JP7257021B2 - 免疫賦活性乳化剤 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫賦活性乳化剤に関する。より具体的には、本発明は、免疫賦活性と乳化活性とを併せ持つタンパク質を含む免疫賦活性乳化剤に関する。
界面活性剤は、医薬、化粧品、食品等、多くの産業分野において利用されている。界面活性剤のほとんどは石油資源に由来するが、レシチンやサポニンといった生物資源に由来する界面活性剤も利用されている。近年、石油の大量消費による環境破壊や石油資源の枯渇といった問題が深刻化しており、石油原料に依存しない生物資源を原料とした機能性物質への変換が迫られている。
生物資源に由来する界面活性剤の中でも、微生物によって生産されるものはバイオサーファクタントと呼ばれており、その研究が進められている。例えば、特許文献1には、赤色酵母を培養液中で培養して得られる糖タンパク質複合体を有効成分として含有してなる乳化剤が記載されている。また、特許文献1には、この乳化剤の糖量とタンパク質量とを求めたところ、糖とタンパク質とが約9対1の割合であることが記載されている。
一方で、生物資源より抽出精製されるβ-グルカンが、免疫賦活作用があることが知られている。β-グルカンは、大麦・小麦等の穀物類、キノコ類、酵母類などに含まれることが知られている。非特許文献1では、酵母由来のβ-グルカンが、大麦・小麦由来のβ-グルカンより免疫増進効果があることが記載されている。
特開2006-255692号公報
British Journal of Nutrition, Vol 109; 478-486, 2013
酵母由来成分に乳化活性を有する成分があることは報告されているが、その成分が何であるかは具体的には明らかにされていない。また、別の酵母由来成分であるβ-グルカンは、その免疫賦活性を利用して栄養機能食品等に用いられているが、免疫賦活性以外の点で当該製品に有用な活性として利用されているものではない。
本発明者は、乳化活性を有している生物由来成分に、さらに免疫活性を高める機能が付加されれば、乳化剤を使用する幅広い分野において機能性材料として有用となる点に着目した。本発明の目的は、生物由来物質を利用した、免疫賦活性を有する乳化剤を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、細胞壁タンパク質を細胞壁に固定するGPIアンカーの合成に関わるGUP1遺伝子を欠損させた酵母の培養液中に、免疫賦活性と乳化活性とを併せ持つタンパク質としてGASファミリータンパク質が分泌されることを見出した。さらに、GUP1遺伝子に加え、マンナン合成に関わるANP1遺伝子も併せて欠損させた酵母菌体を洗浄したときに細胞から遊離する物質に、免疫賦活性と乳化活性とを併せ持ち、且つGASファミリータンパク質よりも免疫賦活性が顕著に高いFBA1タンパク質を見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 真菌由来のFBA1タンパク質を含む、免疫賦活性乳化剤。
項2. 前記FBA1タンパク質が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(ii)配列番号1において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii)配列番号1と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかである、項1に記載の免疫賦活性乳化剤。
項3. 前記真菌が酵母である、項1又は2に記載の免疫賦活性乳化剤。
項4. 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエである、項3に記載の免疫賦活性乳化剤。
項5. 項1から4のいずれかに記載の免疫賦活性乳化剤と油分と水とを含む、免疫賦活性乳化組成物。
項6. 水中油型である、項5に記載の免疫賦活性乳化組成物。
項7. (i')配列番号1に示されるアミノ酸配列とアフィニティタグとを有するタンパク質、
(ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
の少なくともいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する工程、
前記形質転換された細胞の培養を行う工程、
培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する工程、及び
前記捕捉された発現タンパク質を回収する工程、
を含む、免疫賦活性乳化剤の製造方法。
本発明によれば、免疫賦活性と乳化活性とを併せ持つ真菌由来のタンパク質を用いることで、生物由来物質を利用した、免疫賦活性を有する乳化剤が提供されるため、乳化剤を用いる幅広い分野において機能性材料として適用することが可能となる。
実施例1において構築された、培養液中へFBA1タンパク質(Fba1p)を分泌発現するプラスミドpSP-G1(FBA1-His)の構造を示す。 実施例2において得られたFBA1タンパク質(Fba1p)の電気泳動結果である。 実施例2において得られたFBA1タンパク質(Fba1p)を含む画分の乳化活性試験結果である。 実施例2において得られたFBA1タンパク質(Fba1p)を含む画分の乳化活性の耐pH性についての試験結果である。 実施例2において得られたFBA1タンパク質(Fba1p)を含む画分の乳化活性の耐塩性についての試験結果である。 実施例2において得られた、FBA1タンパク質(Fba1p)の免疫賦活性試験の結果である。
[1.免疫賦活性乳化剤]
本発明の免疫賦活性乳化剤は、真菌由来のFBA1タンパク質を含む。FBA1タンパク質は、一種類のタンパク質が乳化活性と免疫賦活性とを併せ持つ。
[1-1.乳化活性及び免疫賦活性]
本発明のFBA1タンパク質が兼備する乳化活性及び免疫賦活性は、当該タンパク質が有する生理活性のうちの一部であるが、本発明のFBA1タンパク質の範囲を定める際に指標となる生理活性である。
本発明の免疫賦活性乳化剤によって発揮される乳化活性は、FBA1タンパク質を水中に含む水性液体に油を加えて混合することで、乳化物を得ることで確認することができる。乳化物は、ミセルの形成により確認することができる。本発明の免疫賦活性乳化剤は、例えば水中油滴型(O/W)のミセルを形成しやすい。なお、乳化活性の大小は、乳化相の体積によって判断することができる。FBA1タンパク質を水中に含む水性液体の量と油の量との割合によっては、混合直後に生じる乳化相が単相となる場合と、水性液体相及び/又は油相との複相となる場合とがある。混合直後に単相となる場合は、混合後の所定時間放置後に水性液体相及び/又は油相と分離される場合は、分離した乳化相の体積が大きいほど、乳化活性が高いと判断することができる。混合直後に複相となる場合は、混合直後の乳化相の体積が大きいほど、また、混合後の所定時間放置後における乳化相の体積が大きいほど、乳化活性が高いと判断することができる。なお、混合直後に単相となる場合に、混合後の所定時間放置しても水性液体相及び/又は油相と分離されず安定的に乳化層が単層のままで存在する場合、及びその他の乳化層体積の大小を判断できない場合は、ミセルのサイズが小さいほど、乳化活性が高いと判断することができる。
本発明の免疫賦活性乳化剤による乳化活性が発揮されるpH及び塩濃度は特に限定されない。当該乳化活性を発揮させるpHとしては、例えばpH2.5以上、好ましくはpH3.0以上、より好ましくはpH3.0~10.5、より好ましくはpH3.0~10.0が挙げられる。つまり、本発明の免疫賦活性乳化剤は、酸性からアルカリ性の広い範囲に亘って良好なpH耐性を有している。当該乳化活性を発揮させる塩濃度としては、塩化ナトリウム濃度として例えば0M超4M以下、好ましくは0M超3M以下、より好ましくは0M超2M以下又は0.5~2Mが挙げられる。つまり、本発明の免疫賦活性乳化剤は耐塩性でもある。
本発明の免疫賦活性乳化剤によって発揮される免疫賦活性は、免疫細胞を刺激することにより分泌されるサイトカイン量によって判断することができる。例えば、マクロファージ細胞を加えた培地に、本発明の免疫賦活性乳化剤を加えてインキュベートした後に、分泌されたTNF-αの量を測定することによって判断することができる。具体的には、FBA1タンパク質を50μg/mL濃度で加えた場合に、タンパク質を含まないバッファを同条件でインキュベートした場合におけるTNF-αの量を基準(1倍、重量基準)として、例えば25倍以上、好ましくは50倍以上であることを指標とすることができる。
乳化活性及び免疫賦活性のより具体的な測定方法については、本明細書の実施例の記載に従って行うことができる。
[1-2.由来生物(真菌)]
FBA1タンパク質の由来生物である真菌としては、酵母及び糸状真菌が挙げられ、好ましくは酵母が挙げられる。
酵母としては、出芽酵母つまりサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastrianus)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)などのサッカロマイセス属(Saccharomyces属);ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・アングスタ(Pichia angusta)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラマエ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・マイニュータ(Pichia minuta)などのピキア属(Pichia属);シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などのシゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces属);デッケラ・ブルキセレンシス(Dekkera bruxellensis)、デッケラ・アノマラ(Dekkera anomala)などのデッケラ属(Dekkera属);クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)などのクルイベロマイセス属(Kluyveromyces属)に属するものが挙げられる。上述の酵母の中でも、サッカロマイセス属に属する酵母が好ましく、出芽酵母つまりサッカロマイセス・セレビシエがより好ましい。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞の菌株としては、パン酵母、CBS 7959、CBS 7960、CBS 7961、CBS 7962、CBS 7963、CBS 7964、IZ-1904、TA、BG-1、CR-1、SA-1、M-26、Y-904、PE-2、PE-5、VR-1、BR-1、BR-2、ME-2、VR-2、MA-3、MA-4、CAT-1、CB-1、NR-1、BT-1、及びAL-1が挙げられる。
糸状真菌としては、トリコデルマ・リーセイ、トリコデルマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)トリコデルマ・ハリジアウム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)及びトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)などのトリコデルマ属;アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)などのアルペルギルス(Aspergillus)属;ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)などのニューロスポラ(Neurospora)属;フサリウム・グラニューム(Fusarium gramineum)、フサリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)などのフサリウム(Fusarium)属;クリソスポリウム・ラクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)などのクリソスポリウム(Chrysosporium)属に属するものが挙げられる。
[1-3.FBA1タンパク質]
FBA1タンパク質は、一種類のタンパク質が乳化活性と免疫賦活性とを併せ持つ。FBA1タンパク質は、解糖系の酵素の一種であり、糖新生においてグリセルアルデヒド3-リン酸(G3P)によるジヒドロキシアセトンリン酸(DHAPまたはグリセリンリン酸)のアルドール縮合を触媒してフルクトース1,6-ビスホスフェート(FBP)を形成し、解糖における逆反応を触媒する。FBA1タンパク質は、主に細胞内に局在し、その一部は細胞表面に存在することは知られているものである。しかし、FBA1タンパク質は細胞外に分泌されることは知られていないタンパク質であり、また、免疫賦活性との関係についても知られていない。無論、FBA1タンパク質と乳化活性との関係についても知られていない。
FBA1タンパク質は配列番号(UniprotKBアクセッション番号P14540)に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質であってよい。本発明においては、FBA1タンパク質としては配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質のみならず、乳化活性及び免疫賦活性を備えていれば、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されていてもよい。
より具体的には、FBA1タンパク質としては、以下の(i)~(iii)の少なくともいずれかが挙げられる。
(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
(ii)配列番号1において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とをするタンパク質、及び
(iii)配列番号1と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質。
本明細書において、「1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換された」とは、部位特異的突然変異誘発法等の周知の方法により、または天然に生じ得る程度の複数個の数のアミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味する。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1~30個、より好ましくは1~10個、さらに好ましくは1~4個、最も好ましくは1~2個である。改変アミノ酸配列の例は、好ましくは、そのアミノ酸が、1または複数個(好ましくは、1~数個若しくは1、2、3、または4個)の保存的置換を有するアミノ酸配列であることができる。ここで、「保存的置換」とは、1若しくは複数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことができる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
また、本明細書において「70%以上の相同性を有するアミノ酸配列」は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列であることができる。さらに、本明細書においてアミノ酸配列についての「相同性」は、比較される配列間において、各々の配列を構成するアミノ酸残基の一致の程度の意味で用いられる。本明細書において示した「相同性」の数値はいずれも、当業者に公知の相同性検索プログラムを用いて算出される数値であればよく、例えばFASTA、BLAST等においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、容易に算出することができる。
なお、FBA1タンパク質は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化等により修飾されたものであってもよい。また、FBA1タンパク質は、製造工程上で付与されたアフィニティタグを有するものであってもよい。
[1-4.用途]
本発明の免疫賦活性乳化剤は、免疫賦活性を有するバイオサーファクタントであるため、乳化剤を用いる幅広い分野において安全性の高い機能性材料として適用できる。例えば、食品、化粧品、医薬品等に用いることができる。
[2.免疫賦活性乳化組成物]
本発明の免疫賦活性乳化組成物は、上述の本発明の免疫賦活性乳化剤と油分と水とを含む。免疫賦活性乳化組成物の具体例としては、食品組成物、化粧料組成物、医薬組成物等が挙げられる。なお、免疫賦活性乳化組成物において、免疫賦活性乳化剤によって形成されるミセルのタイプは特に限定されないが、当該免疫賦活性乳化剤は、水中油型(O/W)のミセルを形成しやすい。
免疫賦活性乳化組成物において、免疫賦活性乳化剤の含有量としては、乳化相を生じさせ(つまりミセルを形成させ)る程度の乳化活性と免疫賦活性とを発揮させる限り特に限定されず、例えば5μg/mL以上であってよい。より具体的には、例えば8μg/mL以上、好ましくは10μg/mL以上、より好ましくは15μg/mL以上、より一層好ましくは20μg/mL以上、さらに好ましくは30μg/mL以上、さらに一層好ましくは40μg/mL以上が挙げられる。良好な耐塩性を得るために好ましい免疫賦活性乳化剤の濃度としては、たとえば20μg/mL以上、好ましくは30μg/mL以上、より好ましくは35μg/mL以上、さらに好ましくは40μg/mL以上が挙げられる。本発明の免疫賦活性乳化剤は、乳化活性及び免疫賦活性のいずれにも優れているため免疫賦活性乳化組成物中における含有量の上限としては特に限定されないが、例えば1g/mL以下、900μg/mL以下、500μg/mL以下、300μg/mL以下、又は100μg/mL以下が挙げられる。
[2-1.食品組成物]
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む食品組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、食品組成物を乳化形態とするとともに、例えば腸管免疫を高める機能を備えさせる等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該食品組成物は、腸管免疫増強用といった機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品(サプリメント)、病者用食品等において有用である。
当該食品組成物の形態については、乳化組成物の形態である限り特に限定されない。例えば、液状体、ゲル状体、それらの冷凍物等が挙げられる。具体的には、飲料(炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、果汁飲料、茶類、栄養飲料等)、菓子類(チョコレート、グミ、ゼリー、ガム、キャンディー等)、乳製品(ヨーグルト、プリン、アイスクリーム等)、調味料(マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)等の一般食品の形態が挙げられる。また、ソフトカプセル剤、液剤、シロップ剤等の形態も挙げられる。
本発明の免疫賦活性乳化剤は、耐pH性且つ耐塩性であるため、酸性を含む広いpH(例えばpH3.0以上、好ましくはpH3.0~10.0)及び/又は高塩濃度を含む広い塩濃度(塩化ナトリウム濃度として例えば好ましくは0M超3M以下、より好ましくは0M超2M以下又は0.5~2M)の食品組成物において有用である。従って、酸性(例えば3.0~6.0、好ましくは3.0~5.0)及び/又は高塩濃度を含む広い塩濃度(塩化ナトリウム濃度として例えば好ましくは0M超3M以下、より好ましくは0M超2M以下又は0.5~2M)の食品組成物においても有用である。このような食品組成物としては、例えば、乳化型酸性食品(果汁飲料、ヨーグルト、マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)、乳化型高塩濃度食品(清涼飲料水、栄養飲料、マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)が挙げられ、好ましくは、乳化型酸性高塩濃度食品(マヨネーズ、ソース、ケチャップ、ドレッシング等)が挙げられる。
当該食品組成物には、食品衛生学的に許容される基材や担体を含んでよく、更に必要に応じて、甘味料、酸味料、ゲル化剤、緩衝剤、保存剤、pH調節剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、粘稠剤、矯臭剤、香料、色素等の食品衛生学的に許容される添加剤を含有していてもよい。
[2-2.化粧料組成物]
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む化粧料組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、化粧料組成物を乳化形態とするとともに、例えば外皮下にある免疫細胞を活性化する機能等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該化粧料組成物は、皮膚外用医薬部外品、化粧料、皮膚洗浄料等において有用である。
当該化粧料組成物の形態については、乳化組成物の形態である限り特に限定されない。例えば、液状体及びゲル状体等が挙げられる。具体的には、皮膚外用医薬部外品の場合、例えば、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、乳液剤、液剤、貼付剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤等が挙げられ;化粧料の場合、例えば、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、乳液剤、液剤、軟膏剤、パック剤、入浴剤等が挙げられ;皮膚洗浄料の場合、例えば、石鹸、クレンジング、洗顔料、ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、リンス等が挙げられる。
本発明の免疫賦活性乳化剤は、耐pH性であり、酸性からアルカリ性を含む広いpH(例えばpH3.0以上、好ましくはpH3.0~10.5、より好ましくはpH3.0~10.0)の化粧料組成物においても有用である。このような化粧料組成物としては、例えば、酸性化粧料(収斂化粧水、ピーリング用化粧水、ピーリング用皮膚洗浄料)、中性化粧料、及びアルカリ性化粧料(石鹸等のアルカリ性皮膚洗浄料)等が挙げられる。
当該化粧料組成物には、香粧学的に許容される基材や担体を含んでよく、更に必要に応じて、緩衝剤、保存剤、pH調節剤、湿潤化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、粘稠剤、矯臭剤、香料、色素等の香粧学的に許容される添加剤を含有していてもよい。
[2-3.医薬組成物]
本発明の免疫賦活性乳化剤を含む医薬組成物は、当該免疫賦活性乳化剤の作用に基づいて、医薬組成物を乳化形態とすると共に、例えば薬理活性成分による抗原性を増強させる機能、腸管免疫を高める機能、外皮下にある免疫細胞を活性化する機能等の免疫賦活性を発揮することができる。従って、当該医薬組成物は、ワクチン製剤、経口医薬品、皮膚外用医薬品等において有用である。当該医薬組成物においては、本発明の免疫賦活性乳化剤以外に他の薬理活性成分を含んでよい。
当該医薬品組成物の形態については、乳化組成物の形態である限り特に限定されない。例えば、液状体及びゲル状体等が挙げられる。具体的には、ワクチン製剤の場合、抗原(水)相と油性アジュバント相とを本発明の免疫賦活性乳化剤で乳化した乳化組成物であり、例えば、注射剤、経鼻投与剤、経口剤等が挙げられ;経口医薬品の場合、液剤、シロップ剤等が挙げられ;皮膚外用医薬品の場合、例えば、クリーム剤、ローション剤、ジェル剤、乳液剤、液剤、貼付剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤等が挙げられる。
当該医薬品組成物には、薬学的に許容される基材や担体を含んでよく、更に必要に応じて、緩衝剤、保存剤、pH調節剤、湿潤化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、無痛化剤、粘稠剤、矯臭剤、香料等の薬学的に許容される添加剤を含有していてもよい。
[3.免疫賦活性乳化剤の製造方法]
上述の本発明の免疫賦活性乳化剤の製造方法としては特に限定されず、FBA1タンパク質を生じさせることができるあらゆる方法が用いられる。
[3-1.特定遺伝子の欠損株の培養による例]
例えば、真菌(酵母)の特定の遺伝子欠損株を培養することにより得ることができる。具体的には、FBA1タンパク質は、GUP1遺伝子及びANP1遺伝子の二重欠損株を培養する。培養は、ソルビトール等の浸透圧保護剤を添加して浸透圧を保護した条件で行うことが好ましい。培養後に得られた菌体をリン酸緩衝生理食塩水等に懸濁させ、懸濁液を遠心し、遠心上清を精製することでFBA1タンパク質を取得することができる。
[3-2.アフィニティタグを有する融合タンパク質の発現による例]
また、FBA1タンパク質はアミノ酸配列が公知であるため、例えば精製用のアフィニティタグが結合したFBA1タンパク質を融合タンパク質として発現可能な発現ベクターを構築し、宿主細胞に導入し、当該融合タンパク質を発現させることによって製造することができる。
具体的には、免疫賦活性乳化剤の製造方法は、FBA1のアミノ酸配列とアフィニティタグ配列とを有するタンパク質(融合タンパク質)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する工程1と;前記形質転換された細胞の培養を行う工程2と;培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する工程3と;前記捕捉された発現タンパク質を回収する工程4と、を含む。
[3-2-1.工程1]
工程1では、FBA1のアミノ酸配列とアフィニティタグ配列とを有するタンパク質(融合タンパク質)をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する。
[アフィニティタグ]
FBA1タンパク質に結合させるアフィニティタグは、そのアフィニティタグに対応する(特異的な)担体と選択的に結合できる限り、どのようなアフィニティタグも用いることができる。例えば、アフィニティタグとしては、ニッケルキレートカラムに選択的に結合可能な2つ以上の連続するヒスチジン残基からなるヒスチジンタグ、不溶性セルロースに選択的に結合するセルロース結合部位、マルトース結合樹脂に選択的に結合するマルトース結合部位などが挙げられ、好ましくは、分子量の小さいヒスチジンタグが挙げられる。
アフィニティタグは、FBA1タンパク質に直接的又は間接的に結合させてよい。FBA1タンパク質に間接的に結合させる場合においては、FBA1タンパク質の乳化活性及び免疫賦活性を大きく阻害するものでなければ、どのようなリンカー配列が介在していても構わない。
[融合タンパク質]
FBA1タンパク質にアフィニティタグが結合した融合タンパク質において、アフィニティタグはFBA1タンパク質のカルボキシル末端に結合していることが好ましい。融合タンパク質のアミノ酸配列としては、具体的には以下が挙げられる。
(i')配列番号1に示されるアミノ酸配列と、前記アミノ酸配列のカルボキシル末端側にアフィニティタグとを有するタンパク質、
(ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列と、前記アミノ酸配列のカルボキシル末端側にアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
(iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列と、前記アミノ酸配列のカルボキシル末端側にアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質。
[融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド]
このような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、当該融合タンパク質のアミノ酸配列をコードするものであれば、どのような塩基配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドは、好ましくはDNAである。
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを得る方法としては特に限定されないが、例えば、人工的に化学合成することにより得ることができる。
また、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、FBA1タンパク質をコードする遺伝子の配列に基づいて設計されたプライマーと、FBA1タンパク質をコードする遺伝子の配列に基づき且つアフィニティタグをコードする配列を有するプライマーと、を用い、ゲノムDNA、cDNA、プラスミドなど当該遺伝子が含まれるDNAを鋳型としたPCRにより増幅することもできる。
さらに、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、FBA1タンパク質をコードするポリヌクレオチドとアフィニティタグをコードするポリヌクレオチドとをそれぞれ別々に構築し、それらを連結することにより得ることもできる。この場合、FBA1タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、FBA1タンパク質をコードする遺伝子の配列に基づいて設計されたプライマーを用いて、ゲノムDNA、cDNA、プラスミドなど当該遺伝子が含まれるポリヌクレオチドを鋳型としたPCRにより増幅することができ、一方、アフィニティタグをコードするポリヌクレオチドは、アフィニティタグをコードする遺伝子が含まれるゲノムDNA、cDNA、プラスミドなどを鋳型としたPCRにより増幅することができる。
[発現ベクター及び発現ベクターにより形質転換された宿主細胞]
融合タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを、宿主細胞内で複製可能で、かつ、そのDNA配列がコードするタンパク質を発現可能な状態で含む発現ベクターを構築する。発現ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の独立体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しない、例えば、プラスミドを基本に構築することができる。また、発現ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、その宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。ベクター構築の手順及び方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
発現ベクターは、これを実際に宿主細胞に導入して融合タンパク質を発現させるために、前記の融合タンパク質をコードするDNAの他に、その発現を制御するDNA配列や形質転換された宿主細胞を選択するための遺伝子マーカー等を含んでいるのが望ましい。発現を制御するDNA配列としては、プロモータ、及びターミネーターをコードするDNA配列等がこれに含まれる。プロモータは宿主細胞において転写活性を示すものであれば特に限定されず、宿主細胞と同種若しくは異種のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の発現を制御するDNA配列として得ることができる。例えば、プロモータとしてGAL1プロモータ及びPGK1プロモータ等が挙げられ、好ましくはPGK1プロモータが挙げられる。
宿主細胞は特に限定されず、真菌(酵母、糸状菌)、大腸菌、放線菌等が挙げられるが、好ましくは真菌が挙げられ、より好ましくは酵母が挙げられる。また、発現ベクターによる宿主細胞の形質転換も、この分野で慣用されている方法に従い当業者が適宜実施することができる。
[3-2-2.工程2~工程4]
工程2では、形質転換された細胞の培養を行う。融合タンパク質を発現する宿主細胞は、適当な培地で培養し、その培養物から融合タンパク質を得ることができる。融合タンパク質を発現させる宿主細胞の培養条件は、使用させる宿主細胞についての培養条件と本質的に同等であってよい。融合タンパク質は、発現する宿主細胞中に発現する。
工程3では、培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する。培養された細胞の抽出液は、水系液中に、培養された細胞から遊離した融合タンパク質を含むものであればよく、当業者によって適宜調製される。例えば、培養された細胞を緩衝液等の洗浄液に懸濁させて、洗浄液中に融合タンパク質を遊離させ、必要に応じてさらに遠心分離を行うことによって、上清として調製することができる。培養された細胞の抽出液は、融合タンパク質が有するアフィニティタグに対応する(特異的な)担体に接触させられ、これによって抽出液中の融合タンパク質が捕捉される。例えばアフィニティタグとしてヒスチジンタグを採用した場合は、担体としてニッケルキレートカラムを用いることとなる。
工程4では、捕捉された発現タンパク質を回収する。具体的には、アフィニティタグに特異的な担体で捕捉した融合タンパク質を溶出させることで選択的に回収(精製)する。融合タンパク質を溶出させるための溶出液は、融合タンパク質のアフィニティタグ及び担体に応じて、融合タンパク質を変性させない条件を当業者が適宜選択することができる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[FBA1タンパク質(Fba1p)の製造-1]
マンナン合成に関わるANP1遺伝子と細胞壁タンパク質を細胞壁に固定するGPIアンカーの合成に関わるGUP1遺伝子とを欠損させた株を用い、0.6 Mソルビトールを添加して浸透圧を保護した条件で培養後、遠心分離(3000xG, 5分)により菌体を得た。得られた菌体を、リン酸緩衝生理食塩水PBSに懸濁させて、細胞表層成分の一部を細胞から遊離させた。この懸濁液を遠心分離し、得られた遠心上清にケロシン油を添加すると、ミセルが形成される乳化現象が観察された。
遠心上清を陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより分離し、乳化活性を有する画分を中心に、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。その結果、乳化活性画分中の主成分を回収し、質量分析により解析した。その結果、回収したタンパク質をFBA1タンパク質として同定した。
実施例2
[FBA1タンパク質(Fba1p)の製造-2]
(培養液中へFba1pを分泌発現するプラスミドpSP-G1(FBA1-His)の構築)
FBA1タンパク質(Fba1p)を発現させるために、強力なプロモータ(PGK1プロモータ)の下流にFBA1遺伝子を繋いだプラスミドpSP-G1(FBA1-His)を構築した。このプラスミドpSP-G1(FBA1-His)は、具体的には以下のように、酵母染色体から取得したFBA1遺伝子を、pSP-G1プラスミド(酵母遺伝資源センターより分譲)に組み込んで構築した。
Fba1pは、配列番号1からなり、以下に示すプライマーを用いてその遺伝子を酵母染色体からPCRにより取得した。フォワードプライマー及びリバースプライマーは、いずれも5’末端側に制限酵素認識配列を付加し、リバースプライマーには、制限酵素認識配列に終始コドンを挟んでさらにアフィニティタグ(ヒスチジンタグ;6×His)配列を付加するようにデザインした。
Figure 0007257021000001
上記のプライマーを用いた酵母染色体のPCRにより、FBA1遺伝子にヒスチジンタグ(6×His)が付加され、且つ両端に制限酵素認識部位を有する線状ポリヌクレオチドをPCR産物として得た。当該PCR産物及びpSP-G1プラスミドを制限酵素で処理することで粘着末端を生じさせ、両者をライゲーションにより連結し環状化させた。これによって、培養液中へFba1pを分泌発現するプラスミドpSP-G1(FBA1-His)を構築した。プラスミドpSP-G1(FBA1-His)の構造を図1に示す。プラスミドpSP-G1(FBA1-His)は、URA3を栄養要求性マーカーに持ち、Fba1pのORFをPGK1プロモータにより発現する。
(発現誘導及び発現Fba1pの精製)
構築したプラスミドpSP-G1(FBA1-His)を、酵母Saccharomyces cerevisiae BY4741を宿主として組み込んだ。このようにして得られた形質転換体を、グルコースを炭素源とする培地で培養し、Fba1pを発現させた。培養後、遠心分離によって上清を除去し菌体を回収した。
菌体をPBSに懸濁し、懸濁液を遠心分離に供した後、遠心上清からFba1を精製した。遠心上清からのFba1pの精製には、HisTrap HP, 1 mL (Amersham Biosciences, 現GEヘルスケア バイオサイエンス)を用いた。カラムを平衡化させるため、Binding buffer(20 mMリン酸緩衝液(pH 7.4) + 30 mM Imidazole + 500mM NaCl)を5 mL通した。カラムに培養上清10 mLを通し、Fba1pをヒスチジンタグを介して捕捉した。さらに洗浄のため、カラムにBinding bufferを12 mL通した。捕捉したFba1pを溶出させるため、カラムに溶出用液Elution buffer(20 mMリン酸緩衝液(pH 7.4) + 500 mM Imidazole + 500mM NaCl)を4 mL通した。溶出したFba1p含有液画分は、500 μLずつ1.5 mLチューブに回収した。
[FBA1タンパク質の発現確認試験(電気泳動及びウェスタンブロッティング)]
FBA1タンパク質(Fba1p)の発現を確認するため、培養上清(精製前)とHis-Tag精製後の溶出液を、SDS-PAGE及びウェスタンブロッティングに供した。
<使用試薬-SDS-PAGE (銀染色)>
Acetic acid (WAKO, 特級)
Methanol (WAKO, 特級)
2D-銀染色試薬・II (コスモバイオ)
(a)固定化剤 : チオ尿素
(b)前処理剤 : ジチオスレイトール、グルタルアルデヒド、チオ尿素
(c)染色液A : 硝酸銀
(d)染色液B : 水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム
(e)現像原液 : クエン酸、ホルムアルデヒド、チオ硫酸ナトリウム
(f)停止液 : クエン酸
2×Sample buffer(0.125 M Tris-HCl, 10% 2-Mercaptoethanol, 4% SDS, 10% Sucrose, 0.04 mg/mL Bromophenol blue)
10×Running buffer
30% Acrylamide mixture (10%ポリアクリルアミドゲルの作成に使用)
WIDE-VIEW TM Prestained Protein Size Marker III (SDS-PAGE用マーカー, WAKO)
<使用試薬-ウェスタンブロッティング>
10×TBS-T (希釈して使用)
100 mM Tris-HCl (pH 7.5)
1 M NaCl (WAKO, 特級)
0.5% Tween20 (WAKO)
1×Anode I
300 mM Tris-HCl (pH 10.4)
10% MeOH (WAKO, 特級)
1×Anode II
25 mM Tris-HCl (pH 10.4)
10% MeOH (WAKO, 特級)
1×Cathode
25 mM Tris-HCl (pH 9.6)
40 mM Glysine (WAKO, 特級)
10% MeOH (WAKO, 特級)
5%スキムミルク(WAKO, 生化学用)
一次抗体(Anti-His-tag mAb, IgG/Mouse, amg/mL, MBL)
Solution I (Signal(R) Immunoreaction Enhancer Solution, TOYOBO)
二次抗体(Anti-Mouse IgG-Alkaline Phosphatase antibody produces in goat)
Solution II (Signal(R) Immunoreaction Enhancer Solution, TOYOBO)
BCIP-NBT溶液キット(nacalai tesque)
カラーマーカー(Precision Plus Protein Standards, BIO RAD)
<使用器具>
PVDFメンブレン(Immonilon-P, 0.45 μm, 20 cm × 20 cm, Millipore)
濾紙(No. 1, 240 mm, ADVANTEC)
<実験手順-SDS-PAGE及び銀染色>
10 μLの細胞抽出液(精製前)と10 μLのHis-Tag精製後のElution buffer溶出液(第1画分として0~0.5mL画分、第2画分として0.5~1.0mL画分、第3画分として1.0~1.5mL画分、及び第4画分として1.5~2.0 mL画分)をそれぞれ1.5 mLチューブに分注した。
当該1.5 mLチューブに、さらに前述した2×Sample buffer10 μLを加え、ウォーターバスで変性処理(95℃, 5分)を行った。10%ポリアクリルアミドゲルにサンプルを20μLずつアプライした。WIDE-VIEW TM Prestained Protein Size Marker IIIを3 μLアプライし、電気泳動(50 mA, 約75分)を行った。
メタノール25 mL、酢酸5 mL、純水20 mLを混合した(固定液I)。ゲルを固定液Iに浸し、振盪(10分)した。メタノール15 mL、酢酸5 mL、(a)固定化剤2.5 mL、純水27.5 mLを混合した(固定液II)。固定液Iを捨て、ゲルを固定液IIに浸して振盪(15分)した。メタノール25 mL、(b)前処理剤2.5 mL、純水22.5 mLを混合した(前処理液)。固定液IIを捨て、ゲルを前処理液に浸して振盪(10分)した。前処理液を捨て、ゲルを純水50 mLに浸して振盪(5分)した。(c)染色液A 2.5 mL、(d)染色液B 2.5 mL、純水45 mLを混合した(銀染色液)。純水を捨て、ゲルを銀染色液に浸して振盪(15分)した。銀染色液を回収し、純水50 mLで2分間、計3回洗浄した(銀染色液は塩酸を加えて塩化銀にしてから、廃液として回収した)。(e)現像原液2.5 mL、純水47.5 mLを混合した(現像液)。純水を捨て、ゲルを現像液に浸して振盪した。適度なバンドが確認できたら、(f)停止液を2.5 mL加えて振盪した。反応が停止したら、ゲルを水で5分程度2、3回洗浄した。その後、ゲルを観察した。
<実験手順-ウェスタンブロッティング>
上述と同様にSDS-PAGEによる電気泳動を行い、以下のようにして、His抗体を用いて、Fba1pをHisタグを介して検出することによりその存在を確認した。ゲルのサイズより一回り大きいPVDFメンブレン(80 mm × 90 mm)を用意し、100% MeOHに20秒浸して親水化し、その後すぐに純水に浸した。3つのプラスチック容器に、1×Anode I、1×Anode II、1×Cathodeを加え、それぞれ4・2・6枚の濾紙(80 mm × 90 mm)を浸した。SDS-PAGE後、新しいプラスチック容器に1×Cathodeを加え、ゲルを浸した。セミドライ式転写装置の陽極にAnode Iの濾紙、Anode IIの濾紙、メンブレン、ゲル、Cathodeの濾紙を順に重ねた。泡が入らないように濾紙の上に次の溶液をマイクロピペットで少量撒いた。陰極を重ね、泡を抜くように陰極を手の平で押した。陰極の上に1 kg程度の重りを置き、転写を行った(60 mA, 110分)。メンブレンのマーカーと余分な部分を切り取り、表裏が分かるよう左上に切れ込みを入れた。メンブレンのサイズに合わせた容器をパラフィルムで作り、5%のスキムミルク溶液20 mLを用いてブロッキングを行った(一晩振盪, 4℃)。20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回, 液はアスピレーターでよく取り除く)。一次抗体をSolution Iで1000倍希釈したもの5 mLをメンブレンに撒き、振盪(1 h)した。その後20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回)。二次抗体をSolution IIで5000倍希釈したもの5 mLをメンブレンに撒き、振盪(30分)した。その後、20 mLの1×TBSTでメンブレンを洗浄した(5分振盪, 3回)。BCIP-NBT溶液キットの緩衝液5 mLと発色原液50 μLとを直前に混合し、メンブレンに添加し、目的の位置に青紫色のバンドが現れるまで振盪した。適度に染色されたら、すぐに純水でメンブレンを洗浄し、反応を停止させた。その後、メンブレンを観察した。
銀染色の結果とウェスタンブロッティングの結果とを図2に示す。図2において、左のゲル写真は銀染色の結果であり、右のゲル写真はウェスタンブロッティングの結果である。図2においては、プラスミドpSP-G1(FBA1-His)で形質転換した酵母Saccharomyces cerevisiae (BY4741)の培養上清の各分画(溶出分画1~3)に加え、精製前分画、スルー分画及び洗浄分画も併せて示している。最左レーンはタンパク質サイズマーカーである。図2に示すように、精製前分画と、プラスミドpSP-G1(FBA1-His)で形質転換した酵母の培養上清の各画分(溶出分画1~3)のうちの溶出分画2とにFba1pの存在が確認された。
[乳化活性試験]
精製前分画(Fba1p精製前)及び溶出分画2(Fba1p精製後)それぞれから、Fba1p濃度が5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、75μg/mL及び100μg/mLを含む画分を調製した。画分それぞれのFba1p濃度は、BCA法によって測定した。これらのFba1p含有画分(Fba1p水溶液)に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。その結果を図3に示す。図3に示すように、精製前分画(Fba1p精製前)及び溶出分画2(Fba1p精製後)のすべてに対して乳化相が生じた。乳化相が占める体積に着目すると、溶出分画2(Fba1p精製後)の方が乳化活性に優れていることが確認され、これらの中でも、10μg/mL以上である場合に好ましい乳化活性が確認され、20μg/mL以上である場合により好ましい乳化活性が確認され、30μg/mL以上である場合にさらに好ましい乳化活性が確認された。40μg/mL以上の場合においても、濃度に応じて乳化活性が好ましく得られる傾向が確認された。
なお、Fba1pによる乳化相(1時間静置後)を、1 mL程度の水に滴下すると、乳化相は広がりうすめられた。一方、Fba1pによる乳化相(1時間静置後)を1 mL程度のケロシン油に滴下すると、乳化相はケロシン油中で液滴を形成した。これらの結果から、Fba1pによる乳化相のエマルジョンの型は水中油滴(O/W)型であると判明した。
[pH耐性試験]
Fba1pを含む培養上清をヒスタグラムカラム精製に供し、精製画分とpHが異なるクエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、Tris-HCl緩衝液、及び炭酸-重炭酸緩衝液とを用い、Fba1pを20μg/mL又は40μg/mLの濃度で含み且つpHが異なる水溶液を調製した。得られた水溶液のpHは、3.0、4.0、5.0(クエン酸緩衝液を用いた場合);6.0、7.0(リン酸緩衝液を用いた場合);8.0、9.0(Tris-HCl緩衝液を用いた場合);及び10(炭酸-重炭酸緩衝液を用いた場合)であった。これらのFab1水溶液に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。
結果を図4に示す。図4に示すように、いずれのFba1p濃度及びいずれのpHでも乳化相が確認されており、乳化活性が確認された。乳化相が占める体積はpHに影響されていないため、Fab1が極めてpH耐性に優れていることが確認できた。
[塩耐性試験]
Fba1pを含む培養上清をヒスタグラムカラム精製に供し、精製画分と塩化ナトリウムとを用い、Fba1pを20μg/mL又は40μg/mLを含み且つ塩化ナトリウム濃度が異なる水溶液を調製した。得られた水溶液における、精製画分に添加した塩化ナトリウムの終濃度は、0M、1M、2M及び3Mであった。これらのFab1水溶液に、その半分の体積のケロシン油を加え、30秒ボルテックスした。
結果を図5に示す。図5に示すように、いずれのFba1p濃度及びいずれの塩化ナトリウム濃度でも乳化相が確認されており、乳化活性が確認された。本試験に供されたFba1p水溶液は、その調製に用いられたFba1p精製画分に予め含まれていた塩の量を考慮すると、図5中に示された濃度よりも高い塩濃度を有しているが、少なくとも、3M以下で乳化活性が得られ、2M以下でより好ましい乳化活性が得られたことが認められる。
[免疫賦活性試験]
溶出画分2を、溶出用液を用いてFBA1タンパク質(Fba1p)が所定濃度(10μg/mL、25μg/mL及び50μg/mL)となるように調製したFba1p含有液と;比較用に、免疫賦活性と乳化活性との両方を有するタンパク質として本発明者が別途見出したGAS1タンパク質(Gas1p、UniprotKBアクセッション番号P22146)を、同様の方法で溶出用液を用いて所定濃度(10μg/mL、25μg/mL及び50μg/mL)となるように調製したGas1p含有液、β-グルカンが溶出用液中に所定濃度(50μg/mL、250μg/mL、及び500μg/mL)となるように均一分散させたβ-グルカン含有液、リン酸緩衝液、及び実施例2で用いた培地と、を試験サンプルとして用い、これら試験サンプルに対し、以下のようにしてマクロファージ活性化能(TNF-α分泌量)の測定を行った。なお、試験サンプル中のFba1p等のタンパク質濃度は、BCA法によって測定した。
継代培養したマクロファージ細胞を、遠心分離により回収し、新しいRPMI-1640培地に懸濁し、細胞濃度を1.0 x 106 cells/mLに調整した。細胞懸濁溶液を500μLずつ24穴の細胞培養プレートにまき、24時間、37℃、5% CO2下で培養した。その後、培地を除き細胞に新しいRPMI-1640培地437.5μLと試験サンプル62.5μLとを加えて混合した。6時間インキュベートした後、遠心分離(4℃, 3000 × g, 5分)により上清を回収した。ELISAキット(Quantikine Mouse TNF-α ELISA kit, R&D Systems)を用いて、マクロファージによって分泌され上清に含まれるTNF-α量を測定した。TNF-αのstandardを用いて検量線を作成し、サンプル中のTNF-α量を算出した。なお、ELISAの操作はキットに記載されている方法に従った。結果を図6に示す。図6において、縦軸は、TNF-αの量(pg/mL)を示す。
図6に示すように、比較用のリン酸緩衝液(buffer)に比べ、Fba1p含有液で刺激した場合において、TNF-αの分泌量の明らかな増加が認められた。また、免疫賦活性を有することが知られているβ-グルカン濃度が50μg/mLである場合と、Fba1p濃度が50μg/mLである場合とで比較した場合においても、Fba1pによるTNF-αの分泌量がはるかに高い(免疫賦活性がはるかに高い)ことが確認された。さらに、免疫賦活性と乳化活性との両方を有するGas1pが50μg/mLである場合と、Fba1p濃度が50μg/mLである場合とで比較した場合においても、Fba1pによるTNF-αの分泌量が顕著に高い(免疫賦活性が顕著に高い)ことが確認された。
配列番号2及び3は、プライマーである。

Claims (6)

  1. 真菌由来のFBA1タンパク質を含む、乳化剤であって、
    免疫賦活剤として用いられ、且つ、
    前記FBA1タンパク質が、
    (i)配列番号1に示されるアミノ酸配列、
    (ii)配列番号1において、1~30個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
    (iii)配列番号1と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
    の少なくともいずれかである、乳化剤。
  2. 前記真菌が酵母である、請求項1に記載の乳化剤。
  3. 前記酵母がサッカロマイセス・セレビシエである、請求項2に記載の乳化剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の乳化剤と油分と水とを含み、免疫賦活に用いられる、乳化組成物。
  5. 水中油型である、請求項4に記載の乳化組成物。
  6. (i')配列番号1に示されるアミノ酸配列とアフィニティタグとを有するタンパク質、
    (ii')配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1~30個のアミノ酸残基が欠失、付加、挿入若しくは置換されたアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質、及び
    (iii')配列番号1に示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列とアフィニティタグとを有し、且つ乳化活性と免疫賦活性とを有するタンパク質
    の少なくともいずれかのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターによって形質転換された細胞を作成する工程、
    前記形質転換された細胞の培養を行う工程、
    培養された細胞の抽出液を、前記アフィニティタグに特異的な担体に接触させ、発現タンパク質を捕捉する工程、及び
    前記捕捉された発現タンパク質を回収する工程、
    を含む、免疫賦活性乳化剤の製造方法。
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