JP4950511B2 - 赤色酵母由来の乳化剤 - Google Patents
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Description
ところが、前者の方法では、脂肪乳剤は、粒径が大きく透明感で劣る問題がある。さらに、後者の静注用乳化剤は、コエンザイムQ10の含有量が少なく、高濃度にした場合に保存安定性が悪い問題がある。コエンザイムQ10を含有する水溶性組成物としては、油成分を必要としないで乳化できる、製造の際に特殊な条件、複雑な工程等が不要であること等が求められている。
自然界には様々な微生物が存在し、それらの中には未知の機能を持つものが含まれており、バイオサーファクタント生産菌も報告されている。ラムノリピド(非特許文献3参照)や、ソフオロリピド(非特許文献4参照)を含むいくつかのバイオサーファクタントは、生産性を上げて既に実用化されている。これらの中で酵母由来のものでは、ソフォロリピッドであるが、これはサーファクタントの分類上、糖脂質型であり、またこの生産菌であるCandida bombicolaは、本発明で用いる赤色酵母とは分類学上異なり、これらが産生するバイオサーファクタントも本発明のものとは異なる。
また、本発明は、上記乳化剤及び脂溶性物質を含有してなる水溶性組成物に関する。
さらに、本発明は、赤色酵母を培養液中で培養し、得られた培養液中の糖タンパク質複合体を含有する画分を分離及び回収することを特徴とする、乳化剤の製造方法に関する。
また、本発明は、上記乳化剤と脂溶性物質を混合することを特徴とする、水溶性組成物の製造方法に関する。
まず、本発明の乳化剤は、赤色酵母を培養液中で培養して得られる培養液中の糖タンパク質複合体を、有効成分として含有してなるものである。
当該赤色酵母は、単独で用いても、2種以上を併用することもできる。
なお、Rhodotorula mucilaginosa KUGPP−1は、南極より分離され、受領番号FERM BP−10500として、国際寄託の受領日2006年2月2日(原寄託日2005年2月8日の国内寄託を国際寄託へ移管)に、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6にある独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
また、他の上記赤色酵母は、NBRC(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門)より入手可能である。
培地に含まれる赤色酵母の成育に必要な炭素源としては、グルコースが好ましく用いられる。その濃度は、好ましくは0.1〜5容量%程度、より好ましくは0.5〜1.5容量%程度である。
この際、グルコースの代わりに、エタノール等のアルコール類や、コーン油、大豆油等の油類を炭素源として用いることもできる。
また、培養が進行すると培地のpHが低下するため、アルカリを滴下して、好ましくはpH6〜8、より好ましくはpH6.5〜7.5となるように調整して、培養を行うことが好ましい。
この際使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミン化合物等、任意のものが使用できるが、細胞増殖のための窒素源を補給する面からアンモニアが好ましく用いられる。
また、炭素源のグルコースも細胞増殖につれて徐々に減少していくので、順次追加していく必要があるが、この際にアンモニアとエタノールの混合液を追加することもできる。追加の方法としては、一定量ずつ断続的に追加する方法、連続的に追加する方法等、あらゆる方法を採用することができる。
培養時間としては、特に限定されないが、好ましくは12〜70時間、より好ましくは24〜48時間である。
培養にあたっては、撹拌培養、静置培養のいずれも採用でき、また、通気培養、密閉培養のいずれでもよいが、微生物の増殖を早めるために、通気下で撹拌培養することが好ましい。
糖タンパク質複合体の分離・回収には、セチルピリジニウム塩酸、セチルトリブチル臭酸等の4級アミンを利用する方法や、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールやアセトンを培養液又は培養液の上清に添加する方法等が利用でき、より高純度の製品を得るには前者の方法が、より迅速に標品を得るためには後者の方法が好ましく用いられる。また、これら両方法を併用することもでき、その順序はどちらでも良い。
上記方法で分離・回収された糖タンパク質複合体は、公知の方法により乾燥した粉末として、あるいは再度水に溶解して水溶液として利用される。
また、イオン交換カラム、アフィニティーカラム等の親和性による分画、さらに限外ろ過、ゲルろ過カラム等の分子量による分画によっても、分離・回収することが可能である。
当該糖タンパク質複合体は、培養液中に生産されるので、乳化剤としての作用が顕著であり、また、その赤色酵母が生産した後の培養液より該糖タンパク質複合体を回収する際の、赤色酵母菌体との分離が容易である。
当該糖タンパク質複合体は、上記赤色酵母を培養することにより、培養液中に赤色酵母細胞から分泌されるものを用いることができる。また、分泌される前の細胞壁や菌体中にとどまった状態でも利用可能である。
当該糖タンパク質複合体は、1種でも2種以上でも用いることができる。
当該平均分子量は、例えば、レーザー散乱計、ゲルろ過等の公知の方法により求めることができる。本発明においては、後述の実施例で記載しているように、ゲルろ過法により求めた。つまり、当該平均分子量は、得られた糖タンパク質複合体を、ゲルろ過の担体(Sephacryl S−400HR、φ1cm×長さ100cm)に供し、デキストランを分子量マーカーとして、測定することができる。
特に乳化剤を少量で用いる場合には、精製することで乳化剤中の糖タンパク質複合体の濃度を高めることができ、効果的である。
さらには、細胞壁や菌体中にとどまっている糖タンパク質複合体を利用するために、菌体をそのまま使用したり、菌体の破砕液を利用することも可能である。
添加剤としては、乳化剤の剤型を保つためや、糖タンパク質複合体が分解等によりその効果が減じてしまうのを防ぐために、安定化剤を用いたり、実際の使用を容易とするために、水等の液体を用いることもできる。また、添加剤として、例えば、酸化防止剤、防腐剤、化粧用活性剤、加湿剤、スフィンゴ脂質、脂溶性ポリマー等を含んでもよい。
さらに、本発明の乳化剤に加えて、既存の乳化剤を併用することもできる。
当該添加剤や、既存の乳化剤の添加量としては、その用途に応じて適宜決めればよい。
また、糖タンパク質複合体を含有する画分を分離及び回収することにより、ゲルろ過によって示される分子量が30,000以上の画分を得ることが好ましい。
つまり、本発明の水溶性組成物は、上記乳化剤及び脂溶性物質を含有してなるものである。
当該脂溶性物質は、単独で用いても、2種以上を併用することもできる。
また、当該水溶性組成物には、水;エタノール等のアルコール類等の溶媒を添加することもでき、好ましい。
脂溶性物質の含有量としては、特に限定されないが、水溶性組成物全体の0.00001重量%〜30重量%が好ましく、0.001重量%〜10重量%がより好ましい。
例えば、混和中に熱が発生することがあるため、耐熱性の余りない材料を用いる場合には、高温とならないように注意して混和する必要がある。具体的には、食品等への適用や、塗料等のように揮発性を有する溶媒等が含まれる場合への適用には、前者については微生物の繁殖がないように、後者については溶媒が揮発してしまわないように、短時間で実施する必要がある。
10mlのYM培地(酵母エキス0.03g、モルトエキス0.03g、ペプトン0.05g、グルコース0.1g、pH6.0)を調製し、オートクレーブを用いて滅菌操作を行った。これに、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている赤色酵母Rhodotorula mucilaginosa KUGPP−1(FERM ABP−10500)を接種し、30℃で一晩培養し、これを前培養液とした。この前培養液を500mlの同培地に接種し、30℃で48時間培養した後、遠心により菌体を除いた約500mlの上清を回収した。この上清をカットオフ値MW100,000の限外ろ過膜を用いて約30mlまで濃縮を行った。その後、緩衝液A[20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]に対して透析を実施し、これを粗乳化剤(サンプルA)とした。
なお、本乳化剤の活性は、サンプル100μlを1.8mlの緩衝液Aに添加し、そこへ、ジメチルスルホキシドに200μg/mlになるように溶解させたアスタキサンチン(和光純薬社製)を100μl加え、よく混合し、約26℃で15分間静置後に凝集しないことを指標にした。つまり、約26℃で15分間静置後に凝集しない場合に、乳化活性があるものとした。
これを、緩衝液C[50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]で平衡化したSephacryl S−400HR(アマシャム社製)を充填したカラム(φ1cm×100cm)を用いたゲルろ過に供し、約5mlの活性画分(乳化作用物質)を獲得し、これをサンプルCとした(ゲルろ過時のピークからほぼ単一精製物であった)。
サンプルCを用いて、フェノール硫酸法を用いて糖量(グルコース換算)を、BCAキット(PIERCE社製)を用いてタンパク質量(BSA換算)を求めたところ、総糖量は2.6mg、総タンパク質量は0.3mgであった。これから、本乳化剤は糖とタンパク質が約9対1の割合で含まれるということが判明した。
実施例1で調製したサンプルAの100μlを、1.8mlの緩衝液A[20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]に添加し、そこへ、ジメチルスルホキシドに200μg/mlになるように溶解させたアスタキサンチン(和光純薬社製)を100μl加え、よく混合した。またコントロールとして、Saccharomyces cerevisiae NBRC223の培養液を実施例1に従って調製したものを使用した。
25℃で24時間まで静置して観察したところ、コントロールにおいては、約1時間後からアスタキサンチンの凝集物が析出し始め、24時間後には全てが沈殿してしまっていた。ところが、サンプルAを添加したものでは、24時間経過した時点においても、全く凝集が見られなかった。また、このサンプルAとアスタキサンチンの混合物を100℃で1時間処理しても、凝集物は析出しなかった。さらに、これらサンプルAとアスタキサンチンとの混合物を1週間室温(25℃)で放置しても、凝集物の析出はみられなかった。
実施例1で調製したサンプルAを、予め緩衝液B[20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)]で平衡化した陰イオン交換樹脂であるDEAE−TOYOPEARL650M(東ソー社製)30mlを充填したカラム(φ1.6cm×10cm)に負荷し、0から1.0Mへの塩化ナトリウムの直線濃度勾配法(総溶出量760ml)で溶出させ、塩化ナトリウム濃度が300mMから400mMの間に溶出してくる約20mlの乳化活性画分を回収した。この画分を、遠心限外濾過膜セントリプレップ−10(アミコン社製)を用いて約2mlに濃縮した。これを、緩衝液C[50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]で平衡化したSuperose12(ファルマシア社製)を充填したカラム(φ1.6cm×100cm)を用いたゲルろ過に供し、約2mlの活性画分(乳化作用物質)を得た。
次いで、ProteinaseK(SIGMA社製)を200U/mlとなるよう調製し、活性画分と1:9(最終ProteinaseK濃度20U/ml)で混合し、25℃で2時間保持した。
このサンプルを用いて、実施例2と同様にして乳化作用を評価したところ、乳化作用が見られなくなった。また、この精製過程での画分の活性の強弱は、糖の吸収の強弱と一致していた。これらのことから、乳化作用物質は糖タンパク質であると考えられた。
実施例1で精製したサンプルCの1.5mlを、ゲルろ過の担体(Sephacryl S−400HR、φ1cm×長さ100cm)に供し、デキストランを分子量マーカーとして分子量の測定を行った。この結果、本乳化作用物質は、分子量約730,000であることが推測された。
実施例3で調製した乳化作用物質100μlを、0.9mlの10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に添加したものを、10mgのβ−カロチン(ナカライテスク社製)、ビタミンA(ナカライテスク社製)、ビタミンE(ナカライテスク社製)、ビタミンK1(ナカライテスク社製)、コエンザイムQ10それぞれに加え、よく混合した。またコントロールとして、Saccharomyces cerevisiae NBRC223の培養液を実施例1に従って調製したものを使用した。
25℃で24時間まで静置して観察したところ、コントロールにおいては、添加直後から各サンプルの凝集物が析出し始め、1時間後には全てが沈殿してしまっていた。ところが、上記粗乳化剤を添加したものでは、24時間経過した時点においても、全く凝集が見られなかった。
試験管に入れた100mlのYM培地に、赤色酵母であるRhodotorula mucilaginosa NBRC0003、Xanthophyllomyces dendrorhous NBRC10129、Rhodosporidium toruloides NBRC0388をそれぞれ接種し、30℃、120rpmで48時間培養し、その培養液について10,000×g、20分間の遠心分離を行い、菌体を除いた約100mlの上清を回収した。この画分を、遠心限外濾過膜セントリプレップ−10(アミコン社製)を用いて約10mlに濃縮し、これを粗乳化剤とした。
また、これら赤色酵母由来の粗乳化剤を、遠心限外濾過膜セントリプレップ−30(アミコン社製)を用いて濾過したところ、そのろ液(つまり分子量30,000未満)には乳化作用がなかったことから、乳化作用を示す物質は30,000以上であることが推測された。
実施例1で調製したサンプルBを、pH5と6の50mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH6、7及び8の50mMリン酸カリウム緩衝液、pH8と9の50mMトリス緩衝液、pH9と10の50mM炭酸ナトリウム緩衝液で透析を行った後、サンプルBの100μlを最終濃度10μg/mlになるように、1.8mlのそれぞれのpH緩衝液に添加し、そこへ、ジメチルスルホキシドに200μg/mlになるように溶解させたアスタキサンチン(和光純薬社製)を100μl加え、よく混合した。混合直後の440nmにおける吸光度の絶対値(I)と、室温(約26℃)で15分間静置後の440nmにおける吸光度の絶対値(II)を測定し、(I)−(II)を算出し(ΔA440)、それを図1に示した。なお、アスタキサンチンの凝集が見られたものは、アスタキサンチンの最大吸収波長である440nmの吸光度の絶対値が低下する。上記(I)−(II)が、0〜0.1の範囲内であれば乳化が安定であると判定した。
その結果、本発明の乳化剤は幅広いpHで効果を発揮することが判明した。
実施例1で調製したサンプルCを最終濃度(糖量換算)で1、5、10μg/mlになるように調製したそれぞれ100μlを、1.8mlの緩衝液Aに添加し、そこへ、ジメチルスルホキシドに1mg/mlになるように溶解させたアスタキサンチン(和光純薬社製)を100μl加え、よく混合した。同時に市販のバイオサーファクタントであるサーファクチンNa(和光純薬社製)を最終濃度1、5、10μg/mlになるように添加したものも実施した。26℃で24時間静置後の440nmにおける吸光度の絶対値を測定した結果を表1に示した。
その結果、サンプルCの乳化剤は、低濃度でもアスタキサンチンを安定に乳化したのに対し、サーファクチンNaは、低濃度の場合にアスタキサンチンが凝集した(アスタキサンチンの吸光度の絶対値が低下)。つまり、本発明の乳化剤は、アスタキサンチンに対し、サーファクチンNaよりも高い乳化作用を示すことが明らかとなった。
実施例1で調製したサンプルCの100μlを、1.8mlの緩衝液A[20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)]に加え(糖換算で最終濃度10μg/ml)、これに、ジメチルスルホキシドに1mg/mlになるように溶解させたアスタキサンチンを100μl加え、よく混合した。また、市販のバイオサーファクタントであるサーファクチンNa(和光純薬社製)も同じ濃度になるように添加し、それぞれを26℃で1ヶ月保存した後、これら溶液の200nm〜700nmでのスペクトル測定(U−2000A、日立製作所社製)を行った結果を図2に示した。なお、この際、サンプルCやサーファクチンNaの代わりに100μlの緩衝液Aを加えたものをコントロールとし、アスタキサンチン添加直後のスペクトル測定を行ない、これを比較対照とした。データ1はコントロール(添加直後)のもの、データ2はサンプルC(26℃で1ヶ月保存後)のもの、データ3はサーファクチンNa(26℃で1ヶ月保存後)のものを示す。
その結果、本発明の乳化剤の存在下では、アスタキサンチンの吸収スペクトルに変化はなく安定であるが、サーファクチンNaの存在下では、アスタキサンチンが凝集したため、吸収スペクトルに変化が生じ、経時的に色調が変化した。つまり、本発明の乳化剤は、1ヵ月放置した後でも添加直後の色調を保持していることが判明した。
実施例1で調製したサンプルCに、最終濃度2Nになるように濃硫酸を添加し、100℃で4時間処理した。水酸化ナトリウムで中和した後、20μg/ml(グルコース換算の糖濃度)のサンプルを100μl用い、糖分析用カラム(TSKgel Suger AXG、東ソー社製)で分析を行った。その結果を図3に示した。
同時に、単糖の標準品と比較したところ、これら3つのピークはリテンションタイムの早いものから順にマンノース、ガラクトース、グルコースのピークと一致した。
1.8mlの緩衝液Aに、ジメチルスルホキシドに12.5μg/mlになるように溶解させたアスタキサンチン溶液を100μl添加し、実施例1で調製したサンプルCを最終濃度A:0.125μg/ml、B:0.25μg/mlになるように100μl添加し、よく混和した。なお、サーファクチンNa(和光純薬社製)も同濃度で実施した。26℃で24時間保存した後、動的光散乱式粒径分布装置(LB−550、堀場製作所社製)を用いて、溶液中のアスタキサンチンの粒径を測定し、その平均粒径(nm)の結果を表2に示す。
この結果から、本発明の乳化剤を用いると、市販のバイオサーファクタントを用いるよりも、脂溶性物質であるアスタキサンチンの粒径がより小さいものが形成されることが判明した。
Claims (11)
- Rhodotorula属、Xanthophyllomyces属及びRhodosporidium属から選ばれる少なくとも1種の赤色酵母を培養液中で培養して得られる培養液中の糖タンパク質複合体を、有効成分として含有してなる乳化剤。
- 該赤色酵母が、Rhodotorula mucilaginosa KUGPP−1(FERM BP−10500)、Rhodotorula mucilaginosa NBRC0003、Xanthophyllomyces dendrorhous NBRC10129、及び、Rhodosporidium toruloides NBRC0388から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の乳化剤。
- 該糖タンパク質複合体の、ゲルろ過によって示される分子量が30,000以上である請求項1又は2に記載の乳化剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の乳化剤及び脂溶性物質を含有してなる水溶性組成物。
- 該脂溶性物質が、脂溶性薬物、ビタミン類、油脂、脂溶性色素、香料及びカロチノイドから選ばれる1種以上である、請求項4記載の水溶性組成物。
- 該脂溶性薬物がコエンザイムQ10であり、該ビタミン類がビタミンA、D、E、K、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上であり、該油脂が精油、植物油及び動物油から選ばれる1種以上であり、該カロチノイドがカンタキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、リコピン、アポカロチナール及びβ−カロチンから選ばれる1種以上である、請求項5記載の水溶性組成物。
- Rhodotorula属、Xanthophyllomyces属及びRhodosporidium属から選ばれる少なくとも1種の赤色酵母を培養液中で培養し、得られた培養液中の糖タンパク質複合体を含有する画分を分離及び回収することを特徴とする、乳化剤の製造方法。
- 糖タンパク質複合体を含有する画分を分離及び回収することにより、ゲルろ過によって示される分子量が30,000以上の画分を得ることを特徴とする、請求項7記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の乳化剤と脂溶性物質を混合することを特徴とする、水溶性組成物の製造方法。
- 該脂溶性物質が、脂溶性薬物、ビタミン類、油脂、脂溶性色素、香料及びカロチノイドから選ばれる1種以上である、請求項9記載の製造方法。
- 該脂溶性薬物がコエンザイムQ10であり、該ビタミン類がビタミンA、D、E、K、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上であり、該油脂が精油、植物油及び動物油から選ばれる1種以上であり、該カロチノイドがカンタキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、リコピン、アポカロチナール及びβ−カロチンから選ばれる1種以上である、請求項10記載の製造方法。
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