JP7118780B2 - 軌道部品の管理方法 - Google Patents
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Description
このため、レール締結装置や継目板、軌道パッド等の軌道近傍の装置の異常を判定するための画像情報を、走行中に取得することができる軌道用距離画像取得システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、軌道の整備(補修や点検)を施工会社へ指示する際に、キロ程情報の代わりにスラブやレール締結装置に付与されている番号を利用して整備対象の軌道部品や装置の指示がなされることがあるが、スラブや締結装置の番号を現場で確認するのは困難であるため、整備対象の特定が不正確になるという課題があった。
本発明の他の目的は、特定種類のレール締結装置の状態を監視したい場合にレール転倒防止装置や異種のレール締結装置が写り込んでいる画像を自動的に判別して除外することができ、それによって画像解析時における対象物の誤判定の発生を減少させることができる軌道部品の管理方法を提供することにある。
予め位置が分かっている複数の指標物が軌道に沿って設置されている路線を、撮影手段を備えた車両が走行しながら撮影した軌道部品の画像に基づいて軌道部品を管理する軌道部品の管理方法において、
前記軌道部品の撮影画像には、前記車両に搭載された車上装置が車輪の回転に基づく車両速度検出手段からの信号により把握している画像撮影時の車両位置情報が紐づけられており、
前記撮影画像に前記指標物が写り込んでいるか判定し、前記指標物が写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像に紐づいている前記画像撮影時の車両位置情報を、前記指標物の設置位置の情報に基づいて補正し、補正した位置情報を用いて軌道に沿って設置されている軌道部品を把握するようにしたものである。
かかる方法によれば、撮影画像に対してエッジ抽出処理を行うことによって、撮影画像内に地上子がある場合にはその前端もしくは後端に相当するエッジを際立たせ、エッジの有無から、地上子が写り込んでいるか否か容易に判定することができる。
このような方法によれば、例えばレール締結装置の状態を監視したい場合にレール転倒防止装置が写り込んでいる画像を自動的に判別して除外することができ、それによって画像解析時における対象物の誤判定の発生を減少させることができる。
かかる方法によれば、台帳等によって予め位置が分かっている複数種類の軌道部品が設置されている場合に、軌道部品の種類を特定することで、不要な部品が写り込んでいる画像を正確に判別して除外することができ、それによって画像解析時における対象物の誤判定の発生をより減少させることができる。
かかる方法によれば、台帳等に登録されていないスラブに関しても、各スラブに番号を付して管理することができるようになる。
図1は、軌道部品モニタリング装置を装備した測定車の一例を示す概略正面図であり、測定車10の前面の連結器11の下方に、機器の取り付け用の支持プレート12が設けられ、この支持プレート12に、軌道部品モニタリング装置を構成する位置検出手段13、撮影手段14、第1発光手段15及び第2発光手段16が装備されている。
さらに、本実施形態においては、車上装置18が、速度発電機17からのパルスを計数して車輪回転数を示す車輪パルス数として記憶する。つまり、記憶された撮影画像データには、撮影時の位置情報および車輪パルス数が紐づけられている。
上記位置検出手段13は、例えばレーザ変位計等により構成することができ、対象物に出力光を照射して、反射光を受光した時間差からスラブ軌道上の対象物の高さを測定する。一般に、スラブ軌道上のボルトの近傍に軌道パッドが設置されているので、位置検出手段13により検出された高さの変動に基づきスラブ軌道上のボルトの位置を検知することにより、間接的に軌道パッドの設置位置を検出することができる。
そして、第1発光手段15および第2発光手段16は、支持プレート12上であって、レールの長手方向に垂直な方向からレールの締結部分を照射可能な位置に設置される。具体的には、第1発光手段15は、撮影手段14側からスラブ軌道RW上のレールの内側の締結部分CP1を照射可能なように設置され、第2発光手段16はスラブ軌道RW上のレールの締結部分CP1の裏側部分CP2を照射可能なように設置される。
軌道パッド飛び出し量解析装置は、図2に示すように、一般的なコンピュータシステムにより実現することができるもので、マイクロプロセッサ(MPU)のようなプログラム制御方式の演算処理装置21およびROM(読出し専用メモリ)22やRAM(随時読出し書込み可能なメモリ)23のような記憶手段を備えた軌道パッド飛び出し量解析部(以下、解析部と称する)20と、レール締結装置の台帳など軌道パッド飛び出し量の解析に必要なデータを記憶したデータベースとしての記憶装置31と、ユーザインタフェース(ユーザI/F)32と、キーボードやマウスなどの入力装置33と、液晶表示パネルのような表示装置34と、を備えている。
軌道パッド飛び出し量の解析に必要なプログラムおよび各種計算式は解析部20のROM22に記憶されており、マイクロプロセッサ(MPU)21が当該プログラムおよび式に従って画像処理やレール締結器等の軌道部品の検出に必要な演算処理等を実行する。
また、ステップS3の判定は、例えば図4に示すように、中央にレール締結装置RCが写りその横に地上子Bが写り込んでいるような画像においては、地上子の前端(または後端)のエッジEが斜め方向の線として現れるので、画像処理によってこのような斜め方向の線が画像内に含まれているか否かを判断することで行うことができる。後述のスラブの境界も、図4(A)に符号Sで示すように、画像中に斜め方向の線として現れるので、上記と同様な画像処理によって写り込んでいるか判定することができる。
さらに、トンネル区間とそれ以外の区間(明かり区間)とで、画像の写り方が異なるので、トンネル区間の撮影画像では図4のエッジEの有無に基づいて、また明かり区間の撮影画像では図4に示す切り出し領域A内の輝度差に基づいて地上子が写り込んでいるか判定するようにしても良い。
補正キロ程=1つ前の1K地上子キロ程+補正パルス値×移動パルス量……式1
補正パルス値=(次の1K地上子を検出した車輪パルス数-1K地上子を検出した車輪パルス数)÷1K地上子間距離
で表わされる。なお、1K地上子間距離は、1K地上子の管理台帳(データベース)を参照することで知ることができる。上記のように、1K地上子を検知するまでのキロ程補正は、次の区間補正値を使用し、最後の停車までの区間は、1つ前のキロ程補正を使用して行う。
ここで、レール転倒防止装置FPが中央に写り込んでいる画像には、例えば図5(A)に示すように、左右にレール締結装置RC1,RC2も写り込んでおり、画像処理によってエッジ抽出を行うと、図5(B)に示すような画像が得られる。図5(B)において、レール下部に相当する領域Dにおける各装置の縦方向のエッジに着目すると、レール転倒防止装置FPは左右2本のエッジが現われるのに対し、レール締結装置RC1,RC2は1本のエッジしか現われないことが分かる。従って、上記縦方向エッジに着目することによって、レール転倒防止装置が中央に写り込んでいる否かの判定を行うことができる。
さらに、本発明は、レール締結装置やレール転倒防止装置に限定されず、レールボンドや継目板、融雪装置等の部品の脱落、部分破損等の検出その他軌道部品の管理に広く利用することができる。
11 連結器
12 支持プレート
13 位置検出手段
14 撮影手段
15、16 発光手段
17 速度発電機(車両速度検出手段)
18 車上装置
20 軌道パッド飛び出し量解析部
21 演算処理装置
31 記憶装置
34 表示装置
R1、R2 レール
RW スラブ軌道
CP レール締結部
B 地上子
S スラブ境界
RC レール締結装置
FP レール転倒防止装置
Claims (7)
- 予め位置が分かっている複数の指標物が軌道に沿って設置されている路線を、撮影手段を備えた車両が走行しながら撮影した軌道部品の画像に基づいて軌道部品を管理する軌道部品の管理方法であって、
前記軌道部品の撮影画像には、前記車両に搭載された車上装置が車輪の回転に基づく車両速度検出手段からのパルス信号により把握している画像撮影時の車両位置情報および車輪パルス数が紐づけられており、
前記撮影画像に前記指標物が写り込んでいるか判定し、前記指標物が写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像に紐づいている前記画像撮影時の車両位置情報を、前記指標物の設置位置の情報に基づいて補正し、補正した位置情報を用いて軌道に沿って設置されている軌道部品を把握するものであり、
前記指標物は地上子であり、
移動パルス量=現時点の車輪パルス値-1K地上子を検出した車輪パルス数
補正パルス値=(次の1K地上子を検出した車輪パルス数-1K地上子を検出した車輪パルス数)÷1K地上子間距離
で表わした場合に、次式
補正キロ程=1つ前の1K地上子キロ程+補正パルス値×移動パルス量
を用いて、前記画像撮影時の車両位置情報を補正することを特徴とする軌道部品の管理方法。 - 予め位置が分かっている複数の指標物が軌道に沿って設置されている路線を、撮影手段を備えた車両が走行しながら撮影した軌道部品の画像に基づいて軌道部品を管理する軌道部品の管理方法であって、
前記軌道部品の撮影画像には、前記車両に搭載された車上装置が車輪の回転に基づく車両速度検出手段からの信号により把握している画像撮影時の車両位置情報が紐づけられており、
前記撮影画像に前記指標物が写り込んでいるか判定し、前記指標物が写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像に紐づいている前記画像撮影時の車両位置情報を、前記指標物の設置位置の情報に基づいて補正し、補正した位置情報を用いて軌道に沿って設置されている軌道部品を把握するものであり、
前記指標物は地上子であり、
前記撮影画像に前記地上子が写り込んでいるか否かの判定は、当該撮影画像内に地上子の前端もしくは後端に相当する斜め方向のエッジのあるかないかに基づいて行うことを特徴とする軌道部品の管理方法。 - 予め位置が分かっている複数の指標物が軌道に沿って設置されている路線を、撮影手段を備えた車両が走行しながら撮影した軌道部品の画像に基づいて軌道部品を管理する軌道部品の管理方法であって、
前記軌道部品の撮影画像には、前記車両に搭載された車上装置が車輪の回転に基づく車両速度検出手段からの信号により把握している画像撮影時の車両位置情報が紐づけられており、
前記撮影画像に前記指標物が写り込んでいるか判定し、前記指標物が写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像に紐づいている前記画像撮影時の車両位置情報を、前記指標物の設置位置の情報に基づいて補正し、補正した位置情報を用いて軌道に沿って設置されている軌道部品を把握するものであり、
前記指標物は地上子であり、
前記撮影画像に前記地上子が写り込んでいるか否かの判定は、当該撮影画像からレールの直下の輝度差が生じている領域を切り出して輝度差を算出することで行うことを特徴とする軌道部品の管理方法。 - 前記撮影画像をエッジ処理して不要な軌道部品が中央に写り込んでいるか判定し、不要な軌道部品が中央に写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像を除外することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軌道部品の管理方法。
- 前記撮影画像内のレール下部に相当する領域に着目して、縦方向に2本のエッジが現われているか1本のエッジが現われているか判断し、縦方向に2本のエッジが現われている場合に、レール転倒防止装置が前記不要な軌道部品として前記撮影画像内に写り込んでいると判定することを特徴とする請求項4に記載の軌道部品の管理方法。
- 前記路線の軌道に沿って複数種類の軌道部品が設置され、前記複数種類の軌道部品の設置位置情報がデータベースに記憶されている場合に、前記撮影画像をエッジ処理して複数種類の軌道部品をそれぞれ判別するとともに、前記補正した位置情報と前記データベースに記憶されている設置位置情報とを比較して不要な軌道部品が写り込んでいる撮影画像を除外することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軌道部品の管理方法。
- 前記軌道はスラブ軌道であり、前記撮影画像にスラブの境界が写り込んでいるか判定し、前記スラブの境界が写り込んでいると判定した場合には、当該撮影画像に紐づいている前記画像撮影時の位置情報を補正した位置情報を用いてスラブの番号を決定し、決定したスラブの番号を位置情報とともに記憶して管理することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の軌道部品の管理方法。
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