエキス、アロエエキス、カバノキエキス、シラカンバエキス、カミツレエキス、ヘンナエキス、チョウチグルミエキス、イチョウ葉エキス、カミツレエキス、セイヨウサンザシエキス、油溶性カンゾウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0038】
前記保湿剤としては、例えば、セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸又はそのエステル類、エイコサペンタエン酸又はそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物又はその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ-オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、ゴボウエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
前記細胞賦活剤としては、例えば、リボフラビン又はその誘導体、ピリドキシン又はその誘導体、ニコチン酸又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、α−トコフェロール又はその誘導体、アルニカエキス、ニンジンエキス、ナタネニンジンエキス、ヘチマエキス(サポニン)、シコンエキス、オウバクエキス、ボタンピエキス、シャクヤクエキス、ムクロジエキス、ベニバナエキス、アシタバエキス、ビワ葉エキス、ヒキオコシエキス、ユキノシタエキス、黄杞エキス、サルビアエキス、ニンニクエキス、マンネンロウエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
前記消炎・抗アレルギー剤としては、例えば、アズレン、アラントイン、アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、オキシベンゾン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、感光素301号、感光素401号、塩酸ジフェンヒドラミン、トラネキサム酸又はその誘導体、アデノシンリン酸、エストラジオール、エスロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プロゲステロン、コルチコステロン、アルニカエキス、インチンコウエキス、サンシシエキス、ジュウヤクエキス、カンゾウエキス、トウキエキス、ヨモギエキス、ワレモコウエキス、リンドウエキス、サイコエキス、センキュウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、オウレンエキス、シソエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記抗酸化・活性酸素消去剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没子食酸プロピル、バイカリン、バイカレイン、スーパーオキサイドディスムターゼ、カタラーゼ、ローズマリーエキス、メリッサエキス、オウゴンエキス、エイジツエキス、ビワ葉エキス、ホップエキス、ハマメリスエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、キナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、シソエキス、イチョウ葉エキス、タイムエキス、カルダモンエキス、キャラウェイエキス、ナツメグエキス、メースエキス、ローレルエキス、クローブエキス、ターメリックエキス、ヤナギタデエキス、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
前記油脂類としては、例えば、大豆油、アマニ油、ゴマ油、ヌカ油、綿実油、ナタネ油、サフラワー油、トウモロコシ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、ヒマシ油、落花生油、カカオ油、パーム核油、牛脂、ミンク油、ホホバ油、月見草油、馬油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0043】
前記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、蜜ロウ、サラシ蜜ロウ、鯨ロウ、セラックス、ラノリン類、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
前記炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、ワセリン、マイクロスリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ポリエチレン末、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
前記脂肪酸類としては、例えば、ステアリン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヘベニン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
前記アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、オレイルアルコール、ヘキサデシルアルコール、2−オクチルドデカノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール又はその重合体、ブドウ糖、白糖、コレステロール、フィトステロール、セトステアリルアルコール、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0047】
前記エステル類としては、例えば、オレイン酸デシル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸グリセリン、トリミリスチン酸グリセリン、乳酸セチル、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0048】
前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを使用することができるが、これらの中でも皮膚疾患の発生のない、又は軽微な化粧品原料基準に収載された界面活性剤が好ましく、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、サポニン、オリゴ配糖体、リン脂質系バイオサーファクタント、アシルペプチド系バイオサーファクタント、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、などの界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記香料としては、例えば、メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、アニス油、などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0050】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に使用した場合に高い安全性を有し、極めて高い抗炎症作用及び抗アレルギー作用を有しており、特に、血小板凝集抑制作用及びヒスタミン遊離抑制作用の少なくともいずれかの作用を効果的に達成することができる。
【0051】
(飲食物)
本発明の飲食物は、本発明の前記抗炎症剤又は抗アレルギー剤を含有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
ここで、前記飲食物とは、人の健康に危害を加える恐れが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品、などの区分に制限されるものではなく、例えば、経口的に摂取される一般食品、健康食品、保健機能食品、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものを意味する。
【0052】
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ等の医薬品、医薬部外品などが挙げられる。なお、前記飲食物は上記例示に限定されるものではない。
【0053】
前記その他の成分としては、前記飲食物を製造するに当り通常用いられる補助的原料又は添加物、などが挙げられる。
前記原料又は添加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、などが挙げられる。
【0054】
前記飲食物における本発明の前記抗炎症剤又は抗アレルギー剤の添加量は、対象となる飲食物の種類に応じて異なり一概には規定することができないが、飲食物本来の味を損なわない範囲で添加すれば良く、各種対象飲食物に対し、通常0.001〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。また、顆粒、錠剤又はカプセル形態の飲食物の場合には、通常0.1〜100質量%が好ましく、5〜100質量%がより好ましい。なお、マンノシルエリスリトールリピッドの摂取量は、成人1日当たり約1〜1000mgになるようにするのが適当である。
ここで、前記抗炎症剤又は抗アレルギー剤としてのマンノシルエリスリトールリピッドの飲食物への使用形態は自由である。例えば、マンノシルエリスリトールリピッドを培養液からの抽出物のまま、もしくは水に懸濁後使用してもよい。
【0055】
本発明の飲食物は、日常的に経口摂取することが可能であり、有効成分であるマンノシルエリスリトールリピッドの働きによって、抗炎症作用及び抗アレルギー作用の少なくともいずれかを極めて効果的に達成することができる。
【0056】
なお、本発明の抗炎症剤、抗アレルギー剤、皮膚外用剤、及び飲食物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0058】
(製造例1)
−マンノシルエリスリトールリピッドの製造−
グルコース20g/L、酵母エキス1g/L、硝酸アンモニウム1g/L、リン酸2水素カリウム0.5g/L、及び硫酸マグネシウム0.5g/Lの組成からなる液体培地100mLの入った坂口フラスコに、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)を1白金耳接種し、30℃で2日間振盪培養を行った。
この培養液を大豆油20g/Lと酵母エキス1g/L、硝酸アンモニウム1g/L、リン酸2水素カリウム0.5g/L及び硫酸マグネシウム0.5g/Lの組成の液体培地1.4Lが入ったジャーファメンターに接種して、30℃にて1.5L/分の通気速度と800rpmの撹拌速度で、pHを5.4に制御して5日間培養を行った。
得られた培養液を10,000rpmで20分間遠心分離したところ、水層、マンノシルエリスリトールリピッド層、菌体層と3層に分離し、322gのマンノシルエリスリトールリピッド層が得られた。
【0059】
得られたマンノシルエリスリトールリピッド層を分析した結果、マンノシルエリスリトールリピッドが約37質量%、水分が約60質量%含有されており、その構造式は、下記に示す通りであった。
【0060】
【化7】
Figure 0004675033
前記構造式(1)において、R及びRは、炭素数5〜13の脂肪族アシル基であり、具体的には、下記表2に示す脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である。
は、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
【0061】
【表2】
Figure 0004675033
【0062】
(実施例1)
−血小板凝集阻害作用試験−
製造例1で得られたマンノシルエリスリトールリピッドについて、下記の方法により血小板凝集阻害作用を試験した。
まず、日本種白色家兎の血液に77mM−EDTAを1/10量添加し、1000rpmで10分間遠心分離して沈殿物を除いた。上清を2100rpmで10分間遠心分離して、血小板を採取後、洗浄液にて2度洗浄した。沈殿した血小板を採取し、血小板数が30万個/μlになるように血小板浮遊液に浮遊させた。調製した洗浄血小板浮遊液233μlに塩化カルシウム溶液1μlを加え、37℃にて1分間保温した。この溶液に前記製造例1のマンノシルエリスリトールリピッド溶液(以下、「試料溶液」という)1μlを加えて、更に2分間同じ温度で保温した後、1分間攪拌した。
【0063】
次いで、コラーゲン溶液を25μl添加し、37℃にて10分間保持後、可視光線透過率Aを測定して血小板凝集状態の指標とした。別に、試料溶液を添加しない他は上記と同様に操作して可視光線透過率Bを測定し、測定された可視光線透過率により次式により血小板凝集抑制率を算出した。結果を表3に示す。
【0064】
<数式1>
血小板凝集抑制率(%)=〔(B−A)/A〕×100
なお、試料濃度を段階的に変更して上記同様の測定を行い、抑制率が50%になる試料濃度を内挿法により求めた。
【0065】
【表3】
Figure 0004675033
前記血小板凝集抑制の50%阻害濃度が1,000μg/ml以下であると血小板凝集抑制作用を有するとされ、表3の結果から、製造例1のマンノシルエリスリトールリピッドは、高い血小板凝集抑制作用を有することが認められる。
【0066】
(実施例2)
−ヘキソサミニダーゼ遊離抑制(ヒスタミン遊離抑制)試験−
製造例1で得られたマンノシルエリスリトールリピッドについて、下記の方法でヒスタミン遊離抑制作用を試験した(なお、細胞内のヒスタミンが遊離されると同時にヘキソサミニダーゼも遊離されることから、ヘキソサミニダーゼ遊離を指標にヒスタミン遊離抑制作用を評価する方法である)。
【0067】
まず、ラット白血病細胞のRBL−2H3を25cmのフラスコで15%FBS添加MEM培地にて5%CO下、37℃で培養し、常法により細胞を集めた。得られた細胞を同培地にて4×10個/mLになるように調整した。そこにマウスモノクローナル抗ジニトロフェニル基(DNP−specific IgE)を5μl添加し、濃度を0.5μg/mlとした。得られた細胞浮遊液を96穴プレートに80μlを播種し、5%CO下、37℃にて24時間培養後、培地を除去し、シリガリアン緩衝液で洗浄した。次に、前記緩衝液30μl及び前記製造例1のマンノシルエリスリトールリピッド溶液(以下、「試料溶液」という)10μlを加え、37℃にて10分間インキュベートした後、ジニトロフェニル化ウシ血清アルブミン(DNP−BSA)10μlを加え、更に37℃にて15分間インキュベートした。
【0068】
次いで、氷冷下で上清液10μlを新たな96穴プレートに移し替え、これに1mM p−ニトロフェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミド溶液10μlを加え、37℃にて1時間インキュベートした。反応終了後、0.1M NaCO・NaHCO溶液250μlを加え、マイクロプレートリーダーにて415nmにおける吸光度Aを測定した。また、試料溶液を添加しない細胞浮遊液についても同様の処理と吸光度測定を行った(このとき測定される吸光度をBとする)。また、細胞浮遊液の代わりに前記緩衝液を用いて同様の処理と吸光度測定を行った(このとき測定される吸光度をCとする)。
これらの測定結果から、下記数式2により、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率を算出した。結果を表4に示す。
【0069】
<数式2>
ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)=〔1−(A−C)/(B−C)〕×100
なお、試料濃度を段階的に変更して上記同様の測定を行い、抑制率が50%になる試料濃度を内挿法により求めた。
【0070】
【表4】
Figure 0004675033
前記ヘキソサミニダーゼ遊離抑制の50%阻害濃度が400μg/ml以下であるとヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を有するとされ、表4の結果から、製造例1のマンノシルエリスリトールリピッドは、高いヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、即ち、高いヒスタミン遊離抑制作用を有することが認められる。
【0071】
(配合実施例1) クリーム
製造例1によるマンノシルエリスリトールリピッド層を加えて抗炎症作用及び抗アレルギー作用を付与した下記組成のクリームを、クリーム製法の常法により製造した。
製造例1のマンノシルエリスリトールリピッド 1.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
ステアリルアルコール 7.0質量%
ラノリン 2.0質量%
スクワラン 5.0質量%
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0質量%
ポリオキシエチレン(25EO)セチルアルコールエーテル 3.0質量%
2−オクチルドデシルアルコール 6.0質量%
プロピレングリコール 5.0質量%
エチルパラベン 0.3質量%
香料 適量
精製水 残部
【0072】
(配合実施例2) 乳液
製造例1によるマンノシルエリスリトールリピッドを加えて抗炎症作用及び抗アレルギー作用を付与した下記組成の乳液を、乳液製法の常法により製造した。
マンノシルエリスリトールリピッド層 3.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
セチルアルコール 1.5質量%
ワセリン 5.0質量%
流動パラフィン 10.0質量%
ポリオキシエチレン(10EO)オレイン酸エステル 2.0質量%
ポリエチレングリコール1500 3.0質量%
トリエタノールアミン 1.0質量%
エチルパラベン 0.3質量%
香料 適量
精製水 残部
【0073】
(配合実施例3) 飴
製造例1によるマンノシルエリスリトールリピッドを加えて抗炎症作用及び抗アレルギー作用を付与した下記組成の飴を、常法に従って製造した。
製造例1のマンノシルエリスリトールリピッド 5.0質量%
ショ糖 20.0質量%
水飴(75%固形分) 70.0質量%
着色料 適量
香料 適量
水 残部
【0074】
(配合実施例4) 錠剤状栄養補助食品
製造例1のマンノシルエリスリトールリピッド10g、粉糖(ショ糖)75g、ステアリン酸マグネシウム15gを混合し、打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
【0075】
【発明の効果】
本発明によると、マンノシルエリスリトールリピッドを含む皮膚の炎症防止及びアレルギーの防止に有用な抗炎症剤及び抗アレルギー剤、並びに、該抗炎症剤又は抗アレルギー剤を含有する皮膚外用剤及び飲食物を提供することができ、血小板凝集、ヒスタミン遊離等が関与する種々の皮膚疾患、肌荒れ、アレルギー性鼻炎、花粉症等に対して予防と改善を図れる。

Claims (8)

  1. 下記構造式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド(Mannosyl erythritol lipid)の混合物を含むことを特徴とする血小板凝集抑制剤。
    Figure 0004675033
    ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、いずれも脂肪族アシル基の混合物を表し、該脂肪酸アシル基は、RCOで表され、前記Rは、炭素数5〜13の飽和又は不飽和の脂肪族基である。Rは、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
  2. 構造式(1)中のR及びRが、いずれも下記表Aに記載の脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である請求項1に記載の血小板凝集抑制剤。
    Figure 0004675033
  3. マンノシルエリスリトールリピッドが、植物油脂と栄養素を含む培養液中でクルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母を培養させて得られる請求項1から2のいずれかに記載の血小板凝集抑制剤。
  4. クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母が、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)である請求項3に記載の血小板凝集抑制剤。
  5. 下記構造式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド(Mannosyl erythritol lipid)の混合物を含むことを特徴とするヒスタミン遊離抑制剤。
    Figure 0004675033
    ただし、前記構造式(1)中、R及びRは、いずれも脂肪族アシル基の混合物を表し、該脂肪酸アシル基は、RCOで表され、前記Rは、炭素数5〜13の飽和又は不飽和の脂肪族基である。Rは、水素原子である。Rは、アセチル基(COCH)である。
  6. 構造式(1)中のR及びRが、いずれも下記表Aに記載の脂肪酸の脂肪族アシル基の混合物である請求項5に記載のヒスタミン遊離抑制剤。
    Figure 0004675033
  7. マンノシルエリスリトールリピッドが、植物油脂と栄養素を含む培養液中でクルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母を培養させて得られる請求項5から6のいずれかに記載のヒスタミン遊離抑制剤。
  8. クルツマノミセス(Kurtzmanomyces)属の酵母が、クルツマノミセス(Kurtzmanomyces) sp.I−11株(FERM P−18126)である請求項7に記載のヒスタミン遊離抑制剤。
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