JP2002172304A - 複層構造ハニカムフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

複層構造ハニカムフィルタ及びその製造方法

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JP2002172304A
JP2002172304A JP2001270854A JP2001270854A JP2002172304A JP 2002172304 A JP2002172304 A JP 2002172304A JP 2001270854 A JP2001270854 A JP 2001270854A JP 2001270854 A JP2001270854 A JP 2001270854A JP 2002172304 A JP2002172304 A JP 2002172304A
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pressure loss
thickness
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Junji Sakon
淳司 左近
Hiroyuki Manabe
弘幸 真鍋
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NGK Insulators Ltd
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01D46/00Filters or filtering processes specially modified for separating dispersed particles from gases or vapours
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高捕捉効率、小圧力損失であるとともに、集
塵装置としての使用に際して十分な強度を有する複層構
造ハニカムフィルタを提供する。 【解決手段】 ハニカム構造を有する多孔質の基材の表
面に、1層または2層以上のフィルタ層を備えた集塵用
の複層構造ハニカムフィルタである。フィルタの濾過流
速が1m/minの場合における基材の圧力損失が15
0〜700Paであるとともに、少なくとも1層以上の
フィルタ層の圧力損失が50〜300Paである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、被処理ガス中の
ダストを捕捉する集塵用の複層構造ハニカムフィルタ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、集塵装置は紙や繊維、高分子樹
脂を使用したバグフィルタが主流であったが、近年、公
害防止等の環境対策、高温ガスからの製品回収、クリー
ンな高温エネルギー回収のため、高分子材料が使用不可
能である250℃以上の温度域における集塵が必要な市
場が増えてきた。
【0003】 このような状況下、セラミックスは、耐
熱性、耐食性に優れ、高温、腐食性ガス雰囲気でのフィ
ルタ材料として好ましい特性を有している。このセラミ
ックスを材料としたセラミックスフィルタとしては、例
えば管状のもの、或いは、一方が閉じた管状であるキャ
ンドルタイプと呼ばれる形状のもの等を挙げることがで
き、現在、集塵用ハニカムフィルタは、高温ガスからの
製品の回収、環境対策を狙いとした排ガスからのダスト
の除去等を目的として、化学、電力、鉄鋼、産業廃棄物
処理産業等多岐に渡る分野において用いられている。
【0004】 かかるハニカムフィルタは、図2に示す
ように、ハニカムの多数の貫通孔9の端部を上流側Bと
下流側Cとを逆に1マスごとに封じた構造を有し、上流
側Bから入った高温ガスは、多孔質の隔壁8を通って下
流側Cの穴より抜けていくが、その際に、高温ガス中の
ダストは隔壁のフィルタ層に捕捉される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 従来のキャンドルタ
イプ等のセラミックスフィルタに関しては、バグフィル
タに比してフィルタの濾過面積が小さく、バグフィルタ
を組み込んでなる集塵装置と同等の濾過面積の確保を、
ハニカムフィルタを用いて図ろうとすると、セラミック
スフィルタの使用本数が増加するとともに集塵装置自体
が大型化してしまい、装置コストが大幅にアップすると
いった問題がある。また、他にもフィルタの圧力損失が
大きい等の問題をも有している。
【0006】 これらの問題を解消するためには、捕捉
効率を上げる観点からは隔壁を厚くし、隔壁の気孔径を
小さくすることが有利であるが、圧力損失の増大といっ
た不具合を招いてしまう。一方、圧力損失を低くする観
点からは、隔壁を薄くし、隔壁の気孔径を大きくするこ
とが有利であるが、反面、捕捉効率の低下といった事態
を生じ易くなるとともに、フィルタ自体の強度低下が問
題となる。
【0007】 上記問題点を解消するため、実開昭61
−64315号公報においては、予めフィルタの濾過面
にプレコート材と称するセラミックス粉体を吹き付けて
固着し、プレコート層を形成しておき、当該プレコート
材上において含塵ガス中の塵を捕捉した後、プレコート
材とともに除去するといった仕組みが導入された排ガス
浄化用装置が開示されている。しかし、上記の仕組みが
導入された前記公報記載の排ガス浄化用装置において
は、運転とともにプレコート材が消費されるために、定
期的にプレコート材を追加する手間がかかる。また、捕
捉した塵にプレコート材が混入するために、廃棄物が増
大するといった問題点がある。
【0008】 このため、現在の一般的なハニカムフィ
ルタにおいては、捕捉効率を上げつつ、小圧力損失を実
現すべく、通常、比較的大きな平均気孔径を有するハニ
カム構造の基材の表面に、基材よりも平均気孔径の小さ
いフィルタ層を設けている。
【0009】 係るフィルタ層を形成する方法として
は、従来から、気孔を液体で飽和させた多孔質基材の一
端側を減圧し、他端側よりセラミックス粒子を含むスラ
リーを供給する動加圧真空法(特開昭61−23831
5号公報)、セラミックス粒子からなる粉末を気流中で
多孔質基材の表面に付着させた後、水分を付与して吸着
させる気流コート法(特開平10−249124号公
報)、セラミックス粒子を含むスラリーを多孔質基材の
表面に接触・保持した後、排出するスラリー注入・排出
法、多孔質基材をセラミックス粒子粉末からなるスラリ
ーに浸漬するディッピング法、セラミックス粒子粉末か
らなるスラリーを多孔質ハニカム構造体の各セルに供給
し、スラリー中の水分を多孔質内を透過させて除去する
ことにより、セラミックス粒子をハニカム構造体の表面
に付着させるスラリー直濾過法等が知られている。しか
しながら、動加圧真空法は、ハニカム構造のような複雑
な形状を有する基材に適用することは困難であり、適用
しようとすれば複雑な装置が必要となり、生産効率、製
造コスト上好ましくない。
【0010】 また、気流コート法では、セラミックス
粒子が凝集状態となって基材に付着するため、コート層
の平均気孔径が大きくなり、高い捕捉効率を実現するこ
とが困難であるとともに、目詰まりが発生することによ
り、圧損上昇率が高くなるという問題があった。
【0011】 また、スラリー注入・排出法及びディッ
ピング法では、コート厚の制御が困難であり、そのた
め、フィルタ間で捕捉効率や圧力損失の程度にバラツキ
が生じるという問題があった。
【0012】 また、スラリー直濾過法では、平均粒子
径の小さいセラミックス粒子を用いてフィルタ層を形成
しようとすると、セラミックス粒子が基材の気孔内に侵
入して、基材とフィルタ層の間に緻密な構造を有する両
者の混合層を形成し、圧力損失が大きくなるという問題
があった。
【0013】 また、特許第2926187号公報にお
いては、基材の表面に、フィルタ基材表面の気孔を埋め
るように珪藻土または籾殻灰が固着され、フィルタ層が
形成されたガス用フィルタとその製造方法が開示されて
いる。しかしながら、前記公報記載のガス用フィルタに
関しては、フィルタ基材とフィルタ層の材質が異なる場
合においては、高温条件下で長期間に渡って使用するに
際し、両材質の熱膨張率の差異に起因するフィルタ層の
剥離や脱落が発生するおそれがある。
【0014】 したがって、これまでに、高捕捉効率、
小圧力損失の両方を十分に満足させる集塵用ハニカムフ
ィルタは未だ得られておらず、このようなハニカムフィ
ルタの開発が待たれていた。
【0015】 一方、集塵装置へのハニカムフィルタの
固定方法がキャニングタイプである場合、ハニカム外周
部の外壁を通じてハニカムフィルタの外部方向への濾過
流体の漏れが多いと、キャニング本来のシール性が低下
する可能性がある。また、逆洗時に発生する応力によ
り、ハニカムフィルタがずれ、ハニカムフィルタをキャ
ニングするために用いられているケーシング金属との接
触により、ハニカムフィルタのコーナー部において欠け
や損壊等の不良が発生する危険性がある。
【0016】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、高捕捉効率、小圧力損失であるとともに、集塵
装置としての使用に際して十分な強度を有する複層構造
ハニカムフィルタ、及び、そのような複層構造ハニカム
フィルタを簡単な装置にて容易に、かつ、フィルタ間で
品質のバラツキが生じないように製造することができる
複層構造ハニカムフィルタの製造方法を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、ハニカム構造を有する多孔質の基材の表面に、1層
または2層以上のフィルタ層を備えた集塵用の複層構造
ハニカムフィルタであって、フィルタの濾過流速が1m
/minの場合における該基材の圧力損失が150〜7
00Paであるとともに、少なくとも1層以上の該フィ
ルタ層の圧力損失が50〜300Paであることを特徴
とする複層構造ハニカムフィルタが提供される。
【0018】 本発明においては、フィルタ層の厚さの
最薄部と最厚部の差が35%以内であることが好まし
く、基材とフィルタ層が同材質であることが好ましい。
【0019】 また、本発明においては、ハニカム外周
部の外壁の厚さが、基材によって構成される各ハニカム
セルの隔壁の厚さに対して1.3〜2.0倍であること
が好ましく、材質がコーディライトであることが好まし
い。
【0020】 一方、本発明によれば、ハニカム構造を
有する多孔質の基材の表面に、1層または2層以上のフ
ィルタ層を備え、フィルタの濾過流速が1m/minの
場合における該基材の圧力損失が150〜700Paで
あるとともに、少なくとも1層以上の該フィルタ層の圧
力損失が50〜300Paである複層構造ハニカムフィ
ルタの製造方法であって、ハニカム構造を有する基材の
各セルに、該基材と同材質であるセラミックス粒子のス
ラリーを供給し、該スラリー中の成分を、該基材の気孔
を透過させることにより除去して、該セラミックス粒子
を該基材の表面に付着させ、次いで、焼成することによ
りフィルタ層を形成することを特徴とする複層構造ハニ
カムフィルタの製造方法が提供される。
【0021】 本発明においては、フィルタ層の厚さの
最薄部と最厚部の差が35%以内であることが好まし
い。
【0022】 また、本発明においては、基材とフィル
タ層が同材質であることが好ましく、ハニカム外周部の
外壁の厚さが、基材によって構成される各ハニカムセル
の隔壁の厚さに対して1.3〜2.0倍であることが好
ましい。
【0023】 さらに、本発明においては、材質がコー
ディライトであることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0025】 本発明の複層構造ハニカムフィルタは、
主に集塵用フィルタとして使用され、ハニカム構造を有
する多孔質の基材の表面に、1層または2層以上のフィ
ルタ層を備えてなるものであり、フィルタの濾過流速が
1m/minの場合における基材の圧力損失が150〜
700Paであることが好ましく、300〜500Pa
であることがさらに好ましく、350〜450Paであ
ることが特に好ましい。また、同時に、少なくとも1層
以上のフィルタ層の圧力損失が50〜300Paである
ことが好ましく、70〜250Paであることがさらに
好ましく、100〜200Paであることが特に好まし
い。以下、さらにその詳細について説明する。
【0026】 基材、並びにフィルタ層の圧力損失の値
を上記数値の範囲とすることにより、同時に高捕捉率と
いった特性をも有する複層構造ハニカムフィルタを得る
ことが可能となる。前記条件下における基材の圧力損失
が150Pa未満である場合は、ハニカムフィルタ自体
の強度低下に繋がり易く、また、700Paを超える圧
力損失である場合は、バグフィルタで使用される標準の
吸引ブロアと同等のブロアが使用できなくなり好ましく
ない。同様に、少なくとも1層以上のフィルタ層の圧力
損失が50Pa未満である場合は部分的にフィルタ層が
確保できなくなり、また、300Pa超である場合は基
材と同様バグフィルタで使用される標準の吸引ブロアと
同等のブロアが使用できなくなり好ましくない。
【0027】 なお、集塵用フィルタとして使用するた
めに必要なハニカムフィルタの強度とは、ハニカム構造
体のセル曲げ強度の数値にして4MPa程度であれば十
分であり、6MPaであることが好ましい。
【0028】 フィルタの濾過流速が1m/minの場
合における基材の圧力損失が150〜700Paである
ことを満足するためには、基材の平均気孔径を10〜5
0μm、気孔率を40〜60%の範囲内とすることが必
要である。また、フィルタの濾過流速が1m/minの
場合における少なくとも1層以上のフィルタ層の圧力損
失が50〜300Paであることを満足するためには、
フィルタ層の平均気孔径を2〜10μm、気孔率を30
〜50%、層厚を20〜50μmの範囲内とすることが
必要である。
【0029】 さらに、同じく集塵装置用のフィルタと
して使用されているバグフィルタと同等以上の性能を得
るためには、フィルタの濾過流速が1m/minの場合
におけるハニカムフィルタ全体の圧力損失が1000P
aであることが好ましく、800Pa以下であることが
さらに好ましい。1000Pa超の場合は、標準の吸引
ブロアが使用できないため好ましくない。なお、その一
方では、ハニカムフィルタの最低限の強度を確保するた
めには、ハニカムフィルタ全体の圧力損失は200Pa
程度とすることが限界である。
【0030】 本発明の複層構造ハニカムフィルタにお
いては、フィルタ層の厚さの最薄部と最厚部の差が35
%以内であることが好ましく、27%以内とすることが
さらに好ましく、20%以内とすることが特に好まし
い。フィルタ層の厚さの最薄部と最厚部の差が35%超
である場合は、複層構造ハニカムフィルタの捕捉効率が
十分ではなく、また、圧力損失も増大してしまう。した
がって、当該数値以内に規定された、本発明に係る複層
構造ハニカムフィルタは十分な捕捉効率が確保されてい
るとともに、圧力損失が低減されているといった特性を
有している。
【0031】 上述したフィルタ層の厚さの最薄部と最
厚部の差が35%以内である複層構造ハニカムフィルタ
は、具体的には、以下のように製造することができる。
すなわち、フィルタ層となる所定の平均粒子径を有する
セラミックス粒子を所定濃度のスラリー液に調整し、該
スラリー液を予め乾燥した基材の下方より注入し、直濾
過方式で基材表面にセラミックス粒子を付着させ、次い
で基材を上下反転することによりフィルタ層の厚さを調
整し、複層構造ハニカムフィルタを製造することができ
る。
【0032】 本発明の複層構造ハニカムフィルタは、
基材とフィルタ層が同材質であることが好ましい。同材
質とすることによって、高温条件下においても熱膨張差
が発生することがない。したがって、本発明に係る複層
構造ハニカムフィルタは、例えば、900℃までの高温
条件下においても、層間の熱膨張差に起因するフィルタ
層の剥離や脱落等が発生することがないといった優れた
特性を有している。
【0033】 本発明の複層構造ハニカムフィルタは、
ハニカム外周部の外壁の厚さが、基材によって構成され
る各ハニカムセルの隔壁の厚さに対して1.3〜2.0
倍であることが好ましく、1.4〜2.0倍であること
がさらに好ましく、1.5〜2.0倍であることが特に
好ましい。このとき、ハニカム外周部の外壁の厚さが、
基材によって構成される各ハニカムセルの隔壁の厚さに
対して1.3倍未満である場合は、ハニカム構造自体の
必要強度が確保できなくなるとともに、外壁の濾過抵抗
が各ハニカムセルの隔壁の濾過抵抗と同レベルとなる。
したがって、外壁から濾過流体が漏れてしまい、キャニ
ングのシール性が損なわれるおそれがある。
【0034】 一方、ハニカム外周部の外壁の厚さが、
基材によって構成される各ハニカムセルの隔壁の厚さに
対して2.0倍超である場合は、押出し成形性が低下し
てしまい、製造することが困難になってしまう。したが
って、本発明に係る複層構造ハニカムフィルタは、ハニ
カム外周部の外壁の厚さが、基材によって構成される各
ハニカムセルの隔壁の厚さに対して前記数値範囲内であ
ることから、ハニカムフィルタとしての十分な強度が確
保されるとともに、ハニカム外周部の外壁を通じてハニ
カムフィルタの外部方向への濾過流体の漏れを低減する
ことができる。
【0035】 本発明の複層構造ハニカムフィルタは、
材質がコーディライトであることが好ましい。コーディ
ライトは、熱膨張係数が小さく、耐熱衝撃性に優れたセ
ラミックス材料であり、また、機械的強度にも優れてい
る。すなわち、ハニカムフィルタを構成するセラミック
ス材料として好適な特性を有しているために、コーディ
ライトからなる本発明の複層構造ハニカムフィルタは、
これらの特性が生かされるとともに、所望の寸法・形状
へと製造することが可能である。
【0036】 これまでに述べてきた本発明に係る複層
構造ハニカムフィルタは、ハニカム構造を有する多孔質
の基材の各セルに、基材と同材質であるセラミックス粒
子のスラリーを供給し、スラリー中の水分を、基材の気
孔を透過させることにより除去して、セラミックス粒子
を基材の表面に付着させ、次いで、焼成してフィルタ層
を形成することにより製造される。
【0037】 なお、フィルタ層を形成するに際して使
用するスラリー中のセラミックス粒子の濃度(w/w)
は、0.5%以上、2.0%未満であることがスラリー
の沈殿性と基材への粒子の付着性とのバランスという観
点より好ましいが、0.8%以上、1.5%未満である
ことがより好ましい。
【0038】 また、スラリーの容積は、被コートセル
総容積の3倍以上、6倍以下であることが好ましい。3
倍未満の場合はセルの上方と下方で膜厚差が生じ、6倍
を超える場合は、フィルタ層の厚さと濃度との兼ね合
い、及びフィルタ層の形成に必要なスラリーが多量にな
るため、作業がし難くなるという不都合があるからであ
る。なお、第2層目以降のフィルタ層の形成は、1層目
のフィルタ層を焼成した後、上記と同様の方法にて行
う。
【0039】
【実施例】 以下、本発明の具体的な実施結果を説明す
る。端面が一辺150mmの正方形状を有する長さ50
0mmのハニカム構造を有する基材に、スラリー直濾過
法により、平均粒子径が10μmのセラミックス粒子よ
りなる、平均フィルタ層厚50μmの単一フィルタ層を
設け、複層構造のハニカムフィルタを製造した。以下、
その実施例の詳細を説明する。
【0040】(実施例1〜14) 1.基材の製造 原材料としてコーディライトを使用し、一般的な押出し
成形法により、所定のセルピッチを有するハニカム構造
体を製造した。次いで、図2に示すように、ハニカムの
多数の貫通穴9の端部を上流側Bと下流側Cとを逆に1
マスごとに同材質の原料を用いて封じ、乾燥後、所定の
焼成温度にて焼成を行って、基材を製造した(実施例1
〜14)。なお、このような工程により製造した基材の
セルピッチ、セル厚、外壁厚、外壁厚とセル厚の比(外
壁厚/セル厚)、焼成温度、セル曲げ強度、平均気孔径
を表1に示す。また、このときの気孔率は47%であっ
た。
【0041】2.フィルタ層の製造 フィルタ層の製造は、図1に示す処理装置4により行っ
た。処理装置4は、マグネットスターラー5上にスラリ
ータンク6を備え、スラリータンク6内のスラリーをエ
アAの圧力により基材1に供給するものである。スラリ
ータンク6は、所定濃度のセラミックス粒子のスラリー
を調製するためのもので、マグネットスターラー5の攪
拌作用により、均一濃度のスラリーが調製され、調製さ
れたスラリーは、スラリー注入具3に取付金具2を介し
て接続された基材1の一端側に供給され、一方のセルの
開口部からその内部へ導入される。スラリーの供給量
は、スラリータンク6に設けた液面計7により監視さ
れ、供給量が所定の値に達した時点でスラリーの供給は
停止される。その後、基材1を反転させて、基材内の濾
過水を排出する。
【0042】 導入されたスラリー中の水分は、各セル
の隔壁を漸次透過して、外部へ流出し、この間にスラリ
ー中の粒子が隔壁の一側面に漸次付着して、粒子からな
る層を形成する。なお、スラリーの調製は、予め有機バ
インダーを添加し、ポリ容器内でホモミキサーにて攪拌
・混合して行った。
【0043】 このようにしてセラミックス粒子よりな
る層を形成した後、層を設けた基材を乾燥し、所定の焼
成温度にて2時間焼成を行い、フィルタ層を製造した
(実施例1〜10)。なお、前記工程において使用した
セラミックス粒子のスラリー濃度と平均粒子径、及び焼
成温度と、このような工程により作製したフィルタ層の
層厚を表1に示す。なお、表1において、「実体強度」
とは、150×150×500mmの実体品で3点曲げ
応力をかけたときの破壊荷重であり、設計強度に対する
安全率が8以上の場合を「大」、安全率が4〜7の場合
を「中」、安全率が1〜3の場合を「小」として判定し
た。
【0044】(比較例1〜5) 1.基材の製造 前述した実施例1〜14の場合と同様の操作により、基
材を製造した(比較例1〜5)。なお、このような工程
により製造した基材のセルピッチ、セル厚、外壁厚、外
壁厚とセル厚の比(外壁厚/セル厚)、焼成温度、平均
気孔径を表1に示す。また、気孔率は47%であった。
【0045】2.フィルタ層の製造 前述した実施例1〜10の場合と同様の操作により、フ
ィルタ層を製造した(比較例1〜5)。
【0046】(圧力損失(通気差圧)の測定)上記各工
程により製造した実施例1〜14、比較例1〜5の基
材、フィルタ層、並びに全体(基材+フィルタ層)につ
いて、流速1m/分(流量換算では1m/分×2.6m
2=2.6m3/分)で常温空気を透過させたときの入口
と出口の圧力を測定し、その差を算出した。結果を表1
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】 表1より、実施例のハニカムフィルタに
ついては、いずれも通気差圧(圧力損失)が所定値以下
であるとともに、実体強度の評価も全て中〜大であっ
た。これに対し、比較例のハニカムフィルタについては
基材の焼成温度が所定温度よりも低い場合(比較例1)
には通気差圧(圧力損失)が所定値以上となった。ま
た、比較例については、通気差圧(圧力損失)が所定値
以下であった場合であっても、実体強度の評価も全て小
であり、本発明の優れた効果を確認することができた。
【0049】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の複層構
造ハニカムフィルタによれば、捕捉効率が良好であると
ともに、圧力損失も小さいために、化学、電力、産業廃
棄物処理産業等の各分野において、ガス中のダストを捕
捉する集塵用フィルタとして好適に用いることができ
る。また、本発明の複層構造ハニカムフィルタの製造方
法によれば、簡単な装置にて容易に、かつフィルタ間で
品質のバラツキがない複層構造ハニカムフィルタを製造
することができるため、製造効率の向上及び生産コスト
の低減に寄与するとともに、優れた性能を有する集塵用
のハニカムフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複層構造ハニカムフィルタの製造方
法の一例を示す模式図である。
【図2】 ハニカムフィルタの一般的構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1…基材、2…取付金具、3…スラリー注入具、4…処
理装置、5…マグネットスターラー、6…スラリータン
ク、7…液面計、8…隔壁、9…貫通穴、10…ハニカ
ムフィルタ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム構造を有する多孔質の基材の表
    面に、1層または2層以上のフィルタ層を備えた集塵用
    の複層構造ハニカムフィルタであって、 フィルタの濾過流速が1m/minの場合における該基
    材の圧力損失が150〜700Paであるとともに、少
    なくとも1層以上の該フィルタ層の圧力損失が50〜3
    00Paであることを特徴とする複層構造ハニカムフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 フィルタ層の厚さの最薄部と最厚部の差
    が35%以内である請求項1記載の複層構造ハニカムフ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】 基材とフィルタ層が同材質である請求項
    1または2に記載の複層構造ハニカムフィルタ。
  4. 【請求項4】 ハニカム外周部の外壁の厚さが、基材に
    よって構成される各ハニカムセルの隔壁の厚さに対して
    1.3〜2.0倍である請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の複層構造ハニカムフィルタ。
  5. 【請求項5】 材質がコーディライトである請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の複層構造ハニカムフィルタ。
  6. 【請求項6】 ハニカム構造を有する多孔質の基材の表
    面に、1層または2層以上のフィルタ層を備え、フィル
    タの濾過流速が1m/minの場合における該基材の圧
    力損失が150〜700Paであるとともに、少なくと
    も1層以上の該フィルタ層の圧力損失が50〜300P
    aである複層構造ハニカムフィルタの製造方法であっ
    て、 ハニカム構造を有する基材の各セルに、該基材と同材質
    であるセラミックス粒子のスラリーを供給し、 該スラリー中の成分を、該基材の気孔を透過させること
    により除去して、該セラミックス粒子を該基材の表面に
    付着させ、 次いで、焼成することによりフィルタ層を形成すること
    を特徴とする複層構造ハニカムフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 フィルタ層の厚さの最薄部と最厚部の差
    が35%以内である請求項6記載の複層構造ハニカムフ
    ィルタの製造方法。
  8. 【請求項8】 基材とフィルタ層が同材質である請求項
    6または7に記載の複層構造ハニカムフィルタの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 ハニカム外周部の外壁の厚さが、基材に
    よって構成される各ハニカムセルの隔壁の厚さに対して
    1.3〜2.0倍である請求項6〜8のいずれか一項に
    記載の複層構造ハニカムフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 材質がコーディライトである請求項6
    〜9のいずれか一項に記載の複層構造ハニカムフィルタ
    の製造方法。
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