JP2019035682A - ボルト緩み検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な揺れ又は沈み込み等が生じる車両に搭載された計測装置の計測で得られた計測データを使用しても、ボルトの緩みの有無を良好に判定できるボルト緩み検査装置を提供する。【解決手段】このボルト緩み検査装置は、ボルト高さデータ列とレール高さデータ列とに基づきレールに対する複数のボルトの各々の相対的な高さを表わすデータ値が複数の締結装置の並び順で配列されたボルト相対高さデータ列dif(i)を計算し、第1ハンペルフィルタを用いてボルト相対高さデータ列から突出した値(gn2)を除去したフィルタ通過データ列dif_r(i)を計算し、かつ、ボルト相対高さデータ列dif(i)とフィルタ通過データ列dif_r(i)との差を計算して抽出データ列ex(i)を求める計算部と、抽出データ列ex(i)に基づいて複数のボルトの各々の緩みの有無を判定する第1判定部とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、レールと枕木とを締結する締結装置のボルトの緩みを検査するボルト緩み検査装置に関する。
以前より、鉄道会社では、レールと枕木とを締結する締結装置においてボルトに緩みが生じていないか、検査員が線路上を移動しながら目視又は打診等により検査を行い、緩みが確認された場合に、ボルトを締め直すといったメンテナンス工程が実施されている。このような工程は、非常に負荷の高いものであった。
従来、上記のようなメンテナンス工程の効率の向上及び検査品質の向上を図るため、締結装置のボルトの緩みの有無を自動的に検査する検査装置について、幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、床下に検査装置を搭載した軌道確認車を用意し、軌道確認車をレールに沿って走行させながら、検査装置がボルトの緩みを検出する技術が示されている。この検査装置は、レーザスポット投光器とラインセンサとを有し、これらを用いてレールの踏面の高さとボルトの頂面の高さとを計測する。ボルトが緩んでいれば、レールに対するボルトの相対的な高さが上昇するため、検査装置は、計測結果を用いてボルトの相対的な高さを計算し、この値からボルトの緩みの有無を判定する。
特開2008−224631号公報
レール上を走行する車両の床下からレールの高さとボルトの高さとを計測する場合、車両に小さな縦揺れが生じても、レールの高さの計測値とボルトの高さの計測値との両方にほぼ同様の縦揺れによる誤差成分が付加される。したがって、両者の差を計算することで、縦揺れによる誤差成分が打ち消されて、レールの高さを基準とするボルトの相対的な高さを小さい誤差で求めることができる。
しかしながら、車両に横揺れ、大きな縦揺れ又はサスペンションによる大きな沈み込み等の変位が生じると、これらの変位に起因して、ボルトの高さの計測値と、レールの高さの計測値とに、異なる大きさの誤差成分が付加されることがある。例えば、車両に横揺れが生じた場合、ボルトの頂面の高さの計測値には比較的に小さな誤差が付加され、レールの踏面の高さの計測値には比較的に大きな誤差が付加されることがある。このような場合、両者の差を計算しても、車両の誤差は打ち消されず、レールの高さを基準とするボルトの相対的な高さの計算値に比較的に大きな誤差が残ってしまう。
したがって、特許文献1の検査装置では、軌道確認車に横揺れ、大きな縦揺れ又は大きな沈み込み等の変位が生じたときに、ボルトの相対的な高さの計算値に比較的に大きな誤差が生じ、ボルトの緩みの有無の判定精度が低下するという課題がある。また、レールに対するボルトの相対的な高さには、締結装置ごとの個体差が含まれ、この個体差もボルトの緩みの有無を判定する精度を低下させる要因となる。
近年、営業車両の下部に計測装置を搭載し、列車の営業走行中に軌道の各部の計測を行って計測データを収集する線路設備モニタリング装置の導入が進められている。営業車両を利用することで、軌道の様々な計測データを容易にかつ大量に取得することができる。一方、営業車両を利用する場合、計測のために車両の揺れの特性に制限を付加することは難しく、計測中に車両の様々な変位が生じることが想定される。
本発明は、様々な揺れ又は沈み込み等が生じる車両に搭載された計測装置から得られた計測データを使用しても、ボルトの緩みの有無を良好に判定できるボルト緩み検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、
レールと枕木とを締結する締結装置のボルトの緩みを検査するボルト緩み検査装置であって、
レール上を走行する車両に搭載された計測装置によって前記車両の走行中の計測で得られたレール及び複数の締結装置に関する計測データを取得する情報取得部と、
前記計測データから、前記複数の締結装置の複数のボルトの高さを表わすデータ値が前記締結装置の並び順で配列されたボルト高さデータ列、及び、レールにおける前記複数の締結装置の近傍の部位の高さを表わすデータ値が前記締結装置の並び順で配列されたレール高さデータ列を生成するデータ生成部と、
前記ボルト高さデータ列と前記レール高さデータ列とに基づいてレールに対する前記複数のボルトの各々の相対的な高さを表わすデータ値が前記複数の締結装置の並び順で配列されたボルト相対高さデータ列を計算し、第1ハンペルフィルタを用いて前記ボルト相対高さデータ列から突出した値を除去したフィルタ通過データ列を計算し、かつ、前記ボルト相対高さデータ列と前記フィルタ通過データ列との差を計算して抽出データ列を求める計算部と、
前記抽出データ列に基づいて前記複数のボルトの各々の緩みの有無を判定する第1判定部と、
を備えることを特徴とする。
レール上を走行する車両に搭載された計測装置によってレール及びボルトの高さを計測する場合、計測の際に、車両に様々な揺れ又は沈み込み等の変位が生じることがある。そして、このような車両の変位によって、ボルトの高さの計測値と、レールの高さの計測値とに、異なる大きさの誤差が付加されることがある。このような場合、ボルト高さデータ列とレール高さデータ列とから計算されるボルト相対高さデータ列に、車両の変位に起因する誤差が現れる。しかし、揺れ又は沈み込みなどの車両の変位は時系列に見て連続するため、ボルト相対高さデータ列に残った車両の変位に起因する誤差は、ランダムでなく、連続的に設置された複数の締結装置間で一定の傾向を持って現れる。同様に、ボルトの高さの個体差は、全くランダムなものでなく、近い範囲に設置された複数の締結装置間で一定の傾向を示す。
そこで、本発明に係るボルト緩み検査装置では、先ず、計算部が、誤差が付加されたボルト相対高さデータ列を第1ハンペルフィルタに通し、そこから突出した値を除去する。ハンペルフィルタは、データ列のうち連続する所定個のデータ値の中で、所定の偏差値以上に離れている突出したデータ値を、外れ値と見なし、これを残りのデータ値に近づけるように除去(修正)する。このため、ボルト相対高さデータ列を第1ハンペルフィルタに通しても、一定の傾向で連続する誤差成分、すなわち車両の変位又は個体差による誤差成分が残される。一方、前後のデータ値に相関なく現れる突出したデータ値、すなわちボルトの緩みを示すようなデータ値が主に除去される。
さらに、本発明に係るボルト緩み検査装置では、続いて、計算部が、第1ハンペルフィルタを通過したフィルタ通過データ列と、元のボルト相対高さデータ列との差を計算する。これにより、第1ハンペルフィルタにより除去されなかった誤差成分が逆に相殺され、第1ハンペルフィルタで除去されたデータ値が抽出された抽出データ列が得られる。すなわち、抽出データ列には、主にボルトの緩みを示すようなデータ値が抽出される。したがって、抽出データ列を用いることで、第1判定部は、車両の変位又は締結装置の個体差に起因する誤差成分の影響を排除して、ボルトの緩みの有無を良好に判定することができる。
ここで、前記計算部は、第2ハンペルフィルタを用いてノイズを除去した前記レール高さデータ列と、前記ボルト高さデータ列との差を計算して、前記ボルト相対高さデータ列を求めるように構成してもよい。
この構成によれば、レールの計測部分に落ち葉又は石などが載っていることにより、レール高さデータ列のデータ値にノイズが含まれる場合でも、第2ハンペルフィルタによりこのノイズを除去できる。したがって、このようなノイズの影響が除去されたボルト相対高さデータ列を得ることができる。
また、前記第1ハンペルフィルタのウインドウ長は、前記第2ハンペルフィルタのウインドウ長より大きく、前記第1ハンペルフィルタで外れ値を識別する偏差値は、前記第2ハンペルフィルタで外れ値を識別する偏差値よりも高い構成が採用されてもよい。
このような第1ハンペルフィルタ及び第2ハンペルフィルタの設定により、レール高さデータ列に含まれるノイズの除去と、ボルト相対高さデータ列から上述した特定の誤差成分を残して突出したデータ値のみを除去する処理とを、適切に実現することができる。
また、本発明に係るボルト緩み検査装置は、前記ボルト相対高さデータ列に基づいて前記複数のボルトの各々の緩みの有無を判定する第2判定部を更に備えてもよい。
レールを締結する複数の締結装置の中には、種類の異なる締結装置がまばらに含まれることがある。このような場合、ボルトの緩みが無くても、種類の異なる締結装置の箇所で、ボルトの高さのデータ値が前後の範囲のデータ値に比べて突出した値となることがある。そこで、上記構成によれば、第2判定部が、ボルト相対高さデータ列に基づいてボルトの緩みの有無を判定する。これにより、種類の異なる締結装置のボルトの緩みを検査できる。一般に、締結装置の種類と配置は管理されていることから、ボルト高さデータ列中のどのデータ値が種類の異なる締結装置のものであるのか特定可能であり、この情報と第1判定部の判定結果と第2判定部の判定結果とから最終的な判定結果を導くことができる。
さらに、前記第1ハンペルフィルタのウインドウ長は21±20%に設定され、前記第1ハンペルフィルタの外れ値の閾値は3σ±20%に設定されてもよい。
このように設定された第1ハンペルフィルタを使用することで、計算負荷を過大にすることなく、より適切にボルトの緩みの有無を判定して、メンテナンスの効率を向上することができる。
本発明によれば、様々な揺れ又は沈み込み等が生じる車両に搭載された計測装置の計測により得られた計測データを使用して、ボルトの緩みの有無を良好に判定することができる。
本発明の実施形態に係るボルト緩み検査装置及び計測装置を示すシステム構成図である。 CPUにより実行されるボルト緩み検査処理の手順を示すフローチャートである。 レール裾高さデータ列及びボルト高さデータ列に対応する計測位置を説明する図である。 レール裾高さデータ列、ボルト高さデータ列及びボルト相対高さデータ列を説明する図である。 ボルトの相対高さとボルトの緩みとの関係を説明する図である。 図2のステップS16で計算される抽出データ列を説明する図である。 ボルトの緩みの判定結果の一例を示す図である。 ハンペルフィルタαの第1パラメータ「偏差値」と判定結果との関係を示すグラフである。 ハンペルフィルタαの第2パラメータ「ウインドウ長」と判定結果との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るボルト緩み検査装置及び計測装置を示すシステム構成図である。
本発明の実施形態に係るボルト緩み検査装置1は、締結装置183のボルトBに緩みが生じていないか検査する装置である。ボルトBは、締結装置183においてレール181と枕木182とを締結するためのものであり、ボルトBが緩んでいる場合には、ボルトBを締め直す必要がある。ボルト緩み検査装置1は、コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)11、表示部12、マウス又はキーボード等の操作部13、データ入力用のインタフェース14、及び記憶装置15を備える。
記憶装置15には、軌道の計測データが格納される計測データ格納部151と、複数の締結装置183の配置及び種類等を示す管理データが格納される締結装置管理データ格納部152とが設けられている。また、記憶装置15には、CPU10が実行するボルト緩み検査プログラム153が格納されている。これらの構成のうち、ボルト緩み検査プログラム153を実行するCPU10が、本発明に係るデータ生成部、計算部、第1判定部及び第2判定部として機能する。また、インタフェース14が本発明に係る情報取得部の一例に相当する。
ボルト緩み検査装置1は、通信ネットワークNを介して、計測装置102から軌道の計測データを入力する。軌道の計測データは、一旦、別のサーバ装置に転送されかつ収集されてからボルト緩み検査装置1に送られてもよい。
計測装置102は、営業車両(鉄道車両)100の下部に搭載され、営業車両100の営業運行の走行中に動作して、計測デバイス101により軌道の計測を行う。計測デバイス101は、特に制限されるものではないが、例えば3次元スキャナを備え、各レール181の左右からレール181及び締結装置183の表面各部の距離を計測し、計測データとして表面各部の三次元位置情報を得る。計測データは、計測箇所の情報及び計測日時の情報が対応付けられて計測装置102に蓄積され、ボルト緩み検査装置1に送られる。なお、計測データは、レール181及び締結装置183の表面各部の三次元位置情報に限られず、後述するレール181の高さ及びボルトBの高さを求めることができるデータであればよい。
<ボルト緩み検査処理>
続いて、ボルト緩み検査装置1のCPU10が実行するボルト緩み検査処理について説明する。図2は、CPUにより実行されるボルト緩み検査処理の手順を示すフローチャートである。
ボルト緩み検査処理は、ボルト緩み検査プログラム153に基づく処理であり、計測装置102から検査区間の軌道の計測データが取得されている状態で、オペレータからボルト緩み検査装置1へ指示操作することで開始される。
<ステップS11−S12>
ボルト緩み検査処理が開始されると、先ず、CPU10は、計測データ格納部151に格納された計測データに基づいてレール裾高さデータ列rh(i)を生成する(ステップS11)。レール裾高さデータ列rh(i)は、本発明に係るレール高さデータ列の一例に相当する。
図3は、レール裾高さデータ列及びボルト高さデータ列に対応する計測位置を説明する図である。レール裾高さデータ列rh(i)は、例えばレール181の所定の計測位置prの高さの平均値を、複数の締結装置183の並び順で配列したものである。計測位置prは、例えばレール181の裾部における締結装置183の近傍部位、具体的には板バネが係合される部位の直前及び直後の二箇所に設定されている。計測位置prの高さは、計測装置102により得られた三次元位置情報から、CPU10が水平な基準面を求め、基準面から計測位置prの高さの平均値を計算することで求められる。
ここで、レール裾高さデータ列rh(i)の引数iは、検査区間の一端から何個目の締結装置183に対応するデータ値であるかを示す。例えば、図3の3つの締結装置183が、検査区間の一端からN番目、N+1番目及びN+2番目に配置されたものであれば、rh(N)、rh(N+1)、rh(N+2)が、これら3つの締結装置183に対応するレール高さのデータ値を示す。
次に、CPU10は、計測データ格納部151に格納された計測データに基づいてボルト高さデータ列bh(i)を生成する(ステップS12)。ボルト高さデータ列bh(i)は、例えばボルトBの頂面に設定された計測位置pbの高さの値を、複数の締結装置183の並び順で配列したものである。計測位置pbの高さは、計測装置102により得られた三次元位置情報から、CPU10が水平な基準面を求め、基準面から計測位置pbの各点の高さの平均値を計算することで求められる。ボルト高さデータ列bh(i)の引数iは、検査区間の一端から何個目の締結装置183に対応したボルト高さのデータ値であるかを表わす。
なお、レール181の高さを表わす計測位置prとしては、上記の例に限られず、例えば板バネが係合される前後の計測位置prのいずれか一方、又は、レール181の踏面など、様々な位置が採用されてもよい。また、ボルトBの高さを求めるために使用される計測位置pbとしては、上記の例に限られず、例えばボルトBの頂面内の一点、又は、ボルトBの頂面内に設定された複数点のうち最も低い点など、様々な設定が可能である。
なお、ここでは、線路の一対のレール181のうち、一方のレール181の左方に配置された複数の締結装置183を対象として、レール裾高さデータ列rh(i)とボルト高さデータ列bh(i)とを生成する例を示している。しかし、計測装置102は、営業車両100が検査区間を一回走行するごとに、2本のレール181の左方及び右方に配置された4列の締結装置183についての測定も合わせて行っている。したがって、ステップS11,S12において、CPU10は、これらの計測データを用いて、2本のレール181の左方及び右方に配置された4列の締結装置183を対象に、各データ列の生成を行ってもよい。ただし、この場合でも、CPU10は、一本のレール181の片側に配置された1列の締結装置183を1セットとして、セット毎に独立してデータ列の生成の処理から後述するボルトBの緩みの有無の判定処理までを行う必要がある。
図4は、レール裾高さデータ列、ボルト高さデータ列及びボルト相対高さデータ列を説明する図である。
上記のステップS11及びステップS12の処理により、図4に示すようなレール裾高さデータ列rh(i)及びボルト高さデータ列bh(i)が生成される。図4の各グラフの横軸は検査区間の始端からの距離(レール181に沿った距離)を示し、縦軸は高さを示す。図4の各グラフ中、1プロットが1つの締結装置183に対応した1つのデータ値を表わす。
レール裾高さデータ列rh(i)は、図4に示すように、複数のプロットが1本の曲線に沿って連なったような一連のデータ値を有する。これは、検査区間中においてレール181の高さはほぼ一定である一方、営業車両100の揺れにより高さの計測結果に波状に変化する誤差が含まれることに基づく。また、レール裾高さデータ列rh(i)には、データ値が周囲と比較して突出したノイズn1が含まれることがある。これは、レール181の裾部に枯れ枝又は石などが載り、その上をレール181の高さとして計測してしまうことに主に起因する。
ボルト高さデータ列bh(i)は、図4に示すように、レール裾高さデータ列rh(i)と同様に波状に変化するデータ値に、バラツキが加わったような一連のデータ値を有する。これは、営業車両100の揺れによりボルトBの高さの計測結果に波状に変化する誤差が含まれる一方、ボルトBの高さには個体差によるバラツキと、締結装置183の種類が異なることによるバラツキと、ボルトBの緩みによるバラツキとが含まれることに基づく。
上記のステップS11及びステップS12を実行するCPU10が、本発明に係るデータ生成部の一例に相当する。
<ステップS13>
次に、CPU10は、レール裾高さデータ列rh(i)をハンペルフィルタβに通してフィルタ通過レール裾高さデータ列rhr(i)(図4も参照)を計算する(ステップS13)。ハンペルフィルタβは、本発明に係る第2ハンペルフィルタの一例に相当する。
ハンペルフィルタβは、「ウインドウ長」及び「偏差値」の2つのパラメータが指定されて特性が決定される。ハンペルフィルタβは、対象のデータ列のうち、連続する所定個のデータ値に注目し、注目したデータ値の中で所定の偏差値以上に離れているデータ値がないか演算処理を行う。そして、このようなデータ値が有れば、これを外れ値として残りのデータ値に近づけるように修正(除去)する。ハンペルフィルタβは、注目する所定個のデータ値を、データ列に沿ってずらしながら、このような演算処理をデータ列の全体に渡って行う。ここで、1回の演算処理で注目する連続的なデータ値の個数が、2つのパラメータの一方である「ウインドウ長」に相当し、外れ値を識別するための所定の偏差値が2つのパラメータの他方である「偏差値」に相当する。
ステップS13のハンペルフィルタβの目的は、図4に示すように、レール裾高さデータ列rh(i)から枯れ枝又は石等に起因するノイズn1を除去することであり、この目的に適合するようにハンペルフィルタβのパラメータが設定される。例えば、ハンペルフィルタβは、ウインドウ長が「5(すなわち5個分のデータ値が含まれるウインドウ長)」、偏差値が「1σ(σは標準偏差)」に設定される。
このように設定されたハンペルフィルタβ及びステップS13の処理により、レール裾高さデータ列rh(i)の枯れ枝又は石等により突出したノイズn1(図4を参照)か除去されて、フィルタ通過レール裾高さデータ列rhr(i)から得られる。
<ステップS14>
図5は、ボルトの相対高さとボルトの緩みとの関係を説明する図を示す。図5に示されるように、レール181の計測位置prとボルトBの計測位置pbとの高低差L1は、正常であれば締結装置183の設計値に応じた値となるが、ボルトBが緩んでいれば設計値からずれた値となる。
そこで、CPU10は、次に、フィルタ通過レール裾高さデータ列rhr(i)とボルト高さデータ列bh(i)との差を計算し、レール181と各ボルトBとの相対的な高低差L1を表わすボルト相対高さデータ列dif(i)(図4を参照)を生成する(ステップS14)。この計算により、理想的には、両データ列に含まれる営業車両100の揺れ等による誤差成分が相殺される。しかしながら、営業車両100に横揺れ、大きな縦揺れ又は大きな沈み込み等の変位が生じていると、営業車両100の変位に起因する誤差成分は、レール裾高さデータ列rhr(i)とボルト相対高さデータ列dif(i)とに異なる大きさで付加される。このため、図4に示すように、ボルト相対高さデータ列dif(i)には、営業車両100の変位による誤差成分が完全に相殺されず、この誤差成分の一部が残される。例えば、ボルト相対高さデータ列dif(i)の一部には、営業車両100の横揺れにより値が高くなる傾向を示すデータ群g1と、値が低くなる傾向を示すデータ群g2等が含まれる。
このように、ボルト相対高さデータ列dif(i)は、ボルトBの緩みに起因するバラツキ成分に加え、営業車両100の変位に起因する誤差成分と、締結装置183の個体差又は種類に起因するバラツキ成分とが含まれたデータ列となる。
<ステップS15−S16>
図6は、図2のステップS16で計算される抽出データ列を説明する図である。
続いて、CPU10は、ボルト相対高さデータ列dif(i)をハンペルフィルタαに通し、突出したデータ値が除去されたフィルタ通過データ列dif_r(i)を計算する(ステップS15)。ハンペルフィルタαは、本発明に係る第1ハンペルフィルタの一例に相当する。
先に説明したように、ボルト相対高さデータ列dif(i)には、営業車両100の変位による誤差成分を主に含んだデータ群g1、g2、及び、各ボルトBの高さのバラツキ成分が加わったデータ群gn1、gn2などが含まれる。
これらのうち、営業車両100の変位による誤差成分は、データ列の連続的な範囲で一定の傾向を持って現れる。このため、この誤差成分を主に含んだデータ群g1、g2は、ハンペルフィルタαにより変化を受けにくい。
また、同種の締結装置183であれば、近い範囲に設置された複数の締結装置183の間で各ボルトBの高さは個体差により大きく変わらない。したがって、個体差によるバラツキ成分が主に含まれるデータ群gn1は、ハンペルフィルタαにより変化を受けにくい。
一方、種類の異なる締結装置183が疎らに設置されている場合には、この締結装置183の前後の範囲でボルトBの高さのデータ値が突出した値となる。また、緩みの進んだボルトが疎らに存在する場合、このボルトBの前後の範囲でボルトBの高さのデータ値が突出した値となる。したがって、これらのバラツキ成分が含まれるデータ群gn2は、ハンペルフィルタαにより除去されやすい。
したがって、ステップS15の計算により、ボルト相対高さデータ列dif(i)から特定のバラツキ成分を持ったデータ群gn2が主に修正(除去)される。そして、営業車両100の変位に起因する誤差成分を有するデータ群g1、g2、並びに、締結装置183の個体差に起因するバラツキ成分を有するデータ群gn1が残されたフィルタ通過データ列dif_r(i)が得られる。
ハンペルフィルタαは、このようなデータ値の削除と通過とが行われるようにパラメータが設定される。詳細は後述するが、例えば、ハンペルフィルタαは、ウインドウ長が「21」、外れ値を識別する偏差値が「3σ」に設定される。
続いて、CPU10は、ボルト相対高さデータ列dif(i)とフィルタ通過データ列dif_r(i)との差を計算して、抽出データ列ex(i)を求める(ステップS16)。この計算により、ハンペルフィルタαによって除去されたデータ値が逆に抽出され、ハンペルフィルタαを通過したデータ値が相殺された抽出データ列ex(i)が得られる。つまり、抽出データ列ex(i)からは、営業車両100の変位に起因する誤差成分と、同種の締結装置183の個体差に起因するバラツキ成分とが除去される。一方、抽出データ列ex(i)には、ボルトBの緩み或いは締結装置183の種類の違いに起因して突出したデータ値が残される。
さらに、ステップS15のハンペルフィルタαを用いた計算では、周辺の中で突出したデータ値を有するデータ群gn2が、周辺のデータ値の平均値に近づくように修正される。ここで、仮に、営業車両100の横揺れによりボルト相対高さデータ列dif(i)の一部に一定の誤差成分が残され、かつ、この範囲にデータ群gn2が存在したとする。このような場合でも、上記のように抽出データ列ex(i)が計算されることで、データ群gn2のデータ値からは、周辺のデータ値の平均値(すなわち誤差成分の平均値)が減算される。すなわち、抽出データ列ex(i)のデータ群gn2からは営業車両100の横揺れに起因する誤差成分が除去される。同様に、ボルト相対高さデータ列dif(i)のデータ群gn2のデータ値に、締結装置183の個体差に起因するバラツキ成分が残されている場合も想定される。しかし、このような場合でも、上記のように抽出データ列ex(i)が計算されることで、データ群gn2のデータ値から個体差に起因するバラツキ成分を除去することができる。
ステップS15、S16の計算により、上記のようにデータ群gn2が抽出された抽出データ列ex(i)を得ることができる。上述したステップS13〜ステップS16を実行するCPU10が、本発明に係る計算部の一例に相当する。
<ステップS17−S19>
続いて、CPU10は、抽出データ列ex(i)の各データ値と、緩みの有無を判別する第1閾値hth1とを比較して、第1閾値hth1を超えたデータ値を緩み有りと仮判定する(ステップS17)。仮判定であるのは、抽出データ列ex(i)に抽出された突出したデータ値の中には、締結装置183の種類の違いに起因して周囲から値が突出したデータ値も含まれているためである。以下、ステップS17の仮判定を、「仮判定1」と記す。ステップS17を実行するCPU10が、本発明に係る第1判定部の一例に相当する。
なお、仮判定1は、各データ値と第1閾値hth1との比較により、緩みの有無を判定する方法に制限されない。例えば、時期を隔てて取得された複数時点の計測データに基づき、CPU10が、抽出データ列ex(i)に含まれる各データ値の時間軸に沿った推移を計算し、この推移と各データ値の大きさとから緩みの有無を判定してもよい。
次いで、CPU10は、ステップS14で計算されたボルト相対高さデータ列dif(i)の各データ値と、緩みの有無を判別する第2閾値hth2とを比較して、第2閾値hth2を超えたデータ値を緩み有りと仮判定する(ステップS18)。以下、ステップS18の仮判定を、「仮判定2」と記す。ステップS18を実行するCPU10が、本発明に係る第2判定部の一例に相当する。仮判定2は、主に、種類の異なる締結装置183についてボルトBの緩みの有無を判定するために行われる。
なお、仮判定2は、各データ値と第2閾値hth2との比較により、緩みの有無を判定する方法に制限されない。例えば、時期を隔てて取得された複数時点の計測データに基づき、CPU10が、ボルト相対高さデータ列dif(i)に含まれる各データ値の時間軸に沿った推移を計算し、この推移と各データ値の大きさとから緩みの有無を判定してもよい。
続いて、CPU10は、ステップS17の仮判定1の結果、ステップS18の仮判定2の結果、並びに、締結装置183の種類の情報に基づいて、ボルトBの緩みの有無について最終判定結果を決定する(ステップS19)。締結装置183の種類の情報は、予め外部から与えられて、締結装置管理データ格納部152(図1)に格納されている。
図7は、ボルトの緩みの判定結果の一例を示す図である。図7の表中、仮判定1、仮判定2及び最終判定の各項目において、緩み無しを「○」、緩み有りを「×」と示す。
同図に示すように、CPU10は、締結装置183が通常のA種である場合、仮判定1の結果を最終判定結果として選択する。また、CPU10は、締結装置183の高さがA種のものより高いB種である場合、仮判定1の結果と仮判定2の結果とが共に緩み有りである場合に、緩み有りと最終判定し、それ以外は緩み無しと最終判定する。なお、この最終判定のロジックは一例に過ぎず、締結装置183の種類の数、複数の種類間におけるボルトBの高さの差異に応じて、そのロジックは適宜変更されてもよい。
CPU10は、最終判定結果を決定したら、その結果を表示又は印字等により出力して(ステップS19)、ボルト緩み検査処理を終了する。
以上のボルト緩み検査処理によれば、ボルト緩み検査装置1により、検査区間の複数の締結装置のうち緩んだボルトBを良好に検出することができる。
<ハンペルフィルタαのパラメータの設定>
次に、図2のステップS15において、ボルト相対高さデータ列dif(i)から突出した値を除去するハンペルフィルタαのパラメータについて説明する。
上述したように、ボルト相対高さデータ列dif(i)には、誤差成分又はバラツキ成分を有するデータ群g1、g2、gn1、gn2が含まれる(図4を参照)。これらのうち、データ群g1、g2は、営業車両100の変位による誤差成分を主に含むデータ群であり、データ群gn1は同種の締結装置183の個体差によるバラツキ成分を主に含むデータ群である。また、データ群gn2はボルトBの緩み又は締結装置183の種類によるバラツキ成分を主に含むデータ群である。
ハンペルフィルタαは、上述したステップS15及びステップS16の作用が得られるように、データ群g1、g2、gn1を通過させ、データ群gn2を除去する特性を持つとよい。このような特性により、ボルトBの緩みを正確に判定できる抽出データ列ex(i)を計算することができる。
図8は、ハンペルフィルタαの第1パラメータ「偏差値」と判定結果との関係を示すグラフである。図8のグラフの縦軸はTPR(True Positive Ratio)であり、緩みの有るボルトBを緩み有りと検出できる割合を示す。同グラフの横軸はFPR(False Positive Ratio)であり、緩みの無いボルトBを緩み有りと誤検出してしまう割合を示す。
ここでは、標準的な検査区間における4セットの計測データを対象に、ハンペルフィルタαの第1パラメータ「偏差値」を0σ、1σ、2σ、3σと変えて、それぞれボルト緩み検査処理を行い、そこで得られた判定結果のTPRとFPRとを示している。
図8の結果から、ハンペルフィルタαの第1パラメータ「偏差値」の設定は3σとした。図8のグラフに示すように、3σの設定によれば、TPRが低下したものの、TPRは0.3〜0.5と許容できる値に留まった。このTPRの値であれば、ボルトBに生じた小さな緩みは非検出となる割合が高くなるが、大きな緩みは確実に検出することが可能となる。また、3σの設定によれば、FPRが0.05以下と非常に低い値となり、緩みが無いのに緩み有りと判定される割合を非常に低くすることができた。緩みが無いのに緩み有りと判定されると、係員が現地に赴いて検査することで緩みが無いと確認されるという非効率な状況が発生する。このため、FPRはなるだけ小さな値となることが好ましく、0.05以下であれば非効率な状況を顕著に少なくすることが可能であった。なお、図8のグラフから、第1パラメータ「偏差値」が0.3σ±20%程度であれば、FPRを十分に低くでき、かつ、TPRを許容できる値に留めることができると推測された。
図9は、ハンペルフィルタαの第2パラメータ「ウインドウ長」と判定結果との関係を示すグラフである。図9のグラフにおいて横軸はウインドウ長を示し、縦軸はTPR又は1−FPRの値(割合)を示す。1−FPRは、緩みの無いボルトBを緩み無しと正しく検出できる割合を示す。ここでは、標準的な検査区間における1セットの計測データを対象に、ハンペルフィルタαの第2パラメータ「ウインドウ長」を5〜81と変化させて、ボルト緩み検査処理を行い、そこで得られた判定結果のTPRと1−FPRとを示している。ただし、ハンペルフィルタαの第1パラメータ「偏差値」は3σに設定している。
図9の結果から、ハンペルフィルタαの第2パラメータ「ウインドウ長」の設定は「21」とした。図9のグラフに示すように、1−FPRはウインドウ長によらずに高い値が維持された。一方、ウインドウ長が「5」から「21」へと長くなるに従って、TPRが上昇する傾向を示すものの、ウインドウ長が「21」以上では、TPRは頭打ちとなって大きく変化しなかった。ウインドウ長を大きくするほどハンペルフィルタαの計算負荷が高くなるため、TPRが頭打ちとなった「21」をウインドウ長として採用した。この設定により、計算負荷が過大になることを避けつつ、良好な検査結果を得ることが可能となる。なお、図9のグラフから、第2パラメータ「ウインドウ長」が21±20%程度であれば、TPRを低下させず、かつ、計算負荷の低減を図ることができると推測された。
以上のように、本実施形態のボルト緩み検査装置1によれば、ボルト相対高さデータ列dif(i)と、これをハンペルフィルタαに通して得られたフィルタ通過データ列dif_r(i)との差が計算される。そして、この計算の結果、営業車両100の変位に起因した誤差成分と、締結装置183の個体差によるバラツキ成分とが除去され、ボルトBの緩みを示すような突出したデータ値が残された抽出データ列ex(i)を得ることができる。したがって、ボルト緩み検査装置1によれば、抽出データ列ex(i)に基づいて判定を行うことで、締結装置183のボルトBの緩みの有無を良好に判定することができる。
また、本実施形態のボルト緩み検査装置1によれば、抽出データ列ex(i)に基づく仮判定1と、ボルト相対高さデータ列dif(i)に基づく仮判定2とに基づいて、ボルトBの緩みの有無について最終的な判定結果が得られる。このような処理により、検査区間に種類の異なる締結装置183が疎らに含まれるような場合でも、ボルトBの緩みの有無を良好に判定することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、計測装置102を営業車両100に搭載して軌道の計測データを得る例を示したが、計測装置102は線路の維持管理に供する事業用車に搭載して軌道を計測してもよい。また、レール181の高さとしてレール181の踏面位置の高さが採用された場合には、レール高さデータ列に枯れ枝又は石などにより誤差が生じ難い場合も想定される。このような場合には、レール高さデータ列からノイズを除去する処理を省略し、ボルト高さデータ列bh(i)とレール高さデータ列との差を計算して、ボルト相対高さデータ列dif(i)を求めてもよい。また、上記実施形態では、ハンペルフィルタαに設定されるパラメータ(偏差値及びウインドウ長)の最適な一例を示したが、検出すべきボルトの緩みの度合、要求されるメンテナンス効率の度合などに応じて、これらのパラメータの値は適宜変更可能である。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 ボルト緩み検査装置
10 CPU
12 表示部
13 操作部
14 インタフェース
15 記憶装置
100 営業車両
101 計測デバイス
102 計測装置
151 計測データ格納部
152 締結装置管理データ格納部
153 ボルト緩み検査プログラム
181 レール
182 枕木
183 締結装置
B ボルト
g1、g2、gn1、gn2 データ群
pb、pr 計測位置

Claims (5)

  1. レールと枕木とを締結する締結装置のボルトの緩みを検査するボルト緩み検査装置であって、
    レール上を走行する車両に搭載された計測装置によって前記車両の走行中の計測で得られたレール及び複数の締結装置に関する計測データを取得する情報取得部と、
    前記計測データから、前記複数の締結装置の複数のボルトの高さを表わすデータ値が前記締結装置の並び順で配列されたボルト高さデータ列、及び、レールにおける前記複数の締結装置の近傍の部位の高さを表わすデータ値が前記締結装置の並び順で配列されたレール高さデータ列を生成するデータ生成部と、
    前記ボルト高さデータ列と前記レール高さデータ列とに基づいてレールに対する前記複数のボルトの各々の相対的な高さを表わすデータ値が前記複数の締結装置の並び順で配列されたボルト相対高さデータ列を計算し、第1ハンペルフィルタを用いて前記ボルト相対高さデータ列から突出した値を除去したフィルタ通過データ列を計算し、かつ、前記ボルト相対高さデータ列と前記フィルタ通過データ列との差を計算して抽出データ列を求める計算部と、
    前記抽出データ列に基づいて前記複数のボルトの各々の緩みの有無を判定する第1判定部と、
    を備えることを特徴とするボルト緩み検査装置。
  2. 前記計算部は、第2ハンペルフィルタを用いてノイズを除去した前記レール高さデータ列と、前記ボルト高さデータ列との差を計算して、前記ボルト相対高さデータ列を求めることを特徴とする請求項1記載のボルト緩み検査装置。
  3. 前記第1ハンペルフィルタのウインドウ長は、前記第2ハンペルフィルタのウインドウ長より大きく、前記第1ハンペルフィルタで外れ値を識別する偏差値は、前記第2ハンペルフィルタで外れ値を識別する偏差値よりも高いことを特徴とする請求項2記載のボルト緩み検査装置。
  4. 前記ボルト相対高さデータ列に基づいて前記複数のボルトの各々の緩みの有無を判定する第2判定部を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボルト緩み検査装置。
  5. 前記第1ハンペルフィルタのウインドウ長は21±20%に設定され、前記第1ハンペルフィルタの外れ値の閾値は3σ±20%に設定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のボルト緩み検査装置。
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