JPH0761862A - アルミニウムチタネート焼結体およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウムチタネート焼結体およびその製造方法

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JPH0761862A
JPH0761862A JP5206652A JP20665293A JPH0761862A JP H0761862 A JPH0761862 A JP H0761862A JP 5206652 A JP5206652 A JP 5206652A JP 20665293 A JP20665293 A JP 20665293A JP H0761862 A JPH0761862 A JP H0761862A
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JP
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powder
amount
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less
tio
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JP5206652A
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Kaoru Fukuda
薫 福田
Takashi Honda
崇 本多
Toshiharu Kinoshita
寿治 木下
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Honda Motor Co Ltd
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期に亘って耐熱強度、耐熱衝撃性および低
熱膨脹係数を保持することのできるシリンダヘッド用ア
ルミニウムチタネート焼結体製ライナを提供する。 【構成】 原料粉末として、TiO2 粉末およびAl2
3 粉末よりなる混合粉末に、Nb2 5 粉末と、Si
2 粉末と、MgO粉末、Fe2 3 粉末およびCeO
2 粉末の三種から選択される少なくとも一種の粉末とを
添加したものを用いる。TiO2 をAモルとし、Al2
3 をBモルとしたとき、モル比A/Bは0.6≦A/
B≦1.4に設定される。各粉末の添加量において、N
2 5 粉末は1〜6重量%に、SiO2 粉末は2.2
〜4.5重量%に、MgO粉末は0.2〜3.9重量%
に、Fe2 3 粉末は0.1〜3.9重量%に、CeO
2 粉末は0.4〜5.7重量%にそれぞれ設定される。
ライナ9における結晶粒の粒径は5μm以下に設定さ
れ、また結晶粒は不規則に配列している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウムチタネート
焼結体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばエンジン用耐熱性部品をセ
ラミック焼結体より構成することが行われており、この
種セラミック材料としては、耐熱強度、耐熱衝撃性およ
び低熱膨脹係数を有するアルミニウムチタネートが用い
られている(例えば、特開昭63−236759号公報
参照)。
【0003】しかしながら、このアルミニウムチタネー
ト焼結体は、高温下におけるアルミニウムチタネートの
熱分解量が多く、また結晶粒が比較的大きいため、経時
的に耐熱強度および耐熱衝撃性が低下し、また熱膨脹係
数が高くなる、といった問題があった。
【0004】そこで、アルミニウムチタネート成分にN
2 5 およびSiO2 を添加して、熱安定性を改善す
るようにしたアルミニウムチタネート焼結体が提案され
ている(特開平2−248362号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウムチタネー
トの熱分解量は900℃前後において著しくなるが、前
記改善処理を施されたアルミニウムチタネート焼結体は
前記温度下における熱安定性が未だ十分に改善されてい
ないため、その温度下で急激な熱膨脹係数の上昇を生じ
てクラックが発生し易い等の問題のあることが判明し
た。
【0006】本発明は前記に鑑み、アルミニウムチタネ
ート成分および添加成分を特定することにより、長期に
亘って耐熱強度、耐熱衝撃性および低熱膨脹係数を保持
することのできるアルミニウムチタネート焼結体および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、TiO2 をA
モルとし、Al2 3 をBモルとしたとき、モル比A/
Bを0.6≦A/B≦1.4に設定された混合粉末に、
1重量%以上、6重量%以下のNb2 5 粉末と、2.
2重量%以上、4.5重量%以下のSiO2 粉末と、
0.2重量%以上、3.9重量%以下のMgO粉末、
0.1重量%以上、3.9重量%以下のFe2 3 粉末
および0.4重量%以上、5.7重量%以下のCeO2
粉末の三種から選択される少なくとも一種の粉末とを添
加してなる原料粉末を用いて、成形工程、それに次ぐ焼
結工程を経て得られたアルミニウムチタネート焼結体で
あって、粒径5μm以下の結晶粒が不規則に配列してい
ることを特徴とする。
【0008】本発明は、原料粉末を用いて、成形工程、
それに次ぐ焼結工程を経てアルミニウムチタネート焼結
体を製造するに当り、TiO2 をAモルとし、Al2
3 をBモルとしたとき、モル比A/Bを0.6≦A/B
≦1.4に設定された混合粉末に、1重量%以上、6重
量%以下のNb2 5 粉末と、2.2重量%以上、4.
5重量%以下のSiO2 粉末と、0.2重量%以上、
3.9重量%以下のMgO粉末、0.1重量%以上、
3.9重量%以下のFe2 3 粉末および0.4重量%
以上、5.7重量%以下のCeO2 粉末の三種から選択
される少なくとも一種の粉末とを添加してなる原料粉末
を用いることを特徴とする。
【0009】
【実施例】図1,図2において、エンジン用シリンダヘ
ッド1は、1個の入口2および2個の出口3を有する二
股管形吸気通路4と、2個の入口5および1個の出口6
を有する二股管形排気通路7とを備え、アルミニウム合
金製シリンダヘッド本体8と、そのシリンダヘッド本体
8に鋳ぐるまれて排気通路7を形成する二股管形ライナ
9とより構成される。
【0010】ライナ9は、本発明に係るアルミニウムチ
タネート(以下、Al2 TiO5 と称す)焼結体であ
り、図3,図4に明示するように中空筒状ライナ本体1
0およびそのライナ本体10から分岐する一対の筒体1
1よりなる。
【0011】ライナ9の製造に当っては、原料粉末調製
工程、成形工程および焼結工程が順次実施される。
【0012】原料粉末調製工程では、TiO2 粉末とA
2 3 粉末とをボールミルにより約4時間混合してス
ラリ状物を得る、スラリ状物を乾燥する、乾燥物を粉砕
して混合粉末を得る、混合粉末に添加粉末を加えてボー
ルミルにより約4時間混合して原料粉末を得ると同時に
スラリ状にする、といった作業が行われる。
【0013】混合粉末において、TiO2 粉末とAl2
3 粉末との配合割合は、TiO2をAモルとし、Al
2 3 をBモルとしたとき、モル比A/Bが0.6≦A
/B≦1.4となるように設定される。
【0014】添加粉末としては、1重量%以上、6重量
%以下のNb2 5 粉末と、2.2重量%以上、4.5
重量%以下のSiO2 粉末と、その他の粉末とを併用す
る。その他の粉末としては、0.2重量%以上、3.9
重量%以下のMgO粉末、0.1重量%以上、3.9重
量%以下のFe2 3 粉末および0.4重量%以上、
5.7重量%以下のCeO2 粉末の三種から選択される
少なくとも一種の粉末が該当する。
【0015】添加粉末において、Nb2 5 は、Al2
TiO5 の熱分解を抑制して、ライナ9の耐熱強度およ
び耐熱衝撃性を向上させ、また熱膨脹係数を低く保持す
る機能を有する。SiO2 は、結晶粒界にガラス層を生
成してAl2 TiO5 の熱分解を抑制すると共に結晶粒
相互間の結合力を増す機能を有するが、その熱分解抑制
作用は小さい。Fe2 3 およびMgOはAl2 TiO
5 の結晶に固溶して、その熱分解を抑制する機能を有す
る。CeO2 は前記同様にAl2 TiO5 の熱分解を抑
制する機能を有するが、その添加目的は、主としてNb
2 5 の機能を促進させることにある。
【0016】成形工程では、スリップキャスティングが
適用され、また焼結温度は1300〜1500℃に設定
される。
【0017】図5〜図7は、TiO2 とAl2 3 のモ
ル比A/Bを決定するために、ライナ9に施された各種
テスト結果を示す。この場合、添加粉末としては2.5
重量%のNb2 5 粉末および3.3重量%のSiO2
粉末が用いられ、また焼結温度は1450℃に設定され
た。なお、MgO、Fe2 3 およびCeO2 は、モル
比A/Bの決定に当り殆ど影響を与えないので、それら
は添加粉末から除かれている。
【0018】図5は、モル比A/Bと破断歪との関係を
示し、ライナ9の破断歪が3を下回る、といったように
低くなると、シリンダヘッド本体8によるライナ9の鋳
ぐるみ性が悪化する。
【0019】図6は、モル比A/Bと圧縮強さとの関係
を、また図7は、モル比A/Bと抗折強度との関係をそ
れぞれ示し、ライナ9の圧縮強さが15kg/mm2 を下回
り、また抗折強度が1kg/mm2 を下回ると、シリンダヘ
ッド本体8からライナ9が剥離する。
【0020】これらのテスト結果において、図5の破断
歪よりモル比A/Bの下限値がA/B=0.6に決めら
れ、また図6,図7の圧縮強さおよび抗折強度よりモル
比A/Bの上限値がA/B=1.4に決められる。モル
比A/Bを0.6≦A/B≦1.4に設定されたライナ
9において、結晶粒の粒径は2〜5μmであり、また結
晶粒は不規則に配列していることが観察され、さらにA
2 TiO5 の体積分率Vfは85%であった。
【0021】図8,図9は、Nb2 5 粉末の添加量を
決定するためにライナ9に施された二種のテスト結果を
示す。この場合、TiO2 とAl2 3 とのモル比はA
/B=1(ただし、AおよびBは1)に、また焼結温度
は1450℃に、SiO2 粉末の添加量は3.3重量%
にそれぞれ設定された。なお、MgO、Fe2 3 およ
びCeO2 は、Nb2 5 粉末の添加量の決定に当り殆
ど影響を与えないので、それらは添加粉末から除かれて
いる。
【0022】図8は、Nb2 5 粉末の添加量と抗折強
度との関係を示し、ライナ9の抗折強度が1kg/mm2
下回ると、シリンダヘッド本体8からライナ9が剥離す
る。
【0023】図9は、Nb2 5 粉末の添加量と破断歪
との関係を示し、破断歪が3を下回ると、シリンダヘッ
ド本体8によるライナ9の鋳ぐるみ性が悪化する。
【0024】これらのテスト結果において、図8の抗折
強度よりNb2 5 粉末の添加量の下限値は1重量%と
決められ、また図9の破断歪よりNb2 5 粉末の添加
量の上限値は6重量%と決められる。図9より、Nb2
5 粉末の添加量は、好ましくは5重量%以下である。
Nb2 5 粉末の添加量を1重量%以上、6重量%以下
に設定されたライナ9における結晶粒の粒径は2〜5μ
mであり、また結晶粒は不規則に配列していることが観
察され、さらにAl2 TiO5 の体積分率Vfは85%
であった。
【0025】図10は、結晶粒の粒径を決定するために
ライナ9に施された抗折テスト結果を示す。この場合、
TiO2 とAl2 3 とのモル比はA/B=1(ただ
し、AおよびBは1)に、Nb2 5 粉末の添加量は
2.5重量%に、SiO2 粉末の添加量は3.3重量%
に、焼結温度は1450℃にそれぞれ設定された。な
お、MgO、Fe2 3 およびCeO2 は、結晶粒の粒
径の決定に当り殆ど影響を与えないので、それらは添加
粉末から除かれている。
【0026】図10より、ライナ9の抗折強度を1kg/
mm2 以上にするためには、結晶粒の粒径を5μm以下に
する必要のあることが判る。この場合、ライナ9におけ
る結晶粒は不規則に配列していることが観察され、また
Al2 TiO5 の体積分率Vfは85%であった。
【0027】このように結晶粒の粒径を5μm以下に設
定し、またその結晶粒を特定の配向方向を持たせずに不
規則に配列させると各結晶の持つ熱膨脹の異方性が見掛
上平均化され、これによりライナ9の耐熱衝撃性を向上
させることができる。
【0028】図11は、焼結温度と結晶粒の粒径との関
係を示す。この場合、TiO2 とAl2 3 とのモル比
はA/B=1(ただし、AおよびBは1)に、Nb2
5 粉末の添加量は2.5重量%に、SiO2 粉末の添加
量は3.3重量%にそれぞれ設定された。なお、Mg
O、Fe2 3 およびCeO2 は、焼結温度と結晶粒の
粒径との関係について殆ど影響を与えないので、それら
は添加粉末から除かれている。
【0029】図11より、結晶粒の粒径を5μm以下に
するためには、焼結温度を約1470℃以下にする必要
のあることが判る。
【0030】図12,図13は、Al2 TiO5 の体積
分率Vfを決定するためにライナ9に施された二種のテ
スト結果を示す。
【0031】図12は、焼結温度とAl2 TiO5 の体
積分率Vfとの関係を示す。この場合、TiO2 とAl
2 3 とのモル比はA/B=1(ただし、AおよびBは
1)に、Nb2 5 粉末の添加量は2.5重量%に、S
iO2 粉末の添加量は3.3重量%にそれぞれ設定され
た。なお、MgO、Fe2 3 およびCeO2 は、焼結
温度とAl2 TiO5 の体積分率Vfとの関係について
殆ど影響を与えないので、それらは添加粉末から除かれ
ている。図12より、焼結温度の上昇に伴いAl2 Ti
5 の体積分率Vfが増加することが判る。
【0032】図13は、Al2 TiO5 の体積分率Vf
とAl2 TiO5 の熱分解量との関係を示す。このテス
トは、ライナ9から切出されたテストピースを900℃
にて200時間加熱することによって行われた。
【0033】このライナ9の場合、900℃、200時
間におけるAl2 TiO5 の熱分解量が10%を超える
と、急激な熱膨脹係数の上昇を生じて耐熱衝撃性が著し
く低下し、これによりクラックが発生するので、長期に
亘る耐熱強度、耐熱衝撃性および低熱膨脹係数保持の観
点から、前記テストにおけるAl2 TiO5 の熱分解量
は10%以下であることが好ましく、そのためにはライ
ナ9における生成Al 2 TiO5 の体積分率Vfを75
%以上に設定する必要がある。したがって、TiO2
Al2 3 −Nb2 5 −SiO2 系ライナ9において
は、図12より焼結温度を約1425℃以上に設定しな
ければならないが、その上限値は図11の粒径との関係
より制限され、したがってこの系のライナ9を得るため
の好ましい焼結温度は1425℃以上、1470℃以下
である、と言える。
【0034】次に、MgO、Fe2 3 およびCeO2
粉末の添加量について述べる。
【0035】MgO、Fe2 3 およびCeO2 粉末の
各添加量は、各粉末とSiO2 粉末とを併用して得られ
たライナ9を1100℃で5時間加熱したときにAl2
TiO5 の熱分解量が40%以下となるように設定され
た。このように熱分解量を特定する理由は、各粉末とS
iO2 粉末との併用によって、この程度熱分解量を抑制
することができれば、これら粉末とNb2 5 粉末との
併用により、ライナ9におけるAl2 TiO5 の熱分解
量を10%以下に抑制することができるからである。
【0036】表1は、SiO2 粉末の添加量を下限値
(2.2重量%)および上限値(4.5重量%)にそれ
ぞれ設定したときにおいて、Al2 TiO5 の熱分解量
を40%以下に抑制することのできるMgO、Fe2
3 およびCeO2 粉末の添加量範囲を示したものであ
る。
【0037】
【表1】 表1より、SiO2 粉末の添加量が2.2重量%以上、
4.5重量%以下のとき、MgO粉末の添加量は0.2
重量%以上、3.9重量%以下に、Fe2 3粉末の添
加量は0.1重量%以上、3.9重量%以下に、CeO
2 粉末の添加量は0.4重量%以上、5.7重量%以下
にそれぞれ設定される。
【0038】図14は、SiO2 粉末を単独で添加した
場合を示し、SiO2 粉末の添加量を2.2重量%以
上、4.5重量%以下に設定すると、1100℃、5時
間の加熱下においてAl2 TiO5 の熱分解量を40%
以下に抑制することができるが、その抑制作用は小さ
く、最適添加量3.3重量%において、Al2 TiO5
の熱分解量は28%程度である。なお、焼結温度は14
25℃に設定された。
【0039】そこで、SiO2 粉末の添加量を最適添加
量である3.3重量%に設定し、これにMgO、Fe2
3 、CeO2 粉末を個別に加えて、1100℃、5時
間の加熱下におけるAl2 TiO5 の熱分解量を測定し
たところ、図15〜図17の結果が得られた。なお、焼
結温度は1425℃に設定された。
【0040】図15において、SiO2 粉末の添加量が
3.3重量%のとき、MgO粉末の添加量範囲は0.4
重量%以上、2.7重量%以下であり、最適添加量は約
1.4重量%である。
【0041】図16において、SiO2 粉末の添加量が
3.3重量%のとき、Fe2 3 粉末の添加量範囲は
0.3重量%以上、2.8重量%以下であり、最適添加
量は約1.4重量%である。
【0042】図17において、SiO2 粉末の添加量が
3.3重量%のとき、CeO2 粉末の添加量範囲は0.
8重量%以上、4.5重量%以下であり、最適添加量は
約2.5重量%である。
【0043】以下、具体例について説明する。
【0044】表2は、本発明における原料粉末A1 〜A
4 および比較例における原料粉末B 1 〜B6 の組成を示
す。TiO2 粉末およびAl2 3 粉末としては、純度
99.9%以上のものが用いられた。
【0045】
【表2】 各原料粉末A1 〜A4 、B1 〜B6 を用いて、前記製造
方法によりライナ9を製造した。焼結温度は1425℃
に、焼結処理時間は4時間に設定された。
【0046】図18〜図22は、各ライナについて行っ
た各種テスト結果を示す。図22に示すAl2 TiO5
の熱分解テストは、ライナ9から製作したテストピース
を、900℃、500時間加熱することにより行われ
た。各図において、各ライナは、対応する原料粉末の符
号A1 〜A4 、B1 〜B6 にて表わされている。この場
合、ライナB6 は従来例に該当する(特開平2−248
362号公報参照)。
【0047】図18〜図22から、Nb2 5 粉末およ
びSiO2 粉末と、他の添加粉末とを併用したライナA
1 〜A4 は、特に、Al2 TiO5 の熱分解量が10%
以下(図22参照)である、といったようにライナB1
〜B6 に比べて優れた特性を有することが明らかであ
る。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、Nb2
5 粉末およびSiO2 粉末と他の添加粉末とを併用した
原料粉末を用いることによって、長期に亘り耐熱強度、
耐熱衝撃性および低熱膨脹係数を保持し得るアルミニウ
ムチタネート焼結体を提供することができる。特に、結
晶粒径を特定すると共にその結晶粒を不規則に配列させ
ることは、前記焼結体の耐熱衝撃性を向上させる上で有
効である。
【0049】請求項2記載の発明によれば、アルミニウ
ムチタネートの体積分率Vfを特定することによって、
特に長期に亘り低熱膨脹係数を保持し得るアルミニウム
チタネート焼結体を提供することができる。
【0050】請求項3記載の発明によれば、前記のよう
に優れた特性を有するアルミニウムチタネート焼結体を
容易に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダヘッドの縦断面図で、図2の1−1線
断面図に対応する。
【図2】図1の2−2矢視図である。
【図3】ライナの平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】モル比と破断歪との関係を示すグラフである。
【図6】モル比と圧縮強さとの関係を示すグラフであ
る。
【図7】モル比と抗折強度との関係を示すグラフであ
る。
【図8】Nb2 5 粉末の添加量と抗折強度との関係を
示すグラフである。
【図9】Nb2 5 粉末の添加量と破断歪との関係を示
すグラフである。
【図10】結晶粒の粒径と抗折強度との関係を示すグラ
フである。
【図11】焼結温度と結晶粒の粒径との関係を示すグラ
フである。
【図12】焼結温度とAl2 TiO5 の体積分率Vfと
の関係を示すグラフである。
【図13】Al2 TiO5 の体積分率VfとAl2 Ti
5 の熱分解量との関係を示すグラフである。
【図14】SiO2 粉末の添加量とAl2 TiO5 の熱
分解量との関係を示すグラフである。
【図15】SiO2 粉末の添加量3.3重量%におい
て、MgO粉末の添加量とAl2 TiO5 の熱分解量と
の関係を示すグラフである。
【図16】SiO2 粉末の添加量3.3重量%におい
て、Fe2 3 粉末の添加量とAl 2 TiO5 の熱分解
量との関係を示すグラフである。
【図17】SiO2 粉末の添加量3.3重量%におい
て、CeO2 粉末の添加量とAl2TiO5 の熱分解量
との関係を示すグラフである。
【図18】各種ライナの抗折強度を示すグラフである。
【図19】各種ライナのヤング率を示すグラフである。
【図20】各種ライナの実破断歪を示すグラフである。
【図21】各種ライナの圧縮強さを示すグラフである。
【図22】各種ライナにおけるAl2 TiO5 の熱分解
量を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 8 シリンダヘッド本体 9 ライナ(アルミニウムチタネート焼結体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 寿治 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 TiO2 をAモルとし、Al2 3 をB
    モルとしたとき、モル比A/Bを0.6≦A/B≦1.
    4に設定された混合粉末に、1重量%以上、6重量%以
    下のNb2 5 粉末と、2.2重量%以上、4.5重量
    %以下のSiO2 粉末と、0.2重量%以上、3.9重
    量%以下のMgO粉末、0.1重量%以上、3.9重量
    %以下のFe2 3 粉末および0.4重量%以上、5.
    7重量%以下のCeO2 粉末の三種から選択される少な
    くとも一種の粉末とを添加してなる原料粉末を用いて、
    成形工程、それに次ぐ焼結工程を経て得られたアルミニ
    ウムチタネート焼結体であって、粒径5μm以下の結晶
    粒が不規則に配列していることを特徴とするアルミニウ
    ムチタネート焼結体。
  2. 【請求項2】 アルミニウムチタネートの体積分率Vf
    が75%以上である、請求項1記載のアルミニウムチタ
    ネート焼結体。
  3. 【請求項3】 原料粉末を用いて、成形工程、それに次
    ぐ焼結工程を経てアルミニウムチタネート焼結体を製造
    するに当り、TiO2 をAモルとし、Al23 をBモ
    ルとしたとき、モル比A/Bを0.6≦A/B≦1.4
    に設定された混合粉末に、1重量%以上、6重量%以下
    のNb2 5 粉末と、2.2重量%以上、4.5重量%
    以下のSiO2 粉末と、0.2重量%以上、3.9重量
    %以下のMgO粉末、0.1重量%以上、3.9重量%
    以下のFe2 3 粉末および0.4重量%以上、5.7
    重量%以下のCeO2 粉末の三種から選択される少なく
    とも一種の粉末とを添加してなる原料粉末を用いること
    を特徴とするアルミニウムチタネート焼結体の製造方
    法。
JP5206652A 1993-08-20 1993-08-20 アルミニウムチタネート焼結体およびその製造方法 Pending JPH0761862A (ja)

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