JP4370591B2 - リポソームおよびそれからなる細胞への物質導入担体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜成分として特定の糖脂質バイオサーファクタント化合物を含むリポソーム、これを用いた生体あるいは細胞への物質導入用担体、および薬剤あるいは遺伝子を担持せしめた医薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リポソームは生体膜との親和性が高いことから、内部の水相や膜成分の脂質に種々の薬剤等の生物活性物質を含有させ、それらの安定性の改善、活性の持続性の改善、及び標的組織への到達性の増大を図る試みが行われている。また最近では、上記のような生物活性物質をコードする遺伝子をリポソームと混合して複合体を作り、またはリポソームに封入保持し、これを患者に投与することにより標的組織の細胞内に遺伝子を注入し、生物活性物質をその場で生産させる遺伝子治療が研究されている。
特に、がんの治療では、がんを抑制する遺伝子(アンチセンスDNAなど)を体内注入する手法が、化学療法に代わる新しい治療法として注目されている。この際、遺伝子を導入する手法として、主にウィルスを用いる方法(ウィルスベクター法)と、前述のようにリポソームを用いる方法(非ウィルスベクター法)がある。前者の方法では、導入効率は高いものの、増殖性ウィスル(アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、レトロウイルスなどのRNAウイルス)による病原性の危険が常に問題となっている。一方、後者では、より安全性は高いものの、導入効率が非常に低いという問題点がある(中西ら、蛋白質・核酸・酵素、44 (11), 1590-1596 (1999))。
リポソームが効率的な遺伝子導入担体であるためには、以下の特性が存在しなければならない:(1)興味のある遺伝子の生物活性を損なうこと無く、それらを高効率で封入;(2)非標的細胞に較べて、標的細胞への選択的および実質的結合;(3)小胞の水性内容物の標的細胞細胞質への高効率でのデリバリー;(4)遺伝子情報の正確で効率的な発現(Manninoら,Biotechniques,6:682,1988)。
そこで、薬物などの目的物質の封入率、細胞への導入率などの向上を目指して、リポソームの構成成分として、主成分である中性のリン脂質以外に、正電荷を持つ脂質化合物、例えばコレステロール誘導体などを少量添加する試みも行われている。特に正電荷を有するリポソームは、遺伝子の細胞中への導入を促進することが知られており、リポフェクチンとう商品名で既に公知のものあるが、未だ十分な効果は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようにリポソームを用いる生体組織、細胞への物質導入には、目的物質とリポソームとの複合体形成効率、また標的組織、細胞への遺伝子の導入効率、トランスフェクション効率などに解決すべき問題が多く、未だ実用化されていない。
従って、本発明の目的は、薬物、生理活性物質、遺伝子などの物質を効率良く封入でき、標的細胞へ高い効率で導入できるような、さらに遺伝子に於いては高い効率でトランスフェクトできるような、安全性のより高い低いリポソーム、およびよりなる物質導入担体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記したように、リポソームの組成は通常リン脂質、特に高相転移温度リン脂質の組み合わせにより形成され、通常ステロイド、特にコレステロール誘導体等を用いて、細胞あるいは生体組織への導入効率の向上を図っているが未だ満足なものではない。
発明者らは、これらの従来技術の欠点を克服し、生体組織あるいは細胞への物質導入効率の向上を図るため、従来のコレステロール誘導体等に代わり得る物質を見いだすべく鋭意研究を行った結果、糖脂質系バイオサーファクタント化合物が、リポソームの細胞あるいは生体組織への導入効率を画期的に向上させるとともに、これによりリポソームに担持させた薬剤、生理活性物質あるいは遺伝子を細胞あるいは生体組織に極めて効率よく移行させ得ることを見いだし、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は以下の構成からなるものである。
【0005】
(1)膜成分として、糖脂質系バイオサーファクタント化合物を、リン脂質及びコレステロール誘導体混合物に対して50:1〜1:1の割合で含有するリポソームからなる生体あるいは細胞に物質を導入するための担体であって、糖脂質系バイオサーファクタント化合物が、以下のa)〜h)の化合物から選ばれた化合物であることを特徴とする、上記担体。
a)以下の一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物
一般式1
【化1】
{上記一般式1中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 およびR 8 は、それぞれ水素原子、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、もしくは脂肪族アシル基を示す。またnは0〜10の整数を示す。(ただし、R 1 〜R 8 の全てが水素原子である場合を除く。また、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基中、mは0〜8の整数を示す。)}
b)以下の一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物
一般式3
【化3】
一般式4
【化4】
{上記一般式3および4中、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 は、それぞれ水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、脂肪族アシル基、もしくは下記式で表される基を示す。
【化5】
(ただし、一般式3、4および上記式中、nおよびmはそれぞれ1〜30の整数である。)}
c)以下の一般式5または6で表されるソフォロースリピド系化合物
一般式5
【化6】
一般式6
【化7】
(ただし、上記一般式5および6中、R 1 およびR 2 は、それぞれ水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、もしくは脂肪族アシル基を示し、R 3 は水素原子または飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基を示し、mは1〜30の整数を示す。)
d)トレハロースリピド系化合物
一般式7
【化8】
{式中R 1 およびR 2 は、水素原子、もしくは下記式で表される基であるか、
【化9】
(式中、m≧14、n≧13、m+n=1〜50である。)
または下記式で表される基を示す。
【化10】
(式中、m’≧14、n’≧13’、m’+n’=1〜50である。)ただし、R 1 及びR2がともに水素原子である場合を除く。また、これらの式で表される基には2重結合、分岐、ケトン基、シクロプロパン環、メトキシル基が含まれることがある。}
e)以下の一般式8で表されるサクシノイルトレハロースリピド系脂質化合物
一般式8
【化11】
(式中R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は水素原子または脂肪族アシル基を示し、かつR 1 〜R 4 のうち少なくとも1つはサクシノイル基である。)
f)以下の一般式9で表されるセロビオースリピド系化合物
一般式9
【化12】
{式中、式中R 1 は水素原子またはOHを示し、R 2 、R 3 、R 4 は、それぞれ水素原子、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、脂肪族アシル基もしくは下記式で表される基を示し、mは1〜30の整数を示す。
【化13】
(ただし式中nは1〜30の整数を示す。)}
g)以下の一般式10で表されるグルコシリピド系脂質化合物
一般式10
【化14】
{上記一般式1中、R 1 、R 2 ,R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 およびR 8 は、それぞれ水素原子、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、もしくは脂肪族アシル基を示し、nは0〜10の整数を示す。(ただし、R 1 〜R 8 の全てが水素原子である場合を除く。また、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基中、mは0〜8の整数を示す。)}
h)以下の一般式11で表されるアルカノイル−N−メチルグルカノイルリピド系脂質化合物
一般式11
【化15】
(式中、R 1 は飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基を示す。)
(2)マンノシドリピド系化合物が下記一般式2で表されるマンノシル・糖アルコール系化合物である上記(1)に記載の遺伝子導入用担体。
一般式2
【化2】
{上記式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 およびR 5 は、それぞれ水素原子、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基、もしくは脂肪族アシル基を示す。(ただし、R 1 〜R 5 の全てが水素原子である場合を除く。また、CH 2 (OH)−〔CH(OH)〕 m −CH 2 −基中、mは0〜8の整数を示す。)}
(3)リポソームが、膜成分として、上記a)〜h)の化合物を2種以上を含むことを特徴とする、上記(1)に記載の担体。
(4)生体あるいは細胞に導入する物質が、薬剤、生理活性物質、あるいは遺伝子である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の担体。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の担体に、薬剤、生理活性物質または遺伝子を担持せしめた医薬。
【0015】
バイオサーファクタントとは、生物由来の両親媒性物質であり、界面活性作用を有するものである。例えば、微生物が産生するバイオサーファクタントとしては、糖脂質系のもの、コリノミコリン酸(Corynomycolic acid)等の脂肪酸系のもの、エマルサン(Emulsan)、リポサン(Liposan)等のバイオポリマー系のもの、サーファクチン、ビィスコシン等のリポペプタイド系のもの等、種々のものが知られており、これらは通常の界面活性剤に比べ、1)複数の官能基や光学活性を有する点、2)嵩高い構造や複雑な構造を有する点、3)生理活性(抗微生物、抗腫瘍作用を有する点および4)生分解生や安全性が高い点を有することを特徴とする。
本発明は、上記バイオサーファクタントのうち、特に糖脂質系のものを用いる点に特徴を有するものである。本発明において使用する糖脂質系バイオサーファクタントとしては、例えば、トレハロースリピド系化合物、サクシノイルトレハオースピリド系化合物、ソフォロリピド系化合物、セロビオースリピド系化合物、マルトースリピド系化合物、ポリオールリビド系化合物、グルコースリピド系化合物、フルクトースリピド系化合物、グルコシドリピド系化合物、マンノシドリピド系化合物、シュークロースリピド系化合物、アルカノイル-N-グルカミド系化合物等の各種化合物を挙げることができる。また、これらの誘導体も本発明において使用する糖脂質系バイオサーファクタントに含める。
【0016】
このうち、本発明において好ましい化合物は、上記(3)〜(10)の一般式で表された化合物であり、これら一般式の定義中、飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基のうち、好ましいものは炭素数1〜36の直鎖または分岐鎖を有するアルキルまたはアルケニル基であり、脂肪族アシル基としては炭素数2〜37のものが好ましい。
さらに、本発明において特に好ましいバイオサーファクタント化合物を以下に例示する。これら化合物を使用する場合同種のものあるいは異種のものを問わず混合物の形態で用いることもできる。
【0017】
マンノシドリピド系化合物としては、特に好ましいものは、マンノース・糖アルコール系化合物であり、一般式2に対応させれば、R5がCH2(OH)−〔CH(OH)〕m−CH2−基(ただしm=1〜8好ましくは2〜6の整数を示す。)であり、R1〜R4が同一もしくは異なっていても良い炭素数1〜15のアルカノイル基である化合物である。そのなかでも以下の式1で表される構造を有する3種のマンノシルエリスリトール系化合物(MEL−A、MEL−B、MEL−C)が挙げられる。、
式1
【化16】
また、アルキルマンノシド系の化合物(下記式2において、R8がアルキル基のもの。)も好ましく、その中では特に以下の式2で表される構造の化合物(ML−1)が好ましい。
式2
【化1】
ML−1;n=0、R8=dodecyl、R1、R2、R3、R4=H
【0018】
ラムノースリピド系化合物として、特に好ましいものは以下の式3で表される構造を有する6種の化合物(RL−1、RL−2、RL−3、RL−4、RL−A、RL−B)である。
式3
【化17】
【0019】
ソフォロースリピド系化合物として、特に好ましいものは以下の式4で表される構造を有する5種の化合物(SL−1、SL−2、SL−3、SL−5、SL−6)である。
式4
【化18】
【0020】
トレハロースリピド系化合物として、特に好ましいものは以下の式5で表される構造を有する2種の化合物(TL−1、TL−2)である。
式5
【化19】
【0021】
サクシニルトレハロースリピド系化合物として、特に好ましいものは以下の式6で表される構造を有する3種の化合物(STL−1、STL−2、STL−3)である。
式6
【化20】
【0022】
セロビオースリピド系化合物として、特に好ましいものは以下の式7で表される構造を有する3種の化合物(CL−A、CL−B、CL−C)である。
式7
【化21】
【0023】
グルコシドリピド系化合物として、アルキルグルコシド系の化合物(下記式2において、R8がアルキル基のもの。)が好ましく、その中でも特に好ましいものは以下の式8(一般式10)で表される構造を有する化合物(GL−1)である。
式8
【化14】
GL−1;n=0、R8=dodecyl、R1、R2、R3、R4=H
【0024】
アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物として特に好ましいものは、上記一般式11においてR1が炭素数12の化合物である。
本発明においては、糖脂質系バイオサーファクタント化合物を、リン脂質等の公知の油脂、あるいはさらにコレステロール誘導体とを適宜組み合わせて、常法によりリポソームを調製する。常法としては、特に制限はなく、超音波法、薄膜振とう法、逆相蒸発法、界面活性剤除去法等が使用できる。
【0025】
例えば、次のような方法でリポソームを調製できる。
糖脂質系バイオサーファクタント化合物、DOPE (ジオレイル-1,2-グリセロ-3-ホスファチジルエタノールアミン)、および正電荷を持つコレステロール誘導体であるChol-Me(コレステリル カルボキシアミド エチレン-N,N-ジメチルアミン)「構造式2」との混合脂質をクロロホルムに溶解し、この溶液からクロロホルムを例えば減圧下で留去して、脂質薄膜を作成する。この薄膜に水を加え、穏やかな加温下に撹拌処理し、更に、超音波処理してリポソーム溶液を得る。このとき糖脂質系バイオサーファクタント化合物の添加量は、全脂質量に対して0.1〜50モル%である。この後、必要に応じてこの溶液を例えば滅菌フィルターに通過させて、滅菌及び整粒を行い、目的のリポソーム(スモール ユニラメラ ベシクル, SUV型)を得る。調製の条件については、常法にしたがって適宜選択できる。さらに、本発明で調製されるリポソームは一枚膜でも多重膜のものでも良い。
原料脂質としては、糖脂質系バイオサーファクタント化合物の1種又は2種類以上を膜成分の全部又は一部として使用する。公知の中性リン脂質としては、DOPEの他、例えば、フォスファチジルコリン、ホスファチジルセリン等のホスファチジル化合物なども使用できる。例証的リン脂質は、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンおよびジステアロイルホスファチジルコリンを含む。
【0026】
公知の正電荷を持つコレスレロール誘導体(R. Okayama ら, FEBS Lett., 408, 232-234 (1997)およびK. Takeuchiら, FEBS Lett., 397, 207-209 (1996)も用いることができるが、これらとしては、例えばChol-Meの他、例えば、Chol-OH(コレステリル カルボキシアミド エチレンN-ヒドロキシエチルアミン)「構造式1」、コレステリル カルボキシアミド メチレンカルボキシアミド エチレンN,N-ジメチルアミン、コレステリル カルボキシアミド エチレンカアルボキシアミド エチレンN,N-ジメチルアミン等も使用できる。
リン脂質とコレステロール誘導体を用いる場合、リン脂質とコレステロール誘導体は、通常モル比で10:1〜10:20、好ましくは5:1〜1:1、更に好ましくは3:2の混合物とする。糖脂質系バイオサーファクタント化合物は、リン脂質とコレステロール誘導体の混合物に対し、通常モル比で1000:1〜0:1であり、リン脂質とコレステロール誘導体の混合物を用いなくともリポソームを形成できる。しかし、好ましくは50:1〜1:1、更に好ましくは5:1の混合物とするのがよい。
【0027】
また、本発明のリポソームの形成においては、所望により、さらに非イオン性界面活性剤を用いることもできる。これらとしては、例えば、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルフェニルエーテル型、脂肪酸ポリオキシアルキレンエステル、アルキロールアマイド型、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンひまし油、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミン、アルキル又はアルケニルポリオキシアルキレンアミド、又は脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ソルビトールエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル等の多価アルコール型及びアルキロールアミド型、ポリエーテル変性シリコーン型界面活性剤、ポリオキシアルキレングリコール型、アルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル型、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル型、グリセリン脂肪酸エステル型又はモノグリセリド有機酸エステル、ポリグリセリンエステル等の誘導体、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル型、ショ糖脂肪酸エステル型又はその誘導体、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル型、アミノ酸型等の1種類又は2種類以上の混合物を挙げることができる。
【0028】
このようにして得られるリポソームは、水に懸濁し、これに所望の薬剤、生理活性物質あるいは遺伝子等の物質を添加すれば、これら物質を容易にリポソームに封入担持することができる。そして本発明のリポソームは細胞あるいは生体組織に対する物質導入効率が極めて大きいため、これら薬剤、生理活性物質および遺伝子等を用いて、有効な治療等が行いうるものである。
本発明において、例えば、遺伝子を担持させようとする場合においては、目的とする遺伝子を含む発現ベクターを構築し、上記リポソームの懸濁液に該発現ベクター添加混合し、所望の時間放置すれば、該発現ベクターを担持したリポソームを容易に得ることができる。この発現ベクターを担持したリポソームは、水又は生理食塩水等に懸濁して、例えば培養細胞に投与したり、生体内に静脈内注射することができ、遺伝子治療等において極めて有用なものである。
【0029】
本発明のリポソームに担持される遺伝子としては、特にその種類により限定されるものではないが、生理活性物質等をコードする遺伝子、例えばα−、β−又はγ−インターフェロン遺伝子、G−CSF遺伝子、肝炎ウイルスのアンチセンスをコードする遺伝子等が挙げられ、これらと複合体を形成し、これら遺伝子を担持できる。
本発明のリポソームは、構成成分が天然物の由来のものであるため、生体に投与した場合に、従来のリポソームに比較して毒性が低いという利点がある。また、所望の遺伝子を含む発現ベクターを封入するのに使用した場合、この発現ベクターを高い効率で所定細胞へトランスフェクトさせることができる。
【0030】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は特にこれらにより限定されるものではない
【実施例】
実施例1
DOPE(20 nmol)、Chol-OH(コレステリル カルボキシアミド エチレンN-ヒドロキシエチルアミン、構造式1)(30 nmol)、MEL-A(マンノシル・糖アルコール系脂質化合物の一つ、10 nmol)からなる脂質混合物、またはDOPE(30 nmol)、Chol-Me(コレステリル カルボキシアミド エチレンN,N-ジメチルアミン、構造式2)(20 nmol)、MEL-A(10 nmol)からなる脂質混合物、またはMEL-A(50 nmol)のみからなる脂質混合物を、クロロホルムに溶解してその溶液(0.5ml)を作り、これを試験管にとり、ロータリーエバポレーターでクロロホルムを減圧留去し後、30分以上真空で乾燥し、脂質薄膜を作成した。
【0031】
なお、上記2種類の正電荷コレステロール誘導体の合成は、公知の手法に従った(R. Okayamaら, FEBS Letters, 408, 232-234 (1997))。また、MEL-Aは、4-O-[(4’,6’-di-O-アセチル-2’,3’-di-O-アルカノイル)-β-D-マンノピラノシル] メソ-エリスリトールなる構造(式1において、n=6;20重量%、n=8;70重量%、n=10;10重量%のもの)を有し、公知の手法によって調製した(Kitamotoら、Chemical Communications, 2000, 860-861(2000))。
この薄膜に水または無機塩水溶液(0.5 ml)を加え、45℃に加温し、2分間ボルテックス処理した。更に、窒素ガス気流下、バス型ソニケーターで10分間超音波処理してリポソーム液を得た。得られたリポソーム液を0.2μmの滅菌フィルターに通して滅菌を行い、目的のリポソーム(SUV型)を得た。得られたリポソームの平均直径を動的光散乱法で測定したところ、200〜300 mmであった。
【0032】
得られたリポソームは、次の実験例のトランスフェクションアッセイに使用して、その特性を試験した。
「構造式1」
【化22】
「構造式2」
【化23】
【0033】
【実施例2】
トランスフェクションアッセイは、以下のように行った。実施例1で調製したSUV型リポソーム(20 nmol)と遺伝子、即ちプラスミドDNA(0.5 μg)を、日水製薬製のSFM101培地(無血清培地)中で混合し、クリーンベンチ内で15分静置した。このプラスミドDNAは、Promega社で製造されているpGL3であり、ルシフェラーゼ遺伝子をコードし、SV40由来のプロモーター、エンハンサーを持ち全長は5256bpである。
得られたリポソームと遺伝子の複合体は、0.2〜1.4 μm程度であり、これを、あらかじめRPMI-1640培地(Gibco社製)で調製してあるNIH3T3細胞と混合し、5%CO2雰囲気下、37℃で4時間、保温した。なお、COS-7細胞の調製にはD-MEM培地(Gibco社製)を、HeLa細胞の調製にはMEM培地(日水製薬社製)をそれぞれ用いた。また、これらの培養培地には、いずれもFCS(Bio-Whittaker社製)を10%添加して、使用した。
培養細胞を食塩を含むリン酸緩衝液(PBS)で洗浄した後、さらに培養培地で、5%CO2、37℃で40時間、保温した。細胞内に発現しているルシフェラーゼの活性を市販のルシフェラーゼアッセイキット(東洋インキ(株)製)を用いて測定した。培養後、細胞を回収し、PBSで3回洗浄した後、菌体溶解用緩衝液に15分間つけ、溶菌操作を行った。得られた溶菌溶液を用いて、ルミノメーター(Tuner Designs製、model TD-20/20)で蛍光を測定し、ルシフェラーゼ活性を調べた。
【0034】
このようにして、測定したルシフェラーゼ活性を図1に示す。
また、遺伝子を導入する細胞としてHeLa細胞を用いた場合の、ルシフェラーゼ活性を測定した結果を図2に示す。また、遺伝子を導入する細胞としてCOS-7細胞を用いた場合の、ルシフェラーゼ活性を測定した結果を図3に示す。
これらの結果から明らかなように、いずれの細胞に対しても、本発明のリポソームは極めて高い物質導入効率を示した。
【0035】
実施例3
MEL-A(10 nmol)、DOPE(20 nmol)、Chol-OH(30 nmol)からなるSUVリポソームの細胞毒性を検討するために、遺伝子を封入した後、NIHT3T細胞に添加して細胞の生存率を測定した。また、添加するMEL-Aの量を変化させて、その細胞生存率への影響を調べた。
生存率アッセイの18時間前に継代した4×104/ウエルのNIHT3T細胞(12ウエル)をPBSで洗浄した後、リポソームを加え、無血清下で37℃、5%CO2で4時間培養した。トリパンブルー色素排除法にて細胞の生存率を求めた。
結果を図4に示す。グラフは、MEL-Aのリポソームへの添加率と細胞の生存率を示しており、生存率の数値が大きいほどリポソームの毒性が低いとみなすことができる。
これによれば、本発明のリポソームにおいては、20nmolまではほとんど毒性はみられず、また50nmolという高濃度でも50%以上の細胞生存率を示しており、非常に安全性が高いものということができる。
【0036】
実施例4
MEL-A(10 nmol)、DOPE(20 nmol)、Chol-OH(30 nmol)あるいはMEL-A(10 nmol)、DOPE(30 nmol)、Chol-Me(20 nmol)からなるSUVリポソームと遺伝子との複合体形成の効率を検討するために、リポソームと遺伝子を混合した後、リポソームに封入された遺伝子の量を蛍光法により測定した。
MEL-Aの添加効果を明らかにするために、DOPE(20 nmol)、Chol-OH(30 nmol)あるいはDOPE(30 nmol)、Chol-Me(20 nmol)だけからなるSUVリポソームも同時に調製し、遺伝子の封入量を比較検討した。
調製したSUV型リポソームとプラスミドDNAを混合し、クリーンベンチ内で15分静置した。リポソームをPBSで洗浄した後、エリジウムブロマイドを添加し、リポソームの蛍光強度を測定した。
結果を図5に示す。グラフは、リポソームの構成成分と、得られたリポソームと遺伝子との複合体形成率との関係を示しており、複合体形成率が高いほど、リポソームに目的物質が良く封入されていると見なすことができる。この結果は、本発明のリポソームが物質担持能力において極めて優れていることを示す。
【0037】
実施例5
実施例1と同様に、DOPE(20 nmol)、Chol-OH(コレステリル カルボキシアミド エチレンN-ヒドロキシエチルアミン)(30 nmol)を基本とするリポソーム構成成分に対し、ラムノースリピド系化合物としてRL−4(式3参照)、ソフォロースリピド系化合物としてSL−4(式4参照)、トレハロースリピド系化合物としてTL−1(式5参照;m+n=30のもの)、セロビオースリピド系化合物としてCL−C(式7参照;R1がOHで、R4におけるxが4のもの)、グルコシドリピド系化合物としてドデシル−β−D−グルコシド(GL−1;式8参照)、マンノシド系リピド化合物としてドデシル−β−D−マンノシド(ML−1;式2参照)およびアルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物としてドデシル−N−メチルグルカミドを、それぞれ10 nmolづつ添加して、所望のSUVリポソームを調製した。なお、これらの糖を含有する化合物のうち、ドデシル−β−D−グルコシド、ドデシル−β−D−マンノシド、ドデシル−N−メチルグルカミドは市販ものを用いた。それ以外のものは、公知の手法(北本 大、“オレオサイエンス”、1(1)、17-31(2001))によって微生物培養液より調製した。
【0038】
これらのリポソームに、実験例1と同様に、プラスミドDNAを封入し、腫瘍培養細胞NIH3T3に対するトランスフェクションアッセイを行った。 このようにして、測定したルシフェラーゼ活性、すなわちトランスフェクション効率を図6に示す。
これによれば、本発明の糖脂質系バイオサーファクタントのトランスフェクション効率は、従来のDOPE及びChol−OHのみ使用する場合に比して極めて優れていることが明らかである。
【0039】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明により糖脂質系バイオサーファクタント化合物を構成成分として含むリポソームおよびそれからなる物質導入担体が供給される。本発明のリポソームおよびそれからなる物質導入担体は、実施例に示されるように、従来の物質導入担体に比べ細胞への導入効率が非常に高いことが明らかとなった。
例えば、本発明によるリポソームを用いれば、腫瘍培養細胞に対しては、従来の市販の正荷電を有するリポソームであるリポフェクチンなどに比べて、約50〜70倍もトランスフェクション効率が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリポソームを用いた、腫瘍培養細胞、NIHT3Tに対する、トランスフェクションアッセイにおける、構成脂質の組成とルシュフェラーゼ活性との相関を示すグラフ。
【図2】本発明のリポソームを用いた、腫瘍培養細胞、HeLaに対する、トランスフェクションアッセイにおける、構成脂質の組成とルシュフェラーゼ活性との相関を示すグラフ。
【図3】本発明のリポソームを用いた、腫瘍培養細胞、COS-7に対する、トランスフェクションアッセイにおける、構成脂質の組成とルシュフェラーゼ活性との相関を示すグラフ。
【図4】本発明のリポソームを添加した場合の、細胞の生存率と化1のリポソームへの混合率との相関を示すグラフ。
【図5】本発明のリポソームと遺伝子との複合体の形成効率を示すグラフ。
【図6】各種糖脂質型バイオサーファクタントを用いて得られた本発明の各種リポソームを用いた場合の、腫瘍培養細胞、NIHT3Tに対するトランスフェクションアッセイにおけるルシュフェラーゼ活性を示すグラフ。
Claims (5)
- 膜成分として、糖脂質系バイオサーファクタント化合物を、リン脂質及びコレステロール誘導体混合物に対して50:1〜1:1の割合で含有するリポソームからなる生体あるいは細胞に物質を導入するための担体であって、糖脂質系バイオサーファクタント化合物が、以下のa)〜h)の化合物から選ばれた化合物であることを特徴とする、上記担体。
a)以下の一般式1で表されるマンノシドリピド系化合物
一般式1
b)以下の一般式3または4で表されるラムノースリピド系化合物
一般式3
c)以下の一般式5または6で表されるソフォロースリピド系化合物
一般式5
d)トレハロースリピド系化合物
一般式7
または下記式で表される基を示す。
e)以下の一般式8で表されるサクシノイルトレハロースリピド系脂質化合物
一般式8
f)以下の一般式9で表されるセロビオースリピド系化合物
一般式9
g)以下の一般式10で表されるグルコシリピド系脂質化合物
一般式10
h)以下の一般式11で表されるアルカノイル−N−メチルグルカノイルリピド系脂質化合物
一般式11
- リポソームが、膜成分として、上記a)〜h)の化合物を2種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の担体。
- 生体あるいは細胞に導入する物質が、薬剤、生理活性物質、あるいは遺伝子である、請求項1〜3のいずれかに記載の担体。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の担体に、薬剤、生理活性物質または遺伝子を担持せしめた医薬。
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