JP2010230527A - 鉄道レール締結緩み検査装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラインセンサ1と複数のスポットレーザ投光器2が、スポットレーザ光のひとつはレール踏面で反射し、他のスポットレーザ光は少なくともひとつは締結ボルトまたは締結ナットの頂面で反射するように配置され、ラインセンサから入力された画像の光点の高さを算定し、ID情報記憶装置21から入力した検査対象のID情報とレーザ光反射位置とに基づいて、締結ボルトまたは締結ナットの頂面の高さを算定して基準値と比較することにより締結ボルトまたは締結ナットの緩みおよび不存在を検出し、結果を表示装置23に表示させる。
【選択図】図2
Description
締結ボルトの緩み検査は、通常列車運行が少ない夜間に目視やハンマ打撃音の観察により行われるため、多数の熟練保守作業員が必要であり、また人力によるため見落とす可能性があった。
軌道確認車や営業車両に鉄道レール締結緩み検査装置を搭載して、ボルト緩みを自動監視できれば便利である。また、自動的な検査装置を用いて日頃からレールの状態を把握しておけば、予防保全にも役立つ。さらに、巡回作業には危険も伴うため、車両上から検査できることが望まれていた。
図18は、特許文献1に示された鉄道レール締結緩み検査装置のセンサ部の概略構成図である。また、図19は、測定装置の回路を示すブロック図である。
特許文献1に開示された鉄道レール締結緩み検査装置は、図18及び図19に示すように、ラインセンサと複数のスポットレーザ投光器とレーザ点灯回路と画像入力回路と判定回路を備えた装置である。
頂面高さは、ラインセンサの映像中の反射位置とスポットレーザの照射方向に基づき、三角測量の原理を用いて反射面の高さを求めて得ることができる。
また、路線中に型式の異なる締結装置が混在する場合には、型式ごとの境界位置を与える位置情報と別途車上で演算により得た位置とを比較して決めていたが、車上の演算情報は、空転や滑空、車輪摩耗の影響によって誤差が生じるため、型式境界位置を正確に特定することが難しい。
また、異常ボルトや異常ナットの位置を正しく特定できる鉄道レール締結緩み検査装置を提供することである。
ラインセンサは、レール踏面とレールに近接して設けられた締結ボルトまたは締結ナットの頂面が視野に入るように配置される。複数のスポットレーザ投光器は、ラインセンサの検出軸と一平面内に来るように配設され、スポットレーザ投光器のひとつはその放射レーザ光がレール踏面で反射するように配置され、他のスポットレーザ投光器は測定時に締結ボルトまたは締結ナットの頂面で放射レーザ光が少なくともひとつは反射するような位置に配置される。
また、本発明の鉄道レール締結緩み検査装置の判定手段は、地点検知器から入力した検出信号を用いて、内部で積算により推定される締結装置番号を修正することができる。
本発明の鉄道レール締結緩み検査装置及び方法は、従来装置と比較して信頼性が向上したので、車両に搭載して利用することにより、多数の熟練工を必要とし危険対策も必要な巡回作業を削減することができる。
図1は、本実施形態の鉄道レール締結緩み検査装置のセンサ部分がレール締結ボルトに対向して緩み検査をしているところを表した概略構成図、図2は測定回路部分のブロック図である。
レール40は、たとえば図1に示すように、枕木43の上に締結ボルトで圧着される板バネ44の先端部で基部を押さえることにより固定されている。
スポットレーザ投光器2は、レール40を挟んで対称に配置される2群に分かれ、たとえば、図1に示すように、レール踏面41を照射するレール用投光器L10:L20と、締結ボルト頂面42を照射するためのボルト用投光器L11,L12,L13:L21,L22,L23で構成される。
スポットレーザ投光器2の先端Lから放射されるスポットレーザは、物の表面に当たって反射する。スポットレーザの照射点Rで反射した光はラインセンサ1の光学中心Cを通過してCCDセンサ5に捕捉され、反射光の入射角によって決まる位置にある光学セルDに光が蓄積される。なお、スポットレーザ投光器2はCCDセンサ5の光学軸の方向に配置されるものとする。図6では、ラインセンサSの内部にあるCCDセンサ5を物体の外側の対応位置に等価的に拡大した写像として表示した。
たとえば、図6に示したように、スポットレーザが枕木表面45に当たっているときの反射位置Rが投影する光学セルDに対して、光路中に締結ボルトが入って締結ボルト頂面42にできた反射点R'の投影される光学セルD'はより外側に寄ることになる。
反射点Rまでの距離Hと光学セルDの位置の関係は、演算によって求めることができるが、スポットレーザ投光器2の設置位置やレーザ光投射方向によっても変化しまた複雑な演算が必要なので、各スポットレーザ投光器毎に実地に試験することによりキャリブレーションして決定しておいてもよい。また、スポットレーザ投光器ごとに、予め演算により距離と光点位置の関係を求めておくこともできる。
こうして反射点Rまでの距離Hを知ると、レール踏面41までの距離との差ΔhBを求めることにより反射点Rの絶対的な高さを算出することができる。
なお、レール踏面41に照射するスポットレーザ投光器L10:L20は締結ボルト用スポットレーザ投光器2を1巡する間に1回ずつ点灯して、レール踏面41までの距離を測定し、締結ボルト頂面42の高さを算定するときの基準とする。
本実施形態の鉄道レール締結緩み検査装置は、点灯回路11、画像入力回路12、パルス変成器13、回転検出器14、カウンタ15、高さ算定回路16、対応表記憶装置17、外部記憶装置18、地点検知器19、判定回路20、ID情報記憶装置21、地点対照表記憶装置22、表示装置23を具備する。
なお、車上に判定回路20を含む解析装置を搭載して、車上で検査を完了してもよいことは言うまでもない。
判定回路20は、締結装置異常判定サブルーチンにおいて、測定対象である締結装置の装置番号に基づいてID情報記憶装置21を検索して、対象の締結装置のID情報を読み出し、ID情報として登録されている事項から、締結装置の型式を調べる(S11)。
高さ算定回路16により算定された光点ごとの高さ情報に従い、対応する投票空間に分配して投票し、投票空間ごとに光点数を積算する(S13)。
また、対象物品の特性を加味して物品を特定する場合は、確実で効率の良い判定をすることができる。たとえば、投票数が多い投票空間であっても、光点群の幅が長くて締結ボルトの頂面幅を超えているときは、対象とする物品ではないので、除外する。
最後に、次の測定対象に向けて、装置番号を歩進して(S18)、締結装置異常判定ルーチン(S1)を終わる。
図9は、装置番号と地上位置を照合するサブルーチン(S2)の内容である。判定回路20は、記録媒体に記録された信号を監視していて、地点検知信号が含まれているか否かを判定し(S21)、地点検知信号がない場合はそのままメインフローに戻る。一方、地点検知信号があった場合は、地点対照表記憶装置22から地点対照表を読み出して、地点対照表上の地点検知位置における締結装置番号と、検査装置が認識している検査対象の締結装置番号とが一致しているか確認する(S22)。
保全作業員は、緩みの生じたボルトの位置情報を得て早期に増し締めなどの措置をとることにより予防保全をすることができる。また、個々の締結ボルトの緩み量変化傾向に基づいて、保全計画を策定することもできる。
このような型式の締結装置では、締結緩みの原因となる締結ナット46は最上端ではなく、ボルトの途中に存在する。したがって、締結ナット46自体の位置を測定しなければ緩みを検出することができない。
スポットレーザ投光器L11の光点は、車両が前進するにつれて、見えないところから板バネ44の表面に上がって表面上を走査し、板バネ44がきれるとまた見えない地面に戻る。
なお、スポットレーザ投光器L12の光点は、車両が前進するにつれて、見えないところから板バネ44の表面に上がって、次いで座金部で少し高くなり、また板バネ44表面に戻って、板バネ44がきれると地面に戻っている。
このように、締結ナット46の上面は、ボルト47の側面に小さな段として表れる。段が狭い上、スポットレーザ光2の反射をラインセンサ1で検出するときには、ボルト47の部分はスポットレーザ光にとって陰となるので、わずかにボルト47の側部に表れる締結ナット46の肩部しか検出することができない。
締結ナットの緩み判定のみを目的とするのであれば、正常範囲と警戒領域を合わせた良品領域と、異常領域、およびその他の領域の3つの投票空間で済ませることもできる。
こうして決めた投票空間に、ラインセンサ1で光点の高さを測定した結果を投票する。
ナット上面が存在すべき範囲内に存在する光点が締結ナット46の上面で反射した光点であり、投票数が極大になる投票空間の高さが締結ナット46の上面の高さであることが分かる。締結ナット46の高さは1mm刻みで判定することができる。
したがって、締結ボルトあるいは締結ナットの緩みを確実に検出するためには、検査対象がどの型式なのかを知った上で、型式に適合する方法にしたがって、的確にこれらの高さを測定し、その高さが許容される範囲にあるかを判断して、緩みなどの判定を行う必要がある。
キロ程算定上の誤差は、定常的に発生している各種誤差の蓄積によるものが大きいが、締結装置の装置番号に基づいて装置を特定する方法によれば、誤差の蓄積を回避して誤差を吸収できるからである。
図16の表には、510.000mの位置から520.000mの位置に、装置番号980から1000まで種別aの締結装置が配置され、520.000mの位置から530.000mの位置に、装置番号1001から1020まで種別bの締結装置が配置されていて、両者の間の種別境界が520.000mの位置で、装置番号1000と1001の間になる例が示されている。
また、地点検知板を活用することにより、万一装置番号に過誤が生じても、たとえば1kmごとに正確な装置番号に引き戻すことができる。
2 スポットレーザ投光器
3 保護筐体
5 CCDセンサ
11 点灯回路
12 画像入力回路
13 パルス変成器
14 回転検出器
15 カウンタ
16 高さ算定回路
17 対応表記憶装置
18 外部記憶装置
19 地点検知器
20 判定回路
21 ID情報記憶装置
22 地点対照表記憶装置
23 表示装置
31 保護ガラス
40 レール
41 レール踏面
42 頂面
43 枕木
44 板バネ
45 枕木表面
46 締結ナット
47 ボルト
48 タイプレート
49 ナット
Claims (7)
- レール踏面とレールを挟んだ1対の締結ボルトまたは締結ナットの頂面が視野に入るように配置されたラインセンサと、
ラインセンサの検出軸と同一平面内に来るように配設された複数のスポットレーザ投光器であって、該スポットレーザ投光器のひとつはその放射レーザ光がレール踏面で反射するように配置され、他の前記スポットレーザ投光器は測定時に1対の締結ボルトまたは締結ナットのそれぞれの頂面で放射レーザ光が少なくともひとつは反射するような位置に配置された、複数のスポットレーザ投光器と、
前記複数のスポットレーザ投光器の点灯を制御するレーザ点灯器と、
レーザ点灯切り換えごとにラインセンサからレーザ光反射位置を示す画像を入力する画像入力手段と、
入力された画像の光点の高さを算定する高さ算定手段と、
検査対象の位置と型式を含むID情報を格納するID情報記憶手段と、
該ID情報記憶手段から入力した検査対象のID情報と前記レーザ光反射位置とに基づいて、前記締結ボルトまたは前記締結ナットの頂面の高さを算定して基準値と比較することにより締結ボルトまたは締結ナットの緩みおよび/または不存在を検出し、結果を表示装置に表示させる判定手段と、
を備える鉄道レール締結緩み検査装置。 - 該鉄道レール締結緩み検査装置を搭載する車両の車輪の回転検出器から該車両の移動距離に関するパルス信号を入力して逓増または逓減するパルス変成器をさらに備え、
該パルス変成器から出力するパルス信号を前記レーザ点灯器と前記ラインセンサを駆動する前記画像入力手段に供給して、前記スポットレーザと前記ラインセンサの動作を同期させる、請求項1記載の鉄道レール締結緩み検査装置。 - 前記ID情報記憶手段は、締結装置番号をさらに格納し、前記判定手段は、地点検知器から入力した検出信号を用いて、内部で積算により推定される締結装置番号を修正する、請求項1または2記載の鉄道レール締結緩み検査装置。
- さらに、前記レーザ光反射位置を示す画像におけるレーザ光反射位置と光点の高さの関係を表す対応情報を格納した対応情報記憶手段を備え、前記高さ算定手段は、該対応情報記憶手段に格納された前記対応情報に基づいて、前記入力された画像の光点の高さを算定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄道レール締結緩み検査装置。
- 前記判定手段は、検査対象について正常時に光点が存在すべき高さ区分を設定し、該検査対象に関して算定された高さ測定値にしたがって光点を分配して、該高さ区分に含まれる光点が所定数より少ないときに、前記締結緩みもしくは締結ボルトまたはナットの不存在と判定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の鉄道レール締結緩み検査装置。
- 前記判定手段は、検査対象について光点が存在すべき高さ区分を設定し、該検査対象に関して算定された高さ測定値にしたがって光点を分配して、該高さ区分に含まれる光点が所定数より多くかつ極大数である高さ区分があるときに、該高さ区分の高さを前記締結ボルトまたはナットの頂面高さであると判定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の鉄道レール締結緩み検査装置。
- レール踏面とレールを挟んだ1対の締結ボルトまたは締結ナットの頂面が視野に入るように配置されたラインセンサと、
ラインセンサの検出軸と同一平面内に来るように配設された複数のスポットレーザ投光器であって、該スポットレーザ投光器のひとつはその放射レーザ光がレール踏面で反射するように配置され、他の前記スポットレーザ投光器は測定時に1対の締結ボルトまたは締結ナットのそれぞれの頂面で放射レーザ光が少なくともひとつは反射するような位置に配置された、複数のスポットレーザ投光器と、を備える検査装置において、
前記複数のスポットレーザ投光器を順次点灯するステップと、
レーザ点灯切り換えごとにラインセンサからレーザ光反射位置を示す画像を入力するステップと、
照射したスポットレーザ投光器とラインセンサにおけるレーザ光反射位置とに基づいて、入力された画像の光点の高さを算定するステップと、
検査対象のID情報に基づいて与えられる基準値と算定された光点の高さを比較することにより締結ボルトまたは締結ナットの緩みおよび/または不存在を判定するステップと、
結果を表示装置に表示させるステップと、
を備える鉄道レール締結緩み検査方法。
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