WO2022130488A1 - 締結具監視装置、締結具監視システム及び締結具監視方法 - Google Patents

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Abstract

締結具の個別管理に起因するデータ処理量を削減することを目的とする。鉄道車両が走行する軌道の締結具を監視する締結具監視装置であって、前記鉄道車両の走行データ及び前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態データに基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算する処理部を備える。

Description

締結具監視装置、締結具監視システム及び締結具監視方法
 この開示は、軌道の締結具を監視する技術に関する。
 特許文献1では、複数の締結装置に個別に割当てられた締結装置番号に基づいて締結装置を管理する技術を開示している。
特開2010-230527号公報
 しかしながら、特許文献1に開示の技術によると、締結装置の個別管理に起因するデータ処理量が膨大となる可能性がある。
 そこで、本開示は、上記課題を解決するため、締結具の個別管理に起因するデータ処理量を削減することを目的とする。
 上記課題を解決するため、締結具監視装置は、鉄道車両が走行する軌道の締結具を監視する締結具監視装置であって、前記鉄道車両の走行データ及び前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態データに基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算する処理部を備える。
 上記構成によれば、軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数または脱落数を軌道における締結具の締結状態を示す指標値として演算する。このため、個々の締結具に固有番号を割り当てる等して締結具を個別管理する必要がなくなり、締結具番号の個別管理に起因するデータ処理量を削減することができる。
 また、締結具監視システムは、上記締結具監視装置と、管理基地に設けられ、前記締結具監視装置における処理結果が通信網を介して送信される基地側状態監視装置とを備える。
 上記構成によれば、管理基地における基地側監視装置において、締結具が監視され得る。
 また、締結具監視方法は、鉄道車両が走行する軌道の締結具を監視する締結具監視方法であって、(a)前記鉄道車両の走行中に、前記鉄道車両の走行状態と、前記締結具の締結状態とを検出し、(b)前記締結具の締結状態の検出結果に基づいて、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方を判定し、(c)検出された前記鉄道車両の走行状態と、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方の判定結果に基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算する。
 上記方法によれば、軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数または脱落数を軌道における締結具の締結状態を示す指標値として演算する。このため、個々の締結具に固有番号を割り当てる等して締結具を個別管理する必要がなくなり、締結具番号の個別管理に起因するデータ処理量を削減することができる。
 この締結具監視装置及び締結具監視方法によると、軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算するため、締結具番号の個別管理に起因するデータ処理量を大幅に削減することができる。
 また、この締結具監視システムによると、管理基地における基地側監視装置において、締結具が監視され得る。
実施形態に係る締結具監視システムの全体構成を示す説明図である。 鉄道車両における走行状態取得部、締結状態検出部及び締結具監視装置の例を示すブロック図である。 鉄道車両から観察され得るレール、まくらぎ及び締結具を示す説明図である。 締結具監視装置の処理例を示すフローチャートである。 走行履歴データ、締結状態履歴データ及び軌道対応付データの例を示す図である。 表示装置における表示例を示す図である。 学習済モデルの一例を示す説明図である。 学習用モデルの学習中の状態を示す説明図である。 締結具監視装置の他の処理例を示すフローチャートである。 表示装置における他の表示例を示す図である。 基地側状態監視装置における処理例を示すフローチャートである。 管理基地における表示装置の表示例を示す図である。
 以下、実施形態に係る締結具監視装置、締結具監視システム及び締結具監視方法について説明する。図1は締結具監視システム30の全体構成を示す説明図である。
 本システム30による監視対象となる軌道10の一例について説明する。軌道10は、鉄道車両20を所定の経路に沿って導く路である。ここでは、軌道10は、2つのレール12、12を含む。2つのレール12、12は、締結具14によって敷設面18上に固定されている。敷設面18は、土地の表面であってもよいし、トンネル内の下側表面であってもよいし、橋梁又は高架橋等の橋の上面であってもよい。軌道10は、軌道は、モノレールのように1本のレールが鉄道車両を案内するものであってもよい。
 レール12、12は、まくらぎ13を介して敷設面18上に固定されていてもよい。まくらぎ13は、敷設面18と2つのレール12との間に介在し、レール12、12を支える直方体状の部材である。すなわち、敷設面18上に、複数のまくらぎ13がレール12、12の延在方向において間隔をあけて平行姿勢で配置される。2つのレール12、12が、まくらぎ13の延在方向に対して間隔をあけて、当該まくらぎ13に対して直交する姿勢で、当該まくらぎ13上に配置される。レール12,12がまくらぎ13に対して締結具14によって固定される。まくらぎ13の材質は特に限定されず、木製であってもよいし、コンクリート製であってもよい。左右のレール12、12が共通するまくらぎ13によって支持されていてもよいし、左右のレールが別々のまくらぎによって支持されていてもよい。まくらぎ13とレール12との間にタイプレートが介在していてもよい。タイプレートには、レールの基部を配置可能な溝が形成されている。レール12が当該溝内に配置されることで、タイプレートがレールを両側から支えることができる。
 締結具14は、レール12をまくらぎ13に対して一定位置に保つように、レール12をまくらぎ13に締結するものであればよい。例えば、締結具14は、レール12をまくらぎ13に固定する釘であってもよい。かかる釘は、例えば、釘本体14aと頭部14bとを含む(図2参照)。釘本体14aがまくらぎ13に刺さった状態で、頭部14bがレール12の基部をまくらぎ13に向けて押え込む。かかる釘は、例えば、イヌクギと呼ばれるものであってもよい。まくらぎ13とレール12との間にタイプレートが介在する場合、釘はタイプレートを貫通してまくらぎ13に刺さっていてもよい。この場合、釘は、レール12をまくらぎ13に向けて押え付けていてもよいし、レール12をまくらぎ13に向けて押え付けないでタイプレートをまくらぎ13に向けて押え付けていてよい。いずれの釘も、締結具14の一部を構成し得る。釘は、板ばねを介してレール12をまくらぎ13に向けて押え込んでいてもよい。この場合においても、当該釘及び板ばねは、締結具14の一部を構成し得る。後述する締結具14の有無又は脱落の判定は、釘単位でなされる場合もあるし、複数の釘単位でなされる場合もあるし、釘に他のタイプレート等を含む単位でなされる場合もあるし、また、左右のレール12単位でなされる場合もある。
 このように、締結具14は、レール12を敷設面18に固定するものであればよく、イヌクギ、パンドロールレール締結装置(pandrol rail fastener)、E-clip、ボスロー型レール締結装置(vossloh type rail fastening)、Surelok、Fastclip、Safelok、Amsted等と称される各種構成のものが用いられ得る。本実施形態では、締結具14が、イヌクギのように、まくらぎ13に刺さった状態でレール12をまくらぎ13に向けて押え付ける釘である例が説明される。
 鉄道車両20は、車体22と台車24とを備える。台車24は、台車枠25と、複数の車輪25Wとを備える。複数の車輪25Wは、台車枠25の左右部位に車軸部を介して回転可能に支持されている。車軸部を支持する部分は軸箱と呼ばれることがある。なお、本実施形態において、鉄道車両20の進行方向を前側、後退方向を後側ということがある。また、鉄道車両20から進行方向を見た場合を基準として左又は右という場合がある。重力方向において重力が加わる側を下側、その反対側を上側という場合がある。左右の車輪25Wは、それぞれ2つのレール12によって案内されつつ当該レール12上を走行する。台車24が下方から車体22を支持している。台車24が軌道10上を走行することで、車体22を含む鉄道車両20が軌道10に沿って走行する。鉄道車両20は、軌道10を走行する車両であればよく、電車、貨物列車の機関車、貨車、旅客列車の機関車、客車のいずれであってもよい。貨車又は客車は、機関車によって牽引される付随車であってもよいし、自身が動力を有する動力車であってもよい。機関車は、電気機関車であってもよいし、ディーゼル機関車等の内燃機関車であってもよい。鉄道車両20は、人又は荷物の輸送のための営業車両であってもよいし、軌道状態を監視するための事業用車両であってもよい。鉄道車両20は、軌道と道路との両方を走行可能な軌陸車であってもよい。
 上記締結具14は時間の経過等に伴い脱落し得る。例えば、検査員が軌陸車に搭乗してレール12上を走行し、走行中において目視によって締結具14が脱落していないか否かを検査することが考えられる。また、徒歩巡回により目視で検査することも考えられる。この場合、人的コストが高くなる。
 特許文献1に開示された技術によると、締結具の個別管理に起因するデータ処理量が膨大となる可能性がある。特に、広大な場所に敷設されたレール12においては、締結具14の数が膨大となり、締結具の個別管理に起因するデータ処理量がより膨大となり得る。
 本実施形態で説明する締結具監視装置、締結具監視システム及び締結具監視方法によって、締結具14の個別管理を行わなくても、締結具14の締結状態、特に、レール12を敷設面18に締結するのに必要な締結状態となっているか否かを監視できる。
 図1に示すように、締結具監視システム30は、軌道10における締結具14の締結状態を監視するためのシステムであり、走行状態取得部32と、締結状態検出部40と、締結具監視装置50とを備える。
 走行状態取得部32と締結状態検出部40とは、鉄道車両20に設けられる。本実施形態では、締結具監視装置50も、鉄道車両20に設けられる。管理基地28には、基地側状態監視装置70が設けられる。管理基地28は、鉄道車両20とは異なる場所に設けられる。例えば、管理基地28は、鉄道車両20を監視するために地上に設けられた建築物である。締結具監視装置50と基地側状態監視装置70とは、通信網16を介して通信可能に接続されている。鉄道車両20の走行中において、締結具監視装置50は、走行状態取得部32及び締結状態検出部40からの出力に基づき、締結具14の装着状態を監視するための処理を実行する。処理結果は、鉄道車両20に設けられた表示装置59に表示される。これにより、鉄道車両20の走行中において、当該鉄道車両20において締結具14の装着状態が監視される。締結具監視装置50による処理結果は、通信網16を介して、基地側状態監視装置70に送信される。これにより、管理基地28において、当該鉄道車両20が走行した軌道10における締結具14の装着状態が監視され得る。通信網16は、有線式であっても無線式であってもよいしそれらの複合方式であってもよい。また、通信網16は、公衆通信網であっても専用回線による通信網であってもよい。基地側状態監視装置70は省略されてもよい。
 締結状態検出部40は、鉄道車両20の走行中に締結具14の締結状態を検出して、締結状態データを出力する。締結状態検出部40は、締結具14がレール12を締結した状態となっているか、或いは、締結具14が脱落した状態となっているかを判定するのに供される物理的な状態を検出し得るものであればよい。例えば、締結状態検出部40は、鉄道車両20の下部からレール12に向う下方を撮像する撮像装置を含んでもよい。レール12とまくらぎ13との交差箇所の周りの撮像データが締結状態データとして出力されれば、当該撮像データに基づいて締結具14の締結状態が判定され得るからである。この場合、撮像データは、静止画データであってもよいし、動画データであってもよい。また、例えば、締結状態検出部40は、光切断法による形状計測装置を含んでもよい。光切断法による形状計測装置は、レール12及びその両外側領域にスリット光源を照射し、スリット光が写り込んだ像を撮像し、撮像された像におけるスリットの位置に基づいてレール12及びその両外側領域の表面の座標位置を演算する装置である。レール12及びその両外側領域の表面の座標位置には、締結具14が反映される。このため、レール12及びその両外側領域の表面の座標位置のデータが、締結状態データとして利用されてもよい。締結状態検出部40は、締結具14のうちまくらぎ13から突出している部分を、レーザーセンサ、超音波センサ、光センサ等の距離センサによって検出し、その検出結果を締結状態データとして出力するものであってもよい。締結状態検出部40は、金属部品としての締結具14を、磁気センサ等の金属検出センサによって検出し、その検出結果を締結状態データとして出力するものであってもよい。
 走行状態取得部32は、鉄道車両20の走行中において、鉄道車両20の走行状態を取得して走行データを出力する。走行状態を示す走行データは、締結状態検出部40からの締結状態データに基づいて締結具14の有無又は脱落の有無が判定されたタイミングで、鉄道車両20の速度又は位置を直接又は演算により特定可能なデータであればよい。ここで、鉄道車両20の位置は、軌道10の長手方向における鉄道車両20の位置であり、軌道10の長手方向における固定位置(例えば、線路の起点、いずれかの駅)等を基準とする位置(例えば、キロ程)であってもよいし、軌道10の長手方向における任意位置を基準とする位置であってもよい。例えば、走行状態取得部32は、車輪の回転数を検出する回転数検出センサを含み、当該回転数検出センサの検出結果に基づくいずれかの位置からの走行距離又は一定時間毎の速度を出力してもよい。鉄道車両20の回転数に基づいて車速を検出するセンサは、速度発電機と呼ばれることもある。また、例えば、走行状態取得部32は、鉄道車両20の進行方向における加速度を検出する加速度センサを含み、当該加速度センサの検出結果に基づく加速度、又は、当該加速度に基づき演算される速度を出力してもよい。また、例えば、走行状態取得部32は、GPS(Global Positioning System)受信部を含み、当該GPS受信部による受信信号によって求められる緯度経度情報又は当該緯度経度情報に基づく軌道10の長手方向における位置を出力してもよい。
 鉄道車両20が走行する際に、締結状態検出部40によって締結具14の有無又は脱落の有無を判定可能な締結状態データが得られると共に、締結具14の有無又は脱落の有無と判定されたタイミングにおける鉄道車両20の速度又は位置を特定可能な走行データが走行状態取得部32によって得られる。
 上記走行状態取得部32からの走行データ及び締結状態検出部40からの締結状態データは、締結具監視装置50に与えられる。締結具監視装置50は、鉄道車両20が走行する軌道10の締結具14を監視する。ここでは、締結具監視装置50は、締結具14の有無及び脱落の有無を判定することに加えて、複数の締結具14による軌道10の締結状態が当該軌道10を支持するのに十分な状態か否かを判断するための指標値を提供する。
 締結具監視装置50は、走行状態取得部32からの走行データ及び締結状態検出部40からの締結状態データに基づき、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を、軌道10における締結具14の締結状態を示す指標値として演算する処理部を備える。
 鉄道車両20には、表示装置59が設けられている。表示装置59は、液晶表示装置、有機EL(Electro-luminescence)表示装置等であってもよい。表示装置59として、スマートフォン、タブレット端末等に設けられた表示装置等が用いられてもよい。表示装置59は、運転席の前方位置等、運転席に着座した運転者から視認可能な位置に設けられてもよい。締結具監視装置50における処理部による演算結果に基づく軌道10の締結状態が、表示装置59に表示されてもよい。軌道10の状態は、鉄道車両20の走行中にリアルタイムで表示装置59に表示されてもよい。これにより、運転者等は、鉄道車両20の実際の走行位置と締結状態とを関連付けて把握し易い。
 走行データが鉄道車両20の走行位置情報を含む場合、締結具監視装置50における処理部は、軌道10の位置に軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を対応付けた軌道対応付データ56dを生成してもよい。軌道対応付データ56dは、締結具監視装置50における処理結果の一例である。
 鉄道車両20には、通信装置58が設けられる。通信装置58は、通信網16に接続可能な通信回路を含む。通信装置58は、例えば、無線通信装置である。締結具監視装置50は、軌道対応付データ56dを、通信装置58を介して送信する。軌道対応付データ56dは、リアルタイムで送信されてもよいし、所定時間又は所定走行距離毎に送信されてもよい。
 送信された軌道対応付データ56dは、通信網16を介して基地側状態監視装置に記憶される。基地側状態監視装置70は、CPU等のプロセッサ72、記憶装置74、通信装置76等を含むコンピュータによって構成されている。通信装置76は、通信回路を含み、通信網16を介して締結具監視装置50に通信可能に接続されている。基地側状態監視装置70は、締結具監視装置50から送信される軌道対応付データ56dを、通信網16を介して受信し、記憶装置74に記憶する。プロセッサ72は、基地側処理部として、記憶装置74に記憶されたプログラム74aに従った処理を実行することで、軌道10における締結具14の締結状態を監視するための処理を実行する。例えば、プロセッサ72は、軌道対応付データ56dにおける軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を、予め設定された基準値と比較することで、軌道10の締結状態の良否を判定する処理を実行する。なお、基準値は、経験的、実験的又は推論的に決定された基準値であり、記憶装置74において予め基準値データ74cとして記憶されている。
 また、基地側状態監視装置70には、表示装置78及び入力部79が接続されている。表示装置78は、液晶表示装置、有機EL(Electro-luminescence)表示装置等であってもよい。表示装置78として、スマートフォン、タブレット端末等に設けられた表示装置等が用いられてもよい。入力部79は、基地側状態監視装置70に対する利用者からの諸指示を受付ける。入力部79は、複数のスイッチを含むキーボード、マウス、タッチパネル等であってもよい。上記軌道10の締結状態の良否の判定結果が、表示装置78に表示されてもよい。
 なお、鉄道車両20からの軌道対応付データ56dは、基地側状態監視装置70に直接送信される必要は無い。例えば、通信網16にデータサーバが接続されており、鉄道車両20からの軌道対応付データ56dがデータサーバに蓄積されてもよい。複数の鉄道車両20からの軌道対応付データ56dがデータサーバに蓄積されてもよい。この場合、基地側状態監視装置70は、データサーバに蓄積された軌道対応付データ56dを参照することで、軌道10の締結状態の監視処理等を実行してもよい。
 締結具監視システム30の各部のより具体的な例を説明する。
 図2は走行状態取得部32、締結状態検出部40及び締結具監視装置50を示すブロック図である。
 同図に示すように、鉄道車両20に、走行状態取得部32が設けられる。本実施形態では、走行状態取得部32は、走行状態として鉄道車両20の速度と走行位置(軌道10の長手方向における位置)とを取得し、速度及び走行位置を含む走行データを出力するとして説明する。
 鉄道車両20に、締結状態検出部40が設けられる。本実施形態では、締結状態検出部40は、撮像装置である。締結状態検出部40は、撮像範囲を照明する照明装置を含んでもよい。締結状態検出部40は、鉄道車両20の左右に下向き姿勢で設けられている。締結状態検出部40は、左又は右のレール12及びその隣接領域(締結具14が写り込む領域)を撮像し、撮像データを締結具監視装置50に出力する。
 図3は鉄道車両20から観察され得るレール12、まくらぎ13及び締結具14を示す説明図である。同図に示すように、レール12の下方で直交するようにまくらぎ13が延在する。レール12の両側に締結具14が観察される。ここでは、締結具14は、イヌクギ等の釘であり、2つの釘がレール12の基部の両外側でまくらぎ13に打付けられている。締結具14の頭部14bが基部の外側縁部に接触した状態で当該基部をまくらぎ13に向けて押込んでいる。図3においてレール12の右側に締結具14が脱落した跡(孔)14hが例示される。
 締結状態検出部40は、鉄道車両20の下部から上記レール12及びその両外側を含む領域Eを撮像する。レール12の両外側領域は、締結具14が写り込む領域である。締結状態検出部40は、静止画を撮像してもよいし、動画を撮像してもよい。締結状態検出部40が静止画を撮影する場合、レール12の長手方向に沿って隣合う撮影領域Eを連続的に撮影できるように、鉄道車両20の車速に応じて撮影時間間隔が制御されるとよい。例えば、撮影領域のレール12の長手方向における寸法(又は撮影領域の重ね合せが考慮された当該寸法よりも小さい寸法)を車速で除して求めた間隔で、撮像されてもよい。締結状態検出部40の撮影間隔の制御は、締結具監視装置50によってなされてもよいし、別途設けられたコンピュータによってなされてもよい。締結状態検出部40が動画を撮影する場合、当該動画から上記と同様の間隔で静止画が切出されてもよい。これらの場合、締結具監視装置50は、静止画に対する画像認識処理等を行うことで、締結具14が有ること、又は、締結具14が脱落状態にあること等が判定される。なお、動画のデータがそのまま締結具監視装置50に与えられ、締結具監視装置50が動画に基づいて締結具14の有無等を判定してもよい。
 上記走行状態取得部32によって得られた走行データ及び締結状態検出部40によって検出された締結状態データが締結具監視装置50に出力される。
 締結具監視装置50は、CPU等のプロセッサ52、画像処理部53、記憶装置56、入出力インターフェース57等を含むコンピュータによって構成されている。入出力インターフェース57は、上記走行データ及び締結状態データが入力される入力部の一例である。
 プロセッサ52は、演算回路を含む。プロセッサ52は、走行データ及び締結状態データに基づいて、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を、軌道10における締結具14の締結状態を示す指標値として演算する処理部の一例である。画像処理部53は、演算回路を含むFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はGPU(Graphics Processing Unit)等により構成される。画像処理部53が行う処理は、プロセッサ52によってなされてもよい。記憶装置56は、HDD(hard disk drive)、SSD(Solid-state drive)等の不揮発性記憶装置によって構成されている。記憶装置56には、プログラム56a、走行履歴データ56b、締結状態履歴データ56c、軌道対応付データ56dが記憶される。
 プログラム56aには、プロセッサ52が処理部としての機能を実現するための処理が記述されている。よって、プロセッサ52が記憶装置56等に保存されたプログラム56aに記述された処理を実行することによって、評価値を演算する処理部としての処理が実行される。例えば、プロセッサ52は、後述する締結状態を判定する締結状態判定部52a、指標値演算部52b、データ出力部52cとしての各機能を実行する。プロセッサ52は、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数のプロセッサ52は、1つのコンピュータに組込まれていてもよい。複数のプロセッサ52が、複数のコンピュータに組込まれており、複数のコンピュータが評価値を演算する処理部としての処理を分散して行ってもよい。走行履歴データ56bは、走行状態取得部32によって取得されたデータに基づく履歴データである。例えば、サンプリング周期に応じた時間に、軌道10の長手方向における位置、速度を対応付けたデータとして生成される(図5参照)。走行状態取得部32から走行データが入力されることによって、走行履歴データ56bが逐次生成更新される。締結状態履歴データ56cは、締結状態検出部40によって検出された締結状態データに基づき、締結具14の有無又は脱落の有無と時間又は軌道10の長手方向における位置とを対応付けたデータである。例えば、締結状態履歴データ56cは、締結状態データを取得した時間(撮像時間)に、締結具14の有無判定を対応付けた履歴データとして生成される(図5参照)。締結状態履歴データ56cは、締結状態検出部40による撮像の毎又は締結状態データ入力の毎、及び、講述する締結具14の締結状態判定の毎に、逐次生成更新されてもよい。走行履歴データ56b及び締結状態履歴データ56cは、評価値が求められた後、消去されてもよい。軌道対応付データ56dは、走行履歴データ56b及び締結状態履歴データ56cに基づいて演算された軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を、軌道10の位置に付けたデータである。軌道対応付データ56dは、通信装置58から通信装置58を介して基地側状態監視装置70に送信される。軌道対応付データ56dは、所定の時間毎又は所定の走行距離毎に、送信されてもよい。送信後、軌道対応付データ56dは消去されてもよい。
 締結具監視装置50における処理部としての処理例について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
 ステップS1において、カウント変数を初期値0に設定する。
 次ステップS2において、締結状態検出部40から締結状態データが締結具監視装置50に入力される。
 次ステップS3において、締結状態データに対して前処理を実行する。ここでは、締結状態データが、締結状態検出部40によって撮像された画像データであるとする。前処理として、ノイズ除去処理等が実行される。前処理は、画像処理部53によってなされてもよい。
 次ステップS4において、締結状態データに基づいて締結具14の締結状態が判定される。締結具14の締結状態は、締結具14が有ることとして判定されてもよいし、締結具14が脱落していることとして判定されてもよい。即ち、画像において、締結具14が写り込んでいる場合に締結有りと判定されてもよい。例えば、画像に、締結具14が刺さっていた跡(釘跡となる孔)が写り込んでいる場合に締結具14が脱落していると判定されてもよい。締結具14の締結状態判定は、機械学習された学習済モデルによる、物体検出時の信頼度スコアを基に決定してもよいし、画像に対するテンプレートマッチング処理によってなされてもよい。
 締結具14の有り又は締結具14の脱落状態の判定は、締結具を構成する釘単位で行われてもよい。例えば、レール12とまくらぎ13との交差箇所には、少なくとも2つの釘が設けられるので、各釘単位で締結具14の有無、又は、脱落の有無が判定されてもよい。また、締結具14の有り又は締結具14の脱落状態の判定は、レール12とまくらぎ13との交差箇所単位で行われてもよい。例えば、レール12とまくらぎ13との交差箇所には、少なくとも2つの釘が設けられるので、全ての釘が存在する場合に締結具14の締結有りと判定され、少なくとも1つの釘の脱落箇所が存在する場合に締結具14の脱落有りと判定されてもよい。また、左右のレール12に関し、別々に締結具14の有無又は締結具14の脱落の有無が判定されてもよいし、左右のレール12を一体として締結具14の有無又は締結具14の脱落の有無が判定されてもよい。
 複数の釘を含む単位で締結具14の有無又は脱落の有無を判定する場合、釘毎に有無又は脱落の有無を判定してもよいし、複数の釘を含む単位で当該複数の釘の有無又は脱落の有無を判定してもよい。
 上記したように、締結具14が、タイプレート、板ばね等を含む場合、当該タイプレート、板ばねの有無に応じて、締結具14の有無等が判別されてもよい。
 本実施形態の以下の説明では、左右のレール12のそれぞれの左右に1つずつ釘が設けられることを前提に(図3参照)、同時期の左右の締結状態データそれぞれにおいて2つ釘が有ると判定された場合(合計4つの釘があると判定された場合)に、締結具14が有ると判定される例で説明する。つまり、1つのまくらぎ13に対して左右のレール12が正常に締結具14によって締結されている場合に、締結具14が有ると判定される。よって、撮像画像にまくらぎ13が写り込んでいても4つの釘が揃っていない場合、及び、そもともまくらぎ13自体が写り込んでいないので釘が1つも写り込んでいない場合、締結具14無しと判定される。締結具14の有無判定に基づき、当該有無判定に締結状態データの取得時間(例えば、撮影時間)が対応付けられて締結状態履歴データ56cの生成、更新がなされる。
 ステップS4において締結具14の締結有りと判定されると、ステップS5に進む。ステップS5では、カウント変数に1を加える。
 ステップS4において締結具14が無いと判定された場合、及び、ステップS5の処理後、ステップS6に進む。ステップS6では、カウント開始後の経過時間が、予め設定された基準時間経過したか否かが判定される。経過時間は、例えば、カウント変数を初期値0に設定した処理時間等を基準とする経過時間である。基準時間は、締結具14の締結状態の変化を監視するのに適した時間であり、例えば、1秒に設定される。ステップS6において、経過時間が基準時間を経過していないと判定されると、ステップS2に戻って上記処理を繰返し、経過時間が基準時間を経過していないと判定されると、ステップS7に進む。
 ステップS7において、評価値が演算される。例えば、締結状態履歴データ56cに基づいて、直前の単位時間(ここでは基準時間)当りの締結具14の締結数が求められる。また、走行履歴データ56bを参照することによって、当該直前の単位時間(基準時間)における鉄道車両20の平均速度が演算される。そして、単位時間(ここでは基準時間)当りの締結具14の締結数に、鉄道車両20の速度が乗じられることによって、評価値として、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数が求められる。鉄道車両20の速度は、例えば、基準時間が経過するまでの平均速度であり、走行履歴データ56bに基づいて求められ得る。
 次ステップS8において、求められた評価値がデータとして出力される。この出力に基づいて、表示装置59において評価値が表示されてもよい。出力された評価値に対し、走行履歴データ56bに基づく走行位置を対応付けて、軌道対応付データ56dとして記憶装置56に記憶されてもよい。
 次ステップS9において、走行状態取得部32からの出力に基づき走行終了か否かが判定される。走行が終了していないと判定されると、ステップS1に戻り上記処理を繰返す。これにより、走行中において、軌道10の各位置について、逐次、単位長さ当りの締結具14の締結数が算出される。ステップS9において走行終了と判定されると、処理を終了する。
 本ステップS1からS9の処理は、鉄道車両20の走行中においてなされる。このため、鉄道車両20の走行中に、逐次、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数等が把握され得る。
 図5に走行履歴データ56b、締結状態履歴データ56c及び軌道対応付データ56dの一例が示される。走行履歴データ56bは、例えば、所定のサンプリング周期の時間に、軌道10の長手方向における鉄道車両20の位置と、速度とを対応付けたデータである。締結状態履歴データ56cは、例えば、締結状態データの取得時間(例えば撮影時間)に、締結具14の有無を対応付けたデータである。締結状態履歴データ56cを参照することによって、所定の基準時間(例えば、1秒)における締結具14の締結数が求められる。また、走行履歴データ56bを参照することによって、当該所定の基準時間における鉄道車両20の平均速度が求められる。そして、当該所定の基準時間における締結具14の締結数に鉄道車両20の平均速度を乗じることによって、単位長さ当りの締結具14の締結数が指標値として算出される。指標値は、例えば、1m当りの締結数として算出されてもよい。この際、走行履歴データ56bを参照することによって、鉄道車両20の位置も特定され得る。軌道対応付データ56dとして、例えば、各基準時間に対して、単位長さ当りの締結具14の締結数及び鉄道車両20の位置を対応付けたデータが生成されてもよい。
 図6は表示装置59における表示例を示す図である。表示装置59には、鉄道車両20の走行中において、締結具監視装置50における処理結果に基づく、軌道10の締結状態が表示される。軌道10の締結状態は、単位長さ当りの締結具14の締結数(指標値)によって表現されてもよいし、当該指標値を基準値と比較した結果が表示されてもよい。図6では、監視指標として、単位長さ(例えば1m)当りの締結具14の締結数(図では、1.56個/m)が表示される。あわせて、単位長さを25mに換算した場合の本数(図6では39個)が表示される。
 単位長さは特に限定されない。図6において、単位長さを変えて、2つの指標値を表示している理由は次の通りである。すなわち、軌道10に対する締結具14の締結数の基準値は、例えば、1本のレール12の長さ単位で決定されることがある。例えば、当該軌道10上を通る鉄道車両20の速度、年間設計通過トン数等に応じて、レール長(例えば、25m)単位で締結具14の締結数が決定されることがある。この点からすると、単位長さは、レール長等の長さに応じた大きさであってもよい。軌道10における締結具14の締結状態をなるべく詳細に把握するためには、単位長さは小さい方がよい。鉄道車両20の走行中において、短い距離単位(例えば1m)で指標値が表示されれば、m単位で、どの部分で締結具14の締結数が少ないかを把握し易い。
 このため、軌道10の単位長さとして、第1の単位長さ(例えば、1m)と、第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さ(例えば、25b)とが設定され、締結具監視装置50は、走行データ及び締結状態データに基づいて、第1の単位長さ当りの締結具14の締結数等を演算し、この演算結果に基づいて第2の単位長さ当りの締結具14の締結数等を演算してもよい。図6ではそのような場合において、2種類の指標値を表示した例が表示される。第2の単位長さは、レール長に応じた値であってもよい。
 締結具監視装置50は、指標値と予め設定された基準値とを比較し、単位長さ当りの締結具14の本数が基準値以下又は小さい場合に、表示装置59に注意を促す画像を表示してもよい。注意を促す画像は、文字、記号、色等によって注意を促す画像であってもよい。
 上記説明では、締結具監視装置50が、締結具14の有無を判定し、単位長さ当りの締結具14の締結数を演算する例を中心に説明したが、当該構成に代えて又は加えて、締結具監視装置50は、締結具14の脱落箇所を判定し、単位長さ当りの締結具14の脱落数を演算してもよい。この場合、単位長さ当りの締結具14の脱落数が表示装置59に表示されてもよい。
 上記ステップS4における締結具14の締結状態の判定は、図7に示すように、機械学習が行われた学習済モデル80によって行われてもよい。学習済モデル80は、例えば、多層ニューラルネットワークによって構成されており、記憶装置56に記憶されている。プロセッサ52が学習済モデルに記述されたプログラム及びパラメータを読出して識別処理を実行することで、締結状態判定部52a(推論部)としての処理を実行する。例えば、締結状態データである画像G1、G2が、学習済モデル80に入力されることで、締結具14の有無及び脱落の有無の少なくとも一方が判定される。
 学習済モデル80は、例えば、図8に示すように、学習用モデル87を記憶した記憶装置86及びモデル生成部88aを有するプロセッサ88等を備えるコンピュータによって構成される機械学習装置85によって生成される。モデル生成部88aは、記憶装置56又は締結状態検出部40から出力される締結具14の締結状態の画像データと、教師データとしての締結具14の締結状態の正解のデータの組み合わせに基づいて作成される学習用データに基づいて、締結具14の有無または脱落の有無を学習する。すなわち、締結具14の締結状態の画像データと教師データから、締結具14の有無または脱落の有無を推論する学習済モデル80を生成する。ここで、学習用データは締結具14の締結状態の画像データおよび教師データとしての締結具14の締結状態の正解のデータを互いに関連付けたデータである。画像データに対する正解(締結されている又は締結されていない)の関連付けは、作業者によってなされてもよい。また、教師データは、締結具14有りを判定するための締結具14が写り込んだ画像G1群であってもよいし、締結具14の脱落を判定するための締結具14が脱落した痕跡14hが写り込んだ画像G2群であってもよいし、その両方であってもよい。
 締結具14の締結状態が不明な状態を含む場合、締結具監視装置50は、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結不明数を、参考情報として演算してもよい。即ち、画像によって締結具14の有無又は脱落の有無を判定するとしても、締結具14上の物(植物等)によって、締結具14が存在すべき箇所を十分に撮像できない可能性がある。このような箇所については、締結具14が存在する又は脱落が存在すると決定づけて締結状態を判定するよりも、そもそも締結不明として締結状態を把握することが考えられる。そこで、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結不明数を、参考情報として演算してもよい。
 上記学習済モデル80を前提として、図9に示すフローチャートを参照して、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結不明数を演算する処理例を説明する。なお、当該説明においては、学習済モデル80は、締結具14が写り込んだ画像G1群及び締結具14が脱落した痕跡が写り込んだ画像G2群を教師データとして機械学習されたモデルであることを前提とする。画像G2が入力されると、締結具14有りの可能性を示すスコア及び締結具14の脱落有りの可能性を示すスコアが出力される。締結具14有りの可能性を示すスコアが所定の基準値を超える又は以上である場合に締結具14が有りと判定され、締結具14の脱落有りの可能性を示すスコアが所定の基準値を超える又は以上である場合に締結具14の脱落有りと判定され、それらの間である場合に締結具14の締結状態が不明であると判定される。
 なお、機械学習装置85は、鉄道車両の走行中における締結具14の有無または脱落の有無を学習するために使用されるが、例えば、ネットワークを介して鉄道車両に接続され、鉄道車両とは別個の装置であってもよい。また、機械学習装置85は、鉄道車両に内蔵されていてもよいし、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
 図9に示すフローチャートが図4に示すフローチャートと異なるのは、次の点である。すなわち、図4におけるステップS3の次にステップT1が実行される。ステップT1では、まくらぎ13の有無が判定される。まくらぎ13の有無は、締結状態データ(画像)に対してテンプレートマッチング処理を行うことによって判定されてもよいし、まくらぎ13を含む画像を教師データとして機械学習させた学習済モデル80によって判定されてもよい。まくらぎ13無しと判定されると、ステップS2に戻り、まくらぎ13有りと判定されると、ステップS14に進む。
 ステップS14は、図4におけるステップS4の代りに行われる処理である。ステップS14では、締結状態データに基づいて締結具14が有るかどうか、脱落が有るかどうか、不明かどうかが判定される。本処理は、例えば、上記したように、締結状態データ(画像)を学習済モデル80に適用することによってなされてもよい。また、締結具14の有無を判定するテンプレートマッチング処理と、締結具14の脱落を判定するテンプレートマッチング処理とを実行し、両方の判定でマッチングしないときに不明と判定されてもよい。
 ステップS14において、締結具14有りと判定されると、ステップS15bに進み、締結カウント変数に1を加える。締結具14の脱落有りと判定されると、ステップS15aに進み、脱落カウント変数に1を加える。締結具14の締結状態が不明であると判定されると、ステップS15cに進み、不明カウント変数に1を加える。
 ステップS15a、S15b、S15cの後、ステップS6に進む。基準時間を経過するまで上記処理が繰返されることで、基準時間における締結数、脱落数、不明数がカウントされる。
 次ステップS17において、ステップS7と同様に、基準時間当りの締結数、脱落数、不明数のそれぞれについて、平均速度が乗じられことによって、評価値として、軌道10の単位長さ当りの締結数、脱落数、不明数が演算される。
 次ステップS18において、演算された各データが出力される。図10は、出力されたデータが表示装置59に表示される一例が示される。同図では、監視指標として、単位長さ(1m及び25m)当りの締結数、脱落数、不明数が表示される。上記したように、軌道対応付データ56dは、基地側状態監視装置70に送信される。基地側状態監視装置70は、軌道対応付データ56dに基づいて、軌道10の締結状態の監視を行ってもよい。
 ステップS9に示すように、走行が終了するまで、上記処理が繰返され、走行が終了すると、処理が終了する。
 図11は、基地側状態監視装置70における処理例を示すフローチャートである。基地側状態監視装置70におけるプロセッサ72がプログラム74aに従って処理を行うことで、締結評価処理部としての処理が実行される。
 すなわち、ステップS21において、記憶装置74に記憶された軌道対応付データ56dにおいて、いずれかの評価対象区間の評価値が読出される。評価値は、単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数である。ここでの単位長さは、締結具監視装置50における単位長さとは異なっていてもよい。例えば、単位長さは、軌道対応付データ56dにおける複数区間の評価値が集約された長さであってもよい。
 次ステップS22において、評価値が予め設定された締結評価基準値と比較され、注意レベルが判定される。例えば、単位長さ当りの締結具14の本数が少なければ、保守点検の必要度合は大きくなる。このため、保守点検の必要度合(注意レベル)に応じて複数の締結評価基準値が予め設定される。そして、評価値が当該締結評価基準値と比較されることで、当該区間における注意レベルが判定される。注意レベルは、軌道10締結状態の良否を示す。注意レベルは、単に注意の要否を示す2段階のレベルであってもよいし、より多段階のレベルであってもよい。
 次ステップS23において、当該区間に注意レベルを対応付けたデータが記憶装置74に記憶される。
 次ステップS24において、注意レベルを判定すべき次区間の要否が判定される。次区間がある場合、ステップS21に戻り、上記処理を繰返す。これにより、連続的な軌道10に対して、区間に分けて注意レベルが判定される。次区間がなければ、処理を終了する。
 図12は軌道10の各位置(各区間)に、締結具14の締結状態を対応付けた画像例である。この画像は、基地側状態監視装置70における表示装置78に表示される。
 画像は、実際の軌道経路を表現する軌道画像90を含む。軌道画像90に注意レベルを表示する注意画像91が含まれる。注意画像91は、色、濃淡、模様等によって識別されてもよい。例えば、注意レベルが緑色から黄色を経て赤に遷移するのに伴って高レベルとなるように区別されてもよい。この画像を見ることによって、軌道10におけるどの位置で、締結具14の締結状態を注意すべきかが容易に把握される。
 軌道画像90とは別に、当該軌道画像90の一部を拡大した範囲に、締結具14の締結状態(例えば、脱落数)を表した詳細画像94が表示される。詳細画像94は、軌道10における長方向の位置(例えばキロ程)を横軸、締結具14の監視指標値(例えば、脱落数)を横軸としたグラフである。詳細画像94は、例えば、軌道画像90の一部をクリック、タッチ操作等で選択することによって表示されてもよい。この詳細画像によって、軌道10の一部の状態がより詳細に把握され得る。
 このように構成された締結具監視装置50、締結具監視システム30及び締結具監視方法によると、軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を、軌道10における締結具14の締結状態を示す指標値として演算する。このため、個々の締結具14に固有番号を割当てる等して、締結具14を個別管理する必要がなくなり、締結具番号の個別管理に起因するデータ処理量が削減される。
 また、所定の単位時間における締結具14の締結数又は脱落数を求め、その値に鉄道車両20の速度を乗じることで、容易に締結具14の締結状態を示す指標値を求めることができる。例えば、締結具14の存在位置等を管理しなくても、締結具14の締結状態を示す指標値を求めることができる。
 また、軌道10の単位長さとして、第1の単位長さ(例えば、1m)と、この長さよりも大きい第2の単位長さ(例えば、レール長)とが設定される。このため、例えば、軌道10における締結具14の締結状態は、レール長を単位として監視され得る。また、例えば、レール長よりも短い単位で、細かく締結具14の締結状態が監視される。
 また、指標値として単位長さ当りの締結具14の締結数を演算することによって、実際のレール12を締結している締結具14の数を把握することができる。
 また、指標値として単位長さ当りの締結具14の脱落数を演算することによって、当初の締結具14の締結数が不明である状況においても、脱落数を手がかりとして、レール12の締結状態を把握することができる。
 また、締結具監視装置50が鉄道車両20に設けられ、鉄道車両20の走行中に逐次、軌道10の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算することによって、走行中にリアルタイムで軌道10の締結状態が評価され得る。
 この際、締結具監視装置50における演算結果が指標値又は指標値に基づく良否判定結果として、表示装置59に表示されれば、鉄道車両20の走行中において、利用者によってレール12の締結状態がリアルタイムで把握され得る。
 また、締結具監視装置50が軌道10の位置に軌道10の単位長さ当りの締結具14の締結数又は脱落数を対応付けた軌道対応付データ56dを生成することによって、事後的に、軌道10の位置と締結具14の締結数又は脱落数とを対応付けて、軌道10を管理できる。
 かかる軌道対応付データ56dが基地側状態監視装置70に送信されることで、基地側状態監視装置70において、軌道10における締結具14の締結状態を監視できる。
 上記締結具14の有無、脱落の有無等を学習済モデルの適用によって判定すると、外環境要因において締結具14が種々態様で検出されたとしても、締結具14の有無又は脱落の有無を正確に判定できる。
 また、軌道10の単位長さ当りの締結不明数を参考情報として演算するため、判定精度をも考慮して、レール12の締結状態を監視できる。
 基地側状態監視装置70において、予め設定された締結評価基準値との比較に基づいて、軌道10の締結状態の良否を監視することができる。これにより、統一された判断基準が適用され得る。
 また、管理基地28において、軌道10の位置に締結具14の締結状態を対応付けた画像(軌道画像90及び注意画像91)、詳細画像94が表示される。これにより、締結具14の締結状態が、軌道10の位置と対応付けて把握され得る。
 なお、上記締結具監視装置50が鉄道車両20に搭載されていることは必須ではない。鉄道車両20における走行状態取得部32で取得された走行データ及び締結状態検出部40で検出された締結状態データが通信網16等を介して基地側に設けられた締結具監視装置に送信され、基地側の締結具監視装置において、上記締結具監視装置50と同様の処理がなされてもよい。この場合において、締結状態データに基づいて締結具14の有無又は脱落の有無を判定する処理が鉄道車両20において行われてもよい。
 なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
 本明細書及び図面は、下記の各態様を開示する。
 課題を解決するための手段欄に記載された締結具監視装置を第1の態様とすると、第2の態様は、第1の態様に係る締結具監視装置であって、前記処理部は、前記走行データ及び前記締結具の締結状態データに基づいて、単位時間当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求め、求められた値に前記鉄道車両の速度を乗じて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求める、締結具監視装置である。これにより、所定の単位時間における締結具の締結数又は脱落数を求め、その値に鉄道車両の速度を乗じることで、容易に締結具の締結状態を示す指標値を求めることができる。
 第3の態様は、第1又は第2の態様に係る締結具監視装置であって、前記軌道の単位長さとして、第1の単位長さと、前記第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さとが設定され、前記処理部は、前記鉄道車両の走行データ及び前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態データに基づいて、前記第1の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算し、この演算結果に基づいて前記第2の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視装置である。これにより、第2の単位長さよりも短い第1の単位長さ単位で変っていく締結具の締結状態を監視できる。そして、第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さで、締結具の締結状態を監視できる。
 第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数を演算する、締結具監視装置である。これにより、軌道に実在すると判定された締結具の締結数によって、軌道の締結具の締結状態を監視できる。
 第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の脱落数を演算する、締結具監視装置である。これにより、軌道における締結具の脱落数によって、軌道の締結具の締結状態を監視できる。
 第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態が不明な状態を含む場合、前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結不明数を、参考情報として演算する、締結具監視装置である。これにより、軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結不明数が参考情報として利用者に供される。利用者は、当該参考情報を参照しつつ、締結具の締結状態が把握される。
 第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記締結具の締結状態データと、前記締結具の締結状態の正解データとを含む学習用データを取得し、前記学習用データを用いて、前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態を推定するための学習済みモデルを生成する、締結具監視装置である。これにより、学習用データを用いて締結具の締結状態を推定するための学習済モデルを生成することができる。
 第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記処理部は、前記締結具の締結状態データが、前記締結具の締結状態を推定するための機械学習が行われた学習済モデルに入力されることで、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方を判定する推論部を含む、締結具監視装置である。機械学習による学習済モデルによって、締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方が判定される。
 第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様に係る締結具監視装置であって、前記鉄道車両に設けられ、前記鉄道車両の走行状態を取得して走行データを出力する走行状態取得部と、前記鉄道車両に設けられ、前記鉄道車両の走行中に前記締結具の締結状態を検出して、締結状態データを出力する締結状態検出部と、を備え、前記鉄道車両に設けられた前記処理部が、前記鉄道車両の走行中に、前記走行データと前記締結状態データとに基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視装置である。これにより、鉄道車両の走行中に、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数が把握され得る。
 第10の態様は、第9の態様に係る締結具監視装置であって、前記処理部による演算結果に基づいて、前記鉄道車両の走行中に前記軌道の締結状態を表示する表示装置をさらに備える、締結具監視装置である。これにより、鉄道車両の走行中に、軌道の締結状態が表示装置に表示される。
 第11の態様は、第9又は第10の態様に係る締結具監視装置であって、前記鉄道車両の走行データは、前記鉄道車両の走行位置情報を含み、前記処理部は、前記軌道の位置に前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を対応付けたデータを生成する、締結具監視装置である。これにより、軌道の位置に軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を対応付けたデータに基づいて、軌道の締結状態が監視され得る。
 課題を解決するための手段欄に記載された締結具監視システムを第12の態様とすると、第13の態様に係る締結具監視システムは、第12の態様に係る締結具監視システムであって、前記基地側状態監視装置は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、予め設定された基準値と比較することで、軌道の締結状態の良否を判定する基地側処理部を備える、締結具監視システムである。これにより、基地側状態監視装置において、予め設定された基準値との比較に基づいて、軌道状態が監視され得る。
 第14の態様に係る締結具監視システムは、第12又は第13の態様に係る締結具監視システムであって、前記管理基地に、前記軌道の位置に前記締結具の締結状態を対応付けた画像を表示する、締結具監視システムである。これにより、管理基地の利用者が、軌道の位置に対応付けられた締結具の締結状態を把握し易い。
 課題を解決するための手段欄に記載された締結具監視方法を第15の態様とすると、第16の態様に係る締結具監視方法は、第15の態様に係る締結具監視方法であって、前記演算処理(c)において、単位時間当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求め、求められた値に前記鉄道車両の速度を乗じて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求める、締結具監視方法である。これにより、所定の単位時間における締結具の締結数又は脱落数を求め、その値に鉄道車両の速度を乗じることで、容易に締結具の締結状態を示す指標値を求めることができる。
 第17の態様は、第15又は第16の態様に係る締結具監視方法であって、前記処理(c)において、第1の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算し、この演算結果に基づいて前記第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視方法である。これにより、第2の単位長さよりも短い第1の単位長さ単位で変っていく締結具の締結状態を監視できる。そして、第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さで、締結具の締結状態を監視できる。
 上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10  軌道
14  締結具
16  通信網
20  鉄道車両
28  管理基地
30  締結具監視システム
32  走行状態取得部
40  締結状態検出部
50  締結具監視装置
52  プロセッサ
52a  締結状態判定部
52b  指標値演算部
56  記憶装置
56a  プログラム
56b  走行履歴データ
56c  締結状態履歴データ
56d  軌道対応付データ
59  表示装置
70  基地側状態監視装置
72  プロセッサ
74  記憶装置
74a  プログラム
74c  基準値データ
78  表示装置
80  学習済モデル
90  軌道画像
91  注意画像
94  詳細画像

Claims (17)

  1.  鉄道車両が走行する軌道の締結具を監視する締結具監視装置であって、
     前記鉄道車両の走行データ及び前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態データに基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算する処理部を備える、締結具監視装置。
  2.  請求項1に記載の締結具監視装置であって、
     前記処理部は、前記走行データ及び前記締結具の締結状態データに基づいて、単位時間当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求め、求められた値に前記鉄道車両の速度を乗じて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求める、締結具監視装置。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の締結具監視装置であって、
     前記軌道の単位長さとして、第1の単位長さと、前記第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さとが設定され、
     前記処理部は、前記鉄道車両の走行データ及び前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態データに基づいて、前記第1の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算し、この演算結果に基づいて前記第2の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視装置。
  4.  請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数を演算する、締結具監視装置。
  5.  請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の脱落数を演算する、締結具監視装置。
  6.  請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態が不明な状態を含む場合、前記処理部は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結不明数を、参考情報として演算する、締結具監視装置。
  7.  請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記締結具の締結状態データと、前記締結具の締結状態の正解データとを含む学習用データを取得し、前記学習用データを用いて、前記鉄道車両の走行中における前記締結具の締結状態を推定するための学習済みモデルを生成する、締結具監視装置。
  8.  請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記処理部は、前記締結具の締結状態データが、前記締結具の締結状態を推定するための機械学習が行われた学習済モデルに入力されることで、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方を判定する推論部を含む、締結具監視装置。
  9.  請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の締結具監視装置であって、
     前記鉄道車両に設けられ、前記鉄道車両の走行状態を取得して走行データを出力する走行状態取得部と、
     前記鉄道車両に設けられ、前記鉄道車両の走行中に前記締結具の締結状態を検出して、締結状態データを出力する締結状態検出部と、
     を備え、
     前記鉄道車両に設けられた前記処理部が、前記鉄道車両の走行中に、前記走行データと前記締結状態データとに基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視装置。
  10.  請求項9に記載の締結具監視装置であって、
     前記処理部による演算結果に基づいて、前記鉄道車両の走行中に前記軌道の締結状態を表示する表示装置をさらに備える、締結具監視装置。
  11.  請求項9又は請求項10に記載の締結具監視装置であって、
     前記鉄道車両の走行データは、前記鉄道車両の走行位置情報を含み、前記処理部は、前記軌道の位置に前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を対応付けたデータを生成する、締結具監視装置。
  12.  請求項9から請求項11のいずれか1つに記載の締結具監視装置と、
     管理基地に設けられ、前記締結具監視装置における処理結果が通信網を介して送信される基地側状態監視装置と、
     を備える締結具監視システム。
  13.  請求項12に記載の締結具監視システムであって、
     前記基地側状態監視装置は、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、予め設定された基準値と比較することで、軌道の締結状態の良否を判定する基地側処理部を備える、締結具監視システム。
  14.  請求項12又は請求項13に記載の締結具監視システムであって、
     前記管理基地に、前記軌道の位置に前記締結具の締結状態を対応付けた画像を表示する、締結具監視システム。
  15.  鉄道車両が走行する軌道の締結具を監視する締結具監視方法であって、
     (a)前記鉄道車両の走行中に、前記鉄道車両の走行状態と、前記締結具の締結状態とを検出し、
     (b)前記締結具の締結状態の検出結果に基づいて、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方を判定し、
     (c)検出された前記鉄道車両の走行状態と、前記締結具の有無及び脱落の有無の少なくとも一方の判定結果に基づいて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を、前記軌道における前記締結具の締結状態を示す指標値として演算する、締結具監視方法。
  16.  請求項15に記載の締結具監視方法であって、
     前記処理(c)において、単位時間当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求め、求められた値に前記鉄道車両の速度を乗じて、前記軌道の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を求める、締結具監視方法。
  17.  請求項15又は請求項16に記載の締結具監視方法であって、
     前記演算処理(c)において、第1の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算し、この演算結果に基づいて前記第1の単位長さよりも大きい第2の単位長さ当りの前記締結具の締結数又は脱落数を演算する、締結具監視方法。
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