JPH10179182A - 分散安定剤および分散安定方法 - Google Patents

分散安定剤および分散安定方法

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JPH10179182A
JPH10179182A JP8356844A JP35684496A JPH10179182A JP H10179182 A JPH10179182 A JP H10179182A JP 8356844 A JP8356844 A JP 8356844A JP 35684496 A JP35684496 A JP 35684496A JP H10179182 A JPH10179182 A JP H10179182A
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JP
Japan
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yeast
dispersion
fine particles
positive
cells
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JP8356844A
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Takahide Kasai
隆秀 笠井
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粒子の分散安定性に優れる分散安定剤およ
び微粒子の分散安定方法を提供する。 【解決手段】 酵母菌体をアルカリ水溶液で抽出して得
られる次の性質を有する微粒子を分散させるための分散
安定剤。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子を分散させ
るための(水系)分散安定剤、および微粒子の分散安定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子を分散させる技術は、様々な分野
で重要な技術である。
【0003】顔料を例にとって考えると、このものを油
系溶媒に分散させるには、適切な極性の溶剤を選択した
り、あるいは官能基の付与などを行えば容易に分散が可
能で、油系溶媒に分散させる技術そのものは成熟してい
ると言える。
【0004】ところが、近年、成層圏オゾン層破壊防止
と地球温暖化および対流圏オゾンの増加傾向による光化
学オキシダント防止のための国際的取り組みに端を発
し、世界的規模でオゾン層破壊物質と揮発性炭化水素の
規制措置がとられている。例えば塗料及び印刷インキは
有機溶剤多用型産業であるため、水性化および無溶剤化
に社会的要求が急速に高まりつつある。
【0005】ただし、現在のところ、水系の溶媒に分散
させる技術は油系に比べて未成熟でハードルは高く、塗
料の分野でも水系エマルジョン塗料などごく少数に限ら
れているのが現状である。その理由としては、水系、油
系の溶媒に分散が困難とされる微粒子、例えばフタロシ
アニンブルーなどの有機顔料の場合、濡れ性、流動性、
分散安定性の全ての面で効果がなければ高濃度分散は困
難であるということが挙げられる。
【0006】一般に、市販の乳化剤機能は分子量が10
00未満のものをさすが、これらは顔料分散の場合、期
待できる効果は濡れ性の向上しかない。従って、水系の
溶媒に高濃度分散が困難な微粒子を高濃度に分散させる
ためには、微粒子の表面処理(例えば官能基の付与な
ど)を施した誘導体の作製や、市販の界面活性剤や天然
物由来の多糖類などの使用により分散させる等の手法が
考えられる。ところが、上記誘導体の作製や有機合成由
来の界面活性剤の使用はコストの面からも高いという問
題点がある。また、顔料分散剤に天然物由来の多糖類を
用いるのは流動性、分散安定性の点でデメリットがある
ことは公知の事実である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような実状のもと
に、本発明は創案されたものであって、その目的は、上
記の従来技術の問題を克服し、微粒子の分散安定性に優
れる(水系)分散安定剤および微粒子の分散安定方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母菌体より独自
の処理を施して得られた水溶性画分に、微粒子を安定に
分散させる分散安定剤としての機能を見出し、このもの
を用いて安定に水中に分散している分散微粒子を製造す
ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
【0009】すなわち本発明は、酵母菌体をアルカリ水
溶液で抽出して得られる次の性質を有する微粒子分散安
定剤である。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること また、好ましい態様として、前記酵母菌体は、生酵母で
あり、アルカリ水溶液中で加熱処理されながら抽出され
るように構成される。
【0010】また、好ましい態様として、前記酵母菌体
は、生酵母の菌体内成分を菌体外に放出させた後の酵母
菌体残さであり、アルカリ水溶液で抽出して得られるよ
うに構成される。
【0011】また、本発明は、酵母菌体をアルカリ水溶
液で抽出して得られる次の性質を有する物質と微粒子を
水中で混在させることを特徴とする分散安定方法であ
る。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること また、本発明は、生酵母の菌体内成分を菌体外に放出さ
せた後の酵母菌体残さを水洗浄して酵母菌体残さを得、
この酵母菌体残さと微粒子とブタノールを混合した後、
ブタノールを除去し、残存物を遠心分離して水系分散液
を得てなる分散安定方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の微粒子を安定に分散させ
るための分散安定剤は、酵母菌体をアルカリ水溶液で抽
出して得られるものであり、次の(1)〜(3)のすべ
ての性質を備えるものでなければならない。すなわち、 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること である。
【0013】本発明において、酵母とは、出芽もしくは
分裂により増殖する微生物の総称であり、本発明におい
てはいかなる酵母を用いてもよい。麦酒酵母菌、パン酵
母菌、トルラ酵母菌等を使用することができ、具体的に
は、例えば、サッカロマイセス属のサッカロマイセス・
セレビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)、キャンデ
ィダ・ウティリス(Candida utilis)、キャンディダ・
トロピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・
リポリティカ(Candida lipolytica)、およびキャンデ
ィダ・フレーベリ(Candida flaveri )等が使用するこ
とができる。これらは、単独あるいは組み合わせで使用
することができる。
【0014】本発明の分散安定剤は、下記に示される製
造方法(A),(B)によって好適に製造される。
【0015】(A)生酵母からの製造方法 無処理の生酵母菌体から製造する場合には、次の方法を
とればよい。すなわち、生酵母に対しその10〜30容
量の0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、80〜
100℃で30〜60分加熱処理をした後、遠心分離処
理を施す。遠心分離により得られた上清画分の中和した
液、もしくはその乾燥品が本発明の分散安定剤の成分に
なる。このようにして得られた分散安定剤の成分は、上
述したように次の性質を備える。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること ここで、「フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であ
る」とは、試験対象水溶液にフェノールと硫酸を加えて
振とうした後、呈色をみるフェノール硫酸法で、呈色が
見られる、ということであり、試験対象物のなかに中性
糖が存在していることを示している。
【0016】また、「ブラッドフォード法によるクマシ
ー結合反応が陽性である」とは、タンパク質中のアミノ
酸残基と結合する色素Coomassie brilliant blue G-250
を用いて595nmの吸収を見るタンパク質の検出方法
において、吸収がみられることをいう。タンパク質が存
在することを示している。
【0017】また、「Folchの方法により脂質を持
つ」とは、試験対象乾燥粉末にクロロホルム:メタノー
ル=2:1の溶液を加えてポリトロンなどで撹拌した
後、水を加えることで水に溶ける画分を除去し、クロロ
ホルム相に溶けている画分を回収し、クロロホルムをと
ばして残さがあることをいう。つまり脂質が存在するこ
とを示している。
【0018】(B)自己消化残さからの製造方法 上記生酵母菌体からの製法では、アルカリ加熱処理によ
る不純物の発生やタンパク質、脂質の変性などによる臭
気等の問題点が用途によっては生じてくる場合があるの
で、以下の方法によって調製する方が好ましい。
【0019】予め酵素処理法により、生酵母の菌体内成
分を菌体外に放出させた後の酵母菌残さを用いる。この
酵素処理法としては、任意の公知の方法を用いることが
でき、その例としては、Babayan, T.L. and Bezrukov,
M.G., 1 Acta Biotechnol.0,5,129-136(1985) に記載の
自己消化酵素を活用するのが最も経済的である。それ以
外にも、プロテアーゼによる処理、あるいは、ヌクレア
ーゼ、β−グルカナーゼ、エステラーゼおよびリパーゼ
からなる群より選択される少なくとも一種の酵素をプロ
テアーゼと組み合わせた処理を行ってもよい。プロテア
ーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラーゼ(ノ
ボ社)、プロテアーゼA、M、N等、パパイン、ニュー
トラーゼF(アマノ社)などを挙げることができる。具
体的には、自己消化酵素を有する酵母菌体の水分散液あ
るいは上記のような酵素を添加した酵母菌体の水分散液
を30〜60℃で、1〜48時間、好ましくは、40〜
50℃で15〜24時間インキュベーションすることに
より酵母菌体を酵素処理することができる。酵素で処理
した酵母菌体の水分散液を、遠心分離等により、上清と
酵母菌体残さに分離し、この酵母菌体残さ(以下、『自
己消化残さ』と称す)を用いて以下の処理を行う。
【0020】得られた自己消化残さは、比較的分解され
やすい蛋白質やアミノ酸、核酸などの低分子が除去され
たもので、分散安定に寄与しない成分が比較的除去され
ている。
【0021】実際に本発明の分散安定剤を得るには、自
己消化残さに対しその10〜30容量の0.2Nの水酸
化ナトリウム溶液を加えてpHを10〜12に調整して
懸濁処理を行い、しかる後、遠心分離により上清画分の
中和した液、もしくはその乾燥品が分散剤成分になる。
このようにして得られた分散安定性成分(分散安定剤)
は以下の性質を有している。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
性であること (3)Folchの方法により脂質があること この製造方法において、沈殿物を水で洗浄をおこなった
際の上清部分にも分散安定剤の成分は存在する。
【0022】本発明において分散の対象となる微粒子
は、その粒径が1μm以下のもので、水、油系、溶剤系
のいずれにも通常では分散が困難なものをさす。例え
ば、顔料の場合、白色系顔料であれば、酸化チタン、亜
鉛華など;黒色顔料であれば、カーボンブラック、鉄黒
など;赤色系顔料であれば、べんがら、クロムバーミリ
オン、アゾ系のパーマトンレッド、インジコ系のヘリン
ドンピンクCN、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロ
ロピロールなど;黄色系顔料であれば、黄鉛、黄色酸化
鉄、アゾ系、イソインドリノン、フラバンスロンなど;
青色系顔料であれば、紺青、群青、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、インダスレン、ジオキサ
ジンなど;体質顔料であれば、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、クレー、タルク、シリカなど;防錆顔料であれ
ば、鉛丹、クロム酸亜鉛、鉛シアナミド、鉛酸カルシウ
ムなど;鱗片状顔料であれば、アルミニウム粉、雲母状
酸化鉄、金属酸化物、被覆雲母などがそれぞれ対象とな
る微粒子の例としてあげられる。また、これらの化学誘
導体ももちろん対象となりうる。そのほか、土木関係の
場合には、土壌粒子があげられ、研磨、研削関係であれ
ば、研削砥石、酸化セリウム、酸化ランタンなどがあげ
られる。また、ファインセラミックス分野で用いられる
金属粒子として、金、銀、銅やそれらの合金などが代表
的なものとしてあげられる。さらには、医薬品、化粧
品、農薬などの用途で用いられるような微粒子も含まれ
る。なお、これらは有機物、無機物のいずれでも構わ
ず、先にあげた微粒子に限定されるものではない。
【0023】具体的な微粒子分散液の作製方法につい
て、以下に述べる。
【0024】例えば顔料を分散させる場合、顔料の粒径
が細かいほど着色力は上がるので、超音波破砕機やボー
ルミル等で粉砕しながら、上記酵母由来の分散安定剤と
水を必要に応じて量を調節して混合していけばよいが、
別の方法もある。
【0025】生酵母より菌体内成分を可溶化除去した自
己消化残さ(水分80%)に対し、その0.1〜1容の
顔料と、菌体残さ1に対しその1〜3容のブタノールを
加えて撹拌し、遠心分離(10000rpm、10分)
でブタノールを除いた後、沈殿物に水を加えて再び良く
撹拌して遠心分離(10000rpm,10分)を行
い、得られた水溶液画分をそのまま微粒子分散液として
使用することもできる。この原理は未だ、明確にはなっ
ていないが、上記方法によって得られた、酵母由来の分
散安定剤が寄与していることは十分に推測できる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。なお本発明の範囲はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0027】なお、以下の実施例で得られた各分散液に
対する分散安定性は、以下の簡易分散安定性試験によっ
て評価した。
【0028】簡易分散安定性試験 酵母より得られた画分の濃度が最終0.125mg/m
lになるように、水8mlに溶解させた後、微粒子を1
6mg入れて、超音波・ボルテックス等で5分間処理し
た後、一晩放置して分散安定性(微粒子の沈降等)を判
断した。
【0029】評価基準は以下のとおり。
【0030】 − :すぐに微粒子の凝集、沈降がおこり、上澄みが
透明である + :しばらくして一部沈降し、上澄みがわずかに分
散状態になっている ++ :ごく一部沈降する程度で、上澄みは分散安定状
態になっている +++:沈降はなく、上澄みは全く発生しない [実施例1]生酵母からの分散安定剤の製法およびその評価 未処理の生酵母400g(固形分25%)に対し、その
10容量の0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、
100℃で60分の加熱処理をした。その後、このもの
を遠心分離処理し、遠心分離により得られた上清画分の
中和した液を乾燥させて粉末にし、本発明の分散安定剤
21g(本発明サンプル1)を得た。
【0031】この本発明サンプル1を分析に供した。
【0032】フェノール硫酸法は、1mg/mlの水溶
液を用いて定法に従って行った。その結果、呈色反応が
陽性を示した。
【0033】ブラッドフォード法も1mg/mlを試料
として行った。595nmに吸収がみられ、クマシー結
合反応が陽性であることが確認された。
【0034】乾物0.5gからFolchの方法により
脂質を抽出したところ、乾物重量の2%が脂質として回
収できた。
【0035】本発明サンプル1の分散安定剤としての評
価をおこなった。微粒子にフタロシアニンブルーを用い
て、上記簡易分散性試験を行ったところ、分散安定剤無
添加の場合にはフタロシアニンブルーはすぐに沈降した
(分散安定性評価レベル:−)が、酵母由来の分散安定
剤を添加した方は優れた分散安定性が認められた(分散
安定性評価レベル:++)。
【0036】[実施例2]自己消化酵母からの調製とその評価 自己消化反応の反応系は、生酵母400g(固形分25
%)に対し水を600ml加えた系でおこなった。
【0037】下記に示す各条件(温度,自己消化反応時
間およびpHを変化)で得られた自己消化酵母残さ25
0g(固形分20%)に対し、その1容量の0.2Nの
水酸化ナトリウム溶液を加えて、pHを10に調整して
懸濁処理を行い、しかる後、遠心分離により上清画分の
中和した液の乾燥粉末を本発明の分散安定剤(本発明サ
ンプル)として得た。
【0038】微粒子にフタロシアニンブルーを用いて、
上記簡易分散性試験を行った。
【0039】(各サンプルの作製) 1)温度について 自己消化反応時間が17時間で、pHは5.5のもと
で、40℃、45℃、50℃、55℃でそれぞれ自己消
化反応をおこなった後、上記方法にしたがって抽出操作
をおこなって、本発明サンプル2−1、2−2、2−3
および2−4をそれぞれ得た。
【0040】これらの本発明サンプル2−1〜2−4
は、いずれも、フェノール硫酸法による呈色反応が陽性
であり、ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が
陽性であり、Folchの方法により脂質を有してい
た。
【0041】本発明本発明サンプル2−1〜2−4につ
いて上記の簡易分散安定性試験をおこなった結果、本発
明サンプル2−1に関しては若干効果が弱いものの(分
散安定性評価レベル:+)、他の本発明サンプル2−2
〜2−4は、いずれも良好な分散安定効果(分散安定性
評価レベル:++)を有していた。
【0042】2)自己消化反応時間について 温度が50℃で、pHは5.5のもとで、4時間、8時
間、(17時間)、20時間でそれぞれ自己消化反応を
行い、得られた自己消化残さより上記方法にしたがって
抽出操作をおこなって本発明サンプル2−5、2−6、
(2−3)および2−7を得た。
【0043】これらの本発明サンプル2−5〜2−7
は、いずれもフェノール硫酸法、ブラッドフォード法、
Folch法での条件を満たしていた。
【0044】また、簡易分散安定性試験にそって分散性
の比較を行った結果、本発明サンプル2−5に関しては
若干効果が弱いものの(分散安定性評価レベル:+)、
他の本発明サンプル2−6および2−7は良好な分散安
定効果(分散安定性評価レベル:++)を有していた。
【0045】3)pHについて 温度が50℃で、自己消化反応時間が17時間のもと
で、pH2、pH4、pH5.5、pH7、pH10、
pH12でそれぞれ自己消化反応を行い、得られた自己
消化残さより上記方法に従って抽出操作をおこない本発
明サンプル2−8、2−9、(2−3)、2−10、2
−11および2−12を得た。
【0046】これらの本発明サンプル2−8〜2−12
は、いずれもフェノール硫酸法、ブラッドフォード法、
Folch法での条件を満たしていた。
【0047】また、簡易分散安定性試験にそって分散性
の比較を行った結果、本発明サンプル2−11および2
−12に関しては若干効果が弱いものの(分散安定性評
価レベル:+)、他の本発明サンプル2−8〜2−10
は良好な分散安定効果(分散安定性評価レベル:++)
を有していた。
【0048】[比較例1]生酵母400g(固形分25
%)に水600ml加えて、50℃、17時間反応させ
た後、遠心分離と菌体残さを水洗浄するという操作を繰
り返して得られた自己消化残さ250g(固形分20
%)に対し、その1容量の水を加えてpHを7に調整し
て懸濁処理を行い、しかる後、遠心分離により上清画分
の中和した液の乾燥粉末を比較サンプル1として得た。
【0049】この比較サンプル1に関して、上記実施例
2と同様の試験を行ったが、分散安定効果は確認できな
かった(分散安定性評価レベル:−)。
【0050】[実施例3]自己消化酵母からの調製とその評価2 自己消化反応は、生酵母400g(固形分25%)に対
し水を600ml加えた系でおこなった。温度50℃、
反応時間17時間、pH5. 5で自己消化処理をおこな
って得られた自己消化酵母残さ250g(固形分20
%)に対しその1容量の0.2Nの水酸化ナトリウム溶
液を加えてpHを11および12に調整して懸濁処理を
行い、しかる後、遠心分離により上清画分の中和した液
の乾燥粉末を得た(本発明サンプル3−1および3−
2)。
【0051】これらの本発明サンプル3−1および3−
2は、いずれもフェノール硫酸法、ブラッドフォード
法、Folch法での条件を満たしていた。
【0052】また、微粒子にフタロシアニンブルーを用
いて、簡易分散安定性試験を行ったところ、いずれも良
好な分散安定効果を有していた(分散安定性評価レベ
ル:++)。
【0053】[実施例4]無機顔料(酸化チタン)の高濃度分散液の作製 上記本発明サンプル2−3を分散安定剤とし、微粒子に
酸化チタンを用いて、簡易分散安定性試験を行った。分
散安定剤無添加では酸化チタンはすぐに沈降したが(分
散安定性評価レベル:−)、酵母由来の分散安定剤を添
加した方は良好な分散安定性が認められた(分散安定性
評価レベル:++)。
【0054】[実施例5]別の方法によるフタロシアニンブルー分散液の作製 生酵母400g(固形分25%)に水600ml加え
て、50℃、17時間反応させた後、遠心分離と菌体残
さを水洗浄するという操作を繰り返して得られた自己消
化残さ250g(固形分20%)のうちの20g(水分
80%)に対し、フタロシアニンブルー0.4gと、1
−ブタノールを40ml加えて撹拌し、遠心分離(10
000rpm、10分)で1−ブタノールを除いた後、
沈殿物に水を5ml加えて再び良く撹拌して遠心分離
(10000rpm,10分)を行い、水溶液画分を回
収して分散液を得た。得られた分散液の分散安定性は極
めて高く(分散安定性評価レベル:+++)一ヶ月後も
分散安定性に変化は認められなかった。
【0055】[比較例2]上記実施例5で用いた自己消
化酵母に替えて、生酵母およびフレンチプレスで破砕し
た生酵母菌体をそれぞれ用いた。それ以外は上記実施例
5と同様の操作を行ったが、両者とも安定な分散液は得
られなかった(分散安定性評価レベル:−)。
【0056】[比較例3〜7]上記実施例5の1−ブタ
ノールのかわりに、エタノール(比較例3)、プロパノ
ール(比較例4)、アセトン(比較例5)、へプチルア
ルコール(比較例6)、ヘキシルアルコール(比較例
7)にそれぞれ変えて行い、あとは上記実施例5と同様
の操作を行ったが、いずれも安定な分散液は得られなか
った(分散安定性評価レベル:−)。
【0057】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は上記のごとく酵母菌体に特定
の処理を施して抽出され、特定の性質を有する分散安定
剤であるので、微粒子の分散安定性に極めて優れるとい
う効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵母菌体をアルカリ水溶液で抽出して得
    られる次の性質を有する微粒子を分散させるための分散
    安定剤。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
    と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
    性であること (3)Folchの方法により脂質があること
  2. 【請求項2】 前記酵母菌体は、生酵母であり、アルカ
    リ水溶液中で加熱処理されながら抽出される請求項1に
    記載の分散安定剤。
  3. 【請求項3】 前記酵母菌体は、生酵母の菌体内成分を
    菌体外に放出させた後の酵母菌体残さであり、アルカリ
    水溶液で抽出して得られる請求項1に記載の分散安定
    剤。
  4. 【請求項4】 酵母菌体をアルカリ水溶液で抽出して得
    られる次の性質を有する物質と微粒子を水中で混在させ
    ることを特徴とする分散安定方法。 (1)フェノール硫酸法による呈色反応が陽性であるこ
    と (2)ブラッドフォード法によるクマシー結合反応が陽
    性であること (3)Folchの方法により脂質があること
  5. 【請求項5】 生酵母の菌体内成分を菌体外に放出させ
    た後の酵母菌体残さを水洗浄して酵母菌体残さを得、こ
    の酵母菌体残さと微粒子とブタノールを混合した後、ブ
    タノールを除去し、残存物を遠心分離して水系分散液を
    得ることを特徴とする分散安定方法。
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JP (1) JPH10179182A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016163579A (ja) * 2010-06-01 2016-09-08 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 細胞からの脂質の抽出およびそれに由来する生産物
JP2020036549A (ja) * 2018-09-03 2020-03-12 公立大学法人大阪 免疫賦活性乳化剤

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