JP4858946B2 - 乳化剤又は可溶化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオサーファクタント化合物を用いた乳化および可溶化手段に関し、特に、強度の機械的エネルギーを負荷することなく、自発的に、水または水性媒体に対し油脂あるいは油性物質分散させ、乳化あるいは可溶化組成物を製造し得る乳化剤、又は可溶化剤、あるいはこれらを用いた、乳化方法又は可溶化方法に関する。
水と油のように互いに溶解しない液体を他方に分散する操作は乳化と呼ばれ、乳化操作によって得られるエマルションは、医薬品、化粧品、洗浄、塗料、燃料、合成ゴムなど幅広い分野で活用されている。しかし、通常の乳化技術では、高圧ホモジナイザーや超音波分散機などによる外部からの機械的ネルギーの負荷が必要不可欠であり、このようなプロセスでは、多大なエネルギーを消費しなければ、微細かつ安定なエマルションの調製が困難であるという問題があった(例えば特許文献1)。従って、環境保全や省エネルギーなどの観点からも、強度の機械的エネルギーに依存しない、温和な条件で、微細かつ安定なエマルションを調製する乳化手法の開発が望まれている。
機械的な外部エネルギーを負荷することなく、わずかな外力によって乳化する界面化学的手法として、PIT乳化法が篠田らによって見出されている(K. Shinoda, H. Saito, J. Colloid Interface Sci., 30, 258-263(1969))。この方法は、界面活性剤の親水基と疎水基のバランス(HLB)が釣り合った状態で形成する両連続構造を活用したものであり、両連続構造の水相もしくは油相との超低界面張力状態を利用して、わずかな外力によって乳化を実施する。また、類似の技術としては、乳化後の油の除去を考慮して、極性有機溶媒を活用したものもある(例えば特許文献2)。しかしながら、これらの技術では、温度や助溶媒、助界面活性剤の比率を調整して両連続構造を形成する条件を見つけるのは非常に手間がかかる。さらに、実用系においては、多種多様な油成分のエマルションの調製が要求されるため、その都度相図を作成して両連続領域を決定することはあまり現実的ではない。したがって、なるべく少ない成分数で、例えば水と界面活性剤のみの相図上の幅広い領域で、両連続構造を形成するような界面活性剤が必要である。
一方、油の種類によらないその他の界面化学的乳化法として、長期にわたって分散安定なエマルションの調製が可能な液晶乳化法が報告されている(例えば、特許文献3)。これは、界面活性剤が形成するリオトロッピク液晶中に乳化粒子となる分散相を分散保持させることにより、エマルションの生成及び安定化を行うものである。 しかしながら、工業レベルで使用させる合成界面活性剤は、分子構造が均一でないものが多く、分子の配向性が低いため、一般にリオトロピック液晶形成能も低いという問題点があり、また、このような合成界面活性剤は、環境保全の面からも、環境への負荷が懸念されている。
特表2005−506274号公報 特開2004−16835号公報 特開2003−212716号公報
従って、本発明の目的は、強度の機械的外力を負荷することなく、自発的に、微細かつ長期間にわたって分散安定なエマルションを得ることが可能で、かつ環境保全の面でも環境への負荷のない、新規な乳化及び可溶化手段を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記したような従来技術の欠点を克服し、本発明の課題を解決するため、強度の機械的外力を負荷することなく、微細かつ長時間にわたって分散安定なエマルションを自発的に得るための乳化及び可溶化手法について鋭意研究を行った。
その結果、微生物が水中において天然油脂を最小のエネルギーで効率的に取り込むための乳化及び可溶化プロセスを活用した新しい乳化及び可溶化手段を開発するに至った。すなわち、特に微生物が量産するバイオサーファクタントは、生体由来の天然界面活性剤であり、生体への影響がマイルドであるばかりでなく、基本的に酵素反応によって生成されるため、分子構造が均一であり、分子の配向性が高いため、バイオサーファクタントの自己集合体である、両連続構造あるいはリオトロピック液晶の形成能も極めても高くかつ容易であるとの新知見を得た。そして、このようなバイオサーファクタントの自己集合体を利用することにより、極めて少ない機械的外力で、分散粒子が微細でかつ長期間分散状態を安定に保持可能な乳化あるいは可溶化組成物を製造できることを確認し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成される。
(1) バイオサーファクタントが自己集合体を形成していることを特徴とする、乳化又は可溶化剤。

(2) バイオサーファクタントの自己集合体が、両連続構造であることを特徴とする、上記(1)に記載の乳化又は可溶化剤。

(3) バイオサーファクタントの自己集合体が、リオトロピック液晶であることを特徴とする、上記(1)に記載の乳化又は可溶化剤。

(4) 前記バイオサーファクタントが下記一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式1中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m1−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。m1は0〜8の整数を示す。またn1は0〜10の整数を示す。(ただし、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18の全てが水素原子である場合を除く。)
(5) 前記マンノシドリピド系化合物が、下記一般式2で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式2中、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示す。また、m2は0〜8の整数を示す。(ただし、R21、R22、R23、R24およびR25の全てが水素原子である場合を除く。)
(6) 前記バイオサーファクタントが下記一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式3中、R33およびR34は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m3およびn3は、それぞれ1〜30の整数である。
上記一般式4中、R41およびR42は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m4は1〜30の整数である。
上記一般式5中、n5は1〜30の整数である。
(7) 前記バイオサーファクタントが下記一般式6または7で表されるソフォロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式6中、R61およびR62は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m6は1〜30の整数を示す。
上記一般式7中、R71およびR72は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、R73は水素原子、または飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示し、m7は1〜30の整数を示す。
(8) 前記バイオサーファクタントが下記一般式8で表されるトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式8中、R81およびR82は、水素原子、下記一般式9で表される基、または下記一般式10で表される基を示す。ただし、R81及びR82がともに水素原子である場合を除く。
上記一般式9中、m9≧14、n9≧13、m9+n9=1〜50である。また、一般式9で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
上記一般式10中、m10≧14、n10≧13、m10+n10=1〜50である。また、一般式10で表される基には、2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。
(9) 前記バイオサーファクタントが下記一般式11で表されるサクシノイルトレハロースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。

上記一般式11中、R111、R112、R113およびR114は、それぞれ水素原子または脂肪族アシル基を示し、かつR111、R112、R113およびR114のうち少なくとも1つはサクシノイル基である。
(10) 前記バイオサーファクタントが下記一般式12で表されるセロビオースリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式12中、R121は水素原子またはOHを示し、R122、R123およびR124は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、脂肪族アシル基、または下記一般式13で表される基を示し、m12は1〜30の整数を示す。
上記一般式13中、n13は1〜30の整数を示す。
(11) 前記バイオサーファクタントが下記一般式14で表されるグルコシドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式14中、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148は、それぞれ水素原子、CH(OH)−〔CH(OH)〕m14−CH−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基、または脂肪族アシル基を示し、m14は0〜8の整数を示し、n14は0〜10の整数を示す。(ただし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148の全てが水素原子である場合を除く。)
(12) 前記バイオサーファクタントが下記一般式15で表されるアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の乳化又は可溶化剤。
上記一般式15中、R151は飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示す。
(13) バイオサーファクタントの両連続構造体。
(14) 水又は水性媒体に対し、バイオサーファクタントを7×10−4wt%以上、57wt%未満の割合で混合させることにより形成された上記(13)に記載のバイオサーファクタントの両連続構造体。
(15) バイオサーファクタントが、請求項4〜12のいずれかに記載の化合物であることを特徴とする、上記(13)または(14)に記載の液状物。
(16) バイオサーファクタントのリオトロピック液晶。
(17) 水又は水性媒体に対し、バイオサーファクタントを57wt%〜87wt%の割合で混合させることのより形成された上記(16)に記載のリオトロピック液晶。
(18) バイオサーファクタントが請求項4〜12のいずれかに記載の化合物であることを特徴とする、上記(16)または(17)に記載のリオトロピック液晶。
(19) 上記(1)〜(12)のいずれかに記載の乳化剤又は可溶化剤を、油脂または油性物質と混合して乳化あるいは可溶化を行うことを特徴とする、乳化あるいは可溶化組成物の製造方法。
(20) 上記(20)に記載の方法により得られた乳化あるいは可溶化組成物に対し、さらに油脂又は油性物質若しくは水又は水性物質を添加するか、あるいは加熱又は冷却することにより安定化させることを特徴とする、安定化された乳化あるいは可溶化組成物の製造方法。
(21) 上記(19)又は(20)に記載の方法により得られた、乳化あるいは可溶化組成物。
(22) 上記(21)に記載の乳化あるいは可溶化組成物を含有することを特徴とする、化粧品、医薬品、食品または燃料。
本発明は、微生物が水中において天然油脂を最小のエネルギーで効率的に取り込むための乳化及び可溶化プロセスを活用した新しい乳化及び可溶化手段を提供するものである。
本発明において使用するバイオサーファクタントは、微生物が量産する天然界面活性剤であり、生体への影響がマイルドであるばかりでなく、基本的に酵素反応によって生成されるため、分子構造が均一であり、分子の配向性が高いため、バイオサーファクタントの自己集合体である、両連続構造あるいはリオトロピック液晶の形成能も極めても高くかつ容易である。そして、このようなバイオサーファクタントの自己集合体は、極めて少ない機械的外力で、分散粒子が微細でかつ長期間分散状態を安定に保持可能な乳化あるいは可溶化組成物を製造できる点で、画期的なものである。
本発明は、バイオサーファクタントを利用した乳化剤あるいは可溶化剤に関するものであって、本発明において使用するバイオサーファクタントは、自己集合体を形成していることを特徴とし、この自己集合体を、乳化剤あるいは可溶化剤において少なくとも主要な構成成分として含有させるものである。本発明によれば、このバイオサーファクタントの自己集合体に油脂または油性物質を添加することにより、極めて少ない機械的外力で、自発的に水中油型のエマルションが調製でき、また、水あるいは水性媒体に油脂あるいは油性物質を極めて簡便に可溶化することができ、これにより、化粧品、医薬品、食品または燃料に使用する乳化組成物あるいは、水または水性媒体に対して難溶性を有する物質の可溶化組成物を極めて効率的に製造することが可能となる。
本発明において使用するバイオサーファクタントとは、生物由来の両親媒性物質であり、界面活性作用を有するものである。例えば、微生物が産生するバイオサーファクタントとしては、糖脂質系のもの、コリノミコール酸(Corynomycolic acid)等の脂肪酸系のもの、エマルサン(Emulsan)、リポサン(Liposan)等のバイオポリマー系のもの、サーファクチン、ビィスコシン等のリポペプタイド系のもの等、種々のものが知られており、これらは通常の界面活性剤に比べ、1)複数の官能基や光学活性を有する点、2)嵩高い構造や複雑な構造を有する点、3)生理活性(抗微生物、抗腫瘍作用など)を有する点、および4)生分解性や安全性が高い点を有することを特徴とする。
本発明において使用するバイオサーファクタントとしては、例えば、トレハロースリピド系化合物、ラムノースリピッド系化合物、サクシノイルトレハロースリピド系化合物、ソフォロースリピド系化合物、セロビオースリピド系化合物、マルトースリピド系化合物、ポリオールリピド系化合物、グルコースリピド系化合物、フルクトースリピド系化合物、グルコシドリピド系化合物、マンノシドリピド系化合物、ラムノースリピド系化合物、シュークロースリピド系化合物、アルカノイル−N−グルカミドリピド系化合物等の各種化合物を挙げることができる。また、本発明において、これらの誘導体もバイオサーファクタントとして使用することができる。
本発明において好ましく用いられるバイオサーファクタントとしては、上記一般式1〜15で表された化合物であり、これらで示された一般式の定義中、飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基のうち、好ましいものは炭素数1〜36の直鎖または分岐鎖を有するアルキルまたはアルケニル基であり、脂肪族アシル基としては炭素数2〜37のものが好ましい。
さらに、本発明において、特に好ましいバイオサーファクタントとしては、マンノシドリピド系化合物、ラムノースリピド系化合物、ソフォロースリピド系化合物、トレハロースリピド系化合物、サクシノイルトレハロースリピド系化合物、セロビオースリピド系化合物、グルコシドリピド系化合物、及びアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物であり、さらにその具体的化合物を以下に示す。これら化合物を使用する場合、1種のものを単独で用いてもよいし、2種以上のものを混合物の形態で用いることもできる。
本発明に用いられるマンノシドリピド系化合物としては、一般式2で表される化合物が好ましく、一般式2で表される化合物のうち、R25がCH(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH−基(ただしm2=1〜8、好ましくは2〜6の整数を示す。)であり、R21〜R24が同一もしくは異なっていても良い、炭素数1〜15のアルカノイル基である化合物がより好ましく、一般式16で表されるマンノシルエリスリトール系化合物(以下、MEL−Aとも略す)がさらに好ましい。
(一般式16中、R161およびR162はそれぞれアセチル基(以下、Acとも略す。)を表し、n16は4〜14の整数を表す。)
また、マンノシドリピド系化合物としては、アルキルマンノシド系の化合物(一般式1において、R18がアルキル基のもの。)も好ましく、その中では一般式17で表される化合物(ML−1)が特に好ましい。
(一般式17中、R178はドデシル基を表し、R171、R172、R173およびR174はそれぞれ水素原子を表す。)
本発明に用いられるラムノースリピド系化合物の好ましい具体例は以下に示される(RL−1、RL−2、RL−3、RL−4、RL−A、RL−B)。
ソフォロースリピド系化合物の好ましい具体例は以下に示される(SL−1、SL−2、SL−3、SL−5、SL−6)。
トレハロースリピド系化合物の好ましい具体例は以下に示される(TL−1、TL−2)。
サクシノイルトレハロースリピド系化合物の好ましい具体例は以下に示される(STL−1、STL−2、STL−3)。
セロビオースリピド系化合物の好ましい具体例は以下に示される(CL−A、CL−B、CL−C)。
グルコシドリピド系化合物としては、アルキルグルコシド系の化合物(一般式14において、R148がアルキル基のもの。)が好ましい。グルコシドリピド系化合物の好ましい具体例を以下に示される(GL−1)。
(上記式中、R238はドデシル基を表し、R231、R232、R233およびR234はそれぞれ水素原子を表す。)
アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物としては、上記一般式15において、R151が炭素数12の飽和または不飽和で、直鎖または分岐鎖の脂肪族炭化水素基である場合が好ましい。
次に、本発明のバイオサーファクタント化合物を活用した乳化および可溶化手法について説明する。
界面活性剤の性質は、その親水性と疎水性のバランスに依存する。特に界面活性剤の親水性と疎水性のバランスが釣り合った場合、多量の油や水を可溶化することが可能な両連続構造を形成する。両連続構造とは、水相と油相が両方とも連続的である界面活性剤の自己集合構造のことである。このような両連続構造は、水相や油相に対して超低界面張力状態をとる。従って、室温付近の熱エネルギーやわずかな外力によって、簡便かつ容易に微細なエマルションを得ることができる。また、この微細なエマルションは、さらに、油脂、油性物質や水、水性媒体を所定量添加することや、温度を変化させることによって、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを変化させ、分散安定化することも可能である。
しかしながら、一般に界面活性剤の親水基と疎水基のバランスを釣り合わせて両連続構造を得るためには、温度や助溶媒、助界面活性剤の比率などの諸条件の探索が必須であり、非常に手間がかかる。さらに、実用系においては、多種多様な油成分のエマルションの調製が要求されるため、そのつど相図を作成して、両連続構造領域を決定することもあまり現実的ではない。したがって、なるべく少ない成分数で、例えば水と界面活性剤のみの相図上の幅広い領域で、両連続構造を形成するような界面活性剤が必要となる。
また、外力に依らず、長期にわたって分散安定なエマルションを調製する方法としてリオトロピック液晶を利用する方法も報告されている。ここで、リオトロピック液晶とは、結晶のようにその分子配列を一定の規則性を保ちながら、液体のように流動性を兼ね備えた状態であり、このうち、界面活性剤等の濃度を変化させることによって、得られるものをリオトロピック液晶と呼ぶ。
この方法は、界面活性剤が形成するリオトロッピク液晶中に乳化粒子となる分散相を分散保持させることにより、エマルションの生成及び安定化を行うものである。しかしながら、上記したように、工業レベルで使用させる合成界面活性剤は、分子構造が均一でないものが多く、分子の配向性が低いため、一般にリオトロピック液晶形成能が低い。
これに対して、本発明で使用するバイオサーファクタントは、水又は水性媒体と混合するでのみで極めて容易に両連続構造あるいはリオトロピック液晶を形成することができる点で特異的であり、このようにして形成された両連続構造およびリオトロピック液晶などの自己集合体を乳化剤あるいは可溶化剤として使用することによって、強度の機械的エネルギーを負荷することなく自発的に乳化及び可溶化が行なわれ、水あるいは水性媒体に油脂又は油性物質が微細でかつ安定な状態で分散した水中油型乳化組成物、あるいは可溶化組成物を提供することができる。
これまでにもバイオサーファクタントの乳化物に関連した技術はあるが、これらはバイオサーファクタントの両連続構造やリオトロピック液晶などの自己集合体を活用していない点で、本技術とは全く異なっている。
すなわち、本発明者は、微生物が天然油脂を効率的に取り込むための乳化及び可溶化プロセスに着目し、微生物が量産するバイオサーファクタントの性質について詳細に検討した。その結果、バイオサーファクタントが水との二成分系において、非常に幅広い相図領域で両連続構造を形成することを発見した。また、高濃度領域においてリオトロピック液晶を容易に形成することを見出した。従って、例えば上記特許文献2の手段では、塩の添加やpHの調整など、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを釣り合わせて両連続構造を得るためには、水/油/界面活性剤の相挙動を詳細に検討する必要があるが、本発明では、このような煩雑な工程を省くことができる。
本発明では、バイオサーファクタントが形成する両連続構造を利用することによって、強度の外力に依らずに乳化及び可溶化を行うことができるが、これには、可溶化及び乳化したい各種の油脂あるいは油性物質を、両連続構造が形成しているバイオサーファクタント水あるいは水性媒体に添加して、通常の混合操作程度の僅かな攪拌を行えばよい。本発明によれば、このような通常の混合操作程度の僅かな外力のみで極めて容易に水中油型の乳化組成物、あるいは油脂あるいは油性物質が水あるいは水性媒体中に可溶化した可溶化組成物を得ることができる。
これは、両連続構造は、超低界面張力状態であるため、容易に多量の油を内部に可溶化せしめることができるからであり、このような油相や水相に対する低界面張力状態の活用により、わずかな外力や室温付近の熱エネルギーのみで、微細なエマルションの調製が可能となる。
本発明において両連続構造を形成するためのバイオサーファクタントの濃度は特に制限されないが、好ましくは7×10-4wt%から57wt%未満である。また、上記使用する混合乃至攪拌手段に特に制限はない。
また、本発明においては、さらに油脂又は油性物質及び水又は水性媒体を添加することや、温度を変化させることによって、界面活性剤の親水性と疎水性を釣り合った状態から変化させ、得られた微細なエマルションをさらに安定化することもできる。この際に与える温度変化としては、好ましくは室温から20℃以下、及び室温から40℃以上であるが、特にこれに限定されるものではない。これにより、わずかな外力で微細かつ安定なエマルションを得ることができる。
本明細書にいう油性物質は、化粧料に一般的に使用される温度2 5 ℃ で液状の天然もしくは合成の油溶性の化合物、例えば炭化水素含有油、エステル油、シリコーン油、含フッ素化合物油などを使用することができる。炭化水素含有油としては、例えばホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、大豆油、パーム油、ゴマ油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、アプリコット油、アボカド油、又は穀物胚芽油などが挙げられる。また、エステル油としては、ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、その他の脂肪酸のエステルを使用することができ、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルデシル、2−オクチルドデシルミリスタート又はラクタート、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル) 、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセリル又はトリイソステアリン酸ジグリセリルなどが挙げられる。さらに、エマルション燃料として用いる場合には、油性物質として、軽油、灯油、重油、動植物油等の燃料油が挙げられる。
また、水性媒体とは、水又は水に炭素数1〜4の低級アルコール、グリコールなどが溶解あるいは分散された水溶液をいう。この水性媒体には、その他の水溶性、水分散性の成分、例えば、皮膜形成剤、その他種々の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、パラベン等の防腐剤、増粘剤、金属イオン封鎖剤、各種塩などを用いることができる。
本発明においては、バイオサーファクタントが形成するリオトロピック液晶に、油脂あるいは油性物質を所定量添加して、混合乃至攪拌することによってもエマルションを得ることができる。この場合、リオトロピック液晶の粘度が高いため、室温付近の熱エネルギーのみでは、エマルションは得られない。一方、混合乃至攪拌することによって得られるエマルションは、リオトロピック液晶の粘度でエマルションの凝集、合一などが阻害されるため、極めて分散安定であり、かつ微細である。
また、本発明の乳化及び可溶化法に用いる化合物としては、好ましくはバイオサーファクタント化合物の1種又は2種類以上を使用するが、所望により、非イオン性界面活性剤を用いることもできる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル型、脂肪酸ポリオキシアルキレンエステル、アルキロールアマイド型、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンひまし油、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミン、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミド、又は脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ソルビトールエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル等の多価アルコール型及びアルキロールアミド型、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤、ポリオキシアルキレングリコール型、アルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル型、グリセリン脂肪酸エステル型又はモノグリセリド有機酸エステル、ポリグリセリンエステル等の誘導体、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル型、ショ糖脂肪酸エステル型又はその誘導体、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル型、アミノ酸型、およびこれら2種類以上の混合物を挙げることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は特にこれらにより限定されるものではない。
(実施例1)
一般式16で示すn16=10のものを主成分とするMEL−Aを0-100wt%となるように試験管中に測りとり、蒸留水2mLを加えて1分間ボルテックス処理した。平衡状態に達するまで3日間静置した後、それぞれの溶液の相状態を、目視観察や偏光顕微鏡(ニコン社製のECLIPSE E600)観察によって検討した。その結果、希薄溶液における2.7×10-4wt%から57wt%まで(領域I)の非常に幅広い領域において、粘度が小さく流動性に富むMEL-Aの両連続構造が確認された。また、57wt%から87wt%までの領域において、溶液の粘度が著しく上昇したことから、MEL-Aのリオトロピック液晶が形成したものと考えられる。特に、64wt%から87wt%の領域(領域III)においては、図2に示すように偏光観察からヘキサゴナル液晶に特有のアンギュラー構造が観察されたことから、ヘキサゴナル液晶領域であることが判明した。一方、57wt%から64wt%の領域(領域II)においては、偏光観察では何も観察されなかったことから、光学的に異方性を示さない液晶であるキュービック液晶が形成した。以上より、バイオサーファクタントであるMEL−Aは、強度の外力を必要としない乳化法の開発に必要な両連続構造やリオトロピック液晶を、少ない成分数で簡便かつ幅広い領域において形成することが判明した。
(実施例2)
実施例1のように得られたMEL−Aの各種の分子集合構造を活用した乳化を試みた。まず、希薄系における両連続構造形成領域(領域I)であるMEL−Aの0.1wt%溶液5mLに和光純薬社製の大豆油を100μL添加して、ボルテックスミキサーで1分間わずかな外力を与えることによって乳化した。その結果、図3(b)に示すようなエマルションが得られ、その粒子径を大塚電子社製の動的光散乱測定装置(DLS-7000)を用いて測定したところ、607.9nmとなり、ナノサイズの微細なO/Wエマルションであった(図3(a))。また、このエマルションは少なくとも半年以上は、分散安定であった。大豆油の代わりに、東京化成工業社製のn-ヘキサデカンを用いた場合にも、容易にエマルションが形成し(図4(b))、その粒子径は680nmであり(図4(a))、分散安定性も少なくとも半年以上は良好であった。
(実施例3)
また、MEL-Aの両連続構造領域(領域I)の20wt%水溶液において、各種油の可溶化量を調べた。その結果、可溶化限界量は、大豆油(和光純薬社製)では系全体に対して35wt%、流動パラフィン(和光純薬社製)では22wt%、n-ヘキサデカン(東京化成工業社製)では18wt%、ジメチルポリシロキサン(信越化学工業社製)では12wt%、デカメチルシクロペンタシロキサン(東レ・ダウコーニンング社製)では28wt%と多量の油を可溶化できることが判った。さらに、MEL-Aの両連続構造を採取して、室温付近の熱エネルギーのみで、自発的に乳化が生じるかについて検証した。その結果を光学顕微鏡(ニコン社製のECLIPSE E600)したものを図5に示す。なお、温度は東海ヒット社製のサーモプレート(MATS-55SFT)を用いて、30℃から36℃の範囲で制御した。図5より、室温付近のわずかな熱エネルギーである34℃および36℃付近において、自発的にエマルションが得られることが判明した。また、このエマルションは、高温の60℃および低温の10℃において、少なくとも半年以上は分散安定であった。
(実施例4)
実施例1から、MEL-Aは、幅広い濃度領域で両連続構造を形成するばかりでなく、濃厚領域においても、少ない成分で簡便にリオトロピック液晶を形成することが判明した。そこで、次にMEL-Aのリオトロピック液晶(領域II及び領域III)を活用した乳化を試みた。まず、領域IIにおけるMEL-Aの60wt%溶液(キュービック液晶)に、150μLの水を添加して、1分間、60℃でボルテックスした。その結果、図6に示すようなキュービック液晶中に水が分散したエマルションが得られることが判った。さらに、このエマルションは、少なくとも半年以上は安定であった。また、領域IIIにおけるヘキサゴナル液晶を用いても同様に安定なエマルションを得ることが可能であった。
(実施例5)
MEL−Aの代わりに、ラムノースリピド系化合物としてRL−4、ソフォロースリピド系化合物としてSL−5、トレハロースリピド系化合物としてTL−1(m20=14、n20=16のもの)、セロビオースリピド系化合物としてCL−C(R221がOHで、X=4のもの)、グルコシドリピド系化合物としてドデシル−β−D−グルコシド(GL−1)、マンノシド系リピド化合物としてドデシル−β−D−マンノシド(ML−1)、または、アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物としてドデシル−N−メチルグルカミドを用いて、それぞれ実施例と同様の操作を行ったところ、実施例と同様、わずかな外力で安定なエマルションを調製することができた。なお、これらのバイオサーファクタントは、北本大、“オレオサイエンス”、1(1)、17−31(2001)記載の方法によって微生物培養液より調製した。
水中におけるMEL-Aの両連続構造及びリオトロピック液晶形成とMEL− A濃度との関係を示す図である。 リオトロピック液晶の偏光顕微鏡観察結果を示す写真である。 希薄溶液の両連続構造体を使用した乳化により得たエマルション1の乳 化粒子径の分布を相対散乱光強度により測定した結果を表すグラフ(b)と、該エマルション1の観察写真(b)である 希薄溶液の両連続構造体を使用した乳化により得たエマルション2の乳化粒 子径の分布を相対散乱光強度により測定した結果を表すグラフ(b)と、該エマルション1の観察写真(b)である MEL-Aの両連続構造体を使用した場合の、室温付近の各温度におけるエマルションの生成状況を示す顕微鏡写真である リオトロピック液晶を利用した乳化により得たエマルションの状態を表す顕微鏡写真である。

Claims (13)

  1. 下記一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式1中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素原子、CH2(OH)−〔CH(OH)〕m1−CH2−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示す。m1は0〜8の整数を示す。またn1は0〜10の整数を示す。(ただし、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18の全てが水素原子である場合を除く。)
  2. 前記マンノシドリピド系化合物が、下記一般式2で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の乳化又は可溶化剤
    上記一般式2中、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ水素原子、CH2(OH)−〔CH(OH)〕m2−CH2−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示す。また、m2は0〜8の整数を示す。(ただし、R21、R22、R23、R24およびR25の全てが水素原子である場合を除く。)
  3. 下記一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式3中、R33およびR34は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜37の脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m3およびn3は、それぞれ1〜30の整数である。
    上記一般式4中、R41およびR42は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜37の脂肪族アシル基、または下記一般式5で表される基を示す。また、m4は1〜30の整数である。
    上記一般式5中、n5は1〜30の整数である。
  4. 下記一般式6または7で表されるソフォロースリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式6中、R61およびR62は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示し、m6は1〜30の整数を示す。
    上記一般式7中、R71およびR72は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示し、R73は水素原子、または飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基を示し、m7は1〜30の整数を示す。
  5. 下記一般式8で表されるトレハロースリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。

    上記一般式8中、R81およびR82は、水素原子、下記一般式9で表される基、または下記一般式10で表される基を示す。ただし、R81及びR82がともに水素原子である場合を除く。
    上記一般式9中、m9≧14、n9≧13、m9+n9=1〜50である。また、一般式9で表される基には、2重結合、分岐、シクロプロパン環、が含まれることがある。
    上記一般式10中、m10≧14、n10≧13、m10+n10=1〜50である。また、一般式10で表される基には、2重結合、分岐、シクロプロパン環、が含まれることがある。
  6. 下記一般式11で表されるサクシノイルトレハロースリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。

    上記一般式11中、R111、R112、R113およびR114は、それぞれ水素原子または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示し、かつR111、R112、R113およびR114のうち少なくとも1つはサクシノイル基である。
  7. 下記一般式12で表されるセロビオースリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式12中、R121は水素原子またはOHを示し、R122、R123およびR124は、それぞれ水素原子、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜37の脂肪族アシル基、または下記一般式13で表される基を示し、m12は1〜30の整数を示す。
    上記一般式13中、n13は1〜30の整数を示す。
  8. 下記一般式14で表されるグルコシドリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式14中、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148は、それぞれ水素原子、CH2(OH)−〔CH(OH)〕m14−CH2−基、飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、または炭素数2〜37の脂肪族アシル基を示し、m14は0〜8の整数を示し、n14は0〜10の整数を示す。(ただし、R141、R142、R143、R144、R145、R146、R147およびR148の全てが水素原子である場合を除く。)
  9. 下記一般式15で表されるアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物であるバイオサーファクタントを、水又は水性媒体に対し2.7×10-4wt%以上、57wt%未満の割合で混合し、平衡状態に達するまで静置することにより、両連続構造である自己集合体を形成させたことを特徴とする、乳化又は可溶化剤。
    上記一般式15中、R151は飽和または不飽和で直鎖または分岐鎖の炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基を示す。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の乳化剤又は可溶化剤を、油脂または油性物質と混合して乳化あるいは可溶化を行うことを特徴とする、乳化あるいは可溶化組成物の製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法により得られた乳化あるいは可溶化組成物に対し、さらに油脂又は油性物質若しくは水又は水性物質を添加するか、あるいは加熱又は冷却することにより安定化させることを特徴とする、安定化された乳化あるいは可溶化組成物の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の方法により得られた、乳化あるいは可溶化組成物。
  13. 請求項12に記載の乳化あるいは可溶化組成物を含有することを特徴とする、化粧品、医薬品、食品または燃料。
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