JP7257021B2 - 免疫賦活性乳化剤 - Google Patents
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Description
項1. 真菌由来のFBA1タンパク質を含む、免疫賦活性乳化剤。
項2. 前記FBA1タンパク質が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(ii)配列番号1において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii)配列番号1と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかである、項1に記載の免疫賦活性乳化剤。
項3. 前記真菌が酵母である、項1又は2に記載の免疫賦活性乳化剤。
項4. 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエである、項3に記載の免疫賦活性乳化剤。
項5. 項1から4のいずれかに記載の免疫賦活性乳化剤と油分と水とを含む、免疫賦活性乳化組成物。
項6. 水中油型である、項5に記載の免疫賦活性乳化組成物。
項7. (i')配列番号1に示されるアミノ酸配列とアフィニティタグとを有するタンパク質、
(ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する工程、
前記形質転換された細胞の培養を行う工程、
培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する工程、及び
前記捕捉された発現タンパク質を回収する工程、
を含む、免疫賦活性乳化剤の製造方法。
本発明の免疫賦活性乳化剤は、真菌由来のFBA1タンパク質を含む。FBA1タンパク質は、一種類のタンパク質が乳化活性と免疫賦活性とを併せ持つ。
本発明のFBA1タンパク質が兼備する乳化活性及び免疫賦活性は、当該タンパク質が有する生理活性のうちの一部であるが、本発明のFBA1タンパク質の範囲を定める際に指標となる生理活性である。
FBA1タンパク質の由来生物である真菌としては、酵母及び糸状真菌が挙げられ、好ましくは酵母が挙げられる。
FBA1タンパク質は、一種類のタンパク質が乳化活性と免疫賦活性とを併せ持つ。FBA1タンパク質は、解糖系の酵素の一種であり、糖新生においてグリセルアルデヒド3-リン酸(G3P)によるジヒドロキシアセトンリン酸(DHAPまたはグリセリンリン酸)のアルドール縮合を触媒してフルクトース1,6-ビスホスフェート(FBP)を形成し、解糖における逆反応を触媒する。FBA1タンパク質は、主に細胞内に局在し、その一部は細胞表面に存在することは知られているものである。しかし、FBA1タンパク質は細胞外に分泌されることは知られていないタンパク質であり、また、免疫賦活性との関係についても知られていない。無論、FBA1タンパク質と乳化活性との関係についても知られていない。
(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(ii)配列番号1において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とをするタンパク質、及び
(iii)配列番号1と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質。
本発明の免疫賦活性乳化剤は、免疫賦活性を有するバイオサーファクタントであるため、乳化剤を用いる幅広い分野において安全性の高い機能性材料として適用できる。例えば、食品、化粧品、医薬品等に用いることができる。
本発明の免疫賦活性乳化組成物は、上述の本発明の免疫賦活性乳化剤と油分と水とを含む。免疫賦活性乳化組成物の具体例としては、食品組成物、化粧料組成物、医薬組成物等が挙げられる。なお、免疫賦活性乳化組成物において、免疫賦活性乳化剤によって形成されるミセルのタイプは特に限定されないが、当該免疫賦活性乳化剤は、水中油型(O/W)のミセルを形成しやすい。
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む食品組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、食品組成物を乳化形態とするとともに、例えば腸管免疫を高める機能を備えさせる等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該食品組成物は、腸管免疫増強用といった機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品(サプリメント)、病者用食品等において有用である。
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む化粧料組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、化粧料組成物を乳化形態とするとともに、例えば外皮下にある免疫細胞を活性化する機能等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該化粧料組成物は、皮膚外用医薬部外品、化粧料、皮膚洗浄料等において有用である。
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む医薬組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、医薬組成物を乳化形態とすると共に、例えば薬理活性成分による抗原性を増強させる機能、腸管免疫を高める機能、外皮下にある免疫細胞を活性化する機能等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該医薬組成物は、ワクチン製剤、経口医薬品、皮膚外用医薬品等において有用である。当該医薬組成物においては、本発明の免疫賦活性乳化剤以外に他の薬理活性成分を含んでよい。
上述の本発明の免疫賦活性乳化剤の製造方法としては特に限定されず、FBA1タンパク質を生じさせることができるあらゆる方法が用いられる。
例えば、真菌(酵母)の特定の遺伝子欠損株を培養することにより得ることができる。具体的には、FBA1タンパク質は、GUP1遺伝子及びANP1遺伝子の二重欠損株を培養する。培養は、ソルビトール等の浸透圧保護剤を添加して浸透圧を保護した条件で行うことが好ましい。培養後に得られた菌体をリン酸緩衝生理食塩水等に懸濁させ、懸濁液を遠心し、遠心上清を精製することでFBA1タンパク質を取得することができる。
また、FBA1タンパク質はアミノ酸配列が公知であるため、例えば精製用のアフィニティタグが結合したFBA1タンパク質を融合タンパク質として発現可能な発現ベクターを構築し、宿主細胞に導入し、当該融合タンパク質を発現させることによって製造することができる。
工程1では、FBA1のアミノ酸配列とアフィニティタグ配列とを有するタンパク質(融合タンパク質)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する。
FBA1タンパク質に結合させるアフィニティタグは、そのアフィニティタグに対応する(特異的な)担体と選択的に結合できる限り、どのようなアフィニティタグも用いることができる。例えば、アフィニティタグとしては、ニッケルキレートカラムに選択的に結合可能な2つ以上の連続するヒスチジン残基からなるヒスチジンタグ、不溶性セルロースに選択的に結合するセルロース結合部位、マルトース結合樹脂に選択的に結合するマルトース結合部位などが挙げられ、好ましくは、分子量の小さいヒスチジンタグが挙げられる。
FBA1タンパク質にアフィニティタグが結合した融合タンパク質において、アフィニティタグはFBA1タンパク質のカルボキシル末端に結合していることが好ましい。融合タンパク質のアミノ酸配列としては、具体的には以下が挙げられる。
(ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列と、前記アミノ酸配列のカルボキシル末端側にアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列と、前記アミノ酸配列のカルボキシル末端側にアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質。
このような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、当該融合タンパク質のアミノ酸配列をコードするものであれば、どのような塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドは、好ましくはDNAである。
融合タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを、宿主細胞内で複製可能で、かつ、そのDNA配列がコードするタンパク質を発現可能な状態で含む発現ベクターを構築する。発現ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の独立体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しない、例えば、プラスミドを基本に構築することができる。また、発現ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、その宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。ベクター構築の手順及び方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
工程2では、形質転換された細胞の培養を行う。融合タンパク質を発現する宿主細胞は、適当な培地で培養し、その培養物から融合タンパク質を得ることができる。融合タンパク質を発現させる宿主細胞の培養条件は、使用させる宿主細胞についての培養条件と本質的に同等であってよい。融合タンパク質は、発現する宿主細胞中に発現する。
[FBA1タンパク質(Fba1p)の製造-1]
マンナン合成に関わるANP1遺伝子と細胞壁タンパク質を細胞壁に固定するGPIアンカーの合成に関わるGUP1遺伝子とを欠損させた株を用い、0.6 Mソルビトールを添加して浸透圧を保護した条件で培養後、遠心分離(3000xG, 5分)により菌体を得た。得られた菌体を、リン酸緩衝生理食塩水PBSに懸濁させて、細胞表層成分の一部を細胞から遊離させた。この懸濁液を遠心分離し、得られた遠心上清にケロシン油を添加すると、ミセルが形成される乳化現象が観察された。
[FBA1タンパク質(Fba1p)の製造-2]
(培養液中へFba1pを分泌発現するプラスミドpSP-G1(FBA1-His)の構築)
FBA1タンパク質(Fba1p)を発現させるために、強力なプロモータ(PGK1プロモータ)の下流にFBA1遺伝子を繋いだプラスミドpSP-G1(FBA1-His)を構築した。このプラスミドpSP-G1(FBA1-His)は、具体的には以下のように、酵母染色体から取得したFBA1遺伝子を、pSP-G1プラスミド(酵母遺伝資源センターより分譲)に組み込んで構築した。
構築したプラスミドpSP-G1(FBA1-His)を、酵母Saccharomyces cerevisiae BY4741を宿主として組み込んだ。このようにして得られた形質転換体を、グルコースを炭素源とする培地で培養し、Fba1pを発現させた。培養後、遠心分離によって上清を除去し菌体を回収した。
FBA1タンパク質(Fba1p)の発現を確認するため、培養上清(精製前)とHis-Tag精製後の溶出液を、SDS-PAGE及びウェスタンブロッティングに供した。
Acetic acid (WAKO, 特級)
Methanol (WAKO, 特級)
2D-銀染色試薬・II (コスモバイオ)
(a)固定化剤 : チオ尿素
(b)前処理剤 : ジチオスレイトール、グルタルアルデヒド、チオ尿素
(c)染色液A : 硝酸銀
(d)染色液B : 水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム
(e)現像原液 : クエン酸、ホルムアルデヒド、チオ硫酸ナトリウム
(f)停止液 : クエン酸
2×Sample buffer(0.125 M Tris-HCl, 10% 2-Mercaptoethanol, 4% SDS, 10% Sucrose, 0.04 mg/mL Bromophenol blue)
10×Running buffer
30% Acrylamide mixture (10%ポリアクリルアミドゲルの作成に使用)
WIDE-VIEW TM Prestained Protein Size Marker III (SDS-PAGE用マーカー, WAKO)
10×TBS-T (希釈して使用)
100 mM Tris-HCl (pH 7.5)
1 M NaCl (WAKO, 特級)
0.5% Tween20 (WAKO)
1×Anode I
300 mM Tris-HCl (pH 10.4)
10% MeOH (WAKO, 特級)
1×Anode II
25 mM Tris-HCl (pH 10.4)
10% MeOH (WAKO, 特級)
1×Cathode
25 mM Tris-HCl (pH 9.6)
40 mM Glysine (WAKO, 特級)
10% MeOH (WAKO, 特級)
5%スキムミルク(WAKO, 生化学用)
一次抗体(Anti-His-tag mAb, IgG/Mouse, amg/mL, MBL)
Solution I (Signal(R) Immunoreaction Enhancer Solution, TOYOBO)
二次抗体(Anti-Mouse IgG-Alkaline Phosphatase antibody produces in goat)
Solution II (Signal(R) Immunoreaction Enhancer Solution, TOYOBO)
BCIP-NBT溶液キット(nacalai tesque)
カラーマーカー(Precision Plus Protein Standards, BIO RAD)
PVDFメンブレン(Immonilon-P, 0.45 μm, 20 cm × 20 cm, Millipore)
濾紙(No. 1, 240 mm, ADVANTEC)
10 μLの細胞抽出液(精製前)と10 μLのHis-Tag精製後のElution buffer溶出液(第1画分として0~0.5mL画分、第2画分として0.5~1.0mL画分、第3画分として1.0~1.5mL画分、及び第4画分として1.5~2.0 mL画分)をそれぞれ1.5 mLチューブに分注した。
上述と同様にSDS-PAGEによる電気泳動を行い、以下のようにして、His抗体を用いて、Fba1pをHisタグを介して検出することによりその存在を確認した。ゲルのサイズより一回り大きいPVDFメンブレン(80 mm × 90 mm)を用意し、100% MeOHに20秒浸して親水化し、その後すぐに純水に浸した。3つのプラスチック容器に、1×Anode I、1×Anode II、1×Cathodeを加え、それぞれ4・2・6枚の濾紙(80 mm × 90 mm)を浸した。SDS-PAGE後、新しいプラスチック容器に1×Cathodeを加え、ゲルを浸した。セミドライ式転写装置の陽極にAnode Iの濾紙、Anode IIの濾紙、メンブレン、ゲル、Cathodeの濾紙を順に重ねた。泡が入らないように濾紙の上に次の溶液をマイクロピペットで少量撒いた。陰極を重ね、泡を抜くように陰極を手の平で押した。陰極の上に1 kg程度の重りを置き、転写を行った(60 mA, 110分)。メンブレンのマーカーと余分な部分を切り取り、表裏が分かるよう左上に切れ込みを入れた。メンブレンのサイズに合わせた容器をパラフィルムで作り、5%のスキムミルク溶液20 mLを用いてブロッキングを行った(一晩振盪, 4℃)。20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回, 液はアスピレーターでよく取り除く)。一次抗体をSolution Iで1000倍希釈したもの5 mLをメンブレンに撒き、振盪(1 h)した。その後20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回)。二次抗体をSolution IIで5000倍希釈したもの5 mLをメンブレンに撒き、振盪(30分)した。その後、20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回)。BCIP-NBT溶液キットの緩衝液5 mLと発色原液50 μLとを直前に混合し、メンブレンに添加し、目的の位置に青紫色のバンドが現れるまで振盪した。適度に染色されたら、すぐに純水でメンブレンを洗浄し、反応を停止させた。その後、メンブレンを観察した。
精製前分画(Fba1p精製前)及び溶出分画2(Fba1p精製後)それぞれから、Fba1p濃度が5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、75μg/mL及び100μg/mLを含む画分を調製した。画分それぞれのFba1p濃度は、BCA法によって測定した。これらのFba1p含有画分(Fba1p水溶液)に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。その結果を図3に示す。図3に示すように、精製前分画(Fba1p精製前)及び溶出分画2(Fba1p精製後)のすべてに対して乳化相が生じた。乳化相が占める体積に着目すると、溶出分画2(Fba1p精製後)の方が乳化活性に優れていることが確認され、これらの中でも、10μg/mL以上である場合に好ましい乳化活性が確認され、20μg/mL以上である場合により好ましい乳化活性が確認され、30μg/mL以上である場合にさらに好ましい乳化活性が確認された。40μg/mL以上の場合においても、濃度に応じて乳化活性が好ましく得られる傾向が確認された。
Fba1pを含む培養上清をヒスタグラムカラム精製に供し、精製画分とpHが異なるクエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、Tris-HCl緩衝液、及び炭酸-重炭酸緩衝液とを用い、Fba1pを20μg/mL又は40μg/mLの濃度で含み且つpHが異なる水溶液を調製した。得られた水溶液のpHは、3.0、4.0、5.0(クエン酸緩衝液を用いた場合);6.0、7.0(リン酸緩衝液を用いた場合);8.0、9.0(Tris-HCl緩衝液を用いた場合);及び10(炭酸-重炭酸緩衝液を用いた場合)であった。これらのFab1水溶液に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。
Fba1pを含む培養上清をヒスタグラムカラム精製に供し、精製画分と塩化ナトリウムとを用い、Fba1pを20μg/mL又は40μg/mLを含み且つ塩化ナトリウム濃度が異なる水溶液を調製した。得られた水溶液における、精製画分に添加した塩化ナトリウムの終濃度は、0M、1M、2M及び3Mであった。これらのFab1水溶液に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。
溶出画分2を、溶出用液を用いてFBA1タンパク質(Fba1p)が所定濃度(10μg/mL、25μg/mL及び50μg/mL)となるように調製したFba1p含有液と;比較用に、免疫賦活性と乳化活性との両方を有するタンパク質として本発明者が別途見出したGAS1タンパク質(Gas1p、UniprotKBアクセッション番号P22146)を、同様の方法で溶出用液を用いて所定濃度(10μg/mL、25μg/mL及び50μg/mL)となるように調製したGas1p含有液、β-グルカンが溶出用液中に所定濃度(50μg/mL、250μg/mL、及び500μg/mL)となるように均一分散させたβ-グルカン含有液、リン酸緩衝液、及び実施例2で用いた培地と、を試験サンプルとして用い、これら試験サンプルに対し、以下のようにしてマクロファージ活性化能(TNF-α分泌量)の測定を行った。なお、試験サンプル中のFba1p等のタンパク質濃度は、BCA法によって測定した。
Claims (6)
- 真菌由来のFBA1タンパク質を含む、乳化剤であって、
免疫賦活剤として用いられ、且つ、
前記FBA1タンパク質が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(ii)配列番号1において、1~30個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii)配列番号1と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかである、乳化剤。 - 前記真菌が酵母である、請求項1に記載の乳化剤。
- 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエである、請求項2に記載の乳化剤。
- 請求項1から3のいずれかに記載の乳化剤と油分と水とを含み、免疫賦活に用いられる、乳化組成物。
- 水中油型である、請求項4に記載の乳化組成物。
- (i')配列番号1に示されるアミノ酸配列とアフィニティタグとを有するタンパク質、
(ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1~30個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する工程、
前記形質転換された細胞の培養を行う工程、
培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する工程、及び
前記捕捉された発現タンパク質を回収する工程、
を含む、免疫賦活性乳化剤の製造方法。
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