JP2010250288A - 透過型スクリーンおよびこれを用いたリアプロジェクションモニタ - Google Patents
透過型スクリーンおよびこれを用いたリアプロジェクションモニタ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ヘーズ(JIS K7136:2000)が65%以上である前方散乱性フィルム1上に、平均粒子径6μm超〜12μmの黒色ビーズとバインダー樹脂とを含む黒色層2を有してなるように構成する。好ましくは、前記前方散乱性フィルム1は、前記黒色層2とは反対側の面が実質的に平滑となるように構成する。かかる構成を採用する本発明の透過型スクリーン3は、前方散乱性フィルム1と黒色層2との相乗効果により、ホットスポットの発生を防止しつつ十分なコントラスを得ることができ、さらに輝度も十分なものとすることができる。
【選択図】図1
Description
透過の像鮮明度〔C(2.0)〕={M−m}/{M+m}×100(%) ・・・(1)
メタクリル酸メチル(重合後の屈折率1.49)にカーボンブラック(VULCANXC72R:Cabot社)を混合し、この混合物をロールミルで均一に混合した。次いで、混合物に水、ポリビニルアルコールおよびラジカル重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を加え、各実施例および比較例で用いる粒子の平均粒子径となるまで高速攪拌機(ディゾルバー)で撹拌を行った。次いで、内容物を通常のプロペラ式撹拌機を有する容器に移して65〜75℃の間で50分間保持して重合させた。次いで、重合した懸濁スラリーをろ過、水洗、乾燥して黒色ビーズを得た。
なお、メタクリル酸メチルおよびカーボンブラックの混合比率は、各実施例および比較例で用いる黒色ビーズの混合比率とした。
[実施例1]
前方散乱性フィルムとして、2枚のポリエステルフィルムの間に光散乱層が挟まれてなり、一方のポリエステルフィルム上にハードコート層、他方のポリエステルフィルム上に粘着層、セパレータを有してなる前方散乱性フィルム(ディラッドスクリーンT90:きもと社、ヘーズ90%、セパレータ面のRa:0.1μm、像鮮明度37%)を準備した。当該前方散乱性フィルムのハードコート層上に、下記処方の黒色層塗布液を、乾燥後の厚みが12μmとなるように塗布、乾燥して黒色層を形成し、実施例1の透過型スクリーンを得た。
・アクリル樹脂 12部
(アクリディックA817:DIC社)
(固形分50%)
・イソシアネート系硬化剤 2.6部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社)
(固形分60%)
・黒色ビーズ 3部
(カーボンブラック5重量%、平均粒径8μm)
・希釈溶剤 22.5部
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径10μmのものに変更し、黒色層の厚みを17μmに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径12μmのものに変更し、黒色層の厚みを22μmに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径5μmのものに変更し、黒色層の厚みを8μmに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径14μmのものに変更し、黒色層の厚みを27μmに変更した以外は、実施例1と同様にして比較例2の透過型スクリーンを得た。
前方散乱性フィルムを、2枚のポリエステルフィルムの間に光散乱層が挟まれてなり、一方のポリエステルフィルム上にハードコート層、他方のポリエステルフィルム上に粘着層を有してなる前方散乱性フィルム(ディラッドスクリーンT60:きもと社、ヘーズ60%、セパレータ面のRa:0.1μm、像鮮明度88%)に変更以外は、実施例1と同様にして比較例3の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径5μmのものに変更し、黒色層の厚みを8μmに変更した以外は、比較例3と同様にして比較例4の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径14μmのものに変更し、黒色層の厚みを27μmに変更した以外は、比較例3と同様にして比較例5の透過型スクリーンを得た。
ポリエステルフィルム上に表面が非平滑の光拡散層を有する光拡散フィルム(ライトアップGM3:きもと社、ヘーズ91%、光拡散層のRa:4μm、像鮮明度35%)を準備した。次いで、光拡散フィルムのポリエステルフィルム側に、実施例1と同様の黒色層を形成し、比較例6の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径5μmのものに変更し、黒色層の厚みを8μmに変更した以外は、比較例6と同様にして比較例7の透過型スクリーンを得た。
黒色ビーズを、カーボンブラック5重量%、平均粒径14μmのものに変更し、黒色層の厚みを27μmに変更した以外は、比較例6と同様にして比較例8の透過型スクリーンを得た。
実施例1〜3および比較例1〜8で得られた透過型スクリーンについて、以下の項目の評価を行った。スクリーンに投影するプロジェクタはセイコーエプソン社の製品名ELP−8000を用い、黒色層側から投影を行った。結果を表1に示す。
スクリーンに全黒画像を投影した。その際、プロジェクタの光源がまったく透けて見えなかったものを「○」、光源は透けて見えないが局部的に明るいものを「×」、光源が透けて見えたものを「××」とした。
(2)コントラスト
スクリーン面の照度が500lxとなるような環境下において、コントラストを測定した。コントラストは、白表示(明表示)の明るさと黒表示(暗表示)の明るさとの比とした。また、コントラストが10以上のものを「◎」、8以上10未満を「○」、8未満を「×」とあわせて表記した。
(3)輝度
1mの距離から液晶プロジェクタ(ELP−8100:エプソン社)により全白画面を投影し、輝度計(BM−7:トプコン社)により、正面方向の輝度(cd/m2)を測定した。5000(cd/m2)以上のものを「○」、5000(cd/m2)未満のものを「×」とした。
[実施例4]
厚み75μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)上に、下記処方からなる光散乱層塗布液を、乾燥後の厚みが35μmとなるように塗布、乾燥して光散乱層を形成し、当該光散乱層上に、厚み75μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)を積層した。次いで、一方のポリエステルフィルム上に下記処方からなるハードコート層塗布液を、乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布、乾燥してハードコート層を形成し、他方のポリエステルフィルム上に下記処方からなる粘着層塗布液を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布、乾燥して粘着層を形成し、当該粘着層上にセパレータを有してなる前方散乱性フィルム(ヘーズ90%、セパレータ面のRa:0.1μm、像鮮明度37%)を準備した。
・ウレタン系樹脂 100部
(タケラックA-971:三井化学社)
(屈折率1.50、固形分50%)
・イソシアネート系硬化剤 7.6部
(タケネートA-3:三井化学社)
(固形分75%)
・シリコーン樹脂粒子 20部
(トスパール120:ジーイー東芝シリコーン社)
(屈折率1.44、平均粒径2.0μm)
・紫外線硬化性樹脂 30部
(ユニディック17-806:DIC社、固形分80%)
・光重合開始剤 1部
(イルガキュア651:チバ・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
・アクリル系樹脂 100部
(オリバインBPS1109:東洋インキ製造社)
(屈折率1.47、固形分40%)
・イソシアネート系硬化剤 2.4部
(オリバインBHS8515:東洋インキ製造社、固形分38%)
・酢酸エチル 100部
実施例4で用いた光散乱層塗布液のうち、シリコーン樹脂粒子の添加量を10部に変更し、別途ポリスチレン樹脂粒子(テクポリマーSBX-6:積水化成品工業社、屈折率1.59、平均粒径6.0μm)を10部添加した以外は実施例4と同様にして、実施例5の透過型スクリーンを得た。
実施例4で用いた光散乱層塗布液のうち、シリコーン樹脂粒子をポリスチレン樹脂粒子(テクポリマーSBX-6:積水化成品工業社、屈折率1.59、平均粒径6.0μm)20部に添加した以外は実施例4と同様にして、実施例6の透過型スクリーンを得た。
実施例4〜6で得られた透過型スクリーンについて、以下の項目の評価を行った。スクリーンに投影するプロジェクタはセイコーエプソン社の製品名ELP−8000を用い、黒色層側から投影を行った。結果を表2に示す。
スクリーンに、全黒画像よりもホットスポットが見え易い全白画像を投影した。その際、プロジェクタの光源がまったく透けて見えなかったものを「◎」、光源は透けて見えないが局部的に明るいものを「○」、光源が透けて見えたものを「×」とした。
(2)コントラスト
スクリーン面の照度が500lxとなるような環境下において、コントラストを測定した。コントラストは、白表示(明表示)の明るさと黒表示(暗表示)の明るさとの比とした。また、コントラストが10以上のものを「◎」、8以上10未満を「○」、8未満を「×」とあわせて表記した。
(3)輝度
1mの距離からスクリーンに全白画像を投影し、輝度計(BM−7:トプコン社)により正面方向の輝度(cd/m2)を測定した。4500(cd/m2)以上のものを「○」、3500(cd/m2)以上4500(cd/m2)未満のものを「△」、3500(cd/m2)未満のものを「×」とした。
11・・・光透過性基材
12・・・光散乱層
2・・・・黒色層
3・・・・透過型スクリーン
100・・リアプロジェクションモニタ
101・・透過型スクリーン
Claims (3)
- ヘーズ(JIS K7136:2000)が65%以上である前方散乱性フィルム上に、平均粒子径6μm超〜12μmの黒色ビーズとバインダー樹脂とを含む黒色層を有してなることを特徴とする透過型スクリーン。
- 前記前方散乱性フィルムは、前記黒色層とは反対側の面が実質的に平滑であることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
- 映像表示装置に表示された表示画像を投映するプロジェクタと、前記プロジェクタからの投映光を反射する反射ミラーと、光入射面と光出射面とを有し前記ミラーからの反射光を前記光入射面で受けて結像する透過型スクリーンとを備えたリアプロジェクションモニタにおいて、前記透過型スクリーンとして、請求項1又は2記載の透過型スクリーンを、黒色層を光入射面側となるように配置してなることを特徴とするリアプロジェクションモニタ。
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