JP2018119877A - 舗装の路面性状の調査システム、および、舗装の路面性状の調査方法 - Google Patents

舗装の路面性状の調査システム、および、舗装の路面性状の調査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡略なシステムで扱う情報量を限定し、舗装の路面性状の調査効率を高める。【解決手段】外側点と内側点と中央点の路面の高さを計測する路計測手段11と、外側点の路面高さと、内側点の路面高さとを加算し、その値を1/2して平均高さ値を算出し、中央点の路面高さから、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する算出手段12と、外側点又は内側点から縦断形状の情報を生成する生成手段13と、縦断形状の情報からうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分してMPDの値を算出する算出手段14と、局所凸量の数値が、安全値未満を観察群とし、観察群に含まれず所定の注意値未満を注意群とし、観察群および注意群に含まれず、MPDの値が所定未満を警報群とし、観察群および注意群に含まれず、MPDの値が所定以上を危険群とするグレード分類手段と、を備える舗装の路面性状の調査システムを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、適切な時期に保守作業を実行して、舗装の損傷の拡大を防止するための、舗装の路面性状の調査システム、および、舗装の路面性状の調査方法に関する。
舗装道路は、経年劣化、車両の走行に伴うポットホールやひび割れの発生、物理的な衝撃や振動に伴う損傷等、さまざまな要因の作用により、舗装表面の破壊が進行する。
このため、舗装表面の破壊が、走行車両に悪影響を及ぼす以前に、保守点検作業を通して、破壊の発生を予測し、必要区間に適時に適切な保守作業を施す必要がある。
道路管理者は、さまざまな路面性状の検査システムを用い、道路を点検し、道路の維持管理に努めている。
このような舗装の路面性状の調査方法として、例えば、特願2016−160750に開示されるような、画像解析を利用して舗装の路面性状を調査し、破壊のリスクを定量分析する方法がある。
この分析方法は、路面性状データから算出される局所沈下量等の路面性状データや、路面性状データから算出される平均プロファイルであるMPD等を舗装路面の劣化因子として、この劣化因子の値から、路面の破損の発生リスクを段階的に判定するものである。
この従来の方法では、例えば、路面性状の調査は、3年ごとに設定される。
これは、膨大なデータを処理する必要があって、データの解析に時間がかかるため、頻繁に実施することは効率的ではないことが原因である。
具体的に説明すると、この従来の方法では、路面性状を面状にプロットした立体データ、および、可視画像の解析を実行する。
そして、ひび割れは、可視画像に基づいて検出され、その発生率が、ひび割れ描画によって算出される。
そして、ひび割れの評価は、例えば、ひび割れの発生状況が線状または面状であるかを判別し、線状および面状のひび割れの発生状況を数値化した上で、実行される。
このひび割れの評価においては、ひび割れが線状または面状であるかを判別する際に、作業員の主観的な判断が必要であるため、評価の工程を自動化することができず、また、作業員の熟練度に応じ、その評価内容にばらつきがでることがあり、さらには、線状または面状の判別を正確に行うことが困難なひび割れも存在するなど、問題が多かった。
また、わだちは、高さ画像によるわだち量として検出され、試験法どおりのわだち量の検出が実行される。
また、平坦性についてはIRI(国際ラフネス指数)を正確に検出することによって確認される。
また、局所沈下量は、横断形状から正確に測定される。
また、MPD(平均プロファイル深さ)は、高さ画像の分析を介して算出される。
上記のように、従来の方法では、精密なデータに基づいて、路面の性状を広範囲で調査するため、その測定精度は高い。
一方で、先に述べたとおり、調査の処理に用いられるデータが膨大で、その解析に時間が必要なため、調査効率を考慮すると、3年に1回程度の実施とせざるをえない。
しかしながら、路面の損傷状態は、路線の交通量、路線ごとにことなる劣化曲線、振動や衝撃によるストレス等により異なり、3年後ごとの路面性状調査の前に損傷が出現する可能性がある。
このため、上記の従来のリスクの定量分析の方法では、実際の道路の運用状態に対応した調査を最大限有効に実行することが困難で、この方法だけでは、適正な道路の維持管理が困難であった。
特願2016−160750
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、簡略なシステムで、扱う情報量を限定して簡単な処理で短時間に舗装の路面性状を効率的に調査できるようにし、これによって、頻回の調査を容易にし、舗装の路面性状をリアルタイムで把握できるようにする。
これにより、突発的な路面性状の変化にも対応できるようにし、過不足なく保守作業を実施できるようにし、道路の保守管理を高効率化することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、
車両に設けられ、車両の幅方向に沿って、舗装の路面の外側線側の車輪の走行延長線上の外側点と、中央線側の車輪の走行延長線上の内側点と、外側点と内側点の中央の中央点の3箇所の路面の高さを計測する路面高さ計測手段と、
路面高さ計測手段によって得られた、外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算し、得られた加算値を1/2として平均高さ値を算出し、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する局所凸量算出手段、および、局所沈下量算出手段のいずれか一方と、
路面高さ計測手段によって得られた、外側点、および、内側点のいずれか一方の値から、路面の縦断形状の情報を生成する縦断形状生成手段と、
縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、切り出された路面形状の情報に基づき、MPDを算出するMPD算出手段と、
路面の損傷の発生リスクを、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値未満の観察対象の群を近い将来に保守作業が必要な警報群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な危険群と分類する
グレード予測手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、路面高さ計測手段が、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して路面の形状を撮影する光切断撮影装置を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、路面高さ計測手段を介して得られる路面高さの情報から、移動平均による路面のわだち成分を除去し、ひび割れ情報を生成するひび割れ判定手段を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
ひび割れ判定手段が、
生成されたひび割れ情報のひび割れの深さをひび割れ情報として生成し、ひび割れの深さが−8mm以下のとき、これをひび割れと判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
ひび割れ判定手段が、
調査対象の路面が、密粒舗装の場合、生成されたひび割れ情報中の標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定し、
調査対象の路面が、排水性舗装の場合、生成されたひび割れ情報に対し、Medianフィルタでばらつきを除去する処理を実行し、標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
ひび割れ判定手段が、
生成されたひび割れ情報中の標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
ひび割れ判定手段が、
得られた路面高さ情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割し、メッシュ単位でひび割れの発生を判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
ひび割れ判定手段が、
ひび割れが発生したと判定されたメッシュの分布に応じ、ひび割れの発生の傾向を判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムは、前記のシステムにおいて、
MPD算出手段が、
縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、路面のうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分してMPD推定値を算出する
ことを特徴とする。
なお、MPD算出手段には、従来公知、例えば、上記の先行技術に開示されたものを採用してもよい。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、
車両の幅方向に沿って、舗装の路面の外側線側の車輪の走行延長線上の外側点と、中央線側の車輪の走行延長線上の内側点と、外側点と内側点の中間の中央点の3箇所の路面の高さを計測する計測ステップと、
外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算し、得られた加算値を1/2として平均高さ値を算出し、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する局所凸量算出ステップ、および、局所沈下量算出ステップのいずれか一方と、
外側点、および、内側点のいずれか一方の値から、路面の縦断形状の情報を生成する縦断形状生成ステップと、
縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、切り出された路面形状の情報に基づき、MPDを算出するMPD算出ステップと、
路面の損傷の発生リスクを、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値未満の観察対象の群を近い将来に保守作業が必要な警報群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な危険群と分類するグレード予測ステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、路面高さの情報から、移動平均による路面のわだち成分を除去し、ひび割れ情報を生成するひび割れ判定ステップを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、生成されたひび割れ情報のひび割れの深さが−8mm以下のとき、これをひび割れと判定することを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、
ひび割れの判定ステップにおいて、
調査対象の路面が、密粒舗装の場合、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールが施されたメッシュとして判定し、ひび割れが発生したと判定し、
調査対象の路面が、排水性舗装の場合、移動平均により路面のわだちを除去した後、Medianフィルタでばらつきを除去し、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、
ひび割れの判定ステップにおいて、
ひび割れの判定ステップにおいて、
生成されたひび割れ情報中の標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、
ひび割れ判定ステップにおいて、
得られた路面高さの情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割した単位に分割し、メッシュ単位でひび割れの発生を判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、
ひび割れ判定ステップにおいて、
ひび割れが発生したと判定されたメッシュの分布に応じ、ひび割れの発生の傾向を判定する
ことを特徴とする。
また、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法は、前記の方法において、
MPD算出ステップが、
縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、路面のうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分してMPD推定値を算出する
ことを特徴とする。
なお、MPD算出手段には、従来公知、例えば、上記の先行技術に開示されたものを採用してもよい。
上記の本発明では、舗装の路面性状の調査システムを、例えば、道路管理のため、日常的にパトロールに用いられる車両に設けることにより、日常的に、保守に必要な情報の収集が可能になる。
このとき、処理すべき情報量と、情報の処理時間を、従来に比べ、大幅に圧縮できるので、処理における負担を軽減できる。
これによって、本発明では、例えば、日々のパトロール業務と並行して、舗装の路面性状を調査し、舗装の劣化や損傷が拡大する前に、保守作業が必要な箇所を確認することが、容易ににできるようになり、IoT(Internet of Things)を利用すれば、複数の車両から得られたデータをネットを経由してリアルタイムで集約し、舗装の路面性状の調査に利用できるようになる。
図1は、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムの位置実施例の構成を示すブロック図である。 図2は、図1の調査システムを搭載した調査車両の側面説明図である。 図3は、光切断装置の配置を示図1の背面説明図である。 図4は、図1のひび割れの判定手段による密粒舗装上のひび割れの検出状況を示す説明図である。 図5は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のひび割れの検出状況を示す説明図である。 図6は、図1のひび割れの判定手段による密粒舗装上のクラックシールの検出状況を示す説明図である。 図7は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のクラックシールの検出状況を示す説明図である。 図8は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のパッチングの検出状況を示す説明図である。 図9は、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法の動作を示すフローチャートである。 図10は、本発明の局所凸量と従来の局所沈下量の相関を示すグラフである。 図11は、本発明のフーリエ面積と従来のMPDの相関を示すグラフである。 図12は、本発明のグレード分類ステップにおいて分類された群の経過月数に伴う劣化状況をしめすグラフである。 図13は、図12のグラフの分析対象となった箇所における、当初グレードと、実際に補修の実施に至った箇所の数を示す表である。 図14は、本発明におけるグレード分類の再現性の検証結果を示す表である。 図15は、従来のポットホール発生リスクの定量化フローである。 図16は、従来技術による実測結果と本発明による結果との相関性を示す表である。
まず、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムを説明する。
ず、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムを説明する。
図1は、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムの位置実施例の構成を示すブロック図、図2は、図1の調査システムを搭載した調査車両の側面説明図、図3は、光切断装置の配置を示す図1の背面説明図、図4は、図1のひび割れの判定手段による密粒舗装上のひび割れの検出状況を示す説明図、図5は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のひび割れの検出状況を示す説明図、図6は、図1のひび割れの判定手段による密粒舗装上のクラックシールの検出状況を示す説明図、図7は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のクラックシールの検出状況を示す説明図、図8は、図1のひび割れの判定手段による排水性舗装上のパッチングの検出状況を示す説明図、図9は、本発明にかかる舗装の路面性状の調査方法の動作を示すフローチャート、図10は、本発明の局所凸量と従来の局所沈下量の相関を示すグラフ、図11は、本発明のフーリエ面積と従来のMPDの相関を示すグラフ、図12は、本発明のグレード分類において分類された群の経過月数に伴う劣化状況をしめすグラフ、図13は、図12のグラフの分析対象となった箇所における、当初グレードと、実際に補修の実施に至った箇所の数を示す表、図14は、本発明におけるグレード分類の再現性の検証結果を示す表、図15は、従来のポットホール発生リスクの定量化フロー、図16は、従来技術による実測結果と本発明による結果との相関性を示す表である。
まず、図1ないし図4に基づき、本発明にかかる舗装の路面性状の調査システムの構成について説明する。
図1ないし図3中、1は本発明にかかる舗装の路面性状の調査システム、10は舗装の路面性状の調査システム1の動作を制御する制御手段、100は制御手段10に接続された格納手段、101は制御手段10に接続されたディスプレイ手段、102は制御手段10に接続された入力手段、11は制御手段10に接続された路面高さ計測手段、110は路面高さ計測手段11のスリットレーザ発振器、110aはスリットレーザ発振器110から発振されるレーザ光、110bはレーザ光110aの照射によって形成されるマーカー、111は路面高さ計測手段11の光切断撮影装置、111aは光切断撮影装置111の撮影軸、111bは外側点、111cは内側点、111dは中央点、12は制御手段10に接続された局所凸量算出手段、13は制御手段10に接続された縦断形状生成手段、14は制御手段10に接続されたMPD算出手段、15は制御手段10に接続されたグレード分類手段、16はひび割れ判定手段、2は舗装の路面、3は調査車両である。
制御手段10には、格納手段100、ディスプレイ手段101、入力手段102が接続される。
格納手段100は、少なくとも、本システムの動作に必要なプログラム、および、作成または編集された各種情報ファイルを格納する。
ディスプレイ手段101は、本システムの動作に必要な操作画面、作成された情報、編集された情報等を表示する。
入力手段102は、本システムの操作に必要な入力を行うための入力インターフェース、具体的には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルである。
路面高さ計測手段11は、スリットレーザ発振器110、光切断撮影装置111、および、変位計112を備える。
スリットレーザ発振器110は、路面2に対して垂直に、車の進行方向に対して横断方向にそってスリット状のレーザ光110aを照射するものであって、レーザ光110aが照射された路面2上には、線状のマーカー112aが形成される。
光切断撮影装置111は、マーカー112aを斜め方向に撮影するものであって、本実施例においては、その撮影軸111aが、スリットレーザ発振器110の後方側から斜め前方下方に向かって設定されるよう配置される。
なお、この光切断撮影装置111を用いた計測の基本的な構成は、特願2016−160750に開示されている。
次に、局所凸量算出手段12について説明する。
上記の従来技術では、路面性状を解析するために、横断方向全領域に渡る情報を解析の対象とするが、本発明では、限られた範囲の情報を解析と対象とする。
本発明では、光切断撮影装置111を介して得られる情報のうち、調査車両3の幅方向に沿って、路面2の外側線の車輪の走行延長線上に設定される外側点111bと、中央線側の車輪の走行延長線上の内側点111cと、外側点111bと内側点111cの中間の中央点111dの3箇所の情報を解析に利用する。
本実施例では、外側点111bは、調査車両3の進行方向に向かって左側後輪の後方、内側点111bは、調査車両3の右側後輪の後方、中央点111dは、調査車両3の中央後方に設定される。
局所凸量算出手段12は、光切断撮影装置111によるマーカー110bの撮影によって得られた情報を処理する。
具体的には、局所凸量算出手段12は、光切断撮影装置111から得られた情報のうち、マーカー110bにおける、外側点111b、内側点111cおよび中央点111d上の路面高さの値を入力する。
局所凸量算出手段12は、以下の処理を実行する。
局所凸量算出手段12は、まず、外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算する。
次に、得られた加算値を1/2とし、これによって平均高さ値を算出する。
次に、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算し、これによって、局所凸量を算出する。
縦断形状生成手段12は、変位計112を介して得られた路面高さの情報を処理する。
この縦断形状生成手段12は、得られた路面高さの情報に基づき、路面の縦断方向の形状を示す縦断形状情報を生成する。
MPD算出手段14は、具体的には、特願2016−160750に開示されたMPDの算出技術を採用する。
ここでは、路面の縦断形状の情報から、所定距離ごとに縦断形状を切り出し、MPDの値を算出する。
グレード分類手段15は、路面の損傷の発生リスクを、局所凸量の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群とし、観察群及び注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値未満の観察対象の群を近い将来に保守作業が必要な警報群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な危険群と分類する。
なお、ここでいう路面の損傷とは、具体的には、主に、ポットホールの発生を示す。
ひび割れ判定手段16は、光切断撮影装置111を介して得られる、路面2の幅方向に沿った高さ情報を入力する。
このひび割れ判定手段16は、まず、調査車両3の走行に伴い、路面2に対応する帯状の高さ情報を生成する。
次に、このひび割れ判定手段16は、得られた高さ情報に基づき、移動平均による路面2のわだち成分を除去し、平面高さ情報を生成する。
次に、このひび割れ判定手段16は、平面高さ情報に、予め定められた間隔、例えば、20cm間隔でメッシュ情報を設定する。
次に、このひび割れ判定手段16は、平面高さ情報に含まれるひび割れ深さの情報が、−8mm以下のとき、これをひび割れとし、このひび割れの情報が存在するメッシュをひび割れが発生したメッシュとして判定し、ひび割れを検出する。
このひび割れがメッシュに出現する具体例は、密粒舗装の場合は図4に示され、排水性舗装の場合は図5に示されるとおりである。
図4および図5の左側の可視画像には、ひび割れが記録されているが、この可視画像のひび割れの深さを実際に計測したところ、−8mm以下の高さの領域をひび割れと定義したところ、図4および図5の左側の可視画像と、右側のメッシュ図のひび割れの発生状態に明確な相関性が表れた。
このため、本実施例では、ひび割れの定義を−8mm以下とした。
なお、この数値は、調査態様に応じ、適宜変更することが可能である。
また、このひび割れ判定手段16は、調査対象の路面が密粒舗装の場合、移動平均により路面のわだちを除去した後、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生した領域と判定する。
また、このひび割れ判定手段16は、調査対象の路面が排水性舗装の場合、移動平均により路面のわだちを除去した後、Medianフィルタでばらつきを除去し、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生した領域と判定する。
このひび割れ判定手段16は、クラックシールの情報が存在するメッシュをクラックシールが施されたメッシュ、即ち、ひび割れが存在するメッシュとして判定し、クラックシールを検出する。
このクラックシールがメッシュに出現する具体例は、密粒舗装の場合は図6に示され、排水性舗装の場合は図7に示されるとおりである。
また、このひび割れ判定手段16は、移動平均により路面のわだちを除去した後、その標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングと判定し、ひび割れが発生した領域と判定する。
このひび割れ判定手段16は、パッチングの情報が存在するメッシュをパッチングが施されたメッシュ、即ち、ひび割れが存在するメッシュとして判定し、パッチングを検出する。
このパッチングがメッシュに出現する具体例は、例えば、排水性舗装の場合では、図8に示されるとおりである。
なお、このクラックシールとパッチングのメッシュは、舗装の損傷を一時的に補修した痕跡であるので、ひび割れと同様に取り扱う必要がある。
このため、ひび割れそのものと並行して、クラックシールやパッチングのメッシュの分布を監視することにより、その割合が一定以上になったり、短期間に局所的に増加したりしたときに、根本的な保守作業を行うなど、大規模な保守作業の予定を組むことができるようになる。
次に、図9に基づき、上記の舗装の路面性状の調査システムの動作について説明する。
以下の動作の説明は、上記の舗装の路面性状の調査システムの使用を前提とする。
このため、以下では、上記で既に説明した詳細な構成については、その説明を省略する。
まず、前記調査システムを搭載する調査車両3、具体的には、例えば、日常の巡回作業等に供されるパトロール車両で路面2上を走行させ、調査を開始する。
調査が開始されると、路面高さ計測手段11が、舗装の路面上に設定される外側点と、内側点と、中央点の3点の路面高さを計測する(計測ステップS01)。
計測された路面高さの情報は、路面高さ計測手段11、縦断形状生成手段13、および、ひび割れ判定手段16を送出される。
次に、局所凸量算出手段12が、得られた外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算し、得られた加算値を1/2として平均高さを算出し、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する。(局所凸量算出ステップS02)。
次に、縦断形状生成手段13が、得られた外側点、または、内側点のいずれか一方の値、本実施例では、外側点の値から、路面の縦断形状の情報を生成する(縦断形状生成ステップS03)。
次に、MPD算出手段14が、特願2016−160750に開示された技術を介してMPDの値を算出する(MPD算出ステップS04)。
次に、グレード分類手段15が、路面の損傷の発生リスクに応じ、局所凸量の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群とし、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な警報群と分類する(グレード分類ステップS05)。
なお、このグレード分類ステップS05における分類に必要な数値については、後述する。
次に、ひび割れ判定手段16が、得られた路面高さの情報から、移動平均による路面のわだち成分を除去し、ひび割れ情報を生成する(ひび割れ判定ステップS06)。
このひび割れ判定ステップS06では、まず、得られた路面高さの情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割した単位に分割し、メッシュ単位でひび割れの発生を判定する。
なお、路面の局所的なひび割れや、ポットホールの発生に対応して、損傷の拡大を防止する目的で、クラックシールやパッチング等の補修が実施される。
路面の表面には、ひび割れや損傷の前兆が出現していない場合でも、このような補修の痕跡は、将来的な損傷の発生の可能性を示す。
このため、このような補修の痕跡の割合が多い区間は、大規模な補修作業が必要になる。
本実施例では、ひび割れ判定手段16が、このような補修の痕跡も、ひび割れとして判別する。
具体的には、ひび割れの判定ステップS06において、得られた路面高さの情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割した単位に分割し、移動平均により路面のわだちを除去した後、調査対象の路面が、密粒舗装の場合、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールが施されたメッシュとして判定し、調査対象の路面が、排水性舗装の場合、移動平均により路面のわだちを除去した後、Medianフィルタでばらつきを除去し、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定する。
また、ひび割れの判定ステップS06において、得られた路面高さの情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割した単位に分割し、異動平均により路面のわだちを除去した後、その標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングと判定する。
このように、クラックシールまたはパッチングとして判定されたメッシュも、ひび割れが発生したメッシュとして判定される。
次に、図10から図14に基づき、グレード分類ステップS05における分類について、説明する。
グレード分類ステップでは、既に述べたとおり、路面の損傷の発生リスクに応じ、調査対象を、観察群、注意群、および、警報群に分類する。
このグレード分類は、局所凸量の数値、および、MPDの値に基づき、分類される。
この基準となる数値は、路面の種類や構成に応じげ変化するので、その数値の設定には、従来、具体的には、特願2016−160750に開示されたポットホール発生リスクの定量化フローとの対比が行われる。
特願2016−160750の定量化フローは、図15に示すとおりである。
本発明では、図15の「観察」が、本願における「観察群」、同様に「カテゴリーI」が「注意群」、「カテゴリーIIおよびIII」が「警報群」、「カテゴリーIV」が「危険群」に分類される。
具体的には、まず、本発明の局所凸量と、従来の局所沈下量との相関であるが、定期測定区間6kmにて得られたデータを比較すると、図10に示されるように、両者には明確な相関関係が認められる。
上記の従来技術では、局所沈下量が3mm未満のとき、「観察」である。
図10の実施例では、この値に対応する局所凸量は、約10.07mmであり、本実施例では、調査対象箇所の局所凸量が10.07mm未満のとき、「観察群」に分類される。
また、上記の従来技術では、局所沈下量が7mm未満のとき、「カテゴリーI」である。
図10の実施例では、この値に対応する局所凸量は、約19.54mmであり、本実施例では、調査対象箇所の局所凸量が19.07mm以上、19.54mm未満のとき、「注意群」に分類される。
また、上記の従来技術では、色情報を分類の指標として使用しているが、本発明では、色情報を使用しない。
また、本発明のフーリエ面積と、従来のMPDの相関であるが、定期測定区間6kmにて得られたデータを比較すると、図11に示されるように、両者には明確な相関関係が認められる。
図11の実施例では、MPDが3.5以上のとき、「カテゴリーIV」となって、危険度が最大となる。
図11の実施例では、この値に対するフーリエ面積は、約1201.9である。
そこで、本実施例では、局所凸量が19.54mm以上、フーリエ面積が1201.9未満のとき、「警報群」に分類される。
また、本実施例では、局所凸量が19.54mm以上、フーリエ面積が1201.9以上のとき、「危険群」に分類される。
このように本発明では、上記の従来技術における「観察」を「観察群」、同様に「カテゴリーI」を「注意群」、「カテゴリーII」および「カテゴリーIII」を「警報群」、「カテゴリーIV」を「危険群」に分類する。
上記の従来技術による実測結果と、本発明による推定結果との相関性を示す表を図16に示す。
この表によると、従来の精緻な実測結果に基づくカテゴリーと、本発明の分類とでは、600箇所中、420箇所で一致しており、約70%の箇所で、相関性が確認できた。
このことは、従来の精緻な実測結果に比べ、本発明は若干、精度が落ちるものの、その傾向は一致しており、本発明による調査を頻繁繰り返すことにより、路面の性状の劣化の傾向を把握することが可能になることを示す。
さらに、ここで、図12に基づき、本発明の「観察群」、「注意群」、「警報群」および「危険群」の各群ごとにおけるグレード化された箇所の時間経過に伴う劣化状況を検証する。
なお、この図12中、「観察」は本発明における「観察群」、「I」は「注意群」、「II III」は「警報群」、「IV」は「危険群」を示すものとする。
このグラフにおいては、以下の順位係数が設定される。
・観察群=0
・注意群=1
・警報群=2.5
・危険群=4
・補修実施=8
図12のグラフによれば、「観察群」、「注意群」および「警報群」の劣化進行が遅く、「危険群」の劣化進行は、「危険群」に分類後、約3ヶ月を過ぎると、急激に劣化が進行する傾向が顕著になる、という傾向が認められる。
具体的には、「危険群」では、3ヶ月を過ぎると、補修実施の期間となることが認められる。
なお、図12に示されるように、本実施例では、観察から5ヶ月目に補修を実施した。
具体的には、この図12のグラフによると、例えば、上記の順位係数に基づく点数付けから、5ヶ月までは、点数「4」の箇所は、5ヶ月目までは点数「4」を維持するが、5ヶ月目に、破損したと推定され、補修が実施された。
また、図13の表によれば、図12の調査箇所における0ヶ月の箇所と、調査期間終了時の補修実施の箇所を比較すると、「観察群」、「注意群」および「警報群」では補修実施はほとんどなく、これに対し、「危険群」では、約半数箇所で補修が実施されたことが認められる。
次に、図14に基づき、グレード分類ステップにおける分類の再現性について検証する。
この試験では、とある自動車専用道路のKP33.7からKP33.8間を連続的に5回測定し、10mごとにグレード化した。
そして、その分類結果を、以下の係数により数値化し、その偏差を求めた。
・観察群=0
・注意群=1
・警報群=3
・危険群=4
この結果、分類結果には、多少のばらつきは認められるものの、平均的に見ると、一定の分類傾向は認められることが確認できた。
本発明のグレード分類によると、グレード分類による分類を日常的に実施することにより、路面性状に関する情報を蓄積し、舗装の路面性状を評価し、特に、ポットホールの発生の危険性のある箇所や区間を早期に把握することが可能になる。
そして、本発明にかかるシステムを、複数のパトロール車両に搭載し、日常のパトロール業務と並行して、各種調査情報を取得し、これをIoTを利用して、得られた情報を、調査箇所の位置情報、例えばGPS情報と共に、ネット経由でサーバに集約し、グレードの分類、および、ひび割れの判定を実行すれば、舗装の路面性状をリアルタイムで監視し、路面性状に応じ、適時に適切な保守管理作業を実施できるようになる。
特に、路面の劣化は、ポットホールと、ひび割れが、互いに影響を及ぼしあいながら、その劣化進行の速度が加速度的に進行することもあり、本発明では、両者を同時に監視し、これらを総合的に管理し、道路の保守作業に反映させることができ、道路の保守管理作業が効率的に実施できるようになる。
さらに、本発明では、路面のひび割れが発生したメッシュの分布を、客観的に把握することができるので、この分布状況に基づき、例えば、単位領域あたりのひび割れが存在するメッシュの割合や、ひび割れが存在するメッシュの連続状態等の分布に応じ、ひび割れの発生状況を判別でき、路面性状の判別に、作業員の主観が介入する余地がなくなり、全工程を通して、全自動化が極めて容易になる上、作業員の能力によって左右されることない均質な調査結果を得ることができるようになる。
また、本発明では、調査車両の車線に対する相対位置を、車線内で厳密に管理する必要がないので、作業者は、調査車両を、車線内を通常のパトロール業務と同様に単に走行させるだけでよく、作業者の負担を軽減できる。
また、本発明では、従来技術と比べ、取り扱う情報が圧倒的に少ないため、情報処理に要するコストを大幅に抑制できる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。
例えば、上記の実施例では、路面の損傷の発生リスクをの評価に、局所凸量の数値を採用したが、これに換えて、従来公知の局所沈下量を採用してもよい。
なお、この局所沈下量については、例えば、特願2016−160750に詳細に開示されているため、本明細書中では、その具体的な内容については省略する。
また、上記の実施例では、縦断形状の情報の生成には、局所凸量算出手段に利用される光切断撮影装置を備えた路面高さ計測手段を用い、従来公知のMPDの値を求めることによって、グレード分類を実行する。
この点について、路面の外側点、および、内側点のいずれか一方の路面高さを計測する変位計を別途設け、この変位計を介して得られた路面高さの情報に基づき、路面の縦断形状を生成し、路面のうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分して、MPDの推定値を算出し、これをMPDの値として利用してもよい。
また、上記実施例では、調査車両は、パトロール車両としたが、これは、道路管理者が舗装道路上を恒常的に走行させるからであり、もちろん、パトロール車両以外の専用車両や、他の道路保守に用いられる車両に設け、運用するようにしてもよく、どのような車両であってもよい。
また、グレード分類手段で分類に用いられる基準値は、実際の路面の種類や環境に応じ、自由に設定できるものであって、上記の実施例の数値に限定されない。
また、上記の実施例では、局所凸量の算出の後に、順次、MPDの値の算出、およびグレードの分類が実行されるが、これは、全て同時に行うようにしても、また、その順序を入れ替えてもよい。
本発明は、舗装の路面性状を、作業者の熟練度や大きな負担なしに調査することができ、舗装の劣化や損傷が拡大する前に、道路の保守作業を効率的に実施できるようになり、道路の保守管理が容易になる。
1 舗装の路面性状の調査システム
10 制御手段
100 格納手段
101 ディスプレイ手段
102 入力手段
11 路面高さ計測手段
110 スリットレーザ発振器
110a レーザ光
110b マーカー
111 光切断撮影装置
111a 撮影軸
111b 外側点
111c 内側点
111d 中央点
12 局所凸量算出手段
13 縦断形状生成手段
14 MPD算出手段
15 グレード分類手段
16 ひび割れ判定手段
2 路面
3 調査車両

Claims (17)

  1. 車両に設けられ、車両の幅方向に沿って、舗装の路面の外側線側の車輪の走行延長線上の外側点と、中央線側の車輪の走行延長線上の内側点と、外側点と内側点の中央の中央点の3箇所の路面の高さを計測する路面高さ計測手段と、
    路面高さ計測手段によって得られた、外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算し、得られた加算値を1/2として平均高さ値を算出し、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する局所凸量算出手段、および、局所沈下量算出手段のいずれか一方と、
    路面高さ計測手段によって得られた、外側点、および、内側点のいずれか一方の値から、路面の縦断形状の情報を生成する縦断形状生成手段と、
    縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、切り出された路面形状の情報に基づき、MPDを算出するMPD算出手段と、
    路面の損傷の発生リスクを、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値未満の観察対象の群を近い将来に保守作業が必要な警報群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な危険群と分類する
    グレード予測手段と、
    を備える舗装の路面性状の調査システム。
  2. 路面高さ計測手段が、スリットレーザ発振器の照射により路面に形成されるマーカーを、斜め方向から撮影して路面の形状を撮影する光切断撮影装置を備えた請求項1に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  3. 路面高さ計測手段を介して得られる路面高さの情報から、移動平均による路面のわだち成分を除去し、ひび割れ情報を生成するひび割れ判定手段を備える請求項1または2に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  4. ひび割れ判定手段が、
    生成されたひび割れ情報のひび割れの深さをひび割れ情報として生成し、ひび割れの深さが−8mm以下のとき、これをひび割れと判定する請求項3に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  5. ひび割れ判定手段が、
    調査対象の路面が、密粒舗装の場合、生成されたひび割れ情報中の標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定し、
    調査対象の路面が、排水性舗装の場合、生成されたひび割れ情報に対し、Medianフィルタでばらつきを除去する処理を実行し、標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
    請求項3に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  6. ひび割れ判定手段が、
    生成されたひび割れ情報中の標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
    請求項3に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  7. ひび割れ判定手段が、
    得られた路面高さ情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割し、メッシュ単位でひび割れの発生を判定する
    請求項3から6のいずれかに記載の舗装の路面性状の調査システム。
  8. ひび割れ判定手段が、
    ひび割れが発生したと判定されたメッシュの分布に応じ、ひび割れの発生の傾向を判定する請求項7に記載の舗装の路面性状の調査システム。
  9. MPD算出手段が、
    縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、路面のうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分してMPD推定値を算出する
    請求項1から8のいずれかに記載の舗装の路面性状の調査システム。
  10. 車両の幅方向に沿って、舗装の路面の外側線側の車輪の走行延長線上の外側点と、中央線側の車輪の走行延長線上の内側点と、外側点と内側点の中間の中央点の3箇所の路面の高さを計測する計測ステップと、
    外側点の路面高さの値と、内側点の路面高さの値とを加算し、得られた加算値を1/2として平均高さ値を算出し、中央点の路面高さの値から、平均高さ値を減算して局所凸量を算出する局所凸量算出ステップ、および、局所沈下量算出ステップのいずれか一方と、
    外側点、および、内側点のいずれか一方の値から、路面の縦断形状の情報を生成する縦断形状生成ステップと、
    縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、切り出された路面形状の情報に基づき、MPDを算出するMPD算出ステップと、
    路面の損傷の発生リスクを、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の安全値未満の分析対象の群をリスクがほとんどない観察群とし、観察群に含まれない計測対象のうち、局所凸量および局所沈下量のいずれか一方の数値が、所定の注意値未満の分析対象の群を監視が必要とされる注意群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値未満の観察対象の群を近い将来に保守作業が必要な警報群と分類し、観察群および注意群に含まれない計測対象のうち、MPDの値が所定の値以上の観察対象の群を直ちに保守作業が必要な危険群と分類するグレード予測ステップと、
    を含む舗装の路面性状の調査方法。
  11. 路面高さの情報から、移動平均による路面のわだち成分を除去し、ひび割れ情報を生成するひび割れ判定ステップを含む請求項10に記載の舗装路面性状の調査方法。
  12. ひび割れ判定ステップにおいて、
    生成されたひび割れ情報のひび割れの深さが−8mm以下のとき、これをひび割れと判定する
    請求項11に記載の舗装路面性状の調査方法。
  13. ひび割れの判定ステップにおいて、
    調査対象の路面が、密粒舗装の場合、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールが施されたメッシュとして判定し、ひび割れが発生したと判定し、
    調査対象の路面が、排水性舗装の場合、移動平均により路面のわだちを除去した後、Medianフィルタでばらつきを除去し、その標準偏差が1.0以上の箇所をクラックシールとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
    請求項11に記載の舗装の路面性状の調査方法。
  14. ひび割れの判定ステップにおいて、
    生成されたひび割れ情報中の標準偏差が0.5以下の箇所をパッチングとして判定し、ひび割れが発生したと判定する
    請求項11に記載の舗装の路面性状の調査方法。
  15. ひび割れ判定ステップにおいて、
    得られた路面高さの情報を、路面を所定間隔でメッシュ状に分割した単位に分割し、メッシュ単位でひび割れの発生を判定する
    請求項11から14のいずれかに記載の舗装の路面性状の調査方法。
  16. ひび割れ判定ステップにおいて、
    ひび割れが発生したと判定されたメッシュの分布に応じ、ひび割れの発生の傾向を判定する
    請求項14に記載の舗装の路面性状の調査方法。
  17. MPD算出ステップが、
    縦断形状の情報から、所定距離ごとに、縦断形状を切り出し、路面のうねり成分を除去し、フーリエ解析を実行し、得られた波形の425ないし500Hzの領域のパワースペクトルを積分してMPD推定値を算出する
    請求項10から15のいずれかに記載の舗装の路面性状の調査方法。
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