JP5051537B2 - マンノシルエリスリトールリピッド誘導体 - Google Patents

マンノシルエリスリトールリピッド誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、微生物生産糖脂質の一種であるマンノシルエリスリトールリピッドの、分子構造中のエリスリトール末端水酸基にカルボキシル基が導入されたpH応答性のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体、及びそれからなる自己集合体に関するものである。
糖脂質は、脂質に1〜10数個の単糖が結合した物質であり、生体内において細胞間の情報伝達に関与し、神経系・免疫系の機能維持にも重要な役割を果たしていること等が明らかにされつつある。一方で、糖脂質は、糖の性質に由来する親水性と脂質の性質に由来する親油性の二つの性質を合わせ持つ両親媒性物質であり、このような性質を有する物質は界面活性物質と呼ばれている。石油化学工業が隆盛となるまでは、レシチン、サポニン等の生体成分由来の界面活性剤(バイオサーファクタント)を利用してきたが、石油化学工業の発展により合成界面活性剤が開発され、界面活性剤の生産量は飛躍的に増加し、日常生活には無くてはならない物質となった。しかしながら、その使用量の拡大につれて環境汚染が広がってきた。そこで、安全性が高く、環境に対する負荷を低減するために生分解性の高い界面活性物質の開発が望まれていた。
現在、微生物が生産する界面活性物質としては、糖脂質系、アシルペプタイド系、リン脂質系、脂肪酸系及び高分子化合物系の5つに分類されている。この内の糖脂質系の界面活性剤については、最もよく研究され、細菌及び酵母による多くの種類の物質が報告されている。
糖脂質等のバイオサーファクタントは、生分解性が高く、低毒性で環境に優しく、新規な生理機能を持つといわれている。このことから、食品工業、化粧品工業、医薬品工業、化学工業、環境分野等にこれらのバイオサーファクタントを幅広く適用することは、持続可能社会の実現と高機能製品の提供という、両面を兼ね備えており極めて有意義である。
代表的な糖脂質系バイオサーファクタントの一つにマンノシルエリスリトールリピッド(以下、MELと略記)がある。MELは、Ustilago nuda(ウスチラゴ ヌーダ)とShizonella melanogramma(シゾネラ メラノグラマ)から発見された(非特許文献1及び2参照)。その後、イタコン酸生産の変異株であるCandida属酵母(特許文献1及び非特許文献3参照)、Candida antarctica(キャンデダ アンタークチカ)(現在はPseudozymaantarctica(シュードザイマ アンタークチカ))(非特許文献4及び5参照)、Kurtzmanomyces(クルツマノマイセス)属(非特許文献6参照)等の酵母が生産することを報告している。現在では、長時間の連続培養・生産を行うことで300g/L以上の生産を可能にしている。
MELは特異な自己集合体を形成することや(非特許文献7、8、9)、様々な生理活性を示すこと(非特許文献7)が報告されており、その優れたベシクル形成能や抗腫瘍性、糖タンパク結合性を利用してリポソーム素材に導入することで、遺伝子導入試薬として高い性能を示すことも明らかにされている(非特許文献7)。
したがって、MELに選択的に官能基を導入し、環境(温度、pH等)応答性を付与することが出来れば、界面活性剤としての物理化学的性質の改変だけに限らず、生理活性や自己集合特性にも大きな変化をもたらすほか、特異な自己集合特性を利用した従来技術の飛躍的な展開が可能となり、MELの応用用途のさらなる拡張が見込まれる。
特公昭57−145896号公報 アール.エイチ.ハスキンス(R.H.Haskins),ジェイ.エー.トーン(J.A.Thorn),B.Boothroyd,「カナデアンジャーナル オブ ケミストリー(Can.J.Microbiol.)」,1巻,p749−756(1955). ジー.デム(G.Deml),ティ.アンケ(T.Anke),エフ.オーバーウインカー(F.Oberwinkler),ビー.エム.ジアネッティー(B.M.Giannetti),ダブリュ.ステグリッチ(W.Steglich),「フィトケミストリー(Phytochemistry)」,19巻,p83−87(1980). ティ.ナカハラ(T.Nakahara),エイチ.カワサキ(H.Kawasaki),ティ.スギサワ(T.Sugisawa),ワイ.タカモリ(Y.Takamori),ティ.タブチ(T.Tabuchi),「ジャーナルオブ ファーメンテーション テクノロジー(J.Ferment.Technol.)」,(日本),日本発酵工学会,61巻,p19−23(1983). ディ.キタモト(D.Kitamoto),エス.アキバ(S.Akiba),シー.ヒオキ(C.Hioki),ティ.タブチ(T.Tabuchi)「アグリカリチュラルアンド バイオロジカル ケミストリー(Agric. Biol. Chem.)」,(日本),日本農芸化学会,54巻.p31−36(1990). エイチ.エス.キム(H.−S.Kim),ビー.ディ.ユーン(B.−D.Yoon),ディ.エイチ.チョン(D.−H.Choung),エイチ.エム.オー(H.−M.Oh),ティ.カツラギ(T.Katsuragi),ワイ.タニ(Y.Tani)「アプライドマイクロバイオロジー アンド バイオテクノロジー(Appl.Microbiol.Biotechnol.)」,(ドイツ),スプリンガー−バーラグ(Springer−Verlag),52巻,p713−721(1999). 角川(K.kakukawa),玉井(M.Tamai),今村(K.Imamura),宮本(K.Miyamoto),三好(S.Miyoshi),森永(Y.Morinaga),鈴木(O.Suzuki),宮川(T.Miyakawa)「バイオサイエンス,バイオテクノロジーアンド バイオケミストリー(Biosci.Biotechnol.Biochem.)」,(日本),日本農芸化学会,66巻,p188−191(2002). 北本 大「オレオサイエンス」,(日本),日本油化学会,3巻,p663−672(2003). ティ.イムラ(T.Imura),エヌ.オオタ(N.Ohta),ケー.イノウエ(K.Inoue),エヌ.ヤギ(N.Yagi),エイチ.ネギシ(H.Negishi),エイチ.ヤナギシタ(H.Yanagishita),ディ.キタモト(D.Kitamoto)「ケミストリーア ヨーロピアン ジャーナル(Chem.Eur.J)」,(米国),ワイリー(Wiley),12巻,p2434−2440(2006). ティ.イムラ(T.Imura),ワイ.ヒコサカ(Y.Hikosaka),ダブリュー.ウォラキッカンチャナクル(W.Worakitkanchanakul),エイチ.サカイ(H.Sakai),エム.アベ(M.Abe),エム.コニシ(M.Konishi),エイチ.ミナミカワ(H.Minamikawa),ディ.キタモト(D.Kitamoto)「ラングミア(Langmuir)」,(米国),アメリカ化学会(ACS),23巻,p1659−1663(2002).
分解性が高く、低毒性で環境に優しく、新規な生理機能を持つ糖脂質等のバイオサーファクタントを、食品工業、化粧品工業、医薬品工業、化学工業、環境分野等に広く普及をはかるため、その性能の精密な制御や改変技術を高めることが重要である。中でも、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)については、生産性、界面物性に優れるだけでなく、特異な自己集合特性と生理活性を利用した種々の応用用途が検討されている。
そこで、本発明の課題は、MELの構造を改変して、今までにない有用な基礎物性、自己集合特性を有する新規MEL誘導体を提供しようとするものである。
これらの構造改変は一般的な化学合成法でも可能であるが、さらに酵素化学的手法を用いることで、位置選択的な官能基の導入が可能となる。自己集合体の形成には分子構造の違いが大きく影響するため、特定の構造の化合物を選択的に調製できることは、これらの自己集合特性を利用した用途開拓にとっても極めて有効な手段と成り得る。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、微生物生産によって得られたMELを出発物質に用い、MEL中に存在するエリスリトール末端の1級水酸基に選択的にカルボキシル基を導入した誘導体の合成について検討した。その結果、pH変化に対して水溶性や自己集合体の構造が変化する誘導体が得られたことから、本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔3〕に示される。
〔1〕次の式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。またRは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)

〔2〕上記式中、Rで示される置換基が、炭素数4〜24の飽和又は不飽和脂肪族アシル基からなることを特徴とする、上記〔1〕に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。

〔3〕上記式中、Rで示される置換基が、炭素数2〜16の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素からなることを特徴とする、上記〔1〕に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。

〔4〕上記〔1〕に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体からなるpH応答性自己集合体。

〔5〕以下の式(2)で表されるマンノシルエリスリトールリピッドと以下の式(7)で表されるジカルボン酸ハロゲン化物を塩基の存在下反応させることを特徴とする、上記〔1〕に記載のマンノシルエリスリトールリピド誘導体の製造方法。
(ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。)
(式中、Xはハロゲン、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)

〔6〕以下の式(2)で表されるマンノシルエリスリトールリピドと、以下の式(8)で表されるジカルボン酸エステルまたは以下の式(9)で表されるジカルボン酸無水物とを、リパーゼを作用させて反応させることを特徴とする、上記〔1〕に記載のマンノシルエリスリトールリピドの製造方法。
(ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。)
(式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表し、Rは、アルコキシ基を表す。)
(式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)
本発明のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体(以下、MEL誘導体という場合がある。)は、マンノシルエリスリトールリピッド(以下、MELという場合がある。)中の親水性ドメイン末端、すなわちエリスリトール末端1位水酸基にカルボキシル基を導入したものであり、これにより、pH変化に伴い物理化学的、生化学的機能が変化し、低pH(弱酸性)条件では従来のMELと同様の界面化学的性質を示し、中〜高pH(中性〜弱アルカリ性)条件ではカルボキシル基がカルボン酸塩となることで高い水溶性を示すというユニークな性質を有する。
すなわち、本発明のMEL誘導体は、低pH条件では、水溶液中で自己集合体(液晶)を形成し、水に不溶性であり、中性〜弱アルカリ性条件で集合体の構造が大きく変化・崩壊することから、低pH環境である胃の内部では溶解せず、中性環境である腸内で溶解して薬剤を放出できる。したがって、これらを導入したリポソーム試薬等を用いたドラッグデリバリーシステム(DDS)の高機能化に大きく貢献することができる。また、弱アルカリ性で肌の角質に類似な構造であるラメラ相の形成が促進されることから、化粧品、洗浄剤用途等への有効利用できる。一方、本発明のMEL誘導体は、糖骨格構造の変化によって生理活性が大きく変わることから、従来のMELで得られなかった生体機能の発現も期待されるほか、生体内での分子認識能にも特徴が現れると予想される
また、本発明のMEL誘導体を、単独あるいは従来型MELと混合することで、その界面物性、自己集合特性を容易に調節することも可能である。
したがって、本発明のMEL誘導体はバイオサーファクタントの構造・機能バリエーションの拡張をもたらすほか、高い水溶性、pH応答性を有することで飛躍的な用途の拡大が見込まれるほか、本発明のMEL誘導体は、本来糖型バイオサーファクタントの有する特性である分解性の高さや低毒性、環境適合性、高生理活性等も保持しており、これらを最大限に利用することにより、食品工業、化粧品工業、医薬品工業、化学工業、環境分野等に幅広く利用できる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
〈糖脂質〉
本発明のMEL誘導体を得るための出発物質として用いるMELは、MEL生産菌の培養によって得られ、その化学構造の代表例は以下の式(2)に示され、4−O−β−D−マンノピラノシル−meso−エリスリトールをその基本構造とするものである。
ただし、上記式(2)中、Rは炭素数4〜24脂肪族アシル基であり、直鎖あるいは分岐状の飽和または不飽和脂肪族アシル基を含む。R2は、水素またはアシル基を表す。上記置換基Rの脂肪族アシル基の種類及びその炭素数は、MEL生産培地に含有させる油脂類中の脂肪酸に基本的には依存するが、その炭素数は使用するMEL生産菌の脂肪酸の資化の程度により変化する。したがって、得られる各MELは、通常、置換基Rの脂肪酸残基部分が異なる化合物の混合物の形態である。

MELの代表例としてMEL−A、MEL−B、MEL−C、MEL−Dの化学構造を以下に示す。
これら式中、Rは上記式(2)と同様の基であり、Acはアセチル基を表す。
一方、本発明のMEL誘導体は以下の式(1)で表され、MEL中のエリスリトール末端水酸基にジカルボン酸がエステル結合によって導入された構造をしており、糖骨格末端にカルボキシル基を有するのが大きな特徴である。
(式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。またRは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)

なお、上記式中の置換基Rは、直鎖あるいは分岐アシル基であっても同不飽和脂肪族アシル基であってもよく、また置換基Rは、直鎖あるいは分岐飽和脂肪族炭化水素であっても同不飽和脂肪族炭化水素であってもよい。
本発明のMEL誘導体の分子構造は、基本的には出発物質となるMELの分子構造に基づき、上記式(1)における置換基Rの脂肪族アシル基の炭素数あるいは二重結合の有無等において異なる各化合物の混合物の形態で得られるが、これらはさらに分取HPLC等により精製すれば、単一のMEL化合物とすることもできる。
本発明のMEL誘導体は、従来のMELと同様、高い界面活性作用を有し、界面活性剤又はファインケミカルの種々の触媒として用いられる。ヒト急性前骨髄性白血病細胞性HL60株にMELを作用させると、顆粒系を分化させる白血病細胞細胞分化誘導作用があり、 また、ラット副腎髄質褐色細胞腫由来のPC12細胞にMELを作用させると神経突起の伸長が生ずる神経系細胞分化誘導作用等の生理活性作用を有する。更に、微生物産生の糖脂質として初めて、メラノーマ細胞のアポトーシスを誘導することが可能となり(X. Zhao et. al., Cancer Research,59, 482−486(1999))、癌細胞増殖抑制作用がある。これらの生理作用から見て、MELには抗ガン剤等の医薬としての用途が期待される。また、MELには生分解性があり、高い安全性を有すると考えられているものである。
〈マンノシルエリスリトールリピッド誘導体の合成〉
マンノシルエリスリトールリピッドのエリスリトール末端へのカルボン酸の導入方法については、ジカルボン酸誘導体の一方のカルボン酸をエリスリトール末端へエステル結合によって導入する方法が挙げられる。
上記合成法としては、例えば以下(1)〜(3)の方法が好ましい。
(1)上記式(2)で表されるMELと以下の式(7)で表されるジカルボン酸ハロゲン化物を直接反応させる方法。
(式中、Xはハロゲン、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)

(2)リパーゼ触媒によって、上記式(2)で表されるMELと、以下の式(8)で表されるジカルボン酸エステルとのエステル交換反応を行う方法。
(式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表し、Rは、アルコキシ基を表す。アルコキシ基の炭素数は特に制限はないが、反応後に脱離するアルコール類を除去する操作性に優れる炭素数の少ないC1〜C3が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、ビニロキシ基がより好ましい。)

(3)リパーゼ触媒によって、上記式(2)で表されるMELと、以下の式(9)で表されるジカルボン酸無水物を直接反応させる方法。
(式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)
これらの方法中、特に上記(2)、(3)の方法は、リパーゼ触媒を使用しており、これにより、エリスリトール末端への位置選択的導入を促進することができる。
以下に、原料化合物としてMEL−Aを使用する場合を例にとり、さらに具体的に説明する。
(1)マンノシルエリスリトールリピッドとジカルボン酸クロリドの反応
上記化学式(3)のMEL−A(ジアセチル型)に対して、過剰量のジカルボン酸ハロゲン化物(例えばクロリド、ブロミド)を加え、反応中に加水分解が起こらないように非アルコール系の有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、アセトン等)中で、塩基(例えばトリエチルアミン等)存在下、室温で1〜3日間撹拌する(反応式(A))。
反応終了後、エバポレーター等で溶媒を除去し、これを少量のクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いる既知の分離方法で出発物と生成物を分離する。生成物が単離されたことは薄層クロマトグラフィー(TLC)によって確認する。
(2)マンノシルエリスリトールリピッドとジカルボン酸エステルの反応
MEL−Aに対して、過剰量のジカルボン酸エステルと任意量の固定化リパーゼを加え、反応中に加水分解が起こらないように非アルコール系の有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、アセトン等)中、40〜50℃で1〜数日間撹拌する(反応式(B))。
反応終了後、リパーゼをろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去する。以降、上記と同様の方法で出発物と生成物を分離する。
(3)マンノシルエリスリトールリピッドとジカルボン酸無水物の反応
MEL−Aに対して、過剰量のジカルボン酸無水物を加え、反応中に加水分解が起こらないように非アルコール系の有機溶媒(例えばテトラヒドロフラン、アセトン等)中、40〜50℃で1〜数日間撹拌する(反応式(C))。任意量の固定化リパーゼを加えるとなお良い。
反応終了後、リパーゼを加えた場合はこれをろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去する。以降、上記と同様の方法で出発物と生成物を分離する。

上記においてはMEL−Aを原料化合物とする場合の合成例を示したが、MEL−B、MEL−C、及びMEL−Dを原料化合物として用いる場合も基本的には同様の方法で、本発明のマンノシルエリスリトールリピド誘導体を合成しうる。ただし、例えばMEL−C、MEL−Dにおいては、マンノース6位に反応性の高い一級水酸基が残存することから、反応によってここにジカルボン酸が結合した異性体も得られる。本発明のエリスリトール末端にカルボキシル基を有する誘導体を得るには、生成した複数の異性体からシリカゲルカラムクロマトグラフィー等を利用して分離精製を行う必要がある。
〈マンノシルエリスリトールリピッド誘導体の構造決定〉
上記により得られたMEL誘導体の構造は、以下のようにして確認する。
1)カルボン酸導入の有無の確認
単離したMEL誘導体は、TLCプレート上で、アンスロン硫酸試薬で青緑色に呈色することにより糖脂質成分であると判断できる。この時、展開溶媒にアンモニア水を入れると、カルボキシル基を有する化合物はカルボン酸塩となるため、スポットはあまり上に上がらずRf値が大きく低下する。したがって、スポットの位置変化を見ることでMEL誘導体中にカルボン酸が導入されたことが確認できる。
2)NMR測定
得られたMEL誘導体について、1H、13C、二次元NMR解析を行い、得られたスペクトルと、構造既知である従来型のマンノシルエリスリトールリピッド(MEL−A〜D)(式2)のスペクトルとを比較することで、構造解析を行う。特に、MELのエリスリトール末端水酸基にエステルが導入される場合、1H NMRスペクトルの4.1〜4.3 ppm付近、及び13C NMRスペクトルの170〜175 ppm付近に新たなピークが出現することから、これらを確認することで本発明のMEL誘導体が得られたことが示される。
〈マンノシルエリスリトールリピッド誘導体のpH応答性〉
本発明のMEL誘導体は、糖骨格末端に存在するカルボキシル基の電離状態によって水溶性が変化する。したがって、異なるpHの緩衝溶液を作成し、これにMEL誘導体を添加して溶解性を調査することで、本発明のMEL誘導体のpH応答性が確認される。

以下に、本発明について実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明で出発物質として用いるMELについては特に限定されるものではないが、以下例として、Pseudozyma antarctica KM-34 (FERMP-20730) 株を用い、大豆油を原料にして培養し、培養液から糖脂質成分を回収後、単離・精製することで得られたMEL−A(式(3)の化合物)を出発物質に用いた実験について述べる。
実施例1
(MEL−Aとコハク酸クロリドの反応)
MEL−A 350 mg(約0.5 mmol)、トリエチルアミン 60 mg(約0.6 mmol)をテトラヒドロフラン(THF) 10 mLに溶解させ、氷浴中で撹拌しながらコハク酸クロリド 155 mg(約1 mmol)を少しずつ添加した。室温で24時間撹拌した後、析出した沈殿をろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去した。得られた反応混合物のTLC分析を行った結果、TLCプレート上で出発物よりも下に糖脂質を示す青緑色のスポットが検出された。さらに、アンモニア水を加えた展開溶媒中でTLC分析を行ったところ、スポットが大きく下に移動した(図1)。このことから生成物中にはカルボキシル基が存在することが確認された。クロロホルム/アセトン混合溶媒(濃度勾配100:0→0:100)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を分離した結果、最終的に、黒紫色油状の生成物が収率約50 %で得られた。
実施例2
(MEL−Aとセバシン酸クロリドの反応)
MEL−A 350 mg(約0.5 mmol)、トリエチルアミン 60 mg(約0.6 mmol)をテトラヒドロフラン(THF) 10 mLに溶解させ、氷浴中で撹拌しながらセバシン酸クロリド
240 mg(約1 mmol)を少しずつ添加した。室温で24時間撹拌した後、析出した沈殿をろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去した。得られた反応混合物のTLC分析を行った結果、TLCプレート上で出発物よりも下に糖脂質を示す青緑色のスポットが検出された。さらに、アンモニア水を加えた展開溶媒中でTLC分析を行ったところ、スポットが大きく下に移動した(図2)。このことから生成物中にはカルボキシル基が存在することが確認された。クロロホルム/アセトン混合溶媒(濃度勾配100:0→0:100)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を分離した結果、最終的に白色の生成物が、収量30 %で得られた。
実施例3
(リパーゼ触媒によるMEL−Aとドデカン二酸ジメチルエステルのエステル交換反応)
MEL−A 350 mg(約0.5 mmol)、ドデカン二酸ジメチルエステル 260 mg(約1 mmol)をアセトン 1 mLに溶解させ、そこに固定化リパーゼ(Novozyme 435) 300 mgを加え40℃で72時間撹拌した。反応後、リパーゼをろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去した。得られた反応混合物のTLC分析を行った結果、TLCプレート上で出発物よりも上に糖脂質を示す青緑色の2つのスポット(A)、(B)が検出された(図3a)。さらに、アンモニア水を加えた展開溶媒中でTLC分析を行ったところ、下(B)のスポットが大きく下に移動した(図3b)。このことから生成物中にはカルボキシル基が存在することが確認された。クロロホルム/アセトン混合溶媒(濃度勾配100:0→0:100)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって、化合物(A)(B)の混合物として黄色油状の生成物が収量80 %で得られた。
実施例4
(リパーゼ触媒によるMEL−Aと無水コハク酸のエステル化反応)
MEL−A 685 mg(約1 mmol)、無水コハク酸 300 mg(約3 mmol)をアセトン 20 mLに溶解させ、そこに固定化リパーゼ(Novozyme 435) 1 gを加え40℃で3日間撹拌した。反応後、リパーゼをろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去した。得られた反応混合物のTLC分析を行った結果、TLCプレート上で出発物よりも下に糖脂質を示す青緑色のスポットが検出された。さらに、アンモニア水を加えた展開溶媒中でTLC分析を行ったところ、スポットが大きく下に移動した(図4)。このことから生成物中にはカルボキシル基が存在することが確認された。クロロホルム/アセトン混合溶媒(濃度勾配100:0→0:100)を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を分離した結果、最終的に、薄黄色油状の生成物が収率約65 %で得られた。
実施例5
(リパーゼ触媒によるMEL−Aと無水コハク酸の高効率エステル化反応)
実施例4の方法では反応が定量的に進まず、カラム精製による生成物の単離が必要であったことから、反応率100 %の最適反応条件を検討した。MEL−A 3.4 g(約5 mmol)、無水コハク酸 1.5 g(約15 mmol)をアセトン 30 mLに溶解させ、そこに固定化リパーゼ(Novozyme 435) 1 gを加え40℃で5日間撹拌した。反応後、リパーゼをろ別し、ろ液をエバポレーターにかけて溶媒を除去した。得られた反応混合物のTLC分析を行った結果、TLCプレート上で出発物よりも下に糖脂質を示す青緑色のスポットが検出された(図5a)。また、出発物は完全に消失しており、生成物が収率100 %で得られた。さらに、アンモニア水を加えた展開溶媒中でTLC分析を行ったところ、スポットが大きく下に移動した(図5b)。このことから生成物中にはカルボキシル基が存在することが確認された。
以降、実施例3で得られた糖脂質(MEL-Aドデカン二酸エステル)及び、実施例5で得られた糖脂質(MEL-Aコハク酸エステル)の構造解析結果について詳細に説明する。
実施例6
(MEL−Aドデカン二酸エステルの構造解析)
実施例3で得られた糖脂質について、重クロロホルム(CDCl3)を溶媒とするNMR解析により構造の同定を行った。1H、13C、1H-1H COSY、HMQC(Heteronuclear Multiple Quantum Coherence)、HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Coherence)の各NMRスペクトル解析を行うことで、本糖脂質の構造を完全帰属した。本糖脂質の1H-NMRスペクトルを図6に示す。これによれば、本糖脂質は出発物質のMEL-Aに対して、エリスリトール末端1位に脂肪酸エステルが結合していることが確認できる(4.2〜4.4 ppm)。また、1位に結合したエステルのカルボニル炭素(C=O)の隣のプロトン(2.3 ppm)の積分値が約4あることから、反応に用いたジカルボン酸がエステル結合によって分子内に導入されたことが示唆される。一方、脂肪酸末端メチル基由来のプロトンの積分値が6のまま変化していないため、単純に脂肪酸がエステル結合したわけではないことが分かり、ジカルボン酸が導入され、末端にカルボキシル基が含まれることの証拠となった。さらに、メトキシ基由来のピーク(3.67 ppm)も確認されており、本化合物中にメチルエステルが含まれることが示された。以上の結果から、本糖脂質の主成分はMEL-Aのエリスリトール末端にドデカン二酸がエステル結合し、その末端にはメチルエステルが残存した構造であることが示された。
上記の糖脂質についてMALDI-TOF/MS測定を行った結果、擬似分子イオン[M+Na]+ m/z 898.2、及び884.2が検出された(図7)。これらはC8、C10の脂肪酸が結合しているMEL-Aに対して、ドデカン二酸がエリスリトール末端1位にエステル結合した化合物であり、前者は末端がメチルエステルのままのもの、後者はエステルが切れてフリーのカルボキシル基となっているものにそれぞれ対応している。
以上の結果から、実施例3で得られた糖脂質は式(14)に示すMEL-Aドデカン二酸エステルであることが確認された。(n = 6、8、各1本ずつ)
実施例7
(MEL−Aコハク酸エステルの構造解析)
実施例5で得られた糖脂質について、実施例6と同様にして構造解析を行った。本糖脂質の1H−NMRスペクトルを図8に示す。これによれば、本糖脂質は出発物質であるMEL-Aに対して、エリスリトール末端1位にエステルが導入されたことを示す1位プロトンの低磁場シフトが見られ(4.2〜4.4 ppm)、さらにコハク酸のb位プロトンも確認された(2.6〜2.7 ppm)。一方、脂肪酸末端メチル基由来のプロトンの積分値が6のまま変化しておらず、その他のスペクトルにも変化は見られなかった。以上のことから、本糖脂質はMEL-Aのエリスリトール末端1位にコハク酸がエステル結合した式(15)に示すMEL-Aコハク酸エステルであることが確認された。
さらに、上記の糖脂質についてMALDI-TOF/MS測定を行った結果、擬似分子イオン[M+Na]+ m/z 771.7、及び797.7が検出された。この結果は、得られた糖脂質が上述の構造(n = 6、 8各1本ずつ、またはn = 8 ×2本)であることを示唆するものであった。
実施例8
(MEL−Aコハク酸エステルの水溶性評価)
実施例5で得られたMEL-Aコハク酸エステルの水溶性を調べた。出発物であるMEL-Aについても調査を行い、水溶性を比較した。試験管に糖脂質を1 mg秤取し、各pHの緩衝液0.5 mLを添加して(0.2 wt%)ボルテックスミキサーで1分間撹拌した。その後、目視で溶解性を調査した。MEL-Aは0.2 wt%の濃度では水に不溶であり、水溶液は白濁するが、本発明で得られたコハク酸エステルは中性(pH 7)から弱アルカリ性(pH 8)では水に完全に溶解し、また酸性(pH 3)では透明の液滴の状態で試験管の底に付着したままであった(図9)。本発明で得られるMEL誘導体は明らかに出発物であるMELとは異なる溶解性を示し、pH変化によって異なる相を形成することが示唆された。
実施例9
(MEL−Aコハク酸エステルが形成する液晶の観察)
従来のMEL-A、及び実施例5で得られたMEL誘導体(MEL-Aコハク酸エステル)のpH変化に伴う液晶形成能を簡易に比較するために、水侵入法を利用して顕微鏡観察を行った。実験は、スライドガラス上に各MELを塗布し、上下辺を両面テープで塞ぐ形でカバーガラスをかぶせ、側辺から各pHの水溶液を滴下することでMELに水を浸透させ、簡易に濃度勾配を付けることで液晶の形成挙動を観察した(図10)。
MEL-Aは水溶液中で広い濃度範囲に渡って様々な構造のリオトロピック液晶を形成することが知られている。しかし、pH変化による影響については詳細に知られていない。MEL−Aは、pH 8の弱アルカリ性で液晶観察を行うと(図11左)、形成される液晶は純水中での観察と比べて不安定なものとなった。一方、本発明のMEL誘導体ではコハク酸に由来するカルボキシル基が解離することで水溶性が上がり、ミエリン像の形成(図11右)が確認されるとともに、安定な液晶形成が見られた。さらに、pH 3での観察においては、従来のMEL-Aと比べ、水との接触後直ちに圧倒的に幅広い濃度範囲で安定な液晶が形成された(図12右)。
上記のように本発明のMEL誘導体は、pH変化に伴い酸性、アルカリ性の水溶液中で全く異なる形態の液晶を形成することが示された。酸性領域ではフリーのカルボキシル基の水素結合等の影響で従来のMELに比べて強固な液晶が形成され、一方、アルカリ性領域ではカルボキシル基の解離によってより親水性が高まり、迅速なラメラ相の形成によってミエリン像が形成するものと考えられる。
実施例1で、MEL−Aとコハク酸クロリドの反応から得られた新規MEL誘導体を示す、薄層クロマトグラフィー写真である。 実施例2で、MEL−Aとセバシン酸クロリドの反応から得られた新規MEL誘導体を示す、薄層クロマトグラフィー写真である。 実施例3で、MEL−Aとドデカン二酸ジメチルエステルの反応から得られた新規MEL誘導体を示す、薄層クロマトグラフィー写真である。 実施例4で、MEL−Aと無水コハク酸の反応から得られた新規MEL誘導体を示す、薄層クロマトグラフィー写真である。 実施例5で、反応条件を変え、MEL−Aと無水コハク酸の反応を高効率に進行させることで得られた新規MEL誘導体を示す、薄層クロマトグラフィー写真である。 実施例3で得られたMEL誘導体の1H NMRスペクトルである。 実施例3で得られたMEL誘導体のMALDI-TOF/MS測定結果を示すマススペクトルにおいて、主成分の擬似分子イオンの分子量付近の拡大図である。 実施例5で得られたMEL誘導体の1H NMRスペクトルである。 実施例8で、従来のMEL−Aと、実施例5で得られたMELコハク酸エステルの水溶性試験の結果を比較した写真である。 実施例9で行った水侵入法による液晶観察を説明する概略図である。 実施例9で、従来のMEL−Aと、実施例5で得られたMELコハク酸エステルについて、水侵入法を利用してpH 8における液晶形成能を観察した顕微鏡写真である。 実施例9で、従来のMEL−Aと、実施例5で得られたMELコハク酸エステルについて、水侵入法を利用してpH 3.5における液晶形成能を観察した顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. 次の式(1)で表されるマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。
    (式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。またRは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)
  2. 上記式中、Rで示される置換基が、炭素数4〜24の飽和又は不飽和脂肪族アシル基からなることを特徴とする、請求項1に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。
  3. 上記式中、Rで示される置換基が、炭素数2〜16の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素からなることを特徴とする、請求項1に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体。
  4. 請求項1に記載のマンノシルエリスリトールリピッド誘導体からなるpH応答性自己集合体。
  5. 以下の式(2)で表されるマンノシルエリスリトールリピッドと以下の式(7)で表されるジカルボン酸ハロゲン化物を塩基の存在下反応させることを特徴とする、請求項1に記載のマンノシルエリスリトールリピド誘導体の製造方法。
    (ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。)
    (式中、Xはハロゲン、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)
  6. 以下の式(2)で表されるマンノシルエリスリトールリピドと、以下の式(8)で表されるジカルボン酸エステルまたは以下の式(9)で表されるジカルボン酸無水物とを、リパーゼを作用させて反応させることを特徴とする、請求項1に記載のマンノシルエリスリトールリピドの製造方法。
    (ただし、式中、Rは、同一でも異なっていてもよい炭素数4〜24の脂肪族アシル基であり、Rは水素又はアセチル基を表す。)
    (式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表し、Rは、アルコキシ基を表す。)
    (式中、Rは、炭素数2〜16の脂肪族炭化水素鎖を表す。)
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