JP5313485B2 - コーディエライトセラミックス、及びコーディエライトセラミックスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コーディエライトセラミックス、及びコーディエライトセラミックスの製造方法に関する。
コーディエライトセラミックスは、高耐熱性、低熱膨張性、高耐熱衝撃性を有するため、自動車等の内燃機関から放出される排ガスを浄化するための触媒担体やフィルタ等として幅広く使用されている。このコーディエライトセラミックスの工業的な製造においては、天然原料、例えばカオリン、タルク、含アルミニウム酸化物、水和物等を用いることが多いが、これら原料中には不純物成分として、例えばチタン酸化物、鉄酸化物、アルカリ及びアルカリ土類金属酸化物等が含まれる。そして、これらの原料は、天然原料であるがゆえに、産地や採掘場所、時期等によって、含有成分量が異なる。
そして、セラミックスに不純物が混入すると、そのセラミックス製品が変色することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平6−172016号公報
コーディエライトセラミックスの色調も、これら不純物成分を中心とした原料の組成変動により変わることがある。特に原料中に含まれるチタン酸化物及び鉄酸化物等の量、割合によって、コーディエライトセラミックスが薄黄色から赤褐色に変わる。さらに斑点状に着色する場合があり、外観上不均質となる。
本発明の課題は、色調が変化したり斑点等が生じたりして外観上不均質となることが防止されたコーディエライトセラミックス、及びコーディエライトセラミックスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために着色要因を解析し鋭意検討した結果、酸化鉄−酸化チタンの状態、量、割合がコーディエライトセラミックスの発色に強く影響することを見い出した。特に、酸化鉄が固溶した酸化チタン成分は、赤褐色を発し、斑点の原因になりやすいと考えられる。そこで、斑点抑制方法を検討した結果、ジルコニウム成分又はハフニウム成分を添加することにより、斑点の主成分と考えられる酸化チタン成分の生成を抑制又は減量し、斑点発生を抑制できることが分かった。そして、上記課題を解決するために本発明によれば、以下のコーディエライトセラミックス、及びコーディエライトセラミックスの製造方法が提供される。
[1]ジルコニウム酸化物及びハフニウム酸化物の少なくとも一方と、チタン酸化物を含み、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びチタン(Ti)をそれぞれ二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、及び二酸化チタン(TiO)で換算したときに、そのモル比((ZrO+HfO)/TiO)の範囲が0.1〜5であり、前記ジルコニウム酸化物及び前記チタン酸化物がチタン酸ジルコニウム(ZrTiO)、又は前記ハフニウム酸化物及び前記チタン酸化物がチタン酸ハフニウム(HfTiO)として含有され、X線回折(CuKα線)によって測定されるピークプロファイルにおいて、回折角2θ=30〜31°に観察されるZrTiO 及び/又はHfTiO に帰属されるピークの高さ強度が、回折角2θ=27.2〜27.6°に観察されるTiO に帰属されるピークの高さ強度よりも高い、コーディエライトを90質量%以上含むコーディエライトセラミックス。
[2]前記ジルコニウム酸化物及び前記ハフニウム酸化物の含有量が、ジルコニウムを二酸化ジルコニウム(ZrO)、及びハフニウムを二酸化ハフニウム(HfO)で換算したときに合計で0.01〜10質量%である前記[1]に記載のコーディエライトセラミックス。
]ハニカム構造を有する前記[1]又は[2]に記載のコーディエライトセラミックス。
ジルコニウム成分又はハフニウム成分が添加されたコーディエライトセラミックスは、酸化チタン成分が主としてチタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムとしてトラップされ、酸化鉄が固溶した酸化チタン成分の生成が抑制又は減量され、斑点発生が抑制される。これにより、外観上の不均質も防止される。またチタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムの熱膨張係数は、酸化チタンに比べて小さい。例えば20℃〜500℃における熱膨張係数は、酸化チタン8.3ppm/℃程度に対し、チタン酸ジルコニウムでは7.5ppm/℃程度、チタン酸ハフニウムでは4.1ppm/℃程度である。そのため、酸化チタンの生成を抑制し、チタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムを生成させることでコーディエライトセラミックスの熱膨張係数を小さくする効果も得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の実施の形態であるコーディエライトセラミックスは、ジルコニウム酸化物又はハフニウム酸化物の少なくともいずれかを含有し、またチタン酸化物を含有する。そして具体的には、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びチタン(Ti)をそれぞれ二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、及び二酸化チタン(TiO)で換算したときに、(二酸化ジルコニウム(ZrO)+二酸化ハフニウム(HfO))/二酸化チタン(TiO))のモル比で0.1〜5であるように含有されているように構成されるとよい。さらに、ジルコニウム酸化物及びハフニウム酸化物の含有量が、ジルコニウムを二酸化ジルコニウム(ZrO)、及びハフニウムを二酸化ハフニウム(HfO)で換算したときに、合計で0.01〜10質量%であるように構成されるとよい。また、このような様態のコーディエライトセラミックスでは、主としてチタン酸ジルコニウム(ZrTiO)又はチタン酸ハフニウム(HfTiO)が含有される。そして、本発明のコーディエライトセラミックスは、X線回折(CuKα線)によって測定されるピークプロファイルにおいて、回折角2θ=30〜31°に観察されるZrTiO及び/又はHfTiOに帰属されるピークの高さ強度が、回折角2θ=27.2〜27.6°に観察されるTiOに帰属されるピークの高さ強度よりも高い。つまり、斑点発生の原因となるTiOが減少している。また、ここで言うコーディエライトセラミックスは不純物が少ないことが望ましいが、一般には数質量%の異相成分を含むことが多い。従って、ここで言うコーディエライトセラミックスは主相として90質量%以上のコーディエライトを含むものである。ここで、Zr量、Hf量、Ti量のZrO量、HfO量、TiO量への換算は、コーディエライトセラミックス中に含まれるZr量、Hf量、Ti量の化学分析値より、ZrO、HfO、TiOの質量として算出する。また実施例及び比較例中では「ZrO換算含有量(単位:質量%)」、「HfO換算含有量(単位:質量%)」、「TiO換算含有量(単位:質量%)」と表記した。
そして、上記コーディエライトセラミックスによって形成された、図1に示すようなハニカム構造体1を本発明のハニカム構造体の一実施の形態として挙げることができる。ただし、ハニカム構造体の全体形状やセル形状等についてはこれに限定されるものではない。全体形状についていえば、図1に示すような円筒状の他、四角柱状、三角柱状等の形状を挙げることができる。また、セル形状(流体の流路方向に垂直な断面におけるセル2の形状)は、図1に示すような四角形の他、六角形、三角形、円形等の形状とすることもできる。なお、本実施の形態のハニカム構造体1は、例えば、多孔質の隔壁表面や気孔中に触媒を担持させて触媒担体として用いることができる。また、複数のセルの一方の開口部と、他方の開口部とを互い違いに目封止して、フィルタとして用いることもできる。
そして本実施の形態のハニカム構造体1を触媒担体として用いる場合には、通常セル密度は一平方インチ当たり6〜1500セル(一平方センチメートル当たり0.9〜233セル)、隔壁厚さは50〜2000μmとして形成するとよい。また、流体の流路方向の長さ(ハニカム構造体の全長)は、通常は60〜300mmとし、好ましくは、100〜250mmとする。
上記のようなコーディエライトセラミックスは、ジルコニウム成分又はハフニウム成分が添加されていることにより、酸化チタン成分が主としてチタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムとしてトラップされ、酸化鉄が固溶した酸化チタン成分の生成が抑制又は減量され、赤褐色の発生、斑点発生が抑制される。すなわち、外観上不均質となることが防止される。そして、このようなコーディエライトセラミックスによって構成されたハニカム構造体1も、同様に、赤褐色の発生や斑点の発生が抑制され、外観上不均質となることが防止される。また、チタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムの熱膨張係数は、酸化チタンに比べて小さいため、酸化チタンの生成を抑制しチタン酸ジルコニウム又はチタン酸ハフニウムを生成させることでコーディエライトセラミックスの熱膨張係数を小さくする効果も得られる。
次に、本発明のコーディエライトセラミックス及びハニカム構造体1の製造方法について説明する。先ず、カオリン、タルク、アルミナ、シリカ粉末等を混合し、コーディエライト化原料を得る。本発明のコーディエライトセラミックス(実施例に示す形態)は、さらにジルコニウム含有成分又はハフニウム含有成分を添加した原料を使用する。なお、ここでコーディエライト化原料としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素以外に焼成によりそれら成分からなる酸化物を生成するものであれば種類を問わない。例えば、前述のカオリン(Al・2SiO・2HO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アルミナ以外にマグネサイト(MgCO)、ムライト(3Al・2SiO)、石英をはじめとする酸化ケイ素(SiO)、水酸化アルミニウム、活性アルミナ、ベーマイト等を用いることができる。
ジルコニウム含有成分としては、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム成分を含む酸化物、ケイ酸ジルコニウム又は焼成により酸化ジルコニウムを含有する成分に変換される物質を用いることができる。また、ハフニウム含有成分としては、酸化ハフニウム、酸化ハフニウム成分を含む酸化物、又は焼成により酸化ハフニウムを含有する成分に変換される物質を用いることができる。添加する各含有成分の平均粒径は5μm以下であることが望ましく、高分散させるためには3μm以下であることが更に望ましい。
より具体的には、コーディエライトセラミックスを製造する工程において、コーディエライト原料の構成成分を各成分の金属酸化物と考えた場合に、不純物として含有するTi成分の酸化物換算含有量(TiO,mol)に対し、Zr成分及び/またはHf成分を酸化物換算含有量(ZrO、HfO,mol)で、モル比(ZrO+HfO)/TiOが0.1〜5となるよう原料の組成を調整することが望ましく、モル比が0.1〜2であることが更に望ましい。また、含有されるZr成分及び/又はHf成分の酸化物換算添加量が、コーディエライト原料の金属酸化物成分量に対し、0.01〜10質量%であることが望ましく、0.1〜5質量%であることが更に望ましい。含有されるZr成分、Hf成分が多過ぎると、コーディエライト組成からのずれをもたらす。
加える分散媒としては、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができるが、特に水を好適に用いることができる。また、コーディエライト化原料と分散媒とを混合・混練する際には、有機バインダ、分散剤等の添加物をさらに加えてもよい。混合・混練は公知の技術を用いることができる。
得られた坏土を、例えば押出成形法等の成形方法によって成形することにより、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカム成形体を得ることができる。そして、得られたハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を得る。乾燥の方法も従来の公知の乾燥法を用いることができるが、なかでも、迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
得られたハニカム乾燥体を焼成し、コーディエライトハニカム構造体を得る。焼成条件(温度・時間)は、ハニカム成形体を構成するそれぞれの原料粒子の種類により異なるため、これらの種類に応じて適当に設定すればよい。例えば、1400〜1440℃の温度で、3〜10時間焼成することが一般的である。焼成条件(温度・時間)が上記範囲未満であると、コーディエライトの生成が不十分となる傾向にある。一方、上記範囲を超えると、生成したコーディエライトが溶融する傾向にある。
以上のようにして製造された、ジルコニウム酸化物及びハフニウム酸化物の少なくとも一方と、チタン酸化物を含み、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びチタン(Ti)を、それぞれ二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、及び二酸化チタン(TiO)で換算したときに、そのモル比((ZrO+HfO)/TiO)の範囲が0.1〜5、望ましくは、0.1〜2であるコーディエライトセラミックス、及びそれによって形成されたハニカム構造体は、赤褐色の発生や斑点の発生が抑制され、外観上不均質となることが防止される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
コーディエライト原料として、天然カオリン粉末(TiO含有量1.4〜2.3質量%)、天然タルク粉末(Fe含有量1.9質量%)、アルミナ粉末(純度99質量%以上)、シリカ粉末(純度99.5質量%以上)を使用し、焼成後の組成がコーディエライト組成(2MgO・2Al・5SiO)となるよう秤量した。ただし、秤量においては各原料中の不純物含有量は考慮に入れていない。前述の公知の手法を用いて、原料粉末に分散媒を加え混合・混練し、円筒状の坏土を得た。次いでこの坏土を押出成形機に投入して成形することによりハニカム成形体を得た。得られたハニカム成形体を乾燥した後、1440℃で5時間焼成することにより、円筒状のコーディエライトハニカムを得た。ハニカムの寸法は、概ね直径70mmφ×全長100mmであり、隔壁厚は200〜250μm、セル密度は一平方インチ当たり400セルであった。
(比較例1)
前述の手法で作製したコーディエライトハニカムの概観写真を図3に示す。写真では黒く表されているが目視で確認できる赤色の斑点部が多数認められた。斑点部は概ね0.5〜2mm大であり、一平方センチメートル辺りに換算して10ヶ以上あった。この材料の化学分析を蛍光X線分析装置を用いて行ったところ、TiO換算含有量が0.77質量%、ZrO、HfO換算含有量とも検出限界以下(0.01質量%以下)であった。ZrO、HfO、TiO換算含有量のモル比((ZrO+HfO)/TiO)は0.01以下であった。なお、表1には、原料中のTiO含有量を記した。
(実施例1)
一方、比較例1のコーディエライト組成(不純物含有量を考慮に入れず)を100%としたとき、それに対して0.3質量%のZrO粉末(純度99.9質量%、平均粒径1μm)を原料に添加し、比較例1と同様な手法により、コーディエライトハニカムを作製した。得られたハニカムの概観写真を図2に示す。実施例1の材料では、比較例1で現れた赤色の斑点部は認められず、均質な色調を呈していた。化学分析の結果、焼成体のTiO換算含有量は0.76質量%、ZrO換算含有量は0.27質量%であり、HfO換算含有量は検出限界以下(0.01質量%以下)であった。ZrO/TiOのモル比は0.23であった。なお、表1には、原料中のTiO含有量及び、(ZrO+HfO)/TiOモル比を記した。
(評価)
比較例1、実施例1で作製したコーディエライトハニカムの一部を粉砕し、材料中に含まれる結晶相を(株)理学電機製の回転対陰極型X線回折装置(測定条件:CuKα線、50kV、300mA、2θ=5〜70°)を用いて測定した。結果、両者とも主相はコーディエライトであることを確認した。また、異相成分にかかるピークプロファイル(2θ=27〜31°)を図4〜図5に示す。図の○は、ZrTiO、△は、コーディエライト、×は、TiOに帰属するピークである。
比較例1の材料(図5)ではTiOに帰属するピークが明確に認められたのに対し、実施例1の材料(図4)ではTiOピークは殆ど認められず、代わりにZrTiOの生成が認められた。すなわち、実施例1の材料では、赤色斑点の要因と考えられるTiOの生成がZrOの添加により抑制され、ZrTiOとしてトラップされていることが示されている。
同様に実施例2〜13、比較例2を製作し、その特性を調べた結果を表1に示す。
(比較例2、実施例2)
比較例2及び実施例2は、実施例1と同様にコーディエライトハニカムを作製し、色調、含有成分量、結晶相を評価した結果である。比較例2はTiO換算含有量に対しZrO換算含有量が少ない場合であり、比較例1に対し色調が改善されたがまだ薄い赤色斑点が認められており、焼成体のZrO/TiOモル比は0.07であった。また、X線回折測定においてTiOピークが認められ、ZrTiOピークは殆ど認められなかった。それに対し、実施例2はZrO換算含有量が多い場合であり、色調は改善され、モル比は0.12であった。X線回折測定においてTiOピークが極僅かに認められ、ZrTiOの生成が認められた。すなわち、実施例2の材料では、赤色斑点の要因と考えられるTiOの生成がZrOの添加により抑制され、殆どのTiO成分はZrTiOとしてトラップされていることが示された。
(実施例3〜13)
実施例3〜13は、実施例1と同様にコーディエライトハニカムを作製し、色調、含有成分量、結晶相を評価した結果である。なお、実施例10は、実施例1のZrOの代わりにZrSiO(ケイ酸ジルコニウム:純度99質量%以上、平均粒径5μm)を添加したものであり、実施例11及び12は、実施例1のZrOの代わりにHfO(純度99.9質量%以上、平均粒径3μm)を添加したものである。実施例3〜9のZrO添加材料では、いずれの材料においても実施例1と同様の色調改善効果とTiOの生成を抑制、又は減量する効果ならびにZrTiOを生成する効果が得られた。X線回折測定においては、比較例2よりもZrO/TiOモル比が大きくなるに従い、TiOピークが減少・消滅し、ZrTiOピークの生成・増大が認められた。すなわち、赤色斑点の要因と考えられるTiO成分がZrTiOとしてトラップされる効果が認められた。実施例10のZrSiO添加材料では、焼成体のZrO/TiOモル比は0.51であり、実施例1と同様のTiOの生成抑制とZrTiOの生成が認められた。実施例11、12では、焼成体のHfO/TiOモル比はそれぞれ0.45、0.68であり、実施例1と同様に赤色斑点を抑制することが認められた。X線回折測定においては、TiOピークの抑制とHfTiOピークの生成が認められ、ZrO添加材料と同様な効果を得た。また、コーディエライト中のTiO換算含有量が増加した場合、ZrO又はHfO換算含有量を増加させるよう原料組成を調整することにより、色調改善効果を得た。一方、ZrO/TiOモル比が大きい場合、TiOと反応しないZrO成分が増えることになり、この余剰なZrOはコーディエライトの原料成分であるSiOなどと反応し、ZrSiOを生成するなどし、コーディエライト組成からのずれをもたらすため、望ましいZrO/TiOモル比は、0.1〜5、更に望ましくは、0.1〜2であった。
本発明は、自動車等の内燃機関から放出される排ガスを浄化するフィルタや触媒の担体等に使用するハニカム構造体として好適に使用することができるものである。
本発明のコーディエライトセラミックスによって形成されたハニカム構造体の一実施例である。 実施例1のハニカム構造体の概観写真である。 比較例1のハニカム構造体の概観写真である。 実施例1のXRDチャートを示す図である。 比較例1のXRDチャートを示す図である。
符号の説明
1:ハニカム構造体、2:セル。

Claims (3)

  1. ジルコニウム酸化物及びハフニウム酸化物の少なくとも一方と、チタン酸化物を含み、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、及びチタン(Ti)をそれぞれ二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ハフニウム(HfO)、及び二酸化チタン(TiO)で換算したときに、そのモル比((ZrO+HfO)/TiO)の範囲が0.1〜5であり、
    前記ジルコニウム酸化物及び前記チタン酸化物がチタン酸ジルコニウム(ZrTiO)、又は前記ハフニウム酸化物及び前記チタン酸化物がチタン酸ハフニウム(HfTiO)として含有され、
    X線回折(CuKα線)によって測定されるピークプロファイルにおいて、回折角2θ=30〜31°に観察されるZrTiO 及び/又はHfTiO に帰属されるピークの高さ強度が、回折角2θ=27.2〜27.6°に観察されるTiO に帰属されるピークの高さ強度よりも高い、コーディエライトを90質量%以上含むコーディエライトセラミックス。
  2. 前記ジルコニウム酸化物及び前記ハフニウム酸化物の含有量が、ジルコニウムを二酸化ジルコニウム(ZrO)、及びハフニウムを二酸化ハフニウム(HfO)で換算したときに合計で0.01〜10質量%である請求項1に記載のコーディエライトセラミックス。
  3. ハニカム構造を有する請求項1又は2に記載のコーディエライトセラミックス。
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