JPH119925A - 排ガスフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

排ガスフィルタおよびその製造方法

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JPH119925A
JPH119925A JP16394197A JP16394197A JPH119925A JP H119925 A JPH119925 A JP H119925A JP 16394197 A JP16394197 A JP 16394197A JP 16394197 A JP16394197 A JP 16394197A JP H119925 A JPH119925 A JP H119925A
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伸明 永井
Yuichi Murano
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Yukinori Ikeda
幸則 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質セラミックスよりなる排ガスフィルタ
において、再生時におけるチタン酸アルミニウムの分解
を抑制しつつ振動による割れを抑制することを目的とす
る。 【解決手段】 格子壁3の化学組成を、略等モルのAl
23およびTiO2からなる主成分と、SiO2,Fe2
3,ZrO2,MgOおよび希土類の酸化物のうちの少
なくとも2種からなる副成分とし、格子壁3の結晶を、
チタン酸アルミニウムで構成し、格子壁3における一部
のAl23、TiO2および副成分を固溶体または液相
として存在させ、格子壁3の排ガス流路方向における熱
膨張係数αを、室温〜800℃において、|α|≦2×
10-6-1とし、格子壁3の圧縮強度σを、開口率を0
に換算した時にσ≧150kgf/cm2とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン等から排出される排ガス中に含まれる黒煙等をろ過す
る排ガスフィルタ及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が深刻化したことに伴い
ディーゼルエンジン等の燃焼機関から排出される排気ガ
スとともに大気中に分散される黒煙の処理が問題となっ
てきている。この問題を解決するために、ディーゼルエ
ンジン等の燃焼機関の排気管の途中に排ガスフィルタを
設け、この排ガスフィルタによって黒煙をろ過、捕集し
排ガスのみを排出している。
【0003】ところで、この排ガスフィルタに黒煙が多
量に捕集されると、排ガスフィルタは目詰まりを起こす
ようになって、排ガスの流路を妨げることになり、結果
的にエンジンの燃焼効率等に悪影響を及ぼすことにな
る。そのため、予め設けられた所定の捕集量に達すると
黒煙を空気とともに燃焼させて気体化し、目詰まりを除
去して排ガスフィルタを初期の状態に戻して再生するこ
とが必要である。
【0004】この排ガスフィルタの再生には主として電
気ヒータ方式が用いられ、黒煙が所定量捕集されるのを
検知した制御部は、黒煙を安定して燃焼させるように制
御する。ここで、電気ヒータ方式というのは、排ガスの
流入側もしくは流出側に電気ヒータを設け、電気ヒータ
に通電することによって排ガスフィルタを加熱し、排ガ
スの流入側もしくは流出側から供給される空気によって
黒煙を燃焼させるものである。そして再生中は、予備の
排ガスフィルタを使用してディーゼルエンジンは継続し
て運転される。
【0005】ところで、この捕集された黒煙は排ガスフ
ィルタの全面に分布しているが、その全面の黒煙が同時
に燃焼するのではなく、電気ヒータ側の排ガスフィルタ
端部から徐々に燃焼が進行する。そのため排ガスフィル
タの部分によっては温度勾配が生じ、熱膨張の差から熱
応力を発生することになる。通常の使用では捕集される
黒煙の量を予測して、比較的早い段階に燃焼させて排ガ
スフィルタを再生することが行われている。この場合に
は黒煙は600〜900℃で徐々に燃焼し、排ガスフィ
ルタは急激に加熱されることがなく、大きな熱応力を受
けることは少ない。
【0006】一方、制御部による制御が十分でなかった
り、黒煙が所定量以上に捕集された場合などには加熱に
よって黒煙は急激に燃焼し、1000℃以上もの高温度
に急激に上昇して異常燃焼する。このとき排ガスフィル
タは部分的に大きな熱衝撃を受け、疲労破壊によってク
ラックが生じ破壊されることになる。
【0007】従って、排ガスフィルタはこの異常燃焼に
よる急激な熱衝撃に耐えられる材質のものが必要で、低
熱膨張性、高耐熱衝撃性が強く要求されている。更に、
黒煙の捕集効率が高いことと、同時に黒煙の捕集によっ
て起こる排ガスの流路抵抗が小さいことも必要である。
【0008】そこで、これらの要求を満たすため、排ガ
スフィルタは材料、構造、製造法等について様々な開発
が行われている。
【0009】ここで、排ガスフィルタの格子壁を構成す
る多孔質セラミックス材料について説明する。
【0010】例えば、排ガスフィルタに一般的に使用さ
れている材料の一つとして、熱膨張係数が小さく、耐熱
衝撃性に優れたコージェライト焼結体(2MgO・2A
23・5SiO2)がある。このコージェライトの熱
膨張係数は結晶の方向によって異方性を示し、結晶のa
軸が2.0×10-6-1、c軸が−0.9×10-6 -1
と異なっている。
【0011】しかしながら、押出成形法でハニカム状に
成形されたものは、工程中で原料に含まれるカオリンや
タルク等の板状結晶が剪断力を受けて格子壁と平行な方
向に分散されるので、c軸は押出成形方向(排ガス流路
方向)に僅かながら多く配向された状態となる。これに
より、コージェライトの押出成形方向の熱膨張係数は約
0.5×10-6-1、押出成形方向に垂直な方向の熱膨
張係数は約0.9×10-6-1となり、全体にわたって
熱膨張係数が小さく異方性が少なくなり、高耐熱衝撃性
の排ガスフィルタが製造されている。
【0012】一方、多孔質セラミックス材料として、従
来からのコージェライトの他に、最近ではチタン酸アル
ミニウム(Al23・TiO2)が検討され始めてい
る。チタン酸アルミニウムは溶融温度が1600℃以上
と高く、再生時の高温にも十分耐えることができるもの
である。
【0013】しかしながら、このチタン酸アルミニウム
の熱膨張係数はやはり結晶の方向によって異方性を示
し、結晶のa軸が11.8×10-6-1、b軸が19.
4×10-6-1、c軸が−2.6×10-6-1と、コー
ジェライトの結晶と比べてもその異方性は大きいという
特徴がある。そして、このように異方性が大きいと、結
晶粒子間にマイクロクラックを生じ易いという問題があ
る。また、チタン酸アルミニウムの結晶は高温度(75
0〜1200℃)のもとで酸化チタニウム(ルチル)と
酸化アルミニウム(コランダム)に分解しやすいという
問題もある。
【0014】この様に、チタン酸アルミニウムは低膨張
で耐熱性に優れた材料であるが、他のセラミックス材料
に比べて、製造時に発生する結晶粒子間のマイクロクラ
ックのために機械的強度が低く、製造条件によっては、
結晶粒子の分解による材質の変化により熱膨張係数が変
化して大きくなりやすいという問題がある。
【0015】そこでチタン酸アルミニウムの機械的強度
の向上や熱膨張係数の制御について改善が行われ、既に
一部実用化されるまでになってきている。
【0016】例えば、特公昭62−40061号公報に
は、主成分がチタン酸アルミニウムからなるセラミック
スハニカムの構成が開示されている。これは、チタン酸
アルミニウム以外にSiO2を4〜10wt%含有さ
せ、セラミックスハニカムの強度と高温安定性の向上を
図っている。また、特開平4−26544号公報には、
主成分がチタン酸アルミニウムからなる高破断歪セラミ
ックスの構成が開示されている。これは、副成分として
SiO2,Fe23を、チタン酸アルミニウム以外の結
晶としてコランダム,ムライト,ルチル等を含有させ
て、破断歪を増大しセラミックスの破損を起こし難くし
ている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
62−40061号公報に記載されたセラミックスハニ
カムの強度と高温安定性を向上させる技術は触媒担体と
して有用であるが、排ガスフィルタとしては不十分であ
る。すなわち、触媒担体と排ガスフィルタは、格子壁の
気孔率については両者とも30〜50%と同レベルのも
のが多いが、格子壁の気孔径については大きな相違があ
る。排ガスフィルタの平均気孔径は一般に10〜20μ
mであり、この平均気孔径において黒煙を高効率で捕集
できるのに対し、触媒担体の平均気孔径は一般にサブミ
クロン〜数μmである。そして、セラミックスハニカム
の機械的強度は気孔径が大きいほど低く、さらに排ガス
フィルタの格子壁は連通気孔を形成しているため極端に
破壊しやすいからである。
【0018】また、特開平4−26544号公報に記載
された破断歪を増大しセラミックスの破損を起こし難く
する技術は比較的低温度域には有用であるが、750〜
1200℃で使用するとチタン酸アルミニウムが酸化チ
タニウム(ルチル)と酸化アルミニウム(コランダム)
に分解しやすいので、やはり排ガスフィルタとしては不
十分である。すなわち、このセラミックスの構成として
は、副成分としてSiO2を2.0〜5.5%,Fe2
3を2.0〜3.0%含有しているものの、チタン酸ア
ルミニウムがコランダム,ムライト,ルチル等といった
他の結晶成分を含有しているために、750〜1200
℃の温度域で極端に分解しやすくなるからである。
【0019】そこで、本発明は、黒煙の燃焼温度である
600℃以上に排ガスフィルタを加熱してこれを再生す
る際におけるチタン酸アルミニウムの分解を抑制しつつ
振動による割れを抑制することのできる排ガスフィルタ
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の排ガスフィルタは、多孔質セラミックスよ
りなり多数の連通気孔を有する格子壁に仕切られて排ガ
スの流路方向に多数形成された貫通孔と、貫通孔の一方
端である排ガス入口と他方端である排ガス出口の端面部
に交互に設けられた封止材とで構成され、格子壁の化学
組成は、略等モルのAl23およびTiO2からなる主
成分と、SiO2,Fe23,ZrO2,MgOおよび希
土類の酸化物のうちの少なくとも2種からなる副成分と
であり、格子壁の結晶は、チタン酸アルミニウムで構成
され、格子壁における一部のAl 23、TiO2および
副成分は固溶体または液相として存在し、格子壁の排ガ
ス流路方向における熱膨張係数αは、室温〜800℃に
おいて、|α|≦2×10 -6-1であり、格子壁の圧縮
強度σは、開口率を0に換算した時にσ≧150kgf
/cm2とされている。
【0021】これにより、排ガスフィルタの再生時にお
けるチタン酸アルミニウムの分解が抑制されて機械的強
度が増大し、ディーゼル自動車運転時などにおける振動
による割れが防止されて耐熱衝撃性、耐振動性が向上す
る。
【0022】この排ガスフィルタにおいて、格子壁に
は、3〜10wt%のSiO2と、1〜3wt%のFe2
3とが含有されていることが望ましい。また、格子壁
は、連通気孔の平均気孔径が7〜20μmで、気孔率が
30〜40%であることが望ましい。
【0023】また、本発明の排ガスフィルタの製造方法
は、Al23がTiO2に対して等モルより3〜6wt
%多く配分されたチタン酸アルミニウムからなる主成分
と、少なくともSiO2を3〜10wt%、Fe23
1〜3wt%有する副成分とからなる第1のセラミック
ス原料を用意する工程と、TiO2からなる第2のセラ
ミックス原料を第1のセラミックス原料に添加して、第
1のセラミックス原料と第2のセラミックス原料の総量
としてAl23とTiO2が略等モルになるように調整
する工程と、調整された第1のセラミックス原料と第2
のセラミックス原料を造孔剤、結合剤、可塑剤、水とと
もに混合してセラミックス坏土を作製する工程と、セラ
ミックス坏土をハニカム形状に押出成形する工程と、得
られた押出成形体を加熱、焼結して多孔質セラミックス
を形成する工程とを有するものである。
【0024】これにより、第1のセラミックス原料でチ
タン酸アルミニウムが予め合成されているので、チタン
酸アルミニウムの分解が抑制されて機械的強度が向上
し、寸法精度が安定した排ガスフィルタを製造すること
ができる。
【0025】この排ガスフィルタの製造方法において、
第1のセラミックス原料の平均粒子径は8〜30μm、
第2のセラミックス原料の平均粒子径は10μm以下で
あることが望ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、多孔質セラミックスよりなり多数の連通気孔を有す
る格子壁に仕切られて排ガスの流路方向に多数形成され
た貫通孔と、貫通孔の一方端である排ガス入口と他方端
である排ガス出口の端面部に交互に設けられた封止材と
で構成された排ガスフィルタであって、格子壁の化学組
成は、略等モルのAl23およびTiO2からなる主成
分と、SiO2,Fe23,ZrO 2,MgOおよび希土
類の酸化物のうちの少なくとも2種からなる副成分とで
あり、格子壁の結晶は、チタン酸アルミニウムで構成さ
れ、格子壁における一部のAl23、TiO2および副
成分は固溶体または液相として存在し、格子壁の排ガス
流路方向における熱膨張係数αは、室温〜800℃にお
いて、|α|≦2×10-6-1、格子壁の圧縮強度σ
は、開口率を0に換算した時にσ≧150kgf/cm
2であり、排ガスフィルタの再生時におけるチタン酸ア
ルミニウムの分解が抑制されて機械的強度が増大し、デ
ィーゼル自動車運転時などにおける振動による割れが防
止されて耐熱衝撃性、耐振動性が向上するという作用を
有する。
【0027】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の発明において、格子壁に、3〜10wt%のSi
2と、1〜3wt%のFe23とが含有されている排
ガスフィルタであり、チタン酸アルミニウムの分解が抑
制されて機械的強度が増大するという作用を有する。
【0028】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の発明において、格子壁は、連通気孔の平均気孔
径が7〜20μmで、気孔率が30〜40%である排ガ
スフィルタであり、黒煙を高効率で捕集することがで
き、圧力損失の上昇率を小さくできるという作用を有す
る。
【0029】請求項4に記載の発明は、Al23がTi
2に対して等モルより3〜6wt%多く配分されたチ
タン酸アルミニウムからなる主成分と、少なくともSi
2を3〜10wt%、Fe23を1〜3wt%有する
副成分とからなる第1のセラミックス原料を用意する工
程と、TiO2からなる第2のセラミックス原料を第1
のセラミックス原料に添加して、第1のセラミックス原
料と第2のセラミックス原料の総量としてAl23とT
iO2が略等モルになるように調整する工程と、調整さ
れた第1のセラミックス原料と第2のセラミックス原料
を造孔剤、結合剤、可塑剤、水とともに混合してセラミ
ックス坏土を作製する工程と、セラミックス坏土をハニ
カム形状に押出成形する工程と、得られた押出成形体を
加熱、焼結して多孔質セラミックスを形成する工程とを
有する排ガスフィルタの製造方法であり、チタン酸アル
ミニウムの分解が抑制されて機械的強度が向上し、寸法
精度が安定した排ガスフィルタを製造することができる
という作用を有する。
【0030】請求項5に記載の発明は、請求項4記載の
発明において、第1のセラミックス原料の平均粒子径が
8〜30μmである排ガスフィルタの製造方法であり、
排ガスフィルタの焼成収縮率を低減することができると
いう作用を有する。
【0031】そして、請求項6に記載の発明は、請求項
4または5記載の発明において、第2のセラミックス原
料の平均粒子径が10μm以下である排ガスフィルタの
製造方法であり、第1のセラミックスと焼結反応し易
く、機械的強度が向上するという作用を有する。
【0032】以下、本発明の実施の形態について、図1
〜図5を用いて説明する。なお、実施の形態を説明する
ための全図において同一の部材には同一の符号を付して
おり、また、重複した説明は省略されている。
【0033】図1は本発明の一実施の形態による排ガス
フィルタを示す斜視図、図2は図1の排ガスフィルタの
端面部の拡大図、図3は図1の排ガスフィルタの断面に
おける排ガスの流路を示す概略図、図4は図1の排ガス
フィルタにおける格子壁のX線回折図、図5は比較例で
ある従来の排ガスフィルタの格子壁のX線回折図であ
る。
【0034】図1に示すように、円筒状の排ガスフィル
タ1には、その長さ方向である排ガス流路方向に貫通孔
2が多数形成されている。この貫通孔2は、多孔質セラ
ミックスで形成されて多数の連通気孔を有する格子壁3
によって仕切られている。貫通孔4の排ガス入口である
一方の端面部1a、および排ガス出口である他方の端面
部1bは、封止材4により交互に閉塞されている。
【0035】このような排ガスフィルタ1は、次のよう
にして製造される。先ず、Al23がTiO2に対して
等モルより3〜6wt%多く配分されたチタン酸アルミ
ニウムからなる主成分と、少なくともSiO2を3〜1
0wt%、Fe23を1〜3wt%有する副成分とから
なる第1のセラミックス原料を用意する。なお、添加し
たSiO2,Fe23等の副成分は、主成分であるチタ
ン酸アルミニウムの焼結や分解抑制に有効なものであ
る。
【0036】次に、TiO2からなる第2のセラミック
ス原料をこの第1のセラミックス原料に添加し、前記第
1のセラミックス原料と第2のセラミックス原料の総量
としてAl23とTiO2が略等モル(Al23:Ti
2=56.1wt%:43.9wt%)になるように
調整する。
【0037】そして、調整された第1のセラミックス原
料と第2のセラミックス原料に対して、格子壁に連通気
孔を形成するための造孔剤,結合剤,可塑剤,水などを
混合して坏土状にし、これをハニカム形状の金型を通し
て押出成形する。
【0038】その後、得られた押出成形体を乾燥し、1
500℃で熱処理し、貫通孔2に予め調整した封止材4
(主成分はチタン酸アルミニウム)を充填した後、14
00℃で熱処理する。これにより、前述の排ガスフィル
タ1が得られる。
【0039】ここで、格子壁3に含まれるSiO2の量
は3〜10wt%の範囲が適当である。すなわち、3w
t%より少ないと、チタン酸アルミニウムがAl23
TiO2とに分解して熱膨張係数が急激に増大する。ま
た、10wt%より多いと、SiO2が結晶化(クリス
トバライトなど)して熱膨張係数が急激に増大するから
である。つまり、SiO2の量が3〜10wt%から外
れると、熱膨張の増大により格子壁3に割れが生じやす
くなるからである。
【0040】また、格子壁3に含まれるAl23とTi
2は略等モルで、一部のAl23,TiO2とSi
2,Fe23は固溶体や液相として存在する必要があ
る。すなわち、Al23とTiO2の含有量が等モル
(理論組成比)より外れると、チタン酸アルミニウム以
外に他の結晶相が存在しやすくなり、たとえSiO2
Fe23を含有していてもチタン酸アルミニウムは分解
を起こしやすくなるからである。そして、チタン酸アル
ミニウムが分解すると、熱膨張の増大により格子壁3に
割れが生じやすくなるからである。
【0041】ここで、本実施の形態では、格子壁3の評
価に際して島津製作所製水銀ポロシメーター(マイクロ
メリティックスポーアライザー9320形)を用いた。
【0042】この装置は水銀圧入法に基づくもので、排
ガスフィルタに水銀が1g当り何cc浸透するかを求め
るものである。詳しく説明すると、排ガスフィルタ1の
格子壁3を所定の容器に収納し、その容器内に段階的に
圧力を変化させて水銀を圧入する。容器内の圧力が低い
ときは、比較的大きな気孔のみに水銀が入り込み、圧力
が高いときは小さな気孔にまで水銀が入り込む。従っ
て、所定の圧力の時に排ガスフィルタの格子壁3に水銀
が1g当り何cc入り込むかを測定することによって、
所定の気孔径の連通気孔がどの程度存在するか測定する
ことができるというものである。
【0043】そして、格子壁3に形成された連通気孔の
平均気孔径は7〜20μm、気孔率は30〜40%の範
囲が適当である。すなわち、平均気孔径が7μmより小
さいと圧力損失が高くなりすぎて、20μmより大きい
と黒煙の捕集効率が低下するからである。また、気孔率
が30%より小さいと圧力損失が高くなりすぎ、40%
より大きいと機械的強度が極端に低くなるからである。
【0044】さらに、第1のセラミックス原料の平均粒
子径は8〜30μmの範囲が適当である。平均粒子径が
8μmより小さいと排ガスフィルタの焼成収縮率が大き
いため寸法精度が悪くなり、30μmより大きいと焼結
性が乏しいため機械的強度が低くなるからである。
【0045】格子壁3へチタン酸アルミニウムの焼結に
効果的な副成分を含有させた場合には、チタン酸アルミ
ニウム粒子の焼結性を促進し、比較的低い熱処理温度で
強度のある排ガスフィルタ1を得ることができる。ま
た、格子壁3へチタン酸アルミニウムの分解抑制に効果
的な副成分を含有させた場合には、排ガスフィルタ1の
再生(黒煙の燃焼)時の温度である600℃以上に長時
間さらされても、チタン酸アルミニウムを分解すること
を防ぐことができる。このチタン酸アルミニウムの焼結
や分解抑制に効果的な副成分には、SiO2,Fe
23,ZrO2,MgO,希土類の酸化物などがある。
本実施の形態では、副成分として一例を示しているが、
チタン酸アルミニウムの焼結や分解抑制に効果のある成
分であれば、どのような成分が含有されていてもよい。
【0046】こうして得られた円柱状の排ガスフィルタ
1は、端面部1a,1bの直径が130〜160mm程
度であり、排ガス流路方向に沿った長さは140mm〜
170mm程度になるように構成されている。また、こ
の排ガスフィルタ1の大きさは、エンジン排気量が20
00〜3000ccのものに多く用いられる。その理由
は、この程度の容量の排ガスフィルタ1が排ガス中の黒
煙等を効率的に捕集できるからである。なお、排ガスフ
ィルタ1が円柱状とされているので、等方的に応力を分
布させることができ、製造工程で発生する加工歪等が低
減されて強度が高められている。
【0047】ここで、この排ガスフィルタ1は多孔質セ
ラミックスであるために、外周面1cに連通気孔が多く
形成されているが、使用時には外周面1cには断熱材等
が密着されるので、黒煙が外部に漏れることはない。こ
の排ガスフィルタ1をディーゼルエンジンなどに取り付
ける場合には、排ガスフィルタ1を無機繊維質の断熱材
等で包み、更にSUS等の収納容器内に収納して固定さ
れる。
【0048】なお、本実施の形態では、端面部1a,1
bの直径がほぼ同じとされているが、端面部1a側の直
径を端面部1b側の直径よりも大きく形成したり、それ
とは逆にして形成してもよい。
【0049】ここで、端面部1a,1bの詳細な構造に
ついて説明する。なお、端面部1a,1bは基本的に同
じ構造をしているので、ここでは端面部1aを取り上げ
て説明する。
【0050】図2は図1の排ガスフィルタの端面部の拡
大図である。端面部1aには排ガスフィルタの排ガス流
路方向に沿って断面方形状の複数の貫通孔2が設けられ
ており、貫通孔2は多数の連通気孔が設けられた格子壁
3で区切られている。格子壁3は端面部1aから端面部
1bまで連続して構成されている。格子壁3の厚さt
1,t2はそれぞれ0.2〜0.3mm(貫通孔2の数
が200セル/平方インチ)、0.4〜0.5mm(貫
通孔2の数が100セル/平方インチ)の範囲内で構成
することが好ましい。これより小さくなると、機械的強
度が低くなりすぎたり、捕集効率が落ちたりするからで
ある。また、これより大きくなると、圧力損失が高くな
る等の不都合が生じることがあるからである。
【0051】この実施の形態では、量産性を考慮して押
出成形方法を採用したのでt1=t2となっているが、
他の成形方法(例えば加工シートを積層する方法等)に
おいてはt1<t2あるいはt1>t2になるようにし
てもよい。例えば、図2において、矢印方向Lに平行な
格子壁3の厚みを厚くして、矢印方向Lと直交する矢印
方向Mに平行な格子壁3の厚みを薄くすることによっ
て、矢印方向Mに平行な格子壁3に排ガスが通過しやす
くして流量調整ができるので、排ガスの流出量を制御す
ることができる。なお、外周部(外周面1cに近い内
部)よりも内側の格子壁3の厚みを厚くすることによっ
て内周部より外周部の側の排ガスを通過しやすくし、排
ガスフィルタ1の全体にわたって排ガスの通過量を均等
にすることもできる。そして、このことによって、排ガ
スフィルタ1の端面部1aの各部において黒煙等の捕集
量を均一化することができ、排ガスフィルタ1をディー
ゼルエンジン等に取り付ける際に生じる局部的な応力
や、使用時の振動等による排ガスフィルタ1の破損の防
止を緩和することができる。
【0052】また、格子壁3の矢印方向Lに沿ったピッ
チA1と矢印方向Mに沿ったピッチA2とはそれぞれ2
mm〜4mmの範囲にあることが好ましい。これより小
さくなると排ガスの圧力損失が高くなったり、これより
大きいと黒煙等の捕集量が少なくなったりするなど不都
合が生じるからである。本実施の形態においては、A1
=A2として、等方的に機械的強度を向上するとともに
捕集能力を各部で均一にしているので、安定したフィル
タ特性を得ることができる。なお、ピッチA1およびピ
ッチA2の長さを相互に違えることによって貫通孔2の
断面形状を長方形にし、形成された長方形の長辺部と短
辺部を通過する排ガスの流量に差を設けるようにすると
補集能力の偏りを任意に調整することができるので、排
ガスフィルタ1の収納容器の設計やそれに接続する配管
などの構成の自由度を大きくとることができる。
【0053】前述のように、封止材4は端面部1a側の
貫通孔2と同じ端面部1b側の貫通孔2のどちらかに、
しかも交互に設けられている。一般にこの封止材4は格
子壁3と同じ材料組成で構成されたり、違った種類の材
料でも熱膨張係数の比較的近いものが選択され、これに
より、貫通孔2の周辺に生じるクラックなどが防止され
ている。
【0054】また、格子壁3と封止材4のそれぞれの主
成分を同じにしておき、副成分の種類およびその添加量
を変えることによって、格子壁3と封止材4の熱膨張係
数を調整することができるとともに、製造時にペースト
状の封止材4の硬度等をも調整することができ、作業性
がよくなり生産性を向上させることもできる。
【0055】ここで、封止材4を端面部1a,1bのそ
れぞれの貫通孔2に設けたときの排ガスの流路について
図3で説明する。
【0056】図3に示すように、貫通孔2は格子壁3に
よって流入孔2aと流出孔2bに区画される。端面部1
a側から排ガスが流入すると、排ガスはまず開口状態の
流入孔2aに流入するが、その対向する側の端面部1b
の貫通孔2が封止材4によって封止されているため、格
子壁3を通過して流出孔2bに流出し開口状態の貫通孔
2を通って端面部1bより系外に排出する。そして、排
ガスがこのように多孔質セラミックからなる格子壁3を
通過する際に、排ガスの中の黒煙等が排ガスフィルタ内
部に捕集されることになる。
【0057】次に、格子壁3の材料の化学組成、結晶状
態について詳しく説明する。格子壁3の化学組成は、チ
タン酸アルミニウムを構成するAl23とTiO2とか
らなる主成分以外に、焼結や分解抑制に効果のある副成
分(SiO2,Fe23,ZrO2,MgO,希土類の酸
化物など)が含有されている。この理由は、Al23
TiO2のみからチタン酸アルミニウムを合成すると、
焼結不十分による強度不足やチタン酸アルミニウムの分
解などの問題が起きるからである。
【0058】また、格子壁3の結晶状態は、チタン酸ア
ルミニウムの結晶粒子と前記副成分とが固溶体や液相と
して存在し、他の結晶粒子を殆ど含んでいないことが必
要である。チタン酸アルミニウム以外の結晶粒子を含有
する場合には、チタン酸アルミニウムの高温安定性が劣
る傾向にあり、750〜1200℃の温度範囲において
分解が急激に進行するからである。チタン酸アルミニウ
ム質製品の機械的強度を向上させる目的で、ムライト,
コランダム,ルチル,コージェライトなど、チタン酸ア
ルミニウム以外に他の結晶粒子を存在させる試みが行わ
れているが、排ガスフィルタとしては高温安定性に問題
があり実用できない。従って、排ガスフィルタとして高
温安定性を維持しながら機械的強度を向上させるために
は、チタン酸アルミニウム以外の結晶粒子を存在させて
はならない。
【0059】本実施の形態における格子壁3は、チタン
酸アルミニウムの略理論組成(Al 23とTiO2が略
等モル)で構成されている。これによって、Al23
TiO2が余剰になることがなく、コランダムやルチル
は殆ど生成されない。
【0060】ここで、チタン酸アルミニウム以外の結晶
粒子を存在させてはならないと示したが、チタン酸アル
ミニウムの高温安定性は他の結晶粒子の種類や存在量に
よって異なる。勿論、他の結晶粒子の存在量が少ないほ
ど、高温安定性はよくなる傾向にある。例えば、コラン
ダムやルチルが微量存在している場合、チタン酸アルミ
ニウムの分解はかなり遅く進行する程度であり、実用可
能な範囲である。
【0061】図4は、図1の排ガスフィルタにおける格
子壁のX線回折図である。データの採取された格子壁
は、チタン酸アルミニウムと微量のルチルが存在してい
るものである。また、図5は、比較例である従来の格子
壁のX線回折図である。この従来の格子壁はチタン酸ア
ルミニウムとルチルが存在しているものであり、参考の
ために示した。なお、測定は理学製のX線回折装置を使
用した。
【0062】図4、図5に示すデータはX線回折法によ
って求められた。X線回折法は、管球から発生したX線
を固定した試料に照射し、反射、散乱したX線を検出器
でカウントするものである。このとき、試料に結晶質が
含有されている場合には、鋭いピークが現れる。このピ
ークは結晶格子の配置によって特有であり、X線回折法
においてそのX線回折図(パターン)はほぼ一定であ
る。
【0063】図4および図5において、縦軸は格子壁3
に回折されたX線強度であり、横軸は走査角度2θであ
る。
【0064】これらの図面において、5aがチタン酸ア
ルミニウムの結晶ピークであり、5bがルチルの結晶ピ
ークである。X線回折装置の条件やサンプルの状態を一
定にして測定した場合は、結晶ピーク5a、5bの強度
がほぼ同じになる。この場合、サンプルに存在する結晶
粒子の生成量が多いと結晶ピーク5a、5bの強度が大
きく、逆にサンプルに存在する結晶粒子の生成量が少な
いと小さくなる。図4と図5とを比較すると、図4にお
けるルチルの結晶ピーク5bは、チタン酸アルミニウム
の結晶ピーク5aよりも極端に小さく、ルチルの存在量
は僅かであることがわかる。また、図5におけるルチル
の結晶ピーク5bは、チタン酸アルミニウムの結晶ピー
ク5aよりも小さいものの、図4に示すようには小さく
なく、ルチルはある程度存在していることがわかる。
【0065】このように、図4のデータが得られた本実
施の形態の格子壁は、ルチルの存在量は僅かであるの
で、750〜1200℃においても分解する速度も遅
く、長期間の使用でもその特性(低熱膨張)を維持する
ことができる。また、同時に機械的強度を増大すること
ができる。
【0066】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0067】以下の化学組成からなる第1のセラミック
ス原料に、第2のセラミックス原料であるTiO2粉末
を添加量を変えて秤量し、セラミックス原料(第1のセ
ラミックス原料と第2のセラミックス原料の総量)10
0重量部に対して、結合剤として合成樹脂15重量部、
造孔剤としてメチルセルロース15重量部を添加し、乾
燥状態で混合した。これに、可塑剤としてグリセリン2
重量部,水26重量部を添加し、混合・混練して坏土状
にした。これをハニカム形状の金型を通して押出成形
し、この押出成形体を乾燥後、1500℃で熱処理し
た。これに、主成分がチタン酸アルミニウムである封止
材を貫通孔に市松模様になるよう両端面部に交互に充填
し、1400℃にて再度熱処理を行い、排ガスフィルタ
を作製した。
【0068】 Al23・・・53.2wt% TiO2 ・・・38.1wt% SiO2 ・・・6.2wt% Fe23・・・2.5wt% ここで得られた格子壁の特性としては、熱膨張係数が排
ガス流路方向で約−2×10-6-1であり、平均気孔径
が11μm,気孔率が35%であった。
【0069】このようにして得られた排ガスフィルタに
ついて、格子壁のチタン酸アルミニウムの理論組成(A
231モル,TiO21モル)からのずれ、格子壁の
排ガス流路方向の熱膨張係数(室温〜800℃:熱処理
前と熱処理後)、圧縮強度を(表1)に示す。ここでの
熱処理は、チタン酸アルミニウムの高温安定性をみるた
めに行った。熱処理温度は格子壁の化学組成において最
も分解しやすいと考えられる1000℃に、熱処理時間
は500時間に設定した。
【0070】
【表1】
【0071】ここで、試料No2〜4は本発明によるも
ので、TiO2の添加によって、格子壁の化学組成がA
23とTiO2が略等モルで構成されている。なお、
添加するTiO2の種類は、表1に示すデータ採取にお
いてはアナターゼ型を使用したが、ルチル型やアナター
ゼ型とルチル型の混合粉末でも同様な傾向を示した。
【0072】試料No1は、第1のセラミックス原料の
みの使用で、TiO2を添加していない。この試料につ
いては、熱処理による熱膨張係数の変化はなくチタン酸
アルミニウムの高温安定性はあるが、圧縮強度が低い。
そして、試料No1の格子壁は、振動が激しい条件下に
おいてクラックを生じやすい。一方、試料No2〜4の
格子壁は機械的強度が高く振動に対してクラックを生じ
にくい。
【0073】試料No5は、第1のセラミックス原料に
TiO2を多めに添加したものである。この試料につい
ては、機械的強度は高くクラックを生じにくいが、高温
安定性に劣る。これは、チタン酸アルミニウムがコラン
ダムとルチルに分解した結果で、高熱膨張のコランダム
とルチルが格子壁の熱膨張係数の値を引き上げているか
らである。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、格子壁
の化学組成が、略等モルのAl23およびTiO2から
なる主成分と、SiO2,Fe23,ZrO2,MgOお
よび希土類の酸化物のうちの少なくとも2種からなる副
成分とであり、格子壁の結晶が、チタン酸アルミニウム
で構成され、格子壁における一部のAl23、TiO2
および副成分が固溶体または液相として存在し、格子壁
の排ガス流路方向における熱膨張係数αが、室温〜80
0℃において、|α|≦2×10-6-1、格子壁の圧縮
強度σが、開口率を0に換算した時にσ≧150kgf
/cm2となっているので、排ガスフィルタの再生時に
おけるチタン酸アルミニウムの分解が抑制されて機械的
強度が増大し、ディーゼル自動車運転時などにおける振
動による割れが防止されて耐熱衝撃性、耐振動性が向上
するという有効な効果が得られる。
【0075】また、格子壁に、3〜10wt%のSiO
2と、1〜3wt%のFe23とを含有させることによ
り、チタン酸アルミニウムの分解がより有効に抑制され
て機械的強度が増大するという有効な効果が得られる。
【0076】格子壁の連通気孔の平均気孔径を7〜20
μm、気孔率を30〜40%とすることにより、黒煙を
高効率で捕集することができ、圧力損失の上昇率を小さ
くできるという有効な効果が得られる。
【0077】本発明によれば、Al23がTiO2に対
して等モルより3〜6wt%多く配分されたチタン酸ア
ルミニウムからなる主成分と、少なくともSiO2を3
〜10wt%、Fe23を1〜3wt%有する副成分と
からなる第1のセラミックス原料を用意する工程と、T
iO2からなる第2のセラミックス原料を第1のセラミ
ックス原料に添加して、第1のセラミックス原料と第2
のセラミックス原料の総量としてAl23とTiO2
略等モルになるように調整する工程と、調整された第1
のセラミックス原料と第2のセラミックス原料を造孔
剤、結合剤、可塑剤、水とともに混合してセラミックス
坏土を作製する工程と、セラミックス坏土をハニカム形
状に押出成形する工程と、得られた押出成形体を加熱、
焼結して多孔質セラミックスを形成する工程とにより排
ガスフィルタを製造することとしているので、チタン酸
アルミニウムの分解が抑制されて機械的強度が向上し、
寸法精度が安定した排ガスフィルタを製造することがで
きるという有効な効果が得られる。
【0078】第1のセラミックス原料の平均粒子径を8
〜30μmとすることにより、排ガスフィルタの焼成収
縮率を低減することができるという有効な効果が得られ
る。
【0079】第2のセラミックス原料の平均粒子径を1
0μm以下とすることにより、第1のセラミックスと焼
結反応し易く、排ガスフィルタの機械的強度が向上する
という有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタを
示す斜視図
【図2】図1の排ガスフィルタの端面部の拡大図
【図3】図1の排ガスフィルタの断面における排ガスの
流路を示す概略図
【図4】図1の排ガスフィルタにおける格子壁のX線回
折図
【図5】比較例である従来の排ガスフィルタの格子壁の
X線回折図
【符号の説明】
1 排ガスフィルタ 2 貫通孔 3 格子壁 4 封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 幸則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質セラミックスよりなり多数の連通気
    孔を有する格子壁に仕切られて排ガスの流路方向に多数
    形成された貫通孔と、前記貫通孔の一方端である排ガス
    入口と他方端である排ガス出口の端面部に交互に設けら
    れた封止材とで構成された排ガスフィルタであって、 前記格子壁の化学組成は、略等モルのAl23およびT
    iO2からなる主成分と、SiO2,Fe23,Zr
    2,MgOおよび希土類の酸化物のうちの少なくとも
    2種からなる副成分とであり、 前記格子壁の結晶は、チタン酸アルミニウムで構成さ
    れ、 前記格子壁における一部の前記Al23、前記TiO2
    および前記副成分は固溶体または液相として存在し、 前記格子壁の排ガス流路方向における熱膨張係数αは、
    室温〜800℃において、|α|≦2×10-6-1であ
    り、 前記格子壁の圧縮強度σは、開口率を0に換算した時に
    σ≧150kgf/cm2であることを特徴とする排ガ
    スフィルタ。
  2. 【請求項2】前記格子壁には、3〜10wt%の前記S
    iO2と、1〜3wt%の前記Fe23とが含有されて
    いることを特徴とする請求項1記載の排ガスフィルタ。
  3. 【請求項3】前記格子壁は、前記連通気孔の平均気孔径
    が7〜20μmで、気孔率が30〜40%であることを
    特徴とする請求項1または2記載の排ガスフィルタ。
  4. 【請求項4】Al23がTiO2に対して等モルより3
    〜6wt%多く配分されたチタン酸アルミニウムからな
    る主成分と、少なくともSiO2を3〜10wt%、F
    23を1〜3wt%有する副成分とからなる第1のセ
    ラミックス原料を用意する工程と、 TiO2からなる第2のセラミックス原料を前記第1の
    セラミックス原料に添加して、前記第1のセラミックス
    原料と第2のセラミックス原料の総量としてAl23
    TiO2が略等モルになるように調整する工程と、 調整された前記第1のセラミックス原料と前記第2のセ
    ラミックス原料を造孔剤、結合剤、可塑剤、水とともに
    混合してセラミックス坏土を作製する工程と、 前記セラミックス坏土をハニカム形状に押出成形する工
    程と、 得られた押出成形体を加熱、焼結して多孔質セラミック
    スを形成する工程とを有することを特徴とする排ガスフ
    ィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1のセラミックス原料の平均粒子径
    が8〜30μmであることを特徴とする請求項4記載の
    排ガスフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2のセラミックス原料の平均粒子径
    が10μm以下であることを特徴とする請求項4または
    5記載の排ガスフィルタの製造方法。
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