JP2010228935A - 多孔質セラミック部材およびフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性を向上できる多孔質セラミック部材およびフィルタを提供する。
【解決手段】 Al、Ti、MgおよびOを含有するチタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子同士を、Siを含有する非晶質材料で接合してなる多孔質セラミック部材であって、結晶粒子11間の非晶質材料からなる非晶質相13の粒子近傍部13bおよび該粒子近傍部13b間の中間部13aにSi、Al、Ti、MgおよびOを含有するとともに、非晶質相13の中間部13aにおけるAl量が粒子近傍部13bにおけるAl量よりも少ない。
【選択図】 図2

Description

本発明は、多孔質セラミック部材およびフィルタに関し、例えば、断熱材、高温部材の支持材、自動車の排ガス浄化触媒担体用ハニカム構造体、ディーゼルエンジン自動車のパティキュレートトラップ(粒子状物質除去)用ハニカム構造体、脱臭用、温風用などの民生用ハニカム構造体等のフィルタエレメントに利用できる多孔質セラミック部材およびフィルタに関する。
従来、耐熱衝撃性部材のハニカム構造体として、コージェライトや、βユークリプタイト、βスポジューメンのリチウムアルミノケイ酸塩(通称:LAS)や、チタン酸アルミニウムなどの低熱膨張セラミックス材料が利用されている。
一般に、低熱膨張セラミックス材料とは20℃〜800℃の熱膨張係数が3.0×10−6/℃以下のセラミックスのことであり、これらの低熱膨張セラミックス材料は熱衝撃に強い材料として古くから知られており、最近では自動車の排ガス浄化触媒用ハニカム担体、セラミックスガスタービンのハウジングや熱交換体など、特に耐熱衝撃性が要求される部分への材料として使用されている。
コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)は、優れた耐熱衝撃性を持つことから、特に自動車の排ガス浄化触媒用ハニカム担体として、多く実用化されている。
しかしながら、コージェライトの耐熱温度は高いものでも1350℃程度であるため、この温度以上で利用することは困難であった。
一方、チタン酸アルミニウム(AlTiO)は、1860℃の高融点を持ち、コージェライトと比べて耐熱性の高い低熱膨張セラミックス材料であるが、900℃〜1200℃の温度で保持すると、アルミナとチタニアに熱分解するという問題があり、利用に制限があった。
そこで、このようなチタン酸アルミニウムに対して、耐熱分解性を高めるために、Al粉末、TiO粉末にSiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaOなどの添加剤を添加することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、Al粉末、TiO粉末に、SiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaOなどの添加剤を添加し、成形し、1450〜1550℃で焼成したことが記載されている。
また、従来、平均粒径1.54〜8.06μmのAlTiO原料粉末に、MgOおよびSiOを添加し、成形した後、1500℃で焼成することにより、焼結体強度と低熱膨張性を向上した焼結体が知られている(特許文献2参照)。
特開平8−290963号公報 特開平1−249657号公報
従来、特許文献1のように、Al粉末、TiO粉末に、SiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaOなどの添加剤を添加し、成形し、1500℃程度で焼成することが行われているが、このようにAl粉末、TiO粉末に、非晶質材料を構成するSiO等を添加し同時に焼成すると、AlTiO結晶中に上記添加剤の酸化物が固溶した組成となったり、AlTiO結晶の周囲に酸化物が析出したりすることで、AlTiO結晶の耐熱分解性が改善される。
しかしながら、特許文献1のAlTiO結晶からなる材料を、自動車の排気ガスに触れるフィルタに適用すると、耐熱限界温度が低いため、例えばフィルタの再生処理で1450℃以上の高温に晒された時、フィルタの溶損はないもののフィルタが変形し、耐熱性が未だ低いという問題があった。
また、特許文献2のように、平均粒径1.54〜8.06μmのAlTiO原料粉末にMgOおよびSiOを添加し、成形した後、1500℃の高い温度で焼成すると、AlTiO結晶表層にMgOが固溶するが、この場合も、自動車の排気ガスに触れるフィルタに適用すると、耐熱限界温度が低いため、例えばフィルタの再生処理で1450℃以上の高温に晒された時、フィルタの溶損はないもののフィルタが変形し、耐熱性が未だ低いという問題があった。
本発明は、耐熱性を向上できる多孔質セラミック部材およびフィルタを提供することを目的とする。
本発明者等は、チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子同士を接合する非晶質相について検討した結果、非晶質相へのAl、Mg等の拡散を抑制することにより、非晶質相の溶融温度を高め、多孔質セラミック部材の耐熱性を向上できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の多孔質セラミック部材は、Al、Ti、MgおよびOを含有するチタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子同士を、Siを含有する非晶質材料からなる非晶質相で接合してなる多孔質セラミック部材であって、前記結晶粒子間の前記非晶質相の粒子近傍部および該粒子近傍部間の中間部にSi、Al、Ti、MgおよびOを含有するとともに、前記中間部におけるAl量が前記粒子近傍部におけるAl量よりも少ないことを特徴とする。
このような多孔質セラミック部材では、結晶粒子間の非晶質材料からなる非晶質相の粒子近傍部および該粒子近傍部間の中間部にAl、Ti、MgおよびOを含有するとともに、非晶質相の中間部におけるAl量が粒子近傍部におけるAl量よりも少ないため、非晶質相の中間部における溶融温度を高め、耐熱性を向上できる。
すなわち、非晶質相中のAl、TiO、MgO等の量が増加するほど、Siを含有する非晶質相の融点が低下することが知られており、従来の多孔質セラミック部材では、チタン酸アルミニウムに対して、SiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaOなどの添加剤を添加し、1500℃程度の高温で焼成していたため、チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子同士を、SiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaO等が均一に存在する非晶質相で連結する構造となり、非晶質相にはSiO、Fe、Al、TiO、MgO、CaO等が均一に存在し、非晶質相の融点が低いものであった。
これに対して、本願発明では、例えば、高い温度で仮焼してなるチタン酸アルミニウム型結晶粉末にSiOを添加し、仮焼温度よりも低い温度で焼成することにより、チタン酸アルミニウム型結晶粉末から非晶質相へのAl、Ti、Mg等の拡散が抑制され、結晶粒子間の非晶質材料からなる非晶質相の粒子近傍部、および該粒子近傍間の中間部にAl、Ti、MgおよびOを含有するものの、最も拡散し易いAl量が非晶質相の粒子近傍部よりも中間部の方が少なく、非晶質相の中間部におけるAl、Ti、Mg等の量が少ないため溶融温度が高くなり、多孔質セラミック部材の耐熱性を向上できる。
また、本発明の多孔質セラミック部材は、前記非晶質相の中間部におけるAl量が3.5原子%以下であることを特徴とする。このような多孔質セラミック部材では、非晶質相の中間部におけるAl量が3.5原子%以下と少ないため、非晶質相の中間部における溶融温度を高め、耐熱性を向上できる。
さらに、本発明の多孔質セラミック部材は、前記結晶粒子の内部には、Al、TiおよびMgが均一に存在するとともに、Alを20原子%以上およびMgを2.5原子%以上含有することを特徴とする。このような多孔質セラミック部材では、粒子内部にAlを20原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有せしめることにより、耐分解性を高めることができる。
また、本発明の多孔質セラミック部材は、X線回折測定結果において、チタン酸アルミニウム型結晶のメインピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とする。このような多孔質セラミック部材では、2θ=25〜27°、または32〜34°に現れるチタン酸アルミニウム型結晶のメインピークの半値幅が0.20°以下であり、チタン酸アルミニウムの結晶化度が高いため、例えば、高い温度で仮焼してなるチタン酸アルミニウム型結晶粉末にSiOを添加し、仮焼温度よりも低い温度で焼成することにより、チタン酸アルミニウム型結晶粉末から非晶質相へのAl、Ti、Mg等の拡散を抑制でき、非晶質相の耐熱性を高め、多孔質セラミック部材の耐熱性をさらに向上できる。
また、本発明の多孔質セラミック部材は、前記結晶粒子の内部にFeを含有することを特徴とする。このような多孔質セラミック部材では、熱による分解を抑制し、耐熱分解性を向上できる。
本発明のフィルタは、上記多孔質セラミック部材からなるフィルタエレメントを具備することを特徴とする。このようなフィルタでは、耐熱性を向上できる多孔質セラミック部材をフィルタエレメントとして用いることにより、長期信頼性を向上できる。
本発明の多孔質セラミック部材では、結晶粒子間の非晶質材料からなる非晶質相の粒子近傍部および該粒子近傍部間の中間部にAl、Ti、MgおよびOを含有するとともに、非晶質相の中間部におけるAl量が粒子近傍部におけるAl量よりも少ないため、非晶質相の中間部における溶融温度を高め、耐熱性を向上できる。このような多孔質セラミック部材からなるフィルタエレメントをフィルタに用いることにより、長期信頼性を向上できる。
本発明の多孔質セラミック部材を用いたハニカム構造体(フィルタエレメント)を示す斜視図である。 (a)は本発明の多孔質セラミック部材の組織を示す説明図であり、(b)は非晶質相を説明するための説明図である。 結晶粒子および非晶質相におけるAl、Ti等の各元素の含有量を示すグラフである。
図1はフィルタエレメント1の一例を示すもので、外周壁2で囲まれた円柱状の多孔質セラミック部材の高さ方向に四角柱状のガス流路3が形成され、その間の隔壁4が多孔質とされている。図1には、四角柱状セルを基本構造とし、これが複数並んだハニカム構造体を示しているが、本発明のフィルタエレメント1は必ずしも4角柱状セルを基本構造とするものに限定されるものではない。例えばハニカム以外の形状であることも可能であるほか、ハニカム構造体であってもセル形状は3角形、6角形、菱形、あるいはこれらが混在する形態とすることも可能である。
また、ハニカムの開口方向の全部もしくは一部を塞ぎ、サンドイッチ構造にして耐衝撃性を持たせ、フィルタエレメントとして用いることも可能である。また、多孔質セラミック部材に触媒を含有させてフィルタエレメントを構成する場合もある。本発明のフィルタは、容器内に上記フィルタエレメントを収容して構成される。
本発明の多孔質セラミック部材は、Al、Ti、MgおよびOを含有するチタン酸アルミニウム型結晶(擬ブルッカイト型結晶ともいうことがある)の結晶粒子同士を、Siを含有する非晶質材料で接合してなるものである。チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子の平均粒径は25μm以上であることが望ましい。
Ti、Al、MgおよびOを含有するチタン酸アルミニウム型結晶には、モル比による組成式がAlTiOで表されるチタン酸アルミニウムと、MgTiで表されるチタン酸マグネシウムとが全率固溶したものが知られており、例えば、Al2(1−x)MgTi(1+x)(0.20≦x<0.5)で表されるチタン酸アルミニウムとチタン酸マグネシウムとの固溶体(別名:チタン酸アルミニウムマグネシウム)からなる結晶がある。本発明では、Al2(1−x)MgTi(1+x)(0.20≦x<0.5)で表される結晶粒子であることが望ましい。
そして、図2に示すように、チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子11同士は、Siを含有する非晶質材料からなる非晶質相13で接合されている。非晶質相13の中間部13a、および該中間部13a間の粒子近傍部13bには、Si、Al、Ti、MgおよびOを含有する。これらのAl、MgおよびTiは、結晶粒子11から拡散してきたものである。
本発明の多孔質セラミック部材では、Al量は非晶質相13の粒子近傍部13bよりも中間部13aの方が少ないことが重要である。非晶質相13の中間部13aにおけるAl量は3.5原子%以下であることが望ましい。このような多孔質セラミック部材では、非晶質相13の中間部13aにおけるAl量が3.5原子%以下と少ないため、非晶質相13の中間部13aにおける溶融温度を高め、耐熱性を向上できる。
Al、MgおよびTiのうち、Alの非晶質相13への拡散量が最も多いことが知られており、このAlの拡散量が3.5原子%以下と少ないため、MgおよびTiの非晶質相13への拡散量も少なくなり、非晶質相13の中間部13aにおける溶融温度を高め、耐熱性を向上できる。
特には、結晶粒子11同士を接合する非晶質相13の中間部13aにSiを33.0原子%以上含有し、かつ、Alが3.5原子%以下、Tiが2.0原子%以下、Mgが0.3原子%以下であることが望ましい。これにより、結晶粒子11からSiを含有する非晶質相13中に拡散する元素を所定量以下に抑えているために非晶質相13の溶融温度が高くなり、耐熱性を高くすることができる。
非晶質相13の中間部13aに存在するAl、Ti、Mgは少ない方が望ましいが、拡散により、Alは1.0原子%以上、Tiは0.3原子%以上、Mgは0.05原子%以上は存在する。本発明では、非晶質相13の中間部13aに存在するSi、Al、Ti、Mgは、特に、Siを35.0〜40.0原子%、Alを1.0〜3.5原子%、Tiを0.3〜2.0原子%、Mgを0.05〜0.3原子%含有することが、耐熱性という点から望ましい。
Siを含有する非晶質相13は主にSiOが主成分であり、その他に焼成時に結晶粒子11から拡散してきたAl、TiO、MgOが副成分として含まれる。このAl、TiO、MgOが増えるにつれて、非晶質相13の融点が低くなって変形し易くなり、耐熱性が低下するが、上記したように、非晶質相13の中間部13aにはAlが3.5原子%以下と少ないため、非晶質相13の耐熱性を高く維持できる。
本発明では、結晶粒子11表面から非晶質相に向けて0.1μmまでが粒子近傍部13bであり、その中間が非晶質相13の中間部13aと定義される。尚、結晶粒子11間の距離、言い換えれば、非晶質相13の厚みは、ばらつきはあるものの、2〜10μm程度である。
また、本発明の多孔質セラミック部材は、結晶粒子11内部にはAl、TiおよびMgがほぼ均一に存在するとともに、結晶粒子11内部にAlを20原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有することが望ましい。このような多孔質セラミック部材では、粒子内部にAlを20.0原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有せしめることにより、結晶粒子11中にチタン酸アルミニウムとチタン酸マグネシウムとの固溶体が多く含まれることとなり、チタン酸アルミニウムのみからなる結晶粒子11に比べて耐熱分解性を高めることができる。
本願発明において、結晶粒子11内部にはAl、TiおよびMgが均一に存在するとは、結晶粒子の表面から粒子内部に向かって0.1μmの位置と、表面から粒子内部に向かって1〜2μmの位置について測定した場合に、元素量として最も多いAl量が2原子%以下の範囲でばらつく場合も包含する意味である。
結晶粒子11内部には、耐熱性と耐分解性の両立という点から、Alを25.0原子%以下、Mgを5.0原子%以下含有することが望ましい。
また、非晶質相13の中間部13a、結晶粒子11内の元素量は、エネルギー分散型X線分光分析(EDS)により求めることができる。
また、本発明の多孔質セラミック部材は、Cu−kα線を用いたX線回折測定結果において、チタン酸アルミニウム型結晶のメインピークの半値幅が0.20°以下であることが望ましい。チタン酸アルミニウム型結晶のメインピークは、組成により2θ=25〜27°、または2θ=32〜34°に現れるが、メインピークの半値幅が0.20°以下であり、チタン酸アルミニウムの結晶化度が高いため、例えば、高い温度で仮焼してなるチタン酸アルミニウム型結晶粉末にSiOを添加し、仮焼温度よりも低い温度で焼成することにより、チタン酸アルミニウム型結晶粉末から非晶質相13へのAl、Ti、Mg等の拡散を抑制でき、非晶質相13の耐熱性を高め、多孔質セラミック部材の耐熱性をさらに向上できる。
チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子11は、平均粒径25μm以上であることが望ましい。このように大きな粒径を有するため、気孔率を大きくでき、平均気孔径を大きくできる。特には結晶粒子11の平均粒径は40μm以上が望ましい。また、平均粒径とともに、気孔率、平均気孔径が大きくなりすぎると、機械的強度が低下して構造セラミック部材に適用できないという観点から、平均粒径は100μm以下であることが望ましい。平均粒径は、インターセプト法により求めることができる。
また、本発明の多孔質セラミック部材では、SiをSiO換算で全量中0.5〜5質量%含有することが望ましい。SiをSiO換算で全量中0.5〜5質量%とすることにより、チタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子11同士を、Siを含有する非晶質材料で十分に連結でき、強度を向上できるとともに、Si量が少量であるため、気孔率および平均気孔径の低下を抑制できる。Si量は、強度および所定の気孔率および平均細孔径を得るという観点から、SiO換算で全量中1〜3質量%含有することが望ましい。Si量は、蛍光X線分析法やICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定することができる。
さらに、本発明の多孔質セラミック部材は、結晶粒子内にFeを含有することが好ましい。Feを含有するチタン酸アルミニウム型の結晶としてはチタン酸鉄があり、前記チタン酸アルミニウムやチタン酸マグネシウムとお互いに全率固溶体を形成する。例えば、組成式がAl2(1−x―y)MgFe2yTi(1+x)(0.20≦x<0.5、0<y<1)で表されるように、チタン酸アルミニウム、チタン酸マグネシウムおよびチタン酸鉄の3成分からなる固溶体からなる結晶がある。本発明の多孔質セラミック部材では、結晶がチタン酸アルミニウム−チタン酸マグネシウム−チタン酸鉄の3成分が固溶した擬ブルッカイト型の結晶を用いる場合、この結晶は熱化学的に安定した成分であることから、熱による結晶の分解を抑制し、耐熱分解性を向上できる。
さらにまた、本発明のフィルタは、上記多孔質セラミック部材からなるフィルタエレメントを具備することにより、耐熱性が高く、長期信頼性が高いフィルタとすることができる。
次に、本発明の多孔質セラミック部材の製法について説明する。
多孔質セラミック部材のうち、ここでは具体的に自動車などの排ガス浄化に用いられるハニカム構造体(フィルタエレメント)の製法の一例について説明する。
例えば、Al2(1−x)MgTi(1+x)で表される固溶体を形成するために必要な原料を準備する。尚、この固溶体にFeが固溶する場合もあるが、ここでは、Feが固溶しない場合について説明する。ここで、Al2(1−x)MgTi(1+x)で表される固溶体中のxは0.5より小さいことが耐熱性を高める上で好ましい。xが0.5以上では結晶粒子中のAl、Mgが非晶質材料中へ拡散しやすくなるためである。
次に、例えば、アルミナ原料、チタニア原料、炭酸マグネシウム原料を所定の組成となるように調合し、混合する。なお、上記組成式の固溶体を形成できるのであれば、金属酸化物、炭酸塩の原料の他に水酸化物、硝酸塩などの原料を用いても良く、またこれらの化合物を用いても良い。
アルミナ原料、チタニア原料、炭酸マグネシウム粉末としては、高純度のものを用いることが望ましく、99.0%以上、特に99.5%以上の純度のものを用いることが望ましい。
また、上記アルミナ原料、チタニア原料、炭酸マグネシウムの混合原料を造粒する。造粒は、乾式で混合して造粒したり、回転ミル、振動ミル、ビーズミル等のミルに投入し、水、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)のうち少なくともいずれか1種とともに湿式混合したスラリーを乾燥し、造粒することが望ましい。スラリーの乾燥方法としては、スラリーを容器に入れて加熱、乾燥させて、造粒してもよいし、スプレードライヤーで乾燥させて造粒しても良く、または他の方法で乾燥させて造粒しても何ら問題ない。造粒粉は、平均粒径50〜300μmの造粒粉を作製する。
この後、造粒粉を酸素含有雰囲気、例えば大気中で仮焼する。仮焼温度は、チタン酸アルミニウム型結晶を十分生成すべく、チタン酸アルミニウム型結晶が生成する温度(1200℃程度)よりも高い1500℃以上で1〜5時間仮焼する。仮焼温度は、特には、1510℃以上が望ましい。一方、仮焼粉末が強固に凝集するのを防ぐという観点から、仮焼温度は1550℃以下であることが望ましい。これにより、Al、Mg、Tiが固溶したチタン酸アルミニウム型の仮焼粉末を作製する。この仮焼により、ほぼ擬ブルッカイト型結晶100%の粉末を作製する。仮焼温度が高いため、仮焼粉末中にAl、TiおよびMgが均一に存在する。
仮焼粉末は、X線回折測定結果において、チタン酸アルミニウム型結晶のメインピークの半値幅が0.20°以下であることが望ましい。このような仮焼粉末を用いることにより、例えば、高い温度で仮焼してなるチタン酸アルミニウム型結晶粉末にSiOを添加し、仮焼温度よりも低い温度で焼成することにより、チタン酸アルミニウム型結晶粉末から非晶質相へのAl、Ti、Mg等の拡散を抑制でき、非晶質相の耐熱性を高め、多孔質セラミック部材の耐熱性をさらに向上できる。尚、仮焼温度よりも焼成温度が低いため、仮焼後の半値幅は、焼成後においても変化しない。
この仮焼粉末のメッシュパスを行い、25〜60μmの仮焼粉末を得る。尚、チタン酸アルミニウム型の仮焼粉末は、焼成温度が低いため、焼成によっても殆ど粒成長せず、仮焼粉末とほぼ同一粒径である。
そして、チタン酸アルミニウム型の仮焼粉末に対し、SiO粉末を添加し、混合する。混合方法は、乾式または湿式で行うこともできる。SiO粉末は、平均粒径1〜3μmの粉末を用いる。この範囲の粒径の粉末を用いることにより、SiO粉末を仮焼粉の表面に均一に分散させることができる。
この混合粉末に成形助剤を添加し、押出成形によりダイスを用いて例えばハニカム形状に成形する。得られた成形体を充分に乾燥した後、酸化雰囲気中において、仮焼温度よりも低い温度である1450℃未満で0.5〜5時間焼成することにより、造孔剤を用いることなく、ハニカム形状の多孔質セラミック部材を形成することができる。焼成温度は、特に、1350〜1440℃であることが望ましい。この焼成工程は、非晶質材料を溶融させ、結晶粒子同士を接合する工程であるとともに、Al、Mg、Si等の元素の相互拡散を一定の範囲で行う工程である。
すなわち、本発明者等は、1350〜1440℃で焼成することにより、例えば平均粒径30μmのチタン酸アルミニウム型の結晶粒子から、Al、Mg、Tiが非晶質相中に拡散しようとするが、仮焼温度が1500℃以上と高い温度で仮焼し、仮焼温度よりも低い温度で焼成するため、結晶粒子からAl、Mg、Tiが非晶質相中に拡散し難く、最も拡散し易いAlが、非晶質相の粒子近傍部よりも中間部のAl量が少なく、かつ非晶質相の中間部に3.5原子%以下含有した組織にできると考えている。
このような多孔質セラミック部材の製法では、焼成温度が、Al、TiおよびMgを含有するチタン酸アルミニウム型結晶の合成温度(1400℃以上)よりも低いため、Siを含有する非晶質材料で結晶粒子を接合できるとともに、1350〜1440℃で焼成することにより、Al、Mg、Ti、Si等の元素の相互拡散を抑制し、耐熱性を向上できる。また、Al、Mg、Ti、Si等の元素の相互拡散を抑制できるため、設計通りの結晶粒子を得ることができ、設計通りの耐熱分解性等を得ることができる。擬ブルッカイト型結晶を熱処理するような焼成であるため、結晶粒子に角はなく、全体的に丸い粒子形状となっている。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
用いたアルミナ原料は日本軽金属社製のLS110であり、平均粒径が1.5μm、アルカリ金属の不純物量が0.1質量%、シリコンの不純物量が0.1質量%である。また、用いたチタニア原料はテイカ社製のJA−3であり、平均粒径が0.2μm、アルカリ金属の不純物量が0.3質量%である。また、用いた炭酸マグネシウム原料はトクヤマ社製のTTであり、見掛比重が0.23g/ml、アルカリ金属およびシリカの不純物が含まれないものである。酸化鉄原料は、JFEケミカル製のJC−Wであり、平均粒径が1.0μmのものを用いた。
また、シリカ原料として、丸釜釜戸陶料社製のスノーマークSP−3であり、平均粒径が1.2μmを用いた。
先ず、Al1.2Mg0.2Fe0.4Ti1.2からなるチタン酸アルミニウム型の結晶粉末となるように、上記のアルミナ原料、チタニア原料、マグネシア原料、酸化鉄原料を調合し、溶媒にイソプロピルアルコール(IPA)を添加し、媒体に直径10mmのアルミナボールを用いて回転ミルで72時間混合してスラリーを作製した。このスラリーを110℃に加熱してIPAを揮発させて乾燥した後、メッシュパスした。
この造粒粉を、大気中において、1500℃で仮焼し、Al、Ti、MgおよびFeを含有するチタン酸アルミニウム型の結晶粉末を合成した。Cu−kα線を用いたチタン酸アルミニウム型結晶のメインピークは2θ=32〜34°に生じ、半値幅は、0.17°であった。
この結晶粉末100質量部に対して、シリカ粉末を2質量部添加して、万能混練機により混合し、原料粉末を得た。
この原料粉末に対してパラフィンワックスを添加、混合した後に乾燥して成形用粉末とした。次に、この成形用粉末を用いて、粉末加圧式成形法によって直径20mm×厚さ10mmの円板状成形体および直径10mm×高さ15mmの円柱状成形体を作製した。それぞれの成形体を大気中において1375℃で4時間焼成して、焼結体の評価用試料とした。尚、室温から焼結温度までの昇温速度は200℃/hとした。
得られた焼結体の平均粒径を、走査型顕微鏡写真(500倍)についてインターセプト法により求めたところ、55μmであった。また、焼結体の気孔率および平均気孔径を水銀圧入法により求めたところ、気孔率は40%、平均気孔径は10μmであった。
また、得られた焼結体を薄片にしてTEM(透過型電子顕微鏡)で結晶粒子および粒界の組織を観察した。その際にエネルギー分散型X線分光分析(EDS)により、非晶質相の中間部および粒子近傍部について組成分析を行い、Al、Ti、Mg、Fe、Si、Oの含有量を測定した。その結果、非晶質相の中間部ではAlは3.5原子%、Tiは1.0原子%、Mgは0.3原子%、Feは0.1原子%、Siは34原子%、Oは61原子%であった。
一方、非晶質相の粒子近傍部(粒子表面から0.1μmの位置)では、Alは15原子%、Tiは13原子%、Mgは3.5原子%、Feは4.5原子%、Siは15原子%、Oは49原子%であり、中間部におけるAl量は、粒子近傍部よりも少なかった。
また、結晶粒子の表面から結晶粒子内部に向かって0.1μmの位置と、表面から結晶粒子内部に向かって2.0μmの位置について、組成分析を行った結果、結晶粒子の表面から結晶粒子内部に向かって0.1μmの位置では、Alは22原子%、Tiは18原子%、Mgは3.2原子%、Feは5.2原子%、Siは0.6原子%、Oは51原子%であった。
一方、粒子表面から結晶粒子内部に向かって2.0μmの位置ではAlは21原子%、Tiは19原子%、Mgは3.2原子%、Feは6.2原子%、Siは0.6原子%、Oは50原子%であり、粒子内部にはAl、Ti、Mgがほぼ均一に存在しており、結晶粒子内部には、Alを20原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有していた。図3に、結晶粒子と非晶質相とにおける各元素の含有量を記載した。
各焼結体の耐熱性については、円柱状焼結体の各試料を大気中で熱処理して、円柱状焼結体が20%以上の変形を示す耐熱限界温度を評価した。
各焼結体の耐熱分解性については、さらに円板状焼結体の各試料を大気雰囲気の中で1100℃の温度で300時間、耐熱分解試験して耐熱分解性を評価した。このようにして準備した耐熱分解試験前後の試料をX線回折法によりピーク強度を測定して、回折角2θが25〜27°または32〜34°のいずれかに存在するチタン酸アルミニウム型結晶のメインピーク強度(IAMT)と、TiO相の回折角2θが36.1°のピーク強度(I)からピーク強度比のA=IAMT/(IAMT+I)をそれぞれ算出した。さらに耐熱分解試験前および耐熱分解試験後のピーク強度比をそれぞれA、Aとして、(1−A/A)の値を計算した。
次に、Al1.2Mg0.2Fe0.4Ti1.2からなるチタン酸アルミニウム型の結晶粉末とTiO粉末との量比を変えて混合し、(1−IAMT/I)の値を求めて作成した検量線と(1−A/A)の値を照らし合わせて熱分解率を求めた。
また熱膨張係数についてはJIS R1618に準拠して、昇温速度20℃/分の条件で円柱状焼結体の試料の20℃〜800℃の熱膨張係数を測定した。
その結果、耐熱限界温度は1600℃、熱分解率は1%、熱膨張係数は2.0×10−6/℃と良好な特性を示した。
Al0.8Mg0.3Fe0.6Ti1.3からなるチタン酸アルミニウム型の結晶粉末となるように、スラリーを作製し、造粒粉を作製した。
この造粒粉を、大気中において、1520℃で仮焼し、Al、Ti、MgおよびFeを含有するチタン酸アルミニウム型の結晶粉末を合成した。Cu−kα線を用いたチタン酸アルミニウム型結晶のメインピークは2θ=32〜34°に生じ、半値幅は、0.15°であった。
この結晶粉末100質量部に対して、シリカ粉末を3質量部添加して、万能混練機により混合し、原料粉末を得た。
この原料粉末に対してパラフィンワックスを添加、混合した後に乾燥して成形用粉末とした。次に、この成形用粉末を用いて、粉末加圧式成形法によって直径20mm×厚さ10mmの円板状成形体および直径10mm×高さ15mmの円柱状成形体を作製した。それぞれの成形体を大気中において1350℃で4時間焼成して、焼結体の評価用試料とした。尚、室温から焼結温度までの昇温速度は200℃/hとした。
実施例1と同様に、焼結体の平均粒径、気孔率および平均気孔径を求めたところ、平均粒径は58μm、気孔率は45%、平均気孔径は12μmであった。
また、非晶質相の中間部と粒子近傍部、結晶粒子の表面から結晶粒子内部に向かって0.1μmの位置と、表面から結晶粒子内部に向かって2.0μmの位置について、最も拡散し易いAl、またはAlとMgの含有量を測定した。その結果、非晶質相の中間部ではAlは2.2原子%、粒子近傍部ではAlは10原子%、結晶粒子の表面から内部へ0.1μmの位置ではAlは21原子%、Mgは4.5原子%であり、中間部におけるAl量は、粒子近傍部よりも少なかった。
また、結晶粒子の表面から内部へ2.0μmの位置ではAlは22原子%、Mgは4.3原子%であり、粒子内部にはAl、Mgがほぼ均一に存在しており、結晶粒子内部には、Alを20原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有していた。
また、耐熱限界温度は1580℃、熱分解率は1%、熱膨張係数は2.2×10−6/℃と良好な特性を示した。
Al0.8Mg0.4Fe0.4Ti1.4からなるチタン酸アルミニウム型の結晶粉末となるように、スラリーを作製し、造粒粉を作製した。
この造粒粉を、大気中において、1510℃で仮焼し、Al、Ti、MgおよびFeを含有するチタン酸アルミニウム型の結晶粉末を合成した。Cu−kα線を用いたチタン酸アルミニウム型結晶のメインピークは2θ=32〜34°に生じ、半値幅は、0.16°であった。
この結晶粉末100質量部に対して、シリカ粉末を2質量部添加して、万能混練機により混合し、原料粉末を得た。
この原料粉末に対してパラフィンワックスを添加、混合した後に乾燥して成形用粉末とした。次に、この成形用粉末を用いて、粉末加圧式成形法によって直径20mm×厚さ10mmの円板状成形体および直径10mm×高さ15mmの円柱状成形体を作製した。それぞれの成形体を大気中において1400℃で4時間焼成して、焼結体の評価用試料とした。尚、室温から焼結温度までの昇温速度は200℃/hとした。
実施例1と同様に、焼結体の平均粒径、気孔率および平均気孔径を求めたところ、平均粒径は50μm、気孔率は42%、平均気孔径は13μmであった。
また、非晶質相の中間部と粒子近傍部、結晶粒子の表面から内部へ0.1μmの位置と、表面から内部へ2.0μmの位置について、組成分析を行い、Al、Mgの含有量を測定した。その結果、非晶質の中間部ではAlは2.3原子%であり、粒子近傍部では0,10原子%であり、中間部におけるAl量は、粒子近傍部よりも少なかった。
また、結晶粒子の表面から内部へ0.1μmの位置では、Alは20原子%、Mgは4.9原子%であり、結晶粒子の表面から内部へ2.0μmの位置では、Alは21原子%、Mgは4.5原子%であり、粒子内部にはAl、Mgがほぼ均一に存在しており、結晶粒子内部には、Alを20原子%以上、Mgを2.5原子%以上含有していた。
また、耐熱限界温度は1560℃、熱分解率は1%、熱膨張係数は2.5×10−6/℃と良好な特性を示した。
比較例
仮焼温度を1450℃とし、Al1.2Mg0.2Fe0.4Ti1.2からなるチタン酸アルミニウム型の結晶粉末100質量部に対して、シリカ粉末を2.2質量部、マグネシア(MgO)粉末を1質量部添加し、焼成温度を1500℃とする以外は、上記実施例1と同様にして焼結体を作製した。得られた焼結体の平均粒径は35μmであり、焼結体の気孔率は20%、平均気孔径は7μmであった。
耐熱限界温度は1450℃、熱分解率は1%、熱膨張係数は2.8×10−6/℃であり、耐熱性が悪いことがわかる。本発明者等は、焼成温度が仮焼温度よりも高い1500℃と高温であるため、結晶粉末内のAl、Ti、Mgが非晶質材料中に拡散し、また添加したMgが非晶質材料中に拡散し、非晶質材料の耐熱温度が低下し、耐熱性が悪化したものと考えている。
1・・・フィルタエレメント
2・・・外周壁
3・・・セル
4・・・隔壁
11・・・結晶粒子
13・・・非晶質相
13a・・・非晶質相の中間部
13b・・・非晶質相の粒子近傍部

Claims (6)

  1. Al、Ti、MgおよびOを含有するチタン酸アルミニウム型結晶からなる結晶粒子同士を、Siを含有する非晶質材料からなる非晶質相で接合してなる多孔質セラミック部材であって、前記結晶粒子間の前記非晶質相の粒子近傍部および該粒子近傍部間の中間部にSi、Al、Ti、MgおよびOを含有するとともに、前記非晶質相の中間部におけるAl量が前記粒子近傍部におけるAl量よりも少ないことを特徴とする多孔質セラミック部材。
  2. 前記非晶質相の中間部におけるAl量が3.5原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミック部材。
  3. 前記結晶粒子の内部には、Al、TiおよびMgが均一に存在するとともに、Alを20原子%以上およびMgを2.5原子%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の多孔質セラミック部材。
  4. X線回折測定結果において、チタン酸アルミニウム型結晶のメインピークの半値幅が0.20°以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の多孔質セラミック部材。
  5. 前記結晶粒子の内部にFeを含有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の多孔質セラミック部材。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれかに記載の多孔質セラミック部材からなるフィルタエレメントを具備することを特徴とするフィルタ。
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